JP2011111616A - ウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、及び、ウエハレベルレンズ - Google Patents

ウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、及び、ウエハレベルレンズ Download PDF

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Abstract

【課題】遮光性に優れた硬化膜を形成でき、該硬化膜の形成領域外において黒色硬化性組成物由来の残渣物の残留を低減しうるウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、及び該黒色硬化性組成物を用いて形成された遮光膜を備えるウエハレベルレンズの提供。
【解決手段】(A)無機顔料、(B)一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、及び(E)アルカリ可溶性樹脂を含有するウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウエハレベルレンズの遮光膜形成に有用なウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、及びそれを用いて得られたウエハレベルレンズに関する。
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、該固体撮像素子上に被写体像を結像するレンズとを備えている。
携帯端末の小型化・薄型化、そして携帯端末の普及により、それに搭載される撮像ユニットにも更なる小型化・薄型化が要請され、そして生産性が要請される。かかる要請に対して、複数のレンズが形成されたレンズ基板と、複数の固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを一体に組み合わせ、その後に、それぞれにレンズ及び固体撮像素子を含むようにレンズ基板及びセンサ基板を切断して撮像ユニットを量産する方法が知られている。また、撮像ユニットを作製する他の方法としては、レンズのみをガラスウエハ上等で作製し、個々のセンサと組み合わせるための適切なサイズに切断し、予め個片化された撮像素子と組み合わせる方法、樹脂のみを用いて金型で複数のレンズを形成し、これらをセンサ基板上で組み合わせ切断する方法、レンズを個々のセンサと組み合わせるためのサイズに切断し、予め個片化された撮像素子と組み合わせる方法などを採ることができる。
従来、レンズ基板と該レンズ基板に形成されたレンズ群とからなるウエハレベルレンズアレイとしては、ガラス等の光透過性材料で形成された平行平板の基板の表面に硬化性樹脂材料を滴下し、この樹脂材料を金型にて所定の形状に整形した状態で硬化させ、複数のレンズを形成したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。ウエハレベルレンズのレンズ部以外の領域、或いは、レンズの一部には、光の量を調整するため、黒色膜や金属膜などからなる遮光性領域が形成されることがある。該遮光性領域は、一般には、フォトリソグラフィ法を用いて硬化性の遮光性組成物を塗設したり、金属を蒸着したりすることで形成される。
フォトリソグラフィ法を用いて遮光性領域を形成する方法としては、遮光性組成物をレンズ上及びガラス基板等の基板上に塗布し、遮光性領域とする部分を露光・硬化させた後、アルカリ現像液で未露光部の遮光性組成物を除去することにより、遮光膜により構成された遮光性領域を形成する方法が挙げられる。フォトリソグラフィ法により遮光性領域を形成するに場合には、未露光部における遮光性組成物の除去後に、遮光膜の形成領域外において、現像により発生する残渣の残留を抑制することが重要となる。しかし、従来の遮光性組成物を用いた場合には、遮光膜の形成領域外における現像残渣の残留を抑制することは非常に困難であった。
また、特許文献4には、液晶ディスプレイのブラックマトリクスを形成するための感光性組成物として、カーボンブラックやチタンブラック等の遮光材料と特定の重合開始剤を含有する感光性組成物が記載され、該遮光材料の分散剤として、ポリエチレンイミン系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系などの高分子分散剤を用いうる旨が記載されている。しかし、特許文献4記載には、ウエハレベルレンズ用途に関する記載はなく、また、同文献に記載の感光性組成物は、アルカリ現像液への現像速度が高く、レンズ上のパターン形状が悪化することから、ウエハレベルレンズにおける遮光性領域の形成用途に用いうることは難しい。
このように、ウエハレベルレンズにおける遮光性領域の形成用途に用いられる硬化性組成物としては、未だ満足のいくものは提供されておらず、更なる改良が求められていた。
特許第3926380号公報 国際公開2008/102648号パンフレット 米国特許第6426829号明細書 特開2005−338328号公報
本発明は、上記従来の状況に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、遮光性に優れた硬化膜を形成でき、該硬化膜の形成領域外において黒色硬化性組成物由来の残渣物の残留を低減しうるウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の更なる目的は、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物により形成された遮光膜を備えることにより光量が適切に調整され、且つ簡易に製造しうるウエハレベルレンズを提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、特定の樹脂を含む黒色硬化性組成物により、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> (A)無機顔料、(B)一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、及び(E)アルカリ可溶性樹脂を含有するウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<2> 前記(A)無機顔料が、チタンブラックである前記<1>に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<3> 前記(B)一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂のアミン価が、5mgKOH/g〜100mgKOH/gである前記<1>又は<2>に記載の着色硬化性組成物。
<4> さらに、(F)有機顔料を含有する前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<5> 前記(C)重合開始剤が、オキシムエステル化合物及びヘキサアリールビイミダゾール化合物から選択される少なくとも1種の重合開始剤である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<6> 前記(E)アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂である前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<7> 基板上に存在するレンズの周縁部に、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を備えるウエハレベルレンズ。
本発明によれば、遮光性に優れた硬化膜を形成でき、該硬化膜の形成領域外において黒色硬化性組成物由来の残渣物の残留を低減しうるウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物により形成された遮光膜を備えることにより光量が適切に調整され、且つ簡易に製造しうるウエハレベルレンズを提供することができる。
ウエハレベルレンズアレイの一例を示す平面図である。 図1に示すA−A線断面図である。 基板にレンズとなる成形材料を供給している状態を示す図である。 図4A〜図4Cは、基板にレンズを型で成形する手順を示す図である。 図5A〜図5Cは、レンズが成形された基板にパターン状の遮光膜を形成する工程を示す概略図である。 ウエハレベルレンズアレイの一例を示す断面図である。 図7A〜図7Cは、遮光膜形成工程の他の態様を示す概略図である。 図8A〜図8Cは、パターン状の遮光膜を有する基板にレンズを成形する工程を示す概略図である。
以下、本発明のウエハレベル用黒色硬化性組成物、及び該黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を備えるウエハレベルレンズについて詳細に説明する。
ここで、本明細書において、「ウエハレベルレンズ」とは、固体撮像素子に備えられるレンズであって、基板上に存在する個々のレンズと該レンズの周縁部に設けられた遮光膜とからなるものを意味する。また、該ウエハレベルレンズからなる群を「ウエハレベルレンズアレイ」と称する。
[ウエハレベル用黒色硬化性組成物]
本発明のウエハレベル用黒色硬化性組成物(以下、適宜「本発明の黒色硬化性組成物」とも称する。)は、(A)無機顔料、(B)一級又は二級アミノ基含有化合物(とポリエステルとの縮合物である分散樹脂、(C)重合開始剤、及び(D)重合性化合物、を含有する。
本発明のウエハレベル用黒色硬化性組成物は、ウエハレベルレンズにおける遮光性の硬化膜(以下、適宜、「遮光膜」とも称する。)の形成に用いられる。
ここで、本明細書において「遮光性」とは、400nm〜800nmの波長を有する光の透過を抑制する能力のことを意味する。
以下、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物に含まれる各成分について順次説明する。
<(A)無機顔料>
本発明の黒色硬化性組成物は、遮光剤として機能しうる成分として、保存安定性及び安全性の観点から、無機顔料を含有する。
無機顔料としては、紫外域から赤外域までの広範囲に亘る波長域の光に対する遮光性を発現させる観点からは、紫外域から赤外域までの波長域に吸収を有する無機顔料が好ましい。そのような無機顔料としては、金属単体からなる顔料、金属酸化物、金属錯塩等から選ばれる金属化合物からなる顔料などを挙げることができる。
無機顔料として具体的には、例えば、亜鉛華、鉛白、リトポン、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、沈降性硫酸バリウム及びバライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)ジルコングレー、プラセオジムイエロー、クロムチタンイエロー、クロムグリーン、ピーコック、ビクトリアグリーン、紺青(プルシアンブルーとは無関係)、バナジウムジルコニウム青、クロム錫ピンク、陶試紅、サーモンピンク等が挙げられる。また、黒色の無機顔料としては、Co、Cr、Cu、Mn,Ru、Fe、Ni、Sn、Ti及びAgからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物、金属窒素物が挙げられる。
特に、紫外域から赤外域までの広い波長域の光に対する遮光性を発現する目的で、単独のみならず、複数種の無機顔料を混合して、使用することが可能である。
また、無機顔料としては、遮光性と硬化性の観点から、銀及び/又は錫を含む金属顔料、及びチタンブラックがより好ましく、紫外域から赤外域までの広い波長域の光に対する遮光性の観点からは、チタンブラックが最も好ましい。
本発明においてチタンブラックとは、チタン原子を有する黒色粒子である。チタンブラックとして好ましくは、低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。
チタンブラックは、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、その表面を修飾することが可能である。チタンブラック表面の修飾としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで、チタンブラックの表面を被覆する処理が可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質を用いた処理も可能である。
チタンブラックの市販品の例としては、チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N(以上、三菱マテリアル(株)製)、ティラック(Tilack)D(赤穂化成(株)製)などが挙げられる。
チタンブラックの製造方法としては、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気で加熱し還元する方法(特開昭49−5432号公報に記載の方法)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報に記載の方法)、二酸化チタンまたは水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報に記載の方法)、二酸化チタン又は水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報に記載の方法)などがあるが、これらに限定されるものではない。
チタンブラックの比表面積は、特に限定は無いが、BET法にて測定した値が通常5〜150m/g程度、特に20〜100m/g程度であることが好ましい。
また、チタンブラックと共に、分散性、着色性等を調整する目的で、Cu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料を1種又は2種以上の組み合わせて用いてもよい。この場合、無機顔料の50質量%以上をチタンブラックが占めることが好ましい。
本発明における無機顔料の粒径は、平均一次粒径が、5nm〜0.01mmであることが好ましく、分散性、遮光性、経時での沈降性の観点からは、平均一次粒径が10nm〜1μmであることがより好ましい。
無機顔料として好適に用いられるチタンブラックの粒径は、特に制限は無いが、分散性、着色性の観点から、平均一次粒径が、3nm〜2000nmであることが好ましく、よろ好ましくは10nm〜500nmであり、最も好ましくは10nm〜100nmである。
本発明の黒色硬化性組成物には、無機顔料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、後述するように、遮光性の調整等を目的として、有機顔料や染料などを所望により併用してもよい。
黒色硬化性組成物中の無機顔料の含有量は、組成物全質量に対し、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。
無機顔料を黒色硬化性組成物に含有させるに際しては、無機顔料を予め(B)一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂を用いて分散してなる顔料分散物を調製し、該顔料分散物を黒色硬化性組成物の調製に用いることが、得られる黒色硬化性組成物の均一性の観点から好ましい。
(B)一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂
本発明の黒色硬化性組成物は、一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂(以下、適宜「特定樹脂」とも称する。)を含有する。
本発明の黒色硬化性組成物は、その必須成分の一つとして特定樹脂を含有することにより、フォトリソグラフィ法によりウエハレベルレンズが備える遮光性領域を形成する際の問題であった遮光膜の形成領域外おける現像性が向上し、黒色硬化性組成物に由来する残渣物の残留が低減する。
この作用機構については、未だ明確ではないが、以下のように推定している。
ウエハレベルレンズ備える遮光膜を、無機顔料を含む硬化性組成物を用いてフォトリソグラフィ法により形成する際において、未露光部(遮光膜の形成領域外)に発生する残渣物の発生は、硬化性組成物中の現像成分のみがアルカリ現像液で除去され、無機顔料が現像されずに残ることが原因であると考えている。こういった現象が生じるのは、無機顔料と、遮光膜の非形成領域を構成するレンズ及びガラス基板等との間の結合が、無機顔料と現像成分間との結合力よりも強いことによるものと考えている。
一方、本発明における特定樹脂は、無機顔料及びアルカリ現像成分と結合できる窒素原子(一級又は二級アミノ基)を高密度で有しているため、遮光膜の形成領域外に残留する残渣物が少なくなると考えている。さらに、特定樹脂は、非常に柔軟なポリエステル鎖を有しているため、該現像液の浸透性が高く、このことが、残渣物の残留抑制に効果が有るものと考えている。
特定樹脂は、以下に詳述する、(B−1)一級又は二級アミノ基含有化合物と(B−2)ポリエステルとの縮合物である。
特定樹脂の分子量としては、重量平均分子量(GPC法によるポリスチレン換算値)で、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がさらに好ましく、6,000〜20,000が最も好ましい。
特定樹脂の分子量が上記範囲内にあることにより、分散安定性及び現像性がより向上する。
また、特定樹脂は、アミン価が2〜150mgKOH/gであることが好ましく、5〜100mgKOH/gが最も好ましい。特定樹脂のアミン価がこの範囲内であると、分散安定性がより良好となる。
ここで、アミン価とは、試料とする化合物1g中の塩基性基をすべて中和するのに要する塩酸量に対して当量となるKOHのmg数である。本明細書においては、0.1規定の過塩素酸酢酸溶液を用いた滴定によりアミン価を測定した。
(B−1)一級又は二級アミノ基含有化合物
特定樹脂の構成要素の一つである一級又は二級アミノ基含有化合物以下、適宜「アミノ基含有化合物」とも称する。)は、分子構造中に一級又は二級アミノ基を有する化合物である。一級又は二級アミノ基を有する化合物は、一級又は二級アミノ基アミノ基を有する繰り返し単位を持つオリゴマー又はポリマーであることが好ましい。
アミノ基含有化合物の分子量としては、数平均分子量で、200〜10,000が好ましく、300〜3,000がさらに好ましく、500〜1,500がさらに好ましい。分子量がこの範囲にあることで、レンズ上及びガラス基板上等の遮光膜の形成領域外における現像性が更に向上する。
特に、アミノ基含有化合物としては、アミン価が500〜1,400mgKOH/gのものが好ましく、900〜1400mgKOH/gであるものがより好ましい。アミン価がこの範囲にあることで、レンズ上及びガラス基板上等の遮光膜の形成領域外における現像性が更に向上する。
アミノ基含有化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレンイミン(アミン価:1303mgKOH/g)、ポリアリルアミン(アミン価:983mgKOH/g)、ポリジアリルアミン(アミン価:577mgKOH/g)、ポリビニルアミン(アミン価:1303mgKOH/g)、及びメタキシリレンジアミンとエピクロロヒドリンの重縮合物(アミン価:292mgKOH/g)等の公知の一級又は二級アミノ基を有する化合物が挙げられる。ここでいうアミン価は、以下の式で計算できる。
アミン価(mgKOH/g)=56,100/(一級又は二級アミノ基含有化合物の分子量)
アミノ基含有化合物としては市販品を用いてもよく、例えば、SP−003、SP−006、SP−012、SP−018、SP−200(以上、(株)日本触媒製のポリエチレンイミン)、PAA−001、PAA−003(以上、日東紡紡績(株)製のポリアリルアミン)、GASKAMINE328(以上、(株)三菱ガス化学社製のメタキシリレンジアミンとエピクロロヒドリンの重縮合物)等が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びポリビニルアミンが好ましく、分散安定性の観点から、ポリエチレンイミンが最も好ましい。
(B−2)ポリエステル
特定樹脂の構成要素の一つであるポリエステルとしては、(I−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、(I−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、又は(I−3)二価アルコールと二価カルボン酸(もしくは環状酸無水物)の重縮合により得られたポリエステルであることが好ましい。
以下、上記(I−1)〜(I−3)の重縮合反応により得られるポリエステルについて詳述する。
前記(I−1)の重縮合において用いるカルボン酸としては、脂肪族カルボン酸(炭素数1〜30の直鎖又は分岐のカルボン酸が好ましく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸等)、ヒドロキシ基含有カルボン酸(炭素数1〜30の直鎖又は分岐のヒドロキシ基含有カルボン酸が好ましく、例えば、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、2,2−ビス(ヒロドキシメチル)酪酸等)が挙げられ、炭素数6〜20の直鎖脂肪族カルボン酸又は炭素数1〜20のヒドロキシ基含有カルボン酸が特に好ましい。これらカルボン酸は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
前記(I−1)の重縮合において用いるラクトンとしては、公知のラクトンを用いることができ、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−カプロラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、特にε−カプロラクトンが反応性・入手性の観点から好ましい。これらのラクトンは、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
前記(I−1)の重縮合反応によりポリエステルを得る場合におけるカルボン酸とラクトンの反応時の仕込み比率は、目的のポリエステル鎖の分子量によるため一義的に決定できないが、カルボン酸:ラクトン=1:1〜1:1,000が好ましく、1:3〜1:500が最も好ましい。
前記(I−1)の重縮合において用いるヒドロキシ基含有カルボン酸としては、前記(IV−1)におけるヒドロキシ基含有カルボン酸と同様であり、好ましい範囲も同様である。
前記(I−3)の重縮合において用いる二価アルコールとしては、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(炭素数2〜30のジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等)が挙げられ、特に炭素数2〜20の脂肪族ジオールが好ましい。
前記(I−3)の重縮合において用いる二価カルボン酸としては、直鎖又は分岐の二価の脂肪族カルボン酸(炭素数1〜30の二価の脂肪族カルボン酸が好ましく、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、グルタル酸、スベリン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸等)が挙げられ、特に炭素数3〜20の二価カルボン酸が好ましい。また、これらの二価カルボン酸と等価な酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸等)を用いてもよい。
前記(I−1)の重縮合によりポリエステルを得る場合における二価カルボン酸と二価アルコールとは、モル比で1:1で仕込むことが好ましい。これにより、末端にカルボン酸を導入することが可能となる。
前記(I−1)〜(I−3)の重縮合反応によるポリエステルの合成は、触媒を添加して行うことが好ましい。触媒としては、ルイス酸として機能する触媒が好ましく、例えばTi化合物(例えば、Ti(OBu)、Ti(O−Pr)等)、Sn化合物(例えば、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレート、モノブチルスズヒドロキシブチルオキシド、塩化第二スズ、モノブチルスズジオキシド等)、プロトン酸(例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸等)等が挙げられる。触媒量は、全モノマーのモル数に対し、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%が最も好ましい。反応温度は、80〜250℃が好ましく、100〜180℃が最も好ましい。反応時間は、反応条件により異なるが、概ね1〜24時間である。
ポリエステルの数平均分子量は、GPC法によるポリスチレン換算値として測定することができる。ポリエステルの数平均分子量は、1,000〜1,000,000であるが、2,000〜100,000が好ましく、3,000〜50,000が最も好ましい。ポリエステルの分子量がこの範囲にある場合、分散性及び現像性の両立ができる。
特定樹脂の構成要素であるポリエステルは、レンズ上及びガラス基板等の遮光膜の形成領域外における現像性の観点から、(I−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、及び、(I−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合により得られたポリエステルであることが好ましく、(I−1)カルボン酸とラクトンの重縮合で得られたポリエステルであることがより好ましい。(I−1)の重縮合により得られたポリエステルの中でも、カルボン酸とε−カプロラクトンとの縮合物であることが最も好ましい
特定樹脂は、さらにアルカリ可溶性基を含有することが好ましい。アルカリ可溶性基を含有することにより、遮光膜の形成領域外における現像性の現像性が更に向上する。
アルカリ可溶性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及び、−COCHCOCHが好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
特定樹脂がアルカリ可溶性基を有する場合、酸価が5〜100mgKOH/gでありことが好ましく、5〜50mgKOH/gが最も好ましい。
特定樹脂へのアルカリ可溶性基の導入法としては、一級又は二級アミノ基含有化合物に由来する構造中に存在するアミノ基と、アルカリ可溶性基前駆体(例えば、環状酸無水物、ジケテン等)と反応させる方法が好ましい。
特定樹脂の合成法としては、ポリエステルと一級又は二級アミノ基含有化合物を混合し、加熱して縮合する方法が好ましい。反応温度としては、80〜150℃が好ましく、100℃〜130℃がさらに好ましい。反応時間としては、1〜10時間が好ましく、2〜5時間がさらに好ましい。反応雰囲気としては、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
なお、後述する実施例中に、合成例4〜19として特定樹脂の合成例を示した。
特定樹脂において、一級又は二級アミノ基含有化合物に由来する構造と、ポリエステルに由来する構造との含有比率としては、質量比で2:100〜20:100が好ましく、5:100〜15:100が最も好ましい。この範囲にあることにより、黒色硬化性組成物における分散安定性がより向上する。
特定樹脂の黒色硬化性組成物中の含有量としては、黒色硬化性組成物の固形分に対し、1質量%〜50質量%の範囲が好ましく、5質量%〜30質量%の範囲がより好ましい。この範囲にあると、レンズ周縁部又は基板上における遮光膜の密着性がより向上し好ましい。
本発明の黒色硬化性組成物は、特定樹脂と共に、その他の顔料分散剤(以下、単に「その他の顔料分散剤」とも称する)を含有してもよい。その他の顔料分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。市販の分散剤、界面活性剤などを、その他の顔料分散剤として用いてもよい。
その他の顔料分散剤としては、側鎖に複素環を有する高分子化合物が好ましい。このような高分子化合物としては、特開2008−266627号公報に記載の一般式(1)で表される単量体、又は、マレイミド若しくはマレイミド誘導体からなる単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましい。このような他の顔料分散剤は、特開2008−266627号公報の段落番号〔0020〕〜〔0047〕に詳細に記載され、ここに記載の分散剤を本発明にも好適に使用しうる。
他の顔料分散剤として用いうる市販品としては、具体的には、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000、32000、36000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。
その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーもその他の顔料分散剤として好適に挙げられる。
その他の顔料分散剤を用いる場合、該顔料分散剤は、無機顔料に対して、5〜20質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
(C)重合開始剤
本発明の黒色硬化性組成物は、重合開始剤を含有する。
本発明の黒色硬化性組成物における重合開始剤は、光や熱により分解し、後述する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
重合開始剤として具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が挙げられる。
重合開始剤としては、オキシムエステル化合物及びヘキサアリールビイミダゾール化合物が、残渣の低減及び遮光膜と該遮光膜の被形成面(基板等)との密着性の観点から特に好ましく、特にヘキサアリールビイミダゾール化合物が最も好ましい。
オキシムエステル化合物としては、より具体的には、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0081]〜[0100]、[0101]〜[0139]等に記載される重合開始剤が挙げられる。
好適なオキシムエステル化合物としては、電子部品用途等の感光性組成物の光重合開始剤として知られている公知の化合物を使用することができる。例えば、特開昭57−116047、特開昭61−24558、特開昭62−201859、特開昭62−286961、特開平7−278214、特開2000−80068、特開2001−233842、特表2004−534797、特表2002−538241、特開2004−359639、特開2005−97141、特開2005−220097、WO2005−080337A1、特表2002−519732、特開2001−235858、特開2005−227525などの各公報に記載の化合物から選択して使用することができる。
一般にオキシムエステル化合物は、365nmや405nm等の近紫外領域での吸収が小さいため低感度であるが、増感剤により、近紫外線領域の感光性を高め、高感度化されることが知られている。またアミン類やチオール等の共増感剤との併用により、有効ラジカル発生量を増加することが知られているが実用的には更なる高感度が求められていた。
本発明においては365nmや405nm等の近紫外領域の吸収が小さいオキシムエステル化合物でも、増感剤と併用することによって著しく高感度化され実用的な感度まで到達することができる。
ここでオキシムエステル化合物は380nm〜480nmの領域に吸収が小さく、着色、特に黄着色が小さいので、本発明の主たる用途である画像表示装置用のカラーフィルタに用いたときに、色純度の高い画像が得られる。また他の用途である固体撮像素子用の色分解用カラーフィルタに用いたときには、解像力の高い色信号が得られるので高解像力の固体撮像素子が得られる。
オキシムエステル化合物としては、380nm〜480nmの範囲の吸収が小さく、かつ分解効率の高い化合物か、もしくは380nm〜480nmの範囲の吸収が大きくても、光分解により領域に吸収が小さくなる化合物(副生成物の吸収が短波長)である化合物が好ましい。
以下、オキシムエステル化合物の具体例を示す。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明の黒色硬化性組成物における重合開始剤の含有量は、黒色硬化性組成物の全固形分中、0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の黒色硬化性組成には、用いる重合開始剤によっては、連鎖移動剤を加えると好ましい。連鎖移動剤としては、N,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステルやチオール系化合物が挙げられる。チオール系化合物としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプト-1-フェニルベンズイミダゾール、3-メルカプトプロピオン酸、などを単独または2種以上混合して使用することができる。特に、ヘキサアリールビイミダゾール化合物とチオール系化合物を組み合わせて用いることが、残渣及び密着性の観点から好ましい。
(D)重合性化合物
本発明の黒色硬化性組成物は、重合性化合物を含有する。
重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましい。
前記少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
本発明に用いられる重合性化合物としては、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性化合物の黒色硬化性組成物中における含有量としては、質量換算で全固形分100部に対して、3〜55部が好ましく、より好ましくは10〜50部である。(B)重合性化合物の含有量が前記範囲内において、十分な硬化反応が進行する。
(E)アルカリ可溶性樹脂
本発明の黒色硬化性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有する。
本発明において使用しうるアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては、20〜200mgKOH/g、好ましくは30〜150mgKOH/g、更に好ましくは50〜120mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体であることが好適である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
アルキル(メタ)アクリレート、及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
また、アルカリ可溶性樹脂としては、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。該ポリアルキレンオキサイド鎖としては、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖あるいはこれらの併用も可能であり、その末端は水素原子あるいは直鎖もしくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、及びポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位数は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどおよびこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体が挙げられる。
また、前記ビニル化合物としては、CH=CR〔ここで、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。〕具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、アルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数2から4のアルキル基)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンである。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
これらのアクリル系樹脂は、20〜100mgKOH/gの範囲の酸価を有することが、残渣及びウエハレベルレンズおける遮光膜のパターン形状の観点から好ましく、30〜80mgKOH/gの範囲の酸価を有することが最も好ましい。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、本発明の黒色硬化性組成物を塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
アクリル系樹脂の酸価を上記で特定した範囲とするには、各単量体の共重合割合を適切に調整することで容易に行うことができる。また、質量平均分子量の範囲を上記範囲とするには、単量体の共重合の際に、重合方法に応じた連鎖移動剤を適切な量使用することにより容易に行うことができる。
アクリル系樹脂は、例えば、それ自体公知のラジカル重合法により製造することができる。ラジカル重合法でアクリル系樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者であれば容易に設定することができるし、条件設定が可能である。
本発明の黒色硬化性組成物にアルカリ可溶性樹脂を添加する際の添加量としては、組成物の全固形分の5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。アルカリ可溶性樹脂がこの範囲であれば、適度な膜強度が向上し、現像での溶解性のコントロールがし易くなるので好ましい。また所望する厚さの塗膜が得やすくなる点で好ましい。特に、広幅で大面積の基板への塗布に好適なスリット塗布に対して得率が高く良好な塗膜を得ることができる。
また、本発明における黒色硬化性組成物の架橋効率を向上させるために、ポリマーの側鎖に重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。
特に、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。これにより、感度が向上し、且つ遮光膜の形成領域外における残渣が低減する。該残渣の低減は、(メタ)アクリロイル基が有する不飽和結合が無機顔料と吸着するためであると推定している。
重合性二重結合を含有するポリマーの例を以下に示すが、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素炭素間不飽和結合が含まれていれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
本発明における重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂の酸価としては、好ましくは30〜150mgKOH/g、より好ましくは35〜120mgKOH/gである。また、該アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては好ましくは2,000〜50,000であり、より好ましくは3,000〜30,000である。
重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートと、メタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物、等を使用できる。
OH基との反応ではエポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。また、重合性二重結合を有するアルカリ樹脂の重合性基を有する繰り返し単位は、樹脂に対し5〜60質量%含有されることが好ましく、10〜40質量%含有されることがさらに好ましい。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素間不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
本発明に用いるアルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキル又はスチレンと、(メタ)アクリル酸との共重合体を(メタ)アクリル酸グリシジルで変性した樹脂が、最も好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルとしては、炭素数1〜10のアルキルを有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
(F)その他の着色剤
本発明においては、所望の遮光性を発現させるべく、公知の有機顔料や染料などの無機顔料以外の着色剤を併用することが可能である。
併用することができる着色剤としては、有機顔料では、例えば、特開2008−224982号公報段落番号〔0030〕〜〔0044〕に記載の顔料や、C.I.Pigment Green 58、C.I.Pigment Blue 79のCl置換基をOHに変更したものなどが挙げられる。これらの中でも、好ましく用いることができる有機顔料としては、以下のものを挙げることができる。但し、本発明における有機顔料はこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254、255
C.I.Pigment Violet 19,23,29、32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37、58
C.I.Pigment Black 1、7
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、公知の染料を適宜選択して使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の染料が挙げられる。
染料としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の化学構造を有する染料が好適に使用できる。
本発明では、無機顔料と有機顔料との組み合わせにおいて、硬化性と遮光性を両立する組み合わせとして、無機顔料であるチタンブラックと、オレンジ顔料、赤顔料、及びバイオレット顔料から選択される少なくとも1種の有機顔料とを組み合わせることが好ましく、最も好ましくはチタンブラックと赤顔料の組み合わせである。
(G)増感剤
本発明の黒色硬化性組成物には、重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、併用する重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤の好ましい例としては、特開2008−214395号公報の段落番号〔0085〕〜〔0098〕に記載された化合物を挙げることができる。
増感剤の含有量は、感度と保存安定性の観点から、黒色硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲がより好ましく、2〜15質量%の範囲が更に好ましい。
(H)重合禁止剤
本発明の黒色硬化性組成物には、該組成物の製造中或いは保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
重合禁止剤としては、公知の熱重合防止剤を用いることができ、具体的には、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分に対し約0.01〜約5質量%が好ましい。
また、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、該高級脂肪酸誘導体等を塗布後の乾燥の過程で塗布膜の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体等の添加量は、全組成物の約0.5〜約10質量%が好ましい。
(I)密着向上剤
本発明の黒色硬化性組成物には、遮光膜と該遮光膜の被形成面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく挙げられる。
密着向上剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分中0.5〜30質量%が好ましく、0.7〜20質量%がより好ましい。
特に、本発明の黒色硬化性組成物により、ガラス基板上にウエハレベルレンズを作製する場合には、感度向上の観点から、密着向上剤を添加することが好ましい。
(J)その他の添加剤
更に、黒色硬化性組成物には、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる目的、或いは、酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制する等の目的で、共増感剤を含有してもよい。また、硬化皮膜の物性を改良するための界面活性剤、希釈剤、可塑剤、感脂化剤等の公知の添加剤を必要に応じて加えてもよい。
本発明の黒色硬化性組成物は、既述の(A)無機顔料(好ましくは、顔料分散剤を含む顔料分散組成物として)、(B)特定樹脂、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、(E)アルカリ可溶性樹脂、及び、所望により併用される各種添加剤を、溶剤と共に含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合し調製することができる。
本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物は、上述の構成とすることにより、高感度で硬化し、遮光性に優れ、且つ高精細な遮光膜(遮光性パターン)を形成することができる。また、ウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物は、現像性に優れることから、遮光膜の形成領域外においては、黒色硬化性組成物由来の残渣物の残留が低減される。
<ウエハレベルレンズ>
本発明のウエハレベルレンズは、基板上に存在するレンズの周縁部に、本発明の黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を有することを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明のウエハレベルレンズについて説明する。
図1は、複数のウエハレベルレンズを有するウエハレベルレンズアレイの構成の一例を示す平面図である。
図1に示されるように、ウエハレベルレンズアレイは、基板10と、該基板10に配列されたレンズ12と、を備えている。ここで、図1では、複数のレンズ12は、基板10に対して2次元に配列されているが、1次元に配列されていてもよい。
また、図2は、図1に示すA−A線断面図である。
図2に示すように、ウエハレベルレンズアレイにおいて、基板10に配列された複数のレンズ12の間には、レンズ12以外の箇所からの光透過を防止する遮光膜14が設けられている。
本発明のウエハレベルレンズは、基板10上に存在する1つのレンズ12とその周縁部に設けられた遮光膜14により構成される。本発明の黒色硬化性組成物は、この遮光膜14の形成に用いられる。
以下、図1のように、複数のレンズ12が、基板10に対して2次元に配列されているウエハレベルレンズアレイの構成を例に説明する。
レンズ12は、一般的には、基板10と同じ材料から構成され、該基板10上に一体的に成形されるか、或いは、別の構造体として成形され、基板上に固定化されたものである。ここでは、一例を挙げたが、本発明のウエハレベルレンズは、この態様に限定されず、多層構造をとるもの、ダイシングによりレンズモジュールに分離されたものなど種々の態様をとり得る。
レンズ12を形成する材料としては、例えば、ガラスを挙げることができる。ガラスは種類が豊富であり、高屈折率を有するものを選択できるので、大きなパワーを持たせたいレンズの素材に好適である。また、ガラスは耐熱性に優れ、撮像ユニット等へのリフロー実装に耐えるという利点をも有する。
レンズ12を形成する他の材料としては、樹脂が挙げられる。樹脂は加工性に優れており、型等でレンズ面を簡易且つ安価に形成するのに適している。
ウエハレベルレンズの形成には、エネルギー硬化性の樹脂を用いることが好ましい。該エネルギー硬化性の樹脂は、熱により硬化する樹脂、或いは活性エネルギー線の照射(例えば、熱、紫外線、電子線照射)により硬化する樹脂のいずれであってもよい。
撮像ユニットのリフロー実装を考慮すると、軟化点が例えば200℃以上といった、軟化点の比較的高い樹脂が好ましく、軟化点が250℃以上の樹脂がより好ましい。
以下、レンズ材料として好適な樹脂について説明する。
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性シリコン樹脂、紫外線硬化性エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を例示することができる。エポキシ樹脂としては、線膨張係数が40〜80[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化性シリコン樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等を例示できる。例えば、シリコン樹脂としては、線膨張係数が30〜160[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.55のものを用いることができる。エポキシ樹脂としては、線膨張係数が40〜80[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。フェノール樹脂としては、線膨張係数が30〜70[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70のものを用いることができる。アクリル樹脂としては、線膨張係数が20〜60[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.60、好ましくは1.50〜1.60のものを用いることができる。
これらの熱硬化性樹脂としては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、富士高分子工業株式会社製SMX−7852・SMX−7877、株式会社東芝製IVSM−4500、東レ・ダウコーニング社製SR−7010、等を例示することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等を例示することができる。ポリカーボネートとしては、線膨張係数が60〜70[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。ポリサルフォン樹脂としては、線膨張係数が15〜60[10−6/K]で、屈折率が1.63のものを用いることができる。ポリエーテルサルフォン樹脂としては、線膨張係数が20〜60[10−6/K]で、屈折率が1.65のものを用いることができる。
なお、一般に、光学ガラスの線膨張係数は20℃で4.9〜14.3[10−6/K]であり、屈折率は波長589.3nmで1.4〜2.1である。また、石英ガラスの線膨張係数は0.1〜0.5[10−6/K]であり、屈折率は約1.45である。
レンズの形成に適用しうる硬化性の樹脂組成物としては、モールド形状の転写適性等、成形性の観点から、硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には、常温で液体であり、粘度が1000mPa・s〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
一方、レンズの形成に適用しうる硬化性の樹脂組成物は、硬化後にはリフロー工程を通しても熱変形しない程度の耐熱性を有していることが好ましい。かかる観点から、硬化物のガラス転移温度は200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂組成物にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’−ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば、特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
形状転写精度の観点からは、硬化反応による体積収縮率が小さい、硬化性の樹脂組成物を用いることが好ましい。樹脂組成物の硬化収縮率としては、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
硬化収縮率の低い樹脂組成物としては、例えば、(1)高分子量の硬化剤(プレポリマーなど)を含む樹脂組成物(例えば、特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂組成物(例えば、開環重合性基;例えば、エポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂組成物(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂組成物(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂組成物など)が物性最適化の観点からは好ましい。
本発明のウエハレベルレンズの形成には、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂組成物の使用が望ましい。
高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。
このような樹脂組成物に含有される樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に、脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。
低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。
このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば、9,9’‐ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開2006/095610号公報、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
また、ウエハレベルレンズの形成に使用される樹脂組成物には、屈折率を高める目的やアッベ数を調整する目的のために、無機微粒子をマトリックス中に分散させてなる有機無機複合材料を使用することも好ましい態様である。
有機無機複合材料中の無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。
無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。
また、無機微粒子には、光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面をシリカやアルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)、又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。
無機微粒子の数平均1次粒子サイズは、通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号公報に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。
ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えば、X線回折(XRD)装置或いは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。
無機微粒子の屈折率としては、22℃、589.3nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。
有機無機複合材料において、無機微粒子のマトリックスである樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10質量%〜70質量%が更に好ましく、30質量%〜60質量%が特に好ましい。
有機無機複合材料に用いられる、マトリックスとなる樹脂としては、ウエハレベルレンズの材料として前記した、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、高アッベ数の樹脂、低アッベ数の樹脂のいずれもが使用できる。また、特開2007−93893号に記載された屈折率1.60より大きい樹脂、特開2007−211164号に記載された疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体、特開2007−238929号、特願2008−12645号、同2008−208427号、同2008−229629号、同2008−219952号に記載された高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂、特願2008−197054号、同2008−198878号に記載された熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
なお、有機無機複合材料には、必要に応じて、可塑剤、分散剤等の添加剤を加えることができる。
ここで、マトリックスである樹脂と無機微粒子との好ましい組み合わせとしては以下のようなものがある。
即ち、上記のごとき高アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。
なお、無機微粒子を均一に分散させるためには、例えば、マトリックスを形成する樹脂のモノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば、特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば、特開2007−211164号公報に記載)、或いは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば、特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いることが望ましい。
また、ウエハレベルレンズの形成に用いられる樹脂組成物には、シリコン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
更に、ウエハレベルレンズの形成に用いられる樹脂組成物には、必要に応じて、硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば、特開2005−92099号公報段落番号〔0065〕〜〔0066〕等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合或いはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、或いは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には樹脂組成物の全固形分に対して0.1質量%〜15質量%程度が好ましく、0.5質量%〜5質量%程度がより好ましい。
本発明のウエハレベルレンズの作製に用いる樹脂組成物は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には、別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより樹脂組成物を製造することができる。該樹脂組成物に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。樹脂組成物が溶剤を含む場合には該組成物を基板及び/又は型の上にキャストし溶剤を乾燥させた後にモールド形状転写操作を行うことが好ましい。
基板10は、レンズ12の成形材料と同じものを用いることができる。また、基板10が可視光に対して透明なガラスなどの材料からなるものであれば、レンズ12の成形材料とは異なる材料により形成されていてもよい。この場合には、基板10を形成する材料としては、レンズ12を形成する材料と線膨張係数が同じか極めて近い材料であることが好ましい。レンズ12を形成する材料と基板10を形成する材料との線膨張係数が互いに同じか近似する場合には、撮像ユニットへのウエハレベルレンズのリフロー実装において、線膨張率が異なることで生じる加熱時のレンズ12の歪みや割れを抑制しうる。
なお、図1及び図2中に図示してはいないが、基板10の光入射側の面には、赤外線フィルタ(IRフィルタ)が形成されていてもよい。
以下、図3〜図8を参照して、ウエハレベルレンズの形態及び作製について、ウエハレベルレンズアレイの作製方法の例にとり、具体的に説明する。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(1)〕
−レンズの形成−
まず、図3及び図4(A)〜(C)を参照して、基板10上にレンズ12を形成する方法について説明する。
ここで、図3は、基板10に、レンズ形成用の樹脂組成物である成形材料(図3中にMと記載)を供給している状態を示す図である。
また、図4(A)〜(C)は、基板10にレンズ12を型60で成形する手順を示す図である。
図3に示すように、基板10のレンズ12を成形する部位にディスペンサ50を用いて成形材料Mを滴下する。ここでは、供給する1つの部位には、1つのレンズ12に相当する量の成形材料Mが供給される。
基板10に成形材料Mを供給した後、基板10の成形材料Mを供給された面側に、図4(A)に示すように、レンズ12を成形するための型60を配置する。
ここで、型60には、レンズ12の形状を転写するための凹部62が、所望のレンズ12の数に応じて設けられている。
図4(B)に示すように、型60を基板10上の成形材料Mに押し付け、成形材料Mを凹部62の形状に倣って変形させる。そして、型60を成形材料Mに押し付けた状態で、成形材料Mが熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂の場合には、型60の外側から熱又は紫外線を照射して、成形材料Mを硬化させる。
成形材料Mを硬化させた後、図4(C)に示すように、型60から基板10及びレンズ12を離型する。
−遮光膜の形成−
次に、図5(A)〜(C)を参照して、レンズ12の周縁部に遮光膜14を形成する方法について説明する。
ここで、図5(A)〜(C)は、レンズ12が成形された基板10に遮光膜14を設ける工程を示す概略断面図である。
遮光膜14の形成方法は、基板10上に、本発明の黒色硬化性組成物を塗布して遮光性塗布層14Aを形成する遮光性塗布層形成工程(図5(A)参照。)と、該遮光性塗布層14Aを、マスク70を介してパターン露光する露光工程(図5(B)参照。)と、露光後の遮光性塗布層14Aを現像して未硬化部を除去し、パターン状の遮光膜14を形成する現像工程(図5(C)参照。)と、を含む。
なお、遮光膜14の形成は、レンズ12を作製する前でも、レンズ12を作製した後でも任意に行うことができるが、ここでは、レンズ12を作製した後の方法について詳述する。
以下、遮光膜14の形成方法における各工程について説明する。
<遮光性塗布層形成工程>
遮光性塗布層形成工程では、図5(A)に示すように、基板10上に、黒色硬化性組成物を塗布して該黒色硬化性組成物からなる光反射率の低い遮光性塗布層14Aを形成する。このとき、遮光性塗布層14Aは、基板10の表面、及び、レンズ12のレンズ面12aとレンズ縁部12bの表面を全て覆うように形成される。
本工程に用いうる基板10としては、特に制限はない。例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及び透明樹脂等が挙げられる。
なお、ここで言う基板10とは、レンズ12と基板10を一体形成する態様においては、レンズ12と基板10の両方を含む形態を言う。
また、これらの基板10上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは基板10表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
基板10及びレンズ12上に黒色硬化性組成物を塗布する方法としては、スリット塗布、スプレー塗布法、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
黒色硬化性組成物の塗布直後の膜厚としては、塗布膜の膜厚均一性、塗布溶剤の乾燥のし易さの観点から、0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。
基板10上に塗布された遮光性塗布層14Aの乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等を用い、50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行うことができる。
黒色硬化性組成物の乾燥後の塗布膜厚(以下、適宜、「乾燥膜厚」と称する)は、所望の遮光性などの性能から任意に選択することができ、概ね0.1μm以上50μm未満の範囲である。
<露光工程>
露光工程では、遮光性塗布層形成工程において形成された遮光性塗布層14Aをパターン状に露光する。パターン露光は走査露光でもよいが、図5(B)に示すように、所定のマスクパターンを有するマスク70を介して露光する態様が好ましい。
本工程における露光においては、遮光性塗布層14Aのパターン露光は、所定のマスクパターンを介して露光し、この露光により遮光性塗布層14Aのうち光照射された部分だけを硬化する。ここでは、レンズ縁部12bの表面とレンズ12間の基板10の表面に光を照射するマスクパターンを用いる。こうすることで、レンズ面12aを除く領域の遮光性塗布層14Aのみが光照射によって硬化し、この硬化領域が遮光膜14を形成することとなる。
露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。この放射線は単一波長の光源であってもよいし、高圧水銀灯のように全ての波長を含んだ光源を用いてもよい。
<現像工程>
次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、露光における光未照射部分、即ち、遮光性塗布層14Aの未硬化領域をアルカリ水溶液に溶出させ、光照射により硬化した領域だけを残す。
具体的には、図5(B)に示すように露光された遮光性塗布層14Aは、現像されることにより、図5(C)に示すように、レンズ面12aに形成された遮光性塗布層14Aのみが除去され、それ以外の領域に硬化された遮光膜14が形成される。
現像工程で用いられる現像液(アルカリ性水溶液)に含まれるアルカリ剤としては、有機又は無機のアルカリ剤、及びそれらの組み合わせのいずれも用いることができる。本発明における遮光膜形成においては周囲の回路などに損傷を与えがたいという観点からは有機アルカリ剤を用いることが望ましい。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物(有機アルカリ剤)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機化合物(無機アルカリ剤)等が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20秒〜90秒の範囲で行なわれる。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像液により塗布膜の未露光部を除去した後、純水で洗浄(リンス)する。即ち、現像処理後には、余剰の現像液を純水により十分に洗浄、除去し、更に、乾燥工程に付す。
なお、上述した、遮光性塗布層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要に応じて、形成された遮光膜(遮光パターン)を、加熱(ポストベーク)及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜250℃の熱硬化処理を行う。ポストベークの温度、及び時間などの条件は、基板10又はレンズ12の素材により、適宜設定することができる。例えば、基板12がガラスである場合は上記温度範囲の中でも180℃〜240℃が好ましく用いられる。
このポストベーク処理は、現像後に形成された遮光膜14を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。
なお、以上の手順では、レンズ12の形状が凹状である場合を例に説明したが、形状は特に限定されず、凸状や非球面の形状であってもよい。また、上記手順では、基板10の一方の面に複数のレンズ12が成形されたウエハレベルレンズを例に説明したが、基板10の両方の面に複数のレンズ12が成形された構成としてもよく、その場合には、両方の面に、レンズ面を除く領域にパターン状の遮光膜14が形成される。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(2)〕
図6は、ウエハレベルレンズアレイの他の構成例を示す図である。
図6に示すウエハレベルレンズは、基板10とレンズ12とを同一の成形材料で同時に成形した構成(モノリシックタイプ)である。
このようなウエハレベルレンズを作成する際には、成形材料としては上述したものと同じものを用いることができる。また、この例では、基板10の一方の面(図中の上側の面)には、凹状のレンズ12が複数形成され、他方の面(図中の下側の面)には、凸状のレンズ20が複数形成されている。また、基板10のレンズ面12aを除く領域、つまり、基板10の表面及びレンズ縁部12bの表面にパターン状の遮光膜14が形成されている。遮光膜14を形成する際のパターニング方法としては、上述した手順を適用することができる。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(3)〕
次に、図7(A)〜(C)及び図8(A)〜(C)を参照して、ウエハレベルレンズアレイの更なる他の構成例と、それを作製する手順について説明する。
ここで、図7(A)〜(C)は、パターン状の遮光膜14を形成する他の工程を示す概略図である。
また、図8(A)〜(C)は、まず、パターン状の遮光膜14を形成した後、レンズ12を成形する工程を示す概略図である。
図3〜図6に示すウエハレベルレンズアレイの例では、レンズ12が設けられた基板10にパターン状の遮光膜14を形成するものであったが、以下に説明する手順では、まず、基板10にパターン状の遮光膜14を形成した後、基板10にレンズ12を成形する手順である。
−遮光膜の形成−
先ず、図7(A)に示すように、基板10上に黒色硬化性組成物を塗布して遮光性塗布層14Aを形成する遮光性塗布層形成工程を行う。
その後、基板10上に塗布された遮光性塗布層14Aの乾燥をホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行う。黒色硬化性組成物の乾燥膜厚は、所望の遮光性などの性能から任意に選択することができ、概ね0.1μm以上50μm未満の範囲である。
次に、図7(B)に示すように、遮光性塗布層形成工程において形成された遮光性塗布層14Aを、マスク70を介してパターン状に露光する露光工程を行う。マスク70は、所定のマスクパターンを有する。
本工程における露光においては、遮光性塗布層14をパターン露光することで、遮光性塗布層14Aのうち光照射された部分だけを硬化する。ここでは、後工程でレンズ12を成形した際にレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aにのみ光を照射するマスクパターンを用いる。この方法によりレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aのみが光照射によって硬化する。なお、露光に際して用いることができる放射線としては、先に説明した手順と同様に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、上記パターン露光における遮光性塗布層14Aの未硬化領域であるレンズ12のレンズ開口14aに相当する領域の遮光性塗布層14Aのみがアルカリ水溶液に溶出される。この際、図7(C)に示すように、レンズ12のレンズ開口14aの領域を除く領域の光硬化した遮光性塗布層14Aが基板10上に残存して、遮光膜14を形成する。
ここで、現像液であるアルカリ水溶液中のアルカリ剤としては、先に説明した手順と同じものを用いることができる。
現像処理後は、その後、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施す。
本実施形態においても、上述した、遮光性塗布層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された遮光膜を上述のポストベーク及び/又は露光により硬化する硬化工程を施してもよい。
−レンズの形成−
次に、遮光膜14を形成後に、レンズ12を形成する工程について説明する。
図8(A)に示すように、パターン状の遮光膜14が形成された基板10の上に、レンズ12を構成する成形材料Mがディスペンサ50により滴下される。成形材料Mは、レンズ12のレンズ開口14aに相当する領域を覆うように、該開口に隣接する遮光膜14の端部を一部含むように供給される。
基板10に成形材料Mを供給した後、基板10の成形材料Mを供給された面側に、図8(B)に示すように、レンズを成形するための型80を配置する。型80には、レンズ12の形状を転写するための凹部82が、所望のレンズ12の数に応じて設けられている。
型80を基板10上の成形材料Mに押し付け、成形材料Mを凹部の形状に倣って変形させる。そして、型80を成形材料Mに押し付けた状態で、成形材料Mが熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂の場合には型の外側から熱又は紫外線を照射することで、成形材料Mを硬化させる。
成形材料Mを硬化させた後、型80から基板10及びレンズ12を離型し、図8(C)に示すように、基板10にパターン状の遮光膜14を備えるウエハレベルレンズを得る。
上述のように、ウエハレベルレンズに備えられるパターン状の遮光膜14は、図5に示すようにレンズ12のレンズ面12aを除く領域に設けた構成だけでなく、図8(C)に示すように、遮光膜14をレンズ12のレンズ開口14aを除く領域に設けた構成としてもよい。
ウエハレベルレンズは、基板10の少なくとも一方の表面にパターン上に形成された、光反射率が低い遮光膜14によって、レンズ12のレンズ面12a又はレンズ開口14a以外の領域で遮光を十分にしつつ、反射光の発生を抑制できる。このため、固体撮像素子を備えた撮像モジュールに適用した場合に、撮像時に反射光に伴うゴーストやフレアといった不具合の発生を防止できる。
また、遮光膜14は基板の表面に設けられるため、ウエハレベルレンズに別の遮光部材などを取り付ける必要がなく、製造コストの増加を抑えることができる。
なお、前掲した特許文献2に示される構成のように、レンズの周囲に表面が凹凸の構造物を設ける構成の場合には、該構造物に入射した光が反射又は発散することで、ゴースト等の不具合が生じやすいことが懸念される。そこで、図5に示すようにレンズ12のレンズ面12aを除く領域にパターニングされた遮光膜14を設けた構成とすれば、レンズ面12a以外では光を遮光することができ、光学性能を改善できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
なお、ポリアリルアミンとしては、これを含む水溶液を濃縮したものを使用した。
また、ポリビニルアミンとしては、J.Am.Chem.Soc.1976,98,5996.に記載の方法で合成したポリビニアルアミン塩酸塩水溶液を、Amberlite(R)IRA−938(MP、Biomecidals社製)で塩酸フリー化し、濃縮したものを使用した(数平均分子量2,500)。
(合成例1)ポリエステル(i−1)の合成
n−オクタン酸4.2g、ε−カプロラクトン200g、及びモノブチルスズジオキシド0.1gを混合し、160℃で8時間加熱した後、室温まで冷却し、ポリエステル(i−1)を得た。GPC測定法により測定した分子量は、数平均分子量が15,000、重量平均分子量が21,000であった。
(合成例2)ポリエステル(i−2)の合成
窒素気流下、12−ヒドロキシステアリン酸100g、チタン(IV)テトラブトキシド0.1g、及びキシレン300gを混合し、外温160℃で生成する水をディーンスターク管で留去しながら反応させた。GPC測定により測定した分子量が、数平均分子量が18,000、重量平均分子量が23,000となったところで加熱を停止し、ポリエステル(i−2)を得た。
(合成例3)ポリエステル(i−3)の合成
窒素気流下、アジピン酸307g、ネオペンチルグリコール110g、1,4−ブタンジオール57g、及びエチレングリコール26gを混合し、外温160℃で生成する水をディーンスターク管で留去しながら反応させた。GPC測定により測定した分子量が、数平均分子量が16,000、重量平均分子量が24,000となったところで反応を停止し、ポリエステル(i−3)を得た。
(合成例4) 樹脂(A−1)の合成
ポリエチレンイミン((株)日本触媒製「SP−006」、数平均分子量600)10g、及びポリエステル(i−1)100gを混合し、120℃で3時間加熱した。その後、65℃まで放冷し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをゆっくり添加して、特定樹脂である樹脂(A−1)の30質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称する。)溶液を得た。
(合成例5〜12) 樹脂(A−2)〜(A−9)の合成
合成例4において、ポリエチレンイミンの種類を、表1記載のアミノ基含有化合物の種類に変更し、ポリエステル(i−1)の種類を、表1記載のポリエステルに変更した以外は、合成例4と同様にして、特定樹脂である樹脂(A−2)〜(A−9)の10質量%PGMEA溶液を得た。
合成例1〜12で得られた特定樹脂(A−1)〜(A−9)について、GPC測定法により測定した重量平均分子量及び数平均分子量、及び前述の方法により測定したアミン価を、表1に併記する。
(合成例13) 樹脂(A−10)の合成
合成例8において、反応温度及び反応時間を、140℃で10時間加熱に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行い、特定樹脂である樹脂(A−10)を得た。
GPC測定法により測定した特定樹脂(A−10)の分子量は、重量平均分子量が7,000であり、数平均分子量が4,000であった。樹脂(A−10)のアミン価は、5mgKOH/gであった。
(合成例14) 樹脂(A−11)の合成
合成例4において、反応温度及び反応時間を、140℃で24時間加熱に変更以外は、合成例4と同様の操作を行い、特定樹脂である樹脂(A−11)を得た。
GPC測定法により測定した樹脂(A−11)の分子量は、重量平均分子量が6,000であり、数平均分子量が3,000あった。樹脂(A−11)のアミン価は、2mgKOH/gであった。
(合成例15) 樹脂(A−12)の合成
合成例1において、ポリエチレンイミンを20g用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、特定樹脂である樹脂(A−12)を得た。
GPC測定法により測定した樹脂(A−12)の分子量は、重量平均分子量が6,000であり、数平均分子量が3,000あった。樹脂(A−12)のアミン価は、160mgKOH/gであった。
(合成例16) 樹脂(A−13)の合成
合成例4において、反応時間を1時間にした以外は、合成例4と同様の操作を行い、特定樹脂である樹脂(A−13)を得た。
GPC測定法により測定した樹脂(A−13)の分子量は、重量平均分子量が12,000であり、数平均分子量が8,000あった。樹脂(A−13)のアミン価は、130mgKOH/gであった。
なお、表2中、SP−003(数平均分子量:300)、SP−012(数平均分子量:1、200)、SP−018(数平均分子量:1,800)、及びSP−200(数平均分子量10,000)は、(株)日本触媒製のポリエチレンイミンであり、PAA−001数平均分子量が1000)、PAA−003(数平均分子量:3,000)は、日東紡績(株)製のポリアリルアミンである。
(合成例17) 樹脂(A−14)の合成
ポリエステル(i−1)100g、ポリエチレンイミン(SP−006、(株)日本触媒製)10gを120℃3時間加熱し、樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は10,000、数平均分子量は6,000、アミン価は75mgKOH/gであった。その後、得られた樹脂を、65℃まで放冷し、無水コハク酸7.6gを含有するPGMEA200gをゆっくり添加し2時間攪拌した。その後、更にPGMEAを添加し、特定樹脂である樹脂(A−14)の30質量%PGMEA溶液を得た。
樹脂(A−14)の重量平均分子量は11,000、数平均分子量は7,000、酸価は40mgKOH/g、アミン価は35mgKOH/gであった。
(合成例18) 樹脂(A−15)の合成
合成例17において、無水コハク酸をブタンスルトンに変更した以外は、合成例17と同様の操作を行い、特定樹脂(A−15)を合成した。
得られた特定樹脂(A−15)の重量平均分子量は11,000、数平均分子量は7,000、酸価は20mgKOH/g、アミン価は15mgKOH/gであった。
(合成例19) 樹脂(A−16)の合成
合成例17において、無水コハク酸をジケテンに変更した以外は、合成例17と同様の操作を行い、特定樹脂である樹脂(A−16)を合成した。
樹脂(A−16)の重量平均分子量は11,000、数平均分子量は7,000、酸価は30mgKOH/g、アミン価は30mgKOH/gであった。
(比較合成例1) 樹脂(A−17)の合成
PEGEA233g中に、メタクリル酸15g(0.17mol)、下記構造を有するマクロモノマー(1)85g及びドデシルメルカプタン2.0g(0.0099mol)を加え、窒素気流下で75℃まで加温した。次に、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)を添加し、2時間加熱した。さらに、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)を添加し、2時間加熱した後、90℃に昇温し1時間加熱した。得られた溶液を放冷し、樹脂(A−17)の30質量%PEGEA溶液を得た。
樹脂(A−17)のアミン価は、85mgKOH/gであり、重量平均分子量は19,000、数平均分子量は7,000であった。合成のスキームを下記に示す。
[実施例1〜24、比較例1]
実施例及び比較例の黒色硬化性組成物(B−1)〜(B−25)を、以下のように調製した後、これらの黒色硬化性組成物を用いた性能評価を行った。
1.チタンブラック分散液の調製
下記組成Iに示す成分を二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散物を得た。なお、高粘度分散処理の前にニーダーで30分混練することを行ってもよい。
(組成I)
・平均一次粒径75nmチタンブラック 40部
(三菱マテリアルズ(株)製「13M−C」)(Pigment Black35)
・各樹脂(A−1)〜(A−17)の30質量%PGMEA溶液 5部
得られた分散物に、下記組成IIに示す成分を添加し、3,000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いた、分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して、各チタンブラック分散液を得た。
(組成II)
・樹脂(A−1)〜(A−17)の30質量%PGMEA溶液 20部
・溶剤:PGMEA 150部
2.黒色硬化性組成物の調製
2−1.黒色硬化性組成物(B−1)〜(B−22)、(B−25)の調製
下記組成IIIに示す成分を攪拌機で混合して、実施例1〜22、25の黒色硬化性組成物(B−1)〜(B−22)、(B−25)、及び比較例1の黒色硬化性組成物(B−17)を調製した。
(組成III)
・アルカリ可溶性樹脂:表2に記載の樹脂D−1又は樹脂D−2(下記に示す構造、組成比は質量比)、いずれも30質量%PGMEA溶液 10部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.0部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 1.0部
・表2に記載の重合開始剤 0.3部
・各チタンブラック分散液 24部
・溶剤:PEGMEA 10部
・溶剤:エチル−3−エトキシプロピオネート 8部
2−2.黒色硬化性組成物(B−23)の調製
60℃に保温した純水200mlに錫コロイド(平均粒子系:20nm、固形分:20重量%、住友大阪セメント社製)15gと、銀コロイド(平均粒子系:7nm、固形分:20重量%、住友大阪セメント社製)60gとポリビニルピロリドン0.75gを水100mlに溶解した溶液を加え、コロイド溶液とした。
次いで、このコロイド溶液を60℃に保持した状態で60分間攪拌し、その後、超音波を5分間照射した。次いでこのコロイド溶液を遠心分離により濃縮し、固形分が25%のA液を得た。A液をフリーズドライ方法により乾燥し、粉末試料得た。
チタンブラックの代わりに上記により得られた粉末試料を用い、樹脂としては樹脂(A−1)を用いた他は、「1.チタンブラック分散液の調製」と同様にして、銀錫分散液を調製した。さらに、該銀錫分散液をチタンブラック分散液の代わりに用いた以外は、黒色硬化性組成物B−1と同様にして、銀錫組成物である実施例23の黒色硬化性組成物(B−23)を調製した。
2−3.黒色硬化性組成物(B−24)の調製
(赤色顔料分散液の調製)
下記組成(IV)に示す成分を、0.3mmジルコニアビーズを用いた分散機(商品名:ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して赤色顔料分散液を調製した。
(組成IV)
・有機顔料:C.I.ピグメントレッド254 30部
・樹脂溶液(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、mol比:80/10/10、Mw:10000、樹脂固形分濃度:40%のPGMEA溶液) 10部
・溶剤:PGMEA 200部
・分散剤:樹脂(A−1)の30%PGMEA溶液 30部
(硬化性組成物の調製)
「1.チタンブラック分散液の調製」において樹脂(A−1)を用いて得られたチタンブラック顔料分散液20部、上記にて得られた赤色顔料分散液4部を用いた以外は、黒色硬化性組成物B−1と同様にして、チタンブラックと赤色顔料と併用した実施例24の黒色硬化性組成物(B−24)を調製した。
表2中に記載される各重合開始剤(I−1)〜(I−6)の詳細を以下に示す。
3.黒色硬化性組成物の性能評価
得られた実施例1〜24、及び比較例1の黒色硬化性組成物を用いて、レンズ用素材を用いた樹脂膜上における残渣評価、及び、ガラス基板上における遮光膜の形成及び評価を行った。
3−1.レンズ用素材を用いた樹脂膜上における残渣評価
レンズ用素材を用いて熱硬化性樹脂膜1〜4及び光硬化性樹脂膜5、6(以下、単に「樹脂膜1〜6」と略称場合がある。)を以下に示すようにして作製した。
<レンズ形成用硬化性組成物の調製>
表3において、成分2の欄に示した化合物を、成分2の欄に示した量で成分1に対して添加し、レンズ形成用硬化性組成物1〜6を調製した。成分2の欄が空欄のレンズ形成用硬化性組成物は、成分1のみを用いた。
<熱硬化性樹脂膜1〜4の形成>
得られたレンズ形成用硬化性組成物1〜4(2mL)を、5×5cmのガラス基板(厚さ:1mm、Schott社製、BK7)上に塗布し、200℃で1分間加熱して硬化させて、熱硬化性樹脂膜1〜4(樹脂膜1〜4)を形成した。
<光硬化性樹脂膜5、6の形成>
得られた硬化性組成物5及び6(2mL)を、5×5cmのガラス基板(厚さ:1mm、Schott社製、BK7)に塗布し、メタルハライドランプで3000mJ/cmの光を照射して硬化させ、光硬化性樹脂膜5、6(樹脂膜5、6)を形成した。
なお、表3中、成分2に併記した質量%は、成分1を100質量%に対する成分2の添加量である。
<黒色硬化性組成物層の形成及び現像除去>
樹脂膜1〜6のいずれかを備えたガラス基板上に、塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、表4に記載される黒色硬化性組成物を均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理することにより、黒色硬化性組成物層を形成した。
次いで、黒色硬化性組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3質量%水溶液を用いて、23℃で60秒間パドル現像を行い、黒色硬化性組成物層を除去した。その後、黒色硬化性組成物層が除去されたガラス基板を、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、乾燥させた。
<レンズ形成用樹脂膜上における残渣評価>
残渣評価は、形成された直後の樹脂膜1〜6が示す400〜800nmにおける最大の透過率T1(%)とし、黒色硬化性組成物層の形成及び現像除去後の樹脂膜1〜6が示す400〜800nmにおける最大の透過率T2(%)をそれぞれ測定し、黒色硬化性組成物層の形成前後におけるレンズ形成用樹脂膜の透過率減少度(%)を、下記式(1)により算出することにより行った。
レンズ形成用樹脂膜の透過率減少度(%)=T1(%)−T2(%) 式(1)
本評価における透過率は、分光光度計(島津製作所製UV−3600型番)により測定した測定値である。
透過率減少度が大きいほど、黒色硬化性組成物に由来する残渣物が、レンズ形成用樹脂膜上に残存していることを意味する。
以上の評価結果を、下記表4に示す。
なお、表4中、レンズ形成用樹脂膜の種類を変更して評価を行った実施例1及び比較例1の黒色硬化性組成物については、実施例1−1〜1−6、比較例1−1〜1−6と表記した。
3−2.ガラス基板上における遮光膜の形成及び評価
<ガラス基板上へのパターン状の遮光膜の形成>
ガラス基板(厚さ:1mm、Schott社製、BK7)上に、得られた黒色硬化性組成物のいずれかを、塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して均一に塗布し、面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理することにより、黒色硬化性組成物層を形成した。
次いで、得られた黒色硬化性組成物層を、高圧水銀灯を用い、50mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して、露光量100mJ/cmから1000mJ/cmまで50mJ/cmずつ変更し露光した。
露光後の黒色硬化性組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3質量%水溶液を用いて、23℃で60秒間パドル現像を行い、黒色硬化性組成物層の未露光部を除去した。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、パターン状の遮光膜を有するガラス基板を得た。
<遮光膜とガラス基板との密着性評価>
得られた遮光膜付ガラス基板における遮光膜について、光学顕微鏡を用いて剥れを発生しなくなった最小の露光量(感度)を求め、これを密着性の指標とした。最小の露光量が小さい程、ガラス基板と遮光膜との密着性が高いことを示す。
<ガラス基板上における残渣評価>
残渣評価は、遮光膜の形成前のガラス基板が示す900nmにおける透過率T3(%)と、未露光の黒色硬化性組成物層が現像除去後された部分のガラス基板が示す900nmにおける透過率T4(%)とをそれぞれ測定し、黒色硬化性組成物層の形成前後におけるレンズ形成用樹脂膜の透過率減少度(%)を、下記式(2)により算出することにより行った。
ガラス基板の透過率減少度(%)=T3(%)−T4(%) 式(2)
透過率の測定は、レンズ形成用樹脂膜の透過率の測定と同様にして測定した。
透過率減少度が大きいほど、黒色硬化性組成物に由来する残渣物が、ガラス基板上に残存していることを意味する。
<遮光膜の透過率測定>
得られた遮光膜が示す透過率を、レンズ形成用樹脂膜の透過率の測定と同様にして測定した。
以上の評価結果を、下記表5に示す。
表4及び表5に示されるように実施例1〜24の黒色硬化性組成物は、透過率減少度が小さく、このことは、実施例の黒色硬化性組成物を用いて、ウエハレベルレンズが備える遮光膜を形成した場合、種々のレンズ形成用樹脂膜及びガラス基板から構成される遮光膜の形成領域外において残渣物の発生が低減されることを意味する。従って、実施例の黒色硬化性組成物を用いて遮光膜を形成することで、性能に優れたウエハレベルレンズを提供することができる。
また、表5に示されるように、無機顔料としてチタンブラックを含有する実施例1〜21の黒色硬化性組成物は、チタンブラック以外の無機顔料を含有する実施例22の黒色硬化性組成物との対比において、特に硬化感度に優れていることがわかる。また、実施例23の黒色硬化性組成物のごとく、チタンブラックと赤色有機顔料とを併用することで遮光性もより向上することがわかる。
[実施例25]
レンズ形成用硬化性組成物5を用いてガラス基板上に硬化性樹脂層を形成し、レンズ形状を持つ石英モールドで形状を転写して高圧水銀ランプにより3000mJ/cmの露光量で硬化させることにより、レンズを形成した。次に、レンズが形成されたガラス基板上に、実施例1の硬化性組成物(B−1)を塗布し、0.5mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して高圧水銀ランプで露光し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液で未露光部を除去することにより、レンズ外部及びレンズ周縁部に遮光膜を形成し、ウエハレベルレンズを複数有するウエハレベルレンズアレイを作製した。
作製されたウエハレベルレンズアレイを切断し、これにレンズモジュールを作製した後に、撮像素子及びセンサ基板を取り付け、撮像ユニットを作製した。
実施例25で得られたウエハレベルレンズは、レンズ開口部に残渣物が無く良好な透過性を有し、かつ遮光層の部分の塗布面の均一性が高く、遮光性が高いものであった。

Claims (7)

  1. (A)無機顔料、(B)一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、及び(E)アルカリ可溶性樹脂を含有するウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  2. 前記(A)無機顔料が、チタンブラックである請求項1に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  3. 前記(B)一級又は二級アミノ基含有化合物とポリエステルとの縮合物である分散樹脂のアミン価が、5mgKOH/g〜100mgKOH/gである請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
  4. さらに、(F)有機顔料を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  5. 前記(C)重合開始剤が、オキシムエステル化合物及びヘキサアリールビイミダゾール化合物から選択される少なくとも1種の重合開始剤である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  6. 前記(E)アルカリ可溶性樹脂が、側鎖に重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  7. 基板上に存在するレンズの周縁部に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を備えるウエハレベルレンズ。
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