JP2011080537A - 車両用油圧制御回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御等を必要としない比較的コンパクトな構成で、オイルポンプの余剰動力を有効利用することでエネルギロスを抑制を抑制することができる車両用油圧制御回路を提供する。
【解決手段】第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52は、油圧モータ18の吸入油路55に連通されているため、第1レギュレータバルブ22から余剰油が排出されると、油圧モータ18が駆動されてサブオイルポンプ20が駆動される。したがって、第2排出ポート52から排出される余剰油のエネルギによってサブオイルポンプ20を駆動させて油圧を発生させることが可能となり、エネルギロスが抑制される。また、低圧油路54側には第1排出ポート50から余剰油が供給されるため、ライン圧油路53や低圧油路54への制御性への影響が生じない。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に備えられる油圧制御回路の構成に係り、特に、油圧アクチュエータなどの油圧必要部に油圧を供給する油圧発生回路に関するものである。
車両には、変速機のクラッチやブレーキなどをはじめとして、複数個の油圧によって駆動される油圧式アクチュエータが備えられており、その油圧アクチュエータは油圧制御回路によって制御される。この油圧制御回路に供給される元圧は、例えばエンジンなどの駆動源によって駆動されるオイルポンプによって発生させられ、その油圧が調圧弁によってライン圧等に調圧される。ここで、エンジン回転速度が高回転化されると、オイルポンプによって吐出される流量が増加するに伴い、変速機の制御や潤滑油などに必要とされる油量を超える作動油がオイルポンプから吐出されることとなり、余剰油(余剰動力)が発生してエネルギロスが生じる問題があった。
これに対して、特許文献1の作動油供給装置では、エンジンによって駆動されるメインオイルポンプおよびサブオイルポンプの2個のオイルポンプと、サブオイルポンプの吸入側をメインオイルポンプの吐出側に連通させることが可能な電磁弁とを備え、エンジン高回転時は、電磁弁によってサブオイルポンプの吸入側とメインオイルポンプの吐出側とを連通させることによって、メインオイルポンプの駆動エネルギをサブオイルポンプの駆動に活用する技術が開示されている。
また、特許文献2および特許文献3の流体圧回路には、調圧弁から排出される余剰油を油圧モータおよび減速機を介して流体圧エネルギに変換する流体圧ポンプと、その流体圧ポンプから出力された流体圧エネルギを蓄えるアキュムレータと、流体圧エネルギの行き先を上記アキュムレータまたはメイン回路の何れかに切り替える電磁弁とを備え、余剰油によって蓄積された流体圧エネルギを適宜メイン回路に放出する技術が開示されている。
特開2009−52639号公報 特開2006−322578号公報 特開2007−40393号公報
上記のように、特許文献1乃至特許文献3は、いずれもオイルポンプからの元圧を調圧する際に生じる余剰油(余剰動力)を有効に利用することでエネルギロスを抑制するものであるが、それぞれ以下の示すような問題があった。特許文献1の作動油供給装置では、エンジンによって駆動されるオイルポンプが2個必要となるため、既存の変速機への展開性(流用性)が悪く、その2個のオイルポンプは、共に高圧駆動となるため、高圧設計が必要となる。また、サブオイルポンプの全流量をメインオイルポンプの吐出で賄う必要があるため、余剰流量を見積もることが困難であることから、かなり余裕を持った設定する必要がありるため、大きな効果が期待できない。さらに、電磁弁を切り替える制御が必要となる。
また、特許文献2および特許文献3の流体圧回路では、メイン回路での必要分(流体圧エネルギ)を確保するため、大きなアキュムレータが必要となる。また、高圧の状態で保持することから、高油圧の漏れを防ぐシールが必要となる。さらに、アキュムレータ蓄積の有無を判断・切替のための制御が必要となる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、制御等を必要としない比較的コンパクトな構成で、オイルポンプの余剰動力を有効利用することでエネルギロスを抑制を抑制することができる車両用油圧制御回路を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)駆動源により駆動される第1オイルポンプと、(b)油圧モータによって駆動される第2オイルポンプと、(c)前記第1オイルポンプの吐出油路と前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されたライン圧油路との間に設けられ、その第1オイルポンプの吐出油路からライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁と、(d)前記ライン圧油路に接続された第1供給ポートと第1排出ポートとの間を開閉し、且つ、前記第1オイルポンプの吐出油路に接続された第2供給ポートと第1排出ポートおよび第2排出ポートとの間を開閉するスプール弁子を備え、そのライン圧油路のライン圧が所定の圧力となるように調圧する調圧弁と、を備え、(e)前記調圧弁の前記第1排出ポートは前記ライン圧油路よりも低圧の低圧油路に連通される一方、前記第2排出ポートは前記油圧モータの吸入油路に連通され、(f)前記第1オイルポンプの吐出油路は前記第2オイルポンプの吸入油路に連通されることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用油圧制御回路において、前記油圧モータはアキュムレータを備えており、その油圧モータの回生作用によってそのアキュムレータに蓄積されたエネルギが前記第2オイルポンプ作動時に放出されることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2の車両用油圧制御回路において、前記第2オイルポンプの吐出流量は、前記油圧モータよりも大きく設定されることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項3の車両用油圧制御回路において、前記アキュムレータによって蓄積されるエネルギを保持するために、前記第2オイルポンプの吸入油路からの作動油の流れを遮断する電磁弁を備えることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項2乃至4のいずれか1つの車両用油圧制御回路において、前記余剰油によって前記第2オイルポンプを駆動させる場合と、前記エネルギを放出させて該第2オイルポンプを駆動させる場合とでは、油の吐出側が反転されるものであり、前記エネルギを放出させて前記第2オイルポンプを駆動させる場合においても、その第2オイルポンプから吐出される油が前記調圧弁に供給されるように第2オイルポンプの吐出ポートに環流油を供給するための切替弁が設けられていることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項2乃至5のいずれか1つの車両用油圧制御回路において、前記アキュムレータは、バネ式または気体圧縮式が使用されることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項2乃至6のいずれか1つの車両用油圧制御回路において、前記アキュムレータと前記油圧モータとの間には、回転運動を直線運動に相互に変換するボールネジが設けられていることを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用油圧制御回路において、前記油圧モータは、蓄電装置に充電可能な発電機に連結され、前記第2オイルポンプは、その蓄電装置からの電力によって駆動可能な電動機に連結されており、油圧が必要とされる場合において、その油圧モータによって蓄電装置に充電された電力を用いてその第2オイルポンプを駆動させることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用油圧制御回路において、電磁弁によって連通先が切り替えられる油圧式のアキュムレータを備え、前記ライン圧油路のライン圧が所定の圧力以上である場合には、そのアキュムレータはライン圧油路に連通され、そのライン圧が所定の圧力未満である場合には、そのアキュムレータは、前記油圧モータの吸入油路に連通されることを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用油圧制御回路において、前記調圧弁は、その調圧弁によって調圧された制御圧を受け入れる調圧用のフィードバックポートを備えており、そのフィードバックポートに供給される制御圧が高くなると、前記第1排出ポートおよび第2排出ポートの開口面積が増加し、その制御圧が低くなると、その第1排出ポートおよび第2排出ポートの開口面積が減少することを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記調圧弁の第2排出ポートは、前記油圧モータの吸入油路に連通されているため、調圧弁の第2排出ポートから余剰油が排出されると、油圧モータが駆動されて第2オイルポンプが駆動される。したがって、第2排出ポートから排出される余剰油のエネルギによって第2オイルポンプを駆動させて油圧を発生させることが可能となり、その分エネルギロスが抑制される。また、低圧油路側には第2排出ポートとは別の第1排出ポートから余剰油が供給されるため、その第2排出ポートからの余剰油の変動等に関して、前記調圧弁によって調圧されたライン圧が供給されるライン圧油路や低圧油路への制御性への影響が生じない。また、前記調圧弁によって自動的に余剰油が調整されるため、好適な余剰油量を判断する判断装置や制御用の電磁弁、制御バルブ等を必要としない。上記より、部品点数増加の防止に伴うコスト低減や制御回路の複雑化の防止が可能となる。
また、第2排出ポートから排出される余剰油の流量が少ない状態では、油圧モータの駆動力が小さく、第2オイルポンプの吐出油路と吸入油路とが逆止弁を介して連通された状態となるので負荷がほとんどない空回り状態となる。そして、余剰油が徐々に増加すると、第2オイルポンプの駆動トルクが増加して第2オイルポンプの吐出流量が増加する。余剰流量の増加に伴って第2オイルポンプの吐出流量が増加すると、その背反として第1オイルポンプからライン圧油路側への吐出圧力が減少する。そして、この第1オイルポンプの吐出圧低下に伴って、逆止弁が閉弁されてライン圧油路と第1オイルポンプの吐出油路との間が分断される。このとき、第1オイルポンプの吐出油路は調圧弁を介して低圧油路と連通されていることから、第1オイルポンプは低圧油路側で必要な比較的低い吐出油圧で駆動可能となる。したがって、第1オイルポンプの駆動トルクが抑制されて燃費が向上する。また、このとき第2オイルポンプは、第1オイルポンプの吐出圧すなわち低圧油路側で必要な油圧とライン圧油路の油圧との差圧間で駆動されることとなることから、第2オイルポンプの駆動トルクも抑制される。
また、請求項2にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、油圧モータの回生作用によってアキュムレータに蓄積されたエネルギが前記第2オイルポンプ作動時に放出されるため、第2オイルポンプがそのエネルギによって駆動させられ、例えば第1オイルポンプの非作動時など油圧が不足する場合であっても、好適な油圧を発生させることができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記第2オイルポンプの吐出流量は、前記油圧モータよりも大きく設定されるため、アキュムレータによって蓄積された高密度エネルギを用いて、第2オイルポンプにおいて低圧ではあるが大流量を吐出することができる。また、その第2オイルポンプの吐出を、例えばエコラン時(第1オイルポンプ停止中の発進走行時)や、ライン圧油路と低圧油路との差圧分といった高圧が不要な部位に供給する構成とすることで第2オイルポンプの低圧供給が可能となる。
また、請求項4にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記アキュムレータによって蓄積される高密度エネルギを保持するために、前記第2オイルポンプの吸入油路からの油の流れを遮断する電磁弁を備えるため、高圧保持が不要となり、高圧に対するシール性を考慮した設計が不要となる。なお、第2オイルポンプは大流量で低圧吐出に設計されているため、アキュムレータの高密度エネルギに対して低圧での保持が可能となる。また、アキュムレータの高密度エネルギを低圧で保持することで、保持部の小型化も可能となる。
また、請求項5にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記エネルギを放出させて前記第2オイルポンプを駆動させる場合においても、その第2オイルポンプから吐出される油が前記調圧弁に供給されるように第2オイルポンプの吐出ポートに環流油を供給するための切替弁が設けられているエネルギ放出によって第2オイルポンプを駆動させるに際して、第2オイルポンプの吸入側と吐出側が逆転した場合であっても調圧弁側への油の供給が可能となる。
また、請求項6にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記アキュムレータは、バネ式または気体圧縮式が使用されるため、油圧モータの回生によるエネルギを適宜蓄積および放出することが可能となる。
また、請求項7にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記アキュムレータと前記油圧モータとの間には、回転運動を直線運動に変換するボールネジが設けられているため、油圧モータの回転トルク(エネルギ)をボールネジを介してアキュムレータに蓄積することができ、さらに、そのエネルギをボールネジを介して回転運動に変換して第2オイルポンプを駆動させることができる。
また、請求項8にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記油圧モータは、蓄電装置に充電可能な発電機に連結され、前記第2オイルポンプは、その蓄電装置からの電力によって駆動可能な電動機に連結されており、油圧が必要とされる場合において、その油圧モータによって蓄電装置に充電された電力を用いてその第2オイルポンプを駆動させるため、車両の状態に応じて最適な油圧の供給が可能となる。
また、請求項9にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、前記ライン圧油路のライン圧が所定の圧力以上である場合には、そのアキュムレータはライン圧油路に連通されて油圧が蓄積され、そのライン圧が所定の圧力未満である場合には、アキュムレータは、前記油圧モータの吸入油路に連通されることで、アキュムレータに蓄積された油圧によって第2オイルポンプを駆動させて、油圧の不足分を補うことができる。
また、請求項10にかかる発明の車両用油圧制御回路によれば、フィードバックポートに供給される制御圧が高くなると、前記第1排出ポートおよび第2排出ポートの開口面積が増加し、その制御圧が低くなると、その第1排出ポートおよび第2排出ポートの開口面積が減少するため、余剰油量を制御する装置などを設けることなく、制御圧に基づいて第1排出ポートおよび第2排出ポートの開口面積が自動的に調整され、余剰油量が調整される。
本発明が適用された車両用油圧制御回路の一部であって、特に、油圧クラッチや油圧ブレーキなどの油圧アクチュエータに供給される元圧を発生させる油圧発生回路の構成を説明するための図である。 車両走行時でのエンジン回転速度と、ライン圧、セカンダリ圧、およびポンプ吐出圧との関係を示す図である。 図1の構成において、メインオイルポンプの駆動トルク(駆動エネルギ)が低減される原理を概念的に示すものである。 本発明の他の実施例である油圧発生回路の構成を示す図であって図1に対応するものである。 図4の油圧モータとアキュムレータとがボールネジを介して作動的に連結されている状態を一例として示す構成図である。 図5のアキュムレータの他の構成を示す図である。 図4の油圧発生回路に対応する走行モード毎の作動状態を説明するための作動表である。 本発明の他の実施例である油圧発生回路構成を示す図であって、図1に対応するものである。 図8の油圧発生回路に対応する走行モード毎の作動状態を説明するための作動表である。 本発明の他の実施例である油圧発生回路構成を示す図であって、図1に対応するものである。 本発明の他の実施例である油圧発生回路構成を示す図であって、図1に対応するものである。 本発明の他の実施例である油圧発生回路構成を示す図であって、図1に対応するものである。 油圧モータと第2オイルポンプとが1つのオイルポンプで構成された状態を簡略的に示す図である。
ここで、好適には、前記車両用油圧制御回路は、有段変速機や無段変速機、ハイブリッド車両など、油圧によって駆動されるアクチュエータを備えた車両に適宜使用される。
また、好適には、前記電磁弁は、前記第1オイルポンプ非作動時など油圧制御回路の油圧が不足した場合に作動され、前記第2オイルポンプを駆動させるものである。このようにすれば、アキュムレータに蓄積されたエネルギによって速やかに第2オイルポンプを駆動させることができるため、油圧回路内の不足した油圧を補うことができる。
また、好適には、油圧モータは、余剰油が供給される際には回生モータとして機能すると共に、アキュムレータによって蓄積されたエネルギによってオイルポンプとしても作動するように構成される。このようにすれば、油圧モータをオイルポンプとして作動させることで、油圧モータからも油圧を発生させることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用油圧制御回路10の一部であって、特に、油圧クラッチや油圧ブレーキなどの油圧アクチュエータに供給される元圧を発生させる油圧発生回路12の構成を示している。なお、上記油圧制御回路10は、例えば有段変速機や無段変速機、ハイブリッド形式の動力伝達装置などに適用される。
油圧発生回路12は、駆動源であるエンジン14によって駆動されるメインオイルポンプ16と、油圧モータ18によって駆動されるサブオイルポンプ20と、メインオイルポンプ16から吐出される吐出圧を調圧してライン圧PL1を出力するリリーフ式の第1レギュレータバルブ22と、第1レギュレータバルブ22の調圧時に排出される排出圧をさらに調圧してライン圧PL1よりも低圧のセカンダリ圧PL2を出力するリリーフ式の第2レギュレータバルブ24と、メインオイルポンプ16とサブオイルポンプ20との間に設けられている逆止弁25とを、備えている。ここで、メインオイルポンプ16が本発明の第1オイルポンプに対応しており、サブオイルポンプ20が本発明の第2オイルポンプに対応しており、第1レギュレータバルブ22が本発明の調圧弁に対応しており、逆止弁25が本発明の逆止弁に対応している。
メインオイルポンプ16は、例えばベーンポンプや歯車ポンプで構成され、エンジン14により駆動させられる。メインオイルポンプ16は、ドレン油路29に接続されているメインオイルポンプ16の吸入油路30から油を吸入し、吐出油路32へ吐出する。この吐出された油圧(吐出圧Pout)が第1レギュレータバルブ22によってライン圧PL1に調圧する際の元圧となる。なお、ドレン油路29には、オイルパン26に貯留されている油がストレーナ28を通って供給可能に構成されている。サブオイルポンプ20は、その吸入油路34がメインオイルポンプ16の吐出油路32と連通されており、メインオイルポンプ16から吐出された作動油を吸入油路34から吸入し、サブオイルポンプ20の吐出油路36へ吐出する。なお、上記メインオイルポンプ16の吐出油路32が本発明の第1オイルポンプの吐出油路に対応しており、サブオイルポンプ20の吸入油路34および吐出油路36が本発明の第2オイルポンプの吸入油路および吐出油路に対応している。
第1レギュレータバルブ22は、クラッチやブレーキに用いられる油圧シリンダ等のライン圧消費部38に供給されるライン圧PL1を所定の圧力に調圧するための調圧弁であり、油路の連通状態を切替えるためのスプール弁子40と、そのスプール弁子40に閉弁方向(図1において上方)の推力を付与するスプリング42と、第1レギュレータバルブ22によって調圧されたライン圧PL1(制御圧)を油室内へ受け入れるフィードバックポート44と、メインオイルポンプ16からの吐出圧およびサブオイルポンプ20の吐出圧が供給される第1供給ポート46(本発明の第1供給ポート)と、メインオイルポンプ16からの吐出圧が供給される第2供給ポート48(本発明の第2供給ポート)と、調圧時に不要となった余剰油が排出される第1排出ポート50(本発明の第1排出ポート)および第2排出ポート52(本発明の第2排出ポート)とを備えている。なお、第1レギュレータバルブ22によって調圧されたライン圧PL1は、ライン圧油路53からライン圧消費部38に供給される。
図1は、スプリング42の付勢力によってスプール弁子40が閉弁方向に移動させられた状態を示している。この状態では、スプール弁子40によって第1供給ポート46および第2供給ポート48がいずれのポートにも連通されないことから、第1排出ポート50および第2排出ポート52から余剰油が排出されない。一方、フィードバックポート44から所定値を越える油圧(ライン圧PL1)がその油室内へ供給されると、スプリング42の付勢力に抗ってスプール弁子40が開弁方向(図において下方)移動させられる。このとき、第1供給ポート46が第1排出ポート50と連通されると共に、第2供給ポート48が、第1排出ポート50および第2排出ポート52と連通されることにより、第1排出ポート50および第2排出ポート52から余剰油が排出される。なお、第1排出ポート50および第2排出ポート52の開口面積はフィードバックポート44に供給されるライン圧PL1に比例して増加し、ライン圧PL1が設定したライン圧より高くなると開口面積が増加し、ライン圧PL1が低くなると開口面積が減少する。したがって、ライン圧PL1の増加に比例して第1排出ポート50および第2排出ポート52から排出される余剰油が増加する。ここで、第1排出ポート50は、低圧油路54(第2レギュレータバルブ24を含む)に連通されており、第2レギュレータバルブ24によって調圧されたセカンダリ圧PL2が低圧油路54を通ってセカンダリ圧消費部57に供給される。また、第2排出ポート52は油圧モータ18の吸入油路55と連通されている。なお、セカンダリ圧消費部57は、例えばロックアップクラッチやトルクコンバータなどのセカンダリ圧PL2を消費とする油圧装置に相当する。
第2レギュレータバルブ24は、第1レギュレータバルブ22の第1排出ポート50から排出された油圧を元圧としてセカンダリ圧消費部57(低圧油路54)へ供給されるセカンダリ圧PL2を調圧するための調圧弁であり、油路の連通状態を切替えるためのスプール弁子56と、そのスプール弁子56に閉弁方向(図において上方)の推力を付与するスプリング58と、第2レギュレータバルブ24によって調圧されたセカンダリ圧PL2を受け入れるフィードバックポート60と、第1排出ポート50(第1レギュレータバルブ22)から排出される油圧が供給される供給ポート62と、調圧時の余剰油が排出される第1排出ポート64および第2排出ポート66とを、備えている。図1においては、スプリング58の付勢力によってスプール弁子56が閉弁方向に移動させられた状態を示している。この状態では、供給ポート62がいずれのポートにも連通されないことから、第1排出ポート64および第2排出ポート66から作動油が排出されない。一方、フィードバックポート60から所定値を越える油圧がその油室内へ供給されると、スプリング58の付勢力に抗ってスプール弁子56が開弁方向(図において下方)に移動させられる。このとき、供給ポート62が第1排出ポート64および第2排出ポート66と連通されることで、第1排出ポート64および第2排出ポート66から余剰油が排出される。なお、第1排出ポート64から排出される余剰油は、吸入油路30に環流され、第2排出ポート66から排出される余剰油は、図示しない潤滑回路や冷却回路に供給される。
油圧モータ18は、吸入油路55の油圧と吐出油路70の油圧との間の差圧によって連続的に回転駆動されるアクチュエータであり、第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52から排出される余剰油が吸入油路55に供給されると、その油圧によって駆動させられる。そして、油圧モータ18のロータとサブオイルポンプ20のロータとが機械的に連結されており、その駆動力(駆動トルク)がサブオイルポンプ20に伝達される。したがって、油圧モータ18の駆動に従って、サブオイルポンプ20が駆動させられる。なお、油圧モータ18の構成は、オイルポンプと基本的には変わらないものである。
メインオイルポンプ16の吐出油路32は、サブオイルポンプ20の吸入油路34、逆止弁25、および第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート48に連通されている。また、サブオイルポンプ20の吐出ポート20pに接続された吐出油路36は、逆止弁25、ライン圧油路53、第1レギュレータバルブ22の第1供給ポート46、および第1レギュレータバルブ22のフィードバックポート44に連通されている。ここで、メインオイルポンプ16の吐出油路32とサブオイルポンプ20の吐出油路36との間に設けられている逆止弁25は、吐出油路32(メインオイルポンプ16)から吐出油路36(サブオイルポンプ20)側への油の流入を許容する一方、吐出油路36から吐出油路32側(逆方向)への油の流入を阻止している。
次に、上記のように構成される油圧発生回路12の作動について説明する。通常走行時においては、エンジン14が駆動するに伴ってメインオイルポンプ16が駆動させられており、吐出油路32へ吐出圧Poutが出力される。そして、その吐出圧Poutが第1レギュレータバルブ22によってライン圧PL1に調圧された後、ライン圧油路53からライン圧消費部38へ供給される。なお、ライン圧油路53(ライン圧消費部38)のライン圧PL1が低い状態では、フィードバックポート44に供給される油圧が低いため、スプール弁子40が開弁方向に殆ど移動されない。したがって、第1レギュレータバルブ22の第1排出ポート50および第2排出ポート52から排出される余剰油は殆どなく、その余剰油によって駆動される油圧モータ18の駆動力は小さくなる。このとき、メインオイルポンプ16の吐出油路32の油は、サブオイルポンプ20の吸入油路34、および逆止弁25を通ってサブオイルポンプ20の吐出油路36に供給されるため、サブオイルポンプ20の吸入油路34および吐出油路36の油圧は略等しくなる。したがって、サブオイルポンプ20は、負荷が殆ど係らない状態で空回りさせられる。
そして、エンジン回転速度が上昇するに伴い、メインオイルポンプ16の吐出流量が増加すると、フィードバックポート44に供給される油圧が徐々に高くなってスプール弁子40がさらに開弁側に移動させられる。したがって、第1排出ポート50および第2排出ポート52の開口面積がさらに増加し、第1排出ポート50および第2排出ポート52から排出される余剰油が増加する。そして、第2排出ポート52からの余剰油の増加に従い、油圧モータ18の駆動力が増加してサブオイルポンプ20の吐出流量が増加する。
ここで、余剰油によって駆動するサブオイルポンプ20の吐出流量が増加し、ライン圧消費部38において消費される油圧が十分に賄われる状態になると、第1レギュレータバルブ22のフィードバックポート44に供給される油圧が高くなって、スプール弁子40が移動させられる。したがって、第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート48と第1排出ポート50とが連通されるので、メインオイルポンプ16の吐出油路と低圧回路54とが連通される。
このとき、サブオイルポンプ20からライン圧油路53へ供給される流量が増加するために、メインオイルポンプ16の吐出油路32から逆止弁25を通ってライン圧油路53へ流入する油が少なくなり、ライン圧油路53とメインオイルポンプ16の吐出油路32との間に差圧が生じるに伴い、逆止弁25が閉弁されて油路が分断される。これより、メインオイルポンプ16の吐出油路32は、第1レギュレータバルブ22を介して低圧油路54と連通された状態となるため、メインオイルポンプ16は、低圧油路54側で必要となる吐出圧で駆動される。したがって、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが低減されるため、メインオイルポンプ16の駆動トルクが低減される。
また、サブオイルポンプ20は、メインオイルポンプ16の吐出圧すなわち低圧油路54側で必要となる油圧とライン圧油路53のライン圧PL1との間の差圧間で駆動可能となるので、サブオイルポンプ20においても低い駆動トルクでの駆動が可能となる。
図2は、車両走行時でのエンジン回転速度Neとライン圧PL1、セカンダリ圧PL2、およびポンプ吐出圧Poutとの関係を示している。図に示すようにエンジン低回転速度の領域では、メインオイルポンプ16からの吐出流量が少ないため、第1レギュレータバルブ22のスプール弁子40が開弁側に移動されず、第1排出ポート50および第2排出ポート52から余剰油が排出されない。したがって、ライン圧PL1と吐出圧Poutとが同レベルとなる。
そして、エンジン回転速度Neが増加するに従って、メインオイルポンプ16からの吐出流量が増加すると、第1レギュレータバルブ22のスプール弁子40が開弁側に移動させられ始め、第1排出ポート50および第2排出ポート52からの余剰油が徐々に増加する。また、余剰油の増加に伴い、サブオイルポンプ20の駆動トルクが増加することから、ライン圧消費部38側で消費される流量に対して、サブオイルポンプ20によって賄われる流量が増加する。これに対して、メインオイルポンプ16から吐出される吐出圧Poutが徐々に低下する。
そして、さらにエンジン回転速度Neが増加すると、第1レギュレータバルブ22が十分に開弁させられた状態となることから、余剰油の増加に伴ってサブオイルポンプ20の駆動トルクがさらに増加してサブオイルポンプ20の吐出量がさらに増加する。このとき、サブオイルポンプ20によってライン圧消費部38で消費される油圧が十分に賄えることとなり、メインオイルポンプ16からライン圧消費部38への吐出が不要となると、逆止弁25が閉弁されてライン圧油路53とメインオイルポンプ16の吐出回路32との間の油路が分断される。一方、第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート48と第1排出ポート50とが連通された状態となるので、メインオイルポンプ16の吐出油路32と低圧油路54とが連通されることから、メインオイルポンプ32の吐出圧Poutは、低圧油路54で必要とされる油圧まで低下する。
図3は、上記のように油圧発生回路12が構成されることで、メインオイルポンプ16のポンプトルク(駆動エネルギ)が低減される原理を概念的に示している。なお、図3において、横軸がメインオイルポンプ16の流量(エンジン回転速度Neに相当)を示しており、縦軸が発生させる油圧を示している。従来の油圧発生回路においては、必要とされる油圧すなわちライン圧油路53と低圧油路54へ供給される油圧を発生させるために要するポンプトルク(図において四角で囲まれる領域A+領域B+領域D)に対して、外側の破線で囲まれるポンプトルク(領域A+領域B+領域C+領域D+領域E)が消費されていた。なお、横軸はエンジン回転速度Neに比例するため、領域Cおよび領域Eの余剰エネルギは、エンジン回転速度Neに増加に従って増加する。
これに対して、本実施例の油圧発生回路12では、必要とされるポンプトルク(領域A+領域B+領域D)に対して、エンジン低回転時、変速時、高油温時等を除くと、領域A+領域B+領域C分のポンプトルクで賄うことが可能となる。具体的に説明すると、流量増加(エンジン回転速度増加)に伴って増加する領域Cの余剰エネルギによって油圧モータ18を駆動させ、その油圧モータ18によって駆動されるサブオイルポンプ20によって、低圧油路54の油圧(セカンダリ圧相当)とライン圧油路53のライン圧PL1との間の差圧間の油圧を発生させる(領域D分に相当)。上記より、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutがライン圧相当からセカンダリ圧相当に低減され、領域Dおよび領域Eのポンプトルクが不要となる。
上述のように、本実施例によれば、第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52は、油圧モータ18の吸入油路55に連通されているため、第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52から余剰油が排出されると、油圧モータ18が駆動されてサブオイルポンプ20が駆動される。したがって、第2排出ポート52から排出される余剰油のエネルギによってサブオイルポンプ20を駆動させて油圧を発生させることが可能となり、その分エネルギロスが抑制される。また、低圧油路54側には第2排出ポート52とは別の第1排出ポート50から余剰油が供給されるため、その第2排出ポート52からの余剰油の変動等に関して、第1レギュレータバルブ22によって調圧されたライン圧PL1が供給されるライン圧油路53や低圧油路54への制御性への影響が生じない。また、第1レギュレータバルブ22によって自動的に余剰油が調整されるため、好適な余剰油量を判断する判断装置や制御用の電磁弁、制御バルブ等を必要としない。上記より、部品点数増加の防止に伴うコスト低減や制御回路の複雑化の防止が可能となる。
また、第2排出ポート52から排出される余剰油の流量が少ない状態では、油圧モータ18の駆動力が小さく、サブオイルポンプ20の吐出油路36と吸入油路34とが逆止弁25を介して連通された状態となるので負荷がほとんどない空回り状態となる。そして、余剰油が徐々に増加すると、サブオイルポンプ20の駆動トルクが増加してサブオイルポンプ20の吐出流量が増加する。余剰流量の増加に伴ってサブオイルポンプ20の吐出流量が増加すると、その背反としてメインオイルポンプ16からライン圧油路53側への吐出圧Poutが減少する。そして、このメインオイルポンプ16の吐出圧低下に伴って、逆止弁25が閉弁されてライン圧油路53とメインオイルポンプ16の吐出油路32との間が分断される。このとき、メインオイルポンプ16の吐出油路32は第1レギュレータバルブ22を介して低圧油路54と連通されていることから、メインオイルポンプ16は低圧油路54側で必要な比較的低い吐出油圧で駆動可能となる。したがって、メインオイルポンプ16の駆動トルクが抑制されて燃費が向上する。また、このときサブオイルポンプ20は、メインオイルポンプ16の吐出圧すなわち低圧油路54側で必要な油圧とライン圧油路53のライン圧PL1との差圧間で駆動されることとなることから、サブオイルポンプ20の駆動トルクも抑制される。
また、本実施例によれば、第1レギュレータバルブ22のフィードバックポート44に供給されるライン圧PL1が設定したライン圧より高くなると、第1排出ポート50および第2排出ポート52の開口面積が増加し、ライン圧PL1が低くなると、第1排出ポート50および第2排出ポート52の開口面積が減少するため、余剰油量を制御する装置などを設けることなく、ライン圧PL1に基づいて第1排出ポート50および第2排出ポート52の開口面積が自動的に調整され、余剰油量が調整される。
また、本実施例によれば、油圧制御回路のみ変更することで上記構成となるので、従来の変速機等にも容易に組付けることができる。また、第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52からの余剰油を活用するため、上記余剰油を得るための制御や大幅な追加部品が不要となる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の他の実施例の車両用油圧制御回路100の一部である油圧発生回路101の構成を示している。油圧発生回路101を図1の油圧発生回路12と比較すると、油圧モータ18の駆動トルクを直線運動に変換するボールネジ102およびそのボールネジ102の運動をエネルギとして蓄積するアキュムレータ104を備える点、および電磁弁106によって油路を切替える切替弁108を備える点で相違している。以下、上記相異点を中心に説明する。なお、図4において、第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24等はその構造が油圧発生回路12と同様であるため、その説明を省略する。
油圧モータ18は、回転運動を直線運動に変換するボールネジ102を介してアキュムレータ104に作動的に連結されている。図5に、油圧モータ18がボールネジ102を介してアキュムレータ104に作動的に連結された機構の一例を簡略的に示す。油圧モータ18の駆動軸18aには、ボールネジ102のネジ部110が形成されており、ナット112が図示しないボールを介して噛み合わされている。そして、油圧モータ18の駆動軸18aが回転すると、ナット112が軸方向(図において左右方向)に移動させられる。そして、ナット112が軸方向に移動させられると、アキュムレータ104のピストン114が連結軸116を介して軸方向に移動させられる。なお、ボールネジ104は、回転駆動を直線運動に変化するだけでなく、減速装置としても機能する。
本実施例のアキュムレータ104では、バネ式のアキュムレータが使用されており、ピストン114が軸方向において油圧モータ18と遠ざかる方向(図において左方向)に移動させられると、ピストン114と固定台118との間に介挿されているスプリング120が圧縮させられる。そして、スプリング120が圧縮されることによって発生する弾性エネルギが蓄積されるようになっている。また、スプリング120が元の状態(自然長の状態)に復帰される、すなわちアキュムレータのエネルギが放出されると、ピストン114およびナット112が油圧モータ18側(図において右側)に移動させられるに伴い、油圧モータ18の駆動軸118aが回転駆動させられる。
ここで、アキュムレータ104のエネルギが放出されることによって油圧モータ18が駆動させられる場合、油圧モータ18は、オイルポンプとして機能することとなる。このとき、油圧モータ18は、余剰油の流れ方向とは逆方向に油を吐出する。同様に、油圧モータ18と連動して駆動するサブオイルポンプ20においても、油圧モータ18と同様に油の吐出方向が逆転する。
なお、アキュムレータ104は、上記バネ式のものに限定されず、例えば図6に示すような気体圧縮式のものであっても構わない。図6に示すアキュムレータ104aでは、円筒形の軸方向に伸縮可能な金属ベローズ124の一端が円板状の第1カバー122によって気密に接続されていると共に、金属ベローズ124の他端が円板状の第2カバー126によって気密に接続されている。そして、第1カバー122、金属ベローズ124、および第2カバー126によって形成される気密な空間128内に、空気や窒素などの気体が充填されている。また、第2カバー126は、図5と同様にナット112に機械的に接続されることで、軸方向(図において上下方向)に移動可能となっている。上記構成において、第2カバー126が第1カバー122側に移動させられると、空間128内の気体が圧縮させられ、その気体の圧縮エネルギが蓄積される。また、圧縮された気体が膨張すると、第2カバー126およびナット112が移動させられるに伴ってアキュムレータ104aの圧縮エネルギが放出され、油圧モータ18の駆動軸18aが回転駆動させられる。
図4に戻り、切替弁108は、後述するエコラン時おいて油路を切替える切替弁であり、電磁弁106からの油圧に基づいて切り替えられる。切替弁108は、油路の連通状態を切替えるスプール弁子130と、そのスプール弁子130を閉弁位置(OFF位置、切替弁108の中心線に対して右側)側に付勢するスプリング132と、電磁弁106からの油圧を受け入れてスプール弁子130を開弁位置(ON位置、切替弁108の中心線に対して左側)へ移動させるための油室134と、ドレン油路29と連通されている吸入ポート136と、サブオイルポンプ20の油路cと連通されている第1供給ポート138と、第1レギュレータバルブ22の第1供給ポート46およびフィードバックポート44、ライン圧油路53、および逆止弁144と連通されている出力ポート140と、油圧モータ18の油路aと連通されている第2供給ポート142とを備えている。なお、逆止弁144が本発明の逆止弁に対応している。
上記のように構成される切替弁108において、スプール弁子130が閉弁位置(OFF位置、切替弁108の中心線に対して右側)にある場合、第1供給ポート138と出力ポート140とが連通されるに伴い、サブオイルポンプ20の油路cが切替弁108を介してライン圧油路53等と連通される。また、スプール弁子130が開弁位置(ON位置、切替弁108の中心線に対して左側)にある場合、吸入ポート136と第1供給ポート138とが連通されるに伴い、ドレン油路29とサブオイルポンプ20の油路cとが切替弁108を介して連通される。また、出力ポート140と第2供給ポート142とが連通されるに伴い、ライン圧油路53等と油圧モータ18の油路aとが切替弁108を介して連通される。
また、油圧発生回路101では、メインオイルポンプ16の吐出油路32は、第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート48、逆止弁144、および逆止弁146を介してサブオイルポンプの油路dに接続されている。なお、逆止弁144は、ライン圧油路53側と吐出油路32との間に設けられ、吐出油路32からライン圧油路53側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。また、逆止弁146は、吐出油路32からサブオイルポンプ20の油路d側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52は、逆止弁148を介して切替弁108の第2供給ポート142および油圧モータ18の油路aに接続されている。なお、逆止弁148は、第2排出ポート52から油路a側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。
また、油圧モータ18の油路aは、逆止弁148および切替弁108の第2供給ポート142に接続されており、油圧モータ18の油路bはドレン油路29に接続されている。また、サブオイルポンプ20の油路cは、切替弁108の第1供給ポート138に接続されており、サブオイルポンプ20の油路dは、逆止弁146および電磁弁106に接続されている。ここで、電磁弁106は、切替弁108の油室134に油圧を供給して切替弁108をON位置側に切り替える切替弁であり、電磁弁106が非作動である場合には、油路dと油室134と連通する制御油路152とが遮断される一方、電磁弁106が作動されると、油路dと制御油路152とが接続される。そして、電磁弁106によって油路dと制御油路152とが接続されると、油路dの油圧が電磁弁106を介して油室134に供給されることで、切替弁108のスプール弁子130がON位置側に切り替えられる。また、制御油路152と吐出油路32とが逆止弁150を介して接続されており、制御油路152から吐出油路32側への油の流入を許容する一方、吐出油路32から制御油路152側への油の流入を阻止している。なお、油路aが本発明の油圧モータの吸入油路に対応しており、油路cが本発明の第2オイルポンプの吐出油路に対応しており、油路dが本発明の第2オイルポンプの吸入油路に対応している。
上記のように構成される油圧発生回路101の作動について、図7の走行モード毎の作動表を用いて説明する。まず、図7の回生時モードについて説明する。上記回生時モードは、車両の通常走行時等に対応しており、メインオイルポンプ16(図7において主ポンプ)作動中であって、且つ、第1レギュレータバブル22から排出される余剰油が比較的少ない状態に対応している。また、電磁弁106は非作動状態とされることで、切替弁108の第1供給ポート138と出力ポート140とが連通された状態(図4の切替弁108において右側)とされる。
この状態においては、メインオイルポンプ16の吐出油路32の油が逆止弁144および切替弁108を通ってサブオイルポンプ20の油路cに供給されると共に、逆止弁146を通ってサブオイルポンプ20の油路dに供給される。したがって、サブオイルポンプ20の油路cおよび油路dの油圧が略等しくなるため、サブオイルポンプ20には負荷が殆どかからない状態となる。これより、第1レギュレータバブル22の第2排出ポート52から排出される余剰油によって駆動される油圧モータ18において、サブオイルポンプ20の駆動に消費される駆動トルク(エネルギ)が殆ど無いため、その油圧モータ18の駆動トルクがボールネジ102を介してアキュムレータ104側に蓄積される。また、この状態では、主にメインオイルポンプ16から吐出される油が逆止弁144を通過し、第1レギュレータバルブ22によって調圧され、ライン圧消費部38やセカンダリ圧消費部57等に供給される。
なお、このときの油圧モータ18において、余剰油が油路aから流入するため、油路aから油路b方向へ油が流入し、サブオイルポンプ20(図7において副ポンプ)においては、その油圧モータ18の回転方向に連動して油路dから油路c側へ油を吐出するように設計されている。
次に、主ポンプアシスト時モードについて説明する。上記モードは上述した回生時モードの走行状態からさらにエンジン回転速度が増加して(高速走行時など)、メインオイルポンプ16の流量が増加した状態に対応している。なお、切替弁108は、回生時モードと同様に非作動状態とされることで、切替弁108の第1供給ポート138と出力ポート140とが連通された状態とされる。
この状態においては、メインオイルポンプ16の流量が増加するに伴い、第1レギュレータバルブ22の調圧時に第2排出ポート52から排出される余剰油が増加する。これより、油圧モータ18の駆動トルクが増加してアキュムレータ104に十分なエネルギが蓄積された状態となる。したがって、油圧モータ18の駆動トルクがサブオイルポンプ20側で消費されてサブオイルポンプ20の駆動トルクが増加する。このとき、サブオイルポンプ20から吐出される流量が増加するため、サブオイルポンプ20から切替弁108を介してライン圧油路53側に供給される流量が増加する一方、メインオイルポンプ16の吐出油路32から逆止弁144を通ってライン圧油路53側へ供給される流量が徐々に減少する結果、ライン圧油路53と吐出回路32との間に差圧が生じて逆止弁144が閉弁され、ライン圧油路53と吐出回路32とが分断される。
また、第1レギュレータバブル22においては、サブオイルポンプ20からの流量増加に伴って、フィードバックポート44に供給される油圧によってスプール弁子40が開弁側に移動させられて、第2供給ポート48と第1排出ポート50とが連通された状態となる。これより、メインオイルポンプ16の吐出油路32が第1レギュレータバブル22を介して低圧油路54と連通された状態となるため、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが低圧油路54側で制御されることとなる。したがって、メインオイルポンプ16が低圧油路側で必要とされる油圧(ロックアップクラッチや潤滑で必要となる程度の油圧)で駆動させることが可能となり、駆動トルクが低減される。また、サブオイルポンプ20においても、ライン圧油路53と低圧油路54との差圧間で駆動されることから、サブオイルポンプ20の駆動トルクも抑制される。
次にエコラン待機時モードについて説明する。上記モードは、例えば車両停止時にエンジンが停止されるアイドルストップ機能を有する車両が信号等で停止した際に実施されるモードである。車両停止においては、エンジン14が停止されることから、メインオイルポンプ16も同様に非作動状態となる。このとき、次の発進時においてアキュムレータ104に蓄積されたエネルギを放出して油圧を発生させるが、停止時にアキュムレータ104のエネルギが放出されると、発進時のエネルギが足りなくなることから、そのアキュムレータ104のエネルギを蓄積保持させる。
具体的に説明すると、車両停止時(メインオイルポンプ非作動時)において、アキュムレータ104のエネルギによってボールネジ102を回転させて油圧モータ18およびサブオイルポンプ20を駆動させる駆動トルクが生じる。このとき、サブオイルポンプ20では、前述したモータとは逆方向である油路cから油路d側へ油を吐出する方向の駆動トルクが発生するが、エネルギを保持するために、サブオイルポンプ20の油路dから油の流れを逆止弁146および電磁弁106によって遮断させる。したがって、サブオイルポンプ20の吐出側(油路d側)へ油を吐出することが不可能となるため、サブオイルポンプ20は停止されて、アキュムレータ104のエネルギ放出が阻止される。また、油圧モータ18においても、アキュムレータ104のエネルギによって油路bから油路a側へ油を吐出する方向の駆動トルクが発生するが、油圧モータ18の吐出側である油路aは、逆止弁148によって油路が遮断されると共に、油路aに接続されている切替弁108の第2供給ポート142もスプール弁子130によって遮断されている。したがって、油圧モータ18の吐出側(油路a)へ油を吐出することが不可能となるため、油圧モータ18も同様に停止された状態となる。上記より、アキュムレータ104の蓄積されたエネルギは油圧モータ18およびサブオイルポンプ20によって消費されずに蓄積保持される。
ここで、サブオイルポンプ20の吐出流量は油圧モータ18よりも大きく設定され、サブオイルポンプ20の吐出を阻止することによってアキュムレータ104のエネルギが蓄積保持されるようになっている。すなわち、サブオイルポンプ20の吐出側(油路d)の吐出が逆止弁144および電磁弁106によって遮断されることにより、アキュムレータ104のエネルギが保持される。サブオイルポンプ20で保持されるエネルギは、油圧と流量の積で決定されることから、上述したようにサブオイルポンプ20の流量が大きくなるように設計されることで、相対的に保持される油圧値が低くなる。したがって、アキュムレータ104に蓄積された高密度エネルギに対して、サブオイルポンプ20において低圧で保持することが可能となるため、高圧に対するシール設計が不要となる。
次に、エコラン時モードについて説明する。上記モードは、上述したエコラン待機時モードから車両を発進させた際に実施されるモードである。このとき、電磁弁106を作動させることによって、サブオイルポンプ20の油路dと制御油路152とが連通され、サブオイルポンプ20の油路dから吐出される油が切替弁108の油室134に供給され、切替弁108がON位置側(図において中心線より左側)へ切り替えられる。したがって、切替弁108の吸入ポート136と第1供給ポート138とが連通されて、ドレン油路29が切替弁108を介してサブオイルポンプ20の油路cと連通されるため、ドレン油路29の油がサブオイルポンプ20によって油路cから吸い上げられて油路dへ吐出される。そして、吐出された油は、電磁弁106を通って切替弁108の油室134および逆止弁150を通ってライン圧油路53(および第1レギュレータバブル22)に供給される。また、切替弁108の出力ポート140と第2供給ポート142とが連通されて、油圧モータ18の油路aとライン圧油路53(第1レギュレータバルブ22)とが連通されるため、ドレン油路29の油が油路bから油圧モータ18によって吸い上げられて油路a側に吐出される。そして、吐出された油は、切替弁108を介してライン圧油路53側に供給される。
上記より、メインオイルポンプ16が停止されたエコラン時モードであっても、電磁弁106を作動させて油路dと制御油路152とを連通させることにより、アキュムレータ104に蓄積されたエネルギによって油圧モータ18およびサブオイルポンプ20が駆動されてライン圧油路53および低圧油路54に油が供給される。なお、エコラン時においては、高い油圧は必要とされないため、アキュムレータ104のエネルギで賄うことができる。
上述のように、本実施例によれば、前述の油圧発生回路10と同様の効果が得られると共に、さらに、油圧モータ18の回生作用によってアキュムレータ104に蓄積されたエネルギがサブオイルポンプ20作動時に放出されるため、サブオイルポンプ20がそのエネルギによって駆動させられ、例えばメインオイルポンプ16の非作動時など油圧が不足する場合であっても、好適な油圧を発生させることができる。
また、本実施例によれば、サブオイルポンプ20の吐出流量は、油圧モータ18よりも大きく設定されるため、アキュムレータ104によって蓄積された高密度エネルギを用いて、サブオイルポンプ20において低圧ではあるが大流量を吐出することができる。なお、そのサブオイルポンプ20の吐出を、例えばエコラン時(メインオイルポンプ16停止中の発進走行時)や、ライン圧油路53と低圧油路54との差圧分といった高圧が不要な部位に供給する構成とすることでサブオイルポンプ20の低圧供給が可能となる。
また、本実施例によれば、アキュムレータ104によって蓄積される高密度エネルギを保持するために、サブオイルポンプ20の回路dからの油の流れを遮断する電磁弁106を備えるため、高圧保持が不要となり、高圧に対するシール性を考慮した設計が不要となる。なお、サブオイルポンプ20は大流量で低圧吐出に設計されているため、アキュムレータ104の高密度エネルギに対して低圧での保持が可能となる。また、アキュムレータ104の高密度エネルギを低圧で保持することで、保持部の小型化も可能となる。
また、本実施例によれば、エネルギを放出させてサブオイルポンプ20を駆動させる場合においても、サブオイルポンプ20から吐出される油がライン圧油路53側(第1レギュレータバルブ22を含め)に供給されるように油路を切替える切替弁108が設けられているため、エネルギ放出によってサブオイルポンプ20を駆動させるに際して、サブオイルポンプ20の吸入側と吐出側が逆転した場合であってもライン圧油路側への油の供給が可能となる。
また、本実施例によれば、アキュムレータ104は、バネ式または気体圧縮式が使用されるため、油圧モータ18の回生によるエネルギを適宜蓄積および放出することが可能となる。
また、本実施例によれば、アキュムレータ104と油圧モータ18との間には、回転運動を直線運動に変換するボールネジ102が設けられているため、油圧モータ18の回転トルク(エネルギ)をボールネジ102を介してアキュムレータ104に蓄積することができ、さらに、そのエネルギをボールネジ102を介して回転運動に変換してサブオイルポンプ20を駆動させることができる。
図8は、本発明の他の実施例の車両用油圧制御回路200の一部である油圧発生回路201の構成を示している。油圧発生回路201を前述した油圧発生回路101と比較すると、第1レギュレータバブル22、第2レギュレータバブル24、アキュムレータ104、ボールネジ102、電磁弁106の構成は略等しいため、その説明を省略する。
本実施例の切替弁202は、油路の連通状態を切替えるスプール弁子204と、そのスプール弁子204を閉弁位置(OFF位置)側に付勢するスプリング206と、電磁弁106からの油圧を受け入れてスプール弁子204を開弁位置(ON位置)側へ移動させるための油室208と、ドレン油路29と連通されている吸入ポート210と、油圧モータ18の油路aと連通されている供給ポート212とを、備えている。
上記のように構成される切替弁202において、電磁弁106から油室208へ油圧が供給されず、スプール弁子204が閉弁位置(OFF位置:図において右側)にある場合、供給ポート212がスプール弁子204によって遮断される。一方、電磁弁106から油室208へ油圧が供給されることにより、スプール弁子204が開弁位置(ON位置:図において右側)に移動させられると、吸入ポート210と供給ポート212とが連通され、油圧モータ18の油路aとドレン油路29とが接続される。
次に油路構成について説明する。メインオイルポンプ16の吐出油路32は、逆止弁213、逆止弁214および第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート48と連通されている。逆止弁213は、吐出油路32からライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止するものである。また、逆止弁214は、吸入油路32から油路d側への油の流入を許容する一方、油路dから吸入油路32側への油の流入を阻止している。サブオイルポンプ20の油路dとドレン油路29との間には、逆止弁216が設けられており、ドレン油路29から油路d側への油の流入を許容する一方、油路dからドレン油路29側への油の流入を阻止している。サブオイルポンプ20の油路cと油路dとの間には逆止弁218が設けられており、油路dから油路c側への油の流入を許容する一方、油路cから油路d側への油の流入を阻止している。電磁弁106の出力油路222とライン圧油路53(第1レギュレータバブル22)との間には、逆止弁220が設けられており、出力油路222からライン圧油路53側への油の流入を許容する一方、ライン圧油路53側から出力油路222側への油の流入を阻止している。なお、逆止弁213が本発明の逆止弁に対応する。
また、サブオイルポンプ20の油路cは、電磁弁106に接続されている。なお、電磁弁106は、サブオイルポンプ20の油路cと切替弁202の油室208および逆止弁220に接続されている制御油路222とを適宜連通させるための切替弁として機能する。具体的には、電磁弁106が非作動状態である場合には、油路cと制御油路222とが遮断させられる。一方、電磁弁106が作動状態である場合には、油路cと制御油路222とが連通させられるに従い、切替弁202の油室208に油圧が供給され、切替弁202のスプール弁子204がON位置側に移動させられる。また、逆止弁220を介して油路cとライン圧油路53(第1レギュレータバブル22)とが接続させられる。また、油圧モータ18の油路aは、逆止弁148を介して第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52に連通されると共に、切替弁202の供給ポート212に連通され、油路bはドレン油路29に連通されている。
上記のように構成される油圧発生回路201について、図9の走行毎の作動表を用いて説明する。まず、図9の回生時モード(通常走行モード)について説明する。上記回生時モードは、車両の通常走行時等に対応しており、メインオイルポンプ16(図9において主ポンプ)作動中であって、且つ、第1レギュレータバブル22から排出される余剰油が比較的少ない状態に対応している。また、電磁弁106は非作動状態とされることで、切替弁202がOFF位置状態とされる。
この状態においては、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが、逆止弁213を通って第1レギュレータバブル22およびライン圧油路53に供給される。そして、その吐出圧Poutが第1レギュレータバブル22によって調圧される際に排出される油が第2レギュレータバブル24によって調圧されて低圧油路54に供給される。さらに、第1レギュレータバブル22によって調圧される際に排出される余剰油が第2排出ポート52から逆止弁148を通って油圧モータ18の油路aへ供給される。上記余剰油が油路aから油路bへ流入する際にその差圧によって油圧モータ18が駆動させられる。また、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutが、逆止弁214を通ってサブオイルポンプ20の油路dに供給される。なお、第1レギュレータバルブ22によって調圧されたライン圧PL1は、ライン圧油路53からライン圧消費部38へ供給される。
本実施例のサブオイルポンプ20は、油圧モータ18が油路aからの余剰油によって駆動させられると、油路cから油路dへ作動油を吐出するように設計されている。したがって、余剰油によって油圧モータ18が駆動されるに伴って、サブオイルポンプ20が油路d側に油を吐出するが、逆止弁218を介して油路cおよび油路dが連通されているため、サブオイルポンプ20は負荷の係らない状態(空回り)で油を環流させる状態となる。したがって、サブオイルポンプ20はエネルギを殆ど消費しないことから、油圧モータ18の駆動トルク(エネルギ)は、ボールネジ102を介してアキュムレータ104側に高密度エネルギとして蓄積される。
次に、主ポンプアシスト時モードについて説明する。上記モードは、上述した回生モード時の走行状態からさらにエンジン回転速度が増加して、メインオイルポンプの流量が増加した状態に対応している。このモードでは、電磁弁106を作動させることで、サブオイルポンプ20の油路cと制御油路222とを連通させる。
この状態においては、回生時モードで蓄積された高密度エネルギが解放されて、油圧モータ18が油路bから油路a側に油を吐出すると共に、サブオイルポンプ20が油路dから油路c側に油を吐出する。そして、サブオイルポンプ20によってその吐出された油が、電磁弁106、逆止弁220を通ってライン圧油路53側に供給される。また、その油は、切替弁202の油室208に供給されることで、切替弁202のスプール弁子204がON位置側(図において左側)に移動させられて吸入ポート210と供給ポート212とが連通させられる。したがって、油圧モータ18の油路aと油路bとは切替弁202を介して連通状態となるため、油圧モータ18は、油を油路bから油路a側に環流させることとなる。
また、サブオイルポンプ20からライン圧油路側へ供給される吐出流量が増加するに従って、メインオイルポンプ16の吐出回路32から逆止弁213を通ってライン圧油路53側に供給される油が少なくなり、ライン圧油路53と吐出回路32との間に差圧が生じて逆止弁213が閉弁され、ライン圧油路53と吐出油路32が分断されることとなる。また、この際にサブオイルポンプ20側の吐出流量によって十分な油圧がライン圧油路側に供給されることから、第1レギュレータバブル22のフィードバックポート44に十分な油圧が供給されて第1レギュレータバブル22が開弁された状態となる。したがって、メインオイルポンプ16の吐出油路32が第1レギュレータバブル22を介して低圧油路54側に接続されるためメインオイルポンプ16の吐出圧Poutが低圧油路54側の油圧で駆動され、駆動トルクが低減される。
次にエコラン待機時モードについて説明する。上記モードは、エンジン14が停止されるに伴いメインオイルポンプ16が停止された状態において、アキュムレータ104のエネルギを蓄積保持する際に選択される。メインオイルポンプ16が停止されることで、第1レギュレータバルブ22からの余剰油がなくなると、アキュムレータ104の高密度エネルギによってボールネジ102を回転させて油圧モータ18およびサブオイルポンプ20を駆動させる駆動トルクが生じる。すなわち、油圧モータ18では油路bから油路a側へ油を吐出させる駆動トルクが生じると共に、サブオイルポンプ20では油路dから油路c側へ油を吐出させる駆動トルクが生じる。これに対して、サブオイルポンプ20において、吐出先である油路cの供給先を逆止弁218および電磁弁106によって遮断することでサブオイルポンプ20の駆動を阻止して、アキュムレータのエネルギを保持させる。すなわち、アキュムレータ104の高密度エネルギを蓄積保持させるために、電磁弁106を非作動状態とすることで、回路cからの油の流れを遮断する。なお、サブオイルポンプ20の駆動が停止されると、そのサブオイルポンプ20と連動する油圧モータ18も同様に駆動が停止される。
そして、上記エコラン待機時モードにおいて電磁弁106を作動させることによりエコランモードとなる。電磁弁106が作動されると、サブオイルポンプ20の油路cと制御油路222とが連通状態となるため、アキュムレータ104の高密度エネルギによってサブオイルポンプ20および油圧モータ18が駆動され、電磁弁106および逆止弁220を介して第1レギュレータバブル22およびライン圧油路53に油が供給可能となる。また、制御油路222を通って切替弁202の油室208に油圧が供給されて、切替弁202の吸入ポート210と供給ポート212とが連通されるため、油圧モータ18の油路aとが油路bとが切替弁202を介して接続される。従って、油圧モータ18は、切替弁202を介して油を環流させる。
上述のように、本実施例によれば、油圧発生回路201においても前述した油圧発生回路100と同様の効果を得ることができる。
図10は、本発明の他の実施例の車両用油圧制御回路300の一部である油圧発生回路301の構成を示している。本実施例の油圧発生回路301では、油圧モータ18がバッテリ306に充電可能なジェネレータ302に連結されており、油圧モータ18が駆動させられることによって発生させられるエネルギが電気的エネルギに変換されてバッテリ306に充電される。そして、そのバッテリ306に充電された電気的エネルギによってモータ310を駆動させることで、モータ310に連結されたサブオイルポンプ20を駆動させることができるように構成されている。
具体的に説明すると、余剰油が油路aから供給されると、油圧モータ18が駆動させられるが、その駆動に伴ってジェネレータ302によって発電され、インバータ304を介してバッテリ306に蓄電される。また、そのバッテリ306のエネルギがコンバータ308を介してモータ310に供給され、モータ310を介してサブオイルポンプ20が駆動可能となる。また、バッテリ306に充電された電力は、サブオイルポンプ20の駆動だけでなく、例えば変速機内のソレノイドバルブ等の電力供給に活用することもできる。なお、ジェネレータ302が本発明の発電機に対応しており、バッテリ306が本発明の蓄電装置に対応しており、モータ310が本発明の駆動可能な電動機に対応している。
また、本実施例の第1レギュレータバルブ312は、前述した実施例の第1レギュレータバルブ22とは構成が異なるため、その構成について説明する。第1レギュレータバルブ312は、油路の連通状態を切替えるスプール弁子314と、そのスプール弁子314を閉弁側に移動させる付勢力を付与するスプリング316と、第1レギュレータバルブ312によって調圧されたライン圧PL1を受け入れるフィードバックポート318と、逆止弁320を介してメインオイルポンプ16の吐出油路32と連通されると共に、サブオイルポンプ20の油路cと連通される第1供給ポート322と、メインオイルポンプ16の吐出油路32と連通される第2供給ポート324および第3供給ポート326と、第2レギュレータバルブ24と連通される第1排出ポート328と、油圧モータ330の油路aと連通される第2排出ポート330と、サブオイルポンプ20の油路dと連通される第3排出ポート332とを備えている。そして、フィードバックポート318に供給されるライン圧PL1の大きさに基づいて、スプール弁子314が移動させられ、第1排出ポート328および第2排出ポート330からの余剰油量が調整される。また、第1レギュレータバルブ312では、スプール弁子が314が開弁側に移動されると、第3排出ポート332から余剰油が排出され、その余剰油がサブオイルポンプ20の油路dに供給される。
次に油路の構成について説明する。メインオイルポンプ16の吐出油路32は、第1レギュレータバルブ312の第2供給ポート324、第3供給ポート326、および逆止弁320に連通されている。逆止弁320は、メインオイルポンプ16の吐出油路32とライン圧油路53との間に設けられ、吐出油路32からライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。油圧モータ18の油路aは、第1レギュレータバルブ312の第2排出ポート330に連通され、油路bはドレン油路29に連通されている。サブオイルポンプ20の油路cは、逆止弁320、ライン圧油路53および第1レギュレータバルブ312(第1供給ポート322)に連通されている。サブオイルポンプ20の油路dは、逆止弁334および第1レギュレータバルブ312の第3排出ポート332と連通されている。逆止弁334は、サブオイルポンプ20の油路dとドレン油路29との間に設けられ、ドレン油路29から油路d側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。
上記のように構成される油圧発生回路301の作動について説明する。先ず、余剰油が比較的少ない通常走行時について説明する。エンジン14の駆動に伴ってメインオイルポンプ16から油が吐出されると、その油が第1レギュレータバルブ312によってライン圧PL1に調圧される。上記ライン圧PL1がライン圧油路53からライン圧消費部38へ供給される。また、その第1レギュレータバルブ312の調圧時に排出される余剰油が第1排出ポート328から第2レギュレータバルブ24に供給されることで、第2レギュレータバルブ24によって調圧されたセカンダリ圧PL2が低圧油路54に供給される。また第2排出ポート330から排出される余剰油が油圧モータ18の油路aに供給されることで、油圧モータ18が駆動させられてジェネレータ302が発電され、その電力がインバータ304を介してバッテリ306に充電される。さらに、第3排出ポート332から排出される余剰油はサブオイルポンプ20の油路dに供給される。
そして、エンジン回転速度が高くなり、メインオイルポンプ16の吐出流量が増加すると、第1レギュレータバルブ312の調圧時に排出される余剰油が増加して油圧モータ18の駆動トルクが増加する。ここで、油圧モータ18の駆動によって充電されるバッテリ306の充電量が十分となると、その電力はサブオイルポンプ20の駆動に積極的に使用され、サブオイルポンプ20の吐出流量が増加する。このとき、サブオイルポンプ20の吐出流量増加によって、ライン圧油路53への油圧が十分に賄われると、メインオイルポンプ16の吐出回路32から逆止弁320を通ってライン圧油路53へ流入する油が少なくなり、逆止弁320の間において差圧が生じ、逆止弁320が閉弁されることとなる。したがって、逆止弁320によって吐出油路32とライン圧油路53との間が分断される。なお、逆止弁320が本発明の逆止弁に対応している。
また、サブオイルポンプ20からの吐出圧が十分となると、第1レギュレータバルブ312のフィードバックポート318に十分な油圧が供給されることから、第1レギュレータバルブ312が開弁されて第3供給ポート326と第3排出ポート332とが連通された状態とされており、メインオイルポンプ16からの吐出流量が第1レギュレータバルブ312を介してサブオイルポンプ20の油路dに供給される。したがって、サブオイルポンプ20は、メインオイルポンプ16の吐出圧Poutとライン圧油路53の油圧との差圧間での駆動が可能となるので、サブオイルポンプ20の駆動トルクが抑制される。また、メインオイルポンプ16においても低圧での駆動が可能となり、駆動トルクが抑制される。
次に、例えばエンジン14が停止されてメインオイルポンプ16が停止されるなどして、ライン圧消費部38の油圧が低下して油圧が必要とされる場合の作動について説明する。このとき、予めバッテリ306に充電されている電力エネルギを使用してモータ310を駆動させてサブオイルポンプ20を駆動させる。ここで、メインオイルポンプ16からの供給が為されない場合、サブオイルポンプ20は、ドレン油路29から逆止弁334を介して油を吸い上げ、油路cへ吐出する。この吐出された油が第1レギュレータバルブ312によって調圧されてライン圧消費部38側へ供給されると共に、第1レギュレータバルブ312の調圧による余剰油が第1排出ポート328から第2レギュレータバルブ24によって調圧されて低圧油路54等へ供給される。したがって、メインオイルポンプ16停止時など、油圧が低下した場合であってもバッテリ306の電力によってサブオイルポンプ20を駆動させることで、ライン圧油路53や低圧油路54等に油圧を供給することが可能となる。
上述のように、本実施例によれば、前述した油圧発生回路10と同様の効果が得られる。また、油圧モータ18は、バッテリ306に充電可能なジェネレータ302に連結され、サブオイルポンプ20は、そのバッテリ306からの電力によって駆動可能なモータ310に連結されており、油圧が必要とされる場合において、その油圧モータ18によってバッテリ306に充電された電力を用いてそのサブオイルポンプ20を駆動させるため、車両の状態に応じて最適な油圧の供給が可能となる。また、その油圧モータ18は余剰油によって駆動されるため、エネルギロスが抑制される。
図11は、本発明の他の実施例の車両用油圧制御回路400の一部である油圧発生回路401の構成を示している。本実施例においても、油圧モータ18とサブオイルポンプ20とが電気的に接続されており、前述した油圧発生回路301と構成、作動が同様であるためその説明を省略する。さらに、第1レギュレータバルブ22および第2レギュレータバルブ24においても、前述した油圧発生回路12と構成が同様であるため、その説明を省略する。
油圧発生回路401の油路の構成について説明する。メインオイルポンプ16の吐出油路32は、第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート48、逆止弁402、および逆止弁404と連通されている。ここで逆止弁402は、吐出油路32とライン圧油路53との間に設けられ、吐出油路32からライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。また、逆止弁404は、サブオイルポンプ20の油路dと吐出油路32との間に設けられ、吐出油路32から油路d側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。油圧モータ18の油路aは第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52と連通され、油路bはドレン油路29に連通されている。サブオイルポンプ20の油路cは、逆止弁402、ライン圧油路53、第1レギュレータバルブ22の第1供給ポート48およびフィードバックポート44に連通されている。また、サブオイルポンプ20の油路dは、逆止弁404および逆止弁406と連通されている。逆止弁406は、油路dとドレン油路29との間に設けられており、ドレン油路29から油路d側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。なお、逆止弁402が本発明の逆止弁に対応している。
上記のように構成される油圧発生回路401の作動について説明する。まず、余剰油が比較的少ない通常走行時について説明する。エンジン16の駆動に伴ってメインオイルポンプ16から油が吐出されると、その油が第1レギュレータバルブ22によってライン圧PL1に調圧され、調圧されたそのライン圧PL1がライン圧油路53からライン圧消費部38へ供給される。また、その第1レギュレータバルブ22の調圧時に排出される余剰油が第1排出ポート50から第2レギュレータバルブ24に供給されることで、第2レギュレータバルブ24によって調圧されたセカンダリ圧PL2が低圧油路54に供給される。また、第2排出ポート52から排出される余剰油が油圧モータ18の油路aに供給されることで、油圧モータ18が駆動させられてジェネレータ302が発電され、その電力がインバータ304を介してバッテリ306に充電される。
そして、エンジン回転速度が高くなり、メインオイルポンプ16の吐出流量が増加すると、第1レギュレータバルブ22の調圧時に排出される余剰油が増加し、油圧モータ18の駆動トルクが増加する。したがって、ジェネレータ302の発電量が増加しバッテリ306の充電量が十分となると、その電力はサブオイルポンプ20の駆動に積極的に使用され、サブオイルポンプ20の吐出流量が増加する。このとき、サブオイルポンプ20の吐出流量増加によって、ライン圧油路53側へ十分な油圧が供給されると、その背反として、メインオイルポンプ16の吐出回路32から逆止弁402を通ってライン圧油路側に供給される油が少なくなって、逆止弁402のライン圧油路53側と吐出回路32側との間に差圧が生じ、逆止弁402が閉弁されることとなる。したがって、逆止弁402によって吐出油路32とライン圧油路53との間の油路が分断される。
このとき、第1レギュレータバルブ22のフィードバックポート44に開弁させるだけの十分な油圧が供給されることから第1レギュレータバルブ22が開弁されて第2供給ポート48と第1排出ポート50とが連通され、吐出油路32と第2レギュレータバルブ24とが接続される。これより、メインオイルポンプ16が低圧油路54側で必要な油圧で駆動可能となることから、メインオイルポンプ16の駆動トルクが低減される。また、サブオイルポンプ20においては、メインオイルポンプ16の吐出圧Pout(すなわち、低圧油路54側の油圧)とライン圧油路側で必要される油圧の差圧で駆動されることから、サブオイルポンプ20においても駆動トルクが低減される。
次に、例えばエンジン14が停止されてメインオイルポンプ16が停止される場合など、ライン圧油路53の油圧が低下した場合の作動について説明する。このとき、予め油圧モータ18の駆動によって充電されているバッテリ306の電気エネルギを使用して、モータ310を駆動させてサブオイルポンプ20を駆動させる制御が実行される。これより、サブオイルポンプ20からの吐出圧が第1レギュレータバルブ22に供給され、その第1レギュレータバルブ22によって調圧されたライン圧PL1がライン圧消費部38へ供給される。また、第1レギュレータバルブ22の調圧による余剰油が第1排出ポート50から排出され第2レギュレータバルブ24に供給されるため、第2レギュレータバルブ24によって調圧されたセカンダリ圧PL2が低圧油路へ供給される。したがって、メインオイルポンプ16停止時であってもバッテリ306の電力によってサブオイルポンプ20を駆動させることで、ライン圧油路53や低圧油路54等に必要な油圧を供給することが可能となる。
上述のように、本実施例によれば、前述した油圧発生回路10と同様の効果が得られると共に、車両の走行状態に応じて油圧モータ18によって発電された電力を適宜使用してサブオイルポンプ20を駆動させることにより、最適な油圧の供給が可能となる。また、その油圧モータ18は余剰油によって駆動されるため、エネルギロスが抑制される。
図12は、本発明の他の実施例の車両用油圧制御回路500の一部である油圧発生回路501の構成を示している。油圧発生回路501では、油圧式のアキュムレータ502が備えられており、電磁弁106によってアキュムレータ502の連通状態が切り替えられるように構成されている。なお、第1レギュレータバルブ22、第2レギュレータバルブ24は、前述した実施例と構成が同様であるため、その説明を省略する。
油圧発生回路501の油路の構成について説明する。メインオイルポンプ16の吐出油路32は、逆止弁504、第1レギュレータバルブ22の第2供給ポート48、および逆止弁506に連通されている。ここで、逆止弁504は、ライン圧油路53と吐出油路32との間に設けられ、吐出油路32からライン圧油路53側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。また、逆止弁506は、吐出油路32とサブオイルポンプ20の油路dとの間に設けられ、吐出油路32から油路d側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止している。油圧モータ18の油路aは、電磁弁106および逆止弁508を介して第1レギュレータバルブ22の第2排出ポート52に連通されている。逆止弁508は、上記第2排出ポート52から油路a側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止するものである。また、サブオイルポンプ20の油路bは、ドレン油路29に連通されている。サブオイルポンプ20の油路cは、逆止弁504、ライン圧油路53、第1レギュレータバルブ22の第1供給ポート46およびフィードバックポート44、および逆止弁510に連通されている。逆止弁510は、ライン圧油路53から電磁弁106への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止するものである。また、サブオイルポンプ20の油路dは、逆止弁506および逆止弁512に連通されている。ここで、逆止弁512は、ドレン油路29から油路dへの油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止するものである。
また、電磁弁106は、非作動状態(OFF状態)では、アキュムレータ502と逆止弁510との間を連通させる一方、作動状態(ON状態)では、アキュムレータ502と油圧モータ18の油路aとを連通させるように構成されている。
上記のように構成される油圧発生回路501の作動について説明する。まず、余剰油量が比較的少ない通常走行時の作動について説明する。なお、電磁弁106は非作動状態に制御されているものとする。エンジン14の駆動に伴って、メインオイルポンプ16から油が吐出されると、その油圧が第1レギュレータバルブ22によって調圧され、調圧されたライン圧PL1がライン圧油路53からライン圧消費部38へ供給される。また、第1レギュレータバルブ22の調圧時に排出される余剰油が第1排出ポート50から第2レギュレータバルブ24に供給され、第2レギュレータバルブ24によってセカンダリ圧PL2に調圧されて低圧油路54からセカンダリ圧消費部57へ供給される。さらに、第1レギュレータバルブ22の調圧時に排出される余剰油が第2排出ポート52を介して油圧モータ18の油路aへ供給され、その余剰油のエネルギによって油圧モータ18が駆動される。そして、油圧モータ18の駆動に伴ってサブオイルポンプ20が駆動され、油路dから油路c側へ油を吐出する。ここで、電磁弁106が非作動状態とされていることから、アキュムレータ502が逆止弁510を介してライン圧油路53と連通された状態となっている。したがって、この状態では、ライン圧油路側からアキュムレータ502側への油の流入が許容され、アキュムレータ502に油圧が蓄積される。
さらに、エンジン回転速度が増加してメインオイルポンプ16の吐出流量が増加すると、第1レギュレータバルブ22からの余剰油量が増加し、サブオイルポンプ20による吐出流量がさらに増加する。このとき、サブオイルポンプ20によってライン圧消費部38で消費される油圧が十分に供給可能となると、メインオイルポンプ16の吐出回路32から逆止弁504を通ってライン圧油路53へ流入する油が少なくなり、逆止弁504が閉弁されることとなる。このとき、メインオイルポンプ16の吐出油路32は、第1レギュレータバルブ22を介して低圧油路54側と連通されることから、メインオイルポンプ16の吐出圧が低圧油路54側で必要とされる油圧で駆動されることとなり、メインオイルポンプ16の駆動トルクが低減される。また、この状態においても、ライン圧油路53とアキュムレータ502とが連通されることで、アキュムレータ502に油圧が蓄積される。
次に、例えばエンジン14が停止されてメインオイルポンプ16が停止された場合など、ライン圧油路53のライン圧PL1が所定の油圧未満となった場合について説明する。このような状態では、電磁弁106が作動状態とされ、アキュムレータ502と油圧モータ18の油路aとが連通される。これに伴い、アキュムレータ502内の油圧が油圧モータ18の油路aへ供給されて油圧モータ18が駆動させられる。これに従って、サブオイルポンプ20が駆動させられ、ライン圧油路53や低圧油路54に油圧が供給される。
上述のように、本実施例によれば、前述した油圧発生回路12と同様の効果を得ることが出来ると共に、アキュムレータ502に逐次油を蓄積し、ライン圧油路53の油圧が所定の圧力未満となるとそのエネルギを放出して油圧モータ18を駆動させてサブオイルポンプ20を駆動させることで、油圧の低下を補うことができる。
前述した油圧モータ18とサブオイルポンプ20において、それぞれ油圧回路としては別体で構成されるように記載されているが、上記油圧モータ18とサブオイルポンプ20とを1つのオイルポンプとして構成することもできる(油圧発生回路301および油圧発生回路401を除く)。例えば、図13に示すように油圧モータ18とサブオイルポンプ20とが1つのオイルポンプ600で構成される。図において、油圧モータ18側の吸い込み口および吐出口、並びにサブオイルポンプ20側の吸い込み口および吐出口が設定されており、油圧モータ18側を吸い込み口から余剰油が流入させて吐出口から流出させることによってロータ602を回転させる。そして、そのロータ602の回転によって、サブオイルポンプ20側において、吸い込み口からメインオイルポンプ16の吐出油路32の油を吸入し、吐出口からライン圧油路側へその油を吐出させる。なお、上記において、サブオイルポンプ20側の吐出流量が油圧モータ18の吐出流量よりも大きくなるように設計される。
上記のように構成される場合においても、前述した実施例と同様の効果を得ることができ、且つ、装置をさらにコンパクトに構成することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、油路の構成が適宜変更されているが、2つの排出ポートを備える第1レギュレータバルブ22、メインオイルポンプ16、油圧モータ18、サブオイルポンプ20、逆止弁25等を備えた構成であれば、矛盾のない範囲で適宜変更することができる。
また、前述の実施例では、油圧モータ18とアキュムレータ104との間に、回転運動を直線運動に変換するためのボールネジ102が設けられているが、ボールネジ102に限定されず、回転運動を直線運動に変換可能な機構であれば他の構成であっても構わない。
また、前述の実施例では、ジェネレータ302は発電機として使用されるが、必ずしも発電のみに限定されず、さらに電力によって駆動可能な機能を備えるものであっても構わない。
また、前述の実施例では、ベーン式のオイルポンプが使用されているが、例えば歯車式などの他の形式のオイルポンプを使用するものであっても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、100、200、300、400、500:車両用油圧制御回路
14:エンジン(駆動源)
16:メインオイルポンプ(第1オイルポンプ)
18:油圧モータ
20:サブオイルポンプ(第2オイルポンプ)
22:第1レギュレータバルブ(調圧弁)
25、144、213、320、402:逆止弁
32:吐出油路(第1オイルポンプの吐出油路)
34:吸入油路(第2オイルポンプの吸入油路)
36:吐出油路(第2オイルポンプの吐出油路)
44:フィードバックポート
46、322:第1供給ポート
48、324:第2供給ポート
50、328:第1排出ポート
52、330:第2排出ポート
53:ライン圧油路
54:低圧油路
55:吸入油路(油圧モータの吸入油路)
102:ボールネジ
104:アキュムレータ
106:電磁弁
108:切替弁
302:ジェネレータ(発電機)
306:バッテリ(蓄電装置)
310:モータ(電動機)
502:アキュムレータ(油圧式のアキュムレータ)

Claims (10)

  1. 駆動源により駆動される第1オイルポンプと、
    油圧モータによって駆動される第2オイルポンプと、
    前記第1オイルポンプの吐出油路と前記第2オイルポンプの吐出ポートに接続されたライン圧油路との間に設けられ、該第1オイルポンプの吐出油路から該ライン圧油路側への油の流入を許容する一方、逆方向への油の流入を阻止する逆止弁と、
    前記ライン圧油路に接続された第1供給ポートと第1排出ポートとの間を開閉し、且つ、前記第1オイルポンプの吐出油路に接続された第2供給ポートと該第1排出ポートおよび第2排出ポートとの間を開閉するスプール弁子を備え、該ライン圧油路のライン圧が所定の圧力となるように調圧する調圧弁と、を備え、
    前記調圧弁の前記第1排出ポートは前記ライン圧油路よりも低圧の低圧油路に連通される一方、前記第2排出ポートは前記油圧モータの吸入油路に連通され、
    前記第1オイルポンプの吐出油路は前記第2オイルポンプの吸入油路に連通されることを特徴とする車両用油圧制御回路。
  2. 前記油圧モータはアキュムレータを備えており、
    該油圧モータの回生作用によって該アキュムレータに蓄積されたエネルギが前記第2オイルポンプ作動時に放出されることを特徴とする請求項1の車両用油圧制御回路。
  3. 前記第2オイルポンプの吐出流量は、前記油圧モータよりも大きく設定されることを特徴とする請求項2の車両用油圧制御回路。
  4. 前記アキュムレータによって蓄積されるエネルギを保持するために、前記第2オイルポンプの吸入油路からの作動油の流れを遮断する電磁弁を備えることを特徴とする請求項3の車両用油圧制御回路。
  5. 前記余剰油によって前記第2オイルポンプを駆動させる場合と、前記エネルギを放出させて該第2オイルポンプを駆動させる場合とでは、油の吐出側が反転されるものであり、
    前記エネルギを放出させて前記第2オイルポンプを駆動させる場合においても、該第2オイルポンプから吐出される油が前記調圧弁に供給されるように該第2オイルポンプの吐出ポートに環流油を供給するための切替弁が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1つの車両用油圧制御回路。
  6. 前記アキュムレータは、バネ式または気体圧縮式が使用されることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1つの車両用油圧制御回路。
  7. 前記アキュムレータと前記油圧モータとの間には、回転運動を直線運動に相互に変換するボールネジが設けられていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1つの車両用油圧制御回路。
  8. 前記油圧モータは、蓄電装置に充電可能な発電機に連結され、前記第2オイルポンプは、該蓄電装置からの電力によって駆動可能な電動機に連結されており、油圧が必要とされる場合において、該油圧モータによって該蓄電装置に充電された電力を用いて該第2オイルポンプを駆動させることを特徴とする請求項1の車両用油圧制御回路。
  9. 電磁弁によって連通先が切り替えられる油圧式のアキュムレータを備え、
    前記ライン圧油路のライン圧が所定の圧力以上である場合には、該アキュムレータはライン圧油路に連通され、
    該ライン圧が所定の圧力未満である場合には、該アキュムレータは、前記油圧モータの吸入油路に連通されることを特徴とする請求項1の車両用油圧制御回路。
  10. 前記調圧弁は、該調圧弁によって調圧された制御圧を受け入れる調圧用のフィードバックポートを備えており、該フィードバックポートに供給される制御圧が高くなると、前記第1排出ポートおよび第2排出ポートの開口面積が増加し、該制御圧が低くなると、該第1排出ポートおよび第2排出ポートの開口面積が減少することを特徴とする請求項1の車両用油圧制御回路。
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