JP2011112215A - 車両用油圧制御回路 - Google Patents

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慎一 伊藤
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Abstract

【課題】オイルポンプの余剰動力(余剰エネルギ)を油圧モータによって回収し、その回収したエネルギを有効利用でき、且つ、コンパクトに構成することができる車両用油圧制御回路を提供する。
【解決手段】第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72が油圧モータ18の吸入油路84と接続されているため、第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72から第2余剰油が排出されると、油圧モータ18が駆動され、それに伴ってサブオイルポンプ20が駆動される。したがって、第2レギュレータバルブ24から排出される第2余剰油のエネルギによってサブオイルポンプ20を駆動させて油圧を発生させることが可能となり、第2余剰油のエネルギが有効に活用され、エネルギ損失が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に備えられる油圧制御回路の構成に係り、特に、油圧アクチュエータなどの油圧必要部に油圧を供給する油圧発生回路に関するものである。
車両には、変速機のクラッチやブレーキをはじめとして、複数個の油圧によって駆動される油圧式アクチュエータが備えられており、その油圧アクチュエータに供給される油圧は油圧制御回路によって制御される。この油圧制御回路に供給される元圧は、例えばエンジンなどの駆動源によって駆動されるオイルポンプによって発生させられ、その油圧が調圧弁によってライン圧等に調圧される。ここで、エンジン回転速度が高回転化されると、オイルポンプによって吐出される流量が増加するに伴い、変速機の制御や潤滑油などに必要とされる油量を超える作動油がオイルポンプから吐出されることとなり、余剰油(余剰動力)が発生してエネルギロスが生じる問題があった。
これに対して、特許文献1および特許文献2の流体圧回路では、コントロール弁から排出される余剰油を油圧モータ(再生モータ)および減速機(無段変速機)を介して流体圧エネルギに変換する流体圧ポンプ(再生ポンプ)と、その流体圧ポンプ(再生ポンプ)から出力された流体圧エネルギを蓄えるアキュムレータと、流体圧エネルギの行き先を上記アキュムレータまたはメイン回路の何れかに切り替える方向制御弁(制御弁)とを備え、余剰油によって蓄積された流体圧エネルギを適宜メイン回路に供給する技術が開示されている。
特開2006−322578号公報 特開2007−40393号公報
上記のように、特許文献1および特許文献2は、いずれも油圧アクチュエータからの戻り流体である余剰油の流体エネルギを有効に利用することでエネルギロスを抑制するものであるが、以下に示すような問題があった。流体圧ポンプ(再生ポンプ)は、オイルパンからメイン回路の油圧まで昇圧させる必要性があることから、エンジンによって駆動されるメインポンプ同様に、高圧化に対応する設計が必要となっていた。したがって、流体圧ポンプ等が大型化し、油圧制御回路もそれに伴って大型化する問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、オイルポンプの余剰動力(余剰エネルギ)を油圧モータによって回収し、その回収したエネルギを有効利用できる車両用油圧制御回路であって、上記油圧モータ等の大型化を抑制して装置をコンパクトに構成することができる車両用油圧制御回路を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)駆動源により駆動される第1オイルポンプと、(b)油圧モータによって駆動され、吸入ポートがその第1オイルポンプの吐出油路に接続されている第2オイルポンプと、(c)前記第1オイルポンプの吐出油路と前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されたライン圧油路との間に設けられ、その第1オイルポンプの吐出油路からそのライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁と、(d)前記ライン圧油路に接続された第1供給ポートと、前記第1オイルポンプの吐出油路に接続された第2供給ポートと、調圧時において第1余剰油が排出される排出ポートと、その第1供給ポートおよびその第2供給ポートとその排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを有し、そのライン圧油路のライン圧を調圧する第1調圧弁と、(e)その第1調圧弁によって調圧される際に排出される第1余剰油が供給される供給ポートと、調圧時に第2余剰油が排出される排出ポートと、その供給ポートとその排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを備え、その第1余剰油を元圧としてセカンダリ圧油路のセカンダリ圧を調圧する第2調圧弁とを、含み、(f)前記第2調圧弁の排出ポートが前記油圧モータの吸入ポートと連通する吸入油路と接続されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、(a)駆動源により駆動される第1オイルポンプと、(b)油圧モータによって駆動され、吸入ポートがその第1オイルポンプの吐出油路に接続されている第2オイルポンプと、(c)前記第1オイルポンプの吐出油路と前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されたライン圧油路との間に設けられ、その第1オイルポンプの吐出油路からそのライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁と、(d)前記ライン圧油路に接続された第1供給ポートと、前記第1オイルポンプの吐出油路に接続された第2供給ポートと、調圧時において第1余剰油が排出される排出ポートと、その第1供給ポートおよびその第2供給ポートとその排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを有し、そのライン圧油路のライン圧を調圧する第1調圧弁と、(e)その第1調圧弁によって調圧される際に排出される第1余剰油が供給される供給ポートと、調圧時に第2余剰油が排出される排出ポートと、その供給ポートとその排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを含み、その第1余剰油を元圧としてセカンダリ圧油路のセカンダリ圧を調圧する第2調圧弁とを、備え、(f)前記第2調圧弁に接続されている前記セカンダリ圧油路が、前記油圧モータの吸入ポートと連通する吸入油路と接続されていることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の車両用油圧制御回路において、前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されている前記ライン圧油路と前記第1オイルポンプの吐出油路との間には、所定の差圧が発生した場合にそのライン圧油路からその吐出油路側への油の流れを許容する安全弁が設けられていることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の車両用油圧制御回路において、前記油圧モータに並列に設けられ、その油圧モータの吸入側と吐出側との間の差圧が所定値以上となった場合に開弁される迂回弁が設けられていることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の車両用油圧制御回路において、前記油圧モータの吸入側および吐出側の少なくとも一方には、絞りが設けられていることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の車両用油圧制御回路において、前記油圧モータの吸入油路には、前記油圧モータへの供給状態を切替える切替弁が介装されており、その切替弁は電磁弁からの切替圧に基づいて切り替えられることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項6の車両用油圧制御回路において、(a)前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が遮断される場合には、前記第1調圧弁および前記第2調圧弁がリニアソレノイドバルブによって制御され、(b)前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が許容される場合には、前記第2調圧弁のみそのリニアソレノイドバルブによって制御され、前記第1調圧弁は、予め設定されている最大ライン圧が出力されるように制御されることを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明の要旨とするところは、請求項7の車両用油圧制御回路において、(a)前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が遮断される場合には、前記ライン圧が供給されるライン圧消費部において必要とされる必要ライン圧、および前記セカンダリ圧が供給されるセカンダリ圧消費部において必要とされる必要セカンダリ圧が算出され、(b)前記リニアソレノイドバルブの制御圧は、その必要ライン圧を出力するために必要な制御圧、その必要セカンダリ圧を出力するために必要な制御圧のうち、高圧側の制御圧に制御されることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至8のいずれか1つの車両用油圧制御回路において、前記セカンダリ圧油路は、逆止弁を介して前記第1オイルポンプの吐出油路と接続されており、その逆止弁は、その吐出油路からそのセカンダリ圧油路への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止するものであることを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用油圧制御回路において、前記第2調圧弁の排出ポートは、複数個のポートから成り、その複数個のポートの1つが前記油圧モータの吸入油路に接続されていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、第2調圧弁の排出ポートが油圧モータの吸入油路84と接続されているため、第2調圧弁の排出ポートから第2余剰油が排出されると、油圧モータが駆動され、それに伴って第2オイルポンプが駆動される。したがって、第2調圧弁から排出される第2余剰油のエネルギによって第2オイルポンプを駆動させて油圧を発生させることが可能となり、第2余剰油のエネルギが有効に活用され、エネルギ損失が抑制される。
例えば、第2調圧弁の排出ポートから排出される第2余剰油の流量が少ない状態では、油圧モータの駆動力(駆動トルク)が小さく、第2オイルポンプの吸入側と吐出側とが逆止弁を介して連通されるので、第2オイルポンプには負荷がほとんど生じない空回り状態となる。一方、第2余剰油が徐々に増加すると、油圧モータの駆動トルクが増加するに伴い、第2オイルポンプから吐出される吐出流量が増加する。そして、第2オイルポンプの吐出流量が増加すると、第1オイルポンプの吐出油路から逆止弁を通ってライン圧油路側に流入する流量が徐々に減少する。また、この状態では、第1調圧弁のスプール弁子が開弁側に移動させられ、排出ポートに排出される第1余剰油の流量も増加した状態となる。そして、最終的には、逆止弁が閉弁されて吐出油路とライン圧油路との連通が遮断される。このとき、第2オイルポンプの吐出流量増加に伴って第1調圧弁が開弁状態にあり、第1オイルポンプの吐出油路が第1調圧弁を介して第2調圧弁の供給ポートに連通された状態となる。したがって、第1オイルポンプの吐出圧が第2調圧弁によって制御されるようになり、第1オイルポンプの吐出圧をライン圧よりも低下させ、場合によっては第2調圧弁の制御圧であるセカンダリ圧程度にまで低下させることが可能となる。上記より、第1オイルポンプの駆動トルクが抑制されて燃費が向上する。また、第2オイルポンプは、第1オイルポンプの吐出圧とライン圧油路のライン圧との差圧間で駆動されることとなるため、第2オイルポンプの吐出圧が抑制されるに従い、第2オイルポンプの大型化が抑制される。したがって、第2オイルポンプを小型に設計することができ、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
また、油圧モータに供給される油圧は、セカンダリ圧を調圧する際に排出される第2余剰油の油圧であるため、油圧モータにかかる油圧が抑制されるに従い、油圧モータの大型化が抑制される。例えば、第1調圧弁の調圧の際にその排出ポートから排出される第1余剰油が油圧モータへ供給される構造とすると、油圧モータに作用する油圧が大きくなるので、油圧モータの充分な耐圧設計が必要となり、油圧モータが大型化する。これに比べて本構成では、油圧モータに作用する油圧が小さくなるので、油圧モータの大型化が抑制される。また、これに従い、油圧モータの駆動トルクが伝達される第2オイルポンプにおいても同様に、駆動トルクが小さくなるので、第2オイルポンプの小型化が可能となる。したがって、油圧モータおよび第2オイルポンプの大型化が抑制され、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、第2調圧弁のセカンダリ圧油路が油圧モータの吸入油路と接続されているため、第2調圧弁によって調圧されたセカンダリ圧によって油圧モータが駆動され、それに伴って第2オイルポンプが駆動される。したがって、第1調圧弁から排出される第1余剰油のエネルギの一部を利用して第2オイルポンプを駆動させて油圧を発生させることが可能となり、第1余剰油のエネルギが有効に活用され、エネルギ損失が抑制される。また、上記構成においても、第2オイルポンプは、第1オイルポンプの吐出圧とライン圧油路の油圧との差圧間で駆動されることとなるため、第2オイルポンプの吐出圧が抑制されるに従い、第2オイルポンプの大型化が抑制される。したがって、第2オイルポンプを小型に設計することができ、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
また、油圧モータに供給される油圧は、第2調圧弁によって所定圧に調圧されたセカンダリ圧であるため、油圧モータにかかる油圧が抑制され、油圧モータの大型化が抑制される。例えば、第1調圧弁において、調圧時に排出される余剰油を第2調圧弁へ供給する排出ポートとは別個に排出ポートが設けられ、その排出ポートからの余剰油が油圧モータへ供給される場合、油圧モータに作用する油圧が大きくなるので、油圧モータの充分な耐圧設計が必要となり、油圧モータが大型化する。これに比べて本構成では、第2調圧弁によって上記余剰油の油圧よりも低く調圧されたセカンダリ圧が供給されるので、油圧モータの大型化が抑制される。また、これに従い、油圧モータの駆動トルクが伝達される第2オイルポンプにおいても同様に、駆動トルクが小さくなるので、第2オイルポンプの小型化が可能となる。したがって、油圧モータおよび第2オイルポンプの大型化が抑制され、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、上記構成により、ライン圧油路と吐出油路との間の差圧、すなわち第2オイルポンプの吸入ポートと吐出ポートとの間の差圧が所定値以上となると、安全弁が開弁され、上記差圧が減少することとなる。したがって、第2オイルポンプに作用する差圧の高圧化が防止されるに従い、第2オイルポンプの耐圧値を低い値に設定することができるため、第2オイルポンプの大型化を抑制することができる。
また、請求項4にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、油圧モータの吸入側と吐出側との間の差圧が所定値以上となった場合に開弁される迂回弁が設けられているため、油圧モータに作用する差圧の高圧下が防止される。したがって、油圧モータの耐圧値を低い値に設定することができるため、油圧モータの大型化を抑制することができる。
また、請求項5にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記油圧モータの吸入側および吐出側の少なくとも一方には、絞りが設けられているため、油圧モータに作用する差圧が抑制される。例えば、油圧モータの吐出側に絞りが設けられている場合、その絞り前後において通過流量に応じて差圧が発生することから、油圧モータの下流側の油圧が上昇し、結果として、油圧モータの上流側と下流側との間の差圧が減少する。したがって、油圧モータに作用する油圧(差圧)が抑制されるに従い、油圧モータの大型化を抑制することができる。
また、請求項6にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記油圧モータの吸入油路には、前記油圧モータへの供給状態を切替える切替弁が介装されており、その切替弁は電磁弁からの切替圧に基づいて切り替えられるため、例えば油圧モータおよび第2オイルポンプに必要以上の油圧が作用する場合には、切替弁によって油圧モータへの油圧の供給を停止させる。これより、油圧モータおよび第2オイルポンプに必要以上の油圧が作用することが防止され、油圧モータおよび第2オイルポンプの耐圧値を低い値に設定することができるため、油圧モータおよび第2オイルポンプの小型化が可能となる。
また、請求項7にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が許容される場合には、前記第2調圧弁のみそのリニアソレノイドバルブによって制御され、前記第1調圧弁は、予め設定されている最大ライン圧が出力されるように制御される。このようにすれば、第1オイルポンプの吐出圧が第2調圧弁によって制御される際には、セカンダリ圧を必要以上に高圧に制御することが防止され、第1オイルポンプの駆動トルクをさらに低減することができる。なお、ライン圧は最大ライン圧に制御されるので、ライン圧消費部での油圧不足も防止される。
また、請求項8にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が遮断される場合には、ライン圧が供給されるライン圧消費部において必要とされる必要ライン圧、および前記セカンダリ圧が供給されるセカンダリ圧消費部において必要とされる必要セカンダリ圧が算出され、前記リニアソレノイドバルブの制御圧は、必要ライン圧を出力するために必要な制御圧、必要セカンダリ圧を出力するために必要な制御圧のうち、高圧側の制御圧に制御されるため、ライン圧消費部およびセカンダリ圧消費部において油圧不足が発生することが防止される。
また、請求項9にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、吐出油路からセカンダリ圧油路への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁が設けられているため、エンジン始動時において、第1調圧弁を通過させることなく逆止弁を通って第2調圧弁に油圧が供給される。したがって、セカンダリ圧油路に速やかに油圧が供給され、車両の発進性が向上する。
また、請求項10にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記第2調圧弁の排出ポートは、複数個のポートから成り、その複数個のポートの1つが前記油圧モータの吸入油路に接続されているため、1つのポートから油圧モータの吸入油路に第2余剰油が供給され、他のポートから排出される第2余剰油は、例えば機械要素の潤滑や冷却等の他の用途に使用することができる。
本発明が適用された車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧クラッチや油圧ブレーキなどの油圧アクチュエータ、さらにはトルクコンバータ等に供給される元圧を発生させる油圧発生回路の構成を説明するための図である。 油圧指令値とライン圧、セカンダリ圧、およびサブオイルポンプの作用圧の関係を示す図である。 本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧発生回路の構成を説明するための他の図である。 本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧発生回路の構成を説明するためのさらに他の図である。 本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧発生回路の構成を説明するためのさらに他の図である。 電子制御装置の制御作動を機能別に説明する機能ブロック線図である。 電子制御装置の制御作動の要部、すなわち油圧発生回路の油圧の供給状態に応じてライン圧およびセカンダリ圧の制御態様を変更する制御作動を説明するためのフローチャートである。 オンオフソレノイドバルブの切替圧によって切り替えられるライン圧およびセカンダリ圧の制御態様を示すモード図である。 本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧発生回路の構成を説明するためのさらに他の図である。 本発明の他の態様を示す車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧発生回路の構成を説明するための図である。 本発明の他の態様を示す車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧発生回路の構成を説明するための他の図である。
ここで、好適には、前記車両用油圧制御回路は、有段変速機や無段変速機、ハイブリッド形式の駆動装置など、油圧によって駆動されるアクチュエータを備えた車両に適宜適用される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用油圧制御回路10の一部であって、特に、油圧クラッチや油圧ブレーキなどの油圧アクチュエータ、さらにはトルクコンバータ等に供給される元圧を発生させる油圧発生回路12の構成を示している。なお、上記油圧制御回路10は、例えば有段変速機や無段変速機、さらにはハイブリッド形式の動力伝達装置などに適用される。
油圧発生回路12は、駆動源であるエンジン14によって駆動されるメインオイルポンプ16と、後述する油圧モータ18によって駆動されるサブオイルポンプ20と、メインオイルポンプ16およびサブオイルポンプ20から吐出される吐出圧を調圧してライン圧PL1を出力するリリーフ式の第1レギュレータバルブ22と、第1レギュレータバルブ22の調圧時に排出される余剰油(以下、第1レギュレータバルブ22から排出される余剰油を第1余剰油と定義する)を元圧としてライン圧PL1よりも低圧であるセカンダリ圧PL2を出力する第2レギュレータバルブ24と、メインオイルポンプ16とサブオイルポンプ20との間に設けられている逆止弁25とを、備えている。
メインオイルポンプ16(本発明の第1オイルポンプに対応する)は、例えばベーンポンプや歯車ポンプで構成され、エンジン14の駆動に伴って駆動させられる。メインオイルポンプ16の吸入ポート26は、オイルパン28にストレーナ30を介して接続されているドレーン油路32に接続されており、メインオイルポンプ16が駆動されると、オイルパン28の油がドレーン油路32を経由して吸入ポート26から吸い上げられ、メインオイルポンプ16の吐出ポート34に接続されている吐出油路36へ吐出される。なお、上記吐出油路36は、サブオイルポンプ20の吸入ポート38、第1レギュレータバルブ22(第2供給ポート54)、逆止弁25、後述する安全弁40および逆止弁42に連通されている。
サブオイルポンプ20(本発明の第2オイルポンプに対応する)は、後述する油圧モータ18の駆動に伴って駆動され、吸入ポート38がメインオイルポンプ16の吐出油路36に接続され、吐出ポート46がライン圧油路48に接続されている。そして、サブオイルポンプ20が駆動されると、メインオイルポンプ16から吐出された油が、吐出油路36を通って吸入ポート38から吸い上げられ、ライン圧油路48へ吐出される。
第1レギュレータバルブ22(本発明の第1調圧弁に対応)は、クラッチやブレーキ等のライン圧消費部50へ供給されるライン圧PL1を所定の油圧に調圧するための調圧弁であり、ライン圧油路48に接続されてメインオイルポンプ16の吐出圧およびサブオイルポンプ20の吐出圧が供給される第1供給ポート52と、吐出油路36に接続されてメインオイルポンプ16の吐出圧が供給される第2供給ポート54と、調圧に際して第1余剰油が排出される第1排出ポート56(本発明の第1調圧弁の排出ポートに対応する)および第2排出ポート58と、第1供給ポート52および第2供給ポート54と第1排出ポート56および第2排出ポート58との間を開閉するスプール弁子60と、スプール弁子60を閉弁側に付勢するスプリング62と、ライン圧PL1を受け入れるフィードバック油室64と、図示しないリニアソレノイドバルブからの制御圧PSLTが油室65内に供給される制御ポート67とを、備えている。
図1に示す第1レギュレータバルブ22は、スプリング62および制御圧PSLTの付勢力によってスプール弁子60が閉弁側(図において上方)に移動させられた状態を示している。この状態では、第1供給ポート54および第2供給ポート56共に、第1排出ポート56および第2排出ポート58と連通されていないため、第1排出ポート56および第2排出ポート58から第1余剰油が排出されない。一方、フィードバック油室64に供給されるライン圧PL1が、スプリング62および制御圧PSLTの付勢力を超えると、スプール弁子60が開弁側(図において下方)に移動させられ、ライン圧PL1が制御圧PSLTに対応した値に制御される。このとき、第1供給ポート52および第2供給ポート54が、第1排出ポート56および第2排出ポート58と連通させられるに従い、第1排出ポート56および第2排出ポート58から第1余剰油が排出される。なお、フィードバック油室64に供給される油圧(ライン圧PL1)が高くなるに従って、スプール弁子60の開弁側への移動量が大きくなる。したがって、フィードバック油室64に供給される油圧が高くなると、スプリング62および制御圧PSLTの付勢力に抗ってスプール弁子60が開弁側に移動させられるに従い、第1供給ポート52および第2供給ポート56と、第1排出ポート56および第2排出ポート58との開口面積(連通面積)が増加し、第1余剰油の流量が増加する。
そして、第1レギュレータバルブ22によって調圧されたライン圧PL1は、ライン圧油路48を通ってクラッチなどのライン圧消費部50に供給される。 また、第1レギュレータバルブ22の第1排出ポート56から排出される第1余剰油は、第2レギュレータバルブ24に供給されてセカンダリ圧PL2に調圧される。一方、第2排出ポート58から排出される第1余剰油は、ドレーン油路32に環流される。
第2レギュレータバルブ24(本発明の第2調圧弁に対応する)は、トルクコンバータやロックアップクラッチ等のセカンダリ圧消費部66へ供給されるセカンダリ圧PL2を所定の油圧に調圧するための調圧弁であり、第1レギュレータバルブ22の第1排出ポート56から排出される第1余剰油が供給される供給ポート68と、調圧時に余剰油(以下、第2レギュレータバルブ24から排出される余剰油を第2余剰油と定義する)が排出される第1排出ポート70および第2排出ポート72と、供給ポート68と第1排出ポート70および第2排出ポート72との間を開閉するスプール弁子74と、スプール弁子74を閉弁側に付勢するスプリング76と、セカンダリ圧PL2を受け入れるフィードバック油室78と、図示しないリニアソレノイドバルブからの制御圧PSLTが油室79に供給される制御ポート81とを、備えている。
図1に示す第2レギュレータバルブ24は、スプリング76および制御圧PSLTの付勢力によってスプール弁子74が閉弁側(図において上方)に移動させられた状態を示している。この状態では、供給ポート68と第1排出ポート70および第2排出ポート72の連通が遮断されており、第1排出ポート70および第2排出ポート72から第2余剰油が排出されない。一方、フィードバック油室78に供給されるセカンダリ圧PL2が徐々に高くなり、セカンダリ圧PL2が、スプリング76および制御圧PSLTの付勢力を超えると、スプール弁子74が開弁側に移動させられ、セカンダリ圧PL2が制御圧PSLTに対応した値に制御される。このとき、供給ポート68と第1排出ポート70および第2排出ポート72とが連通させられることで、第1排出ポート70および第2排出ポート72から第2余剰油が排出される。なお、フィードバック油室78に供給されるセカンダリ圧PL2の大きさが高くなるに従って、スプール弁子74の開弁側への移動量が大きくなるに従い、供給ポート68と第1排出ポート70および第2排出ポート72との開口面積(連通面積)が大きくなる。したがって、フィードバック油室78に供給されるセカンダリ圧PL2が高くなると、スプリング76および制御圧PSLTの付勢力に抗ってスプール弁子74が開弁側に移動させられるに従い、第1排出ポート70および第2排出ポート72から排出される第2余剰油の油量が増加する。
そして、第2レギュレータバルブ24によって調圧されたセカンダリ圧PL2は、セカンダリ圧油路80を通ってトルクコンバータ等のセカンダリ圧消費部66に供給される。また、第2レギュレータバルブ24の第1排出ポート70から排出される第2余剰油は、例えば機械要素の潤滑、冷却等に使用される。一方、第2排出ポート72は、油圧モータ18の吸入ポート82に接続されている吸入油路84に接続されており、第2排出ポート72から排出される第2余剰油は、吸入油路84を通って油圧モータ18に供給される。
油圧モータ18は、吸入油路84の油圧とドレーン油路32の油圧との差圧によって回転駆動させられる油圧アクチュエータである。第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72から排出される第2余剰油が、油圧モータ18の吸入ポート82へ流入すると、その第2余剰油の流体エネルギによって油圧モータ18が駆動させられる。また、図に示すように油圧モータ18のロータとサブオイルポンプ20のロータとが機械的に連結されており、その油圧モータ18で発生した駆動力(駆動トルク)がサブオイルポンプ20に伝達される。したがって、油圧モータ18の駆動力がサブオイルポンプ20に伝達されることで、サブオイルポンプ20が駆動されることとなる。なお、油圧モータ18は公知のものであり、基本的な構成はオイルポンプと変わらない。
サブオイルポンプ20の吐出ポート48は、ライン圧油路48に接続されており、サブオイルポンプ20から吐出される油は、ライン圧油路48を通って第1レギュレータバルブ22によってライン圧PL1に調圧された後にライン圧消費部50へ供給される。また、ライン圧油路48は、上記ライン圧消費部50、第1レギュレータバルブ22の第1供給ポート52およびフィードバック油室64、逆止弁25、および安全弁40と連通されている。
上記逆止弁25(本発明の逆止弁に対応する)は、吐出油路36とライン圧油路48との間に設けられており、吐出油路36からライン圧油路48側への油の流入を許容する一方、ライン圧油路48から吐出油路36側への油の流入を阻止している。また、安全弁40も同様に、吐出油路36とライン圧油路48との間に介装されている。安全弁40は、スプリング88がボール90を閉弁側に付勢することによって、通常は閉弁された状態となっている。しかしながら、ライン圧油路48と吐出油路36との間の差圧がスプリング88の付勢力で定まる所定値(クラッキング圧)を越えると、その差圧によってボール90がスプリング88の付勢力に抗って開弁側に移動させられ、安全弁40が開弁される。そして、安全弁40が開弁されると、ライン圧油路48と吐出油路36とが連通されるので、ライン圧油路48から吐出油路36への油の流入が許容され、上記ライン圧油路48と吐出油路36との間の差圧が所定値以下に低減される。また、サブオイルポンプ20も同様に、吐出油路36とライン圧油路48との間に設けられていることから、吸入ポート38と吐出ポート46との間の差圧が所定値以下となる。
第1レギュレータバルブ22の第1排出ポート56に接続されているセカンダリ圧油路80は、第2レギュレータバルブ24の供給ポート68およびフィードバック油室78、逆止弁42、およびトルクコンバータ等のセカンダリ圧消費部66と連通されている。上記逆止弁42は、そのセカンダリ圧油路80とメインオイルポンプ16の吐出油路36との間に設けられている。逆止弁42は、吐出油路36からセカンダリ圧油路80側への油の流入を許容する一方、セカンダリ圧油路80から吐出油路36側への油の流入を阻止している。
また、ドレーン油路32は、メインオイルポンプ16の吸入ポート26、油圧モータ18の排出ポート86、第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート58と連通されている。
次に、上記のように構成される油圧発生回路12の作動について説明する。通常走行時においては、エンジン14が駆動されるに従って、メインオイルポンプ16が駆動させられ、吐出油路36へ吐出圧Poutが出力される。そして、その吐出圧Poutが第1レギュレータバルブ22によってライン圧PL1に調圧され、ライン圧油路48を通ってライン圧消費部50へ供給される。ここで、ライン圧消費部50への流量が不足している場合には、第1レギュレータバルブ22のフィードバック油室64に供給されるライン圧PL1が低くなるので、スプール弁子60が開弁側に殆ど移動されず、第1排出ポート56および第2排出ポート58から排出される第1余剰油は少量となる。また、第2レギュレータバルブ24においてもフィーバック油室78に供給されるセカンダリ圧PL2が低圧であるため、スプール弁子74が開弁側に殆ど移動されず、第1排出ポート70および第2排出ポート72から排出される第2余剰油は少量となる。したがって、第2排出ポート72から排出される第2余剰油によって駆動される油圧モータ18の駆動力(駆動トルク)は小さくなるに従い、サブオイルポンプ20の駆動力も小さくなる。なお、車両発進時などにおいては、セカンダリ圧油路80への流量が不足するため、逆止弁42を経由して吐出油路36からセカンダリ圧油路80へ油が供給される。
この状態においては、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが逆止弁25を通ってライン圧油路48側に供給され、サブオイルポンプ20においては、吐出油路36とライン圧油路48とが逆止弁25を経由して連通された状態であるため、負荷が殆ど係らない状態で空回りした状態となる。
一方、エンジン回転速度の上昇にしたがって、メインオイルポンプ16の吐出流量が増加すると、第1レギュレータバルブ22のフィードバック油室64に供給される油圧(ライン圧PL1)が徐々に高くなり、スプール弁子60がさらに開弁側に移動させられる。このとき、第1レギュレータバルブ22の第1供給ポート52および第2供給ポート54と、第1排出ポート56および第2排出ポート58との開口面積(連通面積)が増加し、第1排出ポート56および第2排出ポートから排出される第1余剰油の流量が増加する。
さらに、第2レギュレータバルブ24においても、第1余剰油の増加に伴い、フィードバック油室78に供給される油圧が高くなり、スプール弁子74がさらに開弁側に移動させられる。したがって、供給ポート68と第1排出ポート70および第2排出ポート72との開口面積(連通面積)が増加し、第1排出ポート70および第2排出ポート72から排出される第2余剰油が増加する。
そして、第2余剰油が増加するに従い、吸入油路84を通って油圧モータ18に供給される流体エネルギが増加することから、油圧モータ18の駆動トルクが増加すると共に、サブオイルポンプ20の駆動トルクが増加する。これより、サブオイルポンプ20から吐出される吐出流量が増加する。そして、サブオイルポンプ20の吐出流量が増加するに従い、ライン圧消費部50で消費される油圧が充分に賄われる状態となると、第1レギュレータバルブ22のフィードバック油室64に供給される油圧が高くなって、スプール弁子60が開弁側に十分に移動させられる。したがって、第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート54と第1排出ポート56との開口面積が十分に拡大され、吐出油路36とセカンダリ圧油路80とが連通された状態となる。
このとき、サブオイルポンプ20からライン圧油路48へ吐出される流量が増加するために、メインオイルポンプ16の吐出油路36から逆止弁25を通ってライン圧油路48へ流入する油が少なくなり、最終的には、逆止弁25が閉弁されて油路が分断されることとなる。さらに、メインオイルポンプ16の吐出油路36は、第1レギュレータバルブ22を介してセカンダリ圧油路80に連通された状態となるため、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutは、セカンダリ圧消費部66において必要とされる油圧で駆動されることとなる。すなわち、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが第2レギュレータバルブ24で制御されるようになり、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutがライン圧PL1よりも低下し、場合によっては、第2レギュレータバルブ24の制御圧であるセカンダリ圧PL2程度まで低下させることが可能となる。上記より、メインオイルポンプ16の駆動トルクが低減される。
また、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが第2レギュレータバルブ24によって制御される状態では、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutがセカンダリ圧PL2近くまで低下するので、セカンダリ圧油路80と吐出油路36との間の差圧が小さくなって、その間に設けられている逆止弁42を通って供給される流量が減少することとなる。
なお、仮にライン圧油路48のライン圧PL1が逆止弁42を通ってセカンダリ圧油路80に供給される構成であった場合、ライン圧油路48の油が逆止弁42を通ってセカンダリ圧油路80側に消費されるが、本構成では、上記のように、逆止弁42の差圧が小さくなって逆止弁42を通る流量(消費流量)が減少するので、ライン圧油路48から供給される場合に比べてメインオイルポンプの吐出圧Poutを低下させるエンジン回転数を低減することが可能となる。また、ライン圧油路48の消費流量が低減されるので、サブオイルポンプ20の吐出流量が少ない状態であってもメインオイルポンプ16の吐出圧Poutの低下が可能となり、エンジン14の低回転時からメインオイルポンプ16の駆動トルク低減に繋がる。
また、このときサブオイルポンプ20は、メインオイルポンプ16の吐出圧Pout、すなわち第2レギュレータバルブ24で制御される油圧とライン圧油路48で制御される油圧との間の差圧間で駆動されるので、サブオイルポンプ20においても比較的低い差圧間で駆動されることとなる。
ここで、油圧モータ18を駆動させるに際して、第1レギュレータバルブ22から排出される第1余剰油を元圧とする方法もあるが、第1余剰油は第2余剰油よりも高い油圧であることから、油圧モータ18に作用する駆動トルクも大きくなるので、油圧モータ18もそれに応じた耐圧設計が必要となる。具体的には、第1余剰油の油圧は、最大時ではライン圧PL1相当の油圧となるが、第2余剰油の油圧は、最大時ではセカンダリ圧PL2相当となる。したがって、第2余剰油が油圧モータ18に供給される構成とすることで、第1余剰油が供給される場合に比べて、油圧モータ18に作用する油圧が小さくなるため、油圧モータ18の設計の際に設定される耐圧値を低くすることができ、油圧モータ18の小型化が可能となる。なお、油圧モータ18の耐圧値を高くなると、それに従って油圧モータ18が大型化される。
さらに、前記安全弁40が設けられることにより、サブオイルポンプ20の間の差圧が所定値を越えると、その安全弁40が開弁されるので、差圧が低減される。したがって、サブオイルポンプ20には所定値を越える差圧が作用することが回避されるので、サブオイルポンプ20においても耐圧設計が容易となり、サブオイルポンプ20の小型化が可能となる。なお、上記所定値は、例えば予め設定されているサブオイルポンプ20の許容油圧以下の値に設定される。これより、安全弁40にかかる差圧が上記許容油圧以上となると、安全弁40が開弁され、その差圧が低減される。したがって、上記安全弁40が作用することで、サブオイルポンプ20にかかる差圧が、許容油圧以上となることが回避される。
図2は、油圧指令値とライン圧PL1、セカンダリ圧PL2、およびサブオイルポンプ20の作用圧ΔPpの関係を示している。なお、横軸の油圧指令値とは、図示しないリニアソレノイドバルブから出力される制御圧PSLTに対応しており、車両の走行状態に応じてライン圧PL1およびセカンダリ圧PL2を制御するための指令値である。なお、図2に示すように、制御圧PSLTに比例してライン圧PL1、セカンダリ圧PL2、作用圧ΔPpが高くなるように構成されている。
破線で示すサブオイルポンプ20に作用する作用圧ΔPpの比較値は、図1に示す安全弁40を無くした場合を示している。これに対して、本発明におけるサブオイルポンプ20に作用する作用圧ΔPpは、所定値を越えると安全弁40が開弁されるため、実線に示すように制限される。ここで、油圧モータ18に作用する油圧(差圧)を作用圧ΔPsとすると、過渡的には最大でセカンダリ圧PL2が作用することとなるが、サブオイルポンプ20において作用する作用圧ΔPpは所定値を越えないので、油圧モータ18においてもそれを賄うだけの油圧で足りるため、実線で示すように、油圧モータ18に作用する油圧を低下させることも可能となる。
また、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20において、下式(1)〜(3)が成立する。なお、Tsは油圧モータ18の駆動トルクを示しており、ΔPsは油圧モータ18に作用する作用圧(差圧)を示しており、Qsは油圧モータ18を流れる流量を示しており、Tpはサブオイルポンプ20の駆動トルクを示しており、ΔPpはサブオイルポンプ20の作用圧(差圧)を示しており、Qpはサブオイルポンプ20の吐出流量を示している。また、下式(3)は、油圧モータ18からサブオイルポンプ20への伝達損失を無視したものである。
Ts=ΔPs×Qs・・・・(1)
Tp=ΔPp×Qp・・・・(2)
Ts=Tp・・・・(3)
ここで、油圧モータ18の作用圧ΔPsは、第2余剰油によって駆動されるため、最大値でセカンダリ圧PL2が作用することとなる。これより、作用圧ΔPsは、サブオイルポンプ20に作用する作用圧ΔPpよりも高くなるので、式(1)〜(3)より、サブオイルポンプ20の吐出流量Qpは、油圧モータ18の流量Qsよりも多くなる。なお、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の流量を同程度とすると、油圧モータ18の作用圧ΔPsも低下する。
また、油圧モータ18が第1レギュレータバルブ22から排出される第1余剰油によって駆動されるように構成した場合、油圧モータ18には、最大でライン圧PL1が作用し、油圧モータ18の耐圧性を高くする必要が生じるが、本構成では、油圧モータ18は第2レギュレータバルブ24から排出される第2余剰油によって駆動される構成としたため、油圧モータ18の設計に際して耐圧値を低くすることができ、油圧モータの小型化が可能となる。
上述のように、本実施例によれば、第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72が油圧モータ18の吸入油路84と接続されているため、第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72から第2余剰油が排出されると、油圧モータ18が駆動され、それに伴ってサブオイルポンプ20が駆動される。したがって、第2レギュレータバルブ24から排出される第2余剰油のエネルギによってサブオイルポンプ20を駆動させて油圧を発生させることが可能となり、第2余剰油のエネルギが有効に活用され、エネルギ損失が抑制される。
例えば、第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72から排出される第2余剰油の流量が少ない状態では、油圧モータ18の駆動力(駆動トルク)が小さく、サブオイルポンプ20の吸入側と吐出側とが逆止弁25を介して連通されるので、サブオイルポンプ20には負荷がほとんど生じない空回り状態となる。一方、第2余剰油が徐々に増加すると、油圧モータ18の駆動トルクが増加するに伴い、サブオイルポンプ20から吐出される吐出流量が増加する。そして、サブオイルポンプ20の吐出流量が増加すると、メインオイルポンプの吐出油路36から逆止弁25を通ってライン圧油路48側に流入する流量が徐々に減少する。また、この状態では、第1レギュレータバルブ22のスプール弁子60が開弁側に移動させられ、第1排出ポート56に排出される第1余剰油の流量も増加した状態となる。そして、最終的には、逆止弁25が閉弁されて吐出油路36とライン圧油路48との連通が遮断される。このとき、サブオイルポンプ20の吐出流量増加に伴って第1レギュレータバルブ22が開弁状態にあり、メインオイルポンプ16の吐出油路36が第1レギュレータバルブ22を介して第2レギュレータバルブ24の供給ポート68に連通された状態となる。したがって、メインオイルポンプ16の吐出圧が第2レギュレータバルブ24によって制御されるようになり、メイン16オイルポンプの吐出圧をライン圧PL1よりも低下させ、場合によっては第2レギュレータバルブ24の制御圧であるセカンダリ圧PL2程度にまで低下させることが可能となる。上記より、メインオイルポンプ16の駆動トルクが抑制されて燃費が向上する。また、サブオイルポンプ20は、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutとライン圧油路48のライン圧PL1との差圧間で駆動されることとなるため、サブオイルポンプ20の吐出圧が抑制されるに従い、サブオイルポンプ20の大型化が抑制される。したがって、サブオイルポンプ20を小型に設計することができ、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
また、油圧モータ18に供給される油圧は、セカンダリ圧PL2を調圧する際に排出される第2余剰油の油圧であるため、油圧モータ18にかかる油圧が抑制されるに従い、油圧モータ18の大型化が抑制される。例えば、第1レギュレータバルブ22の調圧の際にその第1排出ポート56から排出される第1余剰油が油圧モータ18へ供給される構造とすると、油圧モータ18に作用する油圧が大きくなるので、油圧モータ18の充分な耐圧設計が必要となり、油圧モータ18が大型化する。これに比べて本構成では、油圧モータ18に作用する油圧が小さくなるので、油圧モータ18の大型化が抑制される。また、これに従い、油圧モータ18の駆動トルクが伝達されるサブオイルポンプ20においても同様に、駆動トルクが小さくなるので、サブオイルポンプ20の小型化が可能となる。したがって、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の大型化が抑制され、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
また、本実施例によれば、ライン圧油路48と吐出油路36との間の差圧、すなわちサブオイルポンプ20の吸入ポート38と吐出ポート46との間の差圧が所定値以上となると、安全弁40が開弁され、上記差圧が減少することとなる。したがって、サブオイルポンプ20に作用する差圧の高圧化が防止されるに従い、サブオイルポンプの耐圧値を低い値に設定することができるため、サブオイルポンプの大型化を抑制することができる。
また、本実施例によれば、吐出油路36からセカンダリ圧油路66への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁42が設けられているため、エンジン始動時において、第1レギュレータバルブ22を通過させることなく逆止弁42を通って第2レギュレータバルブ24に油圧が供給される。したがって、セカンダリ圧油路66に速やかに油圧が供給され、車両の発進性が向上する。
また、本実施例によれば、第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24は、それぞれフィードバック油室64、78を備えるので、各調圧弁22、24の調圧による制御圧が高くなると、スプール弁子60、74が開弁側に移動し、制御圧が低くなるとスプール弁子60、74が閉弁側に移動することとなる。したがって、フィードバック油室64、78に供給される制御圧に基づいて、第1レギュレータバルブ22から排出される第1余剰油量および第2レギュレータバルブ24から排出される第2余剰油量が自動的に調整される。
また、本実施例によれば、第2レギュレータバルブ24は、第1排出ポート70および第2排出ポート72を備え、第2排出ポート72が油圧モータ18の吸入油路84に接続されてるため、第1排出ポート70から排出される第2余剰油を、例えば機械要素の潤滑や冷却等の他の用途に使用することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路100の一部であって、特に、油圧発生回路102の構成を示している。図3の油圧発生回路102を、前述した図1に示す油圧発生回路12と比較すると、油圧発生回路102では、図1の逆止弁40が省略される一方、油圧モータ18と並列に迂回弁104が設けられている。なお、他の基本的な構成および作動は、前述した油圧発生回路12と同様であるため、その構成および作動に関する説明を省略する。
迂回弁104は、油圧モータ18と並列に設けられ、一端が吸入油路84に連通され、他端がドレーン油路32と連通されている。そして、迂回弁104内に配設されているスプリング106がボール108を閉弁側に押圧することによって、通常は閉弁された状態となっている。ここで、吸入油路84の油圧が高くなり、吸入油路84(吸入側)とドレーン油路32(吐出側)との間の差圧がスプリング106の付勢力で定まる所定値(クラッキング圧)を越えると、迂回弁104において、その差圧によってボール108がスプリング106の付勢力に抗って開弁側に移動させられ、開弁させられる。このとき、吸入油路84とドレーン油路32とが連通されるので、その間の差圧が所定値以下に低減されることとなる。したがって、油圧モータ18においても、上記所定値を越える差圧が作用することが抑制される。なお、上記所定値は、例えば予め設定されている油圧モータ18の許容油圧以下の値に設定される。これより、油圧モータ18に上記許容油圧を超える油圧が作用することが防止される。したがって、油圧モータ18において、高い差圧が作用することが防止されるので、油圧モータ18の耐圧設計が容易となり、油圧モータ18の小型化が可能となる。
また、これに従って油圧モータ18で発生する駆動トルクが抑制されるので、その駆動トルクによって駆動されるサブオイルポンプ20の駆動トルクも抑制される。これより、サブオイルポンプ20においても耐圧設計が容易となり、サブオイルポンプ20の小型化が可能となる。
上述のように、本実施例によれば、前述した実施例と同様の効果が得られ、また、油圧モータ18の吸入側と吐出側との間の差圧が所定値以上となった場合に開弁される迂回弁104が設けられているため、油圧モータ18に作用する差圧の高圧下が防止される。したがって、油圧モータ18の耐圧値を低い値に設定することができるため、油圧モータ18の大型化を抑制することができる。
図4は、本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路150の一部であって、特に、油圧発生回路152の構成を示している。図4の油圧発生回路152を、前述した図1に示す油圧発生回路12と比較すると、油圧発生回路152では、油圧モータ18の下流側に絞り154が設けられており、その絞り154を通過した油は、所定の油路を通って潤滑や冷却に使用される。なお、他の基本的な構成および作動は、前述した油圧発生回路12と同様であるため、その構成および作動に関する説明を省略する。
上記絞り154が設けられると、その絞り154を通過する流量に応じてその絞り154間で差圧が発生する。図4のように、油圧モータ18の下流側に絞りが設けられている場合、絞り154前後の差圧によって、絞り154の上流側すなわち油圧モータ18の排出ポート86と絞り154との間の油路の油圧P2が上昇する。したがって、油圧モータ18の下流側の油圧P2が上昇するに従い、油圧モータ18に作用する差圧ΔP(P1−P2)が減少することとなる。また、油圧モータ18に作用する差圧ΔPが減少するに従い、油圧モータ18に大流量が流れることも抑制される。従って、油圧モータ18に作用する差圧ΔPおよび流量が制限されるので、油圧モータ18の耐圧値を低くすることができ、また、流量増大によって油圧モータ18が高回転化させられることに伴う焼き付き等も防止される。なお、絞り154は、油圧モータ18の上流側(吸入側)に設けられていても同様の効果を得ることができる。
上述のように、本実施例によれば、前述した実施例と同様の効果を得ることができ、しかも、油圧モータ18の下流側には、絞り154が設けられているため、油圧モータ18に作用する差圧が抑制される。すなわち、絞り154前後において通過流量に応じて差圧が発生することから、油圧モータ18の下流側の油圧が上昇し、結果として、油圧モータ18の上流側と下流側との間の差圧が減少する。したがって、油圧モータ18に作用する油圧(差圧)が抑制されるに従い、油圧モータ18の大型化を抑制することができる。
図5は、本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路200の一部であって、特に、油圧発生回路202の構成を示している。図5の油圧発生回路202を、前述した図1に示す油圧発生回路12と比較すると、油圧発生回路202では、吸入油路84中に油圧モータ18への油の供給状態を切替える切替バルブ204が介装され、その切替バルブ204を制御するためのオンオフソレノイドバルブ206(本発明の電磁弁に対応)が設けられている。
切替バルブ204は、第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72に連通されて第2余剰油が供給される供給ポート207と、油圧モータ18の吸入ポート82と連通する排出ポート208と、その供給ポート207と排出ポート208との間の連通状態を切替えるスプール弁子210と、そのスプール弁子210をOFF位置(図において上側)に付勢するスプリング212と、オンオフソレノイドバルブ206の切替圧PSLを受け入れる油室214とを、備えている。
そして、オンオフソレノイドバルブ206から切替圧PSLが出力されない場合、スプリング212の付勢力によってスプール弁子210がOFF位置(図において上側)に移動させられ、供給ポート207が遮断される。すなわち、供給ポート207と排出ポート208との連通が遮断され、油圧モータ18への第2余剰油の供給が停止される。一方、オンオフソレノイドバルブ206から切替圧PSLが出力されると、その油圧が油室214に供給される。そして、その切替圧PSLによる付勢力により、スプリング212の付勢力に抗ってスプール弁子210がON位置(図において下側)に移動させられ、供給ポート207と排出ポート208とが連通させられる。したがって、切替弁204を介して第2余剰油が供給可能となる。
また、ライン圧PL1およびセカンダリ圧PL2は、それぞれ第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24によって制御されるが、それぞれ車両の走行状態に応じて出力される制御圧によって制御される。そして、この制御圧は、簡略的に示した切替弁222を介して供給される。なお、図5においては、切替弁204および切替弁222は別体で構成されているが、省スペース化のために一体で構成されても構わない。また、上記オンオフソレノイドバルブ206およびリニアソレノイドバルブ220は、共に電子制御装置224によって制御されるものとする。
切替弁222は、リニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが供給される第1供給ポート226と、図示しない調圧弁からの制御圧Paが供給される第2供給ポート227と、第1レギュレータバルブ22の制御ポート67と連通されている第1排出ポート228と、第2レギュレータバルブ24の制御ポート81と連通されている第2排出ポート230と、供給ポート226と第1排出ポート228および第2排出ポート230との連通状態を切替える図示しないスプール弁子と、そのスプール弁子を供給ポート226と第1排出ポート228および第2排出ポート230とが連通される位置に付勢するスプリング232と、オンオフソレノイドバルブ206の切替圧PSLを受け入れる図示しない油室とを、備えている。
オンオフソレノイドバルブ206からの切替圧PSLが出力されない場合、スプリング232の付勢力によって図5に示すように、第1供給ポート226と第1排出ポート228および第2排出ポート230とが連通された状態となり、リニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24に供給される。一方、オンオフソレノイドバルブ206から切替圧PSLが出力されると、その油圧が図示しない油室に供給されて図示しないスプール弁子がスプリング232の付勢力に抗って移動させられ、第1供給ポート226と第2排出ポート230が連通される一方、第2供給ポート227と第1排出ポート228とが連通された状態となる。すなわち、リニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが第2レギュレータバルブ24のみに供給され、その制御圧PSLTによってセカンダリ圧PL2が制御される。また、第1レギュレータバルブ22には、図示しない調圧弁からの制御圧Paによってライン圧PL1が制御される。
図6は、上記電子制御装置224の制御作動を機能別に説明する機能ブロック線図である。図6において、データ読み込み手段240は、回転速度センサにより検出されるエンジン14のエンジン回転速度Ne、および油温センサによって検出される油圧制御回路200中の油温Toilの読み込みを実行する。
流量・油圧算出手段242は、上記データ読み込み手段240によって検出されたエンジン回転速度Neおよび油温Toilに基づいて、ライン圧油路48の供給流量を算出する。なお、メインオイルポンプ16はエンジン14によって駆動されるため、ライン圧油路48の供給流量は、エンジン回転速度Neに比例する。また、油温Toilが高くなると、その粘度変化に基づいて油圧制御回路200中の漏れ量が増加する。上記を考慮して、予め求められた関係より、流量・油圧算出手段242は、ライン圧油路48の供給流量Qを算出する。
また、流量・油圧算出手段242は、ライン圧油路48のライン圧PL1およびメインオイルポンプ16の吐出油路の油圧Poutを算出し、上記より、ライン圧油路48と吐出油路36との間の差圧、すなわちサブオイルポンプ20に作用する差圧ΔPpを算出する。なお、上記油圧の算出は、例えば第1レギュレータバルブ22に供給される制御圧や第1レギュレータバルブ22のバルブ特性等に基づいて算出される。
さらに、流量・油圧算出手段242は、油圧モータ18に供給される第2余剰油の流量(排出流量)qを算出する。上記流量qは、例えばメインオイルポンプ16の吐出流量、第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24に供給される制御圧や第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24のバルブ特性等に基づいて予め求められた関係から算出される、或いは流量計によって直接的に求められる。
切替判断手段246は、流量・油圧算出手段242によって算出されたライン圧油路48への供給流量Qが予め設定されている規定量Q1を越えた状態か否か、ライン圧PL1とポンプ吐出圧Poutとの差圧ΔPp(サブオイルポンプ20に作用する差圧)が予め設定されている規定油圧P1を超えたか否か、油圧モータ18に供給される第2余剰油の流量q(排出流量)が予め設定されている規定油圧q1を超えたか否かを判断する。なお、上記各規定値(Q1、P1、q1)は、予め実験や計算によって設定され、サブオイルポンプ20によって十分にライン圧油路48に油が供給されることで、ライン圧油路48と吐出油路36の差圧が過大となり、また、第2余剰油が増加して油圧モータ18が過回転された状態か否かを判断する指標となる。
ここで、それらの判断の全てが肯定される場合、油圧モータ18の駆動によってサブオイルポンプ20が駆動され、そのサブオイルポンプ20によって十分にライン圧油路48に油が供給され、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが第2レギュレータバルブ24によって制御されることで、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが低下された状態と判断される。さらに、ライン圧PL1とポンプ吐出圧Poutとの間の差圧ΔPpが規定油圧P1を超え、第2余剰油qが規定流量q1を越えることで、油圧モータ18が過回転された状態と判断される。このような状態と判断されると、切替実行手段248は、オンオフソレノイドバルブ206からの切替圧PSLを出力させないことで、切替弁204をOFF側(図において上側)に切り替え、油圧モータ18への第2余剰油の供給を停止する。上記より、油圧モータ18が停止されるに伴い、油圧モータ18の過回転が抑制されると共に、サブオイルポンプ20にかかる負荷が抑制される。
このような状態では、切替弁222において、供給ポート226と第1排出ポート228および第2排出ポート230とが連通された状態とされ、第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24にリニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが供給され、その制御圧PSLTに基づいてライン圧PL1およびセカンダリ圧PL2が制御される。すなわち第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24がリニアソレノイドバルブ220からの制御圧PSLTによって制御される。具体的には、先ず、エンジントルク算出手段250は、例えばエンジン回転速度Neやアクセル開度等から、予め求められたトルク関係マップに基づいてエンジントルクTeを算出する。また、トルク容量算出手段252は、算出されたエンジントルクTeに基づいて、車両に備えられるクラッチやブレーキなどの油圧アクチュエータに伝達されるトルク容量を算出する。なお、上記は、エンジントルクTe、並びに、変速機の変速比等に基づいて予め求められた関係より算出される。また、トルク容量算出手段252は、セカンダリ圧PL2によって制御されるトルクコンバータのロックアップクラッチ等に伝達されるクラッチ容量を、エンジントルクTe、エンジン回転速度Ne等から予め求められた関係より算出する。
そして、必要油圧算出手段254は、算出された油圧アクチュエータのクラッチ容量およびロックアップクラッチのクラッチ容量に基づいて、必要となるライン圧PL1(以下、必要ライン圧PL1)および必要となるセカンダリ圧PL2(以下、必要セカンダリ圧PL2)を算出する。なお、必要ライン圧PL1は、油圧アクチュエータのクラッチ容量に基づいて、予め設定された関係より決定される。また、必要セカンダリ圧PL2は、ロックアップクラッチのクラッチ容量に基づいて、予め設定された関係より決定される。なお、上記必要ライン圧PL1は、油圧アクチュエータのトルク容量を賄うことが可能な油圧(クラッチ伝達可能圧)であり、必要セカンダリ圧PL2は、ロックアップクラッチ等のトルク容量を賄うことが可能な油圧(ロックアップクラッチ伝達可能圧)となる。
そして、制御圧指示手段256は、上記算出された必要ライン圧PL1を制御するために必要とされるリニアソレノイドバルブ220からの制御圧PSLT、および算出された必要セカンダリ圧PL2を制御するために必要とされるリニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTをそれぞれ算出し、それら算出された2つの制御圧PSLTのうち高い側の制御圧PSLTが出力されるようにリニアソレノイドバルブ220を制御する。上記より、ライン圧PL1およびセカンダリ圧PL2の一方の油圧は、他方の油圧を発生させるために必要以上に高い油圧に制御されるが、少なくとも油圧アクチュエータおよびロックアップクラッチに必要とされる油圧が供給可能となる。
次に、上述した切替判断手段246のいずれか1つが否定された場合について説明する。上記の場合、油圧モータ18を駆動させることが可能となるため、切替実行手段248は、オンオフソレノイドバルブ206から切替圧PSLを出力する。このとき、切替弁204がON側(図において下側)に切り替えられ、切替弁204の供給ポート207と排出ポート208とが連通された状態となる。これより、第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72から排出される第2余剰油が、切替弁204を通って油圧モータ18に供給されることが許容される。また、切替弁222では、図示しない油室に切替圧PSLが供給されるため、図示しないスプール弁子が移動させられ、第1供給ポート226と第2排出ポート230とが連通された状態となり、第2レギュレータバルブ24に制御圧PSLTが供給される。すなわち、第2レギュレータバルブ24のみ、リニアソレノイドバルブ220からの制御圧PSLTによって制御される。また、第2供給ポート227と第1排出ポート228とが連通された状態なるため、図示しない調圧弁からの制御圧Paが、切替弁222を通って第1レギュレータバルブ22の制御ポート67に供給される。すなわち、第1レギュレータバルブ22によって調圧されるライン圧PL1は、図示しない調圧弁からの制御圧Paによって制御される。
上記のように、第2レギュレータバルブ24のみリニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが供給される場合、トルク容量算出手段252は、セカンダリ圧PL2によって制御されるトルクコンバータのロックアップクラッチのクラッチ容量を算出する。そして、必要油圧算出手段254は、算出されたロックアップクラッチのクラッチ容量に基づいて、必要となる必要セカンダリ圧PL2を算出する。
制御圧指示手段256は、上記算出された必要セカンダリ圧PL2を制御するために必要とされるリニアソレノイドバルブ220からの制御圧PSLTを算出し、その算出された制御圧PSLTが出力されるように、リニアソレノイドバルブ220を制御する。一方、第1レギュレータバルブ22には、図示しない調圧弁から制御圧Paに基づいてライン圧PL1が制御されるが、上記制御圧Paは、ライン圧PL1が予め設定されている最大圧PLmaxとなるように設定されている。この最大圧PLmaxは、ライン圧消費部50であるクラッチ等の油圧アクチュエータに滑りが生じない程度の十分に高い値に設定されることで、ライン圧PL1が好適に確保される。
図7は、上記電子制御装置224の制御作動の要部、すなわち油圧発生回路202による油圧の供給状態に応じてライン圧PL1およびセカンダリ圧PL2の制御態様を変更する制御作動を説明するためのフローチャートである。
先ず、データ読み込み手段240に対応するステップSA1(以下、ステップを省略する)において、エンジン回転速度Neおよび油圧制御回路200中の油温Toilが読み込まれる。次いで、油量・油圧算出手段242に対応するSA2において、算出されたエンジン回転速度Neおよび油温Toilに基づいて、ライン圧油路48への供給流量Q、ライン圧油路48と吐出油路36との間の差圧ΔPp(ライン圧PL1−Pout)、すなわちサブオイルポンプ20にかかる差圧ΔPp、および油圧モータ18に供給される第2余剰油の流量qが算出される。そして、切替判断手段246に対応するSA3において、SA2において算出されたライン圧油路48への供給流量Qが予め設定されている規定量Q1を超えたか否か、ライン圧油路48のライン圧PL1と吐出油路36の吐出圧Poutの差圧ΔPp(ライン圧PL1−Pout)が規定油圧P1を超えたか否か、および油圧モータ18に供給される第2余剰油の流量qが予め設定されている規定流量q1を超えたか否かが判断される。
SA3の少なくとも1つが否定される場合、切替実行手段248に対応するSA4において、オンオフソレノイドバルブ206の切替圧PSLが出力されることで、切替弁204がON位置に切り替えられ、第2レギュレータバルブ24からの第2余剰油が切替弁204を通って油圧モータ18に供給される。また、切替圧PSLが出力されることで、切替弁222が切り替えられ、リニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが、切替弁222を通って第2レギュレータバルブ24の制御ポート81に供給され、図示しない調圧弁の制御圧Paが、切替弁222を通って第1レギュレータバルブ22の制御ポート67に供給される。そして、エンジントルク算出手段250に対応するSA5において、エンジントルクTeが算出され、トルク容量算出手段252に対応するSA6において、ロックアップクラッチのクラッチ容量が算出される。さらに、必要油圧算出手段254に対応するSA7において、SA6において算出されたロックアップクラッチのクラッチ容量が伝達可能となる必要セカンダリ圧PL2が算出される。そして、制御圧指示手段256に対応するSA8において、SA7において算出された必要セカンダリ圧PL2が出力されるように、リニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが制御される。なお、このとき、ライン圧PL1は、図示しない調圧弁の制御圧Paによって最大圧Pmaxに制御される。なお、上記最大圧Pmaxは、ライン圧消費部50の油圧アクチュエータにおいて、意図しない滑りが発生しない程度の高圧油圧に設定される。
SA3に戻り、上記SA3の各判断の全てが肯定されると、エンジントルク算出手段250に対応するSA9において、エンジントルクTeが算出される。次いで、トルク容量算出手段252に対応するSA10において、算出されたエンジントルクTeに基づいて、ライン圧消費部50に対応するクラッチなどの油圧アクチュエータのトルク容量、およびセカンダリ圧消費部66に対応するロックアップクラッチのクラッチ容量に伝達されるトルク容量が算出される。必要油圧算出手段254に対応するSA11では、SA10において算出された油圧アクチュエータのトルク容量、およびロックアップクラッチのクラッチ容量が伝達可能となる必要ライン圧PL1および必要セカンダリ圧PL2が算出される。そして、制御圧指示手段256に対応するSA12において、上記算出された必要ライン圧PL1および必要セカンダリ圧PL2を出力する際に必要となるリニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTをそれぞれ算出し、算出された制御圧PSLTのうち高圧側の制御圧PSLTが選択され、リニアソレノイドバルブ220から選択された制御圧PSLTが出力されるように制御される。
図8は、上記オンオフソレノイドバルブ206の切替圧PSLによって切り替えられるライン圧PL1およびセカンダリ圧PL2の制御態様を示すモード図である。ここで、モード1は、オンオフソレノイドバルブ206から切替圧PSLを出力した場合、すなわち油圧モータ18への第2余剰油の供給を許容した場合を示している。一方、モード2は、オンオフソレノイドバルブ206から切替圧PSLを出力させない場合、すなわち油圧モータ18への第2余剰油の供給を停止した場合を示している。
モード1においては、切替圧PSLが出力されるに伴って切替バルブ222が切り替えられ、第2レギュレータバルブ24にのみリニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTが供給される。このとき、制御圧PSLTは、ロックアップクラッチにおいてトルク伝達が可能とされる油圧に制御される。上記より、セカンダリ圧PL2を低圧で制御することが可能となる。一方、第1レギュレータバルブ22には、ライン圧PL1が最大圧PLmaxとなる制御圧Pa(最大圧)が図示しない調圧弁より供給される。
また、モード2においては、オンオフソレノイドバルブ206から切替圧PSLが出力されないので、切替バルブ222は図5に示す状態となり、第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブに制御圧PSLTが供給される状態となる。このとき、ライン圧消費部50である油圧アクチュエータにおいてトルク伝達可能となる必要ライン圧PL1が出力されるために必要な制御圧PSLT、セカンダリ圧消費部66であるトルクコンバータのロックアップクラッチにおいてトルク伝達可能となる必要セカンダリ圧PL2が出力されるために必要な制御圧PSLTのうち、高圧側の制御圧PSLTがリニアソレノイドバルブ220から出力される。これより、油圧アクチュエータおよびロックアップクラッチにおいてクラッチの滑りが防止される。
上述のように、本実施例によれば、前述の実施例と同様の効果が得られ、また、油圧モータ18の吸入油路84には、油圧モータ18への油の供給状態を切替える切替弁204が介装されており、その切替弁204はオンオフソレノイドバルブ206からの切替圧PSLに基づいて切り替えられるため、例えば油圧モータ18およびサブオイルポンプ20に必要以上の油圧が作用する場合には、切替弁204によって油圧モータ18への油圧の供給を停止させる。これより、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20に必要以上の油圧が作用することが防止され、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の耐圧値を低い値に設定することができるため、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の小型化が可能となる。
また、本実施例によれば、切替弁204によって油圧モータ18への油圧の供給が許容される場合には、第2レギュレータバルブ24のみリニアソレノイドバルブ220によって制御され、第1レギュレータバルブ22は、予め設定されている最大ライン圧PLmaxが出力されるように制御される。このようにすれば、メインオイルポンプ16の吐出圧が第2レギュレータバルブ24によって制御される際には、セカンダリ圧PL2を必要以上に高圧に制御することが防止され、メインオイルポンプ16の駆動トルクをさらに低減することができる。なお、ライン圧PL1は最大ライン圧PLmaxに制御されるので、ライン圧消費部50における油圧不足も防止される。
また、本実施例によれば、切替弁204によって油圧モータ18への油圧の供給が遮断される場合には、ライン圧PL1が供給されるライン圧消費部50において必要とされる必要ライン圧PL1、およびセカンダリ圧PL2が供給されるセカンダリ圧消費部66において必要とされる必要セカンダリ圧PL2が算出され、リニアソレノイドバルブ220の制御圧PSLTは、必要ライン圧PL1を出力するために必要な制御圧PSLT、必要セカンダリ圧PL2を出力するために必要な制御圧PSLTのうち、高圧側の制御圧PSLTに制御されるため、ライン圧消費部50およびセカンダリ圧消費部66において油圧不足が発生することが防止される。
図9は、本発明の他の実施例である車両用油圧制御回路300の一部であって、特に、油圧発生回路302の構成を示している。図9に油圧発生回路302を前述した図5の油圧発生回路202と比較すると、セカンダリ圧油路80と吸入油路84とが連通され、セカンダリ圧PL2が切替弁204を経由して選択的に油圧モータ18に供給されるように構成されている。以下、上記相違点について説明する。なお、他の構成および作動については、前述した油圧発生回路202と基本的には変わらないため、その説明を省略する。
図に示すように、油圧発生回路302では、セカンダリ圧油路80と吸入油路84とが連通されており、セカンダリ圧PL2が吸入油路84に供給される。また、第2レギュレータバルブ24の第2排出ポート72は、ドレーン油路32に連通されている。
上記のように構成される場合、油圧モータ18に供給される油圧がセカンダリ圧PL2となり、第2余剰油が油圧モータ18へ供給される場合と比較すると供給される油圧が高くなるが、例えば、第1レギュレータバルブ22の第1排出ポート56から排出される第1余剰油が直接油圧モータ18に供給される場合に比べると、油圧モータ18に供給される油圧が低くなる。したがって、油圧モータ18の耐圧設計が容易となり、油圧モータ18の小型化が可能となる。また、油圧モータ18から伝達される駆動トルクが小さくなることから、サブオイルポンプ20においても耐圧設計が容易となり、サブオイルポンプ20の小型化が可能となる。
また、図10に示す車両用油圧制御回路310のように、セカンダリ圧油路80と供給油路84とが連通されることで、油圧モータ18にセカンダリ圧PL2が供給される構成において、前述した油圧発生回路102と同様に、油圧モータ18と並列に迂回弁104が設けられている構成においても、油圧モータ18に作用する差圧が所定値以下に抑制されるので、油圧発生回路102と同様に、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の耐圧設計が容易となり、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の小型化が可能となる。
さらに、図11に示す車両用油圧制御回路320のように、セカンダリ圧油路80と供給油路84とが連通されることで、油圧モータ18にセカンダリ圧PL2が供給される構成において、前述した油圧発生回路152と同様に、油圧モータ18の下流側に絞り154が設けられている構成においても、油圧モータ18に作用する差圧が所定値以下に抑制されるので、油圧発生回路152と同様に、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の耐圧設計が容易となり、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の小型化が可能となる。
上述のように、本実施例によれば、第2レギュレータバルブ24のセカンダリ圧油路80が油圧モータ18の吸入油路84と接続されているため、第2レギュレータバルブ24によって調圧されたセカンダリ圧PL2によって油圧モータ18が駆動され、それに伴ってサブオイルポンプ20が駆動される。したがって、第1レギュレータバルブ22から排出される第1余剰油のエネルギの一部を利用してサブオイルポンプ20を駆動させて油圧を発生させることが可能となり、第1余剰油のエネルギが有効に活用され、エネルギ損失が抑制される。また、上記構成においても、サブオイルポンプ20は、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutとライン圧油路48のライン圧PLとの差圧間で駆動されることとなるため、サブオイルポンプ20の吐出圧が抑制されるに従い、サブオイルポンプ20の大型化が抑制される。したがって、サブオイルポンプ20を小型に設計することができ、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
また、油圧モータ18に供給される油圧は、セカンダリ圧PL2であるため、油圧モータ18にかかる油圧が抑制され、油圧モータ18の大型化が抑制される。例えば、第1レギュレータバルブ22の調圧の際にその排出ポートから排出される第1余剰油が油圧モータ18へ直接供給される構造とすると、油圧モータ18に作用する油圧が大きくなるので、油圧モータ18の充分な耐圧設計が必要となり、油圧モータ18が大型化する。これに比べて本構成では、第2レギュレータバルブ24によって調圧された第1余剰油の油圧よりも低いセカンダリ圧PL2が供給されるので、油圧モータ18の大型化が抑制される。また、これに従い、油圧モータ18の駆動トルクが伝達されるサブオイルポンプ20においても同様に、駆動トルクが小さくなるので、サブオイルポンプ20の小型化が可能となる。したがって、油圧モータ18およびサブオイルポンプ20の大型化が抑制され、装置全体としてもコンパクトに構成することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、安全弁40や迂回弁104、絞り154等は別個の油圧制御回路に設けられいるが、上記のような油圧モータ18およびサブオイルポンプ20にかかる油圧を低減させる構成は、適宜組み合わせて用いても構わない。
また、前述の実施例では、絞り154は、油圧モータ18の下流側に設けられているが、上流側、或いは、その両方に設けられていても構わない。
また、前述の実施例では、油圧発生回路202、油圧発生回路302において、第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24には、共通のリニアソレノイドバルブ220からの制御圧PSLTが供給されるが、各レギュレータバルブ22、24がそれぞれ別個のリニアソレノイドバルブからの制御圧によって制御される構成であっても構わない。
また、前述の実施例では、油圧モータ18とサブオイルポンプ20とは、同回転速度で駆動させられるが、油圧モータ18のロータとサブオイルポンプ20のロータとの間に変速機等を設けて互いの回転速度が異なる構成であっても構わない。
また、前述の実施例では、油圧モータ18への油の供給状態を切替える切替弁204と第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24への制御圧の供給状態を切替える切替弁222とは別体で設けられているが、上記切替弁204と切替弁222とは一体的に構成されるものであっても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、100、150、200、250、300、310、320:車両用油圧制御回路
14:エンジン(駆動源)
16:メインオイルポンプ(第1オイルポンプ)
18:油圧モータ
20:サブオイルポンプ(第2オイルポンプ)
22:第1レギュレータバルブ(第1調圧弁)
24:第2レギュレータバルブ(第2調圧弁)
25:逆止弁
36:吐出油路(第1オイルポンプの吐出油路)
38:吸入ポート(第2オイルポンプの吸入ポート)
40:安全弁
46:吐出ポート(第2オイルポンプの吐出ポート)
48:ライン圧油路
50:ライン圧消費部
52:第1供給ポート(第1調圧弁)
54:第2供給ポート(第1調圧弁)
56:第1排出ポート(第1調圧弁の排出ポート)
60:スプール弁子(第1調圧弁)
64:フィードバック油室(第1調圧弁)
66:セカンダリ圧消費部
68:供給ポート(第2調圧弁)
72:第2排出ポート(第2調圧弁の排出ポート)
74:スプール弁子(第2調圧弁)
78:フィードバック油室(第2調圧弁)
80:セカンダリ圧油路
82:吸入ポート(油圧モータ)
84:吸入油路
104:迂回弁
154:絞り
204:切替弁
206:オンオフソレノイドバルブ(電磁弁)
220:リニアソレノイドバルブ
PL:ライン圧
PLmax:最大ライン圧
PL2:セカンダリ圧
SL:切替圧
SLT:制御圧

Claims (10)

  1. 駆動源により駆動される第1オイルポンプと、
    油圧モータによって駆動され、吸入ポートが該第1オイルポンプの吐出油路に接続されている第2オイルポンプと、
    前記第1オイルポンプの吐出油路と前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されたライン圧油路との間に設けられ、該第1オイルポンプの吐出油路から該ライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁と、
    前記ライン圧油路に接続された第1供給ポートと、前記第1オイルポンプの吐出油路に接続された第2供給ポートと、調圧時において第1余剰油が排出される排出ポートと、該第1供給ポートおよび該第2供給ポートと該排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを有し、該ライン圧油路のライン圧を調圧する第1調圧弁と、
    該第1調圧弁によって調圧される際に排出される第1余剰油が供給される供給ポートと、調圧時に第2余剰油が排出される排出ポートと、該供給ポートと該排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを備え、該第1余剰油を元圧としてセカンダリ圧油路のセカンダリ圧を調圧する第2調圧弁とを、含み、
    前記第2調圧弁の排出ポートが前記油圧モータの吸入ポートと連通する吸入油路と接続されていることを特徴とする車両用油圧制御回路。
  2. 駆動源により駆動される第1オイルポンプと、
    油圧モータによって駆動され、吸入ポートが該第1オイルポンプの吐出油路に接続されている第2オイルポンプと、
    前記第1オイルポンプの吐出油路と前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されたライン圧油路との間に設けられ、該第1オイルポンプの吐出油路から該ライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁と、
    前記ライン圧油路に接続された第1供給ポートと、前記第1オイルポンプの吐出油路に接続された第2供給ポートと、調圧時において第1余剰油が排出される排出ポートと、該第1供給ポートおよび該第2供給ポートと該排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを有し、該ライン圧油路のライン圧を調圧する第1調圧弁と、
    該第1調圧弁によって調圧される際に排出される第1余剰油が供給される供給ポートと、調圧時に第2余剰油が排出される排出ポートと、該供給ポートと該排出ポートとの間を開閉するスプール弁子とを備え、該第1余剰油を元圧としてセカンダリ圧油路のセカンダリ圧を調圧する第2調圧弁とを、含み、
    前記第2調圧弁に接続されている前記セカンダリ圧油路が、前記油圧モータの吸入ポートと連通する吸入油路と接続されていることを特徴とする車両用油圧制御回路。
  3. 前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されている前記ライン圧油路と前記第1オイルポンプの吐出油路との間には、所定の差圧が発生した場合に該ライン圧油路から該吐出油路側への油の流れを許容する安全弁が設けられていることを特徴とする請求項1または2の車両用油圧制御回路。
  4. 前記油圧モータに並列に設けられ、該油圧モータの吸入側と吐出側との間の差圧が所定値以上となった場合に開弁される迂回弁が設けられていることを特徴とする請求項1または2の車両用油圧制御回路。
  5. 前記油圧モータの吸入側および吐出側の少なくとも一方には、絞りが設けられていることを特徴とする請求項1または2の車両用油圧制御回路。
  6. 前記油圧モータの吸入油路には、前記油圧モータへの油の供給状態を切替える切替弁が介装されており、該切替弁は電磁弁からの切替圧に基づいて切り替えられることを特徴とする請求項1または2の車両用油圧制御回路。
  7. 前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が遮断される場合には、前記第1調圧弁および前記第2調圧弁がリニアソレノイドバルブによって制御され、
    前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が許容される場合には、前記第2調圧弁のみ該リニアソレノイドバルブによって制御され、前記第1調圧弁は、予め設定されている最大ライン圧が出力されるように制御されることを特徴とする請求項6の車両用油圧制御回路。
  8. 前記切替弁によって前記油圧モータへの油圧の供給が遮断される場合には、前記ライン圧が供給されるライン圧消費部において必要とされる必要ライン圧、および前記セカンダリ圧が供給されるセカンダリ圧消費部において必要とされる必要セカンダリ圧が算出され、
    前記リニアソレノイドバルブの制御圧は、該必要ライン圧を出力するために必要な制御圧、該必要セカンダリ圧を出力するために必要な制御圧のうち、高圧側の制御圧に制御されることを特徴とする請求項7の車両用油圧制御回路。
  9. 前記セカンダリ圧油路は、逆止弁を介して前記第1オイルポンプの吐出油路と接続されており、
    該逆止弁は、該吐出油路から該セカンダリ圧油路への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止するものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つの車両用油圧制御回路。
  10. 前記第2調圧弁の排出ポートは、複数個のポートから成り、該複数個のポートの1つが前記油圧モータの吸入油路に接続されていることを特徴とする請求項1の車両用油圧制御回路。
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