JP2011126300A - 能動型騒音制御装置及び車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両10に搭載された能動型騒音制御(ANC)装置12では、いわゆる適応制御により、振動騒音の打消音CSを出力する。ANC装置12は、ダンパスプリング48の上側に設けられたばね上加速度センサ16が検出したばね上加速度Azと、ダンパ46に設けられたダンパ変位センサ18が検出したダンパ変位量Szを2階微分したダンパ加速度Aszとに基づいて、適応制御で用いる参照信号Sb1、Sb2を生成する。
【選択図】図3
Description
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
(1)全体構成
図1は、この発明の一実施形態に係る能動型騒音制御装置12(以下「ANC装置12」と称する。)を搭載した車両10の概略的な構成を示す図である。車両10は、ガソリン車や電気自動車、燃料電池車等の車両とすることができる。
図2には、加速度センサ16及び変位センサ18を設けたサスペンション14の構成が示されている。サスペンション14は、いわゆるダブル・ウィッシュ・ボーンタイプである。サスペンション14は、車輪26のホイール32に連結されたナックル30と、連結部材38a、38bを介してナックル30及びボディ36に連結されたアッパーアーム34と、連結部材44a、44bを介してナックル30及びサブフレーム42に連結されたロアアーム40と、ダンパスプリング48を介してボディ36に連結され、連結部材50を介してロアアーム40に連結されたダンパ46とを有する。ダンパスプリング48の内側にはアクチュエータ49が設けられており、このアクチュエータ49は、サスペンション制御装置28からの指令に応じて減衰特性を変化させる。ボディ36とサブフレーム42は連結部材52を介して連結されている。また、ナックル30の内部には、エンジンから延びるドライブシャフト54が回転自在に挿入されている。
(a)全体構成
ANC装置12は、スピーカ20からの打消音CSの出力を制御するものであり、マイクロコンピュータ58、メモリ59(図1)等を備える。マイクロコンピュータ58は、打消音CSを決定する機能(打消音決定機能)等の機能をソフトウェア処理により実行可能である。
第1A/D変換器60は、加速度センサ16からのアナログ加速度信号Sazをアナログ/デジタル(A/D)変換したデジタル加速度信号Sad1を出力する。
第1参照信号生成部61は、第1A/D変換器60からのデジタル加速度信号Sad1に基づいて、適応制御(適応フィルタ処理)のための参照信号Sb1を生成し、第1制御信号生成部62に出力する。
第1制御信号生成部62は、第1参照信号生成部61からの参照信号Sb1を用いた適応フィルタ処理を行って、打消音CSを規定するデジタル制御信号Scr1を生成するものであり、適応フィルタ80と、参照信号補正部82と、フィルタ係数更新部84とを有する。
第2A/D変換器64は、変位センサ18からのアナログ変位信号SszをA/D変換したデジタル変位信号Sad2を出力する。
第1微分器66は、第2A/D変換器64からのデジタル変位信号Sad2が示すダンパ46の変位量Szを微分して、ダンパ46の略上下方向の変位速度Vsz[mm/s]を演算する。そして、変位速度Vszを示す変位速度信号Svszを第2微分器68に出力する。
第2参照信号生成部69は、第2微分器68からのダンパ加速度信号Saszに基づいて、適応フィルタ制御のための参照信号Sb2を生成し、第2制御信号生成部70に出力する。
第2制御信号生成部70は、第2参照信号生成部69からの参照信号Sb2を用いて適応フィルタ処理を行い、打消音CSを規定するデジタル制御信号Scr2を生成するものであり、適応フィルタ90と、参照信号補正部92と、フィルタ係数更新部94とを有する。
各第1加算器72は、第1制御信号生成部62から出力されたデジタル制御信号Scr1と、第2制御信号生成部70から出力されたデジタル制御信号Scr2を合成し、第1合成制御信号Scc1を生成する。
第2加算器74は、各第1加算器72から出力された第1合成制御信号Scc1を合成し、第2合成制御信号Scc2を生成する。
D/A変換器76は、第2加算器74からの第2合成制御信号Scc2をデジタル/アナログ(D/A)変換してアナログ制御信号Sdaを出力する。
第3A/D変換器78は、マイクロフォン22から出力されたアナログ誤差信号e_aをA/D変換して、デジタル誤差信号e_dとして各第1制御信号生成部62のフィルタ係数更新部84及び各第2制御信号生成部70のフィルタ係数更新部94に出力する。上述のように、デジタル誤差信号e_dは、フィルタ係数W1、W2の演算に用いられる。
増幅器24は、D/A変換器76から出力されたアナログ制御信号Sdaの振幅をユーザのマニュアル操作で変更するためのパワーアンプである。
スピーカ20は、ANC装置12(マイクロコンピュータ58)からのアナログ制御信号Sdaに対応する打消音CSを出力する。これにより、ロードノイズNZrの消音効果が得られる。
マイクロフォン22は、ロードノイズNZrと打消音CSとの誤差を残留騒音として検出し、この残留騒音を示すアナログ信号であるアナログ誤差信号e_aをANC装置12(マイクロコンピュータ58)に出力する。
次に、本実施形態における打消音CSの生成の流れについて説明する。図4には、打消音CSを生成するフローチャートが示されている。
以上のように、本実施形態によれば、ダンパスプリング48の上側におけるばね上加速度Azに基づく参照信号Sb1と、ダンパ加速度Aszに基づく参照信号Sb2を用いてロードノイズNZrの打消音CSを生成する。ばね上加速度Az及びダンパ加速度Aszとも略上下方向の加速度であるが、この2つを組み合わせて生成する打消音CSにより、比較的高い打消し効果を得ることができる。加えて、ばね上加速度センサ16及びダンパ変位センサ18は、サスペンション制御装置28によるサスペンションの能動的な制御において利用することができる。このため、サスペンションの能動的な制御に用いるばね上加速度センサ16とダンパ変位センサ18の出力をANC装置12に兼用することが可能となり、部品点数の削減及び製品コストの低減を実現することができる。
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下に示す構成を採ることができる。
14…サスペンション 16…ばね上加速度センサ
18…ダンパ変位センサ 20…スピーカ(打消音生成器)
22…マイクロフォン(誤差信号生成器)
28…サスペンション制御装置 46…ダンパ
48…ダンパスプリング 61…第1参照信号生成部
62…第1制御信号生成部 66…第1微分器(ダンパ加速度算出手段)
68…第2微分器(ダンパ加速度算出手段)
69…第2参照信号生成部 70…第2制御信号生成部
Az…ばね上加速度 CS…打消音
e_a…アナログ誤差信号 e_d…デジタル誤差信号
Sb1、Sb2…参照信号 Sc1、Sc2…デジタル制御信号
Sz…ダンパの変位量
Claims (2)
- 路面入力に基づく参照信号を生成する参照信号生成器と、
前記参照信号を用いた適応フィルタ処理を行って、前記路面入力に基づく振動騒音の打消音を規定する制御信号を生成する制御信号生成器と、
前記制御信号に基づいて振動騒音の打消音を生成する打消音生成器と、
前記振動騒音と前記打消音との差に基づく誤差を検出して、当該誤差を示す誤差信号を生成する誤差信号生成器と
を備える能動型騒音制御装置であって、
前記参照信号生成器は、
サスペンションのばねの上側に設けられ、前記ばねの上側における加速度であるばね上加速度を検出するばね上加速度センサと、
前記サスペンションのダンパに設けられ、前記ダンパの変位を検出するダンパ変位センサと、
前記ダンパの変位を2階微分することで前記ダンパの加速度を算出するダンパ加速度算出手段と
を備え、
前記ばね上加速度と前記ダンパの加速度とに基づいて前記参照信号を生成する
ことを特徴とする能動型騒音制御装置。 - 請求項1に記載の能動型騒音制御装置と、
前記サスペンションの減衰特性を能動的に制御するサスペンション制御装置とを備える車両であって、
前記ばね上加速度センサ及び前記ダンパ変位センサは、前記能動型騒音制御装置と前記サスペンション制御装置の両方に検出値を送信する
ことを特徴とする車両。
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