JP2016107611A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2016107611A5
JP2016107611A5 JP2015085096A JP2015085096A JP2016107611A5 JP 2016107611 A5 JP2016107611 A5 JP 2016107611A5 JP 2015085096 A JP2015085096 A JP 2015085096A JP 2015085096 A JP2015085096 A JP 2015085096A JP 2016107611 A5 JP2016107611 A5 JP 2016107611A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluororesin
polycarbonate resin
dispersed
less
particle diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015085096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016107611A (ja
JP6328586B2 (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Publication of JP2016107611A publication Critical patent/JP2016107611A/ja
Publication of JP2016107611A5 publication Critical patent/JP2016107611A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6328586B2 publication Critical patent/JP6328586B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に関し、詳しくは、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有し、フッ素樹脂の分散粒子径が小さいポリカーボネート樹脂組成物を、安定して生産性良く製造することが可能なポリカーボネート樹脂組成物の製造方法及び得られたペレットに関する。
また、ポリカーボネート樹脂により高い難燃性を付与するために難燃剤が広く用いられるが、その際に燃焼時の樹脂の滴下(ドリップ)防止のためにフッ素樹脂が併用されることが多い。このドリップ抑制は、フィブリル形成能を有するフッ素樹脂が用いられ、フィブリル構造形成により効果が発現するものと考えられている。
一方、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂をポリカーボネート樹脂に配合することも、ドリップ抑制とは別の分野では行われる。例えば、フッ素樹脂の分散粒子径を4.5μm以下というような小粒子として微分散させるような場合がある。
上記のうち、ドリップ防止のためのポリカーボネート樹脂組成物の製造方法として、特許文献1では、顆粒状のポリカーボネート樹脂(A−1)とフィブリル形成能を有するフッ素系樹脂の水性ディスパージョンをペレット状のポリカーボネート樹脂(A−2)の存在下で混合し、得られた混合物にポリカーボネート樹脂(A−3)を配合して溶融混練することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物の製造方法が記載されている。
一方、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を、ポリカーボネート樹脂に上記したような分散粒子径4.5μm以下というような小粒子として十分に微分散させることは、決して容易ではなく、通常の混合、溶融混練では均一な分散が得られにくい
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有し、フッ素樹脂の分散粒子径が小さいポリカーボネート樹脂組成物を、安定して生産性良く製造することが可能なポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有するポリカーボネート樹脂組成物を、噛合い型同方向回転二軸スクリュー押出機を用い、後記するa)〜d)の工程を採用することにより、フッ素樹脂の分散粒子径が小さいポリカーボネート樹脂組成物を、安定して生産性良く製造することを見出し、本発明を完成させた。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法によれば、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を含有し、フッ素樹脂の分散粒子径が小さいポリカーボネート樹脂組成物を、安定して生産性良く製造でき、ポリカーボネート樹脂本来の良好な機械的特性等も維持することが可能である。そして、得られたポリカーボネート樹脂組成物は電気・電子機器分野、コンピュータ等のOA機器分野、精密機器分野、住宅関連分野、自動車分野、その他の各種工業分野等における成形品あるいは部品等に幅広く利用することができる。
[フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に用いるフッ素樹脂はフィブリル形成能を有さないフッ素樹脂である。ここで、「フィブリル形成能」とは、せん断力等の外的作用により、樹脂同士が結合して繊維状になる傾向を示すことをいう。フッ素樹脂が「フィブリル形成能を有さない」かどうかの目安は、比溶融粘度により評価することも可能であり、380℃における比溶融粘度(ASTM 1238−52T)が1×10ポイズ以下であり、さらには1×10ポイズ以下であり、その下限は、通常、5×10ポイズである。
フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂は、溶融混練や成形加工時等にフィブリルを形成することがなく摺動性に優れ、分散粒子径を小さく良分散させることができる。
第二混練工程では、上記した第一混練工程後に、フィブリル形成能を有さないフッ素樹脂を供給し、フッ素樹脂を分散しながら、分散したフッ素樹脂と溶融化したポリカーボネート樹脂とを300℃以下の樹脂温度となるようにスクリューで混練させる。300℃以下の樹脂温度となるようにするためには、押出機への吐出量とスクリュー回転数を適宜調節したり、第一混練工程のスクリュー構成を調整する方法や第二混練工程のシリンダー設定温度を低く設定する方法が採られる。このようなフッ素樹脂の供給方法と300℃以下の樹脂温度を採用することにより、フッ素樹脂の分散粒子径が小さいポリカーボネート樹脂組成物を安定して製造することができる。
第二混練工程の混練ゾーンのスクリュー構成及び長さL2は、得られる樹脂組成物のフッ素樹脂の分散粒子径や粒子径分布の制御因子となることを見出した。先ず、第二混練工程の混練ゾーンのスクリューは、順送りニーディングディスク(R)、逆送りニーディングディスク(L)、直交ニーディングディスク(N)、順送り切欠き型ミキシングスクリュー、逆送り切欠き型ミキシングスクリューから選択されるエレメントで構成されていることが好ましい。ニーディングディスクやミキシングスクリューが構成されてない状態でフッ素樹脂を供給するとフッ素樹脂の分散が不十分となり、その結果、目標とする分散粒子径に到達できないため好ましくない。
第二混練工程の混練ゾーンのスクリュー長さL2は、スクリュー径をDとすると、
L1=0.5D〜3D であることが好ましい。
第二混練工程の混練ゾーンのスクリュー長さL2が0.5Dより短いと、フッ素樹脂の分散が不完全となり、その結果、分散粒子径の分布が広がり好ましくない。一方、3Dを超えるとフッ素樹脂同士の再凝集が発生しやすくなる傾向にあり、分散粒子径が大きくなるため好ましくない。
第二混練工程において、分散したフッ素樹脂と溶融化したポリカーボネート樹脂との混練は300℃以下の樹脂温度となるように行われる。300℃を超えるとフッ素樹脂同士の再凝集が発生しやすい傾向があり樹脂組成物でのフッ素樹脂の分散粒子径が大きくなることが見いだされた。好ましい樹脂温度は250〜300℃である
得られたポリカーボネート樹脂組成物は、フッ素樹脂の分散が極めて良好に促進されており、ポリカーボネート樹脂中に分散したフッ素樹脂の分散粒子径(D50)は、好ましくは4.5μm以下であり、より好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下、特に好ましくは2.0μm以下であり、最も好ましくは1.0μm以下であり、また好ましくは0.5μm以上である。分散粒子径(D50)がこのような範囲にあることで、樹脂組成物の摩擦係数が向上する。
ここで、フッ素樹脂の分散粒子径(D50)は走査電子顕微鏡(SEM)で観察して任意に選んだ視野の中で、50個の粒子の直径を測定した。粒子が球形でない場合は、その粒子の端部から反対側の端部までの距離の最大値を粒子径とし、粒子径の積分分布図の積算分率50%に相当する粒子径を本発明の分散粒子径D50として求められる。
また、ポリカーボネート樹脂中に分散したフッ素樹脂の5μm以上の粒子径を有する分散粒子の割合は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは3%以下、中でも2.5%以下、特には2%以下であることが好ましい。5μm以上の分散粒子の割合は上記測定法により得られた粒子径分布において、粒子全体を100%としたとき、粒子径分布の分布カーブにおいて、5μm以上の粒子の分布割合から算出される。
また、ポリカーボネート樹脂中に分散したフッ素樹脂の数平均粒子径(dn)は、好ましくは4.5μm以下であり、より好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下、特に好ましくは2.0μm以下であり、最も好ましくは1.0μm以下であり、また好ましくは0.5μm以上である
また、ポリカーボネート樹脂中に分散したフッ素樹脂の体積平均粒子径(dv)と数平均粒子径(dn)との比(dv/dn)は、1.0〜2.5の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.15以上であり、より好ましくは2.3以下、さらには2.1以下、中でも2.0以下、特には1.90以下であることが好ましい。
ここで云う、dv/dnの数値の意味は、dv/dnが1のときフッ素樹脂の分散粒子径が揃った均一な状態を示し、1より大きくなると分散粒子径が不揃いで不均一な状態であることを示している。また、このdv/dnは単に分散粒子径が均一であること以外に、前述した分散したフッ素樹脂の5μm以上の粒子径を有する分散粒子の割合と密接に関係がある。即ち、分散したフッ素樹脂の5μm以上の粒子径を有する分散粒子の割合が5%以下でない場合、dv/dnが1.0〜2.5の範囲内であっても摺動特性である摩擦係数の向上効果得られにくい。
(6)摩擦係数
得られたペレットを、日精樹脂社製のNEX80III射出成形機にてシリンダー温度280−280−270−260℃、金型温度80℃の条件で、幅100mm、長さ100mm、3mm厚の試験片を作製し、新東科学社製の表面性測定機Type14にて荷重100g、速度100mm/min、鋼球圧子を使用し、静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
また、表1〜2より、実施例で得られた組成物はフッ素樹脂の分散粒子径が小さい。その結果、摩擦係数が低く摺動性が良いことが分かる。これに対して、表3〜4の例えば、単軸押出機を使用した比較例2では分散粒子径が大きく、摺動性に劣っている。また、比較例4では二軸押出機を使用してフッ素樹脂含有量を多くしたが、フッ素樹脂の分散粒子径が大きいため摺動性改善には限界があることが判る。比較例7および比較例8では第一混練工程のスクリュー構成の影響をみたが、樹脂温が何れも300℃以上となりフッ素樹脂の分散粒子径は大きく他の物性も劣ることが判った。
本発明の製造方法は、フッ素樹脂の分散粒子径が小さく、かつ摺動性が良好なポリカーボネート樹脂組成物を、安定して生産性良く製造することが可能なので、産業上の利用性は非常に高いものがある。
JP2015085096A 2014-12-08 2015-04-17 ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 Active JP6328586B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014247825 2014-12-08
JP2014247825 2014-12-08

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016107611A JP2016107611A (ja) 2016-06-20
JP2016107611A5 true JP2016107611A5 (ja) 2017-06-15
JP6328586B2 JP6328586B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=56122805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015085096A Active JP6328586B2 (ja) 2014-12-08 2015-04-17 ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6328586B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7291612B2 (ja) * 2019-11-15 2023-06-15 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法
EP4173793A1 (en) * 2020-06-30 2023-05-03 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Method for producing flame retardant polycarbonate resin composition pellet
KR102457076B1 (ko) * 2022-08-18 2022-10-20 김성은 압출성형장치의 캐터필러용 패드의 제조방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000136298A (ja) * 1998-08-24 2000-05-16 Toray Ind Inc 難燃性樹脂組成物および成形品
JP2005171241A (ja) * 2003-11-20 2005-06-30 Ge Plastics Japan Ltd 持続した帯電防止性能を備えたポリカーボネート系樹脂組成物およびその成形品
JP2012192677A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリスルホンペレットの製造方法
JP2015113395A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 摺動性ポリカーボネート系樹脂組成物及び成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9583230B2 (en) Electrically conductive polyethylene resin composition, electrically conductive polyethylene resin molding, sliding bearing, and sliding sheet
JP6386114B2 (ja) 伝導性樹脂組成物の製造方法
JP6527010B2 (ja) 熱伝導性樹脂成形体およびその製造方法
JP2016107611A5 (ja)
US10290388B2 (en) Conductive resin composition and plastic molded product using the same
JP5359825B2 (ja) 熱伝導性樹脂組成物
JP2020079412A (ja) 樹脂ペレット、樹脂ペレットの製造方法、成形体及び成形体の製造方法
JP2009155359A (ja) 熱可塑性樹脂成形品
JP5751347B2 (ja) 歯車
WO2021002315A1 (ja) 樹脂組成物および成形品
JP2015166138A (ja) フッ化ビニリデン系樹脂の溶融成形方法および溶融成形物
JP2010285581A (ja) 絶縁樹脂組成物
CN111548598A (zh) 一种耐老化高韧性聚甲醛材料及制备方法
JP2021011563A (ja) 樹脂組成物および成形品
JP2007016221A (ja) 成形用樹脂材料および成形品
KR101908612B1 (ko) 엔지니어링 플라스틱용 기능성 마스터베치 조성물, 이로부터 제조된 마스터베치 및 이의 제조 방법
JP5330819B2 (ja) 加熱成形用メタクリル樹脂組成物、加熱成形用メタクリル樹脂組成物の成形品の製造方法、及び加熱成形用メタクリル樹脂組成物の成形品
JP2006097005A (ja) 導電性樹脂組成物及びその製造方法
JP5050408B2 (ja) 樹脂改質剤、およびそれを含む熱可塑性樹脂混合物。
JP2019183064A (ja) 樹脂複合材料及びその製造方法
TWI721556B (zh) 導電樹脂組合物及其製備方法
JP5916532B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド樹脂/ポリアミド46樹脂複合材料
JP2008255256A (ja) 樹脂成形品の製造方法
WO2022102488A1 (ja) 樹脂組成物および成形体
JP2017066352A (ja) 摺動部品用の樹脂組成物及びその製造方法