JP2011111675A - 耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板および高強度冷延鋼板の製造方法、高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板および高強度冷延鋼板の製造方法、高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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【課題】耐水素脆化特性に優れた高強度鋼板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%でC:0.07〜0.25%、Si:0.3〜2.50%、Mn:1.5〜3.0%、Ti:0.005〜0.09%、B:0.0001〜0.01%、P:0.001〜0.03%、S:0.0001〜0.01%、Al:2.50%以下、N:0.0005〜0.0100%、O:0.0005〜0.007%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、鋼板内部が、主相であるフェライトと、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトを含む硬質組織とを含み、鋼板表層が、前記硬質組織の体積率が鋼板の板厚の1/4厚み位置に含まれる硬質組織の体積率の80%以下である厚み0.5μm以上の脱炭層からなる耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板とその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板および高強度冷延鋼板の製造方法、高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
近年、自動車や建築などに用いられる鋼板の高強度化に対する要求が高まってきている。引張最大強度900MPa以上の高強度冷延鋼板は、バンパーやインパクトビーム等の補強材を中心にその適用が急速に進んできている。しかしながら、高強度鋼板の適用にあたっては遅れ破壊の発生という問題を解決する必要がある。
遅れ破壊とは、PC鋼線やボルトといった使用状況下において高い応力の作用している部材が、突然破壊する現象であり、環境から侵入する水素と密接な関係があることが知られている。
遅れ破壊に大きな影響を及ぼす因子としては、鋼板強度が知られている。これは、高強度の鋼板であるほど、高い応力が作用する環境で使用される可能性が高いためである。即ち、高い応力が作用する部材に低強度材料を用いると、塑性変形して破断に至ることから、遅れ破壊は起きない。一方、高強度材料は、塑性変形や破断し難いことから、高い応力が作用する環境で使用される場合が多い。また、自動車用鋼板のように成形後に部材として使用する鋼材においては、加工後に残留応力が発生すると共に、この残留応力も鋼板強度が高くなるほど大きくなることから、遅れ破壊の懸念が高まる。この結果、高強度材料ほど、遅れ破壊発生の懸念が高まる。
従来、耐遅れ破壊特性を考慮した鋼材の開発は、条鋼や厚板の分野で、数多く行われてきた。例えば条鋼・ボルト用鋼においては、焼き戻しマルテンサイトを中心に開発が行われ、Cr、MoやVといった焼き戻し軟化抵抗性を示す添加元素が耐遅れ破壊特性向上に有効であることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。これは、合金炭化物を析出させて水素のトラップサイトに活用することで、遅れ破壊形態を粒界から粒内破壊へと移行させる技術である。
しかし、非特許文献1に記載の鋼は、Cの含有量が0.4%以上であり、合金元素を多く含むことから、薄鋼板で要求される加工性や溶接性が劣悪である。また、合金炭化物を析出させるには数時間以上の析出熱処理が必要であるため、非特許文献1に記載の技術は、製造性にも問題がある。
また、特許文献1には、Ti、Mgを主体とする酸化物による水素性欠陥を防ぐ効果が記載されている。しかし、この技術は対象を厚鋼板としており、大入熱の溶接後の遅れ破壊については考慮されているものの、薄鋼板に要求される高い成形性と耐遅れ破壊特性の両立に関しては一切考慮されていない。
また、薄鋼板は、板厚が薄いため水素が侵入しても短時間で放出されること、加工性の点で引張最大強度900MPa以上の鋼板の利用がほとんどなかったことなどから、遅れ破壊に対する問題が小さかった。しかしながら、急速に高強度鋼板の適用に関する要求が高まっていることから、耐水素脆性に優れた高強度鋼板を開発する必要がある。
しかし、耐水素脆性を向上させる技術は、ほとんどがボルトや条鋼、厚板といった製品のままで、耐力または降伏応力以下で使用される鋼材に対して開発されてきた。即ち、自動車部材のような切断、部材成形(プレス成形)といった加工性と同時に、耐水素脆性を求められる鋼材に配慮した技術ではなかった。また、成形後の部材には、残留応力と呼ばれる応力が部材内部に残留する。残留応力は、局所的ではあるものの、素材の降伏応力を上回るような高い値になる場合がある。このため高い残留応力下でも水素脆化の生じない鋼板が求められている。
また、薄鋼板の遅れ破壊に関しては、例えば、非特許文献2に残留オーステナイト量の加工誘起変態に起因した遅れ破壊の助長について報告されている。これは、薄鋼板の成型加工を考慮したものであるが、耐遅れ破壊特性を劣化させない残留オーステナイト量の規制について述べられている。すなわち、特定の組織を持つ高強度薄鋼板に関するものであり、根本的な耐遅れ破壊特性向上対策とは言えない。
また、水素トラップ能と成形性を考慮した薄鋼板として、特許文献2に記載の耐つまとび性に優れたホウロウ容器用鋼板に関するものがある。これは、製造時に鋼板中に進入する水素を、鋼板内に含まれる酸化物でトラップすることで、ホウロウがけを行った後に発生するつまとびと呼ばれる表面欠陥を抑制しようとするものである。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、鋼板内部に多量の酸化物が含まれることとなる。これら酸化物を鋼板内に高密度に分散させると、成形性の劣化を招くことから、高い成形性が必要とされる自動車用鋼板への適用には問題がある。加えて、これら検討は高強度と耐遅れ破壊特性の両立を図るものでもない。
この問題を解決する技術として、鋼板中に酸化物を析出させた鋼板がある(例えば、特許文献3参照)。このような鋼板では、鋼板中に分散させた酸化物が鋼中に侵入した水素のトラップサイトとして働くことにより、応力集中部位や遅れ破壊懸念部位への水素の拡散、集積が抑制される。しかしながら、酸化物によるこのような効果を得るためには、鋼板中に酸化物を高密度で分散させなければならず、製造条件を厳格に管理する必要があった。
また、特許文献4には、鋼板内部をマルテンサイトやベイナイト主体の組織とし、鋼板表層をフェライト主体の組織とすることで、耐遅れ破壊特性と高強度化を両立させた鋼板が記載されている。この鋼板は、焼鈍設備での材質制御中の雰囲気を脱炭が可能な条件とすることで、鋼板表層をフェライトを主相とする組織とし、鋼板強度を低減させて、遅れ破壊特性を改善したものである。例えば、曲げ成形を主体とする自動車用部材や建築用材料においては、鋼板表層に大変形が加わる。この結果、遅れ破壊発生の起点は、表層になる。このことから、鋼板表層の軟化は、遅れ破壊特性の改善に効果がある。しかしながら、特許文献4に記載の鋼板は、内部の組織がマルテンサイト及びベイナイトを主相とすることから延性に劣るという課題があった。
また、引張最大強度900MPa以上の高強度を確保する手法としては、マルテンサイトを活用して組織強化する技術が知られている。しかしながら、マルテンサイト組織は、高強度であるものの均一伸びが極めて低く、加工性に乏しい問題を有していた。
この課題を解決する手法として、主相をフェライトとし、硬質組織をマルテンサイトとする複合組織鋼板が知られている。即ち、軟質なフェライトで延性を確保し、硬質なマルテンサイトで強度確保を行う手法である。この手法では、主相を軟質なフェライトとするので、降伏応力も大幅に低減可能である。
しかしながら、900MPa以上の鋼板の引張最大強度を確保するためには、マルテンサイト体積率を増加させる必要があり、成形性の劣化を避けられない。この結果、フェライト及びマルテンサイトより成る複相組織鋼板の高強度化には、マルテンサイト体積率の増加が必要不可欠であった。
また、マルテンサイト組織の強度は、鋼板成分(特に、C)に強く依存することから、鋼板成分の変更無しに強度を高めることは難しい。しかし、Cの添加量を増加させると、スポット溶接をはじめとする溶接性の劣化を招く。このため、成形した部材の締結手段としてスポットやレーザー溶接を用いる薄鋼板や、テーラードブランク材のように溶接後に成形を行う鋼板では、十分な溶接性を確保するために、C添加量を抑制しなければならなかった。
したがって、通常、引張最大強度900MPa級の高強度の鋼板を製造する場合には、十分な溶接性が得られる程度に抑えた添加量でCを添加するとともに、マルテンサイトの体積率を増加させる方法が用いられている。引張最大強度1180MPa級の鋼板に至っては、体積率の100%近くをマルテンサイト及びベイナイトとすることが一般的であった。この結果、引張最大強度1180MPa級鋼板は、簡単な曲げ加工にしか適用できなかった。
また、連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっきラインのような工程を行う場合、焼鈍、冷却後の過時効帯での焼き戻しや、めっき浴浸漬後の合金化熱処理等の不可避的な熱処理が付加的に行われることによって、マルテンサイト組織が焼き戻しされて軟化するため、更に鋼板の強度が確保し難い。このことから、このような付加的な熱処理を受ける製造設備を用いて、例えば引張最大強度900MPaを超える高強度の鋼板を製造する場合、一般に、マルテンサイト組織が焼き戻しされることによって軟化が生じたとしても、十分な強度を確保できるように、更にマルテンサイト体積率を増加させている。この結果、更なる降伏応力の増加が齎される。よって、耐遅れ破壊特性と良好な成形性とを両立する高強度鋼板を開発することは極めて難しい。
また、高強度鋼板に関する従来の技術としては、例えば、特許文献5〜特許文献10に記載の技術が挙げられる。また、溶融亜鉛めっき鋼板に関する従来の技術としては、例えば、特許文献11に記載の技術が挙げられる。
特開平11―293383号公報 特開平11―100638号公報 特開2007−211279号公報 特開平10−130782号公報 特開平11−279691号公報 特開平9−13147号公報 特開2002−363695号公報 特開2003−105514号公報 特開2003−213369号公報 特開2003−213370号公報 特開2002−97560号公報
「水素脆性解明の新展開」(日本鉄鋼協会、1997年1月発行) CAMP−ISIJ、vol.5、No.6、1839〜1842頁、山崎ら、1992年10月、日本鉄鋼協会発行
従来の技術においては、引張最大強度900MPa以上の高強度を確保する場合、マルテンサイトあるいはベイナイト組織を主相とせざるを得なかったため、十分な延性が得られなかった。また、従来の引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板においては、耐水素脆化特性が十分に得られない場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、引張最大強度900MPa以上の高強度を確保しながら、優れた耐水素脆化特性が得られる高強度鋼板およびその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、鋼板内部の組織を引張最大強度900MPa以上の高強度が得られる硬質組織を含むものにするとともに、鋼板表層を脱炭処理して鋼板表層のみフェライト体積率を増大させて軟化させることで、高強度を確保しながら、あたかも低強度の鋼板であるかのような耐水素脆化特性を具備する鋼板を実現可能なことを見出した。さらに、本発明者は鋭意検討を重ね、鋼板内部の組織を、フェライトを主相とし、微細なブロックを有する少量のマルテンサイトを分散させたものとすることで、引張最大強度900MPa以上の高強度と良好な成形性とを確保可能なことを見出し、本発明を想到した。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.07%〜0.25%、Si:0.3〜2.50%、Mn:1.5〜3.0%、Ti:0.005〜0.09%、B:0.0001〜0.01%、P:0.001〜0.03%、S:0.0001〜0.01%、Al:2.50%以下、N:0.0005〜0.0100%、O:0.0005〜0.007%、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、鋼板内部が、主相であるフェライトと、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトを含む硬質組織とを含み、鋼板表層が、前記硬質組織の体積率が鋼板の板厚の1/4厚み位置に含まれる硬質組織の体積率の80%以下である厚み0.5μm以上の脱炭層からなることを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
(2)さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.09%を含有することを特徴とする(1)に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
(3)さらに、質量%で、Cr:0.01〜2.0%、Ni:0.01〜2.0%、Cu:0.01〜2.0%、Mo:0.01〜0.8%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
(4)さらに、質量%で、V:0.005〜0.09%含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
(5)さらに、質量%で、Ca、Ce、Mg、REMの1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5%含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
(6)表面に亜鉛めっき層を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
また、本発明者は、硬質組織であるマルテンサイトの体積率を増加させずにマルテンサイト組織の強度を高めることができる高強度鋼板の製造方法について鋭意検討を重ねた。
その結果、冷延後の焼鈍工程においてTi、Nb、Vなどの微細析出物を析出させて、個々のブロックを形成するマルテンサイトのラスの成長を抑制するとともに、焼鈍を行った後の鋼板に核生成サイトとして転位を導入することにより、異なる複数の方位を有するラスを生成させることで、鋼板内部が、主相であるフェライトと、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトを含む硬質組織とを含む耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度冷延鋼板または高強度亜鉛めっき鋼板が得られることを見出した。
さらに、本発明者は鋭意検討を重ね、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインを通板させる熱処理において、焼鈍炉内の雰囲気を、H2を1〜10体積%含有し、残部N2、H2O、O2および不可避的不純物からからなる雰囲気とし、その雰囲気中の水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)を−3≦log(PH2O/PH2)≦−0.5に制御することで、耐遅れ破壊特性の向上に寄与する鋼板表面の脱炭処理を短時間で行うことができ、鋼板表層が、前記硬質組織の体積率が鋼板の板厚の1/4厚み位置に含まれる硬質組織の体積率の80%以下である厚み0.5μm以上の脱炭層からなる耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板が得られることを見出し、本発明の製造方法を想到した。
(7)(1)〜(5)に記載の化学成分を有するスラブを鋳造し、直接又は一旦冷却した後1050℃以上に加熱し、Ar変態点以上で熱間圧延を完了し、400℃〜670℃の温度域にて巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施した鋼板を、連続焼鈍ラインを通板させるに際して、焼鈍炉内を、H2を1〜10体積%含有し、残部N2、H2O、O2および不可避的不純物からからなる雰囲気とし、前記雰囲気中の水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)を−3≦log(PH2O/PH2)≦−0.5に制御し、加熱時に550℃〜760℃間を30秒以上滞留させ、最高加熱温度760℃〜Ac℃で焼鈍を行った後、最高加熱温度〜630℃間を平均冷却速度10℃/秒以下で冷却し、630℃〜570℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却を行うことを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
(8)前記630℃〜570℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却した後、450℃〜250℃の温度域で30秒以上保持することを特徴とする(7)に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
(9)(7)または(8)に記載の高強度冷延鋼板の製造方法で高強度冷延鋼板を製造した後、亜鉛電気めっきを施すことを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(10)(1)〜(5)に記載の化学成分を有するスラブを鋳造し、直接又は一旦冷却した後1050℃以上に加熱し、Ar変態点以上で熱間圧延を完了し、400℃〜670℃の温度域にて巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施した鋼板を、連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、焼鈍炉内を、H2を1〜10体積%含有し、残部N2、H2O、O2および不可避的不純物からからなる雰囲気とし、前記雰囲気中の水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)を−3≦log(PH2O/PH2)≦−0.5に制御し、加熱時に550℃〜760℃間を30秒以上滞留させ、最高加熱温度760℃〜Ac℃で焼鈍した後、最高加熱温度〜630℃間を平均冷却速度10℃/秒以下で冷却し、630℃〜〔(亜鉛めっき浴温度−40℃)〜(亜鉛めっき浴温度+50℃)〕℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却を行った後、亜鉛めっき浴に浸漬し、冷却を行うことを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(11)前記亜鉛めっき浴に浸漬した後、460℃〜600℃の温度で合金化処理を施し、冷却を行うことを特徴とする(10)に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明の高強度鋼板は、所定の化学成分を有し、鋼板内部が、主相であるフェライトと、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトを含む硬質組織とを含み、鋼板表層が、前記硬質組織の体積率が鋼板の板厚の1/4厚み位置に含まれる硬質組織の体積率の80%以下である厚み0.5μm以上の脱炭層からなるものであるので、優れた成形性と耐水素脆化特性とが得られる引張最大強度900MPa以上のものとなる。
また、本発明の鋼板の製造方法では、所定の化学成分を有するスラブを鋳造し、冷延した鋼板を、焼鈍工程において微細析出物を析出させ、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して焼鈍炉内を所定の雰囲気に制御することにより、鋼板表層を脱炭処理して鋼板表層を軟化させるので、優れた成形性と耐水素脆化特性とが得られる引張最大強度900MPa以上の高強度冷延鋼板または高強度亜鉛めっき鋼板が得られる。
本発明の高強度鋼板は、鋼板内部が硬質組織を含む強化層からなり、鋼板表層が脱炭層(軟化層)からなる引張最大強度900MPa以上のものである。本発明の高強度鋼板は、引張最大強度900MPa以上の高い強度を有するものであるが、鋼板表層に鋼板内部よりも軟質な脱炭層(軟化層)を有しているので、あたかも、低強度の鋼板であるかのような優れた耐水素脆化特性(耐遅れ破壊特性)が得られる。具体的には、例えば、鋼板表層に脱炭層が設けられていることにより鋼板表層の強度が590MPa級とされている場合、鋼板としての引張最大強度が900MPa以上であっても、あたかも引張最大強度が590MPa級の低強度の鋼板であるかのような耐遅れ破壊特性が得られる。
鋼板表層に脱炭層を設けることによる効果を十分に得るには、脱炭層の厚みを0.5μm以上とする。本発明において、脱炭層とは、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトを含む硬質組織の体積率が、鋼板の板厚の1/4厚み位置に含まれる硬質組織の体積率の80%以下である領域を意味する。硬質組織は、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトのみであってもよいし、ブロックサイズ1μmを越えるマルテンサイトやベイナイトを含むものであってもよい。
本発明においては、脱炭層における硬質組織の体積率が、鋼板の板厚の1/4厚み位置に含まれる硬質組織の体積率の80%以下であるので、鋼板表層に脱炭層を設けることによる効果が十分に得られ、優れた耐水素脆化特性(耐遅れ破壊特性)が得られる。具体的には、例えば、鋼板としての引張最大強度が900MPaの鋼板においては、あたかも引張最大強度が780MPaの鋼板であるかのような優れた耐遅れ破壊特性が得られる。
なお、本発明においては、脱炭層の硬質組織の体積率を、鋼板の板厚の1/4厚み位置を基準として定義しているので、硬質組織の体積率の正確な定義が可能である。例えば、脱炭層の硬質組織の体積率を、板厚の1/8厚み位置を基準として定義した場合、脱炭層の厚みが板厚の1/8厚みに達する可能性があり、硬質組織の体積率の正確な定義ができない場合がある。また、板厚中心位置は、Mnの中心偏析等により、他の位置に比較して、鋼板組織が大きく異なっている場合がある。このため、脱炭層の硬質組織の体積率を、板厚中心位置を基準として定義した場合、正確な定義ができない場合がある。
また、本実施形態において、脱炭層は、鋼板内部に比較してC濃度が低い領域となっている。なお、C濃度は鋼板表面から鋼板内部にかけて一定でなく変化しており、硬質組織の割合も鋼板表面から鋼板内部にかけて一定でなく変化している。また、本実施形態においては、鋼板内部ほど硬質組織の体積率が高く、鋼板表面にはほとんど硬質組織が含まれない場合もある。
本発明の高強度鋼板の脱炭層を除く鋼板の組織(鋼板内部の組織)は、主相であるフェライトと、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトを含む硬質組織とを含む複相組織となっている。このため、本発明の高強度鋼板では、高強度と同時に、優れた延性が得られる。
本発明の高強度鋼板において、優れた延性を確保するためには、フェライトの体積率を出来るだけ高くすることが好ましい。マルテンサイトを硬質化したとしても、得られる強度には限りがある。このため、必要とする引張最大強度に対応させて、フェライトの体積率を変化させる。
例えば、引張最大強度900〜1130MPaの高強度鋼板とする場合、フェライトの体積率を60%〜85%の範囲とすることが好ましく、65%〜80%の範囲とすることがより好ましい。また、引張最大強度1130〜1280MPaの高強度鋼板とする場合、フェライトの体積率を55%〜80%の範囲とすることが好ましく、60%〜75%の範囲とすることがより好ましい。引張最大強度1280〜1580MPaの高強度鋼板とする場合、フェライトの体積率を50%〜75%の範囲とすることが好ましく、55%〜70%の範囲とすることがより好ましい。
フェライトの体積率を上記範囲にすることで、引張最大強度を900MPa以上とすることができるとともに、引張最大強度(TS)と引張試験における全伸び(El.)の積である強度−延性バランス(TS×El.)を16000(MPa×%)以上とすることができ、高強度で優れた延性を具備する鋼板とすることができる。なお、本発明において、優れた延性を有する鋼板とは、強度−延性バランスが16000(MPa×%)以上である鋼板を意味する。
また、本発明の高強度鋼板の鋼板組織に含まれるマルテンサイトは、粒状であり、フェライト粒界、あるいは、粒内の何れにも存在することが可能である。マルテンサイト組織は、パケット、ブロック、ラスと言った階層構造により構成されている。
パケットは、母相オーステナイトの同一晶癖面を有し、結晶方位の異なる複数のブロックにより構成されている。一つのパケットは、K−S関係(Kurdjumov−Sachs関係)を有する最大6つのブロックから構成されている。なお、一般的な光学顕微鏡観察では、結晶方位差の小さいバリアント(結晶構造が同じで結晶方位が異なる兄弟晶)を有するブロックを区別できないため、結晶方位差11°以下の2つのバリアントのペアを一つのブロックとして定義される場合が多い。この場合、一つのパケットは、3つのブロックから構成されることになる。
ブロックは、同一結晶方位を有するラスの集合体である。ブロックの内部には、個々のラスの境界が存在しているものの、個々のブロック内のラスは同一結晶方位を有することから、変形時にはあたかも一つの粒であるかのように働く。したがって、マルテンサイトの強度は、ブロックサイズに依存する。
ラスは、針状、観察方向によっては粒状のものである。また、ラスは、母相のオーステナイトとK−S関係を有しており、母相に対し24通りの方位関係を有するものが存在する。
マルテンサイト組織を構成するパケット、ブロック、ラスは、透過型電子顕微鏡(TEM)による組織観察や走査電子顕微鏡(SEM)−後方散乱電子回折(EBSP)法を用いた結晶方位解析、電界放射型走査電子顕微鏡(FE(Field Emission)−SEM)−EBSP法を用いた高分解能結晶方位解析などによって確認できる。
本発明者は、鋼板中に存在するマルテンサイトのブロックサイズと鋼板の強度との関係に着目して検討し、マルテンサイトのブロックサイズを微細化とすることにより、鋼板の強化組織として活用されるマルテンサイトをより高強度化できることを見出し、低い降伏応力を確保し、フェライトの体積率を確保したまま、900MPaを超えるような高強度化を図ることが可能であることを見出した。具体的には、マルテンサイトのブロックサイズを1μm以下にすることで、マルテンサイトを強化組織としてこれまで以上に活用することができる。
本発明の高強度鋼板の鋼板組織を構成するマルテンサイトは、1μm以下のブロックサイズより構成されている。ブロックサイズが1μmを超えると、マルテンサイトを強化する効果が十分に得られず、高強度鋼板の強度が不足する。
例えば、従来鋼では、結晶方位を同じくするマルテンサイトのブロックサイズは、数μmから数十μmときわめて大きいものであった。このため、従来鋼では、例えば、鋼板組織を数μm以下に制御した場合、鋼板の強化組織として活用される個々のマルテンサイト粒のサイズが数μm以下となり、個々のマルテンサイト粒が単一のブロックより構成されることになる。その結果、従来鋼では、マルテンサイトを強化組織として十分に活用することができなかった。
マルテンサイトのブロックサイズは、TEMによる組織観察やSEM−EBSP法、FE−SEM−EBSP法などによって測定できる。SEM−EBSP法は、広範囲の面積を短時間で測定可能であるため好ましい。また、FE−SEM−EBSP法は、高精度で組織観察を行うことができ、望ましい。
FE−SEM−EBSP法を用いて組織観察を行う場合、測定点の間隔は、組織の方位解析が可能である範囲であればよいが、10nm〜200nmとすることが好ましい。測定点の間隔が200nmを超えると、精度が低下して、正確なブロックサイズの測定が出来ない場合がある。また、測定点の間隔が10nm未満であると、精度の点からは望ましいものの、測定時間が極めて長時間となる。
なお、本発明において、FE−SEM−EBSP法を用いてマルテンサイトのブロックサイズを測定する場合、予備実験にて、数個のマルテンサイト粒のブロックサイズを測定して、組織の方位解析が可能である測定点の間隔を決定してから行うことが好ましい。
また、本発明においては、フェライトの平均結晶粒径(dF)を5μm以下とすることが好ましく、4.5μm以下とすることがより好ましく、4μm以下とすることが最も好ましい。
フェライトの平均結晶粒径(dF)を上記範囲としたのは、フェライトの結晶粒径を細粒化することにより、延性をあまり劣化させずに引張最大強度を増加させるためである。フェライトの平均結晶粒径が上記範囲外になると、細粒化による強度上昇への寄与が小さくなることから、マルテンサイトの体積率を増加させることにより強度を補わねばならなくなり、フェライトの体積率の低下や、これに伴う大幅な延性劣化を引き起こすことから好ましくない。また、フェライトの平均結晶粒径を小さくすることで、変形の局在化や亀裂伝播が生じ難くなり、引張変形であれば局部延性の向上、曲げや穴拡げ成形であれば、曲げ性や穴拡げ率の向上がもたらされる。しかし、フェライトの平均結晶粒径を小さくすると、降伏応力が増加するため、フェライトの平均結晶粒径を極端に小さくすることは好ましくなく、その下限値は、1μm以上とすることが望ましい。
また、マルテンサイトの平均結晶粒径(dM)は、フェライトの平均結晶粒径(dF)の1/3以下とすることが好ましく、具体的には、1.5μm以下とすることが好ましく、1.2μm以下とすることがより好ましく、0.9μm以下とすることが最も好ましい。
マルテンサイトの平均結晶粒径(dM)を上記範囲としたのは、変形の際のフェライト及びマルテンサイト界面での変形の集中を抑制し、界面へのマイクロボイドや亀裂形成を抑制するためである。即ち、軟質なフェライトと硬質なマルテンサイトは、変形能が大きく異なるため、引張変形であればネッキング後の大変形下、曲げ成形であれば小Rでの曲げ加工、あるいは、穴拡げ成形中にフェライトとマルテンサイト界面に変形が集中し、破壊へと至ってしまう。そこで、マルテンサイトを細粒化し、個々の界面への変形の集中を抑制することで、これら特性の大幅な向上が図られる。加えて、シャー切断や打ち抜き加工のような機械加工を行う際に、切断部に粗大なマルテンサイトが存在すると、マルテンサイトを起点にした疵や微細な割れを生じることになり、引き続いて行われる加工の際の加工性を大幅に減じることになる。このことから、マルテンサイトの平均結晶粒径は出来るだけ小さくする必要がある。
次に、本発明の高強度鋼板の化学成分(組成)について説明する。なお、以下の説明における[%]は[質量%]である。
「C:0.07〜0.25%」
Cは、マルテンサイトの強度を高めるものであり、高強度鋼板の強度を高めるために添加される。しかし、Cの含有量が0.25%を超えると溶接性や加工性が不十分となる。また、Cの含有量が0.07%未満であると強度が不十分となる。Cの含有量は、0.08〜0.23%の範囲であることが好ましく、0.09〜0.21%の範囲であることがより好ましい。
「Si:0.3〜2.50%」「Al:2.5%以下」
SiおよびAlは、フェライト安定化元素であり、Ac変態点を増加させることから、広い焼鈍温度にて多量のフェライトを形成させることが可能であり、組織制御性向上の観点から添加される。また、SiおよびAlは、固溶強化にも寄与することから、積極的に添加することが望ましい。フェライトは、Cをほとんど含まないbcc相であるので、多量のフェライトを形成させることで、オーステナイト中にCを濃化させることができる。オーステナイト中にCを濃化させることで、マルテンサイトの高強度化にも寄与する。また、SiやAlは、フェライトやオーステナイト中のCの活量を増大させ、脱炭反応を短時間にて進行せしめる効果があり、連続焼鈍設備や連続溶融亜鉛めっき設備のような短時間での製造設備を用いた製造では、0.3%以上添加させる必要がある。
Siの含有量が0.3%未満であると、フェライトの体積率が不十分になるとともに、マルテンサイトの高強度化が不十分となり、高強度鋼板の延性及び耐遅れ破壊特性、強度が不十分となる。なお、Alを含有する場合、Siを含有する場合と同様の効果が得られるが、Siのみを含有させることにより上記の効果が十分に得られる場合には、Alを含有していなくてもよい。また、Siの含有量が2.50%を超えたり、Alの含有量が2.5%を超えたりすると、溶接性や加工性が不十分となる。Siの含有量は、0.5〜2.2%の範囲であることが好ましく、0.7〜2.0%の範囲であることがより好ましい。Alの含有量は、0.005〜1.5%の範囲であることが好ましく、0.01〜1.0%の範囲であることがより好ましい。
また、本発明の高強度鋼板の製造方法において、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインを通板する際の加熱時に760℃〜Ac℃の低温で焼鈍を行う場合には、熱延時や、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインでの加熱時に生じたセメンタイトの溶解に長時間を要するので、十分な体積率のマルテンサイトを確保できない恐れがある。このため、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインを用いて本発明の高強度鋼板を製造する場合には、上記の範囲内でSiおよびAlを多量に含有させてAc変態点を増加させ、十分な体積率のマルテンサイトを確保するとともに、フェライトの体積率を増加させてオーステナイト中にCを濃化させ、マルテンサイトを高強度化することが好ましい。
「Mn:1.5〜3.0%」
Mnは、高強度鋼板の強度を高めるために添加される。しかし、Mnの含有量が3.0%を超えるとマルテンサイトの体積率が多くなりすぎて、延性確保に寄与するフェライトの体積率が不十分となり、延性及び曲げ性が不十分となる。また、Mnの偏析に起因した鋼板表層の硬度分布も大きくなる。一方、Mnの含有量が1.5%未満であると、冷却過程で生じるパーライト変態を抑制することが出来ず、鋼板組織がフェライト及びパーライト組織となってしまい強度が不十分となる。Mnの含有量は、1.6〜2.8%の範囲であることが好ましく、1.7〜2.6%の範囲であることがより好ましい。
「Ti:0.005〜0.09%」
Tiは、強化元素である。析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化および再結晶の抑制を通じた転位強化にて、鋼板の強度上昇に寄与する。また、Bが窒化物となることを抑制するためにも添加する。Bは、熱延時の組織制御性や、連続焼鈍設備や連続溶融亜鉛めっき設備での組織制御と高強度化に寄与するものの、Bが窒化物になるとこの効果が得られないことから、Tiは、Bが窒化物となるのを防止するために添加する必要がある。
しかし、Tiの含有量が0.09%を超えると、炭窒化物の析出が多くなり成形性が劣化する。また、添加量が多いと連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっき設備での製造の際、フェライトの再結晶を大幅に遅延することから、焼鈍後に未再結晶フェライトが残り易く、大幅な延性低下を齎す。このことからTiの含有量の上限を0.09%以下とする必要がある。
また、Tiの含有量が0.005%未満であると、Tiを含有することによって得られる上記効果が不十分となる。Tiの含有量は、0.01〜0.08%の範囲であることが好ましく、0.015〜0.07%の範囲であることがより好ましい。
「B:0.0001〜0.01%」
Bは、オーステナイトからのフェライト変態を遅延することから、鋼板の高強度化に活用できる。加えて、Bは、熱延時においても、オーステナイトからのフェライト変態を遅延することから、熱延板をベイナイト単相組織とすることで、熱延板の均質性を高め、曲げ性を向上可能である。このことから、添加する必要がある。添加量が0.0001%未満では、Bを添加することによる十分な効果が得られないことから、0.0001%以上添加する必要がある。また、Bの添加量が0.01質量%を超えると、その効果が飽和するばかりでなく、熱延時の製造製を低下させることから、その上限を0.01%とした。Bの含有量は、0.0003〜0.007%の範囲であることが好ましく、0.0005〜0.0050%の範囲であることがより好ましい。
「P:0.001〜0.03%」
Pは鋼板の板厚中央部に偏析する傾向があり、溶接部を脆化させる。0.03%を超えると溶接部の脆化が顕著になるため、その適正範囲を0.03%以下に限定した。Pの含有量を0.001%未満とすることは、経済的に不利であることからこの値を下限値とする。
「S:0.0001〜0.01%」
Sは、溶接性ならびに鋳造時および熱延時の製造性に悪影響を及ぼす。このことから、その上限値を0.01%以下とした。Sの含有量を0.0001%未満とすることは、経済的に不利であることからこの値を下限値とする。また、SはMnと結びついて粗大なMnSを形成することから、曲げ性を低下させる。このことから、曲げ性向上のためには、出来るだけ少なくする必要がある。
「N:0.0005〜0.0100%」
Nは、粗大な窒化物を形成し、曲げ性や穴拡げ性を劣化させることから、添加量を抑える必要がある。これは、Nが0.0100%を超えると、この傾向が顕著となることから、N含有量の範囲を0.0100%以下とした。加えて、Nは、溶接時のブローホール発生の原因になることから少ない方が良い。Nの含有量の下限値は、特に定めることなく本発明の効果は発揮されるが、Nの含有量を0.0005%未満とすることは、製造コストの大幅な増加を招くことから、これが実質的な下限値である。
「O:0.0005〜0.007%」
Oは、酸化物を形成し、曲げ性や穴拡げ性を劣化させることから、添加量を抑える必要がある。特に、酸化物は介在物として存在する場合が多く、打抜き端面、あるいは、切断面に存在すると、端面に切り欠き状の傷や粗大なディンプルを形成することから、曲げ時や強加工時に、応力集中を招き、亀裂形成の起点となり大幅な穴拡げ性あるいは曲げ性の劣化をもたらす。Oの含有量が0.007%を超えると、この傾向が顕著となることから、Oの含有量の上限を0.007%以下とした。Oの含有量を0.0005%と未満とすることは、過度のコスト高を招き経済的に好ましくないことから、これを下限とした。ただし、Oの含有量を0.0005%未満にしたとしても、本発明の効果である900MPa以上のTSと優れた耐遅れ破壊特性を確保可能である。
本発明の高強度鋼板においては、更に、必要に応じて、以下に示す元素を含んでいてもよい。
「Nb:0.005〜0.09%」
Nbは、強化元素である。Tiと同様に、析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化および再結晶の抑制を通じた転位強化にて、鋼板の強度上昇に寄与する。しかし、Nbの含有量が0.09%を超えると、炭窒化物の析出が多くなり成形性が劣化する。また、Nbの添加量が多いと連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっき設備での製造の際、フェライトの再結晶を大幅に遅延することから、焼鈍後に未再結晶フェライトが残り易く、大幅な延性低下をもたらす。このことからNbの添加量の上限値を0.09%以下とすることが好ましい。
また、Nbの含有量が0.005%未満であると、Nbを含有することによって得られる上記効果が不十分となる。Nbの含有量は、0.01〜0.08%の範囲であることが好ましく、0.015〜0.07%の範囲であることがより好ましい。
「Cr:0.01〜2.0%」「Ni:0.01〜2.0%」「Cu:0.01〜2.0%」「Mo:0.01〜0.8%」の1種または2種以上
Cr、Ni、Cu、Moは、強度の向上に寄与する元素であり、Mnの一部に代えて用いることができる。Cr、Ni、Cu、Moは、1種又は2種以上を、それぞれ、0.01%以上含有することが好ましい。一方、各元素の含有量が多すぎると、酸洗性や溶接性、熱間加工性などが劣化することがあるため、Cr、Ni、Cuの含有量は2.0%以下であることが好ましく、Moの含有量は0.8%以下であることが好ましい。
「V:0.005〜0.09%」
Vは、強化元素である。TiやNbと同様に、析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化および再結晶の抑制を通じた転位強化にて、鋼板の強度上昇に寄与する。また、Vを含有させることで、遅れ破壊特性を向上させることができる。このことから、本発明の鋼板のような鋼板の引張最大強度が900MPaを超える鋼板の製造にあたっては添加することが望ましい。しかし、Vの含有量が0.09%を超えると、炭窒化物の析出が多くなり成形性が劣化する。また、Vの含有量が多いと連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっき設備での製造の際、フェライトの再結晶を大幅に遅延することから、焼鈍後に未再結晶フェライトが残り易く、大幅な延性低下をもたらす。このことからVの含有量の上限値を0.09%以下とすることが好ましい。
また、Vの含有量が0.005%未満であると、Vを含有することによって得られる上記効果が不十分となる。Vの含有量は、0.01〜0.08%の範囲であることが好ましく、0.015〜0.07%の範囲であることがより好ましい。
「Ca、Ce、Mg、REMの1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5%」
Ca、Ce、Mg、REMは、強度の向上や材質の改善に寄与する。Ca、Ce、Mg、REMの1種または2種以上の含有量が0.0001%未満であると十分な効果が得られない場合があり、0.5%を超えると、延性を損なう恐れがある。また、これらの含有量が合計で0.5%を超えると、成形加工性の悪化の原因となる。なお、REMとは、Rare Earth Metalの略であり、ランタノイド系列に属する元素をさす。本発明において、REMやCeはミッシュメタルにて添加されることが多く、LaやCeの他にランタノイド系列の元素を複合で含有する場合がある。不可避不純物として、これらLaやCe以外のランタノイド系列の元素を含んだとしても本発明の効果は発揮される。また、金属LaやCeを添加したとしても本発明の効果は発揮される。
また、本発明の高強度鋼板は、表面に亜鉛めっき層や合金化した亜鉛メッキ層が形成されることにより、高強度亜鉛めっき鋼板とされていてもよい。高強度鋼板の表面に亜鉛めっき層が形成されていることにより、優れた耐食性を有するものとなる。また、高強度鋼板の表面に、合金化した亜鉛メッキ層が形成されていることにより、優れた耐食性を有し、塗料の密着性に優れたものとなる。
次に、本発明の高強度鋼板の製造方法について説明する。
本発明の高強度鋼板を製造するには、まず、上述した化学成分(組成)を有するスラブを鋳造する。
熱間圧延に供するスラブは、連続鋳造スラブや薄スラブキャスターなどで製造したものを用いることができる。本発明の高強度鋼板の製造方法は、鋳造後に直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直接圧延(CC−DR)のようなプロセスに適合する。
熱延スラブ加熱温度は、1050℃以上にする必要がある。スラブ加熱温度が過度に低いと、仕上げ圧延温度がAr3点を下回ってしまいフェライト及びオーステナイトの二相域圧延となり、熱延板組織が不均質な混粒組織となり、冷延及び焼鈍工程を経たとしても不均質な組織は解消されず、延性や曲げ性に劣る。また、本鋼板は、焼鈍後に900MPa以上の引張最大強度を確保するため、多量の合金元素を添加していることから、仕上げ圧延時の強度も高くなりがちである。スラブ加熱温度の低下は、仕上げ圧延温度の低下を招き、更なる圧延荷重の増加を招き、圧延が困難となったり、圧延後の鋼板の形状不良を招く懸念があることから、スラブ加熱温度は、1050℃以上とする必要がある。
スラブ加熱温度の上限は特に定めることなく、本発明の効果は発揮されるが、加熱温度を過度に高温にすることは、経済上好ましくないことから、加熱温度の上限は1300℃未満とすることが望ましい。
なお、Ar温度は次の式により計算する。
Ar=901−325×C+33×Si−92×(Mn+Ni/2+Cr/2+Cu/2+Mo/2)
上記式において、C、Si、Mn、Ni、Cr、Cu、Moは各元素の含有量[質量%]である。
一方、仕上げ温度の上限は特に定めることなく、本発明の効果は発揮されるが、仕上げ圧延温度を過度に高温とした場合、その温度を確保するためにスラブ加熱温度を過度に高温にしなければならない。このことから、仕上げ圧延温度の上限温度は、1000℃以下とすることが望ましい。
巻き取り温度は400〜670℃にする必要がある。巻き取り温度が670℃を超えると、熱延組織中に粗大なフェライトやパーライト組織が存在するため、焼鈍後の組織不均質性が大きくなり、最終製品の曲げ性が劣化する。焼鈍後の組織を微細にして強度延性バランスを向上させる。また、670℃を超える温度で巻き取ることは、鋼板表面に形成する酸化物の厚さを過度に増大させるため、酸洗性が劣るので好ましくない。巻き取り温度は、第二相を均質分散させ曲げ性を向上させる観点から630℃以下とすることが好ましい。また、巻き取り温度が400℃未満であると、極端に熱延板強度が増加することから、冷間圧延の際に板破断や形状不良といったトラブルを誘発し易い。このことから巻き取り温度の下限値は、400℃とする必要がある。
なお、熱延時に粗圧延板同士を接合して連続的に仕上げ圧延を行っても良い。また、粗圧延板を一旦巻き取っても構わない。
このようにして製造した熱延鋼板に、酸洗を行う。酸洗は鋼板表面の酸化物の除去が可能であることから、最終製品の冷延高強度鋼板の化成性や、溶融亜鉛あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板用の冷延鋼板の溶融めっき性向上のためには重要である。また、酸洗は、一回でも良いし、複数回に分けて行っても良い。
酸洗した熱延鋼板を圧下率40〜70%で冷間圧延して、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインを通板する。圧下率が40%未満では、形状を平坦に保つことが困難である。また、最終製品の延性が劣悪となるので、圧下率40%以上を下限とする。一方、圧下率が70%を越える冷延では、冷延荷重が大きくなりすぎて冷延が困難となる。このことから、圧下率が70%以下を上限とする。圧下率は45〜65%であることがより好ましい。なお、圧延パスの回数、各パス毎の圧下率については特に規定することなく本発明の効果は発揮される。
その後、得られた冷延鋼板を、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインを通板させて高強度冷延鋼板または高強度亜鉛めっき鋼板を製造する。
本発明においては、連続焼鈍ライン(設備)または連続溶融亜鉛めっきライン(設備)を通板させるに際して、焼鈍炉内を、H2を1〜10体積%含有し、残部N2、H2O、O2および不可避的不純物からからなる雰囲気とし、前記雰囲気中の水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)を−3≦log(PH2O/PH2)≦−0.5に制御する。
このことにより、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、上記雰囲気で冷延鋼板が焼鈍(熱処理)され、短時間で鋼板表層に含まれるCが低減(脱炭処理)される。その結果、鋼板表層が軟化されて、引張最大強度900MPaを上回る高強度を有し、あたかも引張最大強度が900MPaを下回る低強度の鋼板であるかのような優れた耐水素脆化特性(耐遅れ破壊特性)を具備する鋼板となる。
なお、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインの焼鈍炉内の雰囲気中における水分圧と水素分圧との比は、焼鈍炉内に水蒸気を吹き込む方法によって調整することができる。このようにして焼鈍炉内の雰囲気中における水分圧と水素分圧との比を調整する方法は、簡便であり、好ましい。
また、焼鈍炉内の雰囲気において、H濃度が10体積%を超えると、コスト高を招くことから好ましくない。また、H濃度が1体積%未満になると、鋼板に含まれるFeが酸化することから、濡れ性やめっき密着性が不十分となる。
また、焼鈍炉内の雰囲気中の水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)を−3≦log(PH2O/PH2)≦−0.5とすることで、短時間の熱処理設備である連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインの焼鈍炉内おいて、鋼板表層に脱炭層を形成させ、耐遅れ破壊特性を高めることが可能となる。なお、水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)の下限を−3以上としたのは、−3未満では、連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっき設備のような短時間プロセスにて、遅れ破壊特性を改善可能なほどの厚みを有する脱炭層を形成させることが出来ないためである。一方、水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)の上限を−0.5以下としたのは、−0.5を超えると脱炭層の厚みが厚くなりすぎて引張最大強度900MPaを超える高強度を確保することが難しくなるためである。
また、焼鈍炉内おいて厚み0.5μm以上の脱炭層を得るためには、焼鈍炉内の雰囲気を上記雰囲気に制御するだけでなく、冷延鋼板を得るためのスラブに上記範囲内でSiおよび/またはAlを含有させて、脱炭反応を促進することが必須である。SiおよびAlの含有量が上記範囲未満である場合、焼鈍炉内の雰囲気を上記の雰囲気にしたとしても、耐遅れ破壊特性を十分に向上可能な厚みである0.5μm以上の脱炭層を形成させるためには、長時間の熱処理が必要となる。このため、SiおよびAlの含有量が上記範囲未満である場合、焼鈍炉内の雰囲気を上記としたとしても、短時間の熱処理設備である連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインの焼鈍炉内おいて十分な厚みの脱炭層を形成することができない。
鋼板表層を鋼板内部よりも軟化させて脱炭層を形成する他の製造方法としては、例えば、スラブや熱延鋼板を脱炭させる方法、あるいは、鋳造段階で鋼板表層のみ組成の異なる板を接合する手法が考えられる。しかし、これらの方法を用いて鋼板表層を軟化させた場合、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインを通板させることによる焼鈍により、鋼板内部に含まれるCが鋼板表層へと拡散してしまうことから、鋼板表層に軟化層を形成させ難いという問題がある。この問題は、従来の製造条件で焼鈍を行う場合、焼鈍炉内の雰囲気が脱炭反応の起こらない雰囲気であるため、鋼板内部にC濃度の変動があると、C濃度の高い領域からC濃度の低い領域へとCが拡散して脱炭層が消滅してしまうために生じる。したがって、従来の製造条件で焼鈍を行う場合、上記の方法で鋼板表層を鋼板内部よりも軟化させて脱炭層を形成したとしても、脱炭層が拡散によりなくなり易いことから、脱炭層の厚みを大幅に増大させねばならず、引張最大強度900MPaを超える強度を確保することが難しい。
また、本実施形態では、連続焼鈍ライン(設備)または連続溶融亜鉛めっきライン(設備)を通板させるに際して、焼鈍炉内を上記雰囲気に制御するので、鋼板表面のSi、Mn及びAlの酸化を抑制することができ、めっき性を改善できるとともに、合金化反応の促進をもたらすことができる。
なお、本発明は、上記の例に限定されるものではない。
例えば、上述した高強度冷延鋼板または高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法においては、水分圧と水素分圧とを制御して焼鈍炉内の雰囲気を制御したが、二酸化炭素と一酸化炭素の分圧を制御する方法や、二酸化窒素と一酸化窒素の分圧を制御する方法、あるいは、炉内に直接酸素を吹き込む方法を用いて、焼鈍炉内の雰囲気を制御してもよい。この場合であっても、水分圧と水素分圧とを制御して焼鈍炉内の雰囲気を制御した場合と同様に、表層近傍の鋼板内部にSi酸化物(またはSi酸化物およびAl酸化物)を析出させることができ、上記と同様の効果が得られる。
本実施形態において、冷延鋼板を連続焼鈍ラインに通板させて、高強度冷延鋼板を製造する場合、以下に示す第1条件または第2条件で行う。
「第1条件」
連続焼鈍ラインを通板させるに際して、加熱時に550℃〜760℃間を30秒以上滞留させ、最高加熱温度760℃〜Ac℃で焼鈍を行った後、最高加熱温度〜630℃間を平均冷却速度10℃/秒以下で冷却し、630℃〜570℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で室温まで冷却する。
「第2条件」
連続焼鈍ラインを通板させるに際して、上述した第1条件と同様にして、焼鈍を行った後、最高加熱温度〜630℃間および630℃〜570℃間を第1条件と同様にして冷却し、450℃〜250℃の温度域で30秒以上保持した後、平均冷却速度3℃/秒以上で室温まで冷却する。
さらに、本発明においては、第1条件または第2条件で連続焼鈍ラインを通板させることによって得られた高強度冷延鋼板に、亜鉛電気めっきを施すことにより、高強度亜鉛めっき鋼板としてもよい。
また、本発明においては、上記の方法によって得られた冷延鋼板を、連続溶融亜鉛めっきラインに通板させて、高強度亜鉛めっき鋼板を製造してもよい。この場合、以下に示す第3条件または第4条件で行う。
「第3条件」
連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、上述した第1条件と同様にして、焼鈍を行った後、最高加熱温度〜630℃間を第1条件と同様にして冷却し、その後、630℃〜〔(亜鉛めっき浴温度−40℃)〜(亜鉛めっき浴温度+50℃)〕℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬し、冷却を行う。
このように、630℃〜〔(亜鉛めっき浴温度−40℃)〜(亜鉛めっき浴温度+50℃)〕℃間を好適な温度で冷却して、亜鉛めっき浴に浸漬することで、表面に亜鉛めっき層の形成された高強度亜鉛めっき鋼板が得られる。
「第4条件」
連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、上述した第3条件と同様にして、亜鉛めっき浴に浸漬するまでの工程を行った後、460℃〜600℃の温度で合金化処理を施し、冷却を行う。
このような合金化処理を行うこことで、表面に亜鉛メッキ層が合金化されてなるZn−Fe合金が形成され、表面に合金化した亜鉛メッキ層を有する高強度亜鉛めっき鋼板が得られる。
また、連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、第3条件と同様にして、630℃〜〔(亜鉛めっき浴温度−40℃)〜(亜鉛めっき浴温度+50℃)〕℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却するまでの工程を行った後、亜鉛めっき浴に浸漬する前に、450℃〜250℃の温度域で30秒以上保持してもよい。
本実施形態の鋼板の製造方法においては、スラブとして、微細析出物を析出する元素であるTiを含み、必要に応じて微細析出物を析出する元素であるNb、Vなどを含む上述した化学成分(組成)を有するスラブを用いている。したがって、上記の製造方法によって冷延鋼板を製造し、第1条件〜第4条件のいずれかの条件で、高強度冷延鋼板または高強度亜鉛めっき鋼板を製造する場合、冷延後の焼鈍工程においてTiなどの微細析出物が析出される。より具体的には、冷延後に得られた冷延鋼板を、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して行われる最高加熱温度近傍での焼鈍時に、Tiなどの微細析出物が析出される。本発明においては、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、加熱時に550℃〜760℃間を30秒以上滞留させ、最高加熱温度760℃〜Ac℃で焼鈍を行っているので、Tiなどの微細な微細析出物が析出される。
本実施形態において、最高加熱温度を760℃〜Ac℃としたのは、熱延板中に析出したセメンタイト、あるいは、冷延後の連続焼鈍設備や連続溶融亜鉛めっき設備での加熱中に析出したセメンタイトを溶解させ、十分な体積率のオーステナイトを確保するためである。最高加熱温度760℃未満で焼鈍を行うと、セメンタイトの溶解に長時間を要することになり、生産性が低下したり、セメンタイトが溶け残って冷却後のマルテンサイト体積率が低下し、引張最大強度900MPa以上の強度が確保できなくなったりする。
また、本発明においては、焼鈍後、最高加熱温度〜630℃間を平均冷却速度10℃/秒以下で冷却しているので、フェライトの形成が促進され、延性確保に寄与するフェライトの体積率を十分に確保することができる。これに対し、最高加熱温度〜630℃間を10℃/秒を超える平均冷却速度で冷却した場合、フェライトの体積率が不足して、高強度冷延鋼板または高強度亜鉛めっき鋼板の延性及び曲げ性が不十分となる恐れがある。
また、本発明においては、630℃〜570℃間または630℃〜〔(亜鉛めっき浴温度−40℃)〜(亜鉛めっき浴温度+50℃)〕℃間の平均冷却速度を3℃/秒以上としているので、この温度域で起こり得るパーライトやベイナイト変態を抑制することが可能となり、オーステナイトをマルテンサイトへと効率的に変態させることが可能である。これに対し、上記温度範囲における平均冷却速度が3℃/秒未満である場合、オーステナイトがパーライトへと変態するので、マルテンサイトの体積率が不足して、高強度冷延鋼板または高強度亜鉛めっき鋼板の強度が不十分となる恐れがある。また、上記温度範囲における極端な冷却速度の低下は、生産性の低下を招くことから好ましくない。
また、本発明の高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法においては、めっき密着性を向上させるために、焼鈍前の鋼板にNi、Cu、Co、Feから選ばれる1種あるいは複数種よりなるめっきを施してもよい。
また、本発明の高強度亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、焼鈍から亜鉛めっき浴に浸漬するまでの工程として「脱脂酸洗後、非酸化雰囲気にて加熱し、H及びNを含む還元雰囲気にて焼鈍した後、亜鉛めっき浴温度近傍まで冷却して、亜鉛めっき浴に侵漬する」ゼンジマー法や「焼鈍時の雰囲気を調節して、最初に鋼板表面を酸化させ、その後還元することにより、めっき前の鋼板表面の清浄化を行った後、亜鉛めっき浴に侵漬する」全還元炉方式、あるいは「鋼板を脱脂酸洗した後に、塩化アンモニウムなどを用いてフラックス処理を行い、その後亜鉛めっき浴に侵漬する」フラックス法などを用いてもよい。
表1および表2に示すA〜Zの化学成分(組成)を有するスラブを鋳造し、鋳造後直ちに表3および表4に示す条件(スラブ加熱温度、熱間圧延を完了温度)で熱間圧延し、表3および表4に示す巻き取り温度範囲で巻き取り、酸洗した後、表3および表4に示す圧下率で冷間圧延して厚み1.6mmの表3および表4に示す実験例1〜実験例71の冷延鋼板とした。
Figure 2011111675
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その後、実験例1〜実験例71の冷延鋼板を、焼鈍炉内を、H2を表5〜表7に示す体積%で含有し、表5〜表7に示す水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)である炉内雰囲気に制御し、表5〜表7に示す条件で連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインを通板させて、実験例1〜実験例71の鋼板(表3〜表10に示す冷延鋼板(CR)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA))を製造した。
Figure 2011111675
Figure 2011111675
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連続焼鈍ラインを通板させるに際して、加熱時に550℃〜760℃間を表5〜表7に示す滞留時間で滞留させ、表5〜表7に示す最高加熱温度で焼鈍を行った後、最高加熱温度〜630℃間を表5〜表7に示す平均冷却速度で冷却し、630℃〜570℃間を表5〜表7に示す平均冷却速度で冷却を行った。
その後、一部の実験例においては表5〜表7に示す保持温度、表5〜表7に示す保持時間で保持してから室温まで冷却し、その他の実験例においては表5〜表7に示す平均冷却速度で室温まで冷却した。
その後、連続焼鈍ラインを通板させた実験例の一部について、以下に示す方法により、亜鉛系電気めっきを施し、電気亜鉛めっき鋼板(EG)を製造した。まず、連連続焼鈍ラインを通板させた鋼板に対して、めっきの前処理として、アルカリ脱脂、水洗、酸洗、並びに水洗を順に実施した。その後、前処理後の鋼板に対し、液循環式の電気めっき装置を用い、めっき浴として硫酸亜鉛、硫酸ナトリウム、硫酸からなるものを用い、電流密度を100A/dm2で所定のめっき厚みになるまで電解処理して、Znめっきを施した。
また、連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、加熱時に550℃〜760℃間を表5〜表7に示す滞留時間で滞留させ、表5〜表7に示す最高加熱温度で焼鈍を行った後、最高加熱温度〜630℃間を表5〜表7に示す平均冷却速度で冷却し、630℃〜亜鉛めっき浴温度間を表5〜表7に示す平均冷却速度で冷却を行った後、表5〜表7に示す温度の亜鉛めっき浴に浸漬し、冷却を行った。
また、一部の実験例においては、亜鉛めっき浴に浸漬するまでの工程を行った後、表5〜表7に示す温度で合金化処理を施し、冷却を行った。
また、連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、一部の実施例においては、630℃〜亜鉛めっき浴温度間を表5〜表7に示す平均冷却速度で冷却するまでの工程を行った後、亜鉛めっき浴に浸漬する前に、表5〜表7に示す保持温度、表5〜表7に示す保持時間で保持した。
このようにして得られた実験例1〜実験例71の鋼板(表3〜表10に示す(CR)(EG)(GI)(GA))について、FE−SEM−EBSP法により鋼板内部の鋼板組織を観察した。鋼板内部の体積率は、画像解析により各組織の面積率を求めることにより特定した。その結果を表8〜表10に示す。
Figure 2011111675
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表8〜表10に示すように、本発明の実施例である実験例1、7〜10、14、18、19、25、29、30、32、35〜38、42、43、45、49〜64では、鋼板組織がフェライトを主とし、マルテンサイトを含んでいることが確認できた。
これに対し、本発明の比較例である実験例3、5、16、17、27、28、47、66、69では、フェライトの体積率が50%以下であり、鋼板内部がフェライトを主とするものではなかった。また、本発明の比較例である実験例6、13、21、22、34、40、48、68では、鋼板内部がマルテンサイトを含んでいなかった。
また、実験例1〜実験例71の鋼板について、以下に示す方法により、鋼板内部のマルテンサイトのブロックサイズを測定した。
マルテンサイトのブロックサイズの測定にはFE−SEM−EBSP法を用い、予備実験を行うことにより、数個のマルテンサイト粒のブロックサイズを測定し、組織の方位解析が可能である測定点の間隔を25nmに決定してから測定した。
その結果を表8〜表10に示す。表8〜表10より、本発明の実施例では、ブロックサイズが1μm以下であった。
これに対し、本発明の比較例である実験例5、17、27、47、70では、ブロックサイズが1μmを超えていた。
また、実験例1〜実験例71の鋼板について、FE−SEM−EBSP法により鋼板内部の鋼板組織を観察し、フェライトおよびマルテンサイトの平均結晶粒径を測定し、その比を算出した。
その結果を表8〜表10に示す。
また、実験例1〜実験例71の鋼板について、以下に示す方法により、耐水素脆化特性を調べた。
まず、得られた鋼板をシャー切断して、圧延方向に垂直な方向が長手方向となる1.2mm×30mm×100mmの試験片とし、端面を機械研削した。端面の機械研削は、鋼板表層の軟化層による耐遅れ破壊特性向上効果を評価するために、シャー切断時に導入された欠陥を起点に発生する遅れ破壊を防止するために行った。その後、試験片を押し曲げ法にて曲げて、半径5Rの曲げ試験片を作製した。応力除荷後の曲げ試験片の開き量は、40mmとした。その後、表面に歪ゲージを貼り、ボルトで締め付けることで、曲げ試験片を弾性変形させ、その際の歪量を読み取ることで、負荷応力を算出した。その後、曲げ試験片を3%のNaClを含むチオシアン酸アンモニウム水溶液中に浸漬して、電流密度1.0mA/cmの条件にて電解チャージを行うことで、鋼板中に水素を侵入させる遅れ破壊促進試験を行った。
そして、電解チャージ時間が100時間となっても割れが生じ無いものを良好(○)な耐遅れ破壊特性を有する鋼板と評価し、割れが生じたものを不良(×)と評価した。
その結果を表8〜表10に示す。表8〜表10に示すように、本発明の実施例では、評価が○となり耐水素脆化特性が優れていた。
これに対し、本発明の比較例である実験例3、11、15、20、24、26、31、33、39、44、46、66、67では、評価が×となり耐水素脆化特性が不十分であった。
また、実験例1〜実験例71の鋼板からJIS Z 2201に準拠した引張試験片を採取し、引張試験をJIS Z 2241に準拠して行い、引張最大強度(TS)、全伸び(El.)を測定し、引張最大強度(TS)と全伸び(El.)の積である強度−延性バランス(TS×El.)を算出した。
その結果を表8〜表10に示す。表8〜表10に示すように、本発明の実施例では、引張最大強度が900MPa以上であり、強度−延性バランス(TS×El.)が16000(MPa×%)以上であった。
これに対し、本発明の比較例である実験例3〜5、16、17、27、28、40、47、48、66、69では、引張最大強度および/または強度−延性バランス(TS×El.)が不十分であった。

Claims (11)

  1. 質量%で、
    C:0.07%〜0.25%、
    Si:0.3〜2.50%、
    Mn:1.5〜3.0%、
    Ti:0.005〜0.09%、
    B:0.0001〜0.01%、
    P:0.001〜0.03%、
    S:0.0001〜0.01%、
    Al:2.5%以下、
    N:0.0005〜0.0100%、
    O:0.0005〜0.007%、
    を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、鋼板内部が、主相であるフェライトと、ブロックサイズ1μm以下のマルテンサイトを含む硬質組織とを含み、鋼板表層が、前記硬質組織の体積率が鋼板の板厚の1/4厚み位置に含まれる硬質組織の体積率の80%以下である厚み0.5μm以上の脱炭層からなることを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
  2. さらに、質量%で、
    Nb:0.005〜0.09%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
  3. さらに、質量%で、
    Cr:0.01〜2.0%、
    Ni:0.01〜2.0%、
    Cu:0.01〜2.0%、
    Mo:0.01〜0.8%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
  4. さらに、質量%で、
    V:0.005〜0.09%含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
  5. さらに、質量%で、
    Ca、Ce、Mg、REMの1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5%含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
  6. 表面に亜鉛めっき層を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度鋼板。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の化学成分を有するスラブを鋳造し、直接又は一旦冷却した後1050℃以上に加熱し、Ar変態点以上で熱間圧延を完了し、400℃〜670℃の温度域にて巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施した鋼板を、連続焼鈍ラインを通板させるに際して、
    焼鈍炉内を、H2を1〜10体積%含有し、残部N2、H2O、O2および不可避的不純物からからなる雰囲気とし、前記雰囲気中の水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)を−3≦log(PH2O/PH2)≦−0.5に制御し、加熱時に550℃〜760℃間を30秒以上滞留させ、最高加熱温度760℃〜Ac℃で焼鈍を行った後、最高加熱温度〜630℃間を平均冷却速度10℃/秒以下で冷却し、630℃〜570℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却を行うことを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
  8. 前記630℃〜570℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却した後、450℃〜250℃の温度域で30秒以上保持することを特徴とする請求項7に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度冷延鋼板の製造方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の高強度冷延鋼板の製造方法で高強度冷延鋼板を製造した後、亜鉛電気めっきを施すことを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  10. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の化学成分を有するスラブを鋳造し、直接又は一旦冷却した後1050℃以上に加熱し、Ar変態点以上で熱間圧延を完了し、400℃〜670℃の温度域にて巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施した鋼板を、連続溶融亜鉛めっきラインを通板させるに際して、
    焼鈍炉内を、H2を1〜10体積%含有し、残部N2、H2O、O2および不可避的不純物からからなる雰囲気とし、前記雰囲気中の水分圧と水素分圧の対数log(PH2O/PH2)を−3≦log(PH2O/PH2)≦−0.5に制御し、加熱時に550℃〜760℃間を30秒以上滞留させ、最高加熱温度760℃〜Ac℃で焼鈍した後、最高加熱温度〜630℃間を平均冷却速度10℃/秒以下で冷却し、630℃〜〔(亜鉛めっき浴温度−40℃)〜(亜鉛めっき浴温度+50℃)〕℃間を平均冷却速度3℃/秒以上で冷却を行った後、亜鉛めっき浴に浸漬し、冷却を行うことを特徴とする耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  11. 前記亜鉛めっき浴に浸漬した後、460℃〜600℃の温度で合金化処理を施し、冷却を行うことを特徴とする請求項10に記載の耐水素脆化特性に優れた引張最大強度900MPa以上の高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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