JP2011126904A - ダニ駆除粉末の使用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、40質量%より多い炭酸水素ナトリウムを含むダニ駆除粉末の、その穀物貯蔵におけるダニ駆除効果のための使用に関する。
【選択図】なし
Description
ダニは大きさが1/10ミリメートルに近いクモガタ類の小動物であり、特に家内の寝具及びカーペット内で発生し、人間のアレルギー反応を引き起こしうる。その最適生存条件は55〜85%の湿度と15〜35℃の温度を必要とする。ダニは、基本的に、厚織物内に蓄積する鱗片及び有機物質を食べている。成人は1日に平均して1.5gの死んだ皮膚を失い、これは150万匹のダニを養うのに十分である。
多様な現存するダニのうち、人間環境内で発生するので特に関心を奪っているものがある。これは、主としてダストダニ(デルマトファゴイデス・プテロニスシニス(dermatophagoides pteronyssinis))及び穀物内で発生するダニ(コナダニ(Acarus siro)及びチロファグス・プトレスセンチア(Tyrophagus putrescentiae))である。
除虫菊剤及びペルメトリン(permethrin)のような合成ピレトリン類似化合物を用いてダニと戦うことは知られており、かつ普及したプラクティスである。これら物質は神経毒性であり、人間に対するその有害さがますます立証されている。食料品、さらに詳しくは穀物を保護するめのそれらの使用は回避すべきである。
本発明は、自然かつ人間に無害であり、穀物ストック内で発生するダニを簡単、効率的かつ経済的に排除できる方法を提供することに関する。
ダニは本発明のダニ駆除粉末を食べないが、この粉末の微細粒子がダニの外面に付着することが観察された。理論的解釈に拘泥されたくなく、かつ他の作用態様を排除するものではないが、発明者らは、本発明の粉末のダニ駆除剤としての使用が、ダニの角皮及び卵の殻の特定の膜交換平衡にダメージを与え、それが脱水及び最後にはその死を誘発すると考える。
本発明のダニ駆除粉末は、穀物との混合物として使用することができる。本粉末を、穀物を貯蔵する手段(サイロ、バッグ、トラック等)の壁に適用するだけでもよい。用語“貯蔵”は、最も広い意味で、穀物を長期間保存することのみならず、収穫した穀物の取扱いの際に生じうる穀物を短期間保存することも意味することを意図する。
微細な粒径を有する粉末が、より高いダニ駆除能を有するようだった。
本発明の有利な実施形態では、粉末を構成する顆粒の少なくとも90%が500μm未満の直径を有する粉末を使用する。しかし、顆粒が微細すぎないことが好ましい。粉末を構成する顆粒の少なくとも90%が1μm〜500μmの直径を有するような粉末が通常好適である。
顆粒の90%が100μm未満の直径を有する本発明のダニ駆除粉末が好ましい。
本ダニ駆除粉末は、40質量%より多い炭酸水素ナトリウムを含む。本ダニ駆除粉末が少なくとも50質量%の炭酸水素ナトリウムを含むことが好ましい。
本発明の有利な実施形態では、ダニ駆除粉末は、少なくとも95質量%の炭酸水素ナトリウムを含む。本ダニ駆除粉末は本質的に炭酸水素ナトリウムで構成されていてもよい。
本発明の別の局面は、本発明の粉末の、その併せ持ったダニ駆除効果と殺虫効果のための使用に関する。
これは、穀物はその中で一般に発生する特定の昆虫によっても被害を受けうるからである。これらは、特に小麦ゾウムシ(Shitohilus granarius)及び小穀粒穿孔虫(Rhizopertha dominica)である。これら昆虫はその卵を穀粒の内側に産むので特に有害である。本発明の粉末は、これら昆虫とも戦うものと思われる。理論的解釈に拘泥されたくなく、かつ他の作用態様を排除するものではないが、発明者らは、本発明の粉末の昆虫に対する作用態様は、ダニに対する作用態様とは異なると考える。これは、昆虫は炭酸水素ナトリウムを吸収すると思われるからである。吸収後、炭酸水素塩が、ガスの放出を通じて昆虫内の圧力を上昇させ、その死を引き起こすと考えられる。
シリカは、非晶質でも結晶でもよい。しかし、非晶質シリカは、人体がより良く耐えるので好ましい。沈降シリカの形態の合成非晶質シリカは周知である。霧化による沈降シリカの乾燥は超微細生成物をもたらし、非常に好適である。シリカゲルでも非常に良い結果が得られた。シリカゲルは、酸をケイ酸ナトリウムの溶液と反応させた結果物である。得られたゲルを乾燥させ、微細に粉砕する。このような生成物は、より経済的であるという利点を有する。
この実施形態の好ましい変形では、シリカがシリカゲルの形態である。
結果として、本発明は、本発明の粉末の、その併せ持ったダニ駆除、殺虫及び殺真菌効果のための使用にも関する。
(実施例1)
粒子の100%が160μ未満の直径を有し、かつ少なくとも95%が100μ未満の直径を有するような粒径を有する10gの炭酸水素ナトリウム粉末をペトリ皿の底に置いた。50匹の“コナダニ属(Acarus siro)”の小麦ダニを粉末上に置いた。
48時間後に95%のダニの死(3試料の平均)が観察された。対照試料の場合、炭酸水素ナトリウムはないが、同一条件下で維持し、2%だけのダニが死んだ(3試料の平均)。
“チロファグス・プトレスセンチア(Tyrophagus putrescentiae)”チーズダニを使用することを除き、実施例1のような手順を行った。この場合、24時間後に100%のダニの死が観察された。対照試料内のダニは24時間後に死亡せず、45時間後に4%が死んだ。
実施例1及び2は、本発明の特に穀物内で発生するダニのダニ駆除効果を実証する。
この実施例では、96%の炭酸水素ナトリウムと、4%の非晶質沈降ヒュームドシリカ(Degussa製Aerosil(登録商標)200)を含む粉末を使用した。該粉末は、100%の粒子が160μ未満の直径、少なくとも95%の粒子が100μ未満の直径を有するような粒径を有する。
10gの粉末をペトリ皿の底に置いた。50匹の“小穀粒穿孔”昆虫(Rhizopertha dominica)を、15日間確実に生き残るのに十分な食物と一緒に粉末上に置いた。
48時間後に昆虫の47%の死(3試料の平均)が観察された。対照試料の場合、炭酸水素ナトリウムはないが、同一条件下で維持し、昆虫は死亡しなかった(3試料の平均)。72時間後、本発明によって処理した昆虫の死亡率は79%に達し、4日後で100%に達するが、対照試料の昆虫の死亡率は72時間までゼロであり、4日後でも2%を超えない。
実施例4及び5では、実施例3のような手順を行ったが、実施例4では本質的に炭酸水素ナトリウムから成る粉末を使用し、実施例5では本質的にシリカ(シリカゲル)から成る粉末を用いた。48時間後の死亡率は、炭酸水素塩では2%、シリカでは100%だった。
実施例3、4及び5の比較は、炭酸水素塩粉末に最小量のシリカを添加して得られる小穀粒穿孔虫に対する驚くべき殺虫効果を実証する。
小穀粒穿孔虫について行った実験の結果を表1にまとめる。
実施例6〜8では、実施例3〜5のような手順を行ったが、小穀粒穿孔虫を小麦ゾウム(Sitophilus granarius)と交換した。種々のシリカの効果と、10%のシリカゲルで補充したケイソウ土の混合物の効果も比較した。得られた結果を表2にまとめる。これら実施例もやはりシリカ又は炭酸水素塩のみと比較した炭酸水素塩−シリカ混合物の驚くべき有効性を実証する。
Claims (10)
- 40質量%より多い炭酸水素ナトリウムを含む粉末の、穀物の貯蔵におけるそのダニ駆除効果のための使用。
- 前記穀物をサイロ内に貯蔵し、かつ前記サイロの壁に前記粉末を射出する、請求項1に記載の使用。
- 前記粉末を構成する顆粒の少なくとも90%が500μm未満の直径を有する、請求項1又は2に記載の使用。
- 前記直径が100μm未満である、請求項3に記載の使用。
- 前記粉末が、少なくとも95%の炭酸水素ナトリウムを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
- 前記粉末が神経毒性物質のない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
- その併せ持ったダニ駆除効果と殺虫効果のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
- 前記粉末が少なくとも1質量%のシリカを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
- 前記シリカがシリカゲルである、請求項8に記載の使用。
- その併せ持ったダニ駆除効果、殺真菌効果及び殺虫効果のための、請求項7〜9のいずれか1項に記載の使用。
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