JP2011110593A - 連続鋳造型および連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融金属の金型内への供給時における溶融金属の温度低下や温度ムラの発生を防止し、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させて、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止することができる連続鋳造型および連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】上下端が開放された金型11と、金型11に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロック12とを備え、スターティングブロック12の上方に溶融金属21が供給される連続鋳造型1であって、鋳造開始前には、スターティングブロック12が、その上端部が金型11の上端部よりも高位置に位置するように金型11に嵌挿されるとともに、供給された溶融金属21を金型11の上端部よりも高い位置に保持し、鋳造開始時には、スターティングブロック12が下降し、スターティングブロック12の下降運動に連動して、溶融金属21の金型11内への導入が行われる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型、およびそれを用いた連続鋳造方法に関する。
従来から行われている連続鋳造方法は、例えば上下が開放された金型へ上方から溶融金属を供給し、供給した溶融金属を前記金型内で凝固させて粗材としたものを下方へ引き出す鋳造方法である。
この連続鋳造方法においては、鋳造開始時に、スターティングブロックを前記金型の下端部に昇降可能に配置した状態で、溶融金属を上方から前記金型内に供給し、その後溶融金属の金型およびスターティングブロックに接した部分が凝固したところで、前記スターティングブロックを下降させることにより、生成した粗材を連続的に引き出すことが行われている。
前述のように、鋳造開始時に溶融金属を前記金型内に供給する場合、金型内に供給を開始された溶融金属は、金型の内周面を伝いながら前記スターティングブロックの上端面に落下することとなる。
例えば、図9に示すように、従来の連続鋳造型101は、上下が開放された筒状の金型111と、金型111の内周面111aに摺接しながら昇降するスターティングブロック112と、金型111の上方に連設され、上下方向の貫通孔113aを有する筒状のホットトップ113と、金型111の下方に配置され、前記スターティングブロック112および金型111内にて生成した粗材を冷却する冷却器115とを備えており、金型111の上方に配置されるホットトップ13内に供給された溶融金属21は、金型111の内周面111aに不規則に接触しながら流れ落ちてスターティングブロック112の上面に濡れ広がり、金型111内に徐々に貯留されていく。
前記金型111やスターティングブロック112は鉄などの金属材料にて構成されていて、熱伝導性や溶融金属21に対する濡れ性が良いため、溶融金属21が金型111の内周面111aに接触しながら流れ落ちる過程、およびスターティングブロック112の上面に濡れ広がる過程にて、金型111およびスターティングブロック112により熱が奪われ温度が低下する。
また、金型111の内周面111aに接触しながら流れ落ちる溶融金属21は、内周面111aに不規則に接触しながら流れ落ちていくため、奪われる熱量が不均一になって温度ムラが生じる。また、スターティングブロック112の上面に濡れ広がる溶融金属21も、流れ方や流入タイミングによって奪われる熱量が不均一になり温度ムラが生じる。
このように、金型内に供給される溶融金属には、金型内に徐々に貯留されていく過程で温度低下や温度ムラが生じ易く、溶融金属に生じる温度低下および温度ムラは、溶融金属の凝固により生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じる原因となる。
そこで、従来においては、特許文献1に示すように、鋳造開始時に金型内に供給された溶融金属がスターティングブロックの上端面に接触して、温度低下が生じることを防止するべく、スターティングブロックの上端面にセラミックコーティングを施して断熱層を形成し、スターティングブロック上端面の熱伝導性および溶融金属に対する濡れ性を低下させることが行われている。
特開平2−299757号公報
前述のように、スターティングブロックの上端面に断熱層を形成することで、確かに金型内に供給された溶融金属がスターティングブロックの上端面に濡れ広がる際に、当該溶融金属に温度低下が生じることを抑制することができる。
しかし、前記スターティングブロックの上端面には断熱層が固設されていて除去できないため、その後の連続鋳造時においてもスターティングブロック上端面と溶融金属との間に断熱層が介在することとなる。
これにより、金型内に供給された溶融金属のスターティングブロックに対する放熱性が低下して、溶融金属の冷却速度が低下することとなり、溶融金属の凝固状態を十分に安定させることができない。また、鋳造を開始してスターティングブロックが金型より下方へ抜け出す際に、未だ溶融金属が凝固していない状態となり、湯もれ発生の原因となってしまうことがある。
そこで、本発明においては、溶融金属の金型内への供給時における溶融金属の温度低下や温度ムラの発生を防止し、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させて、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止し、さらには、連続鋳造の開始後には溶融金属の冷却を速やかに行うことができる連続鋳造型および連続鋳造方法を提供するものである。
上記課題を解決する連続鋳造型および連続鋳造方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載のごとく、上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型であって、鋳造開始前には、前記スターティングブロックが、その上端部が前記金型の上端部よりも高位置に位置するように前記金型に嵌挿されるとともに、供給された溶融金属を前記金型の上端部よりも高い位置に保持し、鋳造開始時には、前記スターティングブロックが下降し、前記スターティングブロックの下降運動に連動して、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる。
これにより、スターティングブロックの下降開始に伴って、溶融金属が金型内の全体にわたって瞬時に充填されることとなり、金型内に導入された溶融金属の温度低下を防止したり、金型内への流入タイミングを均一化したりすることができ、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
また、請求項2記載のごとく、前記鋳造開始前における前記スターティングブロックの上端面には断熱材が配置され、前記鋳造開始時における前記スターティングブロックの下降運動に連動して前記断熱材が開口することにより、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる際に、前記スターティングブロックの上端面に溶融金属が接触する。
これにより、鋳造を開始するまでの段階では、スターティングブロックの上方に保持している溶融金属が、スターティングブロックの上端面に接触して溶融金属の温度が低下することを抑制できるとともに、鋳造開始後には、溶融金属をスターティングブロックの上端面に接触させ、速やかに冷却して凝固させることが可能となる。
また、請求項3記載のごとく、上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型を用いて行われる連続鋳造方法であって、鋳造開始前には、前記スターティングブロックを、その上端部が前記金型の上端部よりも高位置に位置するように前記金型に嵌挿して、供給された溶融金属を前記スターティングブロックにより前記金型の上端部よりも高い位置に保持させ、鋳造開始時には、前記スターティングブロックを下降し、前記スターティングブロックの下降運動に連動して、前記溶融金属を前記金型内へ導入させる。
これにより、スターティングブロックの下降開始に伴って、溶融金属が金型内の全体にわたって瞬時に充填されることとなり、金型内に導入された溶融金属の温度低下を防止したり、金型内への流入タイミングを均一化したりすることができ、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
また、請求項4記載のごとく、前記鋳造開始前における前記スターティングブロックの上端面には断熱材が配置され、前記鋳造開始時における前記スターティングブロックの下降運動に連動して前記断熱材が開口することにより、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる際に、前記スターティングブロックの上端面に溶融金属が接触する。
これにより、鋳造を開始するまでの段階では、スターティングブロックの上方に保持している溶融金属が、スターティングブロックの上端面に接触して溶融金属の温度が低下することを抑制できるとともに、鋳造開始後には、溶融金属をスターティングブロックの上端面に接触させ、速やかに冷却して凝固させることが可能となる。
本発明は、以下の効果を奏する。
つまり、金型内に導入された溶融金属の温度や金型内への流入タイミングを均一化することができ、金型内での溶融金属の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
連続鋳造型を示す側面断面図である。 ホットトップの貫通孔を閉塞する断熱材を示す平面図である。 ホットトップの貯留部に溶融金属の供給が開始された状態を示す側面断面図である。 ホットトップの貯留部に供給された溶融金属の湯面が所定のレベルに達した状態を示す側面断面図である。 図4に示す状態からスターティングブロックが下降して、断熱材が開口した状態を示す側面断面図である。 断熱材が完全に押し開けられた状態を示す側面断面図である。 定常鋳造が開始された状態を示す側面断面図である。 ホットトップが金型に対してオーバーハングした構成の連続鋳造型を示す側面断面図である。 従来の連続鋳造型を示す側面断面図である。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示す連続鋳造型1は、上下が開放された筒状の金型11と、金型11の内周面11aに摺接しながら昇降するスターティングブロック12と、金型11の上方に連設され、上下方向の貫通孔13aを有する筒状のホットトップ13と、ホットトップ13の上下方向の途中部において貫通孔13aを閉塞する断熱材14と、金型11の下方に配置され、前記スターティングブロック12および金型11内にて生成した粗材を冷却する冷却器15とを備えており、ホットトップ13内に供給した溶融金属21を金型11内へ導入し、導入した溶融金属21を金型11内で凝固させることにより生成した鋳塊である粗材22を下方へ引き出すことにより、連続的に鋳造を行うものである。
金型11の内周面11aにより囲まれる空間(金型11内)の断面形状は、連続鋳造型1により連続鋳造される粗材22の断面形状に対応した形状に形成されており、金型11内に導入された溶融金属21は、金型11の内周面11aに接触することにより金型11に放熱する。
本例の連続鋳造型1にて鋳造される粗材22は、例えば円柱状の部材であり、この場合の前記金型11内の断面形状は円形状に形成される。
また、金型11を構成する部材の内部には、該金型11を冷却するための冷却水が流れている。
スターティングブロック12は、金型11の内周面11aに囲まれた空間の断面形状と同様の断面形状を備えた柱状部材であり、鉄などの金属材料にて構成されていて良好な熱伝導性を有している。
スターティングブロック12は、鋳造開始前には、その上端が金型11の上端よりも上方に位置するように金型11に嵌挿されている。
ホットトップ13は、断熱レンガなどの断熱性に優れた材料にて構成されており、鋳造開始前に溶融金属21が供給されるとともに、供給された溶融金属21を保持するものである。また、ホットトップ13における貫通孔13aの断面形状は、金型11の内周面11aにより囲まれる空間の断面形状と同様の形状(例えば円形状)に形成されている。
断熱材14は、セラミックスなどの断熱性に優れた断熱材にて構成された部材であり、ホットトップ13の上下方向の途中部に配置されている。
断熱材14の周縁部はホットトップ13に支持されており、ホットトップ13における貫通孔13aの途中部を閉塞している。
断熱材14のホットトップ13による支持は、図1に示すように、ホットトップ13の上下方向における途中部により、断熱材14の周縁部を挟持することにより行うことができる他、断熱材14の周縁部を貫通孔13aの内周面に貼設することなどによっても行うことができる。
また、断熱材14は、例えば繊維状のセラミックスにガラス繊維などを混合してシート状に成形した、可撓性を有するシート状部材にて構成されている。
図2に示すように、断熱材14における、貫通孔13aの内周面から該貫通孔13a内に延出している部分(貫通孔13aを閉塞している部分)は、複数の分割線14p・14qにより複数の分割片14a・14b・14c・14dに分割されている。
前記分割線14p・14qは、例えば貫通孔13aの内周面におけるある箇所から、貫通孔13aの断面形状を形成する円の中心を通って、前記内周面における前記ある箇所と対向する箇所まで連続する直線にて構成されており、分割線14pと分割線14qとは略直交している。
この分割線14p・14qにより、断熱材14は4つの分割片14a・14b・14c・14dに分割されており、各分割片14a・14b・14c・14dは略同じ大きさの扇型形状に形成されている。
なお、本例では、2本の分割線14p・14qにより断熱材14を4分割しているが、断熱材14の分割数はこれに限るものではなく、例えば3分割したり、4分割よりも多くの分割数に分割したりすることも可能である。
このように、ホットトップ13の断熱材14が配置された部分においては、断熱材14により貫通孔13aが閉塞されており、貫通孔13aを閉塞する断熱材14には、該断熱材14を複数の分割片14a・14b・14c・14dに分割する分割線14p・14qが形成されている。
前記断熱材14は、金型11の上端よりも上方に配置され、断熱材14の各分割片14a・14b・14c・14dの下面はスターティングブロック12の上端面により下方から支持されていて、貫通孔13aにおける断熱材14よりも上方の空間は溶融金属21の貯留部13bとして構成されている。
また、断熱材14を構成する各分割片14a・14b・14c・14dは、スターティングブロック12により支持されていない状態で上方から所定の荷重がかかると、その荷重により下方へ折れ曲がるまたは撓むなどして分割線14p・14qにて開き、前記貯留部13bの底部が開口するように構成されている。
つまり、貫通孔13aを閉塞する断熱材14は、上方からの所定の荷重により、各分割片14a・14b・14c・14dに分割した状態で下方へ折れ曲がるまたは撓み、開口するように構成されている。
また、前記分割線14p・14qは、断熱材14を厚み方向に貫通して、各分割片14a・14b・14c・14dを分割線14p・14qにて完全に分離するものであっても、断熱材14を厚み方向における途中部まで切り込んだ切り込み線であってもよい。分割線14p・14qを前記切り込み線にて構成した場合は、断熱材14に前記所定の荷重がかかった際に、切り込み線にて切り込まれた部分の厚みの残りがその荷重により裂けて、各分割片14a・14b・14c・14dが完全に分離するように構成される。
なお、断熱材14は、本例の場合、可撓性を有するシート状部材にて構成されているが、板状部材などにて構成することもできる。断熱材14を板状部材にて構成した場合には、断熱材14に上方から所定の荷重がかかると、各分割片14a・14b・14c・14dが貫通孔13aの内周面との境界部分で折れるまたは折れ曲がるなどして、断熱材14が開口するように構成される。
次に、以上のように構成された連続鋳造型1により鋳造を開始する際の手順について説明する。
まず、鋳造開始前の状態においては、図1に示すように、スターティングブロック12は、その上端面が断熱材14の下面に当接するように配置されている。
この状態では、貫通孔13a内の断熱材14がスターティングブロック12の上端面により下方から支持されている。
また、スターティングブロック12の上端面は金型11の上端よりも上方に位置している。
このように、スターティングブロック12により断熱材14が支持された状態で、図3に示すように、ホットトップ13の貯留部13b内に、保持炉から溶融金属21が供給される。溶融金属21はホットトップ13の上方から供給される。
貯留部13bに供給される溶融金属21は、貯留部13bの内周面、すなわち貫通孔13aの内周面および断熱材14の上面に接触するが、ホットトップ13および断熱材14は断熱性に優れた材料(高断熱性材)にて構成されているため、溶融金属21からホットトップ13および断熱材14を介してのスターティングブロック12に対する放熱が抑制される。
貯留部13b内に供給され貯留された溶融金属21は、外部への放熱がないため温度が低下せず、供給された時点の温度を保持できる。
図4に示すように、貯留部13bへの供給は、貯留部13bに貯留される溶融金属21の湯面が所定のレベルになるまで(湯面の断熱材14の上面からの高さ位置が所定の高さhになるまで)行われるが、貯留部13b内に貯留される溶融金属21の温度が低下せずに保持されるので、湯面レベルの調整を、溶融金属21の温度低下を気にすることなく時間的余裕を持って行うことができる。
これにより、湯面レベルの調整を精度良く行うことができ、貯留部13bへの溶融金属21の貯留量の精度を向上することが可能となっている。
また、溶融金属21の湯面が前記所定のレベルになるまで供給した場合の、溶融金属21の貯留部13bへの貯留量は、少なくとも貫通孔13aを閉塞している断熱材14(すなわち貯留部13bの底面を構成している断熱材14)が、分割線14p・14qにて各分割片14a・14b・14c・14dに分割された状態で下方へ折れ曲がるまたは撓むなどすることにより開口する程度の荷重が、該断熱材14にかかるだけの量に設定されている。
さらに、溶融金属21の湯面が前記所定のレベルになるまで供給した場合の、溶融金属21の貯留部13bへの貯留量は、金型11の内周面11aにて囲まれる空間の体積(金型11内部の容積)以上の量となるように設定されている。
このように、貯留部13bに貯留される溶融金属21の湯面が所定のレベルになるまで供給された、図4に示す状態においては、断熱材14には、貯留部13bに貯留される溶融金属21の重量により、各分割片14a・14b・14c・14dが分割線14p・14qにて分割された状態で折れ曲がるまたは撓むなどして、開口するだけの荷重がかかっているが、各分割片14a・14b・14c・14dはスターティングブロック12により下方から支持されているので、断熱材14による貫通孔13aの閉塞状態が維持されている。
次に、図5に示すように、溶融金属21を前記所定の湯面レベルとなるまで貯留部13bに貯留した状態で、スターティングブロック12を下降させる。
スターティングブロック12が下降すると、各分割片14a・14b・14c・14dがスターティングブロック12により支持されている状態が解除される。
各分割片14a・14b・14c・14dのスターティングブロック12による支持状態が解除されると、貯留部13bに貯留された溶融金属21の重量による荷重がかかっている各分割片14a・14b・14c・14dが下方へ折れ曲がるまたは撓むなどして、各分割片14a・14b・14c・14d間の分割線14p・14qが開裂して、貯留部13bの底部が開口する。
つまり、スターティングブロック12の下降に伴って、貯留部13b内の溶融金属21が下方へ落下し、該溶融金属21の自重により各分割片14a・14b・14c・14dを押し開けて断熱材14を開口する。
図6に示すように、スターティングブロック12がさらに下降すると、各分割片14a・14b・14c・14dが完全に押し開けられ、溶融金属21がホットトップ13における断熱材14の支持位置よりも下方に位置する部分に充填される。
なお、各分割片14a・14b・14c・14dが完全に押し開けられた状態となるときには、スターティングブロック12の上端面は、例えば金型11の上端位置とほぼ同じ高さに位置している。
また、断熱材14の支持位置よりも下方に落下した溶融金属21は、スターティングブロック12の上端面の略全面に直接接触することとなる。
つまり、断熱材14の各分割片14a・14b・14c・14dが閉じていて溶融金属21が貯留部13bに貯留されている状態から、スターティングブロック12が下降して各分割片14a・14b・14c・14dが完全に開いた状態になると、貯留部13b内の溶融金属21がスターティングブロック12の上端面に全面にわたって同時に導入される。
この場合、溶融金属21を貯留しているときの貯留部13b内はホットトップ13および断熱材14により断熱されており、貯留部13bに貯留されている溶融金属21は温度が低下せず一定の温度に保持されているため、スターティングブロック12の上端面には均一な温度の溶融金属21が同時に導入されることとなる。
また、スターティングブロック12の上端面に導入され、該上端面の全面にわたって接触している溶融金属21は、溶融金属21からスターティングブロック12への伝熱により冷却される。このスターティングブロック12による溶融金属21の冷却は、各分割片14a・14b・14c・14dが開口して溶融金属21がスターティングブロック12の上端面に導入された時点から始まる。
このように、スターティングブロック12を下降させて、各分割片14a・14b・14c・14d間の分割線14p・14qを開裂することにより断熱材14を開口し、貯留部13bに貯留されている溶融金属21をスターティングブロック12の上端面に導入することで、スターティングブロック12の上端面に導入された溶融金属21の、導入時における温度および流入タイミングを均一化することができるとともに、スターティングブロック12による冷却開始タイミングの均一化を図ることが可能となっている。
前述のように、断熱材14の各分割片14a・14b・14c・14dが完全に開いて、溶融金属21がスターティングブロック12の上端面に導入された後、スターティングブロック12がさらに下降していくと、溶融金属21が金型11の内周面11aにて囲まれる空間内(金型11内)に導入される。
前記金型11内に導入された溶融金属21には、スターティングブロック12への伝熱による冷却に加えて、金型11の内周面11aへの伝熱による冷却がなされる。
図7に示すように、スターティングブロック12および金型11による冷却により、金型11内にて溶融金属21が凝固して粗材22が鋳造され、鋳造された粗材22はスターティングブロック12の下降に伴って下方へ引き出される。
その後、金型11内にて溶融金属21が凝固して粗材が鋳造され連続的に下方へ引き出されていく、定常鋳造が継続して行われる。
なお、金型11の下方へ引き出された粗材22は、金型11の下方に配置される冷却器15により冷却される。
以上のように、連続鋳造型1においては、鋳造を開始する際に、その上端面が金型11の上端部よりも高位置に配置されたスターティングブロック12を下降させ、前記スターティングブロック12の下降運動に連動して、溶融金属21の金型11内への導入が行われるように構成している。
これにより、スターティングブロック12の下降開始に伴って、溶融金属21が金型11内の全体にわたって瞬時に充填されることとなり、金型11内に導入された溶融金属21の温度低下を防止したり、金型11内への流入タイミングを均一化したりすることができ、金型11内での溶融金属21の凝固状態を安定させることが可能となって、生成した粗材22に湯じわや組織のムラや形状不良が生じることを防止できる。
また、鋳造開始前におけるスターティングブロック12の上端面に断熱材14を配置して、鋳造開始時に、スターティングブロック12の下降運動に連動して断熱材14を開口することにより、溶融金属21の金型11内への導入を行い、溶融金属21の金型11内への導入が行われる際にはスターティングブロック12の上端面に溶融金属が接触するように構成している。
これにより、鋳造を開始するまでの段階では、スターティングブロック12の上方に保持している溶融金属21がスターティングブロック12の上端面に接触して溶融金属21の温度が低下することを抑制できるとともに、鋳造開始後には、溶融金属21をスターティングブロック12の上端面に接触させ、速やかに冷却して凝固させることが可能となっている。
また、前記連続鋳造型1は、図8に示すように、ホットトップ13の内壁が金型11の内周面11aに対してオーバーハングした構成とすることもできる。
つまり、ホットトップ13における貫通孔13aの内壁面が金型11の内周面11aよりも、内側に寸法Dだけ突出した構成とすることも可能である。
1 連続鋳造型
11 金型
12 スターティングブロック
13 ホットトップ
13a 貫通孔
13b 貯留部
14 断熱材
14a・14b・14c・14d 分割片
14p・14q 分割線
15 冷却器
21 溶融金属
22 粗材

Claims (4)

  1. 上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型であって、
    鋳造開始前には、前記スターティングブロックが、その上端部が前記金型の上端部よりも高位置に位置するように前記金型に嵌挿されるとともに、供給された溶融金属を前記金型の上端部よりも高い位置に保持し、
    鋳造開始時には、前記スターティングブロックが下降し、前記スターティングブロックの下降運動に連動して、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる、
    ことを特徴とする連続鋳造型。
  2. 前記鋳造開始前における前記スターティングブロックの上端面には断熱材が配置され、
    前記鋳造開始時における前記スターティングブロックの下降運動に連動して前記断熱材が開口することにより、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる際に、前記スターティングブロックの上端面に溶融金属が接触する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造型。
  3. 上下端が開放された金型と、前記金型に昇降可能に嵌挿されるスターティングブロックとを備え、前記スターティングブロックの上方に溶融金属が供給される連続鋳造型を用いて行われる連続鋳造方法であって、
    鋳造開始前には、前記スターティングブロックを、その上端部が前記金型の上端部よりも高位置に位置するように前記金型に嵌挿して、供給された溶融金属を前記スターティングブロックにより前記金型の上端部よりも高い位置に保持させ、
    鋳造開始時には、前記スターティングブロックを下降し、前記スターティングブロックの下降運動に連動して、前記溶融金属を前記金型内へ導入させる、
    ことを特徴とする連続鋳造方法。
  4. 前記鋳造開始前における前記スターティングブロックの上端面には断熱材が配置され、
    前記鋳造開始時における前記スターティングブロックの下降運動に連動して前記断熱材が開口することにより、前記溶融金属の前記金型内への導入が行われる際に、前記スターティングブロックの上端面に溶融金属が接触する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造方法。

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