JP2011110593A - 連続鋳造型および連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上下端が開放された金型11と、金型11に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロック12とを備え、スターティングブロック12の上方に溶融金属21が供給される連続鋳造型1であって、鋳造開始前には、スターティングブロック12が、その上端部が金型11の上端部よりも高位置に位置するように金型11に嵌挿されるとともに、供給された溶融金属21を金型11の上端部よりも高い位置に保持し、鋳造開始時には、スターティングブロック12が下降し、スターティングブロック12の下降運動に連動して、溶融金属21の金型11内への導入が行われる。
【選択図】 図4
Description
この連続鋳造方法においては、鋳造開始時に、スターティングブロックを前記金型の下端部に昇降可能に配置した状態で、溶融金属を上方から前記金型内に供給し、その後溶融金属の金型およびスターティングブロックに接した部分が凝固したところで、前記スターティングブロックを下降させることにより、生成した粗材を連続的に引き出すことが行われている。
例えば、図9に示すように、従来の連続鋳造型101は、上下が開放された筒状の金型111と、金型111の内周面111aに摺接しながら昇降するスターティングブロック112と、金型111の上方に連設され、上下方向の貫通孔113aを有する筒状のホットトップ113と、金型111の下方に配置され、前記スターティングブロック112および金型111内にて生成した粗材を冷却する冷却器115とを備えており、金型111の上方に配置されるホットトップ13内に供給された溶融金属21は、金型111の内周面111aに不規則に接触しながら流れ落ちてスターティングブロック112の上面に濡れ広がり、金型111内に徐々に貯留されていく。
また、金型111の内周面111aに接触しながら流れ落ちる溶融金属21は、内周面111aに不規則に接触しながら流れ落ちていくため、奪われる熱量が不均一になって温度ムラが生じる。また、スターティングブロック112の上面に濡れ広がる溶融金属21も、流れ方や流入タイミングによって奪われる熱量が不均一になり温度ムラが生じる。
しかし、前記スターティングブロックの上端面には断熱層が固設されていて除去できないため、その後の連続鋳造時においてもスターティングブロック上端面と溶融金属との間に断熱層が介在することとなる。
これにより、金型内に供給された溶融金属のスターティングブロックに対する放熱性が低下して、溶融金属の冷却速度が低下することとなり、溶融金属の凝固状態を十分に安定させることができない。また、鋳造を開始してスターティングブロックが金型より下方へ抜け出す際に、未だ溶融金属が凝固していない状態となり、湯もれ発生の原因となってしまうことがある。
即ち、請求項1記載のごとく、上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型であって、鋳造開始前には、前記スターティングブロックが、その上端部が前記金型の上端部よりも高位置に位置するように前記金型に嵌挿されるとともに、供給された溶融金属を前記金型の上端部よりも高い位置に保持し、鋳造開始時には、前記スターティングブロックが下降し、前記スターティングブロックの下降運動に連動して、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる。
これにより、スターティングブロックの下降開始に伴って、溶融金属が金型内の全体にわたって瞬時に充填されることとなり、金型内に導入された溶融金属の温度低下を防止したり、金型内への流入タイミングを均一化したりすることができ、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
これにより、鋳造を開始するまでの段階では、スターティングブロックの上方に保持している溶融金属が、スターティングブロックの上端面に接触して溶融金属の温度が低下することを抑制できるとともに、鋳造開始後には、溶融金属をスターティングブロックの上端面に接触させ、速やかに冷却して凝固させることが可能となる。
これにより、スターティングブロックの下降開始に伴って、溶融金属が金型内の全体にわたって瞬時に充填されることとなり、金型内に導入された溶融金属の温度低下を防止したり、金型内への流入タイミングを均一化したりすることができ、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
これにより、鋳造を開始するまでの段階では、スターティングブロックの上方に保持している溶融金属が、スターティングブロックの上端面に接触して溶融金属の温度が低下することを抑制できるとともに、鋳造開始後には、溶融金属をスターティングブロックの上端面に接触させ、速やかに冷却して凝固させることが可能となる。
つまり、金型内に導入された溶融金属の温度や金型内への流入タイミングを均一化することができ、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
本例の連続鋳造型1にて鋳造される粗材22は、例えば円柱状の部材であり、この場合の前記金型11内の断面形状は円形状に形成される。
また、金型11を構成する部材の内部には、該金型11を冷却するための冷却水が流れている。
スターティングブロック12は、鋳造開始前には、その上端が金型11の上端よりも上方に位置するように金型11に嵌挿されている。
断熱材14は、セラミックスなどの断熱性に優れた断熱材にて構成された部材であり、ホットトップ13の上下方向の途中部に配置されている。
断熱材14のホットトップ13による支持は、図1に示すように、ホットトップ13の上下方向における途中部により、断熱材14の周縁部を挟持することにより行うことができる他、断熱材14の周縁部を貫通孔13aの内周面に貼設することなどによっても行うことができる。
また、断熱材14は、例えば繊維状のセラミックスにガラス繊維などを混合してシート状に成形した、可撓性を有するシート状部材にて構成されている。
前記分割線14p・14qは、例えば貫通孔13aの内周面におけるある箇所から、貫通孔13aの断面形状を形成する円の中心を通って、前記内周面における前記ある箇所と対向する箇所まで連続する直線にて構成されており、分割線14pと分割線14qとは略直交している。
なお、本例では、2本の分割線14p・14qにより断熱材14を4分割しているが、断熱材14の分割数はこれに限るものではなく、例えば3分割したり、4分割よりも多くの分割数に分割したりすることも可能である。
また、断熱材14を構成する各分割片14a・14b・14c・14dは、スターティングブロック12により支持されていない状態で上方から所定の荷重がかかると、その荷重により下方へ折れ曲がるまたは撓むなどして分割線14p・14qにて開き、前記貯留部13bの底部が開口するように構成されている。
つまり、貫通孔13aを閉塞する断熱材14は、上方からの所定の荷重により、各分割片14a・14b・14c・14dに分割した状態で下方へ折れ曲がるまたは撓み、開口するように構成されている。
まず、鋳造開始前の状態においては、図1に示すように、スターティングブロック12は、その上端面が断熱材14の下面に当接するように配置されている。
この状態では、貫通孔13a内の断熱材14がスターティングブロック12の上端面により下方から支持されている。
また、スターティングブロック12の上端面は金型11の上端よりも上方に位置している。
貯留部13bに供給される溶融金属21は、貯留部13bの内周面、すなわち貫通孔13aの内周面および断熱材14の上面に接触するが、ホットトップ13および断熱材14は断熱性に優れた材料(高断熱性材)にて構成されているため、溶融金属21からホットトップ13および断熱材14を介してのスターティングブロック12に対する放熱が抑制される。
貯留部13b内に供給され貯留された溶融金属21は、外部への放熱がないため温度が低下せず、供給された時点の温度を保持できる。
これにより、湯面レベルの調整を精度良く行うことができ、貯留部13bへの溶融金属21の貯留量の精度を向上することが可能となっている。
さらに、溶融金属21の湯面が前記所定のレベルになるまで供給した場合の、溶融金属21の貯留部13bへの貯留量は、金型11の内周面11aにて囲まれる空間の体積(金型11内部の容積)以上の量となるように設定されている。
スターティングブロック12が下降すると、各分割片14a・14b・14c・14dがスターティングブロック12により支持されている状態が解除される。
つまり、スターティングブロック12の下降に伴って、貯留部13b内の溶融金属21が下方へ落下し、該溶融金属21の自重により各分割片14a・14b・14c・14dを押し開けて断熱材14を開口する。
なお、各分割片14a・14b・14c・14dが完全に押し開けられた状態となるときには、スターティングブロック12の上端面は、例えば金型11の上端位置とほぼ同じ高さに位置している。
また、断熱材14の支持位置よりも下方に落下した溶融金属21は、スターティングブロック12の上端面の略全面に直接接触することとなる。
また、スターティングブロック12の上端面に導入され、該上端面の全面にわたって接触している溶融金属21は、溶融金属21からスターティングブロック12への伝熱により冷却される。このスターティングブロック12による溶融金属21の冷却は、各分割片14a・14b・14c・14dが開口して溶融金属21がスターティングブロック12の上端面に導入された時点から始まる。
前記金型11内に導入された溶融金属21には、スターティングブロック12への伝熱による冷却に加えて、金型11の内周面11aへの伝熱による冷却がなされる。
その後、金型11内にて溶融金属21が凝固して粗材が鋳造され連続的に下方へ引き出されていく、定常鋳造が継続して行われる。
なお、金型11の下方へ引き出された粗材22は、金型11の下方に配置される冷却器15により冷却される。
これにより、スターティングブロック12の下降開始に伴って、溶融金属21が金型11内の全体にわたって瞬時に充填されることとなり、金型11内に導入された溶融金属21の温度低下を防止したり、金型11内への流入タイミングを均一化したりすることができ、金型11内での溶融金属21の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材22に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
これにより、鋳造を開始するまでの段階では、スターティングブロック12の上方に保持している溶融金属21がスターティングブロック12の上端面に接触して溶融金属21の温度が低下することを抑制できるとともに、鋳造開始後には、溶融金属21をスターティングブロック12の上端面に接触させ、速やかに冷却して凝固させることが可能となっている。
つまり、ホットトップ13における貫通孔13aの内壁面が金型11の内周面11aよりも、内側に寸法Dだけ突出した構成とすることも可能である。
11 金型
12 スターティングブロック
13 ホットトップ
13a 貫通孔
13b 貯留部
14 断熱材
14a・14b・14c・14d 分割片
14p・14q 分割線
15 冷却器
21 溶融金属
22 粗材
Claims (4)
- 上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型であって、
鋳造開始前には、前記スターティングブロックが、その上端部が前記金型の上端部よりも高位置に位置するように前記金型に嵌挿されるとともに、供給された溶融金属を前記金型の上端部よりも高い位置に保持し、
鋳造開始時には、前記スターティングブロックが下降し、前記スターティングブロックの下降運動に連動して、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる、
ことを特徴とする連続鋳造型。 - 前記鋳造開始前における前記スターティングブロックの上端面には断熱材が配置され、
前記鋳造開始時における前記スターティングブロックの下降運動に連動して前記断熱材が開口することにより、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる際に、前記スターティングブロックの上端面に溶融金属が接触する、
ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造型。 - 上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型を用いて行われる連続鋳造方法であって、
鋳造開始前には、前記スターティングブロックを、その上端部が前記金型の上端部よりも高位置に位置するように前記金型に嵌挿して、供給された溶融金属を前記スターティングブロックにより前記金型の上端部よりも高い位置に保持させ、
鋳造開始時には、前記スターティングブロックを下降し、前記スターティングブロックの下降運動に連動して、前記溶融金属を前記金型内へ導入させる、
ことを特徴とする連続鋳造方法。 - 前記鋳造開始前における前記スターティングブロックの上端面には断熱材が配置され、
前記鋳造開始時における前記スターティングブロックの下降運動に連動して前記断熱材が開口することにより、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる際に、前記スターティングブロックの上端面に溶融金属が接触する、
ことを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造方法。
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