JP2011126750A - 炭素系摺動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素系摺動体として、精密化、小型化などに十分対応でき、かつ曲げ強度や耐衝撃性、耐久性などの摺動特性に優れ、諸性能がバランスの取れた炭素系摺動体を提供する。
【解決手段】少なくとも黒鉛と樹脂などからなる結合材および必要に応じて金属を添加して混練し、押出成形したのち、無酸化雰囲気中において600℃以上の高温で焼成して得られた炭素系摺動体であって、前記炭素系摺動体内の黒鉛の配向度が70%以上であることを特徴とし、さらに好ましくは炭素系摺動体の表面粗さがRa1μm以下で、さらにその外形形状が好ましくは押出棒状体であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、黒鉛を用いた炭素系摺動体に関する。
従来、各種機械用軸受や摺動軸、メカニカルシール部品などの摺動体としてセラミックや金属、樹脂、炭素材などが種々検討されているが、その中でも炭素材は、耐薬品性、耐熱性、機械加工性に優れ、さらに潤滑性がよく、摩擦係数が小さいなど、好ましい摺動体として検討されている。しかし、他の材料と比べると機械的強度や耐衝撃性および摩耗量の増加つまり耐久性などに劣るなどの問題がある。このため従来の製法を改良したり(特許文献1参照)、炭素繊維やセラミックなどの材料を添加したりしている(特許文献2参照)。
特公昭57−25483号公報 特開平7−11282号公報
しかしながら、上記方法を用いた場合多少の改善はみられるものの、近年の精密化、小型化などに伴い、他の材料を用いた摺動体と比べるとやはり機械的強度や耐衝撃性、耐久性などに劣るのである。さらに摺動体としては、プレート状、フィルム状、球状など用途に応じて任意の形状のものがあるが、たとえば棒状体などのように目的物の移動のための支持体として使用される場合には、前記の問題は特に顕著となるのである。
本発明は、上記問題を解消した炭素系摺動体にあり、少なくとも黒鉛と結合材を混練、押出成形した後焼成してなる炭素系摺動体であって、前記炭素系摺動体中の黒鉛の押出軸方向の配向度が70%以上であることを第1の要旨とする。
また炭素系摺動体内に金属が配合されてなることを第2の要旨とする。
さらに炭素系摺動体の表面粗さがRa1μm以下であることを第3の要旨とする。
さらに炭素系摺動体が押出棒状体であることを第4の要旨とする。
本発明の炭素系摺動体は、耐薬品性、耐熱性、機械加工性や潤滑性はもとより、他の材料と遜色なく機械的強度や耐衝撃性が向上し、さらにヤング率が向上するために摺動特性が安定することから摩耗量が減少して耐久性も向上し、精密化、小型化に対しても十分に対応できるという特徴を有する。
本発明の炭素系摺動体は、精密化、小型化に伴いバランスのとれた諸性能が得られるという目的を実現した。
本発明の炭素系摺動体は、少なくとも黒鉛と結合材を混練、押出成形した後焼成してなるもので、得られた炭素系摺動体は少なくとも黒鉛と、結合材を焼成して得られた炭素つまりアモルファスカーボンとから構成されており、前記黒鉛の押出軸方向の配向度が70%以上、特には75%以上であることを特徴とする。配向度は、炭素系摺動体中の黒鉛の押出軸方向に対する配向の程度を示すもので、数値が100%に近いほど配向が進んでいる。鱗片状である黒鉛の配向すなわち(002)面の配向をなるべく一方向に揃えることで、曲げ強度が高く、耐衝撃性や耐久性にも優れた炭素系摺動体が得られるのであって、特に炭素系摺動体の外形形状が棒状体の場合には、その好ましい特徴はさらに顕著なものとなるのである。
炭素系摺動体中の黒鉛の押出軸方向の配向度は、使用する材料の選択、配合の調整などのほかに、押出条件つまり押出機におけるプランジャー形状あるいはスクリュー形状、押出速度、押出温度、ノズル径などを任意に制御することで適宜設定できる。たとえば、押出速度を速くしたり、絞り率などを大きくすると配向度は高くなる傾向がある。
本発明の炭素系摺動体の作製に使用される結合材は、焼成後にアモルファスカーボンとなるものであれば何でもよく、たとえば水溶性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂や、コールタール、アスファルトなどのピッチ状物質が挙げられる。なお、本発明の炭素系摺動体には黒鉛以外の炭素系物質、たとえばカーボンブラックやコークスなどが添加されていてもよい。
本発明の炭素系摺動体として、さらに金属が添加されているものが好ましく、たとえばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、リチウムなどが挙げられる。金属を添加することにより、炭素系摺動体の硬度や耐久性ばかりでなく、特にじん性や耐衝撃性が良好となり、たとえば形状が棒状体などの場合じん性の向上で折れ難くなるなどその効果は顕著なものとなる。金属の添加量は任意であるが、あまり多いと逆に曲げ強度の低下や摺動特性が劣化するため、炭素系摺動体全重量に対し1重量%以下が好ましい。
本発明の炭素系摺動体は曲げ強度が高く、そのため好ましくはその表面粗さがRa1μm以下、特にはRa0.5μm以下が好適である。その表面状態が相手材に影響を与え、特に形状が支持体としての棒状体の場合その傾向は顕著となるのであって、表面粗さがRa1μm以上になると相手材を摩耗させてしまい、安定した表面状態を維持できなくなるなど摺動特性が劣化してしまう。
本発明の炭素系摺動体の形状は、用いられる用途に応じて任意であるが、好ましくは目的物の移動のための支持体などに用いられる棒状体形状であって、特に押出棒状体が好適である。押出棒状体とすることにより、本発明の特徴が十全に発現され、優れた炭素系摺動体となるのである。押出棒状体の断面形状は任意であり、たとえば円状、三角、四角、六角等が挙げられ、目的物(相手材)との関係で適宜設定する。
次に、本発明の炭素系摺動体の製造法について簡単に述べると、少なくとも黒鉛と樹脂などの結合材および必要に応じて金属を添加して混練、押出成形したのち、概ね600℃以上の高温で無酸化雰囲気中において焼成して炭素系摺動体とする。ここで、摺動体中の黒鉛の配向度が70%以上となるように、押出時の各種条件を調節して作製する。また、得られた炭素系摺動体の表面粗さがRa1μm以下となるように表面を研磨加工して完成させる。次に実施例を示す。なお、部は「質量部」である。
黒鉛(平均粒径5μm)50部とフェノール樹脂50部およびアルコール100部を混合し、ニーダー等により混練したのち、得られた混練物を押出成形した。このとき、押出条件としてプランジャー押出を用い、かつ押出速度や絞り率を適宜の値に設定して所定の配向度となるようにした。次にアルゴン雰囲気中において、最高温度1000℃まで焼成した。得られた摺動体の表面を研磨加工して、最終的に外径1mm、長さ10mmの円柱状の炭素系摺動体とした。この炭素系摺動体は、黒鉛の配向度が88%を示し、曲げ強度が400MPa、表面粗さは0.3μmで、機械的強度が高く耐衝撃性、耐久性が向上するなど、相手材に影響を与えることなく優れた摺動特性を有する炭素系摺動体となった。
実施例1において、原材料としてさらに0.5部のマグネシウムを添加し、実施例1と同様の工程を用いて炭素系摺動体を作製した。得られた炭素系摺動体は、実施例1とほぼ同様の性能となったが、さらにじん性および耐衝撃性が良好となった。
(比較例1)
実施例1において、押出条件として押出速度と絞り率とを変更して配向度を低減し、実施例1と同様の工程を用いて炭素系摺動体を作製した。得られた炭素系摺動体は配向度が60%で、曲げ強度が230MPaと弱く、ヤング率も低いため、耐衝撃性や耐久性に劣る摺動体となった。
上記各性能のうち、曲げ強度はJIS S 6005に準ずる。配向度(%)は、いずれもX線回折法を用いて測定する。X線回折は、炭素系摺動体の押出軸方向に対して垂直にX線を照射し、方位角2θを20〜30°の範囲に設定し、(002)面の強度分布の最大値を示す方位角の位置を確認する(約26°近傍)。次にこの方位角の位置において、炭素系摺動体をX線ビームの垂直面内において180°回転することにより(002)面の強度分布をとり、強度最大値の1/2の点における半価幅(W)から、(1)式により配向度(%)が求められる。半価幅(W)の単位は度である。
配向度(%)={(180−W)/180}×100(1)式。配向度(%)は、芯体中の黒鉛結晶の押出軸に対する配向の程度を示すもので、この数値が100に近いほど配向が進んでいることを意味する。表面粗さの測定は、JIS B 0601に準ずる。
本発明は、炭素系の摺動体として性能上バランスが取れ、精密化や小型化にも十分適用できるものとなる。

Claims (4)

  1. 少なくとも黒鉛と結合材を混練、押出成形した後焼成してなる炭素系摺動体であって、前記炭素系摺動体中の黒鉛の押出軸方向の配向度が70%以上であることを特徴とする炭素系摺動体。
  2. 炭素系摺動体内に金属が添加されてなる請求項1記載の炭素系摺動体。
  3. 炭素系摺動体の表面粗さがRa1μm以下である請求項1または2記載の炭素系摺動体。
  4. 炭素系摺動体が押出棒状体である請求項1乃至3のいずれか1項記載の炭素系摺動体。
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