JP2011117644A - 空気調和機の内外通信線固定構造 - Google Patents

Abstract

【課題】狭いスペースでも端子台に接続された複数本の内外通信線を、効率よく固定することができ、安価で組立性にすぐれた空気調和機の内外通信線固定構造を提供すること。
【解決手段】１台の室外機１に対して複数本の内外通信線７により複数台の室内機が接続されたマルチタイプの空気調和機において、複数本の内外通信線７を、通信線固定具１０により室外機１の本体に一括して固定した。
【選択図】図１

Description

本発明は、１台の室外機に対して複数台の室内機が接続されるマルチタイプの空気調和機における、室外機と室内機を接続する内外通信線の固定構造に関するものである。

図１０は従来の空気調和機の室外機の断面パネルを取外した状態の斜視図、図１１は図１０の電気品取付けベース周辺の正面図、図１２は図１１の要部の側面図である。
室外機７０の一方の側には、下部に圧縮機７２や配管７３が設置され、上部に電気品取付けベース７４が設けられて、各室内機に対応した複数の端子台７５ａ〜７５ｎや電気品などが配設された機械室７１が設けられている。

そして、各端子台７５ａ〜７５ｎには、一端がそれぞれ室内機（図示せず）に接続された複数の内外通信線７６ａ〜７６ｎがそれぞれ接続されており、これら内外通信線７６ａ〜７６ｎは１本又は複数本に纏められて、帯状の押え金具７７ａ，７７ｂ，７７ｃにより電気品取付けベース３４に固定されている。なお、７８は機械室７１の他方の側面から背面にかけて設置された熱交換器、７９は前面側に吹出しグリル（図示せず）を有し、前面と他方の側面を覆う前面パネルで、熱交換器７８と前面パネル７９との間には、機械室７１との間に仕切り板８０を介して、送風機等が設置された送風室８１が設けられている。

また、ケーブルを所定の向きに通すための長穴が設けられて階段状に形成された受け金具と、複数のＵ形曲げ部を有し受け金具の面にそれぞれ取付けられる押え金具とを有し、長穴に通したケーブルを受け金具と押え金具のＵ字状曲げ部との間に挟持して固定するようにしたケーブル保持構造も開示されている（例えば、特許文献１参照）。

実公平１−８７５８６号公報（第３−４頁、図１）

図１０〜図１２に示した従来の内外通信線固定構造においては、帯状の押え金具７７ａ〜７７ｃにより内外通信線７６ａ〜７６ｎを固定しているため、押え金具７７ａ〜７７ｃは、各端子台７５ａ〜７５ｎに接続された１本又は２本の内外通信線７６ａ〜７６ｎに対して、それぞれ設置スペースが必要であり、このため、狭いスペースでは複数本の内外通信線７６ａ〜７６ｎを設置することは困難であった。

また、特許文献１のケーブル保持構造では、階段状に形成された受け金具の長穴に複数本のケーブルを挿通しなければならないため、設置が面倒で多くの工数を必要とするという問題があった。

本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、狭いスペースでも端子台に接続された複数本の内外通信線を、効率よく固定することができ、安価で組立性、サービス性にすぐれた空気調和機の内外通信線固定構造を提供することを目的とするものである。

本発明に係る空気調和機の内外通信線固定構造は、１台の室外機に対して複数本の内外通信線により複数台の室内機が接続されたマルチタイプの空気調和機において、前記複数本の内外通信線を、通信線固定具により前記室外機の本体に一括して固定したものである。

本発明によれば、複数本の内外通信線を通信線固定具により、効率よく一括して室外機の本体に固定することができるので、安価で狭いスペースでも組立性、サービス性にすぐれた内外通信線の固定構造を得ることができる。

本発明の実施の形態１に係る空気調和機の内外通信線固定構造の説明図である。 一部を省略した空気調和機の室外機の斜視図である。 図２の電気品取付部の正面図である。 図３の通信線固定具により複数本の内外通信線を固定した状態を示す側面図である。 図４の通信線固定具の分解斜視図である。 本発明の実施の形態２に係る空気調和機の内外通信線固定構造の説明図である。 図６の通信線固定具により複数本の内外通信線を固定した状態を示す側面図である。 図７の通信線固定具の分解斜視図である。 図８の通信線固定具により複数本の内外通信線を固定する手順の説明図である。 従来の空気調和機の室外機の側面パネルを取外した状態の斜視図である。 図１０の電気取付ベース周辺の正面図である。 図１１の要部の側面図である。

［実施の形態１］
図１は本発明の実施の形態１に係る空気調和機の内外通信線固定構造の説明図、図２は一部を省略した空気調和機の室外機の斜視図、図３は図２の電気品取付部の正面図である。
室外機１の一方の側に設けた機械室２の下部には、圧縮機（図示せず）や配管３などが設置されており、上部には電気品取付部４が設けられている。なお、８は背面から他方の側面にかけて設置された熱交換器、９は機械室２と隣接する送風室とを仕切る仕切り板である。

電気品取付部４の上部には電気部品等５が配設されており、その下部には複数の端子台６ａ〜６ｆ（以下、単に６と記すことがある）が設置されている。そして、これら端子台６ａ〜６ｆには、一端が各室内機（図示せず）に接続された複数本の内外通信線７ａ〜７ｆ（以下、単に通信線と記し、また、これらを一括して７で示すことがある）の他端がそれぞれ接続されており、これら複数本の通信線７ａ〜７ｆは、通信線固定具１０により一括して室外機１の本体（この場合は、仕切り板９）に固定されている。

図４は通信線固定具１０により複数本の通信線７を一括して仕切り板９に固定した状態を示す説明図、図５は図４の通信線固定具１０の分解斜視図である。
この通信線固定具１０は、図５に示すように、固定台座１１と、受け具２０と、押え具３０とからなっている。以下、これらについて詳細に説明する。

固定台座１１は、通信線７が保持される凹状の第１、第２の保持部１２ａ，１２ｂと、ねじ挿通穴１４を有し、両保持部１２ａ，１２ｂの間及び両側の保持部１２ａ，１２ｂより高い位置に設けられてねじ挿通穴１４を有する固定部１３ａ〜１３ｃと、両側の固定部１３ｂ，１３ｃの外壁から下方に延設されたのち外方に折り曲げられて、ねじ挿通穴１６が設けられた取付片１５ａ，１５ｂと、保持部１２ａ，１２ｂの両側から下方に延設されたのち外方に折り曲げられた支持片１７ａ，１７ｂとからなっている。

受け具２０は、その長さが固定台座１１の両固定部１３ｂ，１３ｃの外壁間の長さとほぼ等しく、その幅が固定台座１１の幅とほぼ等しく形成され、長手方向の両端部が下方に折り曲げられて係合片２３ａ，２３ｂが設けられた本体部２１を有し、この本体部２１の両側縁の固定台座１１の固定部１３ａ〜１３ｃに対応した位置には、上方に折り曲げられた挟持部２４ａ〜２４ｃがそれぞれ設けられており、挟持部２４ａと２４ｂの間、２４ａと２４ｃの間には通信線７の第１、第２の受け部２５ａ，２５ｂが設けられている。そして、本体部２１の各対向する挟持部２４ａ〜２４ｃの間には、固定台座１１の固定部１３ａ〜１３ｃに設けたねじ挿通穴１４に対応して、ねじ挿通穴２２（両側のねじ挿通穴２２は長穴になっている）が設けられている。

押え具３０は、その長さが受け具２０の受け板２１の長さとほぼ等しく、その幅は受け具２０の対向する挟持部２４ａ〜２４ｃの内壁間の間隔とほぼ等しく形成されている。そして、受け具２０の受け部２５ａ，２５ｂに対応して凸状の第１、第２の押え部３１ａ，３１ｂが設けられており、押え部３１ａ，３１ｂの間及び両端部には、受け具２０の挟持部２４ａ〜２４ｃに対応して、押え部３１ａ，３１ｂから下方に折り曲げられて平坦部を形成する取付部３２ａ〜３２ｂが設けられており、各取付部３２ａ〜３２ｂの平坦部には、受け具２０のねじ挿通穴２２に対応してねじ挿通穴３３が設けられている。

次に、上記のように構成した通信線固定具１０により、内外通信線７の固定手順の一例について、図３〜図５を参照して説明する。
先ず、室外機１の本体（この場合は、仕切り板９）の所定の位置に、固定台座１１の固定片１５ａ，１５ｂ及び支持片１７ａ，１７ｂを当接し、固定片１５ａ，１５ｂのねじ挿通穴１６に挿通したねじを仕切り板９に螺入し、固定台座１１を仕切り板９（室内機１の本体）に固定する。

ついで、固定台座１１の保持部１２ａ，１２ｂ上に、端子台６に接続された複数本の内外通信線７（図４には、通信線７ｅ，７ｆ，７ｎの場合が示してある）を載置し、その上に受け具２０を載置して係合片２３ａ，２３ｂを固定台座１１の固定部１３ａ，１３ｂの両側壁に嵌合する。これにより、通信線７は、固定台座１１の保持部１２ａ，１２ｂと受け具２０の受け部２５ａ，２５ｂとの間に挟持される。

次に、受け具２０の受け部２５ａ，２５ｂの上に複数本の通信線７（図４には、通信線７ｂ，７ｃ，７ａ，７ｄの場合が示してある）を載置する。そして、受け具２０の上から挟持部２４ａ〜２４ｃの間に押え具３０を嵌合し、受け具２０の受け部２５ａ，２５ｂと押え具３０の押え部３１ａ，３１ｂとの間に、通信線７を挟持する。

最後に、押え具３０、受け具２０及び固定台座１１に設けたねじ挿通穴３３，２２，１４に固定手段であるねじ３５を挿通し、固定台座１１の固定部１３ａ〜１３ｃの背面に設けたナット３６に螺入し、一体に固定する。なお、固定台座１１の背面に設けたナット３６にねじ３５を螺入する場合を示したが、ナットを省略し、固定台座１１のねじ挿通穴１４をねじ穴にして、これにねじ３５を螺入するようにしてもよい。

これにより、複数本の内外通信線７は、通信線固定具１０により一括して室外機１の本体に固定される。
また、保守等のために、各通信線７を取り外したりする場合は、通信線固定具１０のねじ３５を緩めて押え具３０又は押え具３０と受け具２０を取り外すことにより、容易に取り出すことができる。

本実施の形態によれば、一端が室内機に接続され、他端が室外機の端子台６に接続された複数本の内外通信線７を、通信線固定具１０により２段に重ねて室外機１の本体に一括して固定するようにしたので、狭いスペースにおいても多数の通信線７を容易に固定することができ、組立性及びサービス性を向上することができる。

［実施の形態２］
図６は本発明の実施の形態２に係る空気調和機の内外通信線固定構造の説明図、図７は図６の通信線固定具により複数本の内外通信線を一括して固定した状態を示す説明図、図８は図７の通信線固定具の分解斜視図である。なお、実施の形態１と同じ部分にはこれと同じ符号を付してある。

本実施の形態に係る通信線固定具１０は、固定台座４０と、複数の押え具５０と、受け具６０とからなっている。
固定台座４０は、断面ほぼコ字状で、両側板の自由端が外方に折り曲げられてねじ挿通穴４４ａ，４４ｂを有する取付片４３ａ，４３ｂが設けられた本体部４１を有し、天面には第１、第２の通信線７の受け部４２ａ，４２ｂが設けられている。そして、天面の幅方向の中央部の上下にはねじ挿通穴４５ａ，４５ｂが設けられており、受け部４２ａ，４２ｂの間には２つのねじ挿通穴４５ａ，４５ｂが並設されている。また、天面の四隅近傍には、それぞれねじ挿通穴４６が設けられている。

押え具５０は、その長さが固定台座４０の長さのほぼ２分の１で、その幅は本体部４１の幅より狭く形成されている。そして、固定台座４０の一方の受け部４２ａ（又は４２ｂ）に対応して凸状の押え部５１が設けられており、押え部５１の両端部は下方に折り曲げられたのち外方に折り曲げられて、ねじ挿通穴５３が設けられた取付片５２ａ，５２ｂが設けられている。なお、この押え具５０は、同じ構造のものが複数個（図には４個の場合が示してある）使用される。

受け具６０は、その長さが固定台座４０の長さとほぼ等しく、その幅は押え具５０の幅より若干広く形成された断面ほぼコ字状の本体部６１を有し、本体部６１の両側壁の長手方向の両端部及び中央部から、下方に延説されたのち外方に折り曲げられた固定片６３ａ〜６３ｃが設けられており、両端部の固定片６３ａ，６３ｂには、固定台座４０のねじ挿通穴４６に対応してねじ挿通穴６４が設けられている。
そして、天面には第１、第２の通信線７の受け部６２ａ，６２ｂが設けられており、天面の幅方向の中心部の固定台座４０のねじ挿通穴４５ａ，４５ｂに対応した位置には、ねじ挿通穴６５ａ，６５ｂが設けられている。

次に、上記のように構成した通信線固定具１０により、複数の内外通信線７を、一括して固定する手順について、図７〜図９を参照して説明する。
先ず、固定台座１０の取付片４３ａ，４３ｂを室外機１の本体（この場合は仕切り板９）の所定の位置に当接し、ねじ挿通穴４４ａ，４４ｂに挿通したねじを仕切り板９に螺入し、固定台座１０を固定する。

ついで、固定台座４０の一方の受け部４２ａ（又は４２ｂ）上に１本又は２本の通信線７を載置し、その上を押え具５０ａで覆って取付片５２ａ，５２ｂを固定台座４０の天面に当接し、取付片５２ａ，５２ｂのねじ挿通穴５３に挿通したねじをねじ挿通穴４５ａに挿通し、背面に設けたナットに螺入して固定する。これにより、通信線７は、固定台座４０と押え具５０ａとの間に挟持され、固定される。
同様にして、固定台座４０の他方の受け部４２ｂに通信線７を載置し、押え具５０ｂにより固定台座４０との間に挟持し、固定する（上記押え具５０ａ，５０ｂを第１の押え具と記すことがある）。

次に、両押え具５０ａ，５０ｂの上から受け具６０を嵌合し、その固定片６３ａ〜６３ｃを固定台座４０の天面に当接する。そして、固定片６３ａ，６３ｂに設けたねじ穴６４に挿通したねじを、固定台座４０のねじ挿通穴４６に挿通して背面に設けたナットに螺入し、固定する。

次に、受け具６０の天面の一方の受け部６２ａ（又は６２ｂ）上に通信線７を載置し、前記と同様に押え具５０ｃにより挟持、固定する。また、同様にして、他方の受け部６２ｂに載置した通信線７を押え具５０ｄにより挟持し、固定する（上記の押え具５０ｃ，５０ｄを第２の押え具と記すことがある）。これにより複数本の通信線７は一括して通信線固定具１０に固定される。なお、上記の説明では、固定台座４０に設けたねじ挿通穴４５ａ，４５ｂ，４６、受け具６０に設けたねじ挿通穴６５ａ，６５ｂには、背面側にナットを設けてねじを螺入する場合を示したが、ナットを省略し、ねじ挿通穴４５ａ，４５ｂ，４６、６５ａ，６５ｂに代えて、ねじ穴を設け、このねじ穴にねじを螺入するようにしてもよい。

本実施の形態においても実施の形態１の場合とほぼ同様の効果を得ることができるが、さらに、複数個の小形の押え具５０を設けて通信線７を固定するようにしたので、固定する通信線７の数に応じて適宜固定具５０を使用することができ、また、保守等の際には、対象となる通信線７の押え具５０又は押え具５０と受け具６０だけを取り外せばよいので、作業が容易である。

１ 室外機、６ 端子台、７ 通信線、１０ 通信線固定具、１１ 固定台座、１２ａ，１２ｂ 第１、第２の保持部、２０ 受け具、２３ａ，２３ｂ 係合片、２４ａ，２４ｂ 挟持部、２５ａ，２５ｂ 第１、第２の受け部、３０ 押え具、３１ａ，３１ｂ 第１、第２の押え部、４０ 固定台座、４２ａ，４２ｂ 第１、第２の受け部、５０ 押え具、５１ 押え部、６０ 受け具、６２ａ，６２ｂ 第１、第２の受け部。

Claims (3)

1. １台の室外機に対して複数本の内外通信線により複数台の室内機が接続されたマルチタイプの空気調和機において、
   前記複数本の内外通信線を、通信線固定具により前記室外機の本体に一括して固定したことを特徴とする空気調和機の内外通信線固定構造。
2. 前記通信線固定具を、
   凹状の第１、第２の保持部を有し、前記室外機の本体に固定されて前記保持部に内外通信線が載置される固定台座と、
   第１、第２の受け部及び両側縁に挟持部を有し、前記固定台座上に配設されて両端部に設けた係合片により該固定台座に係止され、前記受け部に内外通信線が載置される受け具と、
   凸状の第１、第２の押え部を有し、前記受け具の上に挟持部に挟持されて配設される押え具と、
   該押え具及び前記受け具を前記固定台座に固定する固定手段とによって構成したことを特徴とする請求項１記載の空気調和機の内外通信線固定構造。
3. 前記通信線固定具を、
   断面ほぼコ字状の本体部を有し、前記室外機の本体に固定されて天面の第１、第２の受け部に内外通信線が載置される固定台座と、
   該固定台座より幅狭かつ該固定部材の２分の１程度の長さで凸状の押え部を有し、前記固定台座の受け部上に配設されて該固定台座に固定される第１の押え具と、
   該押え具より幅広で断面ほぼコ字状に形成され、前記押え具を覆って前記固定台座に固定されて天面の第１、第２の受け部に内外通信線が載置される受け具と、
   該受け具の受け部上に配設されて該受け具に固定される前記第１の押え具と同じ構造の第２の押え具とによって構成したことを特徴とする請求項１記載の空気調和機の内外通信線固定構造。

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