上述したように、特許文献1に開示のコンテナ用冷凍装置では、2つの開閉弁の開閉状態を切り換えることで、加熱動作時における庫内の加熱能力を調節している。しかしながら、加熱動作において、このように2つの開閉弁を用いる構成では、冷媒回路の複雑化、高コスト化を招いてしまう。また、2つの開閉弁の切換に伴うバイパス流量の調節だけでは、加熱能力を微調整できない。従って、加熱能力が不足して庫内空気を速やかに目標温度まで加熱できなかったり、加熱能力が過剰となり省エネ性が損なわれたりする、という不具合が生じる。
また、このコンテナ用冷凍装置において、ホットガスを用いたデフロスト運転を行う際にも、2つのバイパス管の各開閉弁の開閉状態を切り換えて、蒸発器の除霜能力を調節することが考えられる。しかしながら、デフロスト運転において、2つの開閉弁を用いる構成においても、冷媒回路の複雑化、高コスト化を招いてしまう。また、2つの開閉弁の切換に伴うバイパス流量の調節だけでは、デフロスト運転時の除霜能力の微調整もできない。従って、除霜能力が不足して除霜時間の長期化を招いたり、除霜能力が過剰となって省エネ性が損なわれたりする、という不具合が生じる。
以上のように、ホットガスを凝縮器を介さずに蒸発器へ供給するバイパス動作(加熱動作やデフロスト運転)を行う従来のコンテナ用冷凍装置では、バイパス回路が複雑となるわりには、十分な能力調節ができないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイパス回路の簡素化を図りつつ、加熱能力や除霜能力を十分に調整できるコンテナ用冷凍装置を提供することである。
第1の発明は、圧縮機(30)と、凝縮器(31)と、膨張機構(32)と、蒸発器(33)と、上記圧縮機(30)で圧縮した冷媒を上記蒸発器(33)へ送るバイパス動作を行うためのバイパス回路(22)と、を有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えたコンテナ用冷凍装置を対象とする。そして、このコンテナ用冷凍装置では、上記バイパス回路(22)が、一端が上記圧縮機(30)と上記凝縮器(31)との間の配管(24)に接続する1本の主管(50)と、該主管(50)の他端から分岐して上記膨張機構(32)と上記蒸発器(33)との間の配管(27)にそれぞれ接続する少なくとも2本の分岐管(51,52)と、上記主管(50)を開閉する1つの開閉弁(SV-3)とを有し、上記バイパス動作時に上記開閉弁(SV-3)を開放する弁制御部(82)と、上記バイパス動作時に上記圧縮機(30)のモータの回転数を制御する圧縮機制御部(81)と、を備えていることを特徴とする。
第1の発明では、バイパス動作時に弁制御部(82)が開閉弁(SV-3)を開放させる。バイパス動作時に圧縮機(30)が運転されると、圧縮機(30)で圧縮された冷媒(ホットガス)は、凝縮器(31)をバイパスして蒸発器(33)へ供給される。具体的に、ホットガスは、バイパス回路(22)の主管(50)を流れ、開放状態の開閉弁(SV-3)を通過した後に2本の分岐管(51,52)に分流する。各分岐管(51,52)を分流した冷媒は、膨張機構(32)の下流側で合流した後、蒸発器(33)へ供給される。
このようなバイパス動作において、圧縮機制御部(81)は、圧縮機(30)のモータの回転数を制御するように構成されている。このように圧縮機(30)のモータの回転数が調節されると、蒸発器(33)へ供給されるホットガスの流量を調節できる。従って、例えば加熱動作における庫内の加熱能力や、デフロスト運転における除霜能力を細かく調整できる。
また、本発明のバイパス回路(22)には、上述した従来例と異なり、開閉弁(SV-3)が1つしか設けられていない。つまり、バイパス回路(22)では、従来例よりも開閉弁(SV-3)の数量が少なくなっている。
第2の発明は、第1の発明において、上記蒸発器(33)が設けられる庫内の空気の温度を検出するための庫内温度検出部(71)と、上記庫内の目標温度が設定される目標温度設定部(83)とを備え、上記圧縮機制御部(81)は、上記バイパス動作時に上記庫内温度検出部(71)で検出した庫内空気の温度が上記目標温度に近づくように、上記圧縮機(30)のモータの回転数を制御することを特徴とする。
第2の発明のバイパス動作では、庫内温度検出部(71)によって庫内の空気の温度が検出される。そして、バイパス動作では、検出された庫内空気の温度が、目標温度設定部(83)に設定された目標温度に近づくように、圧縮機(30)のモータの回転数が制御される。これにより、庫内の空気が過剰に冷却された際、庫内の空気の温度を速やかに目標温度に近づけるバイパス動作(即ち、加熱動作)を行うことができる。
第3の発明は、第1の発明において、上記蒸発器(33)を流れる冷媒の温度を検出するための冷媒温度検出部(60)を備え、上記圧縮機制御部(81)は、上記バイパス動作時に上記冷媒温度検出部(60)で検出した冷媒温度を所定の温度に保つように、上記圧縮機(30)のモータの回転数を制御することを特徴とする。
第3の発明のバイパス動作では、冷媒温度検出部(60)によって蒸発器(33)を流れる冷媒の温度が検出される。なお、ここでいう冷媒温度検出部(60)は、蒸発器(33)の内部を流れる冷媒の温度を直接的に検出するものだけでなく、蒸発器(33)を流れる冷媒の温度を間接的に検出するものも含む。具体的に、冷媒温度検出部(60)は、例えばバイパス動作時における高圧冷媒の圧力を検出し、この圧力に相当する飽和温度を導出するものも含んでいる。
そして、バイパス動作では、検出された冷媒の温度が所定の温度に保たれるように、圧縮機(30)のモータの回転数が制御される。これにより、蒸発器(33)の伝熱管を流れる冷媒の温度を一定に保ちながら、伝熱管の表面に付着した霜を融かすデフロスト運転を行うことができる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記蒸発器(33)の下側に設けられるドレンパン(37)を備え、上記2本の分岐管(51,52)のうちの一方の分岐管(52)は、上記ドレンパン(37)の底部に沿うように配設されることを特徴とする。
第4の発明では、バイパス動作時において、2本の分岐管(51,52)のうちの一方の分岐管(52)を流れるホットガスが、ドレンパン(37)の底部の近傍を加熱する。これにより、ドレンパン(37)内に回収された霜(氷塊)を冷媒の熱によって融かすことができる。
本発明によれば、バイパス回路(22)の主管(50)に1つの開閉弁(SV-3)を設けるようにしている。このため、従来例と比較して、開閉弁(SV-3)の数量を減らすことができる。従って、冷媒回路(20)の簡素化、低コスト化を図ることができる。また、開閉弁(SV-3)のメンテナンスも容易となる。
また、本発明では、バイパス運転時において、圧縮機(30)のモータの回転数を制御する圧縮機制御部(81)を設けている。このため、バイパス動作時に蒸発器(33)へ供給する冷媒の流量を細かく調整でき、加熱能力や除霜能力の最適に調整できる。従って、このコンテナ用冷凍装置の信頼性、省エネ性を向上できる。
また、本発明のバイパス回路(22)では、主管(50)の他端を分岐させて2本の分岐管(51,52)を設けるようにしている。このため、各分岐管(51,52)の配管径を比較的小さくしても、バイパス動作中に十分な流量の冷媒を蒸発器(33)へ送ることができる。このようにしてバイパス回路(22)を構成するための配管の径を小さくすることで、冷媒回路(20)のコストを更に削減できる。
第2の発明では、庫内の空気の温度を目標温度まで近づけるように加熱動作を行うことができる。つまり、本発明によれば、加熱能力が不足したり、過剰となったりすることを抑制しながら、庫内の温度を速やかに目標温度にまで加熱することができる。
第3の発明では、蒸発器(33)を流れる冷媒の温度を一定に保ちながらデフロスト運転を行うことができる。これにより、デフロスト運転において、比較的大きな霜(氷塊)が蒸発器(33)から剥がれ落ちてしまうことを回避できる。
具体的には、仮に、デフロスト運転の開始に伴い蒸発器(33)を流れる冷媒の温度が急激に上昇すると、蒸発器(33)の伝熱管の表面の温度も急激に上昇する。そうすると、伝熱管の周囲に付着した霜においては、伝熱管の接触部(即ち、霜の内側部位)の温度が急激に上昇する。このため、伝熱管の周囲の霜は、その外側部位に熱が伝わる前に内側部位が融解してしまい、比較的大きな体積のまま蒸発器(33)から剥がれ落ちてしまう。
このようにして、比較的大きな氷塊が落下すると、氷塊がドレンパン等にぶつかる衝撃が大きくなり、騒音が生じるという問題が生じる。また、このようにして比較的大きな氷塊がドレンパン等へ落ちてしまうと、砕け散った細かい氷塊が飛び散ってしまい、庫内に溜まってしまうという問題も生じる。
これに対し、本発明では、蒸発器(33)の伝熱管内を流れる冷媒の温度を一定に保っている。このため、伝熱管の周囲に付着した霜においては、伝熱管の接触部(即ち、霜の内側部位)の温度が急激に上昇することがない。よって、伝熱管の周囲の霜は、その内側部位が融解する前に、外側部位に熱が伝わっていく。従って、伝熱管の周囲の霜は、内側部位から外側部位まで比較的均一に融解する。これにより、伝熱管の周囲の霜は、比較的小さな体積の状態で蒸発器(33)から剥がれ落ちる。その結果、氷塊の落下に伴い騒音が生じたり、砕け散った細かい氷塊が飛散する、というような不具合を回避できる。
第4の発明では、2本の分岐管(51,52)のうちの一方の分岐管(52)をドレンパン(37)の底部に沿うように配設したため、この分岐管(52)をいわゆるドレンパンヒータとして利用できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
コンテナ用冷凍装置(10)は、図示しないコンテナの庫内を冷却するものである。コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ本体の側方の開口面を閉塞する蓋体を兼用している。
図1に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えている。この冷媒回路(20)は、主回路(21)とホットガスバイパス回路(22)と過冷却回路(23)とを有している。
主回路(21)は、圧縮機(30)と凝縮器(31)と膨張弁(32)と蒸発器(33)とが順に冷媒配管によって直列に接続されて構成されている。
圧縮機(30)は、圧縮機構を駆動するモータ(図示省略)を有している。この圧縮機(30)のモータの回転数は、インバータによって多段階に制御される。つまり、圧縮機(30)は、運転容量が可変に構成されている。凝縮器(31)及び蒸発器(33)は、いずれもフィンアンドチューブ式の熱交換器で構成されている。凝縮器(31)は、庫外に配置されている。凝縮器(31)の近傍には、庫外ファン(35)が設けられる。凝縮器(31)では、庫外の空気と冷媒とが熱交換する。蒸発器(33)は、庫内に配置されている。蒸発器(33)の近傍には、庫内ファン(36)が設けられる。蒸発器(33)では、庫内の空気と冷媒とが熱交換する。また、蒸発器(33)の下側には、ドレンパン(37)が設けられている。ドレンパン(37)は、上側が開放された扁平な容器状に形成されている。ドレンパン(37)の内部には、蒸発器(33)から剥がれ落ちた霜や氷塊や、空気中から凝縮した結露水等が回収される。膨張弁(32)は、パルスモータによって開度が多段階に調節可能に構成されている。
圧縮機(30)と凝縮器(31)との間の高圧ガス配管(24)には、油分離器(40)と逆止弁(CV)と第1電動弁(MV1)とが順に設けられている。油分離器(40)の油戻し管(40a)は、過冷却回路(23)に接続されている。油戻し管(40a)には、キャピラリーチューブ(CP)が設けられている。逆止弁(CV)は、図1に示す矢印の方向への冷媒の流れを許容し、その逆の流れを禁止している。第1電動弁(MV1)は、パルスモータによって開度が多段階に調節可能に構成されている。
凝縮器(31)と膨張弁(32)との間の高圧液配管(25)には、レシーバ(41)と冷却用部材(42)とドライヤ(43)と第1開閉弁(SV1)とプレート熱交換器(44)とが順に設けられている。冷却用部材(42)は、内部に冷媒の流路が形成され、外部にインバータ回路のパワー素子が接触している(図示省略)。つまり、冷却用部材(42)は、冷媒によってパワー素子を冷却するように構成されている。第1開閉弁(SV1)は、開閉自在な電磁弁で構成されている。ドライヤ(43)は、凝縮器(31)を流れた液冷媒中の水分を捕捉するように構成されている。
プレート熱交換器(44)は、凝縮器(31)を流れた液冷媒を冷却するものである。プレート熱交換器(44)は、1次側通路(44a)と2次側通路(44b)とを有している。つまり、プレート熱交換器(44)では、1次側通路(44a)を流れる冷媒と2次側通路(44b)を流れる冷媒とが熱交換する。1次側通路(44a)は、主回路(21)に接続され、2次側通路(44b)は、過冷却回路(23)のインジェクション配管(26)に接続される。インジェクション配管(26)の流入端は、主回路(21)における冷却用部材(42)と第1開閉弁(SV1)の間に接続している。インジェクション配管(26)の流出端は、圧縮機(30)の圧縮途中(中間圧力状態)の圧縮室と接続している。インジェクション配管(26)における2次側通路(44b)の流入側には、第2開閉弁(SV2)と第2電動弁(MV2)とが設けられている。第2開閉弁(SV2)は、開閉自在な電磁弁で構成されている。第2電動弁(MV2)は、パルスモータによって開度が多段階に調節可能であり、冷媒を減圧する減圧機構を構成している。
ホットガスバイパス回路(22)は、1本の主管(50)と、該主管(50)から分岐する2本の分岐通路(51,52)(第1分岐管(51)と第2分岐管(52))とを有している。主管(50)の流入端は、高圧ガス配管(24)における逆止弁(CV)と第1電動弁(MV1)との間に接続している。主管(50)には、第3開閉弁(SV3)が設けられている。第3開閉弁(SV3)は、開閉自在な電磁弁で構成されている。
第1分岐管(51)は、一端が主管(50)の流出端と接続し、他端が膨張弁(32)と蒸発器(33)との間の低圧液配管(27)と接続している。同様に、第2分岐管(52)も、一端が主管(50)の流出端と接続し、他端が低圧液配管(27)と接続している。第2分岐管(52)は、第1分岐管(51)よりも長い冷媒配管で構成されている。また、第2分岐管(52)は、ドレンパン(37)の底部に沿うように蛇行して配設される、ドレンパンヒータ(54)を有している。ドレンパンヒータ(54)は、ドレンパン(37)の内部を冷媒によって加熱するように構成されている。以上のようにして、ホットガスバイパス回路(22)は、圧縮機(30)で圧縮した冷媒(圧縮機(30)から吐出された高温高圧のガス冷媒)を蒸発器(33)へ供給するためのバイパス回路を構成している。
冷媒回路(20)には、各種のセンサ類も設けられている。具体的に、高圧ガス配管(24)には、高圧圧力センサ(60)と高圧圧力スイッチ(61)と吐出温度センサ(62)とが設けられている。高圧圧力センサ(60)は、圧縮機(30)から吐出される高圧ガス冷媒の圧力を検出する。吐出温度センサ(62)は、圧縮機(30)から吐出される高圧ガス冷媒の温度を検出する。蒸発器(33)と圧縮機(30)の間の低圧ガス配管(28)には、低圧圧力センサ(63)と吸入温度センサ(64)とが設けられている。低圧圧力センサ(63)は、圧縮機(30)に吸入される低圧ガス冷媒の圧力を検出する。吸入温度センサ(64)は、圧縮機(30)に吸入される低圧ガス冷媒の温度を検出する。
インジェクション配管(26)には、2次側通路(44b)の流入側に第1流入温度センサ(65)が、2次側通路(44b)の流出側に第1流出温度センサ(66)がそれぞれ設けられている。第1流入温度センサ(65)は、2次側通路(44b)に流入する直前の冷媒の温度を検出する。また、第1流出温度センサ(66)は、2次側通路(44b)に流出した直後の冷媒の温度を検出する。
低圧液配管(27)には、蒸発器(33)の流入側に第2流入温度センサ(67)が設けられている。第2流入温度センサ(67)は、蒸発器(33)に流入する直前の冷媒の温度を検出する。低圧ガス配管(28)には、蒸発器(33)の流出側に第2流出温度センサ(68)がもうけられ。第2流出温度センサ(68)は、蒸発器(33)から流出した直後の冷媒の温度を検出する。
コンテナの庫外には、凝縮器(31)の吸込側に外気温度センサ(69)が設けられている。外気温度センサ(69)は、凝縮器(31)を通過した直後の庫外空気の温度(即ち、外気の温度)を検出する。コンテナの庫内には、蒸発器(33)の吸込側に吸込温度センサ(70)が設けられ、蒸発器(33)の吹出側に吹出温度センサ(71)が設けられている。吸込温度センサ(70)は、蒸発器(33)を通過する直前の庫内空気の温度を検出する。吹出温度センサ(71)は、蒸発器(33)を通過した直後の庫内空気の温度を検出する。
コンテナ用冷凍装置(10)には、冷媒回路(20)を制御するための制御部としてのコントローラ(80)が設けられている。即ち、コントローラ(80)は、上述した各種のセンサの検出値に基づいて、圧縮機(30)のモータの回転数、各ファン(35,37)のモータの回転数、各電動弁(MV1,MV2)や膨張弁(32)の開度、各開閉弁(SV1,SV2,SV3)の開閉状態等を制御する。
また、コントローラ(80)は、詳細は後述するバイパス動作(加熱動作やデフロスト動作)中に圧縮機(30)のモータの回転数を制御するための圧縮機制御部(81)と、このバイパス動作中に第3開閉弁(SV3)を開放する弁制御部(82)とを含んでいる。また、コントローラ(80)には、目標温度設定部(83)が設けられている。目標温度設定部(83)には、ユーザー等が望む庫内の目標温度が設定される。
−運転動作−
次に、コンテナ用冷凍装置(10)の運転動作について説明する。コンテナ用冷凍装置の運転動作は、「冷却運転」と「デフロスト運転」とに大別できる。冷却運転は、コンテナの庫内を比較的低い温度に冷却する運転である。つまり、冷却運転は、コンテナ本体に収容された輸送物(例えば生鮮食品等)を保存するために庫内を冷蔵/冷凍する運転である。また、デフロスト運転は、蒸発器の伝熱管等の表面に付着した霜を融かすための運転である。このデフロスト運転は、例えば冷却運転の開始より所定の設定時間が経過毎に実行され、デフロスト運転の終了後には、冷却運転が再開される。
〈冷却運転〉
冷却運転中には、「冷却動作」、「ポンプダウン動作」、及び「加熱動作」が実行される。まず、これらの動作の遷移について、図2を参照しながら説明する。なお、図2におけるSSは、上記吹出温度センサ(71)に検出される吹出空気(庫内空気)の温度であり、SPは、上記目標温度設定部(83)に設定された庫内の目標温度である。
冷却運転が開始すると、ステップST1及びステップST2において、庫内温度SSと目標温度SPとの比較が行われる。ここで、庫内温度SSが、“SP-0.5℃”よりも低い場合、後述するポンプダウン動作(ステップST8)に移行する。また、庫内温度SSが、“SP+0.5℃”よりも高い場合、冷却動作へ移行する(ステップST3)。冷却動作では、圧縮機(30)が運転されて冷媒回路(20)で冷凍サイクルが行われ、蒸発器(33)によって庫内が冷却される(詳細は後述する)。
冷却動作中にステップST4の条件が成立すると、圧縮機(30)が停止してサーモオフ状態となる(ステップST5)。その後、ステップST6において、庫内温度SSが、“SP+0.4”以上である場合、ステップST3に移行して冷却動作が行われる。また、ステップST7の条件が成立すると、ポンプダウン動作へ移行する(ステップST8)。
ポンプダウン動作は、加熱動作(ステップST9)の前に実行される。このポンプダウン動作では、冷媒回路(20)に残存する冷媒をレシーバ(41)に回収するための運転である(詳細は後述する)。
加熱動作は、庫内温度SSが目標温度SPに対して低すぎる場合に実行される。この加熱動作では、圧縮機(30)で圧縮された冷媒(いわゆるホットガス)が蒸発器(33)に供給され、この蒸発器(33)によって庫内空気が加熱される(詳細は後述する)。
加熱動作中にステップST10の条件が成立すると、圧縮機(30)が停止してサーモオフ状態となる(ステップST11)。その後、ステップST12において、庫内温度SSが、“SP-0.4”以下である状態が3分以上継続すると、ステップST9に移行して加熱動作が行われる。また、ステップST13の条件が成立すると、ステップS3に移行して冷却動作が行われる。
〔冷却動作〕
図3に示す冷却動作では、第1開閉弁(SV1)が開放状態となり、第3開閉弁(SV3)が閉鎖状態となる。第2開閉弁(SV2)は、原則として開放状態となる。第1電動弁(MV1)は、全開状態となり、第2電動弁(MV2)及び膨張弁(32)の開度が適宜調節される。また、圧縮機(30)、庫外ファン(35)、及び庫内ファン(36)が運転される。
圧縮機(30)で圧縮された冷媒は、凝縮器(31)で凝縮(放熱)した後、レシーバ(41)と通過する。レシーバ(41)を通過した冷媒は、一部が低圧液配管(27)をそのまま流れ、残りはインジェクション配管(26)に分流する。低圧液配管(27)を流れた冷媒は、膨張弁(32)で減圧された後、蒸発器(33)を流れる。蒸発器(33)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。これにより、庫内空気が冷媒によって冷却される。蒸発器(33)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)に吸入される。
インジェクション配管(26)に分流した冷媒は、第2電動弁(MV2)を通過して中間圧にまで減圧された後、プレート熱交換器(44)の2次側通路(44b)を流れる。プレート熱交換器(44)では、1次側通路(44b)を流れる冷媒と、2次側通路(44b)を流れる冷媒とが熱交換する。その結果、1次側通路(44b)の冷媒が過冷却される一方、2次側通路(44b)の冷媒が蒸発する。2次側通路(44b)を流出した冷媒は、圧縮機(30)の中間ポートより中間圧力状態の圧縮室に吸入される。
冷却運転においては、圧縮機(30)のモータの回転数(即ち、圧縮機(30)の運転周波数)が制御される。具体的に、圧縮機(30)の運転周波数は、庫内温度SSが目標温度SPに近づくように制御される。より詳細に、冷却運転時の圧縮機(30)の運転周波数は、庫内温度SSが目標温度SPに収束するようにPID制御によって調整される。また、冷却運転においては、庫外ファン(35)のモータの回転数も制御される。具体的に、庫外ファン(35)のモータの回転数は、高圧圧力センサ(60)で検出した高圧冷媒の圧力HPが一定となるように制御される。また、庫内ファン(36)のモータの回転数は、庫内の冷却負荷に応じて多段階に制御される。
冷却運転では、膨張弁(32)の開度が、いわゆる過熱度制御によって調節される。具体的に、圧縮機(30)に吸入される低圧冷媒の過熱度が、所定の設定過熱度に近づくように膨張弁(32)の開度が制御される。また、冷却運転では、第2電動弁(MV2)の開度も、いわゆる過熱度制御によって調節される。具体的に、プレート熱交換器(44)の2次側通路(44b)を流出した中間圧冷媒の過熱度が、所定の設定過熱度に近づくように、膨張弁(32)の開度が制御される。
〔ポンプダウン動作〕
図4に示すポンプダウン動作では、第1開閉弁(SV1)が開放状態となり、第2開閉弁(SV2)及び第3開閉弁(SV3)が閉鎖状態となる。第1電動弁(MV1)は全開状態となり、第2電動弁(MV2)及び膨張弁(32)は全閉状態となる。また、圧縮機(30)、庫外ファン(35)、及び庫内ファン(36)が運転される。
圧縮機(30)が運転されると、全閉状態の膨張弁(32)から圧縮機(30)の吸入ポートまでのライン(即ち、低圧液配管(27)及び低圧ガス配管(28))の冷媒が、圧縮機(30)に吸入される。圧縮機(30)から吐出された冷媒は、凝縮器(31)で凝縮して液状態となり、レシーバ(41)内に貯留される。これにより、ポンプダウン動作では、冷媒回路(20)の冷媒がレシーバ(41)内に回収される。
ポンプダウン動作では、圧縮機(30)の運転周波数が、原則として一定に制御される。また、庫外ファン(35)のモータの回転数は、最大回転数となる。これにより、凝縮器(31)では、冷媒の凝縮が促される。
ポンプダウン動作は、次のa)、b)、c)の条件のいずれか1つが成立すると終了する。つまり、a)低圧圧力センサ(63)で検出した低圧冷媒の圧力LPが所定値(例えば−50kPa)よりも低くなるか、b)吐出温度センサ(62)で検出した冷媒の温度(即ち、吐出管温度DCHS)が所定値(例えば120℃)よりも高くなるか、c)第2流出温度センサ(68)で検出した冷媒の温度(即ち、蒸発器出口冷媒温度EOS)と、上記低圧冷媒の圧力LPに相当する飽和温度LP(T)との差(即ち、吸入冷媒の過熱度(EOS−LP(T))が10℃よりも高くなると、ポンプダウン動作が終了する。
〔加熱動作〕
図5に示す加熱動作は、圧縮機(30)で圧縮した後の高圧ガス冷媒を、凝縮器(31)を介さずにバイパスさせて蒸発器(33)へ供給する、バイパス動作である。上述のように、この加熱動作は、庫内温度が目標温度よりも低くなり、庫内が過剰に冷却されている場合に実行される。また、加熱動作の直前には、上述したポンプダウン動作が実行される。
加熱動作では、第1開閉弁(SV1)及び第2開閉弁(SV2)が閉鎖状態となる。また、加熱動作時には、弁制御部(82)が第3開閉弁(SV3)を開放状態とする。第1電動弁(MV1)は、原則として、最小の開度となり、第2電動弁(MV1)及び膨張弁(32)が全閉状態(ゼロパルス)となる。また、圧縮機(30)が運転される一方、庫外ファン(35)は停止状態となる。また、庫内ファン(36)は、モータの回転数が適宜調節される。
圧縮機(30)で圧縮された冷媒は、ホットガスバイパス回路(22)を経由して蒸発器(33)へ供給される。具体的に、高圧ガス冷媒は、主管(50)を流れた後、第1分岐管(51)と第2分岐管(52)とへ分流する。第2分岐管(52)へ分流した冷媒は、ドレンパンヒータ(54)を通過した後、第1分岐管(51)を流出した冷媒と合流する。合流後の冷媒は、蒸発器(33)を流れる。蒸発器(33)では、冷媒が庫内空気へ放熱する。その結果、庫内空気が加熱されるため、庫内温度を目標温度に近づけることができる。蒸発器(33)で放熱した冷媒は、圧縮機(30)に吸入されて圧縮される。
以上のような加熱動作では、圧縮機制御部(81)によって、圧縮機(30)のモータの回転数(運転周波数)が制御される。具体的に、圧縮機制御部(81)は、吹出温度センサ(71)で検出される吹出空気(庫内空気)の温度SSが、目標温度SPに近づくように、圧縮機(30)の運転周波数を制御する。より詳細に、加熱動作時の圧縮機(30)の運転周波数は、庫内温度SSが目標温度SPに収束するようにPI制御によって調整される。これにより、庫内が過剰に冷却された場合にも、庫内空気を速やか且つ確実に目標温度まで加熱できる。
また、加熱動作では、圧縮機(30)から吐出される冷媒の過熱度(T2SH)に応じて、庫内ファン(36)のモータの回転数が制御される。なお、上記吐出冷媒過熱度T2SHは、吐出温度センサ(62)で検出した吐出管温度DCHSと、高圧圧力センサ(60)で検出した高圧冷媒の圧力HPに相当する飽和温度HP(T)との差(DCHS−HP(T))によって求められる。
吐出冷媒過熱度T2SHが所定の設定温度(例えば20℃)よりも低い場合、庫内ファン(36)が停止状態となる。これにより、蒸発器(33)での冷媒の放熱量が小さくなり、この冷媒が凝縮しにくくなる。従って、湿り状態の冷媒が圧縮機(30)に吸入されて、いわゆる液圧縮現象が生じてしまうことが回避される。
一方、吐出冷媒過熱度T2SHが所定の設定温度(例えば25℃)よりも高い場合、庫内ファン(36)のモータが最大回転数となる。これにより、冷媒による庫内空気の加熱が促進され、庫内空気を速やかに目標温度SPに近づけることができる。
〈デフロスト運転〉
上述した冷却運転を継続して行うと、蒸発器(33)の伝熱管等の表面に霜が付着し、この霜が徐々に成長して肥大化していく。このため、コンテナ用冷凍装置では、冷却運転が行われてから所定時間が経過する毎に、蒸発器(33)の除霜を行うためのデフロスト運転が実行される。なお、デフロスト運転が実行される直前には、上述したポンプダウン動作が実行される。
デフロスト運転は、上述した加熱動作と同様、圧縮機(30)で圧縮した後の高圧ガス冷媒を、凝縮器(31)を介さずにバイパスさせて蒸発器(33)へ供給するバイパス動作である。つまり、デフロスト運転では、上述した加熱動作(図5)と同様に、第1開閉弁(SV1)及び第2開閉弁(SV2)が閉鎖状態となり、弁制御部(82)が第3開閉弁(SV3)を開放状態とする。また、第1電動弁(MV1)は、原則として、最小の開度となり、第2電動弁(MV1)及び膨張弁(32)が全閉状態(ゼロパルス)となる。また、圧縮機(30)が運転される一方、庫外ファン(35)及び庫内ファン(36)は停止状態となる。
圧縮機(30)で圧縮された冷媒は、ホットガスバイパス回路(22)を経由して蒸発器(33)へ供給される。具体的に、高圧ガス冷媒は、主管(50)を流れた後、第1分岐管(51)と第2分岐管(52)とへ分流する。第2分岐管(52)へ分流した冷媒は、ドレンパンヒータ(54)を通過する。ここで、ドレンパン(37)の内部には、蒸発器(33)の表面から剥がれ落ちた氷塊等が回収されている。この氷塊等は、ドレンパンヒータ(54)の内部を流れる冷媒によって加熱されて融解する。融解した水は、所定の流路を通じて庫外へ排出される。
ドレンパンヒータ(54)を流出した冷媒は、第1分岐管(51)を流出した冷媒と合流し、蒸発器(33)を流れる。蒸発器(33)では、伝熱管の内部を高圧ガス冷媒(いわゆるホットガス)が流通する。このため、蒸発器(33)では、伝熱管の周囲に付着した霜が、冷媒によって内部から徐々に加熱される。その結果、蒸発器(33)に付着した霜が徐々に融かされ、伝熱管から剥がれ落ちていく。伝熱管から剥がれ落ちた霜(氷塊)は、ドレンパン(37)に回収される。蒸発器(33)の除霜に利用された冷媒は、圧縮機(30)に吸入されて圧縮される。
以上のようなデフロスト運転では、圧縮機制御部(81)によって、圧縮機(30)のモータの回転数(運転周波数)が制御される。具体的に、圧縮機制御部(81)は、蒸発器(33)を流れる冷媒の温度が所定の温度に保たれるように、圧縮機(30)の運転周波数を制御する。より詳細に、デフロスト運転では、高圧圧力センサ(60)が高圧冷媒の圧力HPを検出する。次いで、コントローラ(80)は、高圧冷媒の圧力HPに相当する飽和温度HP(T)を算出する。この高圧圧力相当飽和温度HP(T)は、換言すると、デフロスト運転時に蒸発器(33)を流れる冷媒の凝縮温度Tcともいえる。圧縮機制御部(81)は、上記HP(T)が一定温度(例えば30℃)に保たれるように、圧縮機(30)の運転周波数を調整する。
以上のようにして、デフロスト運転時に蒸発器(33)を流れる冷媒の温度を一定に保ちながら除霜を行うと、比較的大きな氷塊が蒸発器(33)から剥がれ落ちてしまうことを回避できる。具体的には、デフロスト運転の開始に伴い蒸発器(33)を流れる冷媒の温度が急激に上昇すると、蒸発器(33)の伝熱管の表面の温度も急激に上昇する。そうすると、伝熱管の周囲に付着した霜においては、伝熱管の接触部(即ち、霜の内側部位)の温度が急激に上昇する。このため、伝熱管の周囲の霜は、その外側部位に熱が伝わる前に内側部位が融解してしまい、比較的大きな体積のまま蒸発器(33)から剥がれ落ちてしまう。
このようにして、比較的大きな氷塊がドレンパン(37)へ落ちてしまうと、氷塊がドレンパン(37)にぶつかる衝撃が大きくなり、騒音が生じるという問題が生じる。また、このようにして比較的大きな氷塊がドレンパン(37)へ落ちてしまうと、砕け散った細かい氷塊がドレンパン(37)の外側に飛び出してしまい、これらの細かい氷塊が庫内に溜まってしまう、という問題も生じる。そこで、本実施形態では、このような不具合を回避するために、蒸発器(33)の伝熱管内を流れる冷媒の温度を一定に保っている。
具体的に、本実施形態では、デフロスト運転の開始から蒸発器(33)の伝熱管の表面の温度が一定に保たれる。このため、伝熱管の周囲に付着した霜においては、伝熱管の接触部(即ち、霜の内側部位)の温度が急激に上昇することがない。このため、伝熱管の周囲の霜は、その内側部位が融解する前に、外側部位に熱が伝わっていく。従って、伝熱管の周囲の霜は、内側部位から外側部位まで比較的均一に融解する。これにより、伝熱管の周囲の霜は、比較的小さな体積の状態で蒸発器(33)から剥がれ落ちる。その結果、氷塊の落下に伴い騒音が生じたり、細かい氷塊がドレンパン(37)から飛び出したりする、という上記の不具合を抑制できる。
デフロスト運転は、次のd)、e)、f)、g)の条件のいずれか1つが成立すると終了する。つまり、d)デフロストの運転開始より所定時間td(例えば45分)までの間に、蒸発器出口冷媒温度EOSが所定値(例えば20℃)以上になるか、e)上記所定時間td経過後に蒸発器出口冷媒温度EOSが所定値(例えば30℃)以上で且つ吸込温度センサ(70)で検出した庫内空気の温度(吸込空気温度RS)が所定値(例えば15℃)以上になるか、f)デフロスト運転開始より最大運転時間(例えば90分)が経過するか、g)高圧圧力スイッチ(61)等の保護装置が作動すると、デフロスト運転が終了する。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、バイパス回路(22)の主管(50)に1つの開閉弁(SV-3)を設けるようにしている。このため、従来例と比較して、開閉弁の数量を減らすことができる。従って、冷媒回路(20)の簡素化、低コスト化を図ることができる。また、開閉弁(SV-3)のメンテナンスも容易となる。また、バイパス回路(22)では、主管(50)の他端を分岐させて2本の分岐管(51,52)を設けるようにしている。このため、各分岐管(51,52)の配管径を比較的小さくしても、バイパス動作中に十分な流量の冷媒を蒸発器(33)へ送ることができる。このようにして各分岐管(51,52)の配管の径を小さくすることで、冷媒回路(20)のコストを更に削減できる。特に、ドレンパンヒータ(54)を構成する第2分岐管(52)の配管径を小さくすることで、第2分岐管(52)の加工が容易となる。
また、上記実施形態では、加熱動作において、庫内温度SSを目標温度SPに近づけるように、圧縮機(30)のモータの回転数を調節している。このため、加熱動作では、加熱能力が不足したり、過剰となったりすることを抑制しながら、庫内の温度を速やかに目標温度にまで加熱することができる。
また、上記実施形態では、デフロスト運転において、蒸発器(33)を流れる冷媒の温度が一定に保たれるように、圧縮機(30)のモータの回転数を調節している。これにより、蒸発器(33)の伝熱管の周囲の霜を均一に融かすことができるため、比較的大きな霜がドレンパン(37)へ落下してしまうことを回避できる。その結果、氷塊の落下に伴い騒音が生じたり、砕け散った細かい氷塊がドレンパン(37)の外側へ飛散したりする、という不具合を回避できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、吹出温度センサ(71)で検出した吹出空気の温度を庫内空気の温度SSとして検出している。しかしながら、吸込温度センサ(70)で検出した吸込空気の温度を庫内空気の温度SSとして検出するようにしても良い。つまり、上述した実施形態においては、吸込空気の温度を庫内空気の温度SSとして、上記の冷却動作や加熱動作等を行うようにしても良い。
また、上記実施形態のデフロスト運転では、蒸発器(33)を流れる冷媒の温度を検出するための冷媒温度検出部として、高圧圧力センサ(60)を用いている。つまり、上記実施形態では、高圧圧力センサ(60)で検出した高圧圧力に相当する飽和温度を算出することで、蒸発器(33)を流れる冷媒の温度を間接的に検出するようにしている。しかしながら、このデフロスト運転において、例えば第2流入温度センサ(67)や第2流出温度センサ(68)によって蒸発器(33)を流れる冷媒の温度を直接的に検出するようにしても良い。
また、上記実施形態のホットガスバイパス回路(22)では、主管(50)の流出端から分岐する分岐管(51,52)を2本設けているが、これらの分岐管を2本以上設けるようにしても良い。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。