JP2011111503A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 他の部材との溶着において、振動溶着時のバリ発生の抑制、熱板溶着時の糸曳き性、レーザー溶着性に優れるだけでなく、成形体とした時の表面外観にも優れた熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)及び/またはスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体を共重合して得られる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂組成物において、グラフト共重合体(A)及び共重合体(B)の一方もしくは双方に多官能性単量体が共重合されており、該熱可塑性樹脂組成物100重量部中に多官能性単量体が0.1〜5重量部共重合されている、振動溶着、熱板溶着、及びレーザー溶着から選ばれる接合に用いられる成形体を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、振動溶着、熱板溶着、及びレーザー溶着から選ばれる接合に用いられる成形体を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。詳しくは、該熱可塑性樹脂組成物と他の部材との溶着において、振動溶着時のバリ発生の抑制、熱板溶着時の糸曳き性、レーザー溶着性に優れるだけでなく、成形体とした時の表面外観にも優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
従来より、熱可塑性樹脂を接合する方法としては、振動溶着法、熱板溶着法、レーザー溶着法が知られている。
このうち、振動溶着法においては、溶着部に溶融した樹脂がはみ出す、いわゆるバリが発生し、これが成形品表面に付着することにより外観を損ねるという不具合が発生する。
また、熱板溶着法においては、接合に際し樹脂が熱板によって溶融された後、熱板から引き離す際に樹脂が糸状に引き伸ばされ(以下、糸曳き性と記す。)、同様に外観を損ねるという不具合を発生させる。
さらに、レーザー溶着法においては、レーザー光線入射表面において樹脂が溶融、発煙する等の不具合が発生する。
特開2004−182835号(特許文献1)には熱可塑性樹脂のゲル含量を70%以上にすることで各溶着時の不具合を改善する記載があり、特開2005−112991号(特許文献2)には架橋アクリルゴムを含有した熱可塑性樹脂組成物を用いることで、振動溶着時のバリの発生を抑制するという記載がある。また、特開2007−8974号(特許文献3)にはアルカリ金属の含有量が一定以下である熱可塑性樹脂を用いることで、レーザー溶着性を向上させることが出来るとの記載があり、特開2007−91969号(特許文献4)にはポリオルガノシロキサンを含みかつ特定の還元粘度を持つ熱可塑性樹脂を用いることで成形品の外観が良好で振動溶着時にバリが発生しないとの記載がある。
しかしながら、各工法の溶着性(溶着外観)だけでなく成形体とした時の表面外観にも優れた熱可塑性樹脂はいまだに存在せず、上記課題を全て満足する熱可塑性樹脂が求められている。
特開2004−182835号公報
特開2005−112991号公報
特開2007−8974号公報
特開2007−91969号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂組成物と他の部材との溶着において、振動溶着時のバリの改良、熱板溶着時の糸曳き性の改良、レーザー溶着性が改良され、さらには成形体とした時の表面外観にも優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明らは、このような課題を解決する手段として、多官能性単量体が共重合しているグラフト共重合体及び/または共重合体を用いることにより、成形体とした時の表面外観が良く、振動溶着、熱板溶着、及びレーザー溶着から選ばれる接合の際に上記問題が発生しない熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)とスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体を共重合して得られる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂組成物において、グラフト共重合体(A)及び共重合体(B)の一方もしくは双方に多官能性単量体が共重合されており、該熱可塑性樹脂組成物100重量部中に多官能性単量体が0.1〜5重量部共重合されているものである。
本発明により、熱可塑性樹脂組成物と他の部材との溶着において、振動溶着時のバリの改良、熱板溶着時の糸曳き性の改良、さらにはレーザー溶着性の改良、さらには成形体とした時の表面外観にも優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することができるものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物は、ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)及び/またはスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体を共重合して得られる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂組成物において、グラフト共重合体(A)及び共重合体(B)の一方もしくは双方に多官能性単量体が共重合されており、該熱可塑性樹脂組成物100重量部中に多官能性単量体が0.1〜5重量部共重合されている熱可塑性樹脂組成物である。
本発明に使用されるグラフト共重合体(A)と共重合体(B)の重合方法としては乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の公知の方法を採用することができる。
本発明に使用されるグラフト共重合体(A)に用いられるゴム状重合体としては、特に制限はないが、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルアクリレート−ブタジエン等のジエン系ゴム、アクリル酸ブチルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸ステアリル−アクリル酸ブチルゴム、ポリオルガノシロキサン−アクリル酸ブチル複合ゴム等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のポリオレフィン系ゴム重合体、ポリオルガノシロキサン系ゴム等のシリコン系ゴム重合体が挙げられ、これらは、1種または2種以上用いることができる。特に、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル酸ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムが好ましい。なお、ゴム状重合体を製造する際に本発明で規定している多官能性単量体を用いることが有りうるが、ゴム状重合体に共重合している多官能性単量体は本発明で規定している熱可塑性樹脂組成物100重量部中に0.1〜5重量部含むことを必要とする多官能性単量体には含まない。
グラフト共重合体(A)に用いられるゴム状重合体の重量平均粒子径は成形体とした時の表面外観の観点から0.05〜1.0μmの範囲にあることが好ましく、0.1〜0.5がより好ましい。
グラフト共重合体(A)および共重合体(B)に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
また、グラフト共重合体(A)および共重合体(B)に用いられるスチレン系単量体と共重合可能な他の単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸単量体、多官能性単量体などが挙げられ、これらはそれぞれ1種または2種以上用いることができる。
グラフト共重合体(A)および共重合体(B)に用いられる多官能性単量体としては、例えばジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
多官能性単量体の使用量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して0.1〜5重量部である。多官能性単量体が、0.1重量部より少なければ他の部材との溶着において、熱板溶着時の糸曳き性の改良、振動溶着時のバリの改良、さらにはレーザー溶着性の改良には不十分であり、また5重量部より多いと成形体とした時の表面外観が好ましくない。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤、例えば公知の酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、難燃剤、艶消し剤及び充填剤等を適宜添加することができる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は単独で使用できるが、必要に応じて他の熱可塑性樹脂と混合して使用することもできる。このような他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ゴム強化ポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)及びメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)等を例示できる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を混合することで得ることができる。混合するために、例えば、押出し機、ロール、バンバリーミキサー及びニーダー等の公知の混練装置を用いることができる。
さらに、本発明における熱可塑性樹脂組成物は、公知の成形方法、例えば押出成型、射出成形、ブロー成形及びプレス成形等により成形することができ、種々の成形品を製造することができる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物から製造される成形品は、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂を用いて製造された樹脂等の他の部材と溶着する際に、熱板溶着法、振動溶着法又はレーザー溶着法を好適に使用することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す部および%は重量に基づくものである。
グラフト共重合体(A−1)の製造
窒素置換したガラスリアクターに、ブタジエン系ゴム重合体ラテックスを固形分換算で50重量部と脱イオン水100重量部、ラクトース0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部および硫酸第1鉄0.005重量部を溶解した水溶液を添加した後、70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル15重量部、スチレン35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.05部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液および脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.0重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間に亘り連続添加した。その後、重合を3時間継続し、重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体(A−1)を得た。
使用したブタジエン系ゴム重合体ラテックスを日本電子製の電子顕微鏡JEM-1400のクライオトランスフォルダーで凍結乾燥後、電子顕微鏡JEM-1400で写真撮影した。画像解析処理(装置名:旭化成(株)製 IP−1000PC)を用いて個々の粒子面積を計測し、その円相当径(半径)を求め、ブタジエン系ゴム重合体ラテックスの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は0.12μmであった。
グラフト共重合体(A−2)の製造
スチレン35重量部を、スチレン31重量部、アリルメタクリレート4.0重量部に変更した以外は、グラフト共重合体(A−1)と同様に製造し、グラフト重合体(A−2)を得た。
グラフト共重合体(A−3)の製造
容積が15リットルのプラグフロー塔型反応槽に10リットルの完全混合槽2基を直列に接続した連続的塊状重合装置を用いた。プラグフロー塔型反応槽が粒子形成工程を、第2反応器である1基目の完全混合槽が粒子径調整工程を、第3反応器が後重合工程を構成する。プラグフロー塔型反応槽にエチルベンゼン37重量部、スチレン79重量部、アクリロニトリル26重量部、アリルメタクリレート3重量部、ジエン系ゴム状重合体として、日本ゼオン社製Nipol NS320Sを10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.3重量部、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン0.08重量部からなる原料を調整し、この原料を3段の攪拌式重合槽列反応器に毎時10kgで連続的に供給して単量体の重合を行った。3段目の槽より重合液を予熱器と減圧室より成る分離回収工程に導いた。
回収工程から出た樹脂は押出工程を経て粒状のペレットとしてグラフト共重合体(A−3)を得た。このペレットの組成分析を熱分解クロマトグラフィーで実施したところ、ジエン系ゴム成分16重量%、スチレン単量体成分62重量%、アクリロニトリル単量体成分20重量%、アリルメタクリレート単量体成分2重量%であった。
共重合体(B−1)の製造
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水150重量部、スチレン70重量部とアクリロニトリル30重量部の混合モノマー10%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部(固形分換算)及び過硫酸カリウム0.3重量部を仕込み、65℃で1時間重合した。その後、残りの混合モノマー溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5重量部(固形分換算)を含む乳化剤水溶液 30重量部を各々3時間に亘って連続添加し、その後2時間重合を継続し、重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、共重合体(B−1)を得た。
共重合体(B−2)の製造
スチレン70重量部をスチレン69.7重量部、アリルメタクリレート0.3重量部に変更した以外は、共重合体(B−1)と同様に製造し、共重合体(B−2)を得た。
共重合体(B−3)の製造
スチレン70重量部をスチレン67.0重量部、アリルメタクリレート3.0重量部に変更した以外は、共重合体(B−1)と同様に製造し、共重合体(B−3)を得た。
共重合体(B−4)の製造
スチレン70重量部をスチレン64重量部、アリルメタクリレート6重量部に変更した以外は、共重合体(B−1)と同様に製造し、共重合体(B−4)を得た。
共重合体(B−5)の製造
スチレン70重量部をスチレン60重量部、アリルメタクリレート10重量部に変更した以外は、共重合体(B−1)と同様に製造し、共重合体(B−5)を得た。
共重合体(B−6)の製造
スチレン70重量部をスチレン68.5重量部、ジビニルベンゼン1.5重量部に変更した以外は、共重合体(B−1)と同様に製造し、共重合体(B−6)を得た。
共重合体(B−7)の製造
窒素置換したガラスリアクターに、純水160部、ロジン酸カリウム2.5部、オレイン酸カリウム0.5部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物0.7部、水酸化ナトリウム0.08部、α−メチルスチレン68.5部、アリルメタクリレート1.5重量部、アクリロニトリル30部、t−ドデシルメルカプタン0.15部を加えて十分攪拌しながら70℃に昇温した後、過硫酸カリウム0.7部を仕込み70℃で重合を開始した。重合転化率が68%を越えた時点で反応温度を76℃に上げて反応を継続し、重合転化率が96%を超えたことを確認して重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、共重合体(B−7)を得た。
表1および表2に示す成分を、表1および表2に示す割合で混合後、carbon#45B(三菱化学(株))を1.0重量部混合し、40mm二軸押出機を用いて240℃で溶融混練して着色ペレット(1)を得た。
表面外観の評価
実施例1〜9、比較例1〜4の上述の着色ペレット(1)を射出成形機を用い、シリンダー温度240℃、金型温度50℃の条件で射出成形して、成形品(150mm×120mm×3mm)を作成した。 成形品の表面外観は、ASTM D−523に準拠して表面光沢を測定することで評価した。
◎:90%以上、○:75%以上90%未満、×:75%未満
熱板溶着性の評価
実施例1〜9、比較例1〜4の上述の得られた着色ペレット(1)を射出成形機を用い、シリンダー温度240℃、金型温度50℃の条件で射出成形して熱板溶着性評価用のASTM1号ダンベルを作成した。280℃に加熱したアルミ製の平板に、射出成形にて得られたASTM1号ダンベルを10kgf/cmの圧力で30秒間押しつけた後、このダンベルを500mm/minの速度で引き上げた時に溶着面に糸引きが発生するかどうか判定した。
◎:糸曳きなし、○:僅かに糸曳きあり、×:糸曳きあり
振動溶着性の評価
実施例1〜9、比較例1〜4の上述の着色ペレット(1)を射出成形機を用い、シリンダー温度240℃、金型温度50℃の条件で射出成形して、振動溶着評価性の成形品(幅150mm×長90mm×厚3mm)を作成した。また、評価用材料として、ポリメチルメタクリレート樹脂(住友化学(株)製の「スミペックスMHF」(商品名))を射出成形機を用い、シリンダー温度240℃、金型温度50℃の条件で射出成形して、箱型(幅120mm×長180mm×高20mm×厚3mm)の成形品を得た。この評価用材料から得た成形品と、該振動溶着評価用の成形品とを日本エマソン社製のBRANSON
VIBRATION WELDER 2406型)を使用して、振幅:0.5mm、圧力:0.24MPa及び沈み量:1.0mmの振動溶着条件で振動溶着させた。
なお、溶着部の外観評価結果は、溶着部のバリにおける熱可塑性樹脂の広がりが小さい順に○、△、×の三段階で示した。
レーザー溶着性の評価
レーザー溶着を行うために、レーザー透過材料と、レーザー吸収材料が必要である。レーザー透過側材料として、ポリメチルメタクリレート樹脂(住友化学(株)製の「スミペックスMHF」(商品名))を射出成形機を用い、シリンダー温度240℃、金型温度50℃の条件で射出成形することで厚さ2mm×幅55mm×長さ90mmのレーザー透過側材料の試験片を得た。
レーザー吸収側材料として表1および表2に示す成分を、表1および表2に示す割合で混合後、各混合物にカーボンブラックcarbon#45B(三菱化学(株)製)及び酸化チタンを添加し、40mm二軸押出機を用いて240℃で溶融混練して、着色ペレット(2)を得た。カーボンブラックと酸化チタンの添加量は、実施例1〜9、比較例1〜4の着色ペレット(2)が全て同一色相となるように適宜調整した。同一色相とした基準プレートの色相は、L*(D65)=41、a(D65)=3、b(D65)=−10((株)村上色彩研究所社製分光光度計CMS−35SPにて測定)である。得られた着色ペレット(2)を透過側材料と同様に射出成形して、厚さ2mm×幅55mm×長さ90mmの試験片を得た。
上記にて得られたレーザー透過側試験片と、レーザー吸収側試験片とが、互いに短辺部分同士を重なりしろ25mm×幅55mmとなるように治具にセットし、溶着継ぎ目幅1mmとなるよう以下の条件にて溶着した。
レーザー透過側試験片側からレーザー光波長808nm、出力6W、走査速度6mm/sで照射して、溶着した。
得られたレーザー溶着試験片につき、島津製作所製オートグラフ:AGS−5KNを用い、引張りせん断試験を実施した。なお、引張り速度は50mm/分、チャック間距離は135mmとした。
引張りせん断試験でのレーザー溶着面の強度と溶着外観跡を以下の基準で判定した。
○:溶着(接合)強度良好で、溶着面に溶着跡(コゲ)が見られない。
△:溶着(接合)強度良好で、溶着面に溶着跡(コゲ)が若干見られた。
×:溶着(接合)強度が弱く、溶着面に溶着跡(コゲ)が見られるもしくは溶着面に著しい色差が見られる。
上述の実施例1〜9、比較例1〜4の樹脂組成物に係る評価結果を、表1および表2にまとめて示す。
表1に示すように、実施例1〜9は本発明に関わる熱可塑性樹脂組成物の例であり、熱板溶着性、振動溶着性及びレーザー溶着性が良好であり、成形体とした時の表面外観に優れていた。
表2に示すように、比較例1、比較例3および比較例4は熱可塑性樹脂組成物に多官能性単量体が含まれていない例であり、熱板溶着性、振動溶着性、レーザー溶着性に劣っていた。また、比較例2は多官能性単量体の含有量が上限を超えていたため、熱板溶着性、振動溶着性、レーザー溶着性は良好であったが、表面外観に劣っていた。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、他の部材との熱板溶着性、振動溶着性、レーザー溶着性に優れているだけでなく、成形品の表面外観も優れるものであり、各種溶着法によって接合一体化する必要のある製品への適用として好適である。

Claims (4)

  1. ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)及び/またはスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体を共重合して得られる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂組成物において、グラフト共重合体(A)及び共重合体(B)の一方もしくは双方に多官能性単量体が共重合されており、該熱可塑性樹脂組成物100重量部中に多官能性単量体が0.1〜5重量部共重合されている、振動溶着、熱板溶着、及びレーザー溶着から選ばれる接合に用いられる成形体を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂組成物が、ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)とスチレン系単量体、および該単量体と共重合可能な他の単量体を共重合して得られる共重合体(B)からなり、少なくとも共重合体(B)に多官能性単量体が共重合されている事を特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 多官能性単量体がジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、またはアリルメタクリレートを1種または2種類以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形することで得られる、成形品。
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