JP2011124296A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体発光素子の製造方法において、レジスト残渣の発生を抑制する。
【解決手段】基板上の積層半導体層に電極を形成する電極形成工程は、イメージリバースにより逆テーパ型マスクを形成する電極形成用マスク形成工程(S401)と、電極材料堆積工程(S402)と、電極形成用マスクリフトオフ工程(S403)と、アルカリ溶液によるアルカリ洗浄工程(S404)を有し、その後に積層半導体層を覆って保護層を形成する保護層形成工程(S500)が引き続く。
【選択図】図6

Description

本発明は、半導体発光素子の製造方法に関する。
近年、半導体発光素子の進展が目覚しい。特に、短波長光用の半導体材料として、窒化ガリウム(GaN)などのIII族窒化物半導体が注目を集めている。III族窒化物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシャル法(MBE法)等によって形成される。
このようなIII族窒化物半導体を用いた半導体発光素子では、基板上にn型半導体層、発光層、p型半導体層からなる発光ダイオード(LED)構造を有する積層半導体層を形成し、最上部のp型半導体層に透光性の電極(透明電極)を形成し、この透明電極を介して発光を取り出している。
特許文献1には、基板上に窒化ガリウム系化合物半導体からなるn型半導体層、発光層およびp型半導体層がこの順で積層され、該p型半導体層上に透光性正極が積層されるとともに該透光性正極上に正極ボンディングパッドが設けられ、n型半導体層上に負極ボンディングパッドが設けられた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、透光性正極の表面の少なくとも一部に無秩序な凹凸面が形成されてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が記載されている。
特開2007−165613号公報
ところで、GaNなどのIII族窒化物半導体を用いた半導体発光素子では、p型半導体層上に形成した透明電極上にp型電極、n型半導体層上にn型電極が形成される。これらのp型電極およびn型電極は、いわゆるレジストをマスクに用いたリフトオフ(剥離)法で形成される。しかし、リフトオフ工程において、マスクのレジストが完全に除去できず、しばしばレジスト残渣が発生していた。このレジスト残渣により、保護層に穴(ホール)が形成されるなど、半導体発光素子の信頼性を損なうおそれがあった。
本発明は、半導体発光素子の製造方法において、レジスト残渣の発生を抑制することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明が適用される半導体発光素子の製造方法は、基板上に発光層を有する積層半導体層を形成する積層半導体層形成工程と、ポジ型レジストのイメージリバーサルにより形成したマスクを用いて、積層半導体層上に発光層に電流を供給するための正極および負極をリフトオフにより形成する電極形成工程と、正極および負極の形成後に、基板をアルカリ溶液で洗浄するアルカリ洗浄工程と、正極および負極のそれぞれの表面の一部を除いて、積層半導体層を覆う保護層を形成する保護層形成工程とを含む。
このような半導体発光素子の製造方法は、積層半導体層上に、発光層が発光する波長に対して透光性の透明電極を形成する透明電極形成工程をさらに含むことを特徴とすることができる。
そして、アルカリ洗浄工程のアルカリ溶液は、有機アルカリを含むことを特徴とすることができる。
さらに、アルカリ洗浄工程の有機アルカリは、TMAH(テトラメチル アンモニウム ハイドロオキサイド)を含むことを特徴とすることができる。
さらにまた、ポジ型レジストは、ノボラック樹脂を含むことを特徴とすることができる。
本発明によると、レジスト残渣の発生を抑制して、半導体発光素子の製造ができる。
本実施の形態である半導体発光素子の製造方法が適用される半導体発光素子の断面模式図の一例である。 図1に示す半導体発光素子の平面模式図の一例である。 半導体発光素子を構成する積層半導体層の断面模式図の一例である。 本実施の形態が適用される半導体発光素子の製造方法のフローチャートである。 半導体発光素子の製造方法の各工程における断面模式図の一例である。 本実施の形態が適用される半導体発光素子の製造方法における、電極形成工程および保護層形成工程のフローチャートである。 逆テーパ型マスクを形成する工程を説明するための図である。 図6に示した電極形成工程の各工程における断面模式図の一例である。 比較例、実施例1〜5における、洗浄時間(秒)とレジスト残渣率(%)との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態である半導体発光素子の製造方法が適用される半導体発光素子(発光ダイオード)1の断面模式図の一例であり、図2は図1に示す半導体発光素子1の平面模式図の一例であり、図3は半導体発光素子1を構成する積層半導体層100の断面模式図の一例である。
(半導体発光素子1)
図1に示すように、半導体発光素子1は、基板110と、基板110上に積層される中間層120と、中間層120上に積層される下地層130とを備える。また、半導体発光素子1は、下地層130上に積層されるn型半導体層140と、n型半導体層140上に積層される発光層150と、発光層150上に積層されるp型半導体層160とをさらに備える。なお、以下の説明においては、必要に応じて、これら中間層120、下地層130、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160を、まとめて積層半導体層100と呼ぶ。
さらに、半導体発光素子1は、積層半導体層100の上面160c上に積層される透明電極170を備える。そして、半導体発光素子1は、透明電極170上の一部に積層される第1の接合層190と、第1の接合層190上に積層される第1のボンディングパッド電極200とを備える。さらにまた、半導体発光素子1は、p型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の一部を切り欠くことによって露出したn型半導体層140の半導体層露出面140c上の一部に積層される第2の接合層220と、第2の接合層220上に積層される第2のボンディングパッド電極230とを備える。なお、以下の説明においては、透明電極170上に積層される第1の接合層190と第1のボンディングパッド電極200とを、まとめて第1の電極210と呼ぶ。また、第2の接合層220と第2のボンディングパッド230とを、まとめて第2の電極240と呼ぶ。
さらにまた、半導体発光素子1は、第1の電極210および第2の電極240のそれぞれの表面の一部を除いて、透明電極170の表面、積層半導体層100の表面および側面を覆う保護層180を備える。
この半導体発光素子1においては、正極の一例としての第1の電極210と、負極の一例としての第2の電極240とを介してp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140に電流を流すことで、発光層150が発光するようになっている。
では次に、半導体発光素子1の各構成要素について、より詳細に説明する。
<基板110>
基板110としては、III族窒化物半導体の結晶が表面にエピタキシャル成長される基板であれば、特に限定されず、各種の基板を選択して用いることができる。例えば、サファイア、SiC、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン等からなる基板を用いることができる。
また、上記基板の中でも、特に、c面を主面とするサファイア基板を用いることが好ましい。サファイア基板を用いる場合は、サファイアのc面上に中間層120(バッファ層)を形成するとよい。
なお、上記した基板には、高温でアンモニアに接触することで化学的な変性を引き起こすことが知られている酸化物基板や金属基板が含まれる。これらの基板には、アンモニアを使用せずに中間層120を成膜すればよく、中間層120がコート層として作用するので、MOCVD法においてアンモニアを使用して下地層130を成膜することができる。このように、中間層120を成膜すると、基板110の化学的な変質を防ぐ点で効果的である。
また、中間層120をスパッタ法により形成した場合、基板110の温度を低く抑えることが可能なので、高温で分解してしまう性質を持つ材料から構成される基板110を用いた場合でも、基板110にダメージを与えることなく基板上への各層の成膜が可能である。
<積層半導体層100>
積層半導体層100は、例えば、III族窒化物半導体からなる層であって、図1に示すように、基板110上に、中間層120、下地層130、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層がこの順で積層されて構成されている。
また、図3に示すように、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層は、それぞれ、複数の半導体層から構成してもよい。ここで、n型半導体層140は、電子をキャリアとする第1の導電型にて電気伝導を行い、p型半導体層160は、正孔をキャリアとする第2の導電型にて電気伝導を行う。
なお、積層半導体層100は、MOCVD法で形成すると結晶性の良いものが得られるが、スパッタ法によっても条件を最適化することで、MOCVD法よりも優れた結晶性を有する半導体層を形成できる。以下、順次説明する。
<中間層120>
中間層120は、多結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)のものがより好ましい。
中間層120は、上述のように、例えば、多結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01μm〜0.5μmのものとすることができる。中間層120の厚みが0.01μm未満であると、中間層120により基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、中間層120の厚みが0.5μmを超えると、中間層120としての機能には変化が無いのにも関わらず、中間層120の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下するおそれがある。
中間層120は、基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和し、特にc面を主面とするサファイアで基板110を構成した場合には、基板110の(0001)面(c面)上にc軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層120の上に単結晶の下地層130を積層すると、より一層結晶性の良い下地層130が積層できる。なお、本発明においては、中間層形成工程を行なうことが好ましいが、行なわなくても良い。
また、中間層120は、III族窒化物半導体からなる六方晶系の結晶構造を持つものであってもよい。また、中間層120をなすIII族窒化物半導体の結晶は、単結晶構造を有するものであってもよく、単結晶構造を有するものが好ましく用いられる。III族窒化物半導体の結晶は、成長条件を制御することにより、上方向だけでなく、面内方向にも成長して単結晶構造を形成する。このため、中間層120の成膜条件を制御することにより、単結晶構造のIII族窒化物半導体の結晶からなる中間層120とすることができる。このような単結晶構造を有する中間層120を基板110上に成膜した場合、中間層120のバッファ機能が有効に作用するため、その上に成膜されたIII族窒化物半導体は良好な配向性および結晶性を有する結晶膜となる。
また、中間層120をなすIII族窒化物半導体の結晶は、成膜条件をコントロールすることにより、六角柱を基本とした集合組織からなる柱状結晶(多結晶)とすることも可能である。なお、ここでの集合組織からなる柱状結晶とは、隣接する結晶粒との間に結晶粒界を形成して隔てられており、それ自体は縦断面形状として柱状になっている結晶のことをいう。
<下地層130>
下地層130としては、AlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができるが、AlGa1−xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層130を形成できるため好ましい。
下地層130の膜厚は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が、結晶性の良好な下地層130が得られやすい。
下地層130の結晶性を良くするためには、下地層130は不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合は、p型不純物(アクセプター)あるいはn型不純物(ドナー)を添加することができる。
<n型半導体層140>
図3に示すように、n型半導体層140は、nコンタクト層140aとnクラッド層140bとから構成されるのが好ましい。なお、nコンタクト層140aがnクラッド層140bを兼ねることも可能である。また、前述の下地層130をn型半導体層140に含めてもよい。
nコンタクト層140aは、第2の電極240(図1参照)を設けるための層である。nコンタクト層140aとしては、AlGa1−xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
また、nコンタクト層140aにはn型不純物がドープされていることが好ましく、n型不純物を1×1017/cm〜1×1020/cm、好ましくは1×1018/cm〜1×1019/cmの濃度で含有すると、第2の電極240との良好なオーミック接触を維持できる点で好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nコンタクト層140aの膜厚は、0.5μm〜5μmとされることが好ましく、1μm〜3μmの範囲に設定することがより好ましい。nコンタクト層140aの膜厚が上記範囲にあると、発光層150等の結晶性が良好に維持される。
nコンタクト層140aと発光層150との間には、nクラッド層140bを設けることが好ましい。nクラッド層140bは、発光層150へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めとを行なう層である。nクラッド層140bはAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層140bをGaInNで形成する場合には、発光層150のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましいことは言うまでもない。なお、本明細書中には、AlGaN、GaInNについて、各元素の組成比を省略した形で記述する場合がある。
nクラッド層140bの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。nクラッド層140bのn型不純物濃度は1×1017/cm〜1×1020/cmが好ましく、より好ましくは1×1018/cm〜1×1019/cmである。不純物濃度がこの範囲であると、良好な結晶性の維持および素子の動作電圧低減の点で好ましい。
なお、nクラッド層140bを、超格子構造を含む層とする場合には、詳細な図示を省略するが、10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第1層と、n側第1層と組成が異なるとともに10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第2層とが積層された構造を含むものであっても良い。
また、nクラッド層140bは、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造であることが好ましい。
<発光層150>
n型半導体層140の上に積層される発光層150としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
図3では、発光層150を、障壁層150aと井戸層150bとが交互に積層されてなる多重量子井戸構造で示している。そして、発光層150のうち、nクラッド層140bと接する側およびpクラッド層160aと接する側は、それぞれ障壁層150aとなっている。多重量子井戸構造の井戸層150bとしては、Ga1−yInN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。井戸層150bの膜厚としては、量子効果の得られる程度の膜厚、例えば1nm〜10nmとすることができ、好ましくは2nm〜6nmとすると発光出力の点で好ましい。
また、多重量子井戸構造の発光層150の場合は、上記Ga1−yInNを井戸層150bとし、井戸層150bよりバンドギャップエネルギーが大きいAlGa1−zN(0≦z<0.3)を障壁層150aとする。井戸層150bおよび障壁層150aには、設計により不純物を添加してもしなくてもよい。
<p型半導体層160>
図3に示すように、p型半導体層160は、通常、pクラッド層160aおよびpコンタクト層160bから構成される。また、pコンタクト層160bがpクラッド層160aを兼ねることも可能である。
pクラッド層160aは、発光層150へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行なう層である。pクラッド層160aとしては、発光層150のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層150へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、例えばAlGa1−xN(0<x≦0.4)のものが挙げられる。
pクラッド層160aが、このようなAlGaNからなると、発光層150へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層160aの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。
pクラッド層160aのp型不純物濃度は、1×1018/cm〜1×1021/cmが好ましく、より好ましくは1×1019/cm〜1×1020/cmである。p型不純物濃度が上記範囲であると、結晶性を低下させることなく良好なpクラッド層160aが得られる。
また、pクラッド層160aは、複数回積層した超格子構造としてもよく、この場合には、組成比が異なるAlGaNと他のAlGaNとの交互構造または組成が異なるAlGaNとGaNとの交互構造であることが好ましい。
pコンタクト層160bは、透明電極170を設けるための層である。pコンタクト層160bは、AlGa1−xN(0≦x≦0.4)であることが好ましい。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持および透明電極170との良好なオーミック接触の維持が可能となる点で好ましい。
pコンタクト層160bでは、p型不純物を1×1018/cm〜1×1021/cmの濃度、好ましくは5×1019/cm〜5×1020/cmの濃度で含有していると、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えば好ましくはMgが挙げられる。
pコンタクト層160bの膜厚は、特に限定されないが、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜200nmである。pコンタクト層160bの膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
<透明電極170>
図1に示すように、p型半導体層160の上には透明電極170が積層されている。
図2に示すように平面視したときに、透明電極170(図1参照)は、第2の電極240を形成するために、エッチング等の手段によって一部が除去されたp型半導体層160の上面160cのほぼ全面を覆うように形成されているが、このような形状に限定されるわけでなく、隙間を開けて格子状や樹形状に形成してもよい。なお、透明電極170の構造も、従来公知の構造を含めて如何なる構造のものも何ら制限なく用いることができる。
透明電極170は、p型半導体層160との接触抵抗が小さいものであることが好ましい。また、この半導体発光素子1では、発光層150からの光を第1の電極210が形成された側に取り出すことから、透明電極170は発光層150からの光に対する透過性に優れたものが好ましい。さらにまた、p型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、透明電極170は優れた導電性を有したものであることが好ましい。
以上のことから、透明電極170として、Inを含む酸化物の導電性材料が用いられる。Inを含む酸化物の一部は、他の透明導電膜と比較して光透過性および導電性の両者がともに優れている点で好ましい。Inを含む導電性の酸化物としては、例えばITO(酸化インジウム錫(In−SnO))、IZO(酸化インジウム亜鉛(In−ZnO))、IGO(酸化インジウムガリウム(In−Ga))、ICO(酸化インジウムセリウム(In−CeO))等が挙げられる。なお、これらの中に、例えばフッ素などが添加されていてもかまわない。
これらの材料を、この技術分野で公知の手段で設けることによって、透明電極170を形成できる。また、透明電極170を形成した後に、透明電極170の透明化を目的とした熱アニールを施す場合もある。
透明電極170は、結晶化された構造のものを使用してよく、特に六方晶構造又はビックスバイト構造を有するIn結晶を含む透光性材料(例えば、ITOやIZO等)を好ましく使用することができる。
例えば、六方晶構造のIn結晶を含むIZOを透明電極170として使用する場合、エッチング性に優れたアモルファスのIZO膜を用いて特定形状に加工することができ、さらにその後、熱処理等によりアモルファス状態から結晶を含む構造に転移させることで、アモルファスのIZO膜よりも透光性の優れた電極に加工することができる。
また、IZO膜としては、比抵抗が最も低くなる組成を使用することが好ましい。
例えば、IZO中のZnO濃度は1質量%〜20質量%であることが好ましく、5質量%〜15質量%の範囲であることがさらに好ましい。10質量%であると特に好ましい。また、IZO膜の膜厚は、低比抵抗、高光透過率を得ることができる35nm〜10000nm(10μm)の範囲であることが好ましい。さらに、生産コストの観点から、IZO膜の膜厚は1000nm(1μm)以下であることが好ましい。
IZO膜のパターニングは、後述の熱処理工程を行なう前に行なうことが望ましい。熱処理により、アモルファス状態のIZO膜は結晶化されたIZO膜となるため、アモルファス状態のIZO膜と比較してエッチングが難しくなる。これに対し、熱処理前のIZO膜は、アモルファス状態であるため、周知のエッチング液(ITO−07Nエッチング液(関東化学社製))を用いて容易に精度良くエッチングすることが可能である。
アモルファス状態のIZO膜のエッチングは、ドライエッチング装置を用いて行なっても良い。このとき、エッチングガスにはCl、SiCl、BCl等を用いることができる。アモルファス状態のIZO膜は、例えば500℃〜1000℃の熱処理を行ない、条件を制御することで六方晶構造のIn結晶を含むIZO膜や、ビックスバイト構造のIn結晶を含むIZO膜にすることができる。六方晶構造のIn結晶を含むIZO膜は前述したようにエッチングし難いので、上述のエッチング処理の後に熱処理することが好ましい。
特に、前述のように、熱処理によって結晶化したIZO膜は、アモルファス状態のIZO膜に比べて、第1の接合層190やp型半導体層160との密着性が良いため、本発明の実施形態において有効である。
<第1の電極210>
次に、第1の電極210の構成の一例について詳細に説明する。なお、本発明では、第1の電極である正電極は、公知な材料や構造、形状を採用することができるが、好ましくは後述の電極構成を採用することができる。
上述したように、第1の電極210は、透明電極170上に積層される第1の接合層190と、第1の接合層190上に積層される第1のボンディングパッド電極200とを有している。
図2に示すように、平面視したときに、第1の電極210は円形状とされているが、このような形状に限定されるわけでなく、多角形状など任意の形状とすることができる。また、第1の電極210はボンディングパットを兼ねており、ボンディングワイヤを接続することができる構成とされている。
<第1の接合層190>
第1の接合層190は、透明電極170に対する第1のボンディングパッド電極200の接合強度を高めるために、透明電極170と第1のボンディングパッド電極200との間に積層される。また、第1の接合層190は、透明電極170を透過して第1のボンディングパッド電極200に照射される発光層150からの光を低損失で透過させるために、透光性を有していることが好ましい。
第1の接合層190は、弁作用金属(バルブメタル)で形成することが好ましく、Al、Ti、Zn、Zr、Nb、Mg、Bi、Si、Hf、Ta、Cr、Ptからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を含むとともに透明電極170と接する側がこれらの元素の酸化物または窒化物を含むように透明電極170上に積層されるのがより好ましい。これにより、バルブメタルそのもので第1の接合層190を構成した場合と比較して、透明電極170と第1のボンディングパッド電極200との接合強度をより向上させることができる。
特に、Ta、Nb、Ti等の金属およびこれらの金属の酸化物または窒化物を含めることによって、水(水分)の存在下における電気化学反応により接合金属元素がイオン化して溶出することを防ぐことができ、好ましい。これらは、弁作用金属の中でもイオン化しにくい性質を持つ。これにより、透光性電極170に対する第1のボンディングパッド電極200の接合強度を格段に高めることができる。
また、第1の接合層190のすべてすなわち全体が弁作用金属の酸化物で構成されていてもよいが、少なくとも部分的、局所的あるいは薄膜状に透明電極170と接する側が弁作用金属の酸化物で形成されていればよい。したがって、第1の接合層190が、透明電極170側に形成される弁作用金属酸化物層と第1のボンディングパッド電極200側に形成される弁作用金属層とで形成されていてもかまわない。
また、第1の接合層190は厚みが0.5nm以上100nm以下の範囲の薄膜であること、より好ましくは1nm以上40nm以下の範囲の薄膜であることが好ましい。これにより、発光層150からの光を遮ることなく効果的に透過させることができる。なお、厚みが0.5nm未満になると、第1の接合層190の強度が低下し、これにより透明電極170に対する第1のボンディングパッド電極200の接合強度が低下する恐れがある。第1の接合層190における金属酸化物層の厚さは約0.5nm〜5nmが好ましい。0.5nm以下では透明電極170との接合強度の向上効果が少なくなり、5nm以上では、接合層190と透明電極170との導電性の低下を招く恐れがある。
<第1のボンディングパッド電極200>
図1に示すように、接続電極の一例としての第1のボンディングパッド電極200は、透明電極170側から順に、第1のバリア層200aと第1のボンディング層200bとが積層された積層体からなる。第1のバリア層200aは、第1のボンディング層200bを形成する元素のマイグレーションをバリアする作用を有し、第1のボンディング層200bは、給電用の外部端子材料との密着性を高める作用がある。
なお、第1のボンディングパッド電極200は、第1のバリア層200aのみからなる単層構造であってもよく、第1のバリア層200aと第1のボンディング層200bと間に、第1のボンディングパッド電極200全体の強度を強化する別のバリア層をさらに挿入して、三層構造としてもよい。
<第1のバリア層200a>
図1に示す第1のバリア層200aは、第1のボンディングパッド電極200全体の強度を強化する役割を有している。このため、比較的強固な金属材料を使用することが好ましく、例えば、Ag、Al、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ti、W、Mo、Ni、Co、Zr、Hf、Ta、Nbのうちの何れかまたはこれら金属の何れかを含む合金からなるものが選べる。また、第1のバリア層200aは、発光層150から出射された光を反射させるために、反射率の高い金属で構成することが好ましく、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族金属、Al、Ag、Tiおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金で構成することがより好ましい。これにより、発光層150からの光を効果的に反射させることができる。
なかでも、Al、Ag、Ptおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金は、電極用の材料として一般的であり、入手のし易さ、取り扱いの容易さなどの点から優れている。
また、第1のバリア層200aは、高い反射率を有する金属で形成した場合、厚さが20nm〜300nmであることが望ましい。第1のバリア層200aが20nmよりも薄いと充分な反射の効果が得らない。一方、第1のバリア層200aを300nmより厚くしても特に利点は生じず、工程時間の長時間化と材料の無駄を生じるのみである。さらに望ましくは、50nm〜200nmである。
また、第1のバリア層200aは、第1の接合層190に密着していることが、発光層150からの光を効率良く反射するとともに、第1のボンディングパッド電極200の接合強度を高められる点で好ましい。第1のボンディングパッド電極200が充分な強度を得るためには、第1のバリア層200aが第1の接合層190を介して透明電極170に強固に接合されていることが必要である。最低限、一般的な方法でボンディングパッドに金線を接続する工程で剥離しない程度の強度が好ましい。特に、Rh、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金は、光の反射性などの点から第1のバリア層200aとして好適に使用される。
<第1のボンディング層200b>
図1に示す第1のボンディング層200bは、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金からなることが好ましい。AuおよびAlはボンディングボールとして使用されることが多い金ボールとの密着性の良い金属なので、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金を用いることにより、ボンディングワイヤとの密着性に優れたものとすることができる。中でも、特に好ましいのはAuである。
また、第1のボンディング層200bの厚みは、50nm〜2000nmであることが好ましく、500nm〜1500nmであることがさらに好ましい。
第1のボンディング層200bが薄すぎると電極の強度が低下し、ボンディングボールとの密着性が悪くなり、厚すぎても特に利点は生ぜず、コスト増大を招くのみである。
第1の接合層190およびこれに積層される第1のボンディングパッド電極200は、透明電極170の上であれば、どこへでも形成することができる。例えば第2の電極240から最も遠い位置に形成してもよいし、半導体発光素子1の中心などに形成してもよい。しかし、あまりにも第2の電極240に近接した位置に形成すると、ボンディングした際にボンディングワイヤ間、ボンディングボール間のショートを生じてしまうため好ましくない。
また、第1のボンディングパッド電極200の電極面積としては、できるだけ大きいほうがボンディング作業はしやすいものの、大きすぎると発光の取り出しの妨げになる。例えば、チップ面の面積の半分を超えるような面積を覆っては、発光の取り出しの妨げとなり、出力が著しく低下する。逆に小さすぎるとボンディング作業がしにくくなり、製品の収率を低下させる。
具体的には、第1のボンディングパッド電極200の電極面積としては、ボンディングボールの直径よりもわずかに大きい程度が好ましく、直径100μm程度の円形であることが一般的である。
また、前述したように、正電極である第1の電極210は、公知な材料や構造、形状を採用することができるが、第1のボンディングパッド電極200を積層した第1の接合層190は、透明電極170上以外にpコンタクト層160b(図3参照)上またはpコンタクト層160bの一部を切り欠いた部分上に形成してもよい。
<第2の電極240>
続いて、第2の電極240の構成について詳細に説明する。
上述したように、第2の電極240は、第2の接合層220と、第2の接合層220上に積層される第2のボンディングパッド電極230とを有している。
図1に示すように、n型半導体層140の半導体層露出面140cに第2の電極240が形成されている。このように、第2の電極240を形成する際には、エッチング等の手段によってp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の一部を切り欠け除去してn型半導体層140のnコンタクト層140a(図3参照)を露出させ、得られた半導体層露出面140c上に第2の電極240を形成する。
図2に示すように、平面視したときに、第2の電極240は円形状とされているが、このような形状に限定されるわけでなく、多角形状など任意の形状とすることができる。また、第2の電極240はボンディングパットを兼ねており、ボンディングワイヤを接続することができる構成とされている。
<第2の接合層220>
第2の接合層220は、n型半導体層140のnコンタクト層140aに形成される半導体層露出面140cに対する第2のボンディングパッド電極230の接合強度を高めるために、nコンタクト層140aと第2のボンディングパッド電極230との間に積層される。
第2の接合層220は、第1の接合層190と同様に、弁作用金属(バルブメタル)すなわちAl、Ti、Zn、Zr、Nb、Mg、Bi、Si、Hf、Ta、Cr、Ptからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を含むとともに半導体層露出面140cと接する側がこの元素の酸化物または窒化物を含むように半導体層露出面140c上に積層される。これにより、弁作用金属そのもので第2の接合層220を構成した場合と比較して、nコンタクト層140aと第2のボンディングパッド電極230との接合強度をより向上させることができる。中でも、第2の接合層220は、Ta、Nb、Tiからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を含むとともに半導体層露出面140cと接する側がこの元素の酸化物または窒化物にて構成することがより好ましい。特に、Ta、Nb、Ti等の金属およびこれらの酸化物または窒化物を用いることによって、nコンタクト層140aに対する第2のボンディングパッド電極230の接合強度を格段に高めることができる。
ただし、第2の接合層220のすべてすなわち全体が弁作用金属の酸化物で構成されている必要はなく、少なくともnコンタクト層140aと接する側が弁作用金属の酸化物で形成されていればよい。したがって、第2の接合層220が、nコンタクト層140a側に形成される弁作用金属酸化物層と第2のボンディングパッド電極230側に形成される弁作用金属層とで形成されていてもかまわない。
また、第2の接合層220は厚みが0.5nm〜100nmの範囲の薄膜であること、さらに1nm〜40nmの範囲の薄膜であることがより好ましい。なお、厚みが0.5nm未満になると、第2の接合層220の強度が低下し、これによりnコンタクト層140aに対する第2のボンディングパッド電極230の接合強度が低下するので好ましくない。
<第2のボンディングパッド電極230>
図1に示すように、第2のボンディングパッド電極230は、nコンタクト層140a側から順に、第2のバリア層230aと第2のボンディング層230bとが積層された積層体からなる。第2のバリア層230aは、第2のボンディング層230bを形成する元素のマイグレーションをバリアする作用を有し、第2のボンディング層230bは、給電用の外部端子材料との密着性を高める作用がある。
なお、第2のボンディングパッド電極230は、第2のバリア層230aのみからなる単層構造であってもよく、第2のバリア層230aと第2のボンディング層230bと間に、第2のボンディングパッド電極230全体の強度を強化する別のバリア層を挿入して、三層構造としてもよい。
<第2のバリア層230a>
図1に示す第2のバリア層230aは、第1のバリア層200aと同様に第2のボンディングパッド電極230全体の強度を強化する役割を有している。このため、比較的強固な金属材料を使用することが好ましく、例えば、Ag、Al、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ti、W、Mo、Ni、Co、Zr、Hf、Ta、Nbのうちの何れかまたはこれら金属の何れかを含む合金からなるものが選べる。なお、第2のバリア層230aを、第1のバリア層200aと同様に、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族金属、Al、Ag、Tiおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金で構成することがより好ましい。
そして、第2のバリア層230aは、第1のバリア層200aと同様に厚さが200nm〜300nmであることが望ましく、50nm〜200nmであることがさらに望ましい。
また、第2のバリア層230aは、第2の接合層220に密着していることが、第2のボンディングパッド電極230の接合強度を高められる点で好ましい。第2のボンディングパッド電極230が充分な強度を得るためには、第2のバリア層230aが第2の接合層220を介してnコンタクト層140aに強固に接合されていることが必要である。最低限、一般的な方法でボンディングパッドに金線を接続する工程で剥離しない程度の強度が好ましい。特に、Rh、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくも一種を含む合金は、第2のバリア層230aとして好適に使用される。
<第2のボンディング層230b>
図1に示す第2のボンディング層230bは、第1のボンディング層200bと同様、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金からなることが好ましい。AuおよびAlはボンディングボールとして使用されることが多い金ボールとの密着性の良い金属なので、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金を用いることにより、ボンディングワイヤとの密着性に優れたものとすることができる。中でも、特に望ましいのはAuである。
また、第2のボンディング層230bの厚みは、50nm〜2000nmであることが好ましく、500nm〜1500nmであることがさらに望ましい。
第2のボンディング層230bが薄すぎると電極の強度が低下し、ボンディングボールとの密着性が悪くなり、厚すぎても特に利点は生ぜず、コスト増大を招くのみである。
第2の接合層220およびこれに積層される第2のボンディングパッド電極230は、nコンタクト層140aの半導体層露出面140cの上であれば、どこへでも形成することができる。また、第2のボンディングパッド電極230の面積に関しては、ボンディング作業のしやすさという観点からは、ボンディングボールの直径よりもわずかに大きい程度が好ましく、直径100μm程度の円形であることが一般的である。
なお、後述するように、第1の接合層190と第2の接合層220とが同一のプロセスにおいて形成され、また、第1のボンディングパッド電極200と第2のボンディングパッド電極230とが同一のプロセスにおいて形成される。このため、第1の接合層190と第2の接合層とが同じ構成を有しており、第1のボンディングパッド電極200と第2のボンディングパッド電極230とが同じ構成を有している。
<保護層180>
保護層180は、半導体発光素子1の内部への水分等の進入を抑制するために、第1の電極210および第2の電極240のそれぞれの表面の一部を除いて、透明電極170の表面、積層半導体層100の表面および側面を覆うように設けられている。
また、本実施の形態では、発光層150からの光を、保護層180を介して取り出すことから、保護層180は発光層150からの光に対する透過性に優れたものであることが望ましい。そこで、保護層180をSiOで構成している。ただし、保護層180を構成する材料についてはこれに限られるものではなく、SiOに代えて、TiO、Si、SiO−Al、Al、AlN等を用いることができる。
(半導体発光素子1の製造方法)
次に、本実施の形態である半導体発光素子の製造方法の一例について説明する。
図4は、本実施の形態が適用される半導体発光素子の製造方法のフローチャートである。図5は、半導体発光素子の製造方法の各工程における断面模式図の一例である。以下、図5を参照しつつ、図4によって、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の製造方法を説明する。
本実施形態である半導体発光素子の製造方法は、基板110上に、発光層150を含む積層半導体層100を形成する積層半導体層形成工程(ステップ100)と、積層半導体層100上に透明電極170を形成する透明電極形成工程(ステップ200)と、積層半導体層100の一部を切り欠いて半導体層露出面140cを形成する露出面形成工程(ステップ300)と、透明電極170上に第1の電極210および半導体層露出面140c上に第2の電極240を形成する電極形成工程(ステップ400)と、さらに保護層180を形成する保護層形成工程(ステップ500)とを含んでいる。
ここで、積層半導体層形成工程(ステップ100)は、中間層120を形成する中間層形成工程、下地層130を形成する下地層形成工程、n型半導体層140を形成するn型半導体層形成工程、発光層150を形成する発光層形成工程、p型半導体層160を形成するp型半導体層形成工程を有している。
また、電極形成工程(ステップ400)は、透明電極170上に第1の接合層190を形成するとともに半導体層露出面140c上に第2の接合層220を形成する接合層形成工程、第1の接合層190上に第1のバリア層200aを形成するとともに第2の接合層220上に第2のバリア層230aを形成するバリア層形成工程、第1のバリア層200a上に第1のボンディング層200bを形成するとともに第2のバリア層230a上に第2のボンディング層230bを形成するボンディング層形成工程を有している。
さらに、本実施の形態における半導体発光素子の製造方法は、必要に応じて、電極形成工程もしくは保護層形成工程の後、得られた半導体発光素子1に熱処理を施すアニール工程をさらに有している場合がある。
以下、各工程について、順番に説明する。
<積層半導体層形成工程>
図5(a)に示す積層半導体層形成工程(ステップ100)は、基板110上に中間層120を形成する中間層形成工程と、中間層120上に下地層130を形成する下地層形成工程と、下地層130上にn型半導体層140を形成するn型半導体層形成工程と、n型半導体層140上に発光層150を形成する発光層形成工程と、発光層150上にp型半導体層160を形成するp型半導体層形成工程とからなる。
<中間層形成工程>
先ず、サファイア基板等の基板110を用意し、前処理を施す。前処理としては、例えば、スパッタ装置のチャンバ内に基板110を配置し、中間層120を形成する前にスパッタするなどの方法によって行うことができる。
次に、基板110の上面に、スパッタ法によって、中間層120を積層する。
スパッタ法によって、単結晶構造を有する中間層120を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が50%〜100%、望ましくは75%となるようにすることが望ましい。
なお、中間層120は、スパッタ法だけでなく、MOCVD法で形成することもできる。
<下地層形成工程>
次に、中間層120を形成した後、中間層120が形成された基板110の上面に、スパッタ法またはMOCVD法等で単結晶の下地層130を形成する。下地層130は、スパッタ法を用いて成膜することが望ましい。
<n型半導体層形成工程>
下地層130の形成後、nコンタクト層140a及びnクラッド層140bを積層してn型半導体層140を形成する。nコンタクト層140a及びnクラッド層140bは、スパッタ法で形成してもよく、MOCVD法で形成してもよい。
<発光層形成工程>
発光層150の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよいが、特にMOCVD法が好ましい。具体的には、障壁層150aと井戸層150bとを交互に繰り返して積層し、且つ、n型半導体層140側及びp型半導体層160側に障壁層150aが配される順で積層すればよい。
<p型半導体層形成工程>
また、p型半導体層160の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよい。具体的には、pクラッド層160aと、pコンタクト層160bとを順次積層すればよい。
<透明電極形成工程>
図5(b)に示すように、p型半導体層160上に、スパッタ法などの公知の方法を用いて、透明電極170を構成する材料を形成し、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングし、透明電極170を形成する(ステップ200)。
<露出面形成工程>
図5(c)に示すように、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングして、予め定められた領域の積層半導体層100の一部をエッチングしてnコンタクト層140aの一部を露出させ、半導体層露出面140cを形成する(ステップ300)。
なお、上述の透明電極形成工程と露出面形成工程との順序を入れ替えもかまわない。入れ替える場合には、積層半導体層100の一部をエッチングして、半導体層露出面140cを形成した後、フォトレジスト等のマスクで半導体層露出面140cをカバーして、p型半導体層160の上面160c上に、スパッタ法などの公知の方法を用いて透明電極170を形成する。
<電極形成工程>
電極形成工程は、接合層形成工程と、バリア層形成工程と、ボンディング層形成工程とからなる(ステップ400)。図5(d)に示すように、透明電極170上の一部に第1の電極210と、半導体層露出面140c上の一部に第2の電極240を積層させる。電極形成工程は後に詳述するが、イメージリバーサルにより形成された逆テーパ型マスク500(後述する図8参照)を用いたリフトオフにより形成される。
<保護層形成工程>
図5(e)に示すように、第1の電極210および第2の電極240のそれぞれの表面の一部(開口)を除いて、透明電極170の表面、積層半導体層100の表面および側面を覆うように、SiOからなる保護層180を形成する(ステップ500)。
以上により、半導体発光素子1が得られる。
<アニール工程>
そして、このようにして得られた半導体発光素子1を、例えば窒素などの還元雰囲気下において、150℃以上600℃以下、より好ましくは200℃以上500℃以下でアニール処理する。このアニール工程は、第1の接合層190を介した透明電極170と第1のボンディングパッド電極200との密着性、および、第2の接合層220を介した半導体層露出面140cと第2のボンディングパッド電極230との密着性を高めるために行われる。
このようにして得られた半導体発光素子1をランプ等に使用する場合には、基板110を半導体発光素子1(チップ)毎に分割し、それぞれの半導体発光素子1の基板110側をランプの基台にダイボンドした後、第1の電極210の第1のボンディングパッド電極200の第1のボンディング層200bの露出した表面(開口)に、ボンディングワイヤを接続するとともに、第2の電極240の第2のボンディングパッド電極230の第2のボンディング層230bの露出した表面(開口)に、同じくボンディングワイヤを接続する。
そして、両方のボンディングワイヤを介して半導体発光素子1に電流を流すことにより、発光層150が発光することになる。
次に、電極形成工程を詳細に説明する。
図6は、本実施の形態における半導体発光素子の製造方法における、電極形成工程(図4のステップ400)および保護層形成工程(図4および図6で同じステップ500)のフローチャートである。電極形成工程(図4のステップ400)は、電極形成用マスク形成工程(ステップ401)と、電極材料堆積工程(ステップ402)と、電極形成用マスクリフトオフ工程(ステップ403)と、アルカリ洗浄工程(ステップ404)とを有している。
まず、電極形成用マスク形成工程(ステップ401)における逆テーパ型マスク500(後述する図8参照)の形成方法について、具体例を挙げて説明する。
このような逆テーパ型マスク500を形成する方法としては、ポジ型レジストを用いる方法あるいはネガ型レジストを用いる方法など公知の方法があるが、ここでは後述するイメージリバーサルに用いられるポジ型フォトレジストを用いて、イメージリバーサルによって形成する方法について説明する。なお、以下では、透明電極170上に電極形成のためのマスク形成について説明を行うが、各工程は、電極形成用マスク形成工程(ステップ401)において、同時に半導体層露出面140c側においても行われる。
図7は、後述する図8(a)に示す逆テーパ型マスク500を形成する工程を説明するための図である。
<マスク形成工程>
マスク形成工程は、透明電極170にポジ型レジストを塗布して不溶性レジスト部510を形成するレジスト塗布工程と、不溶性レジスト部510の一部を遮光(マスク)して露光を行うことにより、露光された不溶性レジスト部510を可溶性レジスト部520にする一部露光工程と、加熱により可溶性レジスト部520を三次元的に架橋させて不溶な硬化レジスト部530とする架橋工程と、不溶性レジスト部510と硬化レジスト部530とを全面露光することにより不溶性レジスト部510を可溶性レジスト部520とする全面露光工程と、レジスト現像液に浸漬することにより可溶性レジスト部520を除去する現像工程とを有している。
<レジスト塗布工程>
まず、図7(a)に示すように、透明電極170の上にポジ型レジストを塗布し、不溶性レジスト部510を形成する。ポジ型フォトレジストとしては、例えば、ノボラック樹脂を含む、イメージリバーサルに用いられるレジストであるAZ5200NJ(製品名:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)などを用いることができる。
<一部露光工程>
次に、図7(b)に示すように、不溶性レジスト部510の前面に第1の電極210を形成する位置をカバーするようにフォトマスク(レチクル)の遮光部600を配置して、遮光部600側から透明電極170側へ矢印に示すように予め定められた強さおよび波長の光を照射することにより、光が照射された部分の不溶性レジスト部510を光反応させて、可溶性レジスト部520とする。なお、遮光部600は、この波長の光を透過しない材料で構成されている。
この光反応は光の強さに応じて進行するので、光照射面側では光反応の進行が早く、透明電極170側では光反応の進行が遅くなる。そのため、可溶性レジスト部520は、断面視したときに、図7(b)に示すように、遮光部600で覆われた部分から透明電極170に向けて、透明電極170に近づくほど横方向の間隔が狭まる逆テーパ形状となるように形成される。
なお、遮光部600下の光が照射されない部分は、そのまま不溶性レジスト部510として残される。
<架橋工程>
次に、例えば、ホットプレートまたはオーブンなどを用いて、この透明電極170上の不溶性レジスト部510および可溶性レジスト部520を加熱することにより、図7(c)に示すように、可溶性レジスト部520を熱反応により架橋させて硬化させ、架橋高分子からなる硬化レジスト部530とする。このとき、不溶性レジスト部510はそのままの状態を維持する。
<全面露光工程>
続いて、図7(d)に示すように、マスクを用いず、不溶性レジスト部510および硬化レジスト部530の表面側から光を照射することにより、図7(b)において可溶性レジスト部520に変換されなかった不溶性レジスト部510を光反応させて、可溶性レジスト部520とする。
<現像工程>
最後に、予め定められた現像液を用いて、可溶性レジスト部520を溶解させて除去することにより、図7(e)に示すように、透明電極170上に、逆テーパ形状の開口部501を有する硬化レジスト部530すなわち逆テーパ型マスク500(後述する図8(a)参照)を形成することができる。
現像液としては、例えば、水で希釈したTMAH(テトラメチル アンモニウム ハイドロオキサイド)が使用しうる。
以上説明したように、逆テーパ型マスク500は、一部露光工程において可溶性としたポジ型レジストの部分(可溶性レジスト部520)を、加熱することにより架橋させて硬化させて不溶性(硬化レジスト部530)にし、逆に一部露光工程で不溶のままに残されたポジ型レジストの部分(不溶性レジスト部510)を、全面露光工程により、可溶性にしている(可溶性レジスト部520)。すなわち、一部露光工程における可溶と不溶との関係を、逆転させている。このように、可溶と不溶との関係を逆転させることはイメージリバーサルと呼ばれる。そして、このような用途に使用されるレジストはイメージリバーサルレジストと呼ばれる。
なお、このようにイメージリバーサルによる逆テーパ型マスク500を用いると、逆テーパ型マスク500上に成膜された材料が、逆テーパ型マスク500の端部において、不連続となりやすいため、リフトオフ(剥離)によるパターンの形成に好ましい。
次に、電極形成工程(ステップ400)を説明する。
電極形成工程(ステップ400)は、電極形成用マスク形成工程(ステップ401)と、電極材料堆積工程(ステップ402)と、電極形成用マスクリフトオフ工程(ステップ403)と、アルカリ洗浄工程(ステップ404)とを有している。
図8は、図6に示した電極形成工程(ステップ400)の各工程における断面模式図の一例である。
以下、図8を参照しつつ、図6によって、本実施の形態が適用される電極形成工程を説明する。
ここでも、図7と同様に、透明電極170上の第1の電極210の形成について説明するが、同時に半導体層露出面140c上の第2の電極240の形成も行われる。
<電極形成用マスク形成工程>
まず、図8(a)に示すように、前述した逆テーパ型マスク500の形成方法にしたがって、透明電極170の上に、透明電極170側に近づくほど横方向の径が拡がる開口部501を設けた逆テーパ型マスク(前述したように逆テーパ型マスクは硬化レジスト部530であるので、以下、硬化レジスト部と称することがある)500を形成する。この開口部501は、第1の電極210を形成する透明電極170の領域に対応する部位に形成される。このとき、図示しないが、半導体層露出面140cにおいて第2の電極240を形成するための部位にも、同様の開口部501を設けた逆テーパ型マスク500を形成する。
<電極材料堆積工程>
本実施の形態では、スパッタ法を用い、同一のバッチ処理において、第1の接合層190および第2の接合層220、第1のバリア層200aおよび第2のバリア層230a、第1のボンディング層200bおよび第2のボンディング層230bを、この順で連続的に形成する。すなわち、接続層形成工程、バリア層形成工程、およびボンディング層形成工程が一連で行われる。なお、以下では、透明電極170側における各層の形成について説明を行うが、各工程は、同時に半導体層露出面140c側に対しても行われる。
<接合層形成工程>
次に、図8(b)に示すように、例えば、スパッタ法により、透明電極170の露出面上に第1の接合層190を形成するとともに、半導体層露出面140cの露出面に第2の接合層220を形成する。
接合層形成工程では、上述したように、バルブメタルの酸化物または窒化物の層が透明電極170および半導体層露出面140cと接するように製膜を行う。ここで、スパッタ法を用い、バルブメタルの酸化膜または窒化物を形成する手法としては、例えばバルブメタルからなる金属ターゲットを用い、酸素または窒素を含む雰囲気下においてスパッタを行う方法が挙げられる。このとき、スパッタ条件を制御したスパッタ法を用いることにより、スパッタ材料によらず、カバレッジ性を高くして第1の接合層190および第2の接合層220を成膜することができる。なお、このとき、透明電極170上および半導体層露出面140c上に残存する硬化レジスト部にも第1の接合層190および第2の接合層220と同じ材料が積層される。
<バリア層形成工程>
続いて、図8(c)に示すように、スパッタ法により、第1の接合層190上に第1のバリア層200aを形成するとともに、第2の接合層220上に第2のバリア層230aを形成する。このとき、透明電極170上および半導体層露出面140c上に残存する硬化レジスト部上にも第1のバリア層220aおよび第2のバリア層230aと同じ材料が積層される。
<ボンディング層形成工程>
さらに、図8(d)に示すように、スパッタ法により、第1のバリア層200a上に第1のボンディング層200bを形成するとともに、第2のバリア層230a上に第2のボンディング層230bを形成する。このとき、透明電極170上および半導体層露出面140c上に残存する硬化レジスト部上にも第1のボンディング層200bおよび第2のボンディング層230bと同じ材料が積層される。
<電極形成用マスクリフトオフ工程>
図8(e)に示すように、レジスト剥離液にボンディング層形成工程が終了した基板110を浸漬することにより、硬化レジスト部をリフトオフ(剥離)する。このとき、レジスト剥離液は、第1の接合層190、第1のバリア層200aおよび第1のボンディング層200bのそれぞれを構成する材料が付着していない逆テーパ型レジスト500の側壁部から浸透する。これにより、硬化レジスト部上に積層した、第1の接合層190および第2の接合層220を構成する材料、第1のバリア層200aおよび第2のバリア層230aを構成する材料、第1のボンディング層200bおよび第2のボンディング層230bを構成する材料が、硬化レジスト部と同時にリフトオフされる。
このように、透明電極170上に、第1の接合層190と第1のバリア層200aおよび第1のボンディング層200bを有する第1のボンディングパッド電極200とからなる第1の電極210が形成される。また、半導体層露出面140c上に、第2の接合層220と第2のバリア層230aおよび第2のボンディング層230bを有する第2のボンディングパッド電極230とからなる第2の電極240が形成される。
レジスト剥離液としては、例えば、硬化レジスト部を膨潤させて剥離できるNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を使用しうる。
<アルカリ洗浄工程>
次に、レジスト剥離液に浸漬しても、除去できなかった硬化レジスト部の一部であるレジスト残渣を除去するため、アルカリ溶液によるアルカリ洗浄を行う。
逆テーパ型マスク500は、一部露光工程において可溶性としたレジストの部分(可溶性レジスト部520)を、加熱することにより架橋させて硬化させ、不溶性(硬化レジスト部530)にしている。ノボラック樹脂を含むポジ型レジストを、加熱により架橋硬化させると、機械的強度、耐熱性、耐酸性に優れた三次元的な架橋構造になる。よって、この硬化レジスト部530は三次元的な架橋構造をなしているため、電極形成用マスクリフトオフ工程において除去されづらく、その一部がレジスト残渣となりやすい。
しかし、三次元的な架橋構造をなしたレジスト残渣は、アルカリに弱いことから、アルカリ溶液、特に強アルカリ溶液に浸漬することで除去できる。
アルカリ溶液としては、半導体発光素子1を劣化させるという観点から、NaやKなどのアルカリ金属を含むアルカリ溶液は好ましくない。そこで、アルカリ溶液としては、アルカリ金属を含まない有機アルカリが好ましい。例えば、レジストの現像液として使用されるTMAH(テトラメチル アンモニウム ハイドロオキサイド)を用いることができる。さらに、強アルカリ状態で使用することが好ましい。
上記の電極形成工程(ステップ400)に引き続き、保護層形成工程(ステップ500)が行われる。
<保護層形成工程>
保護層180は、前述したように第1の電極210および第2の電極240のそれぞれの表面の一部(開口)を除いて、透明電極170の表面、積層半導体層100の表面および側面を覆うようにスパッタ法により形成される。
保護層180に設けられた開口は、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングし、エッチングによって形成してもよい。
次に、本発明の実施例について説明を行うが、本発明は実施例に限定されるものではない。
本発明者は、本実施の形態が適用される半導体発光素子の製造方法におけるアルカリ洗浄工程(図6のステップ404)の洗浄時間とレジスト残渣の数との関係について、以下に説明する手法を用いて検討を行った。
図9は、比較例、実施例1〜5における、洗浄時間(秒)とレジスト残渣率(%)との関係を示す図である。
ここで、洗浄時間(秒)とは、電極形成用レジストリフトオフ工程(図6のステップ403)に引き続いて行われるアルカリ洗浄工程(図6のステップ404)における、アルカリ溶液への浸漬時間をいう。具体的にいうと、室温で保持された濃度15%のTMAHへの秒単位での浸漬時間をいう。
そして、レジスト残渣率(%)とは、アルカリ洗浄工程を行う前に顕微鏡下でカウントしたレジスト残渣の数(レジスト残渣数)に対する、アルカリ洗浄工程を行った後に顕微鏡下でカウントしたレジスト残渣の数(レジスト残渣数)の割合をいう。この割合が100%未満であれば、アルカリ洗浄工程によりレジスト残渣が減少していることを示している。
なお、比較例はアルカリ洗浄工程を用いていないものとした。この場合、レジスト残渣率は100%である。
図9に示すように、実施例1〜5において、レジスト残渣率は、洗浄時間30秒、60秒、180秒、300秒、1800秒のいずれにおいても、100%以下であって、5.5%から10.3%の範囲にある。実施例1では、アルカリ溶液にわずか30秒浸漬するだけで、レジスト残渣率を10%以下にできている。しかし、実施例5で示すように、アルカリ溶液での洗浄時間を1800秒と長くしても、レジスト残渣率は約6%である。これは、アルカリ洗浄工程における洗浄時間を増しても、レジスト残渣率を低下させる効果は変わらないことを示している。
すなわち、本実施の形態における半導体発光素子の製造方法では、ごく短時間のアルカリ洗浄工程を設ければ十分であって、製造に要するプロセス時間を増加させることがない。そして、このアルカリ洗浄工程により、レジスト残渣率を大幅に低減しうるので、半導体発光素子1の歩留まりおよび信頼性を向上させうる。
なお、本実施の形態の半導体発光素子の製造方法のアルカリ洗浄工程は、基板110をアルカリ溶液に浸漬する方法で行ったが、基板110の表面にアルカリ溶液をスプレイする方法など、他の方法を用いて行ってもよい。
以上において、本実施の形態を適用した半導体発光素子の製造方法を、III族窒化物半導体を用いた半導体発光素子1について説明した。しかし、本実施の形態における半導体発光素子の製造方法は、GaAsなどを用いたIII−V族化合物半導体やII−VI族化合物半導体などを用いた半導体発光素子にも適用できることは明らかである。
1…半導体発光素子、100…積層半導体層、110…基板、120…中間層、130…下地層、140…n型半導体層、150…発光層、160…p型半導体層、170…透明電極、180…保護層、200…第1のボンディングパッド電極、210…第1の電極、230…第2のボンディングパッド電極、240…第2の電極、500…逆テーパ型マスク、510…不溶性レジスト部、520…可溶性レジスト部、530…硬化レジスト部、600…遮光部

Claims (5)

  1. 基板上に発光層を有する積層半導体層を形成する積層半導体層形成工程と、
    ポジ型レジストのイメージリバーサルにより形成したマスクを用いて、前記積層半導体層上に前記発光層に電流を供給するための正極および負極をリフトオフにより形成する電極形成工程と、
    前記正極および前記負極の形成後に、前記基板をアルカリ溶液で洗浄するアルカリ洗浄工程と、
    前記正極および前記負極のそれぞれの表面の一部を除いて、前記積層半導体層を覆う保護層を形成する保護層形成工程と
    を含む半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記積層半導体層上に、前記発光層が発光する波長に対して透光性の透明電極を形成する透明電極形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記アルカリ洗浄工程のアルカリ溶液は、有機アルカリを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記アルカリ洗浄工程の有機アルカリは、TMAH(テトラメチル アンモニウム ハイドロオキサイド)を含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記ポジ型レジストは、ノボラック樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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