JP4209484B2 - 摺動用炭素材、摺動用炭素材を用いたシール材及び摺動用炭素材の製造方法 - Google Patents

摺動用炭素材、摺動用炭素材を用いたシール材及び摺動用炭素材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は摺動用炭素材、摺動用炭素材を用いたシール材及び摺動用炭素材の製造方法に関し、特にメカニカルシールやロータリージョイントシール等のシール材や各種軸受材として用いるのに適した樹脂含浸質又は金属含浸質の摺動用炭素材、これを用いたシール材及び摺動用炭素材の製造方法に関するものである。
【0002】
炭素質材料は一般に、自己潤滑性,耐熱性,耐薬品性等に優れた性質を有している。この点に着目して、炭素質材料を所定形状に成形した後焼結してなる焼結炭素材が、メカニカルシール材や軸受材等の摺動部材として使用されている。特に、一般の金属摺動材では使用できない高温雰囲気内や化学薬品液内をはじめ、潤滑材の使用を嫌う分野で広く用いられている。さらに、メカニカルシール材や軸受材等の摺動部における密封条件、つまり摩耗に強くて気密性の良い状態をできるだけ長時間保持したいとの要求が厳しくなるにつれて、摺動用炭素材自体の摺動性能の向上が求められるようになり、そのような要求に応えられる材料の一つとして樹脂又は金属含浸質の炭素材が有力視されている。なお、以下の説明では、主に樹脂含浸質の摺動用炭素材で代表的に説明し、また樹脂含浸質の摺動用炭素材を以下単に「含浸質炭素材」と略記することがある。
【0003】
ところで、かかる含浸質炭素材からなる製品としてのシール材や軸受材を得るには、炭素質原料を焼結してなるブロック状の焼結炭素材をまず粗加工した後、ブロック素材全体に樹脂を均質に含浸する。樹脂を含浸する目的は、従来では、一般に人造黒鉛と天然黒鉛の2種類を配合してなる炭素質原料を使用し、これと結合材との混練物の粉砕品として100メッシュ程度の比較的粒度の大きいものを成形し焼成しているため、焼成終了後の焼結炭素材自体の組織の緻密度もそれに応じてあまり高くないため、これを補うべく緻密度を高めることが狙いである。
【0004】
そして、含浸処理が終了すれば、製品としての寸法出しのための仕上げ加工を行うが、加工後の含浸質炭素材を直ちに製品摺動材として使用することはできない。なぜならば、仕上げ加工時の表面相の切削が原因で、加工面には比較的粗い開気孔が多数生じ、しかも組織内と外部が連通しやすい構造体が形成され、このような構造体の素材(含浸質炭素材)をそのままシール材や軸受材等の摺動材に使用すると、使用時に液漏れ等の事故が発生しやすくなるからである。そこで、仕上げ加工が終了した含浸質炭素材に対して再び樹脂の含浸を行って、製品としての摺動部材に要求される使用時の機械的強度,耐摩耗性及び気密性等を発揮させるに十分な程度にまで組織の再緻密化を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の仕上げ加工前におけるブロック状の含浸質炭素材(いわゆるブロック素材)の場合には、加工後に再含浸を行なって組織の緻密度のレベルを回復(再上昇)しければ製品化できない性状のものであった。このため、素材から製品までの一貫生産を行うメーカーの場合、同じ含浸作業の繰り返しに要する時間と費用が無駄になっているという事情がある。また、一貫メーカーでなく、最終製品化の工程のみを行うメーカーの場合、素材メーカーからブロック素材としての含浸質炭素材を仕入れて必要な寸法出しを行うだけでは製品化できず、引き続き独自の設備で再含浸を行うか、素材メーカーにリターンバックして再含浸を行わせた後、最終製品化を果たしている。従って、仕上げ加工メーカー,素材メーカー共に再含浸の作業に煩わされる結果、その分生産性が悪影響を受けており、ひいては製品たるシール材や軸受材等のコスト上昇を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、仕上げ加工終了時点の段階で素材全体の緻密度が改善されたものとすることにより、その分だけ機械的強度,耐摩耗性及び気密性の向上を可能とし、その結果として再含浸を行わずにそのまま製品として使用しても十分な摺動性能を発揮することができるようなブロック素材としての含浸質炭素材そのものを提供し、また、そのような含浸質炭素材の製造に適した方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明に係る摺動用炭素材とは、嵩密度が1.80g/cm3 以上,平均ポア半径が0.02μm以下,累積気孔容積が5mm3 /g以下,吸水率(常温)が1mass%以下の物性を有することを特徴とする。これにより、樹脂含侵を終了し、仕上げ加工前の含浸質炭素材(ブロック素材)として、その組織構造を従来型含浸質炭素材に比べてはるかに緻密なものに改質し得たものである。従って、仕上げ加工を行っても、素材全体の緻密度改善に伴って付与された機械的強度,耐摩耗性及び気密性の上昇分は素材全体として保持される。
【0008】
従って、このような含浸質炭素材(ブロック素材)を仕上げ加工したものを直ちに製品摺動部材として使用しても、従来のように使用時に摺動部から流体が漏れ出すということはなく、安定した気密性を十分保持しうる摺動部材とすることができる。そればかりか、摺動性能そのものが従来の再含浸質炭素材に比べてより優れた摺動部材とすることができる。この結果、従来のような組織の再緻密化を行って必要な摺動性能を付与するための再含浸作業を不要とし、その分生産性の向上、ひいては製品たるシール材や軸受材等の摺動部材の製造コスト低減化を図ることができる。
【0009】
また、上記目的を達成し得た本発明に係る摺動用炭素材の製造方法とは、炭素質原料と結合材の混練物を粉砕・分級した後成形し、次いで焼成,樹脂含浸の各処理を順次行って樹脂含浸質の摺動用炭素材を製造する方法において、前記炭素質原料は、揮発分が4%以下、粒径が8〜12μmの土状黒鉛と、揮発分が2%以下、粒径が6〜10μmの土状黒鉛と、鱗状黒鉛と、を配合したものであり、この炭素質原料と結合材の混練物の粉砕品を分級して、粒径が250μm以下となるように粒度調整したものを成形処理することを基本的特徴とする。
【0010】
この方法によれば、骨材たる炭素質原料の粒度配合調整及び成形前の原料(炭素質原料と結合材の混練粉砕品)の粒度調整という比較的簡単な調整作業だけで、一層緻密化された組織構造の焼結炭素材を得ることができる。従って、その緻密化の進んだ焼結炭素材に樹脂を含浸することにより、その含浸質炭素材そのものも全体として従来型含浸質炭素材に比べはるかに緻密質であり、この結果、機械的強度,耐摩耗性及び気密性に優れ、以後、再含浸を行わずにそのまま製品摺動材として使用しても、従来材に比べ少なくとも同等以上の摺動性能を十分に発揮することができるようなブロック素材としての含浸質炭素材を得ることができる。
【0011】
以下、本発明を詳しく説明する。
(1)本発明者は、まず、従来型の含浸質炭素材において問題とされていた仕上げ加工後の再含浸作業を必要とする点は、仕上げ加工前の素材ブロック、つまり含浸質炭素材ブロックの状態でより緻密質なものが得られるならば、加工後に再含浸を行わずにそのまま製品摺動材として使用しても摺動時の気密性を十分維持できるはずであると考えた。さらにそのような一層の緻密質の含浸質炭素材ブロックを得るためには、骨材の種類と粒度配合の調整や成形前の原料(炭素質原料と結合材の混練粉砕品)の粒度調整を適切に制御することが有効な解決手段となるはずと考え、その考えを基に適切な制御手法を見い出すべく鋭意実験検討を重ねた。
【0012】
その結果、最終的に、上記目的を達成し得る物の発明として、「嵩密度が1.80g/cm以上,平均ポア半径が0.02μm以下,累積気孔容積が5mm/g以下,吸水率(常温)が1mass%以下の樹脂含浸質の摺動用炭素材」との特有の構成を採用し得たものである。また、その物の製造方法の発明として、「骨材たる炭素質原料と結合材の混練物を粉砕・分級した後成形し、次いで焼成,樹脂含浸の各処理を順次行って含浸質炭素材を製造する方法において、前記炭素質原料は、揮発分が4%以下,粒径が8〜12μmの土状黒鉛と、揮発分が2%以下,粒径が6〜10μmの土状黒鉛と、鱗状黒鉛と、を配合したものであり、この炭素質原料と結合材の混練物の粉砕品を分級して、粒径が250μm以下となるように粒度調整したものを成形処理する」という特有の構成を採用し得たものである。
【0013】
(2)本発明の含浸質炭素材の製造方法では、まず炭素質原料として物性の相異なる3種類の天然黒鉛を配合したものからなる骨材に結合材を添加して、ロール等の手段により均一に混練する。3種類の天然黒鉛のうち、2種類を土状黒鉛とし残部を鱗状黒鉛とする配合構成、特に2種類の土状黒鉛を、揮発分が4%以下,平均粒径が12μmの物性を有する土状黒鉛(以下「第1土状黒鉛」という。)と揮発分が2%以下,平均粒径が〜10μmの物性を有する土状黒鉛(以下「第2土状黒鉛」という。)で構成することにより、含浸質炭素材の強度面及び組織の緻密度面での一層の改善を期待することができる。
【0014】
また、第1土状黒鉛と第2土状黒鉛の配合割合としては、それぞれ30〜70重量%及び70〜30重量%とすべきである。いずれの土状黒鉛も、前記範囲を逸脱すると緻密性改善の効果が現れにくくなる点を考慮したものである。また、結合材としては、ピッチ類,樹脂等が挙げられるが、開気孔の均一化という点でピッチ類の使用が望ましい。得られた混練物は、粉砕した後分級し、粒径が250μm以下に相当する粉砕品だけを用いて金型成形しブロック化する。なお、成形に用いる粉砕品の粒径が大きくなるにつれて、開気孔径の増大及び開気孔の不均一度の増加による悪影響が生じやすくなるため、180μm以下とすることがより望ましい。
【0015】
次に、ブロック化された混練物を約1000℃で40時間かけて焼成することにより、焼結炭素材(ブロック素材)となす。こうして得られた焼結炭素材は、従来の焼結炭素材に比べてはるかに緻密質のものである。そして、この焼結炭素材は、上述の骨材についての特有の粒度配合調整及び成形前の原料(骨材と結合材の混練粉砕品)についての特有の粒度調整という従来製法には見られない制御手段、しかも比較的簡単な調整作業を中心とする制御手段を採用することにより得ることができる。
【0016】
この後、素材ブロックを目的の摺動部材製品に近い形状に粗加工した後、常法に従って素材ブロックの全体に熱硬化性樹脂を含浸する。熱硬化性樹脂として特別の限定はないが、フラン樹脂,フェノール樹脂等は、耐熱性,耐蝕性を有し、しかも含浸性に優れている点で推奨できるものである。熱硬化性樹脂を含浸したものを加熱処理し、樹脂の硬化を完結させることによって、製品に近い形状の含浸質炭素材が得られるが、得られた含浸質炭素材も、従来型含浸質炭素材に比べて一層緻密質のものとなっている。
【0017】
そして、最後に必要な寸法出しのための仕上げ加工を行うが、加工後の含浸質炭素材も、その組織構造が従来の仕上げ加工後における含浸質炭素材に比べてはるかに緻密質であり、この結果、機械的強度,耐摩耗性及び気密性等の点で従来材以上に優れたものとすることができる。従って、仕上げ加工後の含浸質炭素材をそのまま製品のシール材や軸受材等の摺動部材として使用しても、従来材に比べ少なくとも同等以上の摺動性能を十分に発揮させることができる。従って、従来のような組織の再緻密化を行うための再含浸作業を不要とし、その分生産性の向上、ひいては製品たるシール材や軸受材等に要する製造コストの低減化を図ることができる。
【0018】
なお、摺動部材の用途によっては、樹脂を含浸する代わりに適当な金属、例えば鉛,銅,錫,ホワイトオメタル,バビットメタル等を含浸し、耐熱性や機械的強度の一層の改善を図ることも可能である。
【0019】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
骨材として、揮発分が4%以下,平均粒径が8〜12μmの第1土状黒鉛を45重量%、揮発分が2%以下,平均粒径が6〜10μmの第2土状黒鉛を45重量%、鱗状黒鉛を10重量%配合したものを用意し、これに結合材としてのピッチ類を添加してロール練りした。得られた混練物を粉砕した後分級により粒度調整して、粒径が250μmに相当する粉砕品を用いて室温で金型成形してブロック化した。次に、ブロック化した混練物を1000℃で40時間かけて焼成し、外形120×厚み60(mm)のブロック状焼結炭素材を得た。次に、このブロック焼結炭素材を後記の製品に近い形状になるまで粗加工した後、常法に従ってフェノール樹脂を含浸し、その後200℃で2時間保持する熱処理を行ってフェノール樹脂を硬化させて含浸質の摺動用炭素材を得た。そして、得られた摺動用炭素材に仕上げ加工を施して、外形56×内径42×厚み26(mm)のリング状のメカニカルシール材(製品)を得た。
【0020】
得られた改良型のメカニカルシール材について、その物性,気密安定性(耐摩耗性能)を調べるために以下の通り試験を行い、評価した。物性の結果については、製造条件と併せて表1に示す。但し、累積気孔分布及び吸水率については、それぞれ図1,図2に示し、また気密性については図3に示す。
〔▲1▼物性試験〕
改良型の摺動用炭素材について、嵩密度,硬さ,曲げ強さ,圧縮強さ,弾性係数,熱膨張係数,熱伝導率,耐熱温度,水銀圧入法による累積気孔分布,常温水中浸漬での吸水率を測定した。
〔▲2▼気密安定性(耐摩耗性能)の試験〕
以下の条件((イ)〜(ヘ))で摩耗試験を行い、その摩耗量で気密安定性(持続性能)を評価した。
(イ)密封流体:水道水
(ロ)流体圧力:1176kPa
(ハ)接触面圧力:1910kPa
(ニ)平均周速:8.8m/s
(ホ)相手材材質:WC
(ヘ)試験時間:100時間
【0021】
(実施例2)
実施例1と同一の骨材、同一の結合材を使用するものの、骨材の配合割合として揮発分が4%以下,平均粒径が8〜12μmの第1土状黒鉛を63重量%、揮発分が2%以下,平均粒径が6〜10μmの第2土状黒鉛を27重量%、鱗状黒鉛を10重量%配合したものに変更する以外は、実施例1と同一の製造条件で本発明に係る樹脂含浸質の摺動用炭素材を得た。得られた改良型の摺動用炭素材について実施例1と同様の試験を行った。その結果を実施例1と同様、表1及び図1〜図3に併せて示す。
【0022】
(実施例3)
実施例1と同一の骨材、同一の結合材を使用するものの、骨材の配合割合として揮発分が4%以下,平均粒径が8〜12μmの第1土状黒鉛を27重量%、揮発分が2%以下,平均粒径が6〜10μmの第2土状黒鉛を63重量%、鱗状黒鉛を10重量%配合したものに変更する以外は、実施例1と同一の製造条件で本発明に係る樹脂含浸質の摺動用炭素材を得た。得られた改良型の摺動用炭素材について実施例1と同様の試験を行った。その結果を実施例1と同様、表1及び図1〜図3に併せて示す。
【0023】
(実施例4)
実施例1と同一の骨材及び結合材を使用し、かつ同一の製造条件でブロック状焼結炭素材を得た後、同様の粗加工を施した。次に、常法に従ってアンチモンの含浸処理を施して本発明に係る金属含浸質の摺動用炭素材を得た。得られた摺動用炭素材を仕上げ加工して、外形56×内径42×厚み26(mm)のリング状メカニカルシール材(製品)を得た。得られた改良型の軸受材について、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1及び図1〜図3に併せて示す。
【0024】
(比較例1)
従来の製法に従って、実施例1と同一寸法のメカニカルシール材を得た。即ち、50重量%の人造黒鉛と50重量%の土状黒鉛(揮発分が4%以下,平均粒径が8〜12μm)からなる骨材に、結合材としてフェノール樹脂を添加して混練した後、粉砕・分級して平均粒径を300μmに調整した後、室温での金型成形、さらには1000℃での焼成を経て、ブロック状の焼結炭素材を得た。次に、この焼結炭素材に対して実施例1と同様の粗加工及び樹脂含浸熱処理(但し、樹脂はフラン樹脂を使用)を実施した後、さらに目的の製品形状に仕上げ加工して従来型の樹脂含浸質摺動用炭素材を得た。得られた従来型の摺動用炭素材(仕上げ加工終了時点での樹脂含浸質摺動用炭素材)について、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1及び図1〜図3に併せて示す。
【0025】
(比較例2)
比較例1で得られた樹脂含浸質摺動用炭素材に対し、再び樹脂含浸熱処理を施して再緻密化された組織の含浸質炭素材を得た。この炭素材についても、実施例1と同様の試験を行い、その結果を表1及び図1〜図3に併せて示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004209484
【0027】
表1及び図1〜図3から明らかなように、本発明の要件を満たす実施例1〜4はいずれも、従来例(仕上げ加工終了時点での摺動用炭素材)に相当する比較例1に比べて、組織の緻密度のレベルが非常に高く、この結果、機械的強度,耐摩耗性及び気密性等の点ではるかに優れていることが分かる。また、従来例(再含浸後の摺動用炭素材)に相当する比較例2と比べても、機械的強度,耐摩耗性及び気密性等の面でより優れていることが分かる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の摺動用炭素材は、改良型の樹脂又は金属含浸質の摺動用炭素材(ブロック素材)として、その組織構造が従来型の含浸質炭素材に比べてはるかに緻密化されており、この結果、機械的強度,耐摩耗性及び気密性等に優れたものである。従って、このようなブロック素材としての含浸質炭素材を仕上げ加工したものをそのまま製品として使用しても、従来材の場合に問題視されていた摺動時の液漏れのおそれは全くなく、より確実かつ安定した摺動性能を十分に発揮させることができる。この結果、従来のような組織の再緻密化を行って必要な摺動性能を付与するための再含浸作業を不要とし、その分生産性の向上、ひいては製品たるシール材や軸受材等の摺動部材に要する製造コストの低減化を図ることができる。
【0029】
また、本発明に係る摺動用炭素材の製造方法によれば、骨材たる炭素質原料の粒度配合調整及び成形前の原料(炭素質原料と結合材の混練粉砕品)の粒度調整という比較的簡単な調整作業だけで、一層緻密質の焼結炭素材を得ることができ、引き続きその緻密質の焼結炭素材に樹脂又は金属を含浸するだけで、従来の再含浸を施した含浸質炭素材よりも一層緻密質で高強度かつ耐摩耗性に優れた樹脂又は金属含浸質の摺動用炭素材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4及び比較例1〜2について、水銀圧入法により累積気孔分布を調べた結果を示すグラフである。
【図2】実施例1〜4及び比較例1〜2について、常温水中浸漬での吸水率を調べた結果を示すグラフである。
【図3】実施例1〜4及び比較例1〜2についての耐摩耗性試験の結果を示すグラフであり、(a)はカーボン比摩耗量を基準としたもの、(b)は相手材比摩耗量を基準としたものである。

Claims (5)

  1. 炭素質原料と結合材の混練物を粉砕・分級した後成形し、次いで焼成,樹脂又は金属含浸の各処理を順次行って樹脂又は金属含浸質の摺動用炭素材を製造する方法において、
    前記炭素質原料は、
    揮発分が4%以下、平均粒径が8〜12μmの土状黒鉛と、
    揮発分が2%以下、平均粒径が6〜10μmの土状黒鉛と、
    鱗状黒鉛と、を配合したものであり、
    前記炭素質原料と結合材の混練物の粉砕品を分級して、粒径が250μm以下となるように粒度調整したものを成形処理することを特徴とする摺動用炭素材の製造方法。
  2. 上記2種類の土状黒鉛の配合割合は、揮発分が4%以下,平均粒径が8〜12μmの土状黒鉛が30〜70重量%、揮発分が2%以下,平均粒径が6〜10μmの土状黒鉛が70〜30重量%である請求項に記載の摺動用炭素材の製造方法。
  3. 結合材がピッチ類である請求項または請求項に記載の摺動用炭素材の製造方法。
  4. 請求項のいずれかに記載の製造方法により製造された、
    嵩密度が1.80g/cm 以上、平均ポア半径が0.02μm以下、累積気孔容積が5mm/g以下、吸水率(常温)が1mass%以下であることを特徴とする金属含浸質の摺動用炭素材。
  5. 請求項のいずれか1項に記載の製造方法により製造された、嵩密度が1.80g/cm 以上、平均ポア半径が0.02μm以下、累積気孔容積が5mm /g以下、吸水率(常温)が1mass%以下である樹脂又は金属含浸質の摺動用炭素材を用いたシール材。
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