JP2011110751A - サーマルヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 コモン電極とグレーズ層及び発熱抵抗体との密着性に十分優れ、Pbの含有量が十分に低減されたサーマルヘッドを提供すること。
【解決手段】 基板7と、基板7の上に設けられたグレーズ層3と、グレーズ層3の上に設けられたコモン電極4と、コモン電極4及びグレーズ層3の上に設けられた発熱抵抗体1と、発熱抵抗体1の上に設けられたリード電極2a,2bと、を備えるサーマルヘッド5であって、コモン電極4は、金属からなる導電材と、ガラス成分と、を含み、ガラス成分は、ガラス成分の全質量を基準として、BをBに換算して5〜15質量%、AlをAlに換算して4〜18質量%、SiをSiOに換算して20〜75質量%、CaをCaOに換算して1〜9質量%、SrをSrOに換算して0.5〜2.5質量%、ZrをZrOに換算して0.5〜12質量%、及びBaをBaOに換算して10〜55質量%含有するサーマルヘッド5。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サーマルヘッドに関する。
リライトプリンタ、カードプリンタ、ビデオプリンタ、バーコードプリンタ、ラベルプリンタ、ファクシミリ、券売機等の印画装置の感熱記録にサーマルヘッドが用いられている。
この種のサーマルヘッドは、印字部分を所定温度まで加熱させることにより、メディアに印字したり、印字された情報を消去したりする。具体的には、サーマルヘッドは、直線的に設けられた単体又は複数の発熱抵抗体に選択的に電位を与えて発熱させ、得られた熱エネルギーによって、反応するメディアに文字や絵を印刷したり、印刷されているものを消去したりする。
特許文献1には、アルミナ等のセラミックス基板上に導電体及び発熱抵抗体がこの順に形成されたサーマルヘッドが開示されている。
また、特許文献1には、サーマルヘッドに備えられる導電体として、ガラス成分を含む銀電極が開示されている。このようなサーマルヘッドにおけるコモン電極やリード電極の形成方法としては、スクリーン印刷法、電解めっき法及びフォトリソグラフィによりパターニングする方法が用いられている。
特開平10−71737号公報
上述したコモン電極やリード電極の形成方法のうち、コストの点からスクリーン印刷法が好ましい。しかしながら、特許文献1に記載された導電体を用い、スクリーン印刷法によって電極を形成する場合、コモン電極と発熱抵抗体との密着性が十分でなく、コモン電極と発熱抵抗体との間の剥離が生じやすくなることがわかった。
また、特許文献1に記載された電極は、導体成分及びガラス成分としてPbOを含有しているため、近年の環境に配慮したPbフリー製品に対応させることが難しい。
そこで、本発明は、コモン電極とグレーズ層及び発熱抵抗体との密着性に十分に優れ、Pb含有量が十分に低減されたサーマルヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、基板と、基板の上に設けられたグレーズ層と、グレーズ層の上に設けられたコモン電極と、コモン電極及びグレーズ層の上に設けられた発熱抵抗体と、発熱抵抗体の上に設けられたリード電極と、を備えるサーマルヘッドであって、コモン電極は、金属からなる導電材と、ガラス成分と、を含み、ガラス成分は、ガラス成分の全質量を基準として、BをBに換算して5〜15質量%、AlをAlに換算して4〜18質量%、SiをSiOに換算して20〜75質量%、CaをCaOに換算して1〜9質量%、SrをSrOに換算して0.5〜2.5質量%、ZrをZrOに換算して0.5〜12質量%、及びBaをBaOに換算して10〜55質量%含有するサーマルヘッドを提供する。
本発明のサーマルヘッドによれば、コモン電極に含有されるガラス成分に、上記特定の金属酸化物が上記特定量含有されているため、発熱抵抗体とコモン電極との界面への、コモン電極に由来するガラス成分の析出が抑制されることとなる。したがって、ガラス成分の析出により生じると考えられるコモン電極と発熱抵抗体との間の剥離が抑制され、コモン電極と発熱抵抗体との密着性に優れたサーマルヘッドを得ることができる。
また、本発明のサーマルヘッドは、基板上に設けられたグレーズ層を有する。コモン電極をグレーズ層上に積層させる際に、グレーズ層のガラス成分のうちコモン電極に含まれる特定成分と同じ成分が、熱拡散等によりコモン電極表面に拡散し、BやSiO、Al、ZrOで形成されたガラスの網目構造中に入り込むことにより、ガラスの網目が拡がり、網目構造が軟らかくなるような反応が生じるため、コモン電極とグレーズ層との密着性も良好になると考えられる。また、本発明のサーマルヘッドは、コモン電極の必須成分としてPbが含まれないため、Pbの含有量が十分低減された製品を提供できるようになる。なお、本発明の効果が得られる理由は、上述のものに限定されるものではない。
また、コモン電極に含まれるガラス成分の含有量は、導電材の全質量を基準として、1〜10質量%であることが好ましい。ガラス成分の含有量が10質量%を超えると、コモン電極の導電性が悪くなる傾向があり、1質量%未満であると、グレーズ層とコモン電極との十分な密着性が得られなくなる傾向がある。
本発明によれば、コモン電極とグレーズ層及び発熱抵抗体との密着性に十分優れ、Pbの含有量が十分に低減されたサーマルヘッドを提供することができる。
本発明の好適な実施形態に係るサーマルヘッドの上面図である。 図1のサーマルヘッドのII−II線における模式断面図である。 図中(a)は、本発明の好適な実施形態に係る剥離強度測定試験用のサーマルヘッドの上面図であり、図中(b)及び(c)は、(a)のサーマルヘッドのIII−III線における模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明のサーマルヘッドの好適な実施形態について具体的に
説明する。ただし、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の好適な実施形態に係るサーマルヘッドの上面図である。本実施形態のサーマルヘッド5は、図1に示すように、表面にグレーズ層3が設けられた基板7上に、コの字状に形成されたコモン電極4と、コモン電極4の表面を長手方向(x方向)に連続的に覆う本体部分、及びグレーズ層3の上に、基板7の長手方向(x方向)に等間隔で配列するように設けられ該本体部分に垂直に連結された歯部分を有するくし型形状の発熱抵抗体1と、発熱抵抗体1の歯部分の両端部をそれぞれ覆うリード電極2a,2bと、を備える。発熱抵抗体1は、具体的には、コモン電極4の表面を長手方向(x方向)に連続的に覆う部分が本体部分(くしの長辺部分)となり、等間隔で配列するように、グレーズ層の上に複数設けられた部分が歯部分となるような形状を有する。等間隔で配列するように設けられた発熱抵抗体1の歯部分の一部は、リード電極2a,2bの間から露出している。
図2は、図1のサーマルヘッド5をII−II線で切断した時の模式断面図である。サーマルヘッド5は、図2に示すような積層構造を有する。この積層構造は、図中下側から、マウント6、基板7、グレーズ層3がこの順で積層された積層部8を有する。また、積層部8のグレーズ層3の上に、コモン電極4が設けられ、グレーズ層3の一部及びコモン電極4を覆うように、発熱抵抗体1が設けられている。そして、発熱抵抗体1の両端部をそれぞれ覆うようにリード電極2a,2bが設けられ、このうちリード電極2aは、コモン電極4上に設けられている。さらに、保護層9が、リード電極2aとリード電極2bとの間において露出する発熱抵抗体1及びリード電極2a,2bを覆うように積層部8上に設けられている。以下、各部材を構成する材料について図2を参照して詳述する。なお、ここで説明するサーマルヘッドは印字用ヘッドとしても、文字消去用ヘッドとしても用いることができる。
(基板及びグレーズ層)
基板7は、好ましくはアルミナ基材等の絶縁性を有するセラミックを含有する。基板7の表面には、所定の厚さのグレーズ層3が設けられる。グレーズ層3は、例えば、ガラスを軟化及び焼成させることにより形成され、蓄熱層として機能する。また、基板7は、放熱作用を有するマウント6上に形成されている。マウントの材料としては、熱伝導率の良いアルミニウムが挙げられる。マウント6と基板7とは接続層(図示せず)を介して接続されていてもよい。
(コモン電極及び発熱抵抗体)
グレーズ層3上には、コモン電極4が形成され、グレーズ層3の表面の一部及びコモン電極4を覆うように、積層部8上に発熱抵抗体1が形成されている。コモン電極4は、通常のサーマルヘッドにおいて、補助電極と呼ばれる場合もある。コモン電極4は、後述するリード電極2aに大電流が流れた際に、リード電極2aにおける電圧降下を抑制する機能を有する。
コモン電極4は、導電材とガラス成分とを含む。導電材としては、Ag、Pd、Au、Pt、Ni、Cu、及びAlから選ばれる少なくとも一種の金属を含むことが好ましく、経済性の観点からAgを含むことがより好ましい。また、ガラス成分は導電材の結合剤となるものであり、ガラス成分の全質量を基準として、BをBに換算して5〜15質量%、AlをAlに換算して4〜18質量%、SiをSiOに換算して20〜75質量%、CaをCaOに換算して1〜9質量%、SrをSrOに換算して0.5〜2.5質量%、ZrをZrOに換算して0.5〜12質量%、及びBaをBaOに換算して10〜55質量%含有する。
このようなガラス成分は、Bを5〜15質量%、Alを4〜18質量%、SiOを20〜75質量%、CaOを1〜9質量%、SrOを0.5〜2.5質量%、ZrOを0.5〜12質量%、及びBaOを10〜55質量%含むガラス材料を、750℃〜850℃で焼成することにより生成する。通常はガラス材料におけるB、Al、Si、Ca、Sr、Zr及びBaの各元素の存在比率は、コモン電極4中のガラス成分におけるそれらの各元素の存在比率と一致する。なお、ガラス成分におけるこれらの元素は、EPMA(Electron Probe MicroAnalyser)やEDS(Energy Dispersive x-ray Spectroscopy)などの元素分析手法により同定することが可能である。
ガラス成分となるガラス材料における、B又はSiOの含有量が上記範囲未満となると、コモン電極4とグレーズ層3との反応性が悪くなり、コモン電極4とグレーズ層3との密着性が不十分となる。また、含有量が上記範囲を超えると、コモン電極4形成後の工程中においてガラスが軟化し、コモン電極4と発熱抵抗体1の密着性が不十分となる。なお、B及びSiOの含有量は、ガラス成分の全質量を基準として、それぞれ7〜13質量%及び35〜65質量%であると好ましい。
Alの含有量が上記範囲未満となると、コモン電極4形成後の工程中においてガラスが軟化し、コモン電極4と発熱抵抗体1との密着性が不十分となる。また、含有量が上記範囲を超えると、コモン電極4とグレーズ層3との反応性が悪くなり、コモン電極4とグレーズ層3との密着性が不十分となる。なお、Alの含有量は、ガラス成分の全質量を基準として、8〜13質量%であると好ましい。
ZrOの含有量が上記範囲未満となると、コモン電極4と発熱抵抗体1との密着性が不十分となる。また、含有量が上記範囲を超えると、焼成後にコモン電極4の表面にガラス浮きが生じ易くなり、SiOと同様の理由でコモン電極4と発熱抵抗体1の密着性が不十分となる。なお、ZrOの含有量は、ガラス成分の全質量を基準として、1〜7質量%であると好ましい。
CaO、SrO又はBaOのいずれかの含有量が上記範囲未満となると、コモン電極4とグレーズ層との密着性が不十分となる。またいずれかの含有量が上記範囲を超えると、焼成後にコモン電極4の表面にガラス浮きが生じ易くなり、SiOと同様の理由でコモン電極4と発熱抵抗体1の密着性が不十分となる。なお、CaO、SrO及びBaOの含有量は、ガラス成分の全質量を基準として、それぞれ2〜7質量%、1〜2質量%及び25〜45質量%であると好ましい。
コモン電極4に含まれるガラス成分の含有量は、導電材の全質量を基準として、1〜10質量%であることが好ましく、5〜9質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることがさらに好ましい。ガラス成分の含有量が上記範囲未満となると、コモン電極4とグレーズ層3との十分な密着性が得られなくなる傾向がある。一方、含有量が上記範囲を超えると、コモン電極4の表面にガラス浮きが生じ、コモン電極4と発熱抵抗体1との密着性が不十分となる傾向がある。また、コモン電極の導電性が悪くなる傾向もある。
コモン電極4は、金属マトリックス中にガラス成分が分散されている構造を有する。具体的には、粒子状の金属(金属粒子)がガラスフリット(フレーク又は粉末状ガラスの欠片)によって結合された構造を有することが好ましい。このようにガラス成分は、コモン電極4作製時に融解して、結着性を有することとなり、金属粒子同士を繋ぐ結合剤として作用する。ガラス成分は結晶化ガラスが好ましく用いられる。
電極材料のパッキング性を良好にする観点から、導電材として金属粒子を用いることが好ましく、金属粒子の平均粒径が0.01〜10μmであることがより好ましい。金属粒子の平均粒径が0.01μm未満の場合、金属粒子同士が再凝集してしまう傾向が強く、金属粒子の収縮率が大きくなる傾向にある。その結果、導電材の途切れが生じ、導電性が悪くなる傾向がある。また、金属粒子の平均粒径が10μmを超えると、導電ペーストの印刷性、分散性が悪くなる傾向がある。その結果、導電ペーストを用いて形成したコモン電極4の表面が粗くなり、発熱抵抗体1との密着性が悪くなる。
なお、コモン電極4に含まれるガラス成分が粒子状(ガラス粒子)の場合、ガラス粒子の粒径は0.1〜30μmであることが好ましく、その形状が鱗片状であることがより好ましい。当該形状が鱗片状でない場合にも、ガラス粒子の粒径は0.1〜30μmであることが好ましい。
コモン電極4をスクリーン印刷法によって形成する場合、上記導電材及びガラス成分と、バインダ、分散剤、溶剤等の混合物であるビヒクルとを含む導電ペーストを準備する。ビヒクルとしては、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル系樹脂等のバインダ、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、トルエン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン等の溶剤、その他分散剤、沈降防止剤、活性剤等から必要に応じて適宜選択される。
導電ペーストに含まれるビヒクルの含有量は10〜70質量%程度であることが好ましい。導電ペーストは、上述の導電材とガラス成分とを混合し、これに上述のバインダ、溶剤、必要に応じて適宜選択した分散剤、沈降防止剤、活性剤等を混合し、混錬してスラリー化することにより製造することができる。コモン電極4は、上記の導電ペーストを積層部8のグレーズ層3上に所定のパターンで印刷し、焼成して得られる。なお、スクリーン印刷は、電極の厚さに応じて、1回又は複数回繰り返して行ってもよい。コモン電極4の厚さは、1〜30μmである。
また、発熱抵抗体1としては、例えば、TaSiO,NbSiO等いわゆるサーメット系材料の薄膜、ポリシリコン(Poly−Si)薄膜、又は酸化ルテニウム薄膜からなる抵抗体が挙げられる。発熱抵抗体1は、真空蒸着、CVD(化学気相成長法)、スパッタリング等の薄膜形成技術及びフォトエッチング技術を用いて形成してもよく、スクリーン印刷し焼成する厚膜形成技術を用いて形成してもよい。発熱抵抗体の厚さは、0.03〜30μmであることが好ましい。
(リード電極2a、2b)
リード電極2aは、発熱抵抗体1を介して、コモン電極4と電気的に接続されている。上述したように、リード電極2aは、リード電極2aに大電流が流れる際、リード電極2aにおける電圧降下を防止するために、コモン電極4上に設けられた発熱抵抗体1の一部を覆うように設けられる。一方、リード電極2aと所定の間隔を有し、発熱抵抗体1の他部を覆うように設けられるリード電極2bは、通常のサーマルヘッドにおいて、発熱抵抗体1へ印加する電圧の制御をおこなうためのICチップ(図示せず)と接続される。
リード電極2a,2bは、例えばアルミニウムからなる。リード電極は、スパッタリング等の薄膜形成技術及びフォトエッチング技術により形成される。なお、リード電極2a,2bの厚さに特に制限はないが、0.05〜2μmが好ましい。
(保護層)
サーマルヘッド5は最上層として、厚さ3〜30μm程度の保護層9を有する。保護層9は、発熱抵抗体1、リード電極2a,2b及びグレーズ層3等を覆うように成膜されている。保護層9を構成する材料としては、SiO、SiON、SiAlO、SiBP等が挙げられる。これらの保護層は、蒸着法、スパッタリング法、又はプラズマCVD法等により形成される。
本実施形態のサーマルヘッド5において、リード電極2a,2bが接続され電圧が印加されることによって発熱抵抗体1は加熱されることとなり、図2に示すように、保護層9の表面のうち、リード電極2a,2bに覆われていない発熱抵抗体1の表面1Sの真上に位置する部分が、印字ヘッド及び消去ヘッドとして機能する。
上述したサーマルヘッドは、例えばバーコードラベルプリンタ、券売機用プリンタ、プリペイドカード用プリンタ、ビデオプリンタ等に用いることができる。
上述したコモン電極を備える本実施形態のサーマルヘッドによれば、発熱抵抗体形成時及びサーマルヘッド使用時におけるコモン電極とグレーズ層及び発熱抵抗体との剥離を抑制でき、長寿命なサーマルヘッドを得ることができる。さらに、本実施形態において、コモン電極にはPbを必須成分として含まないため、Pbの含有量が低減された環境配慮型のサーマルヘッドとすることができる。つまり、コモン電極中のガラス成分の組成を、本実施形態の範囲における値とすることによって、コモン電極が鉛を全く含有しなくてもコモン電極と発熱抵抗体との密着性に十分優れたサーマルヘッドとすることができる。
次に、具体的な実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜33、比較例1〜14>
(導電ペースト組成物の調製)
Ag粒子、ガラス粒子、バインダ及び分散剤を混練し、導電ペースト組成物を調製した。Ag粒子の平均粒径は0.5μmであり、ガラス粒子の平均粒径は2μmであった。バインダとしては、エチルセルロース系樹脂をテルピネオールに15質量%溶解させたものを用いた。
導電ペースト組成物におけるAg粒子の含有量は70質量%とした。また、ガラス粒子の原材料であるガラス材料の組成、及びAg粒子の全質量を基準としたガラス粒子の含有量は、下記表1に示すとおりであった。バインダの配合量は、Ag粒子全体の質量を基準として20〜40質量%とした。なお、分散剤の配合量は、その濃度が、Ag粒子とガラス粒子との合計質量を基準として1質量%となるようにした。
Figure 2011110751
(サーマルヘッドの作製)
図3(a)、(b)に示すように表面にグレーズ層3が形成されたアルミナ基板7を準備した。このグレーズ層3上に、上述のようにして調製した表1の導電ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、乾燥した後、大気中において750〜850℃で焼成して、導電材とガラス成分を含むコモン電極4を形成した。次いで、コモン電極4の表面及びグレーズ層3の表面に発熱抵抗体1を形成し、さらに発熱抵抗体1の両端部にリード電極2a,2bを形成し、第1の基板15を得た。
図3は、実施例1〜33、比較例1〜14のサーマルヘッドの構造とその評価方法を模式的に示す説明図である。図3(a)は、剥離強度測定試験時のサーマルヘッドの上面図であり、図3(b)は、当該試験の一例に関する図3(a)のサーマルヘッドのIII−III線における模式断面図であり、図3(c)は、当該試験のその他の一例に関する図3(a)のサーマルヘッドのIII−III線における模式断面図である。
得られた基板15を用いて、図3(a)、(b)に示すようにして、下記の試験1を行った。また、さらに図3(c)に示すように保護層9を形成し、第2の基板すなわちサーマルヘッド5を得た。なお、サーマルヘッド5のコモン電極4において、ガラス成分のB、Al、Si、Ca、Sr、Zr及びBaの各元素の存在比率は、ガラス材料におけるそれらの各元素の存在比率と同一である。得られたサーマルヘッド5について、図3(a)、(c)に示すようにして、下記の試験2を行った。
(試験1)
まず、第1の基板15に対して、スタッドピンを、図3(a)に示すスタッドピン固定部12に固着した。具体的には、図3(b)に示すように、第1の基板15に対して垂直となるよう、接着剤を用いてスタッドピン13をリード電極2aの表面上に固着した。そして、引っ張り試験機により、スタッドピン13を図中矢印方向に引っ張り、コモン電極4とグレーズ層3又は発熱抵抗体1との間に剥離が生じたときの荷重を測定した。このようにして測定した剥離強度(N/cm)の結果を表2に示す。
(試験2)
さらに、第1の基板15に保護層9を形成し、サーマルヘッド5を得た後、サーマルヘッド5に対して、試験1と同様に、スタッドピンを図3(a)に示すスタッドピン固定部12に固着した。具体的には、図3(c)に示すように、サーマルヘッド5に対して垂直となるよう、接着剤を用いてスタッドピン13を保護膜9の表面上に固着した。そして、引っ張り試験機により、スタッドピン13を図中矢印方向に引っ張り、コモン電極4とグレーズ層3又は発熱抵抗体1との間に剥離が生じたときの荷重を測定した。このようにして測定した剥離強度(N/cm)の結果を表2に示す。なお、試験1及び2に用いた上記試験機の引っ張り速度は5mm/分とした。
Figure 2011110751
実施例1〜33においては、コモン電極4とグレーズ層3及び発熱抵抗体1との間に十分な剥離強度を示すサーマルヘッドが得られた。特に、実施例31は、試験1及び2の両方において、170N/cm以上の剥離強度を示した。一方、ガラス粒子の組成が本発明の組成範囲から外れた比較例1〜14は、コモン電極とグレーズ層及び発熱抵抗体との間の密着性が十分ではなく、低い剥離強度示した。
1…発熱抵抗体、2a,2b…リード電極、3…グレーズ層、4…コモン電極、5…サーマルヘッド(第2の基板)、6…マウント、7…基板、8…積層部、9…保護層、12…スタッドピン固定部、13…スタッドピン、15…第1の基板。

Claims (2)

  1. 基板と、
    前記基板の上に設けられたグレーズ層と、
    前記グレーズ層の上に設けられたコモン電極と、
    前記コモン電極及び前記グレーズ層の上に設けられた発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の上に設けられたリード電極と、を備えるサーマルヘッドであって、
    前記コモン電極は、金属からなる導電材と、ガラス成分と、を含み、
    前記ガラス成分は、前記ガラス成分の全質量を基準として、
    BをBに換算して5〜15質量%、AlをAlに換算して4〜18質量%、SiをSiOに換算して20〜75質量%、CaをCaOに換算して1〜9質量%、SrをSrOに換算して0.5〜2.5質量%、ZrをZrOに換算して0.5〜12質量%、及びBaをBaOに換算して10〜55質量%、
    含有するサーマルヘッド。
  2. 前記ガラス成分の含有量は、前記導電材の全質量を基準として、1〜10質量%である請求項1に記載のサーマルヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021200869A1 (ja) 2020-03-31 2021-10-07 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ

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