JP2004277370A - 根こぶ病害の防除剤及び根こぶ病の防除方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人畜、鳥類・昆虫類等の天敵、環境、魚類、作物に対する影響が小さく安全で、且つアブラナ科野菜の根こぶ病害に対して優れた効果を有する防除剤を提供する。
【解決手段】微生物起源のナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩の少なくとも1種を有効成分として含有する防除剤が、アブラナ科野菜の根こぶ病害の防除に著効を有する。10アールあたり有効成分として100g〜10,000gを施用するときに、特に好ましい効果を発揮する。これらの薬剤は、人や家畜、鳥類・昆虫類の天敵、環境、魚類、作物に対して影響が小さく、安全に使用できる。
【選択図】 なし
【解決手段】微生物起源のナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩の少なくとも1種を有効成分として含有する防除剤が、アブラナ科野菜の根こぶ病害の防除に著効を有する。10アールあたり有効成分として100g〜10,000gを施用するときに、特に好ましい効果を発揮する。これらの薬剤は、人や家畜、鳥類・昆虫類の天敵、環境、魚類、作物に対して影響が小さく、安全に使用できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はアブラナ科野菜栽培上問題となっている根こぶ病を防除する薬剤及び根こぶ病害防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アブラナ科野菜の根こぶ病害防除の薬剤として臭化メチル、クロルピクリン等の土壌燻蒸剤、あるいはテトラクロロイソフタロニトリル、PCNB、トリクロホスメチル等の多くの殺菌剤が利用されている。これらの薬剤には、その分子中にハロゲン原子が含有されているため、毒性、刺激性、環境汚染あるいは環境破壊といった問題を抱えている。またテトラクロロイソフタロニトリル、PCNB、トリクロホスメチル等は粉剤あるいは水和剤の形で土壌混和、潅注等によって根こぶ病害の防除が行われている。しかし、現状においてはこれらの薬剤は栽培農家が期待するような十分な効果を示していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述したような従来の薬剤の欠点を克服したアブラナ科野菜の根こぶ病害の防除剤、すなわち人畜、昆虫類の天敵、環境、魚類、作物に対する影響が小さく安全で、且つ根こぶ病害に対して優れた効果を有する防除剤、及び根こぶ病害防除方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、根こぶ病害に対して防除効果を有する物質を鋭意探索した結果、ナラシン、ラサロシド及びそれらの塩類が根こぶ病害に対して強力な防除効果を有し、しかもこれらの物質はその分子中にハロゲン原子を有しないため人畜、昆虫等の天敵、環境、魚類、作物に対する影響が小さく安全であることを見出し、これらの知見に基づいて更に鋭意研究を重ねた結果、本研究を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、ナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩の少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする根こぶ病害防除剤を提供するものである。
更には、ナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩の少なくとも1種を有効成分として含有する薬剤を施用することを特徴とするアブラナ科野菜の根こぶ病害防除方法を提供するものである。
【0006】
尚 ナラシン、ラサロシドは、いずれも抗菌作用と抗コクシジウム作用を有する公知の物質である(ナラシン:ベルグ、ハミール、ジャーナル・オブ・アンタイバイオティクス、31巻、1、1978(D. H. Berg, R. L. Hamill, J. Antibiot. 31, 1(1978))、ラサロシド:ベルガー等、ジャーナル・オブ・アメリカン・アグリケミカル・ソサイアティー、73巻、5295、1951(Berger et. al., J. Am. Chem. Soc. 73, 5295, (1951))。
これらの物質はいずれも人畜、鳥類、昆虫類、魚類に対して安全であると考えられるころであるが、本発明者等はこれらを根こぶ病害防除剤として使用したときは作物に対しても悪影響を及ぼさないことを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の根こぶ病害の防除剤は、ナラシンまたはその塩、ラサロシドまたはその塩のいずれかを有効成分として含有する。
【0008】
ナラシン、ラサロシドの塩としては、農薬化学上許容可能な塩であればよい。例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、例えばマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、例えば鉄、銅、亜鉛、マンガン等の重金属塩、例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリミジン、ルチジン、コリジン、ヒドラジン等のアンモニウム又はアミン塩、例えば尿素、グアニジン等との塩が挙げられる。
【0009】
本発明の根こぶ病害防除剤は、有効成分(ナラシンまたはその塩、ラサロシドまたはその塩)に、何らの成分も加えずに施用してもよいが、使用目的によって適当な液体担体乃至溶媒に溶解あるいは分散させ、また適当な固体担体と混合あるいは吸着させ、さらに補助剤を加えた乳剤、油剤、水性懸濁剤、エマルジョン、液剤、水和剤、粉剤、粒剤、フロアブル剤等の剤型として使用するのが好ましい。
【0010】
適当な液体担体としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、例えばケロシン、灯油、機械油、食用油等の脂肪族炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、脂肪酸グリセリンエステル等のエステル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、例えばジメチルスルホキサイド、水等が用いられる。これらは1種または2種類以上を適当な割合で混合して適宜使用することができる。
【0011】
固体担体としては、例えば米糠、ふすま、大豆粉、小麦粉、木粉等の植物粉末、例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等のクレー類、例えば滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、例えば珪藻土、雲母粉、バーミキュライト等のシリカ類の鉱物性粉末、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、活性炭等が用いられる。これらは1種または2種類以上を適当な割合で混合して適宜使用することができる。
【0012】
さらに根こぶ病害の防除剤としての効力を増強するために、製剤の剤型、適用の場面を考慮して目的に応じてそれぞれ単独に、または組み合わせて以下のような補助剤を使用することができる。乳化、分散、湿潤、結合、安定化等の目的では例えばリグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、例えばポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、及びポリオキシアルキレンアルキル燐酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルキルチオエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤、例えばステアリン酸カルシウム、ワックス等の滑剤、イソプロピルヒドロジェンホスフェート等の安定剤、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アラビアゴム、ワセリン、流動パラフィン等が用いられる。しかし、これらの成分は以上のものに限定されるものではない。
【0013】
本発明のナラシンまたはその塩、ラサロシドまたはその塩のいずれかを含む根こぶ病害の防除剤は、従来の防除剤と同様な方法で用いることができる。例えば、育苗箱処理、移植後灌水時の処理、作物の株元処理、種子処理あるいは土壌混和処理などにより使用することができるが、特に土壌混和処理、育苗箱処理あるいは移植後灌水時の処理が好ましい。そしてその使用量は、施用時期、施用場所、施用方法等に応じて広範囲に変えることができるが、一般的には10アールあたり有効成分が1〜30,000g、好ましくは100g〜10,000gとなるように施用することが望ましい。
【0014】
【実施例】
以下に実施例、試験例を用いて本発明を一層具体的に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。尚、実施例の部は原則として重量部を表す。
実施例1
ナラシンまたはラサロシド(何れも独立行政法人肥飼料検査所より入手)のいずれか1種0.01部宛をメタノール20部に溶解し、珪藻土焼成粒50部に混和、乾燥し、有効成分0.02%の粒剤3種を得た。
【0015】
実施例2
ナラシンまたはラサロシドのうちいずれか1種を0.1部宛、炭酸カルシウム60部、クレー39部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.9部を均一に混合、粉砕して有効成分0.1%の粉剤3種を得た。
【0016】
試験例1 白菜根こぶ病(Plasmodiophora brassicae )に対する防除試験
実施例1に準じて供試物質(表1に示す化合物)の有効成分の濃度が異なる粒剤を調製した。別に、酸性土壌(根こぶ病が出やすい土壌)に白菜罹病根から調製した根こぶ病休眠胞子懸濁液を添加(4.0×106/土壌1g)し、よく混合した。この土壌に供試物質の粉剤5%を添加して所定量の有効性分とし、十分に混合した後、直径8mmのポリポットに詰め、白菜の種子を播種した。温室内で4週間栽培した後、白菜の根を洗い出し、発病度を調査し、結果を以下の防除価を用いて点数評価した。結果を表1に示した。
防除価3:発病度 30%以下、
防除価2:発病度 31〜40%、
防除価1:発病度 41〜50%、
防除価0:発病度 51%以上
表1に示した如く、ナラシン、ラサロシドは、何れも、一般に使用されているテトラクロロイソフタロニトリル(TPN)よりはるかに少量で、優れた病害防除効果を示した。
又、白菜の葉、茎部等に薬害は認められなかった。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
ナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩は、根こぶ病害に対して強力な防除効果を有し、しかもその分子中にハロゲン原子しないため、人や家畜、魚類、昆虫等に対して安全で、かつ優れたアブラナ科野菜の根こぶ病害防除剤として有用である。
【発明が属する技術分野】
本発明はアブラナ科野菜栽培上問題となっている根こぶ病を防除する薬剤及び根こぶ病害防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アブラナ科野菜の根こぶ病害防除の薬剤として臭化メチル、クロルピクリン等の土壌燻蒸剤、あるいはテトラクロロイソフタロニトリル、PCNB、トリクロホスメチル等の多くの殺菌剤が利用されている。これらの薬剤には、その分子中にハロゲン原子が含有されているため、毒性、刺激性、環境汚染あるいは環境破壊といった問題を抱えている。またテトラクロロイソフタロニトリル、PCNB、トリクロホスメチル等は粉剤あるいは水和剤の形で土壌混和、潅注等によって根こぶ病害の防除が行われている。しかし、現状においてはこれらの薬剤は栽培農家が期待するような十分な効果を示していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述したような従来の薬剤の欠点を克服したアブラナ科野菜の根こぶ病害の防除剤、すなわち人畜、昆虫類の天敵、環境、魚類、作物に対する影響が小さく安全で、且つ根こぶ病害に対して優れた効果を有する防除剤、及び根こぶ病害防除方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、根こぶ病害に対して防除効果を有する物質を鋭意探索した結果、ナラシン、ラサロシド及びそれらの塩類が根こぶ病害に対して強力な防除効果を有し、しかもこれらの物質はその分子中にハロゲン原子を有しないため人畜、昆虫等の天敵、環境、魚類、作物に対する影響が小さく安全であることを見出し、これらの知見に基づいて更に鋭意研究を重ねた結果、本研究を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、ナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩の少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする根こぶ病害防除剤を提供するものである。
更には、ナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩の少なくとも1種を有効成分として含有する薬剤を施用することを特徴とするアブラナ科野菜の根こぶ病害防除方法を提供するものである。
【0006】
尚 ナラシン、ラサロシドは、いずれも抗菌作用と抗コクシジウム作用を有する公知の物質である(ナラシン:ベルグ、ハミール、ジャーナル・オブ・アンタイバイオティクス、31巻、1、1978(D. H. Berg, R. L. Hamill, J. Antibiot. 31, 1(1978))、ラサロシド:ベルガー等、ジャーナル・オブ・アメリカン・アグリケミカル・ソサイアティー、73巻、5295、1951(Berger et. al., J. Am. Chem. Soc. 73, 5295, (1951))。
これらの物質はいずれも人畜、鳥類、昆虫類、魚類に対して安全であると考えられるころであるが、本発明者等はこれらを根こぶ病害防除剤として使用したときは作物に対しても悪影響を及ぼさないことを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の根こぶ病害の防除剤は、ナラシンまたはその塩、ラサロシドまたはその塩のいずれかを有効成分として含有する。
【0008】
ナラシン、ラサロシドの塩としては、農薬化学上許容可能な塩であればよい。例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、例えばマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、例えば鉄、銅、亜鉛、マンガン等の重金属塩、例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリミジン、ルチジン、コリジン、ヒドラジン等のアンモニウム又はアミン塩、例えば尿素、グアニジン等との塩が挙げられる。
【0009】
本発明の根こぶ病害防除剤は、有効成分(ナラシンまたはその塩、ラサロシドまたはその塩)に、何らの成分も加えずに施用してもよいが、使用目的によって適当な液体担体乃至溶媒に溶解あるいは分散させ、また適当な固体担体と混合あるいは吸着させ、さらに補助剤を加えた乳剤、油剤、水性懸濁剤、エマルジョン、液剤、水和剤、粉剤、粒剤、フロアブル剤等の剤型として使用するのが好ましい。
【0010】
適当な液体担体としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、例えばケロシン、灯油、機械油、食用油等の脂肪族炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、脂肪酸グリセリンエステル等のエステル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、例えばジメチルスルホキサイド、水等が用いられる。これらは1種または2種類以上を適当な割合で混合して適宜使用することができる。
【0011】
固体担体としては、例えば米糠、ふすま、大豆粉、小麦粉、木粉等の植物粉末、例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等のクレー類、例えば滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、例えば珪藻土、雲母粉、バーミキュライト等のシリカ類の鉱物性粉末、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、活性炭等が用いられる。これらは1種または2種類以上を適当な割合で混合して適宜使用することができる。
【0012】
さらに根こぶ病害の防除剤としての効力を増強するために、製剤の剤型、適用の場面を考慮して目的に応じてそれぞれ単独に、または組み合わせて以下のような補助剤を使用することができる。乳化、分散、湿潤、結合、安定化等の目的では例えばリグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、例えばポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、及びポリオキシアルキレンアルキル燐酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルキルチオエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤、例えばステアリン酸カルシウム、ワックス等の滑剤、イソプロピルヒドロジェンホスフェート等の安定剤、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アラビアゴム、ワセリン、流動パラフィン等が用いられる。しかし、これらの成分は以上のものに限定されるものではない。
【0013】
本発明のナラシンまたはその塩、ラサロシドまたはその塩のいずれかを含む根こぶ病害の防除剤は、従来の防除剤と同様な方法で用いることができる。例えば、育苗箱処理、移植後灌水時の処理、作物の株元処理、種子処理あるいは土壌混和処理などにより使用することができるが、特に土壌混和処理、育苗箱処理あるいは移植後灌水時の処理が好ましい。そしてその使用量は、施用時期、施用場所、施用方法等に応じて広範囲に変えることができるが、一般的には10アールあたり有効成分が1〜30,000g、好ましくは100g〜10,000gとなるように施用することが望ましい。
【0014】
【実施例】
以下に実施例、試験例を用いて本発明を一層具体的に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。尚、実施例の部は原則として重量部を表す。
実施例1
ナラシンまたはラサロシド(何れも独立行政法人肥飼料検査所より入手)のいずれか1種0.01部宛をメタノール20部に溶解し、珪藻土焼成粒50部に混和、乾燥し、有効成分0.02%の粒剤3種を得た。
【0015】
実施例2
ナラシンまたはラサロシドのうちいずれか1種を0.1部宛、炭酸カルシウム60部、クレー39部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.9部を均一に混合、粉砕して有効成分0.1%の粉剤3種を得た。
【0016】
試験例1 白菜根こぶ病(Plasmodiophora brassicae )に対する防除試験
実施例1に準じて供試物質(表1に示す化合物)の有効成分の濃度が異なる粒剤を調製した。別に、酸性土壌(根こぶ病が出やすい土壌)に白菜罹病根から調製した根こぶ病休眠胞子懸濁液を添加(4.0×106/土壌1g)し、よく混合した。この土壌に供試物質の粉剤5%を添加して所定量の有効性分とし、十分に混合した後、直径8mmのポリポットに詰め、白菜の種子を播種した。温室内で4週間栽培した後、白菜の根を洗い出し、発病度を調査し、結果を以下の防除価を用いて点数評価した。結果を表1に示した。
防除価3:発病度 30%以下、
防除価2:発病度 31〜40%、
防除価1:発病度 41〜50%、
防除価0:発病度 51%以上
表1に示した如く、ナラシン、ラサロシドは、何れも、一般に使用されているテトラクロロイソフタロニトリル(TPN)よりはるかに少量で、優れた病害防除効果を示した。
又、白菜の葉、茎部等に薬害は認められなかった。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
ナラシン、ラサロシド、またはそれらの塩は、根こぶ病害に対して強力な防除効果を有し、しかもその分子中にハロゲン原子しないため、人や家畜、魚類、昆虫等に対して安全で、かつ優れたアブラナ科野菜の根こぶ病害防除剤として有用である。
Claims (3)
- ナラシン、ラサロシド又はこれらの塩の内少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする根こぶ病害防除剤。
- ナラシン、ラサロシド又はこれらの塩の内少なくとも1種を有効成分として含有する防除剤を10アールあたり有効成分として1〜30,000g施用することを特徴とするアブラナ科野菜の根こぶ病害防除方法。
- ナラシン、ラサロシド又はこれらの塩の内少なくとも1種を有効成分として含有する防除剤を10アールあたり有効成分として100g〜10,000g施用する請求項2記載のアブラナ科野菜の根こぶ病害防除方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003073326A JP2004277370A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | 根こぶ病害の防除剤及び根こぶ病の防除方法 |
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JP2003073326A JP2004277370A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | 根こぶ病害の防除剤及び根こぶ病の防除方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004277370A true JP2004277370A (ja) | 2004-10-07 |
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- 2003-03-18 JP JP2003073326A patent/JP2004277370A/ja active Pending
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