JP2011121379A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変形を生じさせることなく確実にボール螺子ナットをモータ軸に固定して、高い信頼性及び静粛性と優れた操舵フィーリングとを実現するとともに、併せて製造時における作業性の向上を図ることのできる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ボール螺子ナット23の軸方向端部23aに設けられたフランジ部36には、複数の切欠き45が形成されるとともに、モータ軸6(の軸方向端部6a)には、ボール螺子ナット23の径方向外側に延びる薄板部44が形成される。ボール螺子ナット23は、その周方向に側壁を有する係合凹部としての各切欠き45内に、モータ軸6から延びる薄板部44をかしめることにより、モータ軸6に対する相対回転が規制され、フランジ部材33の軸方向端部34aに、フランジ部材33を軸方向に付勢する弾性部材33aを配置することで、フランジ部材33のモータ軸6に対する相対移動を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボール螺子装置を備えた電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、ラック軸が挿通された中空軸を備え、モータ駆動により回転する同中空軸の回転をボール螺子装置を用いてラック軸の軸方向移動に変換することにより、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置(EPS)がある。
通常、このようなEPSにおいて、ボール螺子装置は、中空軸に固定されたボール螺子ナットとラック軸に形成された螺子部との間に複数のボールを介在させることにより形成される。即ち、ボール螺子ナットの内周に形成された螺子部とラック軸の外周に形成された螺子部とが対向することにより、螺旋状の転動路が形成される。そして、同転動路内に配設された各ボールが、その負荷を受けつつ転動することにより、ボール螺子ナットの回転がラック軸の軸方向移動に変換されるようになっている。
さて、上記中空軸に対するボール螺子ナットの固定構造としては、例えば、特許文献1に示されるように、中空軸の内周に形成された収容凹部内に軸方向からボール螺子ナットを嵌挿し、ロックナットにより同ボール螺子ナットを軸方向に挟み込む構造がある。そして、このような構成を採用することにより、その軸方向長さの短縮化が可能という利点がある。
しかしながら、その反面として、径方向のサイズについては、ボール螺子ナットと中空軸とが重複する部分の大型化が避けられない。また、ロックナットによる締め付けによりボール螺子ナットが変形し、その転動路(を構成する螺子溝)に歪みが生ずる可能性がある。そして、これが転動路内における各ボールの円滑な転動を妨げることにより異音や振動が生じ、ひいては操舵フィーリングの悪化を招くおそれがある。
そこで、例えば、特許文献2に示されるように、ボール螺子ナット及び中空軸の軸方向端部に、それぞれ、径方向外側に拡開するフランジを形成し、これら両フランジを締結することにより両者を連結する構造が考えられる。そして、これにより、ボール螺子ナットを変形させることなく、同ボール螺子ナットと中空軸とを相対回転不能に固定することができる。
ところが、このフランジ間の締結による固定構造もまた、複数箇所のボルト締結が煩雑であるため、その生産性の向上が難しいという課題が残されている。このため、上記ロックナットを用いた挟圧による固定構造との比較において明らかな優位性があるとは言い切れないのが実情である。
また、特許文献3には、ボール螺子ナットの外周に螺子部を形成し、同ボール螺子ナットを中空軸の内周に螺着する構造が開示されており、このような構造を採用することで、ボール螺子ナットに作用する応力をその外周全体に分散させることができる。そして、これにより、同ボール螺子ナットの変形及びそれに伴う転動路の歪みを抑えることができるとともに、併せて、その作業性の向上を図ることができる。
特開2006−256414号公報 特開平6−255501号公報 特開2007−239782号公報
しかしながら、このように螺着によりボール螺子ナットを中空軸に固定する構造にも、課題は残されている。
即ち、高い強度と剛性を有するボール螺子ナットの外周全体に螺子部を形成することは極めて困難である。また、ボール螺子ナット自体を中空軸内に配置することで、当該部分の大径化は免れない。更に、EPSにおいては、そのモータ回転方向が頻繁に反転される。そのため、その繰り返し行なわれるモータの反転が、中空軸に螺着されたボール螺子ナットに螺子緩みを発生させる力として作用するという問題がある。しかしながら、上記特許文献3に記載があるような、回り止め手段としてロックナットを用いる、或いは中空軸及びボール螺子ナットを径方向に貫通する止め螺子等の対策では、ボール螺子ナットの転動路に歪みが生ずる可能性があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、変形を生じさせることなく確実にボール螺子ナットを中空軸に固定して、高い信頼性及び静粛性と優れた操舵フィーリングとを実現するとともに、併せて製造時における作業性の向上を図ることのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されたモータ軸と、内周に螺刻された螺子溝を前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝に対向させてなる螺旋状の転動路に複数のボールを配することによりボール螺子装置を形成するボール螺子ナットと、前記モータ軸にスプライン結合されることで前記モータ軸の径方向外側に配されるフランジ部材と、を備え、前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、前記モータ軸の軸方向端部に形成された螺子部と螺合する中空軸状の螺子軸が設けられ、前記ボール螺子ナット及び前記フランジ部材の少なくとも一方には、他方の外周に設けられた係合凹部の外側に配置される薄板部が設けられ、前記ボール螺子ナットは、前記薄板部が前記係合凹部にかしめられることによって前記モータ軸に対する相対回転を規制されること、を要旨とする。
上記構成によれば、ボール螺子ナットは、軸方向端部に設けた螺子部をモータ軸の軸方向端部に設けた螺子部に螺合させることで、モータ軸の軸方向端部に連結される。ここで、モータ軸の径方向外側に配置されるフランジ部材は、モータ軸にスプライン結合されるので、モータ軸に対する相対回転が規制される。また、フランジ部材は、薄板部をボール螺子ナットの係合凹部にかしめることで、ボール螺子ナットに対する相対回転も規制されている。したがって、請求項1の電動パワーステアリング装置は、フランジ部材を介して、ボール螺子ナットがモータ軸に対して相対回転するのを防止することができる。そのため、請求項1の電動パワーステアリング装置は、ボール螺子ナットの螺子緩みを抑えて高い信頼性を確保することができる。
ここで、ボール螺子ナットをモータ軸に対して高トルクで螺着する場合、フランジ部材の軸方向には、多少の遊びを設けることが望ましい。しかし、軸方向に遊びを設けた状態でフランジ部材をモータ軸にスプライン結合すると、フランジ部材が軸方向に相対移動してしまう可能性がある。このような場合、フランジ部材がモータ軸やボール螺子ナットに当接し、異音(ラトル音等)を発生することも考えられる。
上記問題点を解決するために提供される請求項2に記載の発明は、前記フランジ部材は、軸方向に遊びを設けた状態で前記モータ軸にスプライン結合され、前記フランジ部材の軸方向端部には、前記フランジ部材を軸方向に付勢する弾性部材が配置されること、を要旨とする。
上記構成によれば、フランジ部材の軸方向端部にフランジ部材を軸方向に付勢する弾性部材を配置することで、フランジ部材の軸方向に形成される遊びをなくし、フランジ部材のモータ軸に対する相対移動、及び異音の発生を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、前記モータ軸は、前記フランジ部材に圧入されること、を要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記モータ軸の外周面及び前記フランジ部材の内周面のいずれか一方に凸部が形成されるとともに、他方に凹部が形成され、前記フランジ部材が、前記モータ軸の所定位置に配置されると、前記凸部が前記凹部に嵌合すること、を要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記フランジ部材は、接着剤により前記モータ軸に固定されること、を要旨とする。
上記各構成を備えることで、請求項3〜5の電動パワーステアリング装置は、フランジ部材がモータ軸に対して相対移動するのをより一層効果的に防止することができる。
請求項6に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されたモータ軸と、内周に螺刻された螺子溝を前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝に対向させてなる螺旋状の転動路に複数のボールを配することによりボール螺子装置を形成するボール螺子ナットと、前記モータ軸が圧入されることで前記モータ軸の径方向外側に配されるフランジ部材と、を備え、前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、前記モータ軸の軸方向端部に形成された螺子部と螺合する中空軸状の螺子軸が設けられ、前記ボール螺子ナット及び前記フランジ部材の少なくとも一方には、他方の外周に設けられた係合凹部の外側に配置される薄板部が設けられ、前記ボール螺子ナットは、前記薄板部が前記係合凹部にかしめられることによって前記モータ軸に対する相対回転を規制されること、を要旨とする。
上記構成によれば、ボール螺子ナットは、軸方向端部に設けた螺子部をモータ軸の軸方向端部に設けた螺子部に螺合させることで、モータ軸の軸方向端部に連結される。ここで、モータ軸の径方向外側に配置されるフランジ部材は、モータ軸に圧入固定されるので、モータ軸に対する相対回転が規制される。また、フランジ部材は、薄板部をボール螺子ナットの係合凹部にかしめることで、ボール螺子ナットに対する相対回転も規制されている。したがって、請求項6の電動パワーステアリング装置は、フランジ部材を介して、ボール螺子ナットがモータ軸に対して相対回転するのを防止することができる。そのため、請求項6の電動パワーステアリング装置は、ボール螺子ナットの螺子緩みを抑えて高い信頼性を確保することができる。
本発明によれば、変形を生じさせることなく確実にボール螺子ナットを中空軸に固定して、高い信頼性及び静粛性と優れた操舵フィーリングとを実現するとともに、併せて製造時における作業性の向上を図ることが可能な電動パワーステアリング装置、及び電動パワーステアリング装置の製造方法を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成を示す断面図。 ボール螺子装置近傍の拡大断面図。 ボール螺子ナット、モータ軸及びフランジ部材の斜視図。 ボール螺子ナット、モータ軸及びフランジ部材の斜視図。 フランジ部材が取着(嵌合)されたモータ軸の断面図。 ボール螺子ナットのフランジ部に形成された切欠き内にフランジ部材の薄板部がかしめられた状態を示す正面図。 (a)フランジ部材が取着されたモータ軸の側面図、(b)A−A断面図。 別例のフランジ部材及びモータ軸の斜視図。 (a)別例のフランジ部材が取着されたモータ軸の側面図、(b)B−B断面図。 ボール螺子ナットを固定(螺着)する際の作業手順を示す説明図。 ボール螺子ナット近傍の拡大断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、略円筒状をなすハウジング2に挿通されたラック軸3は、ラックガイド及び滑り軸受(ともに図示略)に支承されることにより、その軸方向に沿って移動可能に収容支持されている。そして、同ラック軸3は、周知のラック&ピニオン機構を介してステアリングシャフトと連結されることにより、ステアリング操作に伴い軸方向に往復動するようになっている。
また、EPS1は、駆動源としてのモータ4と、同モータ4の回転をラック軸3の軸方向移動に変換するボール螺子装置5とを備えている。そして、本実施形態のEPS1は、これらラック軸3、モータ4及びボール螺子装置5が、ハウジング2内に一体に収容された所謂ラックアシスト型のEPSとして構成されている。
詳述すると、本実施形態のモータ4は、中空軸状に形成されたモータ軸6を有しており、同モータ軸6は、ハウジング2の内周に設けられた軸受7に支承されることにより、同ハウジング2の軸方向に沿って配置されている。また、本実施形態のモータ4では、このモータ軸6の周面にマグネット8を固着することによりモータロータ9が形成されている。そして、本実施形態のモータ4は、そのモータロータ9の径方向外側を包囲するモータステータ10がハウジング2の内周に固定されるとともに、そのモータ軸6内にラック軸3が挿通されることにより、ハウジング2内においてラック軸3と同軸に配置されている。
ここで、本実施形態では、ハウジング2は、軸方向両端に開口部11a,11bを有する円筒状のモータハウジング12と、同モータハウジング12の各軸方向端部12a,12bに取着されることにより、それぞれ、その開口部11a,11bを閉塞するサイドハウジング13,14とを組み付けてなる。
具体的には、本実施形態では、同図中、モータハウジング12の右側の軸方向端部12aに取着されるサイドハウジング13には、ラック軸3を支承するとともに同ラック軸3をピニオン軸(図示略)に押し付けることによりラック&ピニオン機構を構成する上記ラックガイドが形成される。また、本実施形態では、上記モータ軸6を支承する軸受7は、同サイドハウジング13に設けられており、モータ軸6は、このサイドハウジング13がモータハウジング12の軸方向端部12aに取着されることにより、同モータハウジング12の内周に形成されたモータステータ10の内側に配置される。そして、ラック軸3及びボール螺子装置5は、そのモータハウジング12の軸方向両端に形成された開口部11a,11bのうち、残る一方、即ち同図中、モータハウジング12の左側の軸方向端部12bに形成された開口部11bから組み付けられる構成となっている。
さらに詳述すると、本実施形態のラック軸3は、その外周に螺子溝21を螺刻することにより、螺子軸として構成されている。そして、本実施形態のボール螺子装置5は、このラック軸3に複数のボール22を介してボール螺子ナット23を螺着することにより形成されている。
具体的には、図2に示すように、略円筒状に形成されたボール螺子ナット23の内周には、上記ラック軸3側の螺子溝21に対応する螺子溝24が形成されており、ボール螺子ナット23は、その螺子溝24がラック軸3側の螺子溝21と対向するように同ラック軸3に外嵌されている。そして、各ボール22は、これら二つの螺子溝21,24が対向することにより形成される螺旋状の転動路L1内に配設されている。
また、ボール螺子ナット23には、螺子溝24内の二箇所(接続点P1,P2)に開口する還流路L2が形成されている。尚、本実施形態では、この還流路L2は、ボール螺子ナット23に対して、上記転動路L1から各ボール22を掬い上げる機能及び同転動路L1への再排出機能を備えた循環部材25を装着することにより形成される。そして、上記転動路L1は、この還流路L2により、その開口位置に対応する二つの接続点P1,P2間が短絡されている。
即ち、ラック軸3とボール螺子ナット23との間の転動路L1内に介在された各ボール22は、ラック軸3に対するボール螺子ナット23の相対回転により、その負荷を受けつつ転動路L1内を転動する。また、転動路L1内を転動した各ボール22は、更に、ボール螺子ナット23に形成された上記還流路L2を通過することにより、その転動路L1に設定された二つの接続点P1,P2間を下流側から上流側へと移動する。そして、ボール螺子装置5は、その転動路L1を転動する各ボール22が還流路L2を介して無限循環することにより、ボール螺子ナット23の回転をラック軸3の軸方向移動に変換することが可能となっている。
本実施形態では、ボール螺子ナット23は、モータ軸6の軸方向端部6aに連結されており、駆動源であるモータ4の回転は、このボール螺子ナット23がモータ軸6とともに一体回転することによりボール螺子装置5へと入力される。尚、図1に示すように、本実施形態では、ボール螺子ナット23と同ボール螺子ナット23を収容するハウジング2(モータハウジング12)との間には、転がり軸受としてのボール軸受27が介在されている。そして、本実施形態のEPS1は、そのモータトルクに基づき軸方向移動するラック軸3の押圧力を、ステアリング操作を補助するためのアシスト力として、操舵系に付与する構成となっている。
(ボール螺子ナットの固定構造)
次に、本実施形態のEPSにおけるボール螺子ナットの固定構造について説明する。
図2〜図4に示すように、本実施形態では、ボール螺子ナット23の軸方向端部23a(図2中、右側の端部)には、その軸方向に向って延びる中空軸状の螺子軸30が形成されている。また、モータ軸6の内周には、この螺子軸30の外周に形成された螺子部31に対応する螺子部32が形成されている。そして、本実施形態のボール螺子ナット23は、その軸方向端部23aに設けられた螺子軸30(の螺子部31)がモータ軸6の内周に形成された螺子部32に螺合されることにより、同モータ軸6の軸方向端部6aに固定されるようになっている。
また、本実施形態では、モータ軸6の外周、詳しくは、その軸方向端部6aの外周には、ボール螺子ナット23よりも大径となるように形成されたフランジ部材33が取着される。そして、このフランジ部材33は、その回転が規制されることにより、上記ボール螺子ナット23の螺着時における当該ボール螺子ナット23とモータ軸6との同方向回転を規制することが可能となっている。
即ち、回転自在に支承されたモータ軸6の軸方向端部6aに対して、軸方向からボール螺子ナット23を螺着する場合、その螺着時におけるモータ軸6とボール螺子ナット23との間の同方向回転を規制して、所謂「連れ周り」を抑える必要がある。この点を踏まえ、本実施形態では、上記モータ軸6に取着されたフランジ部材33をモータハウジング12内の所定位置で保持することにより、モータ軸6の連れ回りを抑えることが可能となっている。そして、これにより、ボール螺子ナット23の容易且つ確実な螺着を担保する構成となっている。
詳述すると、本実施形態のフランジ部材33は、円筒状に形成された基部34と、同基部34の外周から径方向外側に拡開する鍔部(フランジ部)35とを備えてなる。尚、本実施形態では、ボール螺子ナット23の軸方向端部23aにも、径方向外側に拡開するフランジ部36が形成されている。そして、本実施形態のフランジ部材33は、その鍔部35の外径R1を、ボール螺子ナット23側のフランジ部36の外径R2よりも大径とすることにより(図2参照、R1>R2)、同鍔部35の外周縁が、ボール螺子ナット23側のフランジ部36の外周縁よりも更に径方向に突出するように構成されている。
また、本実施形態では、上記フランジ部材33を構成する基部34の内周、及びモータ軸6における軸方向端部6aの外周には、それぞれスプライン嵌合部(若しくはセレーション嵌合部)37,38が形成されている。そして、これらを嵌合させることにより、モータ軸6とフランジ部材33との相対回転を規制する構成となっている。
つまり、ボール螺子ナット23の螺着時、モータ軸6は、当該ボール螺子ナット23と同方向に回転しようとするが、フランジ部材33の回転を治具等で規制することにより、フランジ部材33との嵌合により、ボール螺子ナット23の螺着に伴うモータ軸6の連れ周りを抑えることができる。そして、本実施形態では、ボール螺子ナット23を螺着する際には、そのボール螺子ナット23の外周縁よりも更に径方向外側に突出するフランジ部材33の鍔部35を保持することにより、上記モータ軸6の連れ周りを抑えることが可能となっている。
さらに詳述すると、図3及び図4に示すように、ボール螺子ナット23よりも大径となるように形成されたフランジ部材33の鍔部35には、治具との係合により同フランジ部材33の回転を規制可能な被係合部39が設けられている。
具体的には、本実施形態では、被係合部39は、鍔部35において、ボール螺子ナット23が螺着される側の面(図5中、左側に位置する螺着側面35a)の周縁部に複数(本実施形態では6つ)の凹部40を凹設することにより形成されている。尚、本実施形態では、同被係合部39は、その螺着側面35aの周縁部に対し、周方向に均等間隔で各凹部40を形成することにより、軸方向から多角筒状の治具(例えば、六角筒状の治具)を係合(嵌合)させることが可能な形状となっている。そして、ボール螺子ナット23の螺着時には、この被係合部39に対して軸方向から治具を係合させることにより、モータ軸6の連れ周りを抑えつつ、その治具の内側からボール螺子ナット23を挿入することで、容易且つ確実に、当該ボール螺子ナット23をモータ軸6の軸方向端部6aに螺着することが可能となっている。
また、本実施形態では、上記フランジ部材33は、モータ軸6と当該モータ軸6の軸方向端部6aに螺着されたボール螺子ナット23との相対回転を規制する規制手段としての機能を有している。
詳述すると、図2〜図5に示すように、モータ軸6の軸方向端部6aに取着されたフランジ部材33には、ボール螺子ナット23の径方向外側に配置される薄板部44が形成されている。本実施形態の薄板部44は、フランジ部材33の鍔部35(の螺着側面35a)から軸方向、ボール螺子ナット23の螺着側(図2及び図5中、左側)に向って延設されることにより、同ボール螺子ナット23の径方向外側、詳しくはその軸方向端部に設けられたフランジ部36を包囲するように、円環状に形成されている。また、ボール螺子ナット23側のフランジ部36には、複数(本実施形態では4つ)の切欠き45が形成されている。尚、本実施形態では、これらの各切欠き45は、周方向に均等間隔で形成されている。そして、本実施形態では、上記フランジ部材33側に形成された薄板部44を径方向外側から押圧し、これら各切欠き45内にかしめることにより、ボール螺子ナット23とフランジ部材33、即ちボール螺子ナット23とモータ軸6との相対回転を規制する構成となっている。
具体的には、本実施形態では、上記の「かしめ」により各切欠き45内に薄板部44を折り込む際、図6に示すように、各切欠き45の側面45aに沿って、薄板部44を破断させる。そして、その薄板部44の破断により形成された各係合片46と各切欠き45とを係合させることにより、その「かしめ」をより強固なものとして、より確実にボール螺子ナット23とモータ軸6との相対回転を規制することが可能となっている。
このように、ボール螺子ナット23とモータ軸6とは、フランジ部材33を介してモータ軸6に対する相対回転が規制された状態で連結されることが可能となっている。
ここで、軸方向に遊びを設けた状態でフランジ部材33をモータ軸6に対してスプライン結合すると、フランジ部材33がモータ軸6の軸方向を相対移動し、異音を生じるおそれがある。そこで、フランジ部材33の軸方向端部34aに、フランジ部材33を軸方向に付勢する弾性部材33a(本実施形態では、ウェーブワッシャー)を配置することで、フランジ部材33のモータ軸6に対する相対移動を抑制し、異音の発生を防止することができる。
次に、上記のように構成された本実施形態のEPSにおいて、そのボール螺子ナットを固定する際の作業手順について説明する。
上述のように、本実施形態では、モータ軸6は、モータハウジング12の軸方向両端に形成された開口部11a,11bのうち、一方の開口部11aを閉塞するサイドハウジング13に設けられた軸受7に支承されることにより、回転自在に同モータハウジング12内に配置される(図1参照)。このため、ボール螺子ナット23は、モータハウジング12の残る一方の開口部11bから、ラック軸3とともに挿入され、螺着によりモータ軸6の軸方向端部6aに固定されることになる。
詳述すると、本実施形態では、ボール螺子ナット23の螺着に先立ち、先ず、モータ軸6の外周に上記フランジ部材33を嵌合する工程が行なわれる。具体的には、フランジ部材33の軸方向端部34aに弾性部材33aを配置し、嵌合させる。このとき、フランジ部材33には、その鍔部35に形成された被係合部39に対して多角筒状の(本実施形態では、六角筒状)の治具51が係合される。
そして、図10に示すように、同モータ軸6内にラック軸3が挿通された後、その軸方向端部6aにボール螺子ナット23を螺着する工程が行なわれる。
本実施形態では、このとき、上記治具51内に治具53を挿入し、同治具53によりボール螺子ナット23の軸方向端部23b(同図中、左側、開口部11bに臨む側の端部)を把持することにより、同ボール螺子ナット23を回転させることが可能となっている。そして、ボール螺子ナット23の螺着は、上記フランジ部材33側の被係合部39に係合させた治具51により同フランジ部材33の回転を規制し、そのモータ軸6の連れ周りを抑えつつ、ボール螺子ナット23(の軸方向端部23b)を把持した治具53を回転させることにより行なわれる。
上記ボール螺子ナット23を螺着する工程が終了すると、次に、フランジ部材33に設けられた上記薄板部44をかしめる工程が行なわれる。具体的には、モータハウジング12の開口部11bから上記ボール螺子ナット23を螺着する工程に用いた各治具51,53を抜脱し、その開口部11bから工具を挿入することにより行なわれる。そして、その薄板部44の「かしめ」により、ボール螺子ナット23は、モータ軸6に対して相対回転不能に固定される。
ここで、図1に示すように、本実施形態のモータハウジング12には、モータ4に駆動電力を供給する給電コネクタ55を取着するための取着孔56が形成されており、モータハウジング12の内部は、この取着孔56から視認することが可能となっている。そして、本実施形態では、上記フランジ部材33は、モータ軸6の軸方向端部6aに取着されることにより、この取着孔56に臨む位置に配置されるようになっている。
即ち、本実施形態では、ボール螺子ナット23をモータ軸6に固定する上記の各工程においては、上記取着孔56を介して、そのフランジ部材33の被係合部39に対する治具52の係合状態を目視により確認することが可能となっている。同様に、フランジ部材33に設けられた薄板部44の「かしめ」状態を目視により確認することも可能である。そして、本実施形態では、これにより、より容易且つ確実にボール螺子ナット23を固定することが可能となっている。
また、このようにしてモータハウジング12内に収容されたボール螺子ナット23と同モータハウジング12との間には、上記のようにボール軸受27が介在される(図1参照)。本実施形態では、同ボール軸受27は、そのボール螺子ナット23をモータ軸6の軸方向端部6aに固定する工程が完了した後、同ボール螺子ナット23と同様、開口部11bからモータハウジング12内に嵌挿される。そして、これら各工程において用いられたモータハウジング12の開口部11bは、その第1ハウジングとしてのモータハウジング12の軸方向端部12bに第2ハウジングとしてのサイドハウジング14が取着されることにより閉塞されるようになっている。
ここで、図11に示すように、本実施形態では、サイドハウジング14の固定端14aには、そのモータハウジング12への取着により同モータハウジング12内に配置される挿入部47が形成されている。尚、本実施形態では、この挿入部47は、その外径がモータハウジング12の内径と略等しい略円筒状に形成されている。そして、上記ボール軸受27の各軸方向端面には、それぞれ、このサイドハウジング14に形成された挿入部47及びボール螺子ナット23に形成された上記フランジ部36が当接されている。
具体的には、サイドハウジング14の挿入部47は、ボール軸受27の外輪27a、詳しくは、その開口部11b側(同図中、左側)の軸方向端面に当接され、ボール螺子ナット23のフランジ部36は、ボール軸受27の内輪27b、詳しくは、そのモータ軸6側(同図中、右側)の軸方向端面に当接されている。そして、本実施形態では、これより、ボール螺子ナット23の上記開口部11b側への軸方向移動、即ち、モータ軸6から離間する方向の相対移動を規制して、そのモータ軸6からの脱離を防止する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)ボール螺子ナット23は、その軸方向端部23aに設けられた中空軸状の螺子軸30(の螺子部31)とモータ軸6の内周に形成された螺子部32との螺合により、同モータ軸6の軸方向端部6aに螺着される。また、ボール螺子ナット23の軸方向端部23aに設けられたフランジ部36には、複数の切欠き45が形成されるとともに、モータ軸6(の軸方向端部6a)には、フランジ部材33によってボール螺子ナット23の径方向外側に配置される薄板部44が形成される。そして、ボール螺子ナット23は、その周方向に側壁を有する係合凹部としての各切欠き45内に、モータ軸6から延びる薄板部44をかしめることにより、同モータ軸6に対する相対回転が規制される。
上記構成によれば、簡素な構成にて、容易且つ確実に、モータ軸6とボール螺子ナット23との間の相対回転を規制して、そのボール螺子ナット23の螺子緩みを抑えることができる。
(2)薄板部44は、軸方向に延設されることにより、ボール螺子ナット23(のフランジ部36)の径方向外側を包囲する円環状に形成される。
上記構成によれば、モータ軸6に螺着されたボール螺子ナット23において、そのフランジ部36に形成された上記各切欠き45がどのような周方向位置に配置されようとも、容易に、同切欠き45内に薄板部44をかしめることができ、これにより、その製造時における作業性を更に向上させることができる。
(3)「かしめ」により各切欠き45内に薄板部44を折り込む際には、各切欠き45の側壁としての側面45aに沿って、薄板部44を破断させる。そして、その薄板部44の破断により形成された各係合片46と各切欠き45とを係合させる。
上記構成によれば、各係合片46が、その対応する各切欠き45から脱離し難くなる。その結果、単に薄板部44の一部を各切欠き45内に突出するように弾性変形させた場合との比較において、その「かしめ」をより強固なものとすることができる。また、その破断面が各切欠き45の側面45aに係合することで、各係合片46は、その幅方向(薄板部44の周方向)において、ボール螺子ナット23とモータ軸6との相対回転により生ずる負荷を受けることになる。従って、より効果的に、ボール螺子ナット23とモータ軸6との相対回転を規制することができ、その結果、より確実にボール螺子ナット23の螺子緩みを抑えることができるようになる。
(4)薄板部44は、モータ軸6の軸方向端部6a(の外周)に取着されるフランジ部材33に形成される。そして、フランジ部材33の基部34の内周とモータ軸6の軸方向端部6aに形成されたスプライン嵌合部(若しくはセレーション嵌合部)を嵌合させることにより、モータ軸6とフランジ部材33との相対回転が規制できる。
即ち、比較的容易に弾性変形することが求められる薄板部44と、高い強度が要求されるモータ軸6とを一体に形成することは難しい。この点、フランジ部材33には、モータ軸6ほど高い強度は要求されない。従って、上記構成のように、その薄板部44をフランジ部材33に形成する構成とすることで、同薄板部44の形成が容易になる。また、ボール螺子ナット23とモータ軸6とは、フランジ部材33を介してモータ軸6に対する相対回転が規制された状態で連結されるため、同フランジ部材33と一体に形成された薄板部44は、ボール螺子ナット23の螺子緩み方向には回転できない。従って、上記構成によれば、ボール螺子ナット23の螺子緩みを抑えつつ、その製造時における作業性の更なる向上を図ることができるようになる。
(5)ここで、ボール螺子ナット23をモータ軸6に対して高トルクで螺着する場合、フランジ部材33の軸方向には、多少の遊びを設けることが望ましい。しかし、軸方向に遊びを設けた状態でフランジ部材33をモータ軸6にスプライン結合すると、フランジ部材33が軸方向に相対移動してしまう可能性がある。このような場合、フランジ部材33がモータ軸6やボール螺子ナット23に当接し、異音を発生することも考えられる。そこで、上記実施形態のEPS1は、フランジ部材33の軸方向端部34aに、フランジ部材33を軸方向に付勢する弾性部材33a(例えばウェーブワッシャー)を配置することで、フランジ部材33のモータ軸6に対する相対移動を抑制し、異音の発生を防止する。従って、上記構成によれば、確実にボール螺子ナットをモータ軸に固定して、高い信頼性及び静粛性と優れた操舵フィーリングとを実現するとともに、併せて製造時における作業性の向上を図ることができるようになる。
(6)ボール螺子ナット23と同ボール螺子ナット23を収容するモータハウジング12との間には、ボール軸受27が介在される。モータハウジング12の開口部11bは、その軸方向端部12bにサイドハウジング14が取着されることにより閉塞されるとともに、当該サイドハウジング14の固定端14aには、その取着により同モータハウジング12内に配置される挿入部47が形成される。そして、上記ボール軸受27の各軸方向端面には、それぞれ、このサイドハウジング14に形成された挿入部47及びボール螺子ナット23に形成された上記フランジ部36が当接される。
このような構成とすることで、ボール螺子ナット23とモータ軸6との軸方向における離間方向の相対移動を規制することができる。その結果、ボール螺子ナット23の脱離を防止して、より高い信頼性を確保することができる。
(7)モータハウジング12には、モータ4に駆動電力を供給する給電コネクタ55を取着するための取着孔56が形成される。そして、フランジ部材33は、モータ軸6に取着されることにより、この取着孔56に臨む位置に配置される。
上記構成によれば、その取着孔56を介してフランジ部材33を視認することができる。これにより、当該フランジ部材33に設けられることにより規制手段を形成する上記薄板部44のかしめ状態を、目視により確認することが可能になる。その結果、より容易且つ確実に、ボール螺子ナットの螺子緩みを抑えることができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
上記実施形態では、弾性部材33aとしてウェーブワッシャーが用いられたが、本発明はこのような構成に限定されるわけではない。弾性部材33aは、フランジ部材33を一方向に付勢し、モータ軸6に対するフランジ部材33の相対移動を抑制できればよく、例えば、皿ばね、樹脂シート、Oリング等を用いてもよい。また、弾性部材33aの配置についても、フランジ部材33がボール螺子ナット23と当接される軸方向端部34aだけでなく、フランジ部材33がモータ軸6と当接される軸方向端部34bであってもよい。
上記の実施形態では、フランジ部材33をモータ軸6に対してスプライン結合するとともに、フランジ部材33の軸方向端部に弾性部材33aを配置することにより、フランジ部材33のモータ軸6に対する相対移動を抑制している。しかし、モータ軸6に対するフランジ部材33の相対移動を規制する構成は、上記図3、4に示された一例に限るものではない。例えば、図8に示すように、フランジ部材87を構成する基部88の内周面91にモータ軸90の軸方向端部92を圧入させることにより、モータ軸90とフランジ部材87との相対回転及び軸方向の相対移動を規制する構成であってもよい。
また、フランジ部材33を構成する基部34の内周面、及びモータ軸90における軸方向端部の外周面のいずれか一方に凸部が形成されるとともに、他方に凹部が形成され、凸部が凹部に嵌合させることにより、モータ軸90とフランジ部材87との相対回転及び相対移動を規制する構成であってもよい。
更に、フランジ部材33を構成する基部34の内周面、及びモータ軸90における軸方向端部の外周面に接着剤を塗布し、接着させることにより、モータ軸90とフランジ部材87との相対回転及び相対移動を規制する構成であってもよい。
また、上記した、スプライン結合、圧入、凹凸嵌合、接着剤のいずれか複数組み合わせることで、フランジ部材33をモータ軸6に取り付けてもよい。これによりモータ軸6に対するフランジ部材33の相対移動を防止し、異音の発生を確実に防止することができる。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ハウジング、3…ラック軸、4…モータ、5…ボール螺子装置、6,70,89,90,98…モータ軸、6a,70a,89a,90a,98a…軸方向端部、7…軸受、11a,11b…開口部、12…モータハウジング、12a,12b…軸方向端部、13,14…サイドハウジング、21…螺子溝、22…ボール、23…ボール螺子ナット、23a,23b…軸方向端部、24…螺子溝、25…循環部材、27…ボール軸受、27a…外輪、27b…内輪、30…螺子軸、31,32…螺子部、33,60,81,87…フランジ部材、33a…弾性部材、34,86,88…基部、34a、34b…軸方向端部、35…鍔部、36,63,73,95…フランジ部、37,38…スプライン嵌合部、44…薄板部、45…切欠き、45a…側面、46…係合片、47…挿入部、55…給電コネクタ、56…取着孔、91,92…接合部。

Claims (6)

  1. 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、
    前記ラック軸が挿通されたモータ軸と、
    内周に螺刻された螺子溝を前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝に対向させてなる螺旋状の転動路に複数のボールを配することによりボール螺子装置を形成するボール螺子ナットと、
    前記モータ軸にスプライン結合されることで前記モータ軸の径方向外側に配されるフランジ部材と、を備え、
    前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、前記モータ軸の軸方向端部に形成された螺子部と螺合する中空軸状の螺子軸が設けられ、
    前記ボール螺子ナット及び前記フランジ部材の少なくとも一方には、他方の外周に設けられた係合凹部の外側に配置される薄板部が設けられ、
    前記ボール螺子ナットは、前記薄板部が前記係合凹部にかしめられることによって前記モータ軸に対する相対回転を規制されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記フランジ部材は、軸方向に遊びを設けた状態で前記モータ軸にスプライン結合され、
    前記フランジ部材の軸方向端部には、前記フランジ部材を軸方向に付勢する弾性部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記モータ軸は、前記フランジ部材に圧入されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記モータ軸の外周面及び前記フランジ部材の内周面のいずれか一方に凸部が形成されるとともに、他方に凹部が形成され、
    前記フランジ部材が、前記モータ軸の所定位置に配置されると、前記凸部が前記凹部に嵌合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記フランジ部材は、接着剤により前記モータ軸に固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、
    前記ラック軸が挿通されたモータ軸と、
    内周に螺刻された螺子溝を前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝に対向させてなる螺旋状の転動路に複数のボールを配することによりボール螺子装置を形成するボール螺子ナットと、
    前記モータ軸が圧入されることで前記モータ軸の径方向外側に配されるフランジ部材と、を備え、
    前記ボール螺子ナットの軸方向端部には、前記モータ軸の軸方向端部に形成された螺子部と螺合する中空軸状の螺子軸が設けられ、
    前記ボール螺子ナット及び前記フランジ部材の少なくとも一方には、他方の外周に設けられた係合凹部の外側に配置される薄板部が設けられ、
    前記ボール螺子ナットは、前記薄板部が前記係合凹部にかしめられることによって前記モータ軸に対する相対回転を規制されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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