JP2011112824A - マスクブランク及び転写用マスク並びにそれらの製造方法 - Google Patents

マスクブランク及び転写用マスク並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第一に、波長200nm以下の露光光に対する位相シフト膜や遮光膜の耐光性を向上させ、転写用マスク寿命を改善できるマスクブランク及び転写用マスクの製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、第二に、位相シフト膜や遮光膜の薄膜化を可能とするマスクブランク及び転写用マスクの製造方法を提供することである。
【解決手段】ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクにおいて、前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とするマスクブランクである。
【選択図】図4

Description

本発明は、耐光性を向上させたマスクブランク及び転写用マスク並びにそれらの製造方法に関する。特に、波長200nm以下の短波長の露光光を露光光源とする露光装置に好適に用いられる転写用マスクを製造するためのマスクブランク及び転写用マスクの製造方法に関する。
一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚もの転写用マスクと呼ばれている基板が使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
フォトリソグラフィー法による転写用マスクの製造には、ガラス基板等の透光性基板上に転写パターン(マスクパターン)を形成するための薄膜(例えば遮光膜など)を有するマスクブランクが用いられる。このマスクブランクを用いた転写用マスクの製造は、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、所望のパターン描画を施す露光工程と、所望のパターン描画に従って前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、レジストパターンに従って前記薄膜をエッチングするエッチング工程と、残存したレジストパターンを剥離除去する工程とを有して行われている。上記現像工程では、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し所望のパターン描画を施した後に現像液を供給して、現像液に可溶なレジスト膜の部位を溶解し、レジストパターンを形成する。また、上記エッチング工程では、このレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング又はウエットエッチングによって、レジストパターンの形成されていない薄膜が露出した部位を溶解し、これにより所望のマスクパターンを透光性基板上に形成する。こうして、転写用マスクが出来上がる。
半導体装置のパターンを微細化するに当たっては、転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化に加え、フォトリソグラフィーで使用される露光光源波長の短波長化が必要となる。半導体装置製造の際の露光光源としては、近年ではKrFエキシマレーザー(波長248nm)から、ArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化が進んでいる。
また、転写用マスクの種類としては、従来の透光性基板上にクロム系材料からなる遮光膜パターンを有するバイナリマスクのほかに、ハーフトーン型位相シフトマスクが知られている。このハーフトーン型位相シフトマスクは、透光性基板上に位相シフト膜を有する構造のもので、この位相シフト膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%〜20%)を透過させ、所定の位相差を有するものであり、例えばモリブデンシリサイド化合物を含む材料等が用いられる。このハーフトーン型位相シフトマスクは、位相シフト膜をパターニングした位相シフト部と、位相シフト膜が形成されていない実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部とによって、位相シフト部を透過した光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって、位相シフト部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回り込んだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラスト即ち解像度を向上させるものである。この位相シフト膜の材料としては、モリブデンとケイ素を含む材料であるモリブデンシリサイドの化合物が広く用いられている。
また、主にエンハンサーマスクのパターン形成用の薄膜として用いられる特殊なタイプの光半透過膜がある。この光半透過膜で形成される光半透過部は、露光光を所定の透過率で透過させるが、ハーフトーン型位相シフト膜とは異なり、光半透過部を透過した露光光の位相が光透過部を透過する露光光との間でほぼ同じ位相となるものである。この光半透膜の材料としても、モリブデンとケイ素を含む材料であるモリブデンシリサイドの化合物が広く用いられている。
さらに、近年では、モリブデンシリサイドの化合物を遮光膜として用いたバイナリマスクなども出現している。
他方、パターンの微細化が進み、露光波長(ArFエキシマレーザ:193nm)よりも短いパターン線幅とする必要性が生じ、開口数がNA>1の超高NA露光方法、例えば液浸露光が開発され、使用され始めている。
液浸露光は、ウェハと露光装置の最下レンズとの間を液体で満たすことで、屈折率が1の空気の場合に比べて、液体の屈折率倍にNAを高めることができるため、解像度を向上できる露光方法である。開口数(NA:Numerical Aperture)は、NA=n×sinθで表される。θは露光装置の最下レンズの最も外側に入る光線と光軸とがなす角度、nはウェハと露光装置の最下レンズとの間における媒質の屈折率である。
この液浸露光では、露光光の転写用マスクへの入射角度(基板の法線と入射光のなす角)を大きくする(斜め入射にする)する必要がある。しかし、この転写用マスクへの入射角度(基板の法線と入射光のなす角)を大きくしていくと、遮蔽効果(シャドーイング)という問題が発生し、解像度に悪影響を及ぼすものとなる。具体的には転写用マスクのパターン側壁に対して露光光が斜め入射されると、パターンの3次元的構造(特に高さ)から影ができる。この影によって、転写用マスク上のサイズが正確に転写されなくなり、また、光量が小さくなる(暗くなる)。
このため、パターン側壁の高さを低くする必要がある。すなわち、遮光膜の薄膜化が必要となる。
特開2002−156742号公報 特開2002−258455号公報
ところが、近年の露光光源波長の短波長化に伴い、転写用マスクの繰返し使用によるマスク劣化が顕著になってきた。特に位相シフトマスクの場合、露光光源のArFエキシマレーザー(波長193nm)照射により、透過率や位相差の変化が起こり、さらに線幅が変化する(太る)という現象も発生している。位相シフトマスクの場合、このような透過率、位相差の変化はマスク性能に影響を与える重要な問題である。透過率の変化が大きくなると転写精度が悪化すると共に、位相差の変化が大きくなると、パターン境界部における位相シフト効果が得られにくくなり、パターン境界部のコントラストが低下し、解像度が大きく低下してしまう。また、線幅変化も転写用マスクのCD精度、最終的には転写されるウェハのCD精度を悪化させることになる。
転写用マスクの繰返し使用によるマスク劣化の問題は、特に、遷移金属とケイ素を含む材料(遷移金属シリサイド)の化合物が位相シフト膜(ハーフトーン型位相シフト膜)の材料として用いられる位相シフトマスクにおいて顕著であるが、遷移金属とケイ素を含む材料の化合物が光半透過膜の材料として用いられるエンハンサーマスクにおいても、光半透過膜の透過率変化、位相差の変化、線幅変化(太り)に係るCD精度の悪化の問題が発生している。また、遷移金属とケイ素を含む材料やその化合物からなる遮光膜を有するバイナリマスクにおいても、遮光膜の線幅変化(太り)に係るCD精度の悪化の問題が発生している。
本発明者の検討によれば、このような転写用マスクの繰返し使用によるマスク劣化の問題の背景は次のように推察される。従来は、例えばヘイズが発生するとヘイズを除去するための洗浄を行っていたが、洗浄による膜減り(溶出)は避けられず、いわば洗浄回数がマスク寿命を決定していた。しかし、近年のヘイズの改善によって洗浄回数が低減したため、マスクの繰返し使用期間が延び、その分露光時間も延びたため、特にArFエキシマレーザーなどの短波長光に対する耐光性の問題が新たに顕在化してきた。
他方、前記のとおり、転写用マスク加工時の解像性向上のため、液浸露光の問題点に対応するため、遮光膜の薄膜化が求められている。さらに、パターンの微細化に伴い、転写用マスクの製造コストが上昇してきていることから、転写用マスクの長寿命化のニーズが高まってきており、転写用マスクの耐薬性や耐温水性についても更なる向上が求められている。
従来においても、位相シフト膜の露光光照射による透過率や位相差の変化を抑制するために、例えば、金属及びシリコンを主成分とする位相シフト膜を大気中又は酸素雰囲気中で250〜350℃、90〜150分加熱処理すること(例えば上記特許文献1)や、金属及びシリコンを主成分とする位相シフト膜上に金属及びシリコンを主成分とするキャップ層を形成すること(例えば上記特許文献2)は行われていたが、近年の露光光源の短波長化が進む中で、露光光に対する膜の耐光性の更なる向上が求められている。
そこで本発明は、従来の課題を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、第一に、波長200nm以下の露光光に対する遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜(位相シフト膜、光半透過膜、遮光膜)の耐光性を向上させ、転写用マスク寿命を改善できるマスクブランク及び転写用マスクの製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、第二に、パターン形成用薄膜の薄膜化を可能とするマスクブランク及び転写用マスクの製造方法を提供することである。
本発明者は、露光光源波長の短波長化に伴い、転写用マスクの繰返し使用による劣化が顕著になってきた要因を以下のように推測した。なお、本発明は、実施例で述べるように、本願発明者らの鋭意努力による実験の結果から、本発明の所定の構成を有することにより本発明の効果を奏することが明らかとなったものなので、以下に述べる推測に拘束されるものではない。
本発明者は、繰返し使用によって透過率や位相差変化が生じたMoSi系材料からなるハーフトーン型位相シフトマスクのハーフトーン型位相シフト膜パターンを調べた結果、MoSi系膜の表層側にSiとO、若干のMoを含む変質層ができており、これが透過率や位相差の変化、線幅の変化(太り)の主な原因の一つであることが判明した。そして、このような変質層が生じる理由(メカニズム)は次のように考えられる。すなわち、従来のスパッタ成膜されたMoSi系膜(位相シフト膜)は構造的には隙間があり、成膜後にアニールしたとしてもMoSi膜の構造の変化が小さいため、位相シフトマスクの使用過程においてこの隙間に、例えば大気中の酸素(O)や水(HO)、酸素(O)がArFエキシマレーザーと反応することによって発生するオゾン(O)等が入り込んで、位相シフト膜を構成するSiやMoと反応する。つまり、このような環境で位相シフト膜を構成するSi及びMoは露光光(特にArFなどの短波長光)の照射を受けると励起され遷移状態となり、Siが酸化及び膨張する(SiよりもSiOの体積が大きいため)と共に、Moも酸化して位相シフト膜の表層側に変質層が生成される。そして位相シフトマスクの繰返し使用により、露光光の照射を累積して受けると、Siの酸化及び膨張がさらに進行すると共に、酸化されたMoは変質層中を拡散し、表面に析出して、例えばMoOとなって昇華し、その結果、変質層の厚みが次第に大きくなる(MoSi膜中での変質層の占める割合が大きくなる)ものと考えられる。このような変質層が発生し、さらに拡大していく現象は、位相シフト膜を構成するSiやMoの酸化反応のきっかけとなるこれらの構成原子が励起され遷移状態となるのに必要なエネルギーを有するArFエキシマレーザー等の短波長の露光光の場合に顕著に確認される。このような現象は、MoSi系材料に限られたものではなく、他の遷移金属とケイ素を含む材料からなる位相シフト膜でも同様のことがいえる。また、遷移金属とケイ素を含む材料からなる光半透過膜を備えるエンハンサーマスク、遷移金属とケイ素を含む材料からなる遮光膜を備えるバイナリマスクの場合も同様である。
本発明者は、以上の解明事実、考察に基づき、さらに鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したものである。すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
本発明は、下記の構成1〜3であることを特徴とするマスクブランクである。
(構成1)
ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクにおいて、前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とするマスクブランクである。
(構成2)
前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、構成1記載のマスクブランクである。
(構成3)
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成1又は2のいずれか1項記載のマスクブランクである。
本発明は、下記の構成4〜6であることを特徴とする転写用マスクである。
(構成4)
ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備えた転写用マスクにおいて、前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、前記パターン形成用薄膜の表層及び転写パターン側壁の表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とする転写用マスクである。
(構成5)
前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、構成4記載の転写用マスクである。
(構成6)
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成4又は5記載の転写用マスクである。
本発明は、下記の構成7〜13であることを特徴とするマスクブランクの製造方法である。
(構成7)
ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜する工程と、前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法である。
(構成8)
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、構成8記載のマスクブランクの製造方法である。
(構成9)
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、構成7記載のマスクブランクの製造方法である。
(構成10)
前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、構成7記載のマスクブランクの製造方法である。
(構成11)
ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜の下層を成膜する工程と、前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法である。
(構成12)
前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、構成7〜11のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法である。
(構成13)
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成7〜12のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法である。
本発明は、下記の構成14〜20であることを特徴とする転写用マスクの製造方法である。
(構成14)
ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜してマスクブランクを製造する工程と、前記マスクブランクのパターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成された前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法である。
(構成15)
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、構成14記載の転写用マスクの製造方法である。
(構成16)
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、構成14記載の転写用マスクの製造方法である。
(構成17)
前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、構成14記載の転写用マスクの製造方法である。
(構成18)
ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜の下層を成膜してマスクブランクを製造する工程と、前記下層に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成された前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法である。
(構成19)
前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、構成14〜18のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法である。
(構成20)
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成14〜19のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法である。
本発明のマスクブランクの構成1〜3について説明する。
本発明は、構成1にあるように、ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクにおいて、前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とするマスクブランクである。
構成1にあるように、本発明のマスクブランクのパターン形成用薄膜には、酸化層が形成されている。本発明において、酸化層の役割は次のとおりである。MoSi膜等に代表される遷移金属とケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜における変質層の発生メカニズムは前述したとおりであるが、この場合のSiの酸化速度(dx/dt)は、dx/dt=k・C/Nで表わすことができる。ここで、kは酸化界面における酸化反応係数、Cは酸化界面におけるO/HO濃度、Nは単位体積あたりのSiO分子数である。従って、例えば、Nの値を大きくすることによってSiの酸化速度を抑制することができる。そこで、構成1のように、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成することにより、パターン形成用薄膜の表層(酸化層の表層)のSiO分子数を増加させることで、Siの酸化速度を抑制することができる。このSiの酸化速度の抑制により、たとえHO、OやOを含む環境で転写用マスクに対してArFエキシマレーザーなどの露光光照射が行われても、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を効果的に抑えることが可能である。そのため、本発明のマスクブランクを用いた転写用マスクの繰返し使用を行い、本発明のマスクブランクを用いた転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
また、構成1にあるように、本発明に係る透光性基板上に転写パターンを形成するためのパターン形成用薄膜を有するマスクブランクは、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後におけるパターン形成用薄膜の膜厚の減少率が2%以下である。透光性基板上にパターン形成用薄膜を成膜したパターン形成用薄膜付き基板に対して一旦加圧処理して得られるマスクブランクの場合、そのパターン形成用薄膜を4000気圧で再度加圧処理しても、加圧前後におけるパターン形成用薄膜の膜厚の減少率は2%以下と非常に小さくなる。すなわち、本発明のマスクブランクのパターン形成用薄膜は緻密であるため、ArFエキシマレーザーなどの露光光照射が行われても、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を効果的に抑えることが可能である。そのため、転写用マスクの繰返し使用を行い、転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
なお、マスクブランクの透光性基板上に形成されるパターン形成用薄膜は、膜厚が薄く、膜厚分布が均一で、かつ結晶粒径が微細(好ましくはアモルファス状態)になるようにする必要があるため、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンビームスパッタリング等に代表されるスパッタリング法で成膜することが一般的である。しかし、スパッタリング法による成膜は、成膜時は成膜室内を低圧状態にする必要があるため、透光性基板上に成膜されるパターン形成用薄膜は、膜密度が低い。このため、一度も1000気圧以上で加圧していないパターン形成用薄膜の場合、4000気圧で加圧すると、2%よりも大きな減少率で膜厚が薄くなるのが通常である。特に、遷移金属とケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜の場合、構造的な隙間が大きく、その傾向が顕著である。
構成2にあるように、本発明のマスクブランクにおけるパターン形成用薄膜の酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることが好ましい。4000気圧で再度加圧処理しても、加圧前後における膜厚の減少率は2%以下と非常に小さいパターン形成用薄膜の場合、その表層の酸化層も膜密度の高い緻密な層になっている。このような緻密な酸化層は、単位体積当たりのSiO分子数が非常に多くなり、1nm以上5nm未満の厚さ程度でも、パターン形成用薄膜内のSiの酸化速度を大幅に抑制することができる。よって、パターン側壁に対する露光光の照射を防止し、微細化パターン形成の際の解像度に対する悪影響を低減することができる。また、酸化層の膜厚が5nm未満であると、酸化層のパターン形成用薄膜に与える光学的な影響(透過率、位相シフト量等)が小さく膜設計がしやすい。なお、酸化層の厚さが4nm以下であると酸化層のパターン形成用薄膜に与える光学的な影響がより小さくなり好ましい。
構成3にあるように、本発明のマスクブランクにおけるパターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることが好ましい。パターン形成用薄膜としてハーフトーン型位相シフト膜を用いることにより、より微細パターンの形成を行うことができる。
本発明のマスクブランクは、構成1〜3に加えて、下記の構成3aを有することができる。
(構成3a)
前記パターン形成用薄膜は、透光性基板側から、遷移金属とケイ素を含有する材料からなる遮光層と、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなる表面反射防止層とが順に積層してなる遮光膜であり、前記遮光膜の光学濃度が2.5以上であり、前記表面反射防止層の表層に前記酸化層を有することを特徴とする構成1又は2のいずれか1項記載のマスクブランクである。
構成3aにおいて、本発明のマスクブランクのパターン形成用薄膜は遮光膜である。また、遮光膜は、所定の材料からなる遮光層と、所定の材料からなる表面反射防止層との2層構造であり、光学濃度が2.5以上である。本発明のパターン形成用薄膜が本構成を有することにより、露光の際にバイナリマスクの遮光膜として必要な遮光性能を確保することができる。なお、本構成の場合には、表面反射防止層の表層に上述の酸化層が配置される。
次に、本発明の転写用マスクの構成4〜7について説明する。
本発明は、構成4にあるように、ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備えた転写用マスクにおいて、前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、前記パターン形成用薄膜の表層及び転写パターン側壁の表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とする転写用マスクである。
構成4にあるように、本発明の転写用マスクのパターン形成用薄膜が所定の酸化層及び加圧による所定の膜厚の減少率を有する。そのため、構成1と同様に、転写用マスクの繰返し使用を行い、転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
構成5にあるように、本発明の転写用マスクにおけるパターン形成用薄膜の酸化層の厚さは、構成2と同様に、1nm以上5nm未満であることが好ましい。
構成6にあるように、本発明の転写用マスクにおけるパターン形成用薄膜は、構成3と同様に、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることが好ましい。
また、本発明のパターン形成用薄膜は、構成3aと同様に、所定の材料からなる遮光層と、所定の材料からなる表面反射防止層との2層構造である、所定の遮光膜であることが好ましい。
次に、本発明のマスクブランクの製造方法の構成7〜13について説明する。
本発明は、構成7にあるように、ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜する工程と、前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法である。
構成7にあるように、本発明のマスクブランクの製造方法において、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行うことにより、パターン形成用薄膜を構成するSi原子の酸化速度を抑制し、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を抑えることができる。そのため、ArFエキシマレーザーなどの波長200nm以下の短波長光を露光光源としてパターン形成用薄膜の繰返し使用を行い、パターン形成用薄膜の転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
また、構成7にあるように、本発明のマスクブランクの製造方法において、アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理することによって、パターン形成用薄膜が押しつぶされて膜構造が密になる(膜密度が高まる)ため、上述の酸素や水等による攻撃を受け難くなり、従来のような変質層が生成されるのを抑制できる。そのため、ArFなどの短波長光を露光光源として転写用マスクの繰返し使用を行っても、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができる。また、耐薬性や耐湿水性も向上する。
また、アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理することによって、パターン形成用薄膜の膜構造が密になる(膜密度が高まる)ため、例えば遮光膜の場合、従来のものより薄い膜厚にしても所定の光学濃度が得られるので、レジスト膜の薄膜化と相俟って、微細パターンの形成に好適である。マスク加工後における遮光膜のパターン側壁高さを低くすることができるので、液浸露光技術に用いる転写用マスクに好適である。
なお、パターン形成用薄膜を加圧処理することにより、パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であるようにすることができる。
構成8にあるように、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることが好ましい。この加熱処理により、酸化層を確実に形成することができる。また、この加熱処理により、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成することができる。
なお、この場合、酸化層形成のための加熱処理を確実に行うために、加熱処理の温度は、450℃〜900℃であることが好ましい。
また、構成9にあるように、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることが好ましい。このフラッシュランプ照射によっても、酸化層を確実に形成することができる。
なお、この場合、酸化層形成のためのラッシュランプ照射による処理を確実に行うために、フラッシュランプ照射の照射光は、エネルギー密度が5〜14J/cmであることが好ましい。
また、構成10にあるように、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理は、酸素プラズマ処理であることが好ましい。この酸素プラズマ処理によっても、酸化層を確実に形成することができる。
本発明は、構成11にあるように、ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜の下層を成膜する工程と、前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法である。
構成11のマスクブランクの製造方法では、構成7のアニール処理を行う代わりに、パターン形成用薄膜を遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる下層と、ケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層である上層を成膜との積層構造とする。この積層構造のパターン形成用薄膜によっても、構成8のアニール処理と同様に、パターン形成用薄膜を構成するSi原子の酸化速度を抑制し、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を抑えることができる。
構成12にあるように、本発明のマスクブランクの製造方法における加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることが好ましい。この範囲の圧力による加圧処理によって、膜構造の緻密化を確実に行うことができる。
構成13にあるように、本発明のマスクブランクの製造方法におけるパターン形成用薄膜は、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることが好ましい。パターン形成用薄膜としてハーフトーン型位相シフト膜を用いることにより、より微細パターンの形成を行うことができる。
また、本発明のマスクブランクの製造方法におけるパターン形成用薄膜は、構成3aと同様に、所定の材料からなる遮光層と、所定の材料からなる表面反射防止層との2層構造である、所定の遮光膜であることが好ましい。
次に、本発明の転写用マスクの製造方法の構成14〜20について説明する。
本発明は、構成14にあるように、ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜してマスクブランクを製造する工程と、前記マスクブランクのパターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成された前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法である。
構成14にあるように、本発明の転写用マスクの製造方法では、所定のマスクブランクに所定の転写パターンを形成した後に、所定のアニール処理及び所定の加圧処理を行うことができる。
構成14にあるように、本発明の転写用マスクの製造方法において、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行うことにより、パターン形成用薄膜を構成するSi原子の酸化速度を抑制し、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を抑えることができる。そのため、ArFエキシマレーザーなどの波長200nm以下の短波長光を露光光源としてパターン形成用薄膜の繰返し使用を行い、パターン形成用薄膜の転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができる。
また、構成14にあるように、本発明の転写用マスクの製造方法において、アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理することによって、パターン形成用薄膜が押しつぶされて膜構造が密になる(膜密度が高まる)ため、上述の酸素や水等による攻撃を受け難くなり、従来のような変質層が生成されるのを抑制できる。そのため、ArFなどの短波長光を露光光源として転写用マスクの繰返し使用を行っても、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができる。また、耐薬性や耐湿水性も向上する。
また、アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理することによって、パターン形成用薄膜の膜構造が密になる(膜密度が高まる)ため、例えば遮光膜の場合、従来のものより薄い膜厚にしても所定の光学濃度が得られるので、レジスト膜の薄膜化と相俟って、微細パターンの形成に好適である。マスク加工後における遮光膜のパターン側壁高さを低くすることができるので、液浸露光技術に用いる転写用マスクに好適である。
なお、パターン形成用薄膜を加圧処理することにより、パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であるようにすることができる。
構成15にあるように、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理は、構成8と同様に、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることが好ましい。この加熱処理により、酸化層を確実に形成することができる。
なお、この場合、酸化層形成のための加熱処理を確実に行うために、加熱処理の温度は、構成8と同様に、450℃〜900℃であることが好ましい。
構成16にあるように、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理は、構成9と同様に、酸素を含む気体気中で行うフラッシュランプ照射による処理であることが好ましい。このフラッシュランプ照射によっても、酸化層を確実に形成することができる。
なお、この場合、酸化層形成のためのラッシュランプ照射による処理を確実に行うために、フラッシュランプ照射の照射光は、構成9と同様に、エネルギー密度が5〜14J/cmであることが好ましい。
構成17にあるように、パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理は、構成10と同様に、酸素プラズマ処理であることが好ましい。この酸素プラズマ処理によっても、酸化層を確実に形成することができる。
本発明は、構成18にあるように、ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜の下層を成膜してマスクブランクを製造する工程と、前記下層に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成された前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法である。
構成18の転写用マスクの製造方法では、構成11と同様に、構成14のアニール処理を行う代わりに、パターン形成用薄膜を遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる下層と、ケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層である上層を成膜との積層構造とする。この積層構造のパターン形成用薄膜によっても、構成14のアニール処理と同様に、パターン形成用薄膜を構成するSi原子の酸化速度を抑制し、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を抑えることができる。
構成19にあるように、本発明の転写用マスクの製造方法における加圧処理は、構成15と同様に、冷間等方圧加圧法によって、1000〜10000気圧の範囲内で行われることが好ましい。所定の圧力による加圧処理によって、膜構造の緻密化を確実に行うことができる。
構成20にあるように、本発明の転写用マスクの製造方法におけるパターン形成用薄膜は、構成13と同様に、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることが好ましい。パターン形成用薄膜としてハーフトーン型位相シフト膜を用いることにより、より微細パターンの形成を行うことができる。
また、本発明のマスクブランクの製造方法におけるパターン形成用薄膜は、構成3aと同様に、所定の材料からなる遮光層と、所定の材料からなる表面反射防止層との2層構造である、所定の遮光膜であることが好ましい。
本発明によれば、表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を有し、4000気圧で加圧しても膜厚の減少率が2%以下である緻密な膜であるパターン形成用薄膜とすることにより、アニール処理で形成しただけの酸化層や、従来の成膜法で成膜しただけの酸化層よりも単位体積当たりのSiO分子数が非常に多くなるので、パターン形成用薄膜内のSiの酸化速度を抑制することができる。さらに、酸化層を除くパターン形成用薄膜自体も緻密である(膜密度が高い)ので、酸素や水等の侵入自体も抑制できる。これらの効果により、パターン形成用薄膜(ハーフトーン型位相シフト膜、遮光膜等)の波長200nm以下の露光光に対する耐光性を大幅に向上させることができ、マスク寿命を改善できるマスクブランク及び転写用マスク並びにそれらの製造方法を提供することができる。第二に、位相シフト膜や遮光膜の薄膜化を可能とするマスクブランク及び転写用マスクの製造方法を提供することができる。
実施例に係る位相シフトマスクブランクの断面図である。 実施例に係る位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する工程を示す断面図である。 冷間等方圧加圧法により加圧処理を行う装置の概略構成図である。 ArFエキシマレーザーを照射中のハーフトーン型位相シフト膜(MoSiN膜)の透過率の変化を示す図であって、ArFエキシマレーザー照射前の透過率で正規化した透過率の変化を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述する。
本発明は、ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクに関する。また、本発明は、ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備えた転写用マスクに関する。また、本発明は、前記マスクブランク及び前記転写用マスクの製造方法に関する。
本発明のマスクブランク及び転写用マスクに備えられるパターン形成用薄膜は、所定の酸化層を有し、パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下である。そのため、パターン形成用薄膜は、酸化層の部分、酸化層を除いた部分のパターン形成用薄膜ともに緻密であり、転写用マスクを繰返し使用した場合でも、Siの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を効果的に抑えることが可能である。
以下、本発明のマスクブランク及び転写用マスクの製造方法の実施の形態を詳述する。本発明の製造方法では、パターン形成用薄膜に対して、酸化層形成又は保護膜形成を行った後に加圧処理を行うことを特徴とする。そこで、まず、アニール処理及び保護膜形成について説明する。なお、酸化層は、アニール処理により形成される。
[第1のアニール処理の方法]
本発明は、透光性基板上に、転写パターンを形成するためのパターン形成用薄膜を有するマスクブランクの製造方法である。本発明の製造方法では、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜を成膜し、次いで、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成する。酸化層の形成によって、パターン形成用薄膜をパターニングして作製される転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射された場合に、転写パターンの転写特性が所定以上変化することを防止することができる。
透光性基板は、使用する露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されない。本発明では、石英基板、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)を用いることができるが、この中でも石英基板は、ArFエキシマレーザーの波長領域で透明性が高いので、本発明には特に好適である。
転写パターンを形成するためのパターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含む材料からなる薄膜であり、詳しくは後述するが、例えば遷移金属シリサイド(特にモリブデンシリサイド)の化合物を含む材料からなるハーフトーン型位相シフト膜、光半透過膜又は遮光膜が挙げられる。
透光性基板上にパターン形成用薄膜を成膜する方法としては、例えばスパッタ成膜法が好ましく挙げられるが、本発明はスパッタ成膜法に限定する必要はない。
本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として、酸素を含む気体中での450℃〜900℃の加熱処理を行う。加熱温度が450℃未満であると、洗浄耐性及び温水耐性が低下するという問題がある。一方、加熱温度が900℃よりも高いと、パターン形成用薄膜自体が劣化する恐れが生じる。
本発明で特に好ましくは、550℃〜650℃の範囲での加熱処理である。これは、600℃前後でSi−Nの結合が増加するためであると考えられる。
加熱処理に用いる加熱装置は、例えば加熱炉、オーブン、ホットプレート等、任意である。
加熱処理は、酸素を含む気体中で行うが、例えば加熱炉内を酸素置換して行うのが好適である。勿論、大気中で加熱処理を行ってもよい。
また、加熱処理時間については、加熱温度及び加熱処理により形成される酸化層の厚さとの兼ね合いで決定すればよいが、概ね1時間〜3時間程度が好適である。
なお、本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための加熱処理により形成した酸化層の厚さは、1nmよりも大きく5nm以下であることが好ましく、特に1nmよりも大きく4nm以下であることが好ましい。この酸化層の厚さが5nmよりも大きいと、アニール処理後に加圧処理が行われても酸化層の膜厚が5nm以上となり、酸化層による透過率に与える影響が大きくなり、膜設計がしづらくなる。また、パターン形成用薄膜の全体膜厚が厚くなってしまう。酸化層の厚さの下限については、1nm以上であることが好ましい。1nm未満であると、パターン形成用薄膜を構成するSiの酸化速度を抑制する効果が十分に得られない。
本アニール処理によれば、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として酸素を含む気体中での450℃〜900℃の加熱処理を施すことにより、酸化層を形成することができる。酸化層を形成することにより、パターン形成用薄膜の表層のSiO分子数を増加させることで、Siの酸化速度を抑制する。これにより、たとえHOやOを含む環境で転写用マスクに対してArFエキシマレーザーなどの露光光照射が行われても、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を効果的に抑えることが可能である。そのため、転写用マスクの繰返し使用を行い、転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
パターン形成用薄膜に対して加圧処理を行う前の、本アニール処理により得られるマスクブランクによれば、得られた転写用マスクに対して、ArFエキシマレーザーを20mJ/(cm・pulse)、pulse周波数100Hzのエネルギー密度で約6600秒(110分)連続照射した場合(積算照射量12.2kJ/cm)、透過率の変化(レーザー照射前の値に正規化した透過率の変化)は5%程度とすることができる。また、パターン形成用薄膜で作製されたパターンの線幅の太り(CD変動量)を5nm以下に抑えることができる。さらに、パターン形成用薄膜がハーフトーン型位相シフト膜である場合は、ハーフトーン型位相シフト膜を透過する露光光に生じさせる位相シフト量の変化量は、3.0度以内とすることができる。
なお、積算照射量12.2kJ/cm(エネルギー密度 約25mJ/cm)というのは、転写用マスクを略45,750回使用したことに相当し、通常の転写用マスクの使用頻度で略3カ月使用したことに相当する。従って、本アニール処理のみのものであっても、波長200nm以下の露光光に対する光半透過膜などのパターン形成用薄膜の耐光性を従来よりもさらに向上させ、転写用マスク寿命を改善することが可能になるといえる。
なお、以上、マスクブランクに対して加熱処理によるアニール処理を行うことについて述べたが、転写用マスクに対しても同様な加熱処理を行うことにより、転写用マスク寿命を著しく改善させることが可能になる。
[第2のアニール処理の方法]
本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として、酸素を含む気体中でのエネルギー密度を5〜14J/cmでフラッシュランプ照射によるアニール処理を行う。照射エネルギー密度が5J/cm未満であると、洗浄耐性及び温水耐性が低下するという問題がある。一方、照射エネルギー密度が14J/cmよりも高いと、パターン形成用薄膜自体が劣化する恐れが生じる。
本発明で特に好ましくは、酸素を含む気体中でのエネルギー密度を8〜12J/cmの範囲でのフラッシュランプアニール処理である。
本アニール処理であるフラッシュランプアニール処理は、例えば大気中、酸素を含む気体中で行うことが好ましいが、特に酸素を含む気体(例えば酸素と窒素の混合ガス)中で行うのが好適である。
また、フラッシュランプアニール処理中は、パターン形成用薄膜付き基板を加熱しておくことが好適である。基板加熱温度は、例えば、150〜350℃程度の範囲とすることが好ましい。
また、フラッシュランプ照射による処理時間(照射時間)については、上述の照射エネルギー密度及び上記処理により酸化層の厚さとの兼ね合いで決定すればよいが、概ね1〜5ms程度が好適である。
なお、本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するためのフラッシュランプアニール処理により形成される酸化層の厚さは、1nmよりも大きく5nm以下であることが好ましく、特に1nmよりも大きく4nm以下であることが好ましい。この酸化層の厚さが5nm以上よりも大きいと、アニール処理後に加圧処理が行われても酸化層の膜厚が5nm以上となり、酸化層による透過率に与える影響が大きくなり、膜設計がしづらくなる。また、パターン形成用薄膜の全体膜厚が厚くなってしまう。酸化層の厚さの下限については、1nm以上であることが好ましい。1nm未満であると、パターン形成用薄膜を構成するSiの酸化速度を抑制する効果が十分に得られない。
本アニール処理によれば、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として、酸素を含む気体中でのエネルギー密度を5〜14J/cmでフラッシュランプ照射によるアニール処理を施すことにより、酸化層を形成することができる。酸化層を形成することにより、パターン形成用薄膜の表層のSiO分子数を増加させることで、Siの酸化速度を抑制する。これにより、たとえHO、OやOを含む環境で転写用マスクに対してArFエキシマレーザーなどの露光光照射が行われても、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を効果的に抑えることが可能である。そのため、転写用マスクの繰返し使用を行い、転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
パターン形成用薄膜に対して加圧処理を行う前の、本アニール処理により得られるマスクブランクによれば、前述の第1のアニール処理の場合と同条件で、得られた転写用マスクに対して、ArFエキシマレーザーを連続照射した場合、透過率の変化(レーザー照射前の値に正規化した透過率の変化)は5%程度とすることができる。また、パターン形成用薄膜で作製されたパターンの線幅の太り(CD変動量)を5nm以下に抑えることができる。さらに、パターン形成用薄膜がハーフトーン型位相シフト膜である場合は、ハーフトーン型位相シフト膜を透過する露光光に生じさせる位相シフト量の変化量は、3.0度以内とすることができる。
なお、以上、マスクブランクに対してフラッシュランプ照射によるアニール処理を行うことについて述べたが、転写用マスクに対しても同様なフラッシュランプ照射を行うことにより、転写用マスク寿命を改善することが可能になる。
[第3のアニール処理の方法]
本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として、酸素プラズマ処理を行う。具体的には、例えば、チャンバー内を酸素ガス雰囲気として、所定のRFICPパワー及びRFバイアスパワーを印加することで、酸素ガスをプラズマ化し、チャンバー内に設置したパターン形成用薄膜に対して酸素プラズマを照射することにより行う。
酸素プラズマ処理中は、パターン形成用薄膜付き基板を加熱しておくことが好適である。
また、酸素プラズマ照射による処理時間(照射時間)については、酸素プラズマ処理条件及び該処理により酸化層の厚さとの兼ね合いで決定すればよいが、概ね1〜10分程度が好適である。
本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための酸素プラズマ処理により形成した酸化層の厚さは、1nmよりも大きく5nm以下であることが好ましく、特に1nmよりも大きく4nm以下であることが好ましい。この酸化層の厚さが5nmよりも大きいと、アニール処理後に加圧処理が行われても酸化層の膜厚が5nm以上となり、酸化層による透過率に与える影響が大きくなり、膜設計がしづらくなる、また、パターン形成用薄膜の全体膜厚が厚くなってしまう。酸化層の厚さの下限については、1nm以上であることが好ましい。1nm未満であると、パターン形成用薄膜を構成するSiの酸化速度を抑制する効果が十分に得られない。
本アニール処理によれば、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として、酸素プラズマ処理を施すことにより、酸化層を形成することができる。酸化層を形成することにより、パターン形成用薄膜の表層のSiO分子数を増加させることで、Siの酸化速度を抑制する。これにより、たとえHO、OやOを含む環境で転写用マスクに対してArFエキシマレーザーなどの露光光照射が行われても、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を効果的に抑えることが可能である。そのため、転写用マスクの繰返し使用を行い、転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
パターン形成用薄膜に対して加圧処理を行う前の、本アニール処理により得られるマスクブランクによれば、前述の第1のアニール処理の場合と同条件で、得られた転写用マスクに対して、ArFエキシマレーザーを連続照射した場合、透過率の変化(レーザー照射前の値に正規化した透過率の変化)は5%程度とすることができる。また、パターン形成用薄膜で作製されたパターンの線幅の太り(CD変動量)を5nm以下に抑えることができる。さらに、パターン形成用薄膜がハーフトーン型位相シフト膜である場合は、ハーフトーン型位相シフト膜を透過する露光光に生じさせる位相シフト量の変化量は、3.0度以内とすることができる。
なお、以上、マスクブランクに対して酸素プラズマ処理によるアニール処理を行うことについて述べたが、転写用マスクに対しても同様な酸素プラズマ処理を行うことにより、転写用マスク寿命を改善することが可能になる。
[酸化層成膜による方法]
この酸化層成膜による方法では、透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含む材料からなるパターン形成用薄膜の下層を成膜し、次いで、成膜したパターン形成用薄膜の下層上に酸化層である上層を成膜し、上層と下層の積層構造からなるパターン形成用薄膜を形成する。上層を酸化層としたパターン形成用薄膜を形成することにより、パターン形成用薄膜を構成するSi原子の酸化速度を抑制し、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を抑えることができる。そのため、パターン形成用薄膜をパターニングして作製される転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射された場合に、転写パターンの転写特性が所定以上変化しないようにすることができる。
パターン形成用薄膜の上層は、ケイ素及び酸素を含む材料からなることが好適である。例えばMoSi系パターン形成用薄膜上にケイ素及び酸素を含む材料からなる上層を形成することにより、前述のパターン形成用薄膜表面のSiO分子数(N)を増加させることで、Siの酸化速度を抑制することができる。ケイ素及び酸素を含む材料からなる上層としては、例えば、SiON、SiO、SiOC、SiOCN等が挙げられる。特に好ましくは、SiON、SiOである。
上層を下層上に形成する方法としては、例えばスパッタ成膜法を好ましく用いることができる。勿論、スパッタ成膜法に限定する必要はなく、他の成膜法を用いても差し支えない。
この酸化層成膜による方法では、パターン形成用薄膜の下層上に形成する上層(酸化層)の厚さは、1nmよりも大きく5nm以下であることが好ましく、特に1nmよりも大きく4nm以下であることが好ましい。この酸化層の厚さが5nmよりも大きいと、酸化層の成膜後に加圧処理が行われても酸化層の膜厚が5nm以上となり、形成した酸化層による透過率に与える影響が大きくなり、膜設計がしづらくなる。また、パターン形成用薄膜の全体膜厚が厚くなってしまう。上層(酸化層)の厚さの下限については、1nm以上であることが好ましい。1nm未満であると、パターン形成用薄膜を構成するSiの酸化速度を抑制する効果が十分に得られない。
この酸化層成膜による方法によれば、パターン形成用薄膜の下層上に例えばケイ素と酸素を含む上層(酸化層)を形成することにより、前述のパターン形成用薄膜の表層のSiO分子数を増加させることで、Siの酸化速度を抑制することができる。これにより、たとえHO、OやOを含む環境で転写用マスクに対してArFエキシマレーザーなどの露光光照射が行われても、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を効果的に抑えることが可能である。そのため、転写用マスクの繰返し使用を行い、転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射されても、転写パターンの転写特性、例えばハーフトーン型位相シフト膜や光半透過膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えることができ、遮光膜の遮光性能低下や線幅変化などを抑えることができる。
パターン形成用薄膜に対して加圧処理を行う前の、この酸化層成膜による方法により得られる酸化層を有するマスクブランクによれば、前述のアニール処理の場合と同条件で、得られた転写用マスクに対して、ArFエキシマレーザーを連続照射した場合、透過率の変化(レーザー照射前の値に正規化した透過率の変化)は5%程度とすることができる。また、パターン形成用薄膜で作製されたパターンの線幅の太り(CD変動量)を5nm以下に抑えることができる。さらに、パターン形成用薄膜がハーフトーン型位相シフト膜である場合は、ハーフトーン型位相シフト膜を透過する露光光に生じさせる位相シフト量の変化量は、3.0度以内とすることができる。
なお、以上、マスクブランクに対して酸化層を形成することについて述べたが、転写用マスクに対しても同様な酸化層を形成することにより、転写用マスク寿命を改善することが可能になる。
[冷間等方圧加圧法]
次に、本発明の製造方法における、パターン形成用薄膜に対する加圧処理について説明する。本発明の製造方法において、加圧処理は、上述のアニール処理又は保護膜形成の後に行う。本発明において、加圧処理は、例えば冷間等方圧加圧法により行うことができる。
図面を参照して、本発明に用いる冷間等方圧加圧法を詳述する。
本発明の製造方法は、パターン形成用薄膜に対して、上述のように酸化層又は保護膜を形成した後、加圧処理を行うことを特徴とする。そして、この加圧処理は、冷間等方圧加圧法(COLD ISOSTATIC PRESSING:CIP法と呼ばれている)により、1000〜10000気圧の範囲内で処理することにより行なうことができる。
図3は、冷間等方圧加圧法により加圧処理を行う装置の概略構成図である。
11は高圧円筒であり、その上下にそれぞれ上蓋12、下蓋13が配設されており、高圧円筒11の内部には圧力媒体14が封入されている。この圧力媒体14としては、水やアルコール等の液体が用いられる。高圧円筒11内側の圧力媒体との接触部が鉄等の錆が発生しやすい(腐食しやすい)材質の場合には、防錆剤が添加されていることがより好ましい。15は圧力媒体14中に設置された加圧処理するサンプルであり、本発明においては上記パターン形成用薄膜付き基板(アニール処理又は保護膜形成の後のマスクブランクや転写用マスク)である。パターン形成用薄膜付き基板15は、圧力媒体14に直接触れないように、水等の接触圧媒17を満たした適当な弾性圧縮が可能な樹脂製の収納袋16の中に封入される。そして、上蓋12の移動によって所定の圧力が圧力媒体14に加わり、その圧力が収納袋16を介して接触圧媒17に伝わり、これによって上記パターン形成用薄膜付き基板15は接触圧媒17で加圧される。なお、接触圧媒17としては、パターン形成用薄膜や透光性基板に化学的変化を生じさせないものが好ましく、不純物を実質的に含まない超純水が挙げられるが、UF膜やMF膜等のろ過水程度であってもよい。加圧処理による膜の緻密さ(膜密度)を上げたい場合には、パターン形成用薄膜に化学的変化を生じさせない高分子化合物(高分子有機物、砂糖、イソプロピルアルコール等)が液中に存在する水、あるいは分子量が大きく水よりも沸点の高いアルコール、オイル、エチレングリコール、グリセリン等がより好ましい。
このような冷間等方圧加圧法によれば、水などの液体を圧力媒体とし、高い等方圧でパターン形成用薄膜付き基板15の全面を加圧するので、高密度で均一性のある膜構造が形成される。
この場合の加圧は、本発明による効果が好適に得られるためには、例えば1000〜10000気圧の範囲内で実施することが好ましく、加圧処理する装置の大きさの点(高圧であるほど高圧円筒11の直径(肉厚)が大きくなる)や安全性の点を考慮すると1000〜5000気圧の範囲内で実施すると好適である。また、加圧処理時間は、加圧の際の加圧力によっても異なるが、概ね、所定圧力にまで到達するまでの昇圧に15分程度、所定圧力に保持した状態で30分程度、所定圧力から初期圧力まで降圧するのに5分程度とすることが好ましい。なおこの場合に、一度に所定時間の加圧処理(例えば4000気圧、60分)をしてもよいし、比較的短時間の加圧処理を行った後、一旦加圧を解除してから再度加圧処理することを複数回繰り返す(例えば4000気圧、10分間保持を5〜6回繰り返す)ように行ってもよい。また、これらのパターン形成用薄膜に対する加圧処理の前後のいずれか一方、あるいは前後両方で、パターン形成用薄膜に対して従来から行われている加熱処理を併用することがより好ましい。
また、上記高圧円筒11の外部にヒータを設置し、必要に応じて加圧処理と同時に、常温〜80℃程度の低温で加温してもよい。
以上で説明した冷間等方圧加圧法によれば、透光性基板上にパターン形成用薄膜を成膜して作製したパターン形成用薄膜付き基板を加圧処理することによって、パターン形成用薄膜が押しつぶされて膜構造が高密度になる(膜密度が高まる)ため、前述の酸素や水等による攻撃を受け難くなると共にパターン形成用薄膜の構成分子の拡散が抑制され、従来のような変質層が生成されるのを抑制することができる。また、表層に形成された酸化層も加圧処理されることで膜密度が高密度になるため、単位体積当たりのパターン形成用薄膜の表層のSiO分子数も大幅に増加させることができ、Siの酸化速度を抑制することができる。その結果、ArFなどの短波長光を露光光源として転写用マスクの繰返し使用を行っても、例えばハーフトーン型位相シフト膜の透過率や位相差の変化、線幅変化などを抑えられ、耐薬性や耐温水性も向上するため、マスク寿命を著しく改善できる。光半透過膜や遮光膜についても同様にマスク寿命を著しく改善できる。
特に、転写パターンが形成されていないパターン形成用薄膜を有するマスクブランクに加圧処理した場合においては、転写パターンの側壁部分は、酸化層が十分に形成されていない(自然酸化程度)ので、酸素や水等による攻撃を受けやすい。酸化層を除くパターン形成用薄膜の膜構造が高密度になっていることから、酸素や水等による攻撃に対する耐性が高くなっており、従来の転写用マスクの転写パターン側壁部分よりも、透過率や位相差の変化、線幅変化などが抑えられ、耐薬性や耐温水性も向上する。
また、上記パターン形成用薄膜付き基板を加圧処理することによって、パターン形成用薄膜の膜構造が密になるため、例えば遮光膜の場合、従来のものよりパターン形成用薄膜にしても所定の光学濃度が得られるので、レジスト膜の薄膜化と相俟って、微細パターンの形成に好適である。転写用マスク加工後における遮光膜のパターン側壁高さを低くすることができるので、液浸露光技術に用いる転写用マスクに好適である。
以上述べたように、本発明において、パターン形成用薄膜に対して所定の酸化層を形成した後、所定の加圧処理を行う本発明の製造方法により、転写用マスクをして用いた場合に寿命を著しく改善することが可能なマスクブランク又は転写用マスクを得ることができる。本発明のマスクブランク又は転写用マスクに対して、ArFエキシマレーザーを20mJ/(cm・pulse)、pulse周波数100Hzのエネルギー密度で約6600秒(110分)連続照射した場合、透過率の変化(レーザー照射前の値に正規化した透過率の変化)は5%よりも小さく、具体的には約3%以下とすることができる。また、パターン形成用薄膜で作製されたパターンの線幅の太り(CD変動量)を5nmよりも小さくすることができる。さらに、パターン形成用薄膜がハーフトーン型位相シフト膜である場合は、ハーフトーン型位相シフト膜を透過する露光光に生じさせる位相シフト量の変化量は、3.0度未満とすることができる。
本発明の製造方法は、特に波長200nm以下の短波長の露光光を露光光源とする露光装置に用いられる転写用マスクを製造するためのマスクブランクの製造に好適である。例えば、以下のようなマスクブランクの製造に好適である。
(1)前記パターン形成用薄膜が遷移金属とケイ素を含有する材料(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイド)の化合物からなる光半透過膜である位相シフトマスクブランク
本発明により製造される上記位相シフトマスクブランクは、これを用いて位相シフトマスクとしたときに、例えばArFエキシマレーザーなどの短波長光を露光光源として転写用マスクの繰返し使用を行っても、位相シフト膜の透過率や位相差の変化・線幅変化などを抑えられ、性能が劣化せず、転写用マスクの寿命を著しく改善できる。
かかる位相シフトマスクブランクとしては、透光性基板上にハーフトーン型位相シフト膜を有する形態のものであって、該ハーフトーン型位相シフト膜をパターニングしてシフタ部を設けるタイプであるハーフトーン型位相シフトマスク用のマスクブランクがある。
上記ハーフトーン型位相シフト膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%〜20%)を透過させるものであって、所定の位相差(例えば180度)を有するものであり、このハーフトーン型位相シフト膜をパターニングした位相シフト部と、位相シフト部が形成されていない実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部とによって、位相シフト部を透過して光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって、位相シフト部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回り込んだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラスト即ち解像度を向上させるものである。
また、位相シフトマスクブランクとしては、透光性基板上に遮光膜や光半透過膜を有する形態のものであって、透光性基板をエッチング等により掘り込んでシフタ部を設ける基板掘り込みタイプであるレベンソン型位相シフトマスク用やエンハンサー型位相シフトマスク用のマスクブランクが挙げられる。
さらに、位相シフトマスクブランクとして、光半透過膜を透過した光に基づき転写領域に形成される光半透過膜パターンによる被転写基板のパターン不良を防止するために、透光性基板上に光半透過膜とその上の遮光膜とを有する形態とするものなどが挙げられる。
このハーフトーン型位相シフト膜(位相シフト膜)や光半透過膜は、遷移金属とケイ素からなる材料(遷移金属シリサイド)の化合物からなり、これらの遷移金属シリサイドと、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等が適用可能である。
特に、位相シフト膜をモリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)で形成し、MoSiN膜の主表面に酸化層を形成するための処理として加熱処理やフラシュランプ照射による処理を行う場合、所望の位相差及び透過率を有しつつ、加熱処理による透過率変化を抑制するために、MoSiN膜におけるMoの含有量をMoとSiの合計含有量で除した比率は、Moが9at%以上14at%以下(好ましくは、11at%以上13at%以下)とすることが好ましい。
また、位相シフト膜や光半透過膜の上に遮光膜を有する形態の場合には、上記の位相シフト膜や光半透過膜の材料が遷移金属シリサイドを含むので、遮光膜の材料は、これらの膜に対してエッチング選択性を有する(エッチング耐性を有する)クロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物で構成する。
さらに、位相シフト膜や光半透過膜の上に遮光膜を有する形態の場合には、遮光膜を成膜する前に、上記位相シフト膜や光半透過膜の主表面に酸化層を形成するための処理を施すとよい。
(2)前記パターン形成用薄膜が遷移金属とケイ素を含有する材料(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイド)の化合物からなる遮光膜であるバイナリマスクブランク
本発明により製造される上記遮光膜が遷移金属シリサイド系のバイナリマスクブランクは、これを用いてバイナリマスクとしたときに、例えばArFエキシマレーザーなどの短波長光を露光光源として転写用マスクの繰返し使用を行っても、遮光膜の遮光性の低下、線幅変化などを抑えられ、性能が劣化せず、転写用マスクの寿命を著しく改善できる。
かかるバイナリマスクブランクは、透光性基板上に遮光膜を有する形態のものであり、この遮光膜は、遷移金属シリサイド化合物を含む材料からなり、これらの遷移金属シリサイドと、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等が適用可能である。
特に、遮光膜をモリブデンシリサイドの化合物で形成する場合であって、遮光層(MoSi、MoSiN、MoSiC、MoSiCN等)と表面反射防止層(MoSiON、MoSiN、MoSiCN、MoSiCON等)の2層構造や、さらに遮光層と基板との間に裏面反射防止層(MoSiON、MoSiN、MoSiCN、MoSiCON等)を加えた3層構造とした場合、遮光層のモリブデンシリサイド化合物におけるMoの含有量をMoとSiの合計含有量で除した比率は、遮光性の観点からは、Moが9at%以上40at%以下(好ましくは、15at%以上40at%以下、より好ましくは20at%以上40at%以下)とすることが好ましい。
また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。
2層積層構造の遮光膜(パターン形成用薄膜)としては、例えば、透光性基板側から、MoSiN(Moの含有量をMoとSiの合計含有量で除した比率が9at%以上40at%以下)からなる遮光層と、MoSiON(膜中のMo含有量が10at%以下)からなる表面反射防止層が挙げられる。より具体的な例としては、透光性基板側から、MoSiN(Mo:14.7at%,Si:56.2at%,N:29.1at%)からなる膜厚50nmの遮光層と、MoSiON(Mo:2.6at%,Si:57.1at%,O:15.9at%,N:24.4at%)からなる膜厚10nmの表面反射防止層の2層積層構造で、ArF露光光に対する光学濃度3.0である遮光膜(パターン形成用薄膜)が挙げられる。
さらに、レジスト膜の膜厚を薄膜化して微細パターンを形成するために、遮光膜上にエッチングマスク膜を有する構成としてもよい。このエッチングマスク膜は、遷移金属シリサイドを含む遮光膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する(エッチング耐性を有する)クロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物からなる材料で構成する。
また、遮光膜上にエッチングマスク膜を有する形態の場合には、エッチングマスク膜を成膜する前に、上記遮光膜の主表面に酸化層を形成するための処理を施すとよい。
また、本発明は、上述の本発明により得られるマスクブランクにおける前記パターン形成用薄膜を、エッチングによりパターニングする工程を有する転写用マスクの製造方法についても提供する。この場合のエッチングは、微細パターンの形成に有効なドライエッチングが好適に用いられる。
かかる転写用マスクの製造方法によれば、ArFエキシマレーザーなどの短波長の露光光源に対する耐光性を向上させ、転写用マスクを繰返し使用しても露光光照射による転写特性の劣化を抑えられ、転写用マスクの寿命を著しく改善した転写用マスクが得られる。
なお、本発明のマスクブランクを用いて作製された転写用マスクに対して、パターン形成用薄膜の主表面に酸化層を形成するための処理を再度施してもよい。つまり、上述の第1〜第3のアニール処理及び保護膜形成のいずれかの後に、例えば冷間等方圧加圧法による加圧処理を行うことにより得られたマスクブランクを用いて作製された転写用マスクに対して、例えば、酸素を含む雰囲気中での450℃〜900℃の加熱処理、SiON等の保護膜を形成する処理、酸素プラズマ照射による処理のうちのいずれかの処理又は保護膜の形成を再度行ってもよい。また、さらに再度の加圧処理を行うこともできる。また、マスクブランクには、アニール処理又は保護膜形成のみを行い、転写用マスク作製後に加圧処理を行うこともできる。また、マスクブランクの製造後に、アニール処理又は保護膜形成及び加圧処理を行うこともできる。
マスクブランク段階での本発明の処理に加えて、形成された転写パターンに対しても本発明の処理を行うことにより、特に転写パターンの側壁を保護し、転写パターンの側壁での膜強化が図れ、線幅変化をより低減することが可能となる。
以下、実験1〜4により、本発明をさらに具体的に説明する。
(実験1)
図1は、実験1〜4により作製した位相シフトマスクブランク10の断面図である。
透光性基板1としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチ(6.35mm)の合成石英ガラス基板を用い、透光性基板1上に、窒化されたモリブデン及びシリコンからなるハーフトーン型位相シフト膜(パターン形成用薄膜)2を成膜した。
具体的には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=12at%:88at%)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス流量比 Ar:N:He=8:72:100)で、ガス圧0.3Pa、DC電源の電力を3.0kWとして、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、モリブデン、シリコン及び窒素からなるMoSiN膜を69nmの膜厚で形成した。なお、このMoSiN膜は、ArFエキシマレーザーにおいて、透過率は4.52%、位相差が182.5度となっていた。
次いで、上記MoSiN膜が形成された基板に対して、アニール処理として加熱処理を施した。具体的には、加熱炉を用いて、大気中で加熱温度を550℃、加熱時間を1時間として、加熱処理を行った。加熱処理後のMoSiN膜の断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、MoSiN膜の表層部分に厚さ約15Å(オングストローム)の被膜が形成されていた。さらにこの被膜の組成を詳しく分析したところ、Siと酸素を主成分として含む膜(酸化層)であることを確認した。この加熱処理後のMoSiN膜は、ArFエキシマレーザーにおいて、透過率は6.16%、位相差が184.4度となっていた。従って、加熱処理前後の変化量は、透過率が+1.64%、位相差が+1.9度である。なお、この変化量を予め見込んで所望の光学特性が得られるように膜設計を行えばよい、
以上のようにして、本実施例の位相シフトマスクブランク10を作製した。
次に、以上のようにして得られた位相シフトマスクブランク(パターン形成用薄膜付きマスクブランク)を、前述の図3に示す装置を用いて加圧処理を行った。なお、圧力媒体は防錆剤を添加した水を、接触圧媒にはイソプロピルアルコール(IPA)を用いた。本実施例では、この加圧処理は、短時間の加圧処理を行った後、一旦加圧を解除してから再度加圧処理することを複数回繰り返すことにより行った。具体的には、加圧条件は、40℃、9000気圧で、10分間保持を6回繰り返すことによって行った。加圧処理後、パターン形成用薄膜(ハーフトーン型位相シフト膜)の膜厚を計測したところ、67nmであった。加圧処理前のパターン形成用薄膜の総膜厚が69nmであったのに対し、加圧処理によって、2nmの薄膜化(膜厚の減少率2.9%)が実現できていた。また、酸化層の加圧処理後の膜厚は、約10Å(オングストローム)であり、同じく加圧処理によって膜厚が減少していた。ここで、膜厚の減少率は、{(加圧処理前の膜厚−加圧処理後の膜厚)/加圧処理前の膜厚}×100%の値である。また、同じ条件で、透光性基板上に位相シフト膜及び遮光膜を成膜し、加圧処理を行った別の位相シフトマスクブランクに対し、40℃、4000気圧で、10分間保持を6回繰り返す加圧処理を再度行ってみたところ、膜厚の変動は、1nm未満であった。つまり、一旦上記加圧処理を行うと、パターン形成用薄膜に対し例えば4000気圧で再度加圧処理を行っても、加圧前後におけるパターン形成用薄膜の膜厚の変動は非常に小さい。
また、基板上に同じ成膜条件で位相シフト膜のみ形成した位相シフトマスクブランクを別に製造し、これに対して、同じ加圧条件で加圧処理を行ったところ、加圧処理前の位相シフト膜の膜密度が3.23g/cmであったのに対し、加圧処理後の膜密度が3.28g/cmと1.5%上昇していることが確認できた。
次に、上記の位相シフトマスクブランクを用いてハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。図2は、位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する工程を示す断面図である。まず、マスクブランク10上に、レジスト膜3として、電子線描画用化学増幅型ポジレジスト膜(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)を形成した(同図(a)参照)。レジスト膜3の形成は、スピンナー(回転塗布装置)を用いて、回転塗布した。
次に上記マスクブランク10上に形成されたレジスト膜3に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターン描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン3aを形成した(同図(b)、(c)参照)。
次に、上記レジストパターン3aをマスクとして、ハーフトーン型位相シフト膜2(MoSiN膜)のエッチングを行って位相シフトパターン2aを形成した(同図(d)参照)。ドライエッチングガスとして、SFとHeの混合ガスを用いた。
次に、残存するレジストパターンを剥離して、位相シフトマスク20を得た(同図(e)参照)。なお、位相シフト膜の透過率、位相差はマスクブランク製造時と殆ど変化はなかった。
実験1で得られた位相シフトマスクに対して、ArFエキシマレーザーを20mJ/(cm・pulse)、pulse周波数100Hzのエネルギー密度で約6600秒(110分)連続照射した。図4に、ArFエキシマレーザーを照射中の位相シフト膜(MoSiN膜)の透過率の変化を示す図であって、ArFエキシマレーザー照射前の透過率で正規化した透過率の変化を示す。図4から明らかなように、上記ArFエキシマレーザーの110分の照射後でも、正規化透過率の変化は約3%だった。
なお、ArFエキシマレーザー照射前の光半透過膜(MoSiN膜)の透過率及び位相差を測定したところ、透過率は6.16%、位相差は184.4度となっていた。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層は確認されず、線幅の太り(CD変動量)に関しても5nm未満に抑えられていた。従って、実験1の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、極めて高い耐光性を備えていることがわかる。
(実験2)
実験2では、加圧条件を、40℃、4000気圧で、10分間保持を6回繰り返すこととした以外は、実験1と同様に、位相シフトマスクを製造した。
実験2で得られた位相シフトマスクに対して、実験1と同様に、ArFエキシマレーザーを20mJ/(cm・pulse)、pulse周波数100Hzのエネルギー密度で約6600秒(110分)連続照射した。図4に、実験1と同様の正規化した透過率の変化を示す。図4から明らかなように、実験2の位相シフトマスクでは、上記ArFエキシマレーザーの110分の照射後でも、正規化透過率の変化は約3%だった。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層は確認されず、線幅の太り(CD変動量)に関しても5nm未満に抑えられていた。従って、実験2の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、極めて高い耐光性を備えていることがわかる。
(実験3)
実験3では、アニール処理のみを行い、加圧処理を行わなかった以外は、実験1と同様に、位相シフトマスクを製造した。
実験3で得られた位相シフトマスクに対して、実験1と同様に、ArFエキシマレーザーを20mJ/(cm・pulse)、pulse周波数100Hzのエネルギー密度で約6600秒(110分)連続照射した。図4に、実験1と同様の正規化した透過率の変化を示す。図4から明らかなように、実験3の位相シフトマスクでは、上記ArFエキシマレーザーの110分の照射後、正規化透過率の変化は約5%程度だった。透過率の変化が5%に達したのは、ArFエキシマレーザー照射開始から6100秒後だった。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層は確認されず、線幅の太り(CD変動量)に関しても5nm程度であった。従って、実験3の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、高い耐光性を備えていることがわかる。
(実験4)
実験4では、アニール処理及び加圧処理のいずれも行わなかった以外は、実験1と同様に、位相シフトマスクを製造した。
実験4で得られた位相シフトマスクに対して、実験1と同様に、ArFエキシマレーザーを20mJ/(cm・pulse)、pulse周波数100Hzのエネルギー密度で約6600秒(110分)連続照射した。図4に、実験1と同様の正規化した透過率の変化を示す。図4から明らかなように、実験4の位相シフトマスクでは、上記ArFエキシマレーザーの約6600秒(110分)の照射後、正規化透過率の変化は約15%程度だった。正規化透過率の変化が5%に達したのは、ArFエキシマレーザー照射開始から770秒後だった。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層が確認された。また、線幅の太り(CD変動量)に関しても10nmよりも大きくとなっていた。従って、実験4の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、高い耐光性を備えていないことがわかる。
1 透光性基板
2 ハーフトーン型位相シフト膜(パターン形成用薄膜)
3 レジスト膜
10 位相シフトマスクブランク
11 高圧円筒
12 上蓋
13 下蓋
14 圧力媒体
15 パターン形成用薄膜付き基板
16 収納袋
17 接触圧媒

Claims (20)

  1. ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクにおいて、
    前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、
    前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、請求項1記載のマスクブランク。
  3. 前記パターン形成用薄膜は、
    遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項記載のマスクブランク。
  4. ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備えた転写用マスクにおいて、
    前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、前記パターン形成用薄膜の表層及び転写パターン側壁の表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、
    前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とする転写用マスク。
  5. 前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、請求項4記載の転写用マスク。
  6. 前記パターン形成用薄膜は、
    遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項4又は5記載の転写用マスク。
  7. ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、
    前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜する工程と、
    前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、
    前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
    を有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法。
  8. 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、請求項7記載のマスクブランクの製造方法。
  9. 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、請求項7記載のマスクブランクの製造方法。
  10. 前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、請求項7記載のマスクブランクの製造方法。
  11. ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、
    透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜の下層を成膜する工程と、
    前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、
    前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
    を有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法。
  12. 前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法。
  13. 前記パターン形成用薄膜は、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法。
  14. ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、
    透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜を成膜してマスクブランクを製造する工程と、
    前記マスクブランクのパターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
    転写パターンが形成された前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、
    前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
    を有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法。
  15. 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、請求項14記載の転写用マスクの製造方法。
  16. 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、請求項14記載の転写用マスクの製造方法。
  17. 前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、請求項14記載の転写用マスクの製造方法。
  18. ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、
    透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜の下層を成膜してマスクブランクを製造する工程と、
    前記下層に転写パターンを形成する工程と、
    転写パターンが形成された前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、
    前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
    を有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法。
  19. 前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法。
  20. 前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項14〜19のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法。
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