JP5409298B2 - マスクブランク及び転写用マスク並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、近年では、モリブデンシリサイドの化合物を遮光膜として用いたバイナリマスクなども出現している。
液浸露光は、ウェハと露光装置の最下レンズとの間を液体で満たすことで、屈折率が1の空気の場合に比べて、液体の屈折率倍にNAを高めることができるため、解像度を向上できる露光方法である。開口数(NA:Numerical Aperture)は、NA=n×sinθで表される。θは露光装置の最下レンズの最も外側に入る光線と光軸とがなす角度、nはウェハと露光装置の最下レンズとの間における媒質の屈折率である。
このため、パターン側壁の高さを低くする必要がある。すなわち、遮光膜の薄膜化が必要となる。
ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクにおいて、前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とするマスクブランクである。
前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、構成1記載のマスクブランクである。
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成1又は2のいずれか1項記載のマスクブランクである。
ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備えた転写用マスクにおいて、前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、前記パターン形成用薄膜の表層及び転写パターン側壁の表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とする転写用マスクである。
前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、構成4記載の転写用マスクである。
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成4又は5記載の転写用マスクである。
ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜する工程と、前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法である。
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、構成8記載のマスクブランクの製造方法である。
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、構成7記載のマスクブランクの製造方法である。
前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、構成7記載のマスクブランクの製造方法である。
ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜の下層を成膜する工程と、前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法である。
前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、構成7〜11のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法である。
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成7〜12のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法である。
ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜してマスクブランクを製造する工程と、前記マスクブランクのパターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成された前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法である。
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、構成14記載の転写用マスクの製造方法である。
前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、構成14記載の転写用マスクの製造方法である。
前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、構成14記載の転写用マスクの製造方法である。
ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜の下層を成膜してマスクブランクを製造する工程と、前記下層に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成された前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程とを有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法である。
前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、構成14〜18のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法である。
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、構成14〜19のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法である。
前記パターン形成用薄膜は、透光性基板側から、遷移金属とケイ素を含有する材料からなる遮光層と、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなる表面反射防止層とが順に積層してなる遮光膜であり、前記遮光膜の光学濃度が2.5以上であり、前記表面反射防止層の表層に前記酸化層を有することを特徴とする構成1又は2のいずれか1項記載のマスクブランクである。
本発明は、透光性基板上に、転写パターンを形成するためのパターン形成用薄膜を有するマスクブランクの製造方法である。本発明の製造方法では、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜を成膜し、次いで、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成する。酸化層の形成によって、パターン形成用薄膜をパターニングして作製される転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射された場合に、転写パターンの転写特性が所定以上変化することを防止することができる。
透光性基板上にパターン形成用薄膜を成膜する方法としては、例えばスパッタ成膜法が好ましく挙げられるが、本発明はスパッタ成膜法に限定する必要はない。
本発明で特に好ましくは、550℃〜650℃の範囲での加熱処理である。これは、600℃前後でSi−Nの結合が増加するためであると考えられる。
加熱処理は、酸素を含む気体中で行うが、例えば加熱炉内を酸素置換して行うのが好適である。勿論、大気中で加熱処理を行ってもよい。
また、加熱処理時間については、加熱温度及び加熱処理により形成される酸化層の厚さとの兼ね合いで決定すればよいが、概ね1時間〜3時間程度が好適である。
本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として、酸素を含む気体中でのエネルギー密度を5〜14J/cm2でフラッシュランプ照射によるアニール処理を行う。照射エネルギー密度が5J/cm2未満であると、洗浄耐性及び温水耐性が低下するという問題がある。一方、照射エネルギー密度が14J/cm2よりも高いと、パターン形成用薄膜自体が劣化する恐れが生じる。
本発明で特に好ましくは、酸素を含む気体中でのエネルギー密度を8〜12J/cm2の範囲でのフラッシュランプアニール処理である。
また、フラッシュランプアニール処理中は、パターン形成用薄膜付き基板を加熱しておくことが好適である。基板加熱温度は、例えば、150〜350℃程度の範囲とすることが好ましい。
また、フラッシュランプ照射による処理時間(照射時間)については、上述の照射エネルギー密度及び上記処理により酸化層の厚さとの兼ね合いで決定すればよいが、概ね1〜5ms程度が好適である。
本アニール処理では、パターン形成用薄膜の表層に、膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層を形成するための処理として、酸素プラズマ処理を行う。具体的には、例えば、チャンバー内を酸素ガス雰囲気として、所定のRFICPパワー及びRFバイアスパワーを印加することで、酸素ガスをプラズマ化し、チャンバー内に設置したパターン形成用薄膜に対して酸素プラズマを照射することにより行う。
また、酸素プラズマ照射による処理時間(照射時間)については、酸素プラズマ処理条件及び該処理により酸化層の厚さとの兼ね合いで決定すればよいが、概ね1〜10分程度が好適である。
この酸化層成膜による方法では、透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含む材料からなるパターン形成用薄膜の下層を成膜し、次いで、成膜したパターン形成用薄膜の下層上に酸化層である上層を成膜し、上層と下層の積層構造からなるパターン形成用薄膜を形成する。上層を酸化層としたパターン形成用薄膜を形成することにより、パターン形成用薄膜を構成するSi原子の酸化速度を抑制し、従来のようなSiの酸化及び膨張による変質層の発生、拡大を抑えることができる。そのため、パターン形成用薄膜をパターニングして作製される転写用マスクの転写パターンに対して波長200nm以下の露光光が累積して照射された場合に、転写パターンの転写特性が所定以上変化しないようにすることができる。
次に、本発明の製造方法における、パターン形成用薄膜に対する加圧処理について説明する。本発明の製造方法において、加圧処理は、上述のアニール処理又は保護膜形成の後に行う。本発明において、加圧処理は、例えば冷間等方圧加圧法により行うことができる。
本発明の製造方法は、パターン形成用薄膜に対して、上述のように酸化層又は保護膜を形成した後、加圧処理を行うことを特徴とする。そして、この加圧処理は、冷間等方圧加圧法(COLD ISOSTATIC PRESSING:CIP法と呼ばれている)により、1000〜10000気圧の範囲内で処理することにより行なうことができる。
11は高圧円筒であり、その上下にそれぞれ上蓋12、下蓋13が配設されており、高圧円筒11の内部には圧力媒体14が封入されている。この圧力媒体14としては、水やアルコール等の液体が用いられる。高圧円筒11内側の圧力媒体との接触部が鉄等の錆が発生しやすい(腐食しやすい)材質の場合には、防錆剤が添加されていることがより好ましい。15は圧力媒体14中に設置された加圧処理するサンプルであり、本発明においては上記パターン形成用薄膜付き基板(アニール処理又は保護膜形成の後のマスクブランクや転写用マスク)である。パターン形成用薄膜付き基板15は、圧力媒体14に直接触れないように、水等の接触圧媒17を満たした適当な弾性圧縮が可能な樹脂製の収納袋16の中に封入される。そして、上蓋12の移動によって所定の圧力が圧力媒体14に加わり、その圧力が収納袋16を介して接触圧媒17に伝わり、これによって上記パターン形成用薄膜付き基板15は接触圧媒17で加圧される。なお、接触圧媒17としては、パターン形成用薄膜や透光性基板に化学的変化を生じさせないものが好ましく、不純物を実質的に含まない超純水が挙げられるが、UF膜やMF膜等のろ過水程度であってもよい。加圧処理による膜の緻密さ(膜密度)を上げたい場合には、パターン形成用薄膜に化学的変化を生じさせない高分子化合物(高分子有機物、砂糖、イソプロピルアルコール等)が液中に存在する水、あるいは分子量が大きく水よりも沸点の高いアルコール、オイル、エチレングリコール、グリセリン等がより好ましい。
この場合の加圧は、本発明による効果が好適に得られるためには、例えば1000〜10000気圧の範囲内で実施することが好ましく、加圧処理する装置の大きさの点(高圧であるほど高圧円筒11の直径(肉厚)が大きくなる)や安全性の点を考慮すると1000〜5000気圧の範囲内で実施すると好適である。また、加圧処理時間は、加圧の際の加圧力によっても異なるが、概ね、所定圧力にまで到達するまでの昇圧に15分程度、所定圧力に保持した状態で30分程度、所定圧力から初期圧力まで降圧するのに5分程度とすることが好ましい。なおこの場合に、一度に所定時間の加圧処理(例えば4000気圧、60分)をしてもよいし、比較的短時間の加圧処理を行った後、一旦加圧を解除してから再度加圧処理することを複数回繰り返す(例えば4000気圧、10分間保持を5〜6回繰り返す)ように行ってもよい。また、これらのパターン形成用薄膜に対する加圧処理の前後のいずれか一方、あるいは前後両方で、パターン形成用薄膜に対して従来から行われている加熱処理を併用することがより好ましい。
本発明により製造される上記位相シフトマスクブランクは、これを用いて位相シフトマスクとしたときに、例えばArFエキシマレーザーなどの短波長光を露光光源として転写用マスクの繰返し使用を行っても、位相シフト膜の透過率や位相差の変化・線幅変化などを抑えられ、性能が劣化せず、転写用マスクの寿命を著しく改善できる。
上記ハーフトーン型位相シフト膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%〜20%)を透過させるものであって、所定の位相差(例えば180度)を有するものであり、このハーフトーン型位相シフト膜をパターニングした位相シフト部と、位相シフト部が形成されていない実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部とによって、位相シフト部を透過して光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって、位相シフト部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回り込んだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラスト即ち解像度を向上させるものである。
さらに、位相シフトマスクブランクとして、光半透過膜を透過した光に基づき転写領域に形成される光半透過膜パターンによる被転写基板のパターン不良を防止するために、透光性基板上に光半透過膜とその上の遮光膜とを有する形態とするものなどが挙げられる。
特に、位相シフト膜をモリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)で形成し、MoSiN膜の主表面に酸化層を形成するための処理として加熱処理やフラシュランプ照射による処理を行う場合、所望の位相差及び透過率を有しつつ、加熱処理による透過率変化を抑制するために、MoSiN膜におけるMoの含有量をMoとSiの合計含有量で除した比率は、Moが9at%以上14at%以下(好ましくは、11at%以上13at%以下)とすることが好ましい。
さらに、位相シフト膜や光半透過膜の上に遮光膜を有する形態の場合には、遮光膜を成膜する前に、上記位相シフト膜や光半透過膜の主表面に酸化層を形成するための処理を施すとよい。
本発明により製造される上記遮光膜が遷移金属シリサイド系のバイナリマスクブランクは、これを用いてバイナリマスクとしたときに、例えばArFエキシマレーザーなどの短波長光を露光光源として転写用マスクの繰返し使用を行っても、遮光膜の遮光性の低下、線幅変化などを抑えられ、性能が劣化せず、転写用マスクの寿命を著しく改善できる。
また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。
また、遮光膜上にエッチングマスク膜を有する形態の場合には、エッチングマスク膜を成膜する前に、上記遮光膜の主表面に酸化層を形成するための処理を施すとよい。
かかる転写用マスクの製造方法によれば、ArFエキシマレーザーなどの短波長の露光光源に対する耐光性を向上させ、転写用マスクを繰返し使用しても露光光照射による転写特性の劣化を抑えられ、転写用マスクの寿命を著しく改善した転写用マスクが得られる。
(実験1)
図1は、実験1〜4により作製した位相シフトマスクブランク10の断面図である。
透光性基板1としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチ(6.35mm)の合成石英ガラス基板を用い、透光性基板1上に、窒化されたモリブデン及びシリコンからなるハーフトーン型位相シフト膜(パターン形成用薄膜)2を成膜した。
具体的には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=12at%:88at%)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N2)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス流量比 Ar:N2:He=8:72:100)で、ガス圧0.3Pa、DC電源の電力を3.0kWとして、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、モリブデン、シリコン及び窒素からなるMoSiN膜を69nmの膜厚で形成した。なお、このMoSiN膜は、ArFエキシマレーザーにおいて、透過率は4.52%、位相差が182.5度となっていた。
以上のようにして、本実施例の位相シフトマスクブランク10を作製した。
また、基板上に同じ成膜条件で位相シフト膜のみ形成した位相シフトマスクブランクを別に製造し、これに対して、同じ加圧条件で加圧処理を行ったところ、加圧処理前の位相シフト膜の膜密度が3.23g/cm3であったのに対し、加圧処理後の膜密度が3.28g/cm3と1.5%上昇していることが確認できた。
次に、上記レジストパターン3aをマスクとして、ハーフトーン型位相シフト膜2(MoSiN膜)のエッチングを行って位相シフトパターン2aを形成した(同図(d)参照)。ドライエッチングガスとして、SF6とHeの混合ガスを用いた。
次に、残存するレジストパターンを剥離して、位相シフトマスク20を得た(同図(e)参照)。なお、位相シフト膜の透過率、位相差はマスクブランク製造時と殆ど変化はなかった。
なお、ArFエキシマレーザー照射前の光半透過膜(MoSiN膜)の透過率及び位相差を測定したところ、透過率は6.16%、位相差は184.4度となっていた。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層は確認されず、線幅の太り(CD変動量)に関しても5nm未満に抑えられていた。従って、実験1の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、極めて高い耐光性を備えていることがわかる。
実験2では、加圧条件を、40℃、4000気圧で、10分間保持を6回繰り返すこととした以外は、実験1と同様に、位相シフトマスクを製造した。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層は確認されず、線幅の太り(CD変動量)に関しても5nm未満に抑えられていた。従って、実験2の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、極めて高い耐光性を備えていることがわかる。
実験3では、アニール処理のみを行い、加圧処理を行わなかった以外は、実験1と同様に、位相シフトマスクを製造した。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層は確認されず、線幅の太り(CD変動量)に関しても5nm程度であった。従って、実験3の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、高い耐光性を備えていることがわかる。
実験4では、アニール処理及び加圧処理のいずれも行わなかった以外は、実験1と同様に、位相シフトマスクを製造した。
また、位相シフトパターンの断面を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、特に従来発生していたような厚い変質層が確認された。また、線幅の太り(CD変動量)に関しても10nmよりも大きくとなっていた。従って、実験4の位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、高い耐光性を備えていないことがわかる。
2 ハーフトーン型位相シフト膜(パターン形成用薄膜)
3 レジスト膜
10 位相シフトマスクブランク
11 高圧円筒
12 上蓋
13 下蓋
14 圧力媒体
15 パターン形成用薄膜付き基板
16 収納袋
17 接触圧媒
Claims (20)
- ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクにおいて、
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、その表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、
前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とするマスクブランク。 - 前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、請求項1記載のマスクブランク。
- 前記パターン形成用薄膜は、
遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項記載のマスクブランク。 - ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備えた転写用マスクにおいて、
前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなり、前記パターン形成用薄膜の表層及び転写パターン側壁の表層に膜中でより高い酸素含有量を有する酸化層が形成されており、
前記パターン形成用薄膜を4000気圧で加圧したとき、加圧前後における膜厚の減少率が2%以下であることを特徴とする転写用マスク。 - 前記酸化層の厚さは、1nm以上5nm未満であることを特徴とする、請求項4記載の転写用マスク。
- 前記パターン形成用薄膜は、
遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項4又は5記載の転写用マスク。 - ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、
前記透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなる前記パターン形成用薄膜を成膜する工程と、
前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、
前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
を有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法。 - 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、請求項7記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、請求項7記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、請求項7記載のマスクブランクの製造方法。
- ArF露光光が適用され、透光性基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクの製造方法において、
透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜の下層を成膜する工程と、
前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、
前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
を有することを特徴とする、マスクブランクの製造方法。 - 前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記パターン形成用薄膜は、遷移金属とケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項記載のマスクブランクの製造方法。
- ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、
透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜を成膜してマスクブランクを製造する工程と、
前記マスクブランクのパターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
転写パターンが形成された前記パターン形成用薄膜の表層に酸化層を形成するアニール処理を行う工程と、
前記アニール処理後のパターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
を有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法。 - 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行う加熱処理であることを特徴とする、請求項14記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記アニール処理は、酸素を含む気体中で行うフラッシュランプ照射による処理であることを特徴とする、請求項14記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記アニール処理は、酸素プラズマ処理であることを特徴とする、請求項14記載の転写用マスクの製造方法。
- ArF露光光が適用され、透光性基板上に転写パターンを有するパターン形成用薄膜を備える転写用マスクの製造方法において、
透光性基板上に、遷移金属及びケイ素を含有する材料からなるパターン形成用薄膜の下層を成膜してマスクブランクを製造する工程と、
前記下層に転写パターンを形成する工程と、
転写パターンが形成された前記下層の表面にケイ素及び酸素を含む材料からなり、下層よりも高い酸素含有量を有する酸化層であるパターン形成用薄膜の上層を成膜し、前記上層及び下層の積層構造でパターン形成用薄膜を形成する工程と、
前記パターン形成用薄膜を加圧処理する工程と
を有することを特徴とする、転写用マスクの製造方法。 - 前記加圧処理は、冷間等方圧加圧法により、1000〜10000気圧の範囲内で行われることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記パターン形成用薄膜は、遷移金属及びケイ素に、さらに酸素及び窒素から選ばれる1以上の元素を含有させた化合物を主成分とする材料からなるハーフトーン型位相シフト膜であることを特徴とする、請求項14〜19のいずれか1項記載の転写用マスクの製造方法。
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