JP2011121881A - ホスホロアミダイト化合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ホスホロアミダイト化合物の新規な製造法に関するものである。
ヌクレオシドの3’位水酸基がホスホロアミダイト化された化合物に代表されるホスホロアミダイト化合物は、シリカ表面がSi−OH(シラノール)になるよう処理されたシリカゲルを担体とするシリカゲルカラムを使用して精製するのが一般的である。
しかしながら、全てのホスホロアミダイト化合物が、上記シリカゲルを担体とするシリカゲルカラムを使用することにより容易に精製できるわけではない。例えば、(2−シアノエトキシ)−2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)エチルスルホニル)エトキシ−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンのように、リン原子上の2つの酸素原子がともに1級アルキルで置換されているホスホロアミダイト化合物は、上記一般的なシリカゲルを担体とするシリカゲルカラムを使用した場合、目的化合物を取得することが困難である。そのため、そのようなホスホロアミダイト化合物については、従来、未精製のまま使われてきた(例えば、非特許文献1参照)。また、ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンというホスホロアミダイト化合物も、上記一般的なシリカゲルを担体とするシリカゲルカラムを使用して長時間かけて精製すると、分解するとの報告がある(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、全てのホスホロアミダイト化合物が、上記シリカゲルを担体とするシリカゲルカラムを使用することにより容易に精製できるわけではない。例えば、(2−シアノエトキシ)−2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)エチルスルホニル)エトキシ−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンのように、リン原子上の2つの酸素原子がともに1級アルキルで置換されているホスホロアミダイト化合物は、上記一般的なシリカゲルを担体とするシリカゲルカラムを使用した場合、目的化合物を取得することが困難である。そのため、そのようなホスホロアミダイト化合物については、従来、未精製のまま使われてきた(例えば、非特許文献1参照)。また、ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンというホスホロアミダイト化合物も、上記一般的なシリカゲルを担体とするシリカゲルカラムを使用して長時間かけて精製すると、分解するとの報告がある(例えば、非特許文献2参照)。
シリカゲルカラムの担体として、シリカ表面のシラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)が知られている。当該シリカゲルは、シリカ表面のシラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルでマスクされているため、シリカ表面上の酸性度が高くなっている。そのため、当該シリカゲルは、塩基性物質が吸着し難いという特徴を有しており、塩基性化合物の分離に使われていた。
Tetrahedron Letters,第27巻,第39号,4705頁−4708頁、1986年
Journal of Lipid Research,第40巻,第1号,117頁−125頁,1999年
本発明の目的は、主として、ホスホロアミダイト化合物の新規な製造法を提供することにある。
本発明者らは、次の一般式(1)で表されるホスホロアミダイト化合物が高収率で得られる方法を見出し、本発明を完成した。
式中、R1,R2は、同一または異なって、アルキル、または三置換シリルを表す。R3,R4は、同一もしくは異なって、次の一般式(2)〜(7)で表される基を表すか、または、R3とR4とが一緒になって、次の一般式(8)で表される基を表す。
式中、nは、1〜5の整数を表す。
R5は、(i)ハロゲン、(ii)シアノ、(iii)ニトロ、(iv)トリチルオキシ、4−メトキシトリチルオキシ、4,4’−ジメトキシトリチルオキシもしくは4,4’ ,4’’−トリメトキシトリチルオキシで置換されていてもよいアルキルスルホニル、(v)ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいアリールスルホニル、(vi)ヒドロキシ、(vii)ヒドロキシカルボニル、(viii)アルコキシカルボニルまたは(ix)三置換シリルを表す。
R6,R7は、同一または異なって、アルキルを表す。
R8は、アルキルまたは次の一般式(9)で表される基を表す。
[式中、R22,R23,R24は、同一または異なって、水素またはアルコキシを表す。]
R9,R10は、同一または異なって、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲンまたはOR25を表す。R25は、アシル、三置換シリル、アルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキニル、アミノアルキル、または次の一般式(10)で表される基を表す。
[式中、R26,R27は、同一または異なって、H、アルキル、もしくは、アシルオキシエトキシを表すか、または、R26とR27とが隣接する炭素原子と一緒になって5員環もしくは6員環を表す。かかる5員環または6員環は、環構成原子として、酸素原子または窒素原子を有していてもよい。かかる窒素原子にはフェニルが置換しており、該フェニルはアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1個〜3個の基で置換されていてもよい。R28は、(i)アシル、(ii)アルキルチオ、(iii)アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロで置換されていてもよいベンジル、または、(iv)ハロゲン、シアノ、ニトロ、アシルオキシエチル、アルキルスルホニルもしくはアリールスルホニルで置換されているエチルを表す。Yは、OまたはSを表す。*は結合位置を表す。]
R11は、Hまたは保護されていてもよい核酸塩基を表す。
R12,R13,R14は、同一または異なって、Hまたはアルキルを表す。
R15,R16,R17は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
R18は、アルキルを表す。
R19,R20,R21は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
Xは、OまたはSを表す。
*は結合位置を表す。
R5は、(i)ハロゲン、(ii)シアノ、(iii)ニトロ、(iv)トリチルオキシ、4−メトキシトリチルオキシ、4,4’−ジメトキシトリチルオキシもしくは4,4’ ,4’’−トリメトキシトリチルオキシで置換されていてもよいアルキルスルホニル、(v)ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいアリールスルホニル、(vi)ヒドロキシ、(vii)ヒドロキシカルボニル、(viii)アルコキシカルボニルまたは(ix)三置換シリルを表す。
R6,R7は、同一または異なって、アルキルを表す。
R8は、アルキルまたは次の一般式(9)で表される基を表す。
R9,R10は、同一または異なって、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲンまたはOR25を表す。R25は、アシル、三置換シリル、アルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキニル、アミノアルキル、または次の一般式(10)で表される基を表す。
R11は、Hまたは保護されていてもよい核酸塩基を表す。
R12,R13,R14は、同一または異なって、Hまたはアルキルを表す。
R15,R16,R17は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
R18は、アルキルを表す。
R19,R20,R21は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
Xは、OまたはSを表す。
*は結合位置を表す。
本発明として、例えば、下記1〜3を挙げることができる。
1.シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用して、次の一般式(1)で表される化合物を精製する工程を含む、ホスホロアミダイト化合物(1)の製造法。
式中、R1,R2,R3,R4は、前記と同義である。
2.次の工程1および工程2を含む、ホスホロアミダイト化合物(1)の製造法。
工程1:次の一般式(11)で表される化合物と次の一般式(12a)または(12b)で表される化合物とを作用させホスホロアミダイト化合物(1)を製造する工程、
式中、R1,R2,R3,R4は、前記と同義である。Zは、ハロゲンを表す。
工程2:シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用して、上記工程1で製造されるホスホロアミダイト化合物(1)を精製する工程。
3.シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用することを特徴とする、ホスホロアミダイト化合物(1)の精製方法。
1.シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用して、次の一般式(1)で表される化合物を精製する工程を含む、ホスホロアミダイト化合物(1)の製造法。
2.次の工程1および工程2を含む、ホスホロアミダイト化合物(1)の製造法。
工程1:次の一般式(11)で表される化合物と次の一般式(12a)または(12b)で表される化合物とを作用させホスホロアミダイト化合物(1)を製造する工程、
工程2:シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用して、上記工程1で製造されるホスホロアミダイト化合物(1)を精製する工程。
3.シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用することを特徴とする、ホスホロアミダイト化合物(1)の精製方法。
本発明の実施の形態について説明する。
以下に示す製造方法において、原料が反応に影響を及ぼす置換基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ)を有する場合は、原料をあらかじめ公知の方法に従い、適当な保護基で保護した後に反応を行う。保護基は、最終的に、接触還元、アルカリ処理、酸処理などの公知の方法に従い脱離することができる。
ここで、本明細書で記載している用語について詳述する。
本明細書において、シリカ表面シラノールとは、シリカゲル表面に存在する、次の一般式で表されるようなケイ素原子に水酸基が結合した構造部位をいう。
「アルキル」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜5のアルキルを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルを挙げることができる。
「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」、「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノカルボニルアルキル」、「アルコキシアミノカルボニルアルキル」、「アミノアルキル」、「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記「アルキル」と同じものを挙げることができる。
「アルケニル」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜6のアルケニルを挙げることができる。具体的には、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルを挙げることができる。
「アルキニル」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜6のアルキニルを挙げることができる。具体的には、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ぺンチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−1−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−1−ブチニル、2−メチル−2−ブチニル、3−メチル−2−ブチニル、1,2−ジメチル−1−プロピニルを挙げることができる。
「アルコキシ」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜5のアルコキシを挙げることができる。具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、i−ペントキシ、neo−ペントキシ、tert−ペントキシを挙げることができる。
「アルコキシアルキル」、「アルコキシカルボニル」、「アルコキシアミノカルボニルアルキル」の「アルコキシ」部分としては、前記「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
「アリールスルホニル」の「アリール」部分としては、例えば、炭素数6〜12のアリールを挙げることができる。具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニルを挙げることができる。当該アリールは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。
「アリール」の置換基である「ハロゲン」、「アルキル」としては、前記「ハロゲン」、「アルキル」と同じものを挙げることができる。
「アリール」の置換基である「アルコキシ」としては、前記「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。なかでも炭素数1〜3の該アルコキシが好ましい。
「アルキルスルホニル」の「アルキル」部分としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜5のアルキルを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルを挙げることができる。当該アルキルは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、トリチルオキシ、4−メトキシトリチルオキシ、4,4’−ジメトキシトリチルオキシ、4,4’ ,4’’−トリメトキシトリチルオキシを挙げることができる。
「三置換シリル」としては、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリn−プロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリn−ブチルシリル、トリイソブチルシリル、トリt−ブチルシリル、トリフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリp−キシリルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジエチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルセキシルシリル、ジフェニルメチルシリルを挙げることができる。
R26とR27に係る「5員環または6員環」としては、例えば、環構成原子として、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を1個または2個有していてもよい、5または6員の飽和環を挙げることができ、具体的には、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ピロリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロピリミジン環、モルホリン環、チオモルホリン環を挙げることができる。
「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基またはそれらの修飾体を挙げることができる。
「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、該アミノ基が保護されているのが好ましい。かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。
「核酸塩基」の「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されているものであり、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されているものをいう。
核酸塩基の修飾体に係る「アルキル」としては、前記「アルキル」と同じものを挙げることができる。
核酸塩基の修飾体に係る「ハロゲン」としては、前記「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。
「アシル」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルカノイル、炭素数7〜13のアロイルを挙げることができる。具体的には、例えば、ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、tert−ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイル、レブリニルを挙げることができる。
「アシルオキシエチル」の「アシル」部分としては、前記「アシル」と同じものを挙げることができる。
以下に示す製造方法において、原料が反応に影響を及ぼす置換基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ)を有する場合は、原料をあらかじめ公知の方法に従い、適当な保護基で保護した後に反応を行う。保護基は、最終的に、接触還元、アルカリ処理、酸処理などの公知の方法に従い脱離することができる。
ここで、本明細書で記載している用語について詳述する。
本明細書において、シリカ表面シラノールとは、シリカゲル表面に存在する、次の一般式で表されるようなケイ素原子に水酸基が結合した構造部位をいう。
「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」、「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノカルボニルアルキル」、「アルコキシアミノカルボニルアルキル」、「アミノアルキル」、「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記「アルキル」と同じものを挙げることができる。
「アルケニル」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜6のアルケニルを挙げることができる。具体的には、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルを挙げることができる。
「アルキニル」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜6のアルキニルを挙げることができる。具体的には、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ぺンチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−1−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−1−ブチニル、2−メチル−2−ブチニル、3−メチル−2−ブチニル、1,2−ジメチル−1−プロピニルを挙げることができる。
「アルコキシ」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜5のアルコキシを挙げることができる。具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、i−ペントキシ、neo−ペントキシ、tert−ペントキシを挙げることができる。
「アルコキシアルキル」、「アルコキシカルボニル」、「アルコキシアミノカルボニルアルキル」の「アルコキシ」部分としては、前記「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
「アリールスルホニル」の「アリール」部分としては、例えば、炭素数6〜12のアリールを挙げることができる。具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニルを挙げることができる。当該アリールは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。
「アリール」の置換基である「ハロゲン」、「アルキル」としては、前記「ハロゲン」、「アルキル」と同じものを挙げることができる。
「アリール」の置換基である「アルコキシ」としては、前記「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。なかでも炭素数1〜3の該アルコキシが好ましい。
「アルキルスルホニル」の「アルキル」部分としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜5のアルキルを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルを挙げることができる。当該アルキルは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、トリチルオキシ、4−メトキシトリチルオキシ、4,4’−ジメトキシトリチルオキシ、4,4’ ,4’’−トリメトキシトリチルオキシを挙げることができる。
「三置換シリル」としては、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリn−プロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリn−ブチルシリル、トリイソブチルシリル、トリt−ブチルシリル、トリフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリp−キシリルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジエチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルセキシルシリル、ジフェニルメチルシリルを挙げることができる。
R26とR27に係る「5員環または6員環」としては、例えば、環構成原子として、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を1個または2個有していてもよい、5または6員の飽和環を挙げることができ、具体的には、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ピロリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロピリミジン環、モルホリン環、チオモルホリン環を挙げることができる。
「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基またはそれらの修飾体を挙げることができる。
「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、該アミノ基が保護されているのが好ましい。かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。
「核酸塩基」の「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されているものであり、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されているものをいう。
核酸塩基の修飾体に係る「アルキル」としては、前記「アルキル」と同じものを挙げることができる。
核酸塩基の修飾体に係る「ハロゲン」としては、前記「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。
「アシル」としては、例えば、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルカノイル、炭素数7〜13のアロイルを挙げることができる。具体的には、例えば、ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、tert−ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイル、レブリニルを挙げることができる。
「アシルオキシエチル」の「アシル」部分としては、前記「アシル」と同じものを挙げることができる。
ホスホロアミダイト化合物(1)は、次の工程1および工程2を経由することにより製造することができる。
式中、R1,R2,R3,R4は、前記と同義である。
工程1
次の一般式(11)で表される化合物と次の一般式(12a)または(12b)で表される化合物とを作用させ、ホスホロアミダイト化合物(1)を製造する工程。
式中、R1,R2,R3,R4,Zは、前記と同義である。
工程1
次の一般式(11)で表される化合物と次の一般式(12a)または(12b)で表される化合物とを作用させ、ホスホロアミダイト化合物(1)を製造する工程。
本工程は、アルコール誘導体(11)に化合物(12a)または化合物(12b)を作用させて、アルコール誘導体(11)の水酸基をホスホロアミダイト化する反応であり、公知の方法に従い実施することができる。必要に応じて、活性化剤を使用することもできる。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレンを挙げることができる。
化合物(12a)または化合物(12b)の使用量は、アルコール誘導体(11)のモル量に対して、0.8倍モル量〜20倍モル量の範囲内が適当であり、好ましくは1倍モル量〜10倍モル量の範囲内である。「活性化剤」としては、例えば、1H−テトラゾール、5−エチルチオテトラゾール、5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾール、4,5−ジクロロイミダゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、ベンゾトリアゾールトリフラート、イミダゾールトリフラート、ピリジニウムトリフラート、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、2,4,6−コリジン、N−メチルイミダゾールを挙げることができる。「活性化剤」の使用量は、アルコール誘導体(11)のモル量に対して、0.1倍モル量〜20倍モル量の範囲内が適当であり、好ましくは0.5倍モル量〜10倍モル量の範囲内である。反応温度は、0℃〜120℃の範囲内が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間の範囲内が適当である。
工程2
シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用して、上記工程1で製造されるホスホロアミダイト化合物(1)を精製する工程。
本工程は、シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムを使用して、上記工程1において製造されたホスホロアミダイト化合物(1)を精製する工程である。
当該工程に使用しうるシリカゲルとしては、シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を挙げることができ、例えば、アミノアルキルシリルが3−アミノプロピルシリルであるシリカゲルが好ましい。購入可能なものとしては、例えば、NH−DM1020(富士シリシア)を挙げることができる。
当該工程に使用しうるシリカゲルの量は、シリカゲルカラムで分離精製する混合物の総重量に対して40倍量〜50倍量の範囲内のシリカゲルを使用するのが適当である。
また、使用しうる溶媒としては、例えば、ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒が適当であり、適宜、トリエチルアミンを添加することができる。トリエチルアミンの添加量は、溶媒の容量に対して、0.05%〜5%の範囲内が適当である。
化合物(12a)または化合物(12b)の使用量は、アルコール誘導体(11)のモル量に対して、0.8倍モル量〜20倍モル量の範囲内が適当であり、好ましくは1倍モル量〜10倍モル量の範囲内である。「活性化剤」としては、例えば、1H−テトラゾール、5−エチルチオテトラゾール、5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾール、4,5−ジクロロイミダゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、ベンゾトリアゾールトリフラート、イミダゾールトリフラート、ピリジニウムトリフラート、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、2,4,6−コリジン、N−メチルイミダゾールを挙げることができる。「活性化剤」の使用量は、アルコール誘導体(11)のモル量に対して、0.1倍モル量〜20倍モル量の範囲内が適当であり、好ましくは0.5倍モル量〜10倍モル量の範囲内である。反応温度は、0℃〜120℃の範囲内が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間の範囲内が適当である。
工程2
シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を担体としたシリカゲルカラムを使用して、上記工程1で製造されるホスホロアミダイト化合物(1)を精製する工程。
本工程は、シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムを使用して、上記工程1において製造されたホスホロアミダイト化合物(1)を精製する工程である。
当該工程に使用しうるシリカゲルとしては、シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲル(NHシリカゲル)を挙げることができ、例えば、アミノアルキルシリルが3−アミノプロピルシリルであるシリカゲルが好ましい。購入可能なものとしては、例えば、NH−DM1020(富士シリシア)を挙げることができる。
当該工程に使用しうるシリカゲルの量は、シリカゲルカラムで分離精製する混合物の総重量に対して40倍量〜50倍量の範囲内のシリカゲルを使用するのが適当である。
また、使用しうる溶媒としては、例えば、ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒が適当であり、適宜、トリエチルアミンを添加することができる。トリエチルアミンの添加量は、溶媒の容量に対して、0.05%〜5%の範囲内が適当である。
本発明によれば、ホスホロアミダイト化合物(1)を高純度かつ高収率で製造することができる。また、本発明によれば、ホスホロアミダイト化合物(1)を高純度かつ高収率で精製することができる。
以下に参考例、実施例及び試験例を揚げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
参考例1
(2−シアノエトキシ)−2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エトキシ−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エタノール(1.05g、2.31mmol)を脱水アセトニトリルで2回共沸し真空ポンプで1時間乾燥した。アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル10mLに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(435mg、2.54mmol)、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(765mg、2.54mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液をろ過し、溶媒を留去した。残渣を一般的なシリカゲル(ワコーゲルC−200(和光純薬(株)製)(50g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製したが、標記化合物は全く得られなかった(収率0%)。
参考例2
ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
アルゴン雰囲気下、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(5.06g,16.8mmol)を脱水塩化メチレンに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(3.17g、18.5mmol)、3−ヒドロキシプロピオニトリル(1.31g、18.5mmol)を加え、室温で1時間45分撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え、塩化メチレンにて抽出操作を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒留去した。残渣を一般的なシリカゲル(ワコーゲルC−200(和光純薬(株)製)(200g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製し、標記化合物を得た(309mg,収率7%)。
実施例1
(2−シアノエトキシ)−2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エトキシ−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エタノール(2.04g、4.47mmol)を脱水アセトニトリルで2回共沸し真空ポンプで1時間乾燥した。アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル20mLに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(843mg、4.92mmol)、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.48g、4.92mmol)を加え、室温で2時間20分撹拌した。反応液をろ過し、溶媒を留去した。残渣をNHシリカゲル(NH−DM1020(富士シリシア))(100g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製し、標記化合物を得た(2.64g,収率90%)。
1H−NMR(CDCl3): 1.19(2d,12H,J=7.0Hz);2.56(t,2H,J=6.3Hz);3.20−3.53(m,4H);3.56−3.68(m,4H);3.72−3.90(m,2H);3.79(s,6H);4.00−4.17(m,2H);6.84(d,4H,J=8.9Hz);7.20−7.34(m,3H);7.31(d,4H,J=8.9Hz);7.41−7.43(m,2H)
31P−NMR(CDCl3): 151.1
HRMS(ESI+):計算値 679.25828 [M+H]+
実測値 679.25746 [M+H]+
実施例2
ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
アルゴン雰囲気下、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(5.07g、16.8mmol)を脱水塩化メチレンに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(3.17g、18.5mmol)、3−ヒドロキシプロピオニトリル(1.31g、18.5mmol)を加え、室温で1時間45分撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え、塩化メチレンにて抽出操作を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒留去した。残渣をNHシリカゲル(NH−DM1020(富士シリシア))(200g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製し、ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンを得た(4.18g,収率92%)。
1H−NMR(CDCl3): 1.18(d,12H,J=6.6Hz);2.66(t,2H,J=6.0Hz);3.54−3.71(m,4H);(3.77−3.96)
31P−NMR(CDCl3): 151.3
HRMS(ESI+):計算値 271.15279 [M+H]+
実測値 271.15201 [M+H]+
以上、シリカ表面がSi−OH(シラノール)である一般的なシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムでは、リン原子上の2つの酸素原子がともに1級アルキルで置換されているホスホロアミダイト化合物を精製することは困難であった。
一方、NHシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムでは、リン原子上の2つの酸素原子がともに1級アルキルで置換されているホスホロアミダイト化合物を効率よく精製することが可能であった。
(2−シアノエトキシ)−2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エトキシ−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エタノール(1.05g、2.31mmol)を脱水アセトニトリルで2回共沸し真空ポンプで1時間乾燥した。アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル10mLに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(435mg、2.54mmol)、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(765mg、2.54mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液をろ過し、溶媒を留去した。残渣を一般的なシリカゲル(ワコーゲルC−200(和光純薬(株)製)(50g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製したが、標記化合物は全く得られなかった(収率0%)。
参考例2
ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
アルゴン雰囲気下、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(5.06g,16.8mmol)を脱水塩化メチレンに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(3.17g、18.5mmol)、3−ヒドロキシプロピオニトリル(1.31g、18.5mmol)を加え、室温で1時間45分撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え、塩化メチレンにて抽出操作を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒留去した。残渣を一般的なシリカゲル(ワコーゲルC−200(和光純薬(株)製)(200g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製し、標記化合物を得た(309mg,収率7%)。
実施例1
(2−シアノエトキシ)−2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エトキシ−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
2−(2’−O−4,4’−ジメトキシトリチルオキシエチルスルホニル)エタノール(2.04g、4.47mmol)を脱水アセトニトリルで2回共沸し真空ポンプで1時間乾燥した。アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル20mLに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(843mg、4.92mmol)、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.48g、4.92mmol)を加え、室温で2時間20分撹拌した。反応液をろ過し、溶媒を留去した。残渣をNHシリカゲル(NH−DM1020(富士シリシア))(100g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製し、標記化合物を得た(2.64g,収率90%)。
1H−NMR(CDCl3): 1.19(2d,12H,J=7.0Hz);2.56(t,2H,J=6.3Hz);3.20−3.53(m,4H);3.56−3.68(m,4H);3.72−3.90(m,2H);3.79(s,6H);4.00−4.17(m,2H);6.84(d,4H,J=8.9Hz);7.20−7.34(m,3H);7.31(d,4H,J=8.9Hz);7.41−7.43(m,2H)
31P−NMR(CDCl3): 151.1
HRMS(ESI+):計算値 679.25828 [M+H]+
実測値 679.25746 [M+H]+
実施例2
ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンの製造
アルゴン雰囲気下、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(5.07g、16.8mmol)を脱水塩化メチレンに溶解し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(3.17g、18.5mmol)、3−ヒドロキシプロピオニトリル(1.31g、18.5mmol)を加え、室温で1時間45分撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え、塩化メチレンにて抽出操作を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒留去した。残渣をNHシリカゲル(NH−DM1020(富士シリシア))(200g)を用いたシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン、酢酸エチル、0.1%トリエチルアミン含有)で精製し、ビス(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンを得た(4.18g,収率92%)。
1H−NMR(CDCl3): 1.18(d,12H,J=6.6Hz);2.66(t,2H,J=6.0Hz);3.54−3.71(m,4H);(3.77−3.96)
31P−NMR(CDCl3): 151.3
HRMS(ESI+):計算値 271.15279 [M+H]+
実測値 271.15201 [M+H]+
以上、シリカ表面がSi−OH(シラノール)である一般的なシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムでは、リン原子上の2つの酸素原子がともに1級アルキルで置換されているホスホロアミダイト化合物を精製することは困難であった。
一方、NHシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムでは、リン原子上の2つの酸素原子がともに1級アルキルで置換されているホスホロアミダイト化合物を効率よく精製することが可能であった。
Claims (6)
- シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムを使用して、次の一般式(1)で表されるホスホロアミダイト化合物を精製する工程を含む、ホスホロアミダイト化合物(1)の製造法。
R5は、(i)ハロゲン、(ii)シアノ、(iii)ニトロ、(iv)トリチルオキシ、4−メトキシトリチルオキシ、4,4’−ジメトキシトリチルオキシもしくは4,4’ ,4’’−トリメトキシトリチルオキシで置換されていてもよいアルキルスルホニル、(v)ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいアリールスルホニル、(vi)ヒドロキシ、(vii)ヒドロキシカルボニル、(viii)アルコキシカルボニルまたは(ix)三置換シリルを表す。
R6,R7は、同一または異なって、アルキルを表す。
R8は、アルキルまたは次の一般式(9)で表される基を表す。
R9,R10は、同一または異なって、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲンまたはOR25を表す。R25は、アシル、三置換シリル、アルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキニル、アミノアルキルまたは次の一般式(10)で表される基を表す。
R11は、Hまたは保護されていてもよい核酸塩基を表す。
R12,R13,R14は、同一または異なって、Hまたはアルキルを表す。
R15,R16,R17は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
R18は、アルキルを表す。
R19,R20,R21は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
Xは、OまたはSを表す。
*は結合位置を表す。 - アミノアルキルシリルが3−アミノプロピルシリルである、請求項1記載のホスホロアミダイト化合物(1)の製造法。
- 次の工程1および工程2を含む、次の一般式(1)で表されるホスホロアミダイト化合物の製造法。
工程1:次の一般式(11)で表される化合物と次の一般式(12a)または(12b)で表される化合物とを作用させホスホロアミダイト化合物(1)を製造する工程、
R5は、(i)ハロゲン、(ii)シアノ、(iii)ニトロ、(iv)トリチルオキシ、4−メトキシトリチルオキシ、4,4’−ジメトキシトリチルオキシもしくは4,4’ ,4’’−トリメトキシトリチルオキシで置換されていてもよいアルキルスルホニル、(v)ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいアリールスルホニル、(vi)ヒドロキシ、(vii)ヒドロキシカルボニル、(viii)アルコキシカルボニルまたは(ix)三置換シリルを表す。
R6,R7は、同一または異なって、アルキルを表す。
R8は、アルキルまたは次の一般式(9)で表される基を表す。
R9,R10は、同一または異なって、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲンまたはOR25を表す。R25は、アシル、三置換シリル、アルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキニル、アミノアルキルまたは次の一般式(10)で表される基を表す。
R11は、Hまたは保護されていてもよい核酸塩基を表す。
R12,R13,R14は、同一または異なって、Hまたはアルキルを表す。
R15,R16,R17は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
R18は、アルキルを表す。
R19,R20,R21は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
Xは、OまたはSを表す。
*は結合位置を表す。
工程2:シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムを使用して、上記工程1で製造されるホスホロアミダイト化合物(1)を精製する工程。 - アミノアルキルシリルが3−アミノプロピルシリルである、請求項3記載のホスホロアミダイト化合物(1)の製造法。
- シリカ表面シラノールの全部または一部がアミノアルキルシリルで修飾されたシリカゲルを担体としたシリカゲルカラムを使用することを特徴とする、次の一般式(1)で表されるホスホロアミダイト化合物の精製方法。
R5は、(i)ハロゲン、(ii)シアノ、(iii)ニトロ、(iv)トリチルオキシ、4−メトキシトリチルオキシ、4,4’−ジメトキシトリチルオキシもしくは4,4’ ,4’’−トリメトキシトリチルオキシで置換されていてもよいアルキルスルホニル、(v)ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいアリールスルホニル、(vi)ヒドロキシ、(vii)ヒドロキシカルボニル、(viii)アルコキシカルボニルまたは(ix)三置換シリルを表す。
R6,R7は、同一または異なって、アルキルを表す。
R8は、アルキルまたは次の一般式(9)で表される基を表す。
R9,R10は、同一または異なって、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲンまたはOR25を表す。R25は、アシル、三置換シリル、アルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキニル、アミノアルキル、または次の一般式(10)で表される基を表す。
R11は、Hまたは保護されていてもよい核酸塩基を表す。
R12,R13,R14は、同一または異なって、Hまたはアルキルを表す。
R15,R16,R17は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
R18は、アルキルを表す。
R19,R20,R21は、同一または異なって、H、アルキル、ハロゲンを表す。
Xは、OまたはSを表す。
*は結合位置を表す。 - アミノアルキルシリルが3−アミノプロピルシリルである、請求項3記載のホスホロアミダイト化合物(1)の精製方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11407775B2 (en) | 2016-03-13 | 2022-08-09 | Wave Life Sciences Ltd. | Compositions and methods for phosphoramidite and oligonucleotide synthesis |
US11873316B2 (en) | 2016-11-23 | 2024-01-16 | Wave Life Sciences Ltd. | Compositions and methods for phosphoramidite and oligonucleotide synthesis |
-
2009
- 2009-12-09 JP JP2009279488A patent/JP2011121881A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11407775B2 (en) | 2016-03-13 | 2022-08-09 | Wave Life Sciences Ltd. | Compositions and methods for phosphoramidite and oligonucleotide synthesis |
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WO2019131719A1 (ja) | 2017-12-27 | 2019-07-04 | 神戸天然物化学株式会社 | 高脂溶性ホスホラミダイトの製造 |
US11891412B2 (en) | 2017-12-27 | 2024-02-06 | Knc Laboratories Co., Ltd. | Production of highly fat-soluble phosphoramidite |
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