JP2011119096A - 正極活物質、正極および非水電解質電池、並びに正極活物質の製造方法、正極の製造方法および非水電解質電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池内部でのガス発生を抑制できる正極活物質、正極および非水電解質電池、並びに正極活物質の製造方法、正極の製造方法および非水電解質電池の製造方法を提供する。
【解決手段】正極活物質層21Bは、正極活物質と、炭素材料などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンまたはポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を含む。この正極活物質では、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの価数が2価となっており、この表面層より内側の領域に存在するニッケルの価数が3価となっている。
【選択図】図2

Description

この発明は、正極活物質、正極および非水電解質電池、並びに正極活物質の製造方法、正極の製造方法および非水電解質電池の製造方法に関する。
近年、ビデオカメラやノ−ト型パソコン等のポ−タブル機器の普及に伴い、小型高容量の二次電池に対する需要が高まっている。二次電池のほとんどはアルカリ電解液を用いたニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池であるが、電池電圧が約1.2Vと低く、エネルギ−密度の向上は困難である。
そのため、比重が0.534と固体の単体中最も軽いうえ、電位が極めて卑であり、単位重量当たりの電流容量も金属負極材料中最大であるリチウム金属を使用するリチウム二次電池が検討された。
しかし、リチウム金属を負極に使用する二次電池では、充電時に負極の表面に樹枝状のリチウム(デンドライト)が析出し、充放電サイクルによってこれが成長する。このデンドライトの成長は、二次電池のサイクル特性を劣化させるばかりではなく、最悪の場合には正極と負極が接触しないように配置された隔膜(セパレータ)を突き破って、正極と電気的に短絡、熱暴走して電池を破壊してしまう。
そこで、例えば、特許文献1に示されているように、コ−クス等の炭素質材料を負極とし、アルカリ金属イオンをド−ピング、脱ド−ピングすることにより充放電を繰り返す二次電池が提案された。これによって、上述したような充放電の繰り返しにおける負極の劣化問題を回避できることが分かった。
一方、正極活物質としては高電位を示す活物質の探索、開発によって、電池電圧が4V前後を示すものが現れ、注目を浴びている。それらの活物質としては、アルカリ金属を含む遷移金属酸化物や遷移金属カルコゲンなどの無機化合物が知られている。中でも、LiXCoO2(0<x≦1.0)、LiXNiO2(0<x≦1.0)などが、高電位、安定性、長寿命という点から最も有望である。
特に、LiXNiO2(0<x≦1.0)などのニッケル系リチウム複合酸化物は、比較的に高い電位を示す正極活物質であり、放電電流容量が高く、エネルギー密度を高めることが期待されている。一方、ニッケル系リチウム複合酸化物を正極活物質として用いた二次電池では、電池内部でのガス発生に伴う内圧上昇が生じ、特に、ラミネートフィルム型の電池では、電池内部のガス発生による膨れが発生しやすい課題がある。この課題に対応するため、例えば、特許文献2や特許文献3では、正極活物質を水洗いすることによって、正極活物質に含有する不純物を取り除くことが提案されている。
特開昭62−90863号公報 特開平6−111820号公報 特開平6−215800号公報
しかしながら、活物質であるニッケル系リチウム複合酸化物では、水洗浄により、活物質のリチウムイオンと水中の水素イオンとが容易に置換するため、容量が低下してしまう。また、水洗後に再焼成を行っても、活物質中のリチウムイオンが減少しているため容量が低下する根本的な解決とならない。
また、水洗後、300℃以下の比較的低温で乾燥した場合には、活物質中に水素イオンが残り、電池内でこれを放出することでガス発生量は非常に多くなってしまう。さらに、容量の減少を補正するために水洗後にリチウム塩を添加して乾燥焼成した場合、リチウムイオンは、正極活物質中に十分に拡散されず、表面近傍に留まる。また、十分に反応しきれないリチウム塩は、空気中の炭酸ガスを吸収して炭酸リチウムとなり、電池内で分解することでガス発生してしまう。
したがって、この発明の目的は、電池内部でのガス発生を抑制できる正極活物質、正極および非水電解質電池、並びに正極活物質の製造方法、正極の製造方法および非水電解質電池の製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であって、リチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価にされた正極活物質である。
第2の発明は、正極活物質を含有する正極であって、正極活物質は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であって、リチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価にされたものである正極である。
第3の発明は、正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と有し、正極活物質は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であって、リチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価にされたものである非水電解質電池である。
第4の発明は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を、350℃以下の雰囲気温度で不活性雰囲気または還元雰囲気に晒す表面処理工程を有する正極活物質の製造方法である。
第5の発明は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物と結着剤とを少なくとも含む正極合剤スラリー調製工程と、正極合剤スラリーを正極集電体に塗布し乾燥して、正極集電体に正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、正極活物質層を形成した正極集電体を中性液または酸性液に浸す工程とを有する正極の製造方法である。
第6の発明は、正極活物質を有する正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質電池の製造方法であって、正極活物質の製造工程は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を350℃以下の雰囲気温度で不活性雰囲気または還元雰囲気に晒す表面処理工程を有する非水電解質電池の製造方法である。
第7の発明は、正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質電池の製造方法であって、正極の製造工程は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物と結着剤とを少なくとも含む正極合剤スラリー調製工程と、正極合剤スラリーを正極集電体に塗布し乾燥して、正極集電体に正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、正極活物質層が形成された正極集電体を中性液または酸性液に浸す工程とを有する非水電解質電池の製造方法である。
第1〜第7の発明では、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの価数を3価から2価にすることで、リチウム複合酸化物の表面が安定になり、電解液との反応性を小さくできる。これにより、電池内部でのガス発生を抑制することができる。
この発明によれば、電池内部でのガス発生を抑制できるという効果を有する。
この発明の第1の実施の形態による非水電解質電池の構成を示す分解斜視図である。 図1の線II−II線に沿った断面構成を示す断面図である。 この発明の第3の実施の形態による非水電解質電池の構成を示す断面図である。 図3の巻回電極体の一部を拡大した断面図である。 XPSスペクトルを示すグラフである。 XPSスペクトルを示すグラフである。 XPSスペクトルを示すグラフである。 XPSスペクトルを示すグラフである。 XPSスペクトルを示すグラフである。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(非水電解質電池の第1の例)
2.第2の実施の形態(非水電解質電池の第2の例)
3.第3の実施の形態(非水電解質電池の第3の例)
4.第4の実施の形態(非水電解質電池の第4の例)
5.他の実施の形態(変形例)
1.第1の実施の形態
この発明の第1の実施の形態による非水電解質電池の構成の一例について、図1および図2を参照しながら説明する。
(電池の構成)
図1は、この発明の第1の実施の形態による非水電解質電池の一構成例を示す斜視図である。この非水電解質電池は、例えば充電および放電が可能な非水電解質二次電池である。この非水電解質電池は、正極リード11および負極リード12が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に収納した構成とされており、扁平型の形状を有するものである。
正極リード11および負極リード12は、それぞれ例えば短冊状であり、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード11は、例えばアルミニウム(Al)などの金属材料により構成されており、負極リード12は、例えばニッケル(Ni)などの金属材料により構成されている。
外装部材30は、例えば、絶縁層、金属層および最外層をこの順に積層しラミネート加工などにより貼り合わせた構造を有するラミネートフィルムである。外装部材30は、例えば、絶縁層の側を内側として、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
絶縁層は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレンあるいはこれらの共重合体などのポリオレフィン樹脂により構成されている。水分透過性を低くすることができ、気密性に優れているからである。金属層は、箔状あるいは板状のアルミニウム、ステンレス、ニッケルあるいは鉄などにより構成されている。最外層は、例えば絶縁層と同様の樹脂により構成されていてもよいし、ナイロンなどにより構成されていてもよい。破れや突き刺しなどに対する強度を高くすることができるからである。外装部材30は、絶縁層、金属層および最外層以外の他の層を備えていてもよい。
外装部材30と正極リード11および負極リード12のそれぞれとの間には、正極リード11および負極リード12と、外装部材30の内側との密着性を向上させ、外気の侵入を防止するための密着フィルム18が挿入されている。密着フィルム18は、正極リード11および負極リード12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、正極リード11および負極リード12が上述した金属材料により構成される場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
図2は、図1に示した巻回電極体20のII−II線に沿った断面図である。巻回電極体20は、正極21と負極22とをセパレータ23および電解質24を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
(正極)
正極21は、例えば、正極集電体21Aと、この正極集電体21Aの両面に設けられた正極活物質層21Bとを有している。
(正極集電体)
正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。
(正極活物質層)
正極活物質層21Bは、正極活物質と、炭素材料などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンまたはポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を含む。
(正極活物質)
正極活物質としては、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物粒子の表面層が改質されたものを用いることができる。このリチウム複合酸化物粒子は、一次粒子であってもよく、一次粒子が複数凝集した二次粒子であってもよい。このニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物は例えば層状構造を有する。なお、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物とは、リチウム複合酸化物を構成する金属元素(リチウムを除く)のうち、ニッケル成分を最も多く含むものをいう。
ここで、この発明の理解を容易にするため、この正極活物質に関連する技術的背景について説明する。ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物は、ニッケル酸リチウム(LiNiO2ニッケル酸リチウムのニッケルの一部を他の金属で置換したニッケル系リチウム複合酸化物などが挙げられる。
このようなニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物は、コバルトを主成分とするリチウム複合酸化物と、ほぼ同等の高電圧並びに高エネルギー密度を実現できるリチウムイオン二次電池用のリチウム複合酸化物である。コバルトを主成分とする複合酸化物は、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)のコバルトの一部を他の金属で置換したコバルト系リチウム複合酸化物などである。
ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物は、コバルトを主成分とするコバルト系リチウム複合酸化物に比較して、資源的に不安定であり高価なコバルトの含有量が少なく経済性が高い。さらに、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物は、コバルトを主成分とするコバルト系リチウム複合酸化物と比べて、電流容量が大きい利点があり、その利点をより増大させることが望まれる。
一方、正極活物質として、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を用いた二次電池では、内部でのガス発生に伴う内圧上昇が生じ、特にラミネートフィルム型電池では、膨れが発生し易い課題があり、この課題を解決することが要望されている。
この発明の第1の実施の形態で用いる正極活物質は上記の要望に対応したものである。すなわち、この正極活物質を用いた第1の実施の形態による非水電解質電池では、電池内部でのガス発生を低減できる。
なお、非水電解質電池で生じるガス発生において、正極活物質を起因とする要因は、下記(要因1)および(要因2)であることが通説となっている。
(要因1)正極活物質に含有されている炭酸根が、非水電解液由来の酸成分により炭酸ガスを生成する。
(要因2)充電状態の正極活物質の強い酸化力により、非水電解液等の有機分が酸化され、炭酸ガスあるいは一酸化炭素を生成する。
この発明の第1の実施の形態で用いる正極活物質は、主として要因1を解消するものであり、表面の酸化活性を抑制することに有効な表面処理を行うことにより、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層が改質されたものである。
ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物としては、より具体的には、例えば式(1)で表されるリチウム複合酸化物が挙げられる。
式(1)
LixCoyNiz1-y-zb-aa
(式中、Mは、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、インジウム(In)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびアンチモン(Sb)から選ばれる1種以上の元素である。Xは、ハロゲン元素である。x、y、z、aおよびbはそれぞれ0.8<x≦1.2、0≦y≦0.5、0.5≦z≦1.0、1.8≦b≦2.2、0≦a≦1.0の範囲内の値である。)
式(1)において、xの範囲は、0.60<x≦1.07が好ましく、0.65≦x≦1.03がより好ましく、さらに好ましくは0.85≦x≦1.00である。前記範囲外に値が小さくなると、放電容量が減少してしまい、前記範囲外に値が大きくなると、該粒子の結晶構造の安定性が低下し、充放電の繰返しの容量低下と、安全性の低下の原因となる。yの範囲は、0.10<y<0.40が好ましく、0.15<y<0.35がより好ましく、さらに好ましくは0.20<y<0.30である。前記範囲外に値が小さくなると、該粒子の結晶構造の安定性が低下し、充放電の繰返しの容量低下と、安全性の低下の原因となり、前記範囲外に値が大きくなると、放電容量が減少してしまい、本発明の本来の目的を達することができない。zの範囲は、0.5≦z≦1.0であり、0.5<z<0.75がより好ましく、さらに好ましくは0.75<z<0.90である。前記範囲外に値が大きくなると、該粒子の結晶構造の安定性が低下し、充放電の繰返しの容量低下と、安全性の低下の原因となり、前記範囲外に値が小さくなると、放電容量が減少する。
この正極活物質では、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの価数が2価となっており、この表面層より内側の領域に存在するニッケルの価数が3価となっている。また、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物がコバルトを含む場合には、その表面層に存在するニッケルおよびコバルトの価数が2価となっており、この表面層より内側の領域に存在するニッケルおよびコバルトの価数が3価となっている。
なお、表面層とは、例えば、表面から少なくともXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy;X線光電子分光法)で確認できる深さまでの領域であり、具体的には、例えばリチウム複合酸化物の表面から10nmまでの領域は含まれる。なお、表面には1次粒子の表面に加え、二次粒子の表面も含む。
表面層では、表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価となっていればよい。また、表面層に存在するニッケルは、3価のものより2価のものの方が多くてもよい。表面層に存在するニッケルの全部が2価になっていてもよい。また、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物がコバルトを含む場合には、表面層では、表面層に存在するニッケルおよびコバルトの少なくとも1部の価数が2価となっていればよい。また、表面層に存在するニッケルおよびコバルトは、3価のものより2価のものの方が多くてもよい。表面層に存在するニッケルおよびコバルトの全部が2価になっていてもよい。
表面層より内側の領域では、ニッケルの価数が3価になっている。表面層より内側の領域において、ニッケルの価数が2価になると、結晶構造が保てなくなると考えられる。ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物がコバルトを含む場合には、表面層より内側の領域では、コバルトおよびニッケルの価数が3価になっている。表面層より内側の領域において、コバルトおよびニッケルの価数が2価になると、結晶構造が保てなくなると考えられる。
このように、表面層に存在するニッケルまたはニッケルおよびコバルトの価数を3価から2価にすることによって、リチウム複合酸化物の表面が安定になり、電解液との反応性を小さくすることで高温保存によるガス発生を抑制できる。
この正極活物質は、XPSによるニッケルの2p2/3のピークが856eV〜860eVに存在するものである。すなわち、XPSによるニッケルの2p2/3のピークが856eV〜860eVに存在することは、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に2価のニッケルが存在することを示す。
ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物がコバルトを含む場合には、正極活物質はXPSによるニッケルの2p2/3のピークが856eV〜860eVに存在するものである。さらに、正極活物質は、XPS測定によるコバルトの2p2/3のピークが780eV〜784eVに存在するものである。すなわち、XPS測定によるニッケルの2p2/3のピークが856eV〜860eVに存在することは、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に2価のニッケルが存在することを示す。XPSによるコバルトの2p2/3のピークが780eV〜784eVに存在することは、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に2価のコバルトが存在することを示す。なお、例えば、式(1)で表される組成のニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物では、通常ニッケルおよびコバルトの結合エネルギーは通常Ni2p3/2のピークが855.0eV以上855.8eV以下であり3価である。また、Co2p3/2のピークが779.5eV以上779.8eV以下であり3価である。
詳細は後述するが、この正極活物質はニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物自体を表面処理することで得られる。また、第2の実施の形態において詳細は後述するが、この正極活物質の構成は、ニッケルを主成分として含むリチウム複合酸化物を含有する正極を中性液または酸性液に浸すことによっても得られる。
正極活物質の平均粒径は、好ましくは2.0μm以上50μm以下である。平均粒径が2.0μm未満であると、正極作製時に正極活物質層をプレスする際に正極活物質層が剥離してしまう。また、正極活物質の表面積が増えるために、導電剤や結着剤の添加量を増やす必要があり、単位重量あたりのエネルギー密度が小さくなってしまう傾向がある。一方、この平均粒径が50μmを超えると、粒子がセパレータを貫通し、短絡を引き起こす傾向がある。
(負極)
負極22は、例えば、正極21と同様に、負極集電体22Aと、この負極集電体22Aの両面に設けられた負極活物質層22Bとを有している。
(負極集電体)
負極集電体22Aは、例えば、銅箔などの金属箔により構成されている。
(負極活物質層)
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて導電剤および結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化性炭素あるいは易黒鉛化炭素などの炭素材料が挙げられる。炭素材料には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、また、平均粒子径の異なる2種以上を混合して用いてもよい。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素を構成元素として含む材料が挙げられる。具体的には、リチウムと合金を形成可能な金属元素の単体、合金、あるいは化合物、またはリチウムと合金を形成可能な半金属元素の単体、合金、あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)あるいはスズ(Sn)である。ケイ素(Si)およびスズ(Sn)はリチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
ケイ素(Si)の合金としては、例えば、ケイ素(Si)以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズ(Sn)の合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素(Si)の化合物あるいはスズ(Sn)の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、ケイ素(Si)またはスズ(Sn)に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
(セパレータ)
セパレータ23は、電気的に安定であると共に、正極活物質、負極活物質あるいは溶媒に対して化学的に安定であり、かつ電気伝導性を有していなければどのようなものを用いてもよい。例えば、高分子の不織布、多孔質フィルム、ガラスあるいはセラミックスの繊維を紙状にしたものを用いることができ、これらを複数積層して用いてもよい。特に、多孔質ポリオレフィンフィルムを用いることが好ましく、これをポリイミド、ガラスあるいはセラミックスの繊維などよりなる耐熱性の材料と複合させたものを用いてもよい。
(電解質)
電解質24は、電解液と、この電解液を保持する高分子化合物を含む保持体とを含有しており、いわゆるゲル状となっている。電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する溶媒とを含んでいる。電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、あるいはLiAsF6などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩にはいずれか1種を用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、溶媒として、環状エステルまたは鎖状エステルの水素の一部または全部がフッ素化された化合物を含むことが好ましい。このフッ素化された化合物としては、ジフルオロエチレンカーボネートを用いることが好ましい。負極活物質としてケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)などの化合物を含む負極22を用いた場合であっても、充放電サイクル特性を向上させることができ、特にジフルオロエチレンカーボネートがサイクル特性改善効果に優れるからである。
高分子化合物は、溶媒を吸収してゲル化するものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはビニリデンフルオロライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレンオキサイドあるいはポリメチルメタクリレートを繰返し単位として含むものなどが挙げられる。高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましく、中でも、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとを成分として含む共重合体が好ましい。さらに、この共重合体は、モノメチルマレイン酸エステルなどの不飽和二塩基酸のモノエステル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化エチレン、炭酸ビニレンなどの不飽和化合物の環状炭酸エステル、またはエポキシ基含有アクリルビニルモノマーなどを成分とし
て含んでいてもよい。より高い特性を得ることができるからである。
この非水電解質電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解質24を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解質24を介して正極21に吸蔵される。
(非水電解質電池の製造方法)
上述した非水電解質電池は、例えば、以下のようにして製造することができる。
(正極活物質の作製)
(リチウム複合酸化物の作製)
まず、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を作製する。なお、このリチウム複合酸化物を作製する代わりに、通常において、入手できるニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を用いてもよい。また、この入手したニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を用いる際には、必要に応じて、ボールミルや擂潰機などを用いて二次粒子を解砕した粒子としてもよい。
ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物として、例えば式(1)で表されるリチウム複合酸化物は、公知の手法により作製することができる。具体的には、例えば、式(1)で表されるリチウム複合酸化物がニッケル、コバルト、アルミニウムを構成元素として含むものである場合には、以下のように作製できる。まず、ニッケル化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、リチウム化合物などを水中に溶解し、十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム溶液を加えてニッケル−コバルト−アルミニウム複合共沈水酸化物を作製する。このニッケル−コバルト−アルミニウム複合共沈水酸化物を水洗、乾燥して得られた前駆物を焼成した後、例えば室温などの常温に冷却することで得られる。得られた式(1)で表されるリチウム複合酸化物は、必要に応じて粉砕する。
ニッケル化合物の原料としては、例えば、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、過塩素酸ニッケル、臭素酸ニッケル、ヨウ素酸ニッケル、酸化ニッケル、過酸化ニッケル、硫化ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸水素ニッケル、窒化ニッケル、亜硝酸ニッケル、燐酸ニッケル、チオシアン酸ニッケルなどの無機系化合物、あるいは、シュウ酸ニッケル、酢酸ニッケルなどの有機系化合物を用いることができ、これらの1種または2種以上を用いても良い。
コバルト化合物の原料としては、例えば、水酸化コバルト、炭酸コバルト、硝酸コバルト、フッ化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、塩素酸コバルト、過塩素酸コバルト、臭素酸コバルト、ヨウ素酸コバルト、酸化コバルト、フォスフィン酸コバルト、硫化コバルト、硫化水素コバルト、硫酸コバルト、硫酸水素コバルト、チオシアン酸コバルト、亜硝酸コバルト、燐酸コバルト、燐酸二水素コバルト、炭酸水素コバルトなどの無機系化合物、あるいは、シュウ酸コバルト、酢酸コバルトなどの有機系化合物を用いることができ、これらの1種または2種以上を用いても良い。
アルミニウム化合物の原料としては、例えば、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、酸化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫酸アルミニウム、燐酸アルミニウムなどの無機系化合物、あるいは、シュウ酸アルミニウムなどの有機系化合物を用いることができ、これらの1種または2種以上を用いても良い。
リチウム化合物の原料としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、沃化リチウム、塩素酸リチウム、過塩素酸リチウム、臭素酸リチウム、沃素酸リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、硫化リチウム、硫化水素リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、窒化リチウム、アジ化リチウム、亜硝酸リチウム、燐酸リチウム、燐酸二水素リチウム、炭酸水素リチウムなどの無機系化合物、あるいは、メチルリチウム、ビニルリチウム、イソプロピルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、シュウ酸リチウム、酢酸リチウムなどの有機系化合物を用いることができ、これらの1種または2種以上を用いても良い。
(表面処理)
得られたリチウム複合酸化物は、例えば350℃以下の雰囲気温度で不活性雰囲気または還元雰囲気に晒す。これにより、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも一部の価数が、3価から2価に変化する。ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物がコバルトを含む場合には、その表面層に存在するニッケルの少なくとも一部およびコバルトの少なくとも一部の価数が、3価から2価に変化する。
不活性雰囲気は、例えばアルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気などが挙げられる。還元雰囲気は、水素ガス雰囲気などが挙げられる。雰囲気温度は、100℃以上300℃以下が好ましい。雰囲気温度が100℃より低いと、処理に時間がかかってしまう。300℃より高いと、還元反応が進行しすぎて、金属が析出してしまい、正極活物質として使用できなくなってしまう。
(正極の作製)
得られた正極活物質を用いて、以下のように正極21を作製する。まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質と、結着剤とを混合し、正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成する。
(負極の作製)
例えば、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成し負極22を作製する。負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成する。
次に、正極集電体21Aに正極リード11を取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード12を取り付ける。
(電池の組み立て)
次に、電解液と、高分子化合物とを、混合溶剤を用いて混合し、この混合溶液を正極活物質層21Bの上、および負極活物質層22Bの上に塗布し、混合溶剤を揮発させて、電解質24を形成する。次に、正極21、セパレータ23、負極22、およびセパレータ23を順に積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体20を形成したのち、外装部材30の間に挟み込み、外装部材30の外周縁部を熱融着する。その際、正極リード11および負極リード12と外装部材30との間には密着フィルム18を挿入する。これにより図1に示した二次電池が得られる。
また、電解質24を正極21および負極22の上に形成したのちに巻回するのではなく、正極21および負極22をセパレータ23を介して巻回し、外装部材30の間に挟み込んだのち、電解液と高分子化合物のモノマーとを含む電解質組成物を注入し、外装部材30の内部でモノマーを重合させるようにしてもよい。
また、以下のように製造してもよい。すなわち、まず最初に、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ23を用い、セパレータ23を介して配置された正極21および負極22を巻回し、外装部材30の間に挟みこんだのち、電解液を注入する。その後、外装部材30に加重をかけながら加熱し、高分子化合物を介してセパレータ23を正極21および負極22に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、高分子化合物がゲル化して電解質24を形成する。
このセパレータ23に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体、すなわち単独重合体、共重合体または多元共重合体などが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体や、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。
なお、高分子化合物は、上記したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種または2種以上の高分子化合物を含んでいてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材30の内部に注入したのち、その外装部材30の開口部を熱融着などで密封する。最後に、外装部材30に加重をかけながら加熱し、高分子化合物を介してセパレータ23を正極21および負極22に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、その高分子化合物がゲル化して電解質24が形成されるため、二次電池が完成する。
<効果>
この発明の第1の実施の形態による非水電解質電池では、正極活物質の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が3価から2価になっている。また、正極活物質がコバルトを含む場合には、正極活物質の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部およびコバルトの少なくとも1部の価数が3価から2価になっている。これにより、活物質と電解液との反応性を小さくすることで、高温保存時などに電解液の分解などにより生じるガス発生を抑制することができる。この結果、電池膨れを抑制することができる。
2.第2の実施の形態
この発明の第2の実施の形態による非水電解質電池について説明する。この発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と正極および非水電解質電池の製造工程(特に正極の製造工程)が異なる点以外は、第1の実施の形態と同様である。したがって、以下では、正極および非水電解質電池の製造工程について、詳細に説明し、その他の説明は適宜省略する。
(電池の構成)
この発明の第2の実施の形態による非水電解質電池の構成は、正極が異なる点以外は第1の実施の形態と同様である。
(正極)
正極21は、第1の実施の形態と同様、正極集電体21Aと、この正極集電体21Aの両面に設けられた正極活物質層21Bとを有している。第2の実施の形態では、詳細は後述するが、液体に浸す処理を行った正極を用いる。したがって、第2の実施の形態では、正極が作製された時点での正極が含有する液分が、第1の実施の形態の正極より多くなっている。
第2の実施の形態では、液体に浸す処理を行った正極21が含有する正極活物質は、第1の実施の形態と同様の構成を有する。すなわち、正極21が含有する正極活物質は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価となっているものである。ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物がコバルトを含む場合には、その表面層に存在するニッケルの少なくとも1部およびコバルトの少なくとも1部の価数が2価となっているものである。
これにより、液体に浸す処理後の正極21では、液分が多く含まれているにもかかわらず、ガス発生を抑制できる。すなわち、通常は正極21の液分が多いと、この液分によるガス発生量が多くなることが考えられるが、液体に浸す処理によって、正極活物質の表面が改質されることで液分によるガス発生も抑制できるので、正極21の液分が多くなっていても問題ない。正極の液分が多くなっても問題ないと、正極の真空乾燥の時間を短くしたりするなどの利点を有する。
(電池の製造方法)
(正極の製造)
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質と、結着剤とを混合し、正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成する。
なお、第2の実施の形態では、正極活物質は、上述した公知の方法などにより得られるニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物をそのまま用いる。すなわち、第2の実施の形態では、公知の手法などにより得られるニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物に対して、上述した不活性雰囲気または還元雰囲気に晒す処理を行わない。
(液体に浸す処理)
以上のようにして得た正極21を、純水などの中性液または酸性液に浸す。中性液としては、中性の水溶液、イオン交換水、蒸留水などの純水などが挙げられる。また、酸性液としては、酸性水溶液などが挙げられる。これにより、得られた正極が含有する正極活物質では、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価となっている。また、コバルトを含む場合には、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部およびコバルトの少なくとも1部の価数が2価となっている。
また、この液体に浸す処理では、正極作製中に取り込んだ炭酸リチウムやフッ化リチウムを除去することで、上述したガス発生の(要因1)を解消できる、すなわち、正極活物質に含有されている炭酸根を除去し、非水電解液由来の酸成分により炭酸ガスを生成することを抑制することができる。なお、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物は、結着剤および導電剤に覆われているため、液体に浸す処理時に、過剰に液体と接触することなく、不純物のみ洗浄される。
その後の(負極の製造)、(電池の組み立て)の工程は、第1の実施の形態と同様に行う。これにより、この発明の第2の実施の形態による非水電解質電池を得ることができる。
<効果>
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
3.第3の実施の形態
この発明の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態による非水電解質電池は、第1の実施の形態の非水電解質電池において、ゲル状の電解質24に代えて電解液を用いるものである。この場合、電解液はセパレータ23に含浸される。電解液としては、上述の第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
このような構成を有する非水電解質電池は、例えば以下のようにして作製することができる。ゲル状の電解質24の形成を省略する以外は、上述の第1の実施の形態と同様にして正極21および負極22を巻回して巻回電極体20を作製し、この巻回電極体20を外装部材30の間に挟み込んだのち、電解液を注入して外装部材30を密閉する。
<効果>
この発明の第3の実施の形態では、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
4.第4の実施の形態
次に、図3〜図4を参照しながら、この発明の第4の実施の形態による非水電解質電池の構成について説明する。図3は、この発明の第4の実施の形態による非水電解質電池の一構成例を示す。この非水電解質電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、外装部材としての円筒缶であるほぼ中空円柱状の電池缶31の内部に、帯状の正極41と帯状の負極42とがセパレータ43を介して巻回された巻回電極体40を有している。セパレータ43には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電池缶31は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶31の内部には、巻回電極体40を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板32、33がそれぞれ配置されている。
電池缶31の開放端部には、電池蓋34と、この電池蓋34の内側に設けられた安全弁機構35および熱感抵抗(PTC:Positive Temperature Coefficient)素子36が、ガスケット37を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶31の内部は密閉されている。電池蓋34は、例えば、電池缶31と同様の材料により構成されている。安全弁機構35は、熱感抵抗素子36を介して電池蓋34と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板35Aが反転して電池蓋34と巻回電極体40との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子36は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット37は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体40は、例えば、センターピン44を中心に巻回されている。巻回電極体40の正極41にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード45が接続されており、負極42にはニッケル(Ni)などよりなる負極リード46が接続されている。正極リード45は安全弁機構35に溶接されることにより電池蓋34と電気的に接続されており、負極リード46は電池缶31に溶接され電気的に接続されている。
図4は、図3に示した巻回電極体40の一部を拡大して表す断面図ある。巻回電極体40のは、正極41と負極42とをセパレータ43を介して積層し、巻回したものである。
正極41は、例えば、正極集電体41Aと、この正極集電体41Aの両面に設けられた正極活物質層41Bとを有している。負極42は、例えば、負極集電体42Aと、この負極集電体42Aの両面に設けられた負極活物質層42Bとを有している。正極集電体41A、正極活物質層41B、負極集電体42A、負極活物質層42B、セパレータ43および電解液の構成はそれぞれ、上述の第1の実施の形態における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22B、セパレータ23および電解液と同様である。
(非水電解質電池の製造方法)
上述した非水電解質電池は、以下のようにして製造できる。
正極41は、第1の実施の形態の正極21と同様にして作製する。
負極42は、第1の実施の形態の負極22と同様にして作製する。
次に、正極集電体41Aに正極リード45を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体42Aに負極リード46を溶接などにより取り付ける。その後、正極41と負極42とをセパレータ43を介して巻回し、正極リード45の先端部を安全弁機構35に溶接すると共に、負極リード46の先端部を電池缶31に溶接して、巻回した正極41および負極42を一対の絶縁板32、33で挟み、電池缶31の内部に収納する。正極41および負極42を電池缶31の内部に収納したのち、電解質を電池缶31の内部に注入し、セパレータ43に含浸させる。その後、電池缶31の開口端部に電池蓋34、安全弁機構35および熱感抵抗素子36を、ガスケット37を介してかしめることにより固定する。以上により、図3に示した非水電解質電池が作製される。
<効果>
この発明の第4の実施の形態では、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この発明の第4の実施の形態では、外装部材に円筒缶を用いているが、ガス発生が抑制されているので、ガス発生によって生じる内圧の上昇による破損を防止できる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
(正極活物質の作製)
まず、正極活物質を以下のように作製した。硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとを、水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム溶液を加えて、モル比がNi:Co:Al=80:15:5となるようにニッケル−コバルト−アルミニウム複合共沈水酸化物を得た。
生成した共沈物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=103:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し室温まで冷却し、リチウム複合酸化物を得た。その後、このリチウム複合酸化物を酸素気流中から、取り出して粉砕し、300℃の窒素気流中に1時間晒した。これにより、粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質は、原子吸光分析により分析したところ、組成式Li1.03Ni0.80Co0.15Al0.052で表されるニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であった。また、レーザ散乱法により粒径を測定したところ、正極活物質の平均粒子径は13μmであった。
(電池の作製)
作製した正極活物質を用いて、図1および図2に示す非水電解質二次電池を作製した。
(正極の作製)
まず、得られた上記正極活物質85質量部と、導電剤であるグラファイト5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製した。
続いて、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aに均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して、正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。その後、この正極21を120℃にて10時間真空乾燥を行った。その後、正極21に正極リード11を取り付けた。
(負極の作製)
粉砕した黒鉛粉末を負極活物質として用意し、この黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製し、さらにこれを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させ負極合剤スラリーとした。
次に、この負極合剤スラリーを厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型して、負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。続いて、負極22に負極リード12を取り付けた。
(電池の組み立て)
正極21および負極22を作製したのち、正極21および負極22を、厚み25μmの微孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ23を介して密着させ、長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ25を貼り付けることにより、巻回体を作製した。
この巻回体を外装部材30の間に装填し、外装部材30の3辺を熱融着した。外装部材30には最外層から順に25μm厚のナイロンフィルムと40μm厚のアルミニウム箔と30μm厚のポリプロピレンフィルムとが積層されてなる防湿性のアルミラミネートフィルムを用いた。
次に、外装部材30の内部に、エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=5:5の質量比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1mol/kgとなるように溶解させて作製した電解液を注入し、外装部材30の残りの1辺を減圧下において熱融着し、密封した。以上により、実施例1の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2>
以下のように作製した正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例2の非水電解質二次電池を得た。
(正極活物質の作製)
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとを、水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム溶液を加えて、モル比がNi:Co:Al=75:20:5となるようにニッケル−コバルト−アルミニウム複合共沈水酸化物を得た。
生成した共沈物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=101:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し室温まで冷却し、リチウム複合酸化物を得た。その後、このリチウム複合酸化物を酸素気流中から、取り出して粉砕し、150℃の窒素気流中に1時間晒した。これにより、粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を、原子吸光分析で分析したところ、組成式Li1.01Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケルを主成分とするニッケル系リチウム複合酸化物であった。また、レーザ散乱法により粒径を測定したところ、正極活物質の平均粒子径は13μmであった。
<実施例3>
以下のようにして作製した正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解質二次電池を作製した。
(正極活物質の作製)
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンとを、水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム溶液を加えて、モル比がNi:Co:Mn=75:20:5となるようにニッケル−コバルト−マンガン複合共沈水酸化物を得た。
生成した共沈物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Mn)=103:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し室温まで冷却し、リチウム複合酸化物を得た。その後、このリチウム複合酸化物を酸素気流中から、取り出して粉砕し、150℃の窒素気流中に1時間晒した。これにより、粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を原子吸光分析で分析したところ、組成式Li1.03Ni0.75Co0.20Mn0.052で表されるニッケルを主成分とするニッケル系リチウム複合酸化物であった。また、レーザ散乱法により粒径を測定したところ、正極活物質の平均粒子径は、14μmであった。
<実施例4>
以下のように作製した正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例4の非水電解質二次電池を作製した。
(正極活物質の作製)
まず、正極活物質を以下のように作製した。硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとを、水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム溶液を加えて、モル比がNi:Co:Al=80:15:5となるようにニッケル−コバルト−アルミニウム複合共沈水酸化物を得た。
生成した共沈物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=101:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し室温まで冷却し、正極活物質を得た。
この正極活物質を、原子吸光分析で分析したところ、組成式Li1.01Ni0.80Co0.15Al0.052で表されるニッケルを主成分とするニッケル系リチウム複合酸化物であった。また、レーザ散乱法により粒径を測定したところ、この正極活物質の平均粒子径は、14μmであった。
(正極の作製)
得られた正極活物質85質量部と、導電剤であるグラファイト5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製した。
続いて、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aに均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して、正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。
この正極を23℃のイオン交換水中によく浸漬し、ドライエアーで乾燥後に巻き取り、120℃にて10時間、再度真空乾燥を行った。以上により、正極を得た。
<実施例5>
以下のように作製した正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例5の非水電解質二次電池を作製した。
(正極活物質の作製)
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとを、水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム溶液を加えて、モル比がNi:Co:Al=75:20:5となるようにニッケル−コバルト−アルミニウム複合共沈水酸化物を得た。
生成した共沈物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Al)=101:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し室温まで冷却した。これにより、粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を、原子吸光分析で測定したところ、組成式Li1.01Ni0.75Co0.20Al0.052で表されるニッケルを主成分とするニッケル系リチウム複合酸化物であった。また、レーザ散乱法により粒径を測定したところ、正極活物質の平均粒子径は14μmであった。
(正極の作製)
得られた正極活物質85質量部と、導電剤であるグラファイト5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製した。
続いて、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aに均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して、正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。
この正極を23℃のイオン交換水中によく浸漬し、ドライエアーで乾燥後に巻き取り、120℃にて10時間、再度真空乾燥を行った。以上により、正極を得た。
<実施例6>
以下のようにして作製した正極を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例6の非水電解質二次電池を作製した。
(正極活物質の作製)
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンとを、水中に溶解し、さらに十分に攪拌させながら水酸化ナトリウム溶液を加えて、モル比がNi:Co:Mn=75:20:5となるようにニッケル−コバルト−マンガン複合共沈水酸化物を得た。
生成した共沈物を水洗、乾燥し、その後に水酸化リチウム一水和塩を加え、モル比がLi:(Ni+Co+Mn)=103:100となるように調整して前駆体を作製した。これらの前駆体を酸素気流中、700℃で10時間焼成し室温まで冷却した。これにより、粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を、原子吸光分析で測定したところ、組成式Li1.03Ni0.75Co0.20Mn0.052で表されるニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であった。また、レーザ散乱法により粒径を測定したところ、正極活物質の平均粒子径は、14μmであった。
(正極の作製)
得られた正極活物質85質量部と、導電剤であるグラファイト5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製した。
続いて、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aに均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して、正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。
この正極を23℃のイオン交換水中によく浸漬し、ドライエアーで乾燥後に巻き取り、120℃にて10時間、再度真空乾燥を行った。以上により、正極を得た。
<比較例1>
実施例4と同様にして作製した正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例1の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2>
実施例5と同様にして作製した正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例3>
実施例6と同様にして作製した正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例3の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例4>
実施例4と同様にして正極活物質を作製した。この正極活物質1kgを23℃のイオン交換水10Lにて1時間洗浄・ろ過した後、120℃で17時間乾燥した。この水洗処理後の正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例4の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例5>
実施例5と同様にして正極活物質を作製した。この正極活物質1kgを23℃のイオン交換水10Lにて1時間洗浄・ろ過した後、120℃で17時間乾燥した。この水洗処理後の正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例5の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例6>
実施例6と同様にして正極活物質を作製した。この正極活物質1kgを23℃のイオン交換水10Lにて1時間洗浄・ろ過した後、120℃で17時間乾燥した。この水洗処理後の正極活物質を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例6の非水電解質二次電池を作製した。
(XPS分析1)
実施例4の水洗処理後の正極に含有する正極活物質、比較例1の正極活物質、比較例4の正極活物質について、X線光電子分光法(XPS)による表面分析を行った。測定結果を図5に示す。なお、図5Aにおいて、線aは実施例4のCo2pスペクトルを示す。線bは比較例1のCo2pスペクトルを示す。線cは比較例4のCo2pスペクトルを示す。(図7Aでも同様)図5Bにおいて、線a’は実施例4のNi2pスペクトルを示す。線b’は比較例1のNi2pスペクトルを示す。線c’は比較例4ののNi2pスペクトルを示す。(図7Bでも同様)
実施例5の水洗処理後の正極に含有する正極活物質、比較例2の正極活物質、比較例5の正極活物質について、X線光電子分光法による表面分析を行った。測定結果を図6に示す。なお、図6Aにおいて、線dは実施例5のCo2pスペクトルを示す。線eは比較例2のCo2pスペクトルを示す。(図8Aでも同様)線fは比較例5のCo2pスペクトルを示す。線d’は実施例5のNi2pスペクトルを示す。線e’は比較例2のNi2pスペクトルを示す。線f’は比較例5のNi2pスペクトルを示す。(図8Bでも同様)
実施例4、比較例1および比較例4では、Co2p3/2のピーク位置およびNi2p3/2のピーク位置が以下に示す位置にあった。
Co2p3/2
実施例4:780.3eV
比較例1:779.8eV
比較例4:779.8eV
Ni2p3/2
実施例4:856.2eV
比較例1:855.1eV
比較例4:855.1eV
図6に示すように、実施例5、比較例2および比較例5では、Co2p3/2のピーク位置およびNi2p3/2のピーク位置が以下に示す位置にあった。
Co2p3/2
実施例5:781.8eV
比較例2:779.6eV
比較例5:779.6eV
Ni2p3/2
実施例5:857.0eV
比較例2:855.1eV
比較例5:855.1eV
この測定結果より、実施例4、実施例5のような水洗処理後の正極に含有する正極活物質は、表面層に2価のコバルトおよび2価のニッケルが存在することが確認できた。
実施例4の水洗処理後の正極の断面出しを行った後、X線光電子分光法により分析した。また、同様の分析を比較例1、比較例4についても行った。測定結果を図7に示す。
実施例5の水洗処理後の正極の断面出しを行った後、X線光電子分光法により分析した。また、同様の分析を比較例2、比較例5についても行った。測定結果を図8に示す。
図7および図8に示すように、実施例4および実施例5では、Ni2p3/2のピーク位置が、855.0eV以上855.8eV以下であり、Co2p3/2のピーク位置が779.5eV以上779.8eV以下であった。これにより、実施例4および実施例5のような水洗処理後の正極に含有する正極活物質の表面層より内側の内部に、3価のニッケルおよび3価のコバルトが存在することを確認した。
(XPS分析2)
実施例1で作製した正極活物質について、X線光電子分光法による表面分析を行った。また、実施例1で作製した正極活物質について、断面出しを行った後、X線光電子分光法により分析した。さらに、実施例1の非水電解質二次電池について、1回充放電を行った後、正極活物質を取り出し、この正極活物質について、X線光電子分光法による表面分析を行った。さらに、比較例1の非水電解質二次電池についても同様の条件で1回充放電を行った後、正極活物質を取り出し、この正極活物質について、X線光電子分光法による表面分析を行った。なお、充放電は以下の条件で行った。すなわち、23℃の環境下で1Aの定電流で電池電圧が4.25Vに達するまで定電流充電を行ったのち、2.5Vまで200mAの定電流で放電した。
測定結果を図9に示す。図9Aにおいて、線hは実施例1の正極活物質(充放電前)のCo2pスペクトルを示す。線iは実施例1の正極活物質(充放電前、断面)のCo2pスペクトルを示す。線jは実施例1の正極活物質(充放電後)のCo2pスペクトルを示す。線kは比較例1の正極活物質(充放電後)のCo2pスペクトルを示す。図9Bにおいて、線h’は実施例1の正極活物質(充放電前)のNi2pスペクトルを示す。線i’は実施例1の正極活物質(充放電前、断面)のNi2pスペクトルを示す。線j’は実施例1の正極活物質(充放電後)のNi2pスペクトルを示す。線k’は比較例1の正極活物質(充放電後)のNi2pスペクトルを示す。
図9に示す測定結果より、実施例1の正極活物質では、表面層に2価のコバルトおよび2価のニッケルが存在し、表面層より内側の内部に、3価のニッケルおよび3価のコバルトが存在することが確認できた。
(電池の充放電後のニッケルの価数)
電池作製後、充放電に伴い、正極活物質の表面層に存在するニッケルの価数状態は変わるが、線j’のNi2pスペクトルからも確認できるように、表面層には依然として、2価のニッケルが存在する。なお、電池作製後、23℃の環境下で1Aの定電流で電池電圧が4.25Vに達するまで定電流充電を行ったのち、2.5Vまで200mAの定電流で放電した。この充放電において、充電時の電池から取り出した正極および放電時の電池から取り出した正極のそれぞれについて、XAFS測定を行い、XANES領域のスペクトルの解析により、正極活物質の表面層のニッケル価数を評価したところ以下の結果が得られた。実施例1〜実施例6の正極活物質のニッケルの価数は、比較例1〜比較例6の正極活物質のニッケルの価数と比較して、小さくなる傾向にあった。
なお、この結果は、以下に述べることによるものと考えられるが、充放電による活物質結晶構造変化との明確な因果関係はまだ明らかにされていない。すなわち、実施例1〜6では、充電により正極活物質からリチウムイオンがより多く引き抜かれることによって、NiOがより多く発生し、価数が+2になったNiの存在比率が、比較例1〜比較例6より多くなったと考えられる。
(膨れ量)
作製した二次電池について、23℃の環境下で1Aの定電流で電池電圧が4.25Vに達するまで定電流充電を行ったのち、一旦2.5Vまで200mAの定電流で放電した。その後、4.2Vの定電圧で電流値が50mAに達するまで定電圧充電を行い、85℃の環境下12時間保存した。測定結果を表1に示す。
(水分量)
実施例1、実施例4、実施例5および実施例6については、真空乾燥後(実施例4〜6では再度の真空乾燥後)の正極に含まれる水分量を測定した。この水分量は、カールフィッシャー法により窒素気流中200℃で加熱することにより求めた。測定結果を表1に示す。
Figure 2011119096
表1に示すように、実施例1〜実施例6では、膨れ量が比較例に比べて著しく低減することができた。すなわち、実施例1〜実施例6では、膨れ量が0.40mm〜1.00mm程度で少なかった。一方、比較例1では、高温保存時の膨れ量が85℃3時間保存で2.80mmであり、85℃12時間保存ではガス発生によりセルが破壊したため測定することができなかった。比較例2では、高温保存時の膨れ量が85℃3時間保存で2.65mmであり、85℃12時間保存ではガス発生によりセルが破壊したため測定することができなかった。比較例3では、高温保存時の膨れ量が85℃3時間保存で2.30mmであり、85℃12時間保存ではガス発生によりセルが破壊したため測定することができなかった。比較例4では、高温保存時の膨れ量が85℃3時間保存で2.90mmであり、85℃12時間保存ではガス発生によりセルが破壊したため測定することができなかった。比較例5では、高温保存時の膨れ量が85℃3時間保存で2.80mmであり、85℃12時間保存ではガス発生によりセルが破壊したため測定することができなかった。比較例6では、高温保存時の膨れ量が85℃3時間保存で2.65mmであり、85℃12時間保存ではガス発生によりセルが破壊したため測定することができなかった。
なお、データを省略するが、例えば、コバルトを主成分とするリチウム複合酸化物では、実施例1〜実施例3で行った正極活物質に対する表面処理(以下、上記の正極活物質に対する処理)や実施例4〜実施例6で行った正極に対する処理(以下、上記の正極に対する処理)を行っても、ガス発生の抑制効果の度合いは少ない。これは、コバルトを主成分とするリチウム複合酸化物は、上記の正極活物質に対する処理または上記の正極に対する処理を行わなくても、ガス発生量が少ないからである。一方、実施例で示したように、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物では、上記の正極活物質に対する処理や上記の正極に対する処理を行うと、これらの処理を行わない場合に比べて、ガス発生を著しく低減できる。これより、実施例1〜実施例3のような正極活物質に対する表面処理や実施例4〜実施例6のような正極に対する処理は、ガス発生の抑制の点から、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物では、特に有効であることがわかった。
5.他の実施の形態
この発明は、上述したこの発明の実施の形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、第2の実施の形態の正極を、第3の実施の形態および第4の実施の形態に採用してもよい。
例えば、第1〜第4の実施の形態では、扁平型(ラミネート型)、円筒型の二次電池を例に挙げたが、ボタン型、薄型、大型および積層ラミネート型の二次電池についても同様に適用することができる。
例えば、第1〜第4の実施の形態では、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、負極活物質にリチウム金属を用い、負極の容量が、リチウムの析出および溶解による容量成分により表されるいわゆるリチウム金属二次電池についても同様に適用できる。かた、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、且つその和により表されるようにした二次電池についても同様に適用できる。
11、45・・・正極リード
12、46・・・負極リード
18・・・密着フィルム
20・・・巻回電極体
21、41・・・正極
21A、41A・・・正極集電体
21B、41B・・・正極活物質層
22、42・・・負極
22A、42A・・・負極集電体
22B、42B・・・負極活物質層
23、43・・・セパレータ
24・・・電解質
25・・・保護テープ
30・・・外装部材
31・・・電池缶
32・・・絶縁板
34・・・電池蓋
35A・・・ディスク板
35・・・安全弁機構
36・・・熱感抵抗素子
37・・・ガスケット
40・・・巻回電極体
44・・・センターピン

Claims (16)

  1. ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であって、
    該リチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価にされた正極活物質。
  2. 上記リチウム複合酸化物は、さらにコバルトを含むものであり、
    上記リチウム複合酸化物の表面層に存在するコバルトの少なくとも1部の価数が2価にされた
    請求項1記載の正極活物質。
  3. 上記リチウム複合酸化物は、平均組成が式(1)で表されるものである
    請求項1記載の正極活物質。
    式(1)
    LixCoyNiz1-y-zb-aa
    (式中、Mは、ホウ素(B)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、インジウム(In)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびアンチモン(Sb)から選ばれる1種以上の元素である。Xは、ハロゲン元素である。x、y、z、aおよびbはそれぞれ0.8<x≦1.2、0≦y≦0.5、0.5≦z≦1.0、1.8≦b≦2.2、0≦a≦1.0の範囲内の値である。)
  4. XPS分析によるNi2P3/2のピークが856eV以上860eV以下にある
    請求項1正極活物質。
  5. XPS分析によるCo2P3/2のピークが780eV以上784eV以下にある
    請求項2正極活物質。
  6. 上記リチウム複合酸化物の上記表面層の内側の領域に存在するニッケルの価数が3価である請求項1記載の正極活物質。
  7. 上記リチウム複合酸化物の上記表面層の内側の領域に存在するニッケルおよびコバルトの価数が3価である請求項2記載の正極活物質。
  8. 正極活物質を含有する正極であって、
    上記正極活物質は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であって、
    該リチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価にされたものである正極。
  9. 正極活物質を含む正極と、
    負極と、
    非水電解質と有し、
    上記正極活物質は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物であって、
    該リチウム複合酸化物の表面層に存在するニッケルの少なくとも1部の価数が2価にされたものである非水電解質電池。
  10. ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を、350℃以下の雰囲気温度で不活性雰囲気または還元雰囲気に晒す表面処理工程を有する正極活物質の製造方法。
  11. 上記雰囲気温度は、100℃以上300℃以下である
    請求項10記載の正極活物質の製造方法。
  12. 上記リチウム複合酸化物を焼成によって得た後、常温に冷却する冷却工程をさらに有し、
    上記冷却工程後、上記表面処理工程を行う請求項10記載の正極活物質の製造方法。
  13. ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物と結着剤とを少なくとも含む正極合剤スラリー調製工程と、
    上記正極合剤スラリーを正極集電体に塗布し乾燥して、上記正極集電体に正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、
    上記正極活物質層を形成した正極集電体を中性液または酸性液に浸す工程と
    を有する正極の製造方法。
  14. 上記中性液は純水または中性の水溶液であり、上記酸性液は酸性の水溶液である
    請求項13記載の正極の製造方法。
  15. 正極活物質を有する正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質電池の製造方法であって、
    上記正極活物質の製造工程は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物を350℃以下の雰囲気温度で不活性雰囲気または還元雰囲気に晒す表面処理工程を有する非水電解質電池の製造方法。
  16. 正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質電池の製造方法であって、
    上記正極の製造工程は、ニッケルを主成分とするリチウム複合酸化物と結着剤とを少なくとも含む正極合剤スラリー調製工程と、
    上記正極合剤スラリーを正極集電体に塗布し乾燥して、上記正極集電体に正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、
    上記正極活物質層が形成された正極集電体を中性液または酸性液に浸す工程と
    を有する非水電解質電池の製造方法。
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