JP2011110012A - 養殖ホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置 - Google Patents

養殖ホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011110012A
JP2011110012A JP2009271827A JP2009271827A JP2011110012A JP 2011110012 A JP2011110012 A JP 2011110012A JP 2009271827 A JP2009271827 A JP 2009271827A JP 2009271827 A JP2009271827 A JP 2009271827A JP 2011110012 A JP2011110012 A JP 2011110012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scallops
attached
branch
dry ice
sea
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009271827A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5566084B2 (ja
Inventor
Yuji Mase
雄司 間瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Fuji Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Manufacturing Co Ltd filed Critical Fuji Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2009271827A priority Critical patent/JP5566084B2/ja
Publication of JP2011110012A publication Critical patent/JP2011110012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5566084B2 publication Critical patent/JP5566084B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Landscapes

  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

【課題】比較的簡単な方法により,短時間で安全に,しかも,ホタテ貝を死なせることなく,養殖ホタテ貝に付着したザラボヤを死滅させて除去する。
【解決手段】耳吊り養殖中のホタテ貝が取り付けられている枝ナワ52を作業クレーン20等によって海上に引き上げると共に,この枝ナワ52に環状ガイド40を外嵌する。そして,環状ガイドの中心に向けて取り付けた噴射ノズル31より,圧縮気体と共に粒体状乃至は粉体状のドライアイスを噴射しながら,枝ナワ52を徐々に引き上げ,枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60に付着したザラボヤ70にドライアイスを衝突させる。ドライアイスの衝突により,ザラボヤ70の外皮が破れ,ザラボヤは体液を噴出して死に至り,このようにして処理した枝ナワ52を再度海中に没すると,死滅したザラボヤは海流に洗われることにより,又は,腐敗する等して,ホタテ貝60より脱落して除去される。
【選択図】図4

Description

本発明は,養殖ホタテ貝に付着した付着生物を除去するための方法及び装置に関し,より詳細には,耳吊り養殖されたホタテ貝に付着した,ホヤの一種であるザラボヤを除去するための方法及び装置に関する。
ホタテ貝の養殖方法として,耳吊り養殖が広く行われている。
この耳吊り養殖は,噴火湾等において行われる養殖法であり,一例として図7に示すようにブイ53が取り付けられた「幹ナワ」51と呼ばれる50m程度の長さを有する横方向の縄条に,約20cm程度の間隔で「枝ナワ」52と呼ばれる長さ15m程の縦方向の縄条を約250本程度取り付けると共に,この枝ナワ52のそれぞれに取り付けたホタテ貝60を海中に没することにより行われる。
各枝ナワ52には,耳と呼ばれる部位に孔が開けられたホタテ貝60が,枝ナワ52を挟んで2個1組の状態で取り付けられ,このようにしてホタテ貝60を枝ナワの長さ方向に所定の間隔で取り付けることで,枝ナワ1本当たり約250個程のホタテ貝60が取り付けられている。
このように,耳吊り養殖されているホタテ貝に,近年,「ザラボヤ」と呼ばれる生物の大量付着が発生している。
このザラボヤは,ホヤの一種で,7〜8月頃に産卵し,遊泳性を持つおたまじゃくし型の幼生が発生し,この幼生は,ホタテ貝に付着して稚ホヤに変態し,1〜2ヶ月後には大人のザラボヤに成長する。
このようにして成長したザラボヤは,ホタテ貝の出荷が本格化する冬頃には大きく成長し,以下のような問題を生じる。
ザラボヤが付着した状態ではホタテ貝の価格が50%以下となり,収益性が低下する。
ザラボヤはホタテ貝と同様に植物プランクトンを餌とするため,ザラボヤの付着によってホタテ貝の成長が妨げられる。
ホタテ貝のみを吊した状態では1本あたり20kg程度である枝ナワ52に加わる重量が,ザラボヤの成長で3〜4倍の60〜80kgに迄増加し,水揚げ作業の効率を大幅に低下させるだけでなく,重量増により枝ナワが切れれば,切れた枝ナワに取り付けたホタテ貝の水揚げ自体ができなくなる。
船上及び漁港でのザラボヤの除去作業は繁雑であると共に,船上及び漁港で除去されたザラボヤは産業廃棄物として処理する必要があり,別途処理費用が発生する。
ザラボヤの体は体液で膨らんでおり,押すと体液が飛び出す一方,この体液はPH2〜4と酸性が強く,除去作業中に誤って目に入ると30分以上痛みが持続することから,除去作業は慎重に行わざるを得ず,除去作業の効率も悪い。
そのため,このように養殖ホタテ貝に付着したザラボヤの除去を,円滑に,簡単且つ安全に行う方法が模索されている。
なお,このようなザラボヤの除去に特化したものではないが,耳吊り養殖されたホタテ貝に付着した有害生物の除去方法として,ホタテ貝に高圧水を噴射して洗浄する方法や(特許文献1,2参照),回転するドラム内にホタテ貝を投入し,ドラムの回転によりホタテ貝に加わる外力によって有害生物を除去することも提案されている(引用文献3参照)。
特開2004−8209号公報 特開平8−19348号公報 特開2002−11421号公報
前述した有害生物の除去方法中,特許文献1,2に記載されているように高圧水による洗浄では,高圧水を噴射してもザラボヤは死滅しないために,水圧の作用によってザラボヤをホタテ貝より完全に剥離して除去する必要がある。
そのため,作業性が悪いと共に,このような剥離による除去を船上乃至は漁港等で行えば,除去によって発生したザラボヤを産業廃棄物として処理する作業と,この作業に伴う費用の負担が必要となる。
また,高圧水による洗浄では,海水を高圧で噴射するために消耗品が少ないという点で,一見,ランニングコストの点で有利にも見えるが,このような高圧洗浄水を得るための装置では,昇圧用のポンプのシーリング部の定期的な交換が必要となるため,メンテナンスに費用がかかる。
また,前述した幹ナワを漁師1軒あたり6本持っていたとすると,1軒の漁師が処理しなければならない枝ナワは1500本にも及ぶこと,前述したザラボヤの付着を有効に防止しようとすれば,ザラボヤの付着時期(6〜8月)と,成長段階に入る時期(9〜11月)の年2回の処理が必要となること,高圧洗浄水による洗浄は,枝ナワを船上に引き上げて処理するため,枝ナワの引き上げに3人程度の人員が必要であると共に,1本の枝ナワに付着したザラボヤの除去に4〜5分かかること等から,実質上,全ての枝ナワを処理することは不可能である。
更に,ザラボヤを剥離して除去し得る程の高圧の洗浄水を吹き付けることで,このような洗浄水の吹き付けはザラボヤのみならずホタテ貝に対してもダメージを与え,この方法によりザラボヤの除去を行う場合,処理後のホタテ貝の少なくとも2割程度が死んでしまう。
また,特許文献3に記載のように,水揚げした貝を回転するドラム内に投入して有害生物を除去する方法では,更に長い処理時間が必要となるだけでなく,この方法では,攪拌時の貝同士の接触,貝とドラム内壁との接触によって付着物を除去するものであるために,ホタテ貝に与えるダメージが大きく,ホタテ貝の貝殻が割れる等して,より多くのホタテ貝を死なせてしまうこととなる。
ここで,上記処理方法では,いずれもホタテ貝に付着した有害生物を,高圧水の吹き付けや攪拌時の衝撃等の外力の付加によって剥離することで除去しようというものであり,そのため,このようにして加えられた外力がホタテ貝に対しても大きなダメージを与える結果となっている。
しかし,ホタテ貝に付着したザラボヤの除去は,ザラボヤを死滅させることができればやがて自然に脱落し,ホタテ貝にダメージを与えるような大きな外力を加えることなく除去できるはずである。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,比較的簡単な方法により,短時間で,安全に,しかも,ホタテ貝を死なせることなく,耳吊り養殖されたホタテ貝に付着したザラボヤを死滅させることにより除去する方法及び装置を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の特許請求の範囲の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明のホタテ貝の付着生物除去方法は,養殖中のホタテ貝に付着したザラボヤに対し圧縮気体と共に粒状乃至は粉状のドライアイスを噴射することを特徴とする(請求項1)。
また,本発明の付着生物除去方法は,耳吊り養殖中のホタテ貝が取り付けられている枝ナワ52を海上に引き上げ,該枝ナワ52に取り付けたホタテ貝に付着したザラボヤに対し圧縮気体と共に粒状乃至は粉状のドライアイスを噴射した後,前記枝ナワを海中に戻すことを特徴とする(請求項2)。
また,枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60に付着したザラボヤ70を除去対象とする場合,前記枝ナワ52の周方向における複数箇所から同時に前記ドライアイスの噴射行うものとしても良い(請求項3)。
また,本発明のホタテ貝の付着生物除去装置は,ホタテ貝60が取り付けられた耳吊り養殖の枝ナワ52を吊り上げて海上に引き上げる吊上手段(実施形態において作業クレーン20等)と,
前記吊上手段20によって海上に引き上げた枝ナワ52に取り付けられたホタテ貝60に付着するザラボヤ70に対し,圧縮気体と共に粒体乃至は粉体状のドライアイスを噴射する噴射装置30を備えたことを特徴とする(請求項4)。
前記構成の付着生物除去装置10には,船縁1aより海上に突出し,海上に引き上げた前記枝ナワ52に外嵌する環状ガイド40を更に設けることができ,
前記環状ガイド40に前記噴射装置30に設けた噴射ノズル31を前記環状ガイド40の中心に向けて取り付けることができる(請求項5)。
また,前記環状ガイド40の周方向に,等間隔で複数本,前記噴射ノズル31を設けた構成とすることもできる(請求項6)。
以上説明した本発明の構成により,本発明のホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置によれば,以下の顕著な効果を得ることができた。
耳吊り養殖の枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60に付着したザラボヤ70に対し,圧縮気体と共に粒体乃至は粉体状のドライアイスを噴射して衝突させると,衝突したドライアイスは昇華して気体となる際に790倍程度に体積が膨張してザラボヤ70の外皮が破れることで,ザラボヤ70を死滅させることができた。
その結果,このようにしてドライアイスの噴射を行った後の枝ナワ52を海中に戻すことで,ホタテ貝60に付着していたザラボヤ70を自然に脱落させて除去することができた。
また,このようにザラボヤ70を死に至らしめて除去することにより,ホタテ貝60に対して大きな外力を加えることなく,従って,ホタテ貝60を傷付け,又はホタテ貝60を死なせることなくザラボヤ70の除去を行うことができると共に,ドライアイスの噴射処理は,枝ナワ1本当たり2分程度という比較的短い時間で処理を行うことが可能であった。
しかも,上記方法では,噴射されたドライアイスは昇華して消滅することから,上記処理を海上で行う場合であっても,海水を汚染することがない。
更に,上記作業は,枝ナワ52を船上に引き上げることなく,吊上手段20によって海上に吊した状態で行うことができ,作業時間を大幅に短縮することができると共に,船上や漁港等でザラボヤを除去した場合のように,除去したザラボヤを産業廃棄物として処理する必要がない。
また,前述のようにしてザラボヤ70の除去が行われることから,前記ドライアイスは,比較的低圧の圧縮気体によって噴射すれば良く,これにより圧縮気体の消費量が抑えられる結果,使用するエアコンプレッサ等の圧縮気体供給源の小型化により船上等の限られたスペースへの装備が容易であると共に,低コスト化を実現することができた。
船縁1aより海上に突出し,吊り上げた前記枝ナワ52に外嵌される環状ガイド40を更に設け,前記環状ガイド40に噴射ノズル31を前記環状ガイドの中心に向けて取り付けた構成とすることにより,例えば風や波等によって揺れる船上においても,吊り上げ状態にある枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60に付着したザラボヤ70に対し正確にドライアイスを噴射,衝突させることができ,作業性を向上させることができた。
前記環状ガイド40の周方向に,等間隔で複数本の噴射ノズル31を設ける等して,前記枝ナワ52の周方向における複数箇所から前記ドライアイスの噴射を同時に行うことで,ホタテ貝60に付着するザラボヤ70に対し,効率良く確実にドライアイスを衝突させることができた。
本発明の付着生物除去装置を装備した作業船の概略平面図。 環状ガイドの正面図。 環状ガイドの平面図。 環状ガイドを側面側より見た作業状態の説明図。 図4のA1−A1線断面図。 図3のA2−A2線断面図。 ホタテ貝の耳吊り養殖の概略説明図。
以下に添付図面を参照しながら,ホタテ貝の付着生物除去装置について説明すると共に,この付着生物除去装置によって実現されるホタテ貝の付着生物除去方法について説明する。
〔装置構成〕
本発明のホタテ貝の付着生物除去装置10は,例えば作業船(漁船)1等に装備して使用するもので,この付着物除去装置10は,ホタテ貝60が取り付けられた耳吊り養殖の枝ナワ52を海上に吊り上げる吊上手段20と,前記吊上手段20によって海上に吊り上げた枝ナワ52に取り付けられたホタテ貝60に付着するザラボヤ70に対し,圧縮気体と共に粒体状乃至は粉体状のドライアイスを噴射する噴射ノズル31を備えた噴射装置30を備える。
前述の吊上手段20として,図1に示す実施形態にあっては作業船1に装備した作業クレーンを使用し,図7に示す状態で配置されている幹ナワ51を枝ナワの取り付け位置迄手繰る等して,幹ナワ51より枝ナワ52の上端を外し,この枝ナワ52の上端部を前記作業クレーン20に設けたフック21等に取り付けて吊すことにより,枝ナワ52を吊り上げることができるようにしている。
なお,このような枝ナワ52の吊り上げは,前述した作業クレーン20による吊り上げに限定されず,例えば巻き上げドラム20’等によって巻き上げることにより行うようにしても良い。また,船体外(左右舷)に設けた既知のコンベアにより巻き上げるようにしてもよい。
また,後述する環状ガイド40の上方に図示せざる滑車等を設け,この滑車を介して下方に向けた作業クレーンのワイヤや,船上に装備したウインチに巻回したワイヤの先端に取り付けたフック等の吊下具に枝ナワ52の上端部を取り付けて吊り上げ可能としても良く,枝ナワを吊り上げ可能とするものであれば,前述の吊上装置20,20’の構成としては各種の構成を採用することができる。
このような作業船1の船縁1aには,一例として図2〜図6に示す環状ガイド40が取り付けられている。
この環状ガイド40は,例えば金属製の円筒体である円筒部41の外周より突設されたステー42(図3,4参照)を備え,このステー42を船縁1aに固定することで,前述の円筒部41を船縁1aより海上側に突出した状態で取り付けることができるようになっている。
この円筒部41の上端縁を周方向に等角度で分割する位置には,上端縁より外周方向に突出したノズル固定片43が設けられており(図3参照),このノズル固定片43の突出端に取り付けられたノズル固定具44(図4参照)に,ドライアイスを噴射する後述の噴射装置30に設けた噴射ノズル31を取り付けることができるようになっている。
これにより噴射ノズル31を前記円筒部41の中心に向けて取り付けることができるようになっており,本実施形態にあっては図3に示すように前述のノズル固定片43を円筒部41の周方向における120°毎の等角度の位置に3箇所設け,各ノズル固定片43に設けたノズル固定具44にそれぞれ噴射ノズル31を取り付けている。
各噴射ノズル31の噴射方向前方に位置する前述の円筒部41の側壁には,開口41aが形成されており(図5,6参照),この開口41aを介して前述の噴射ノズル31より噴射されたドライアイスを,前記円筒部41内に形成された処理空間41b(図5,6参照)内に導入することができるようになっている。
なお,前述の噴射ノズル41の先端は,この開口41aを介して前記円筒部41に形成した前記処理空間41b内に挿入した状態で取り付けるものとしても良い。
この円筒部41の上下端は,ゴム板等によって構成されるゴムガイド45,45によって被蓋されている。
このゴムガイド45,45には,ホタテ貝60及びザラボヤ70の付着時における枝ナワ52の径と同程度の直径200mm程度の円形に形成された挿入口45aが中央に形成されている。
このゴムガイド45は,後述するように,その中央に設けられた挿入口45a内に処理対象とする枝ナワ52を挿入することにより,作業船1の揺れ等によって枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60が円筒部41の内壁等と衝突して破損することを防止するためのクッション材としての役割を果たす。
また,このゴムガイド45は,枝ナワ52を円筒部41の中央に配置して,噴射ノズル31より噴射されたドライアイスが,確実に枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60に付着するサラボヤ70に衝突させることができるように,処理空間41b内における枝ナワ52の位値決めを行う機能を有している。
なお,このゴムガイド45には,図3に示すように,所定間隔で開口45bを形成し,枝ナワ52に付着した海水等が溜まらないように構成しても良い。
また,このゴムガイド45に形成した前述の挿入口45aには,挿入口45aの周縁から外周方向に向かって所定の長さで切込み45c(図3参照)を入れ,挿入口45a内に挿入された枝ナワ52の移動を容易に行うことができるように構成しても良い。
図示の実施形態においては,このゴムガイド45上にはそれぞれガイドリング46,46が取り付けられている。
このガイドリング46は,前述したゴムガイド45によって弾性的に枝ナワ52を円筒部41の中央位置に配置するのみでは,作業船1に大きな揺れなどが生じた際に枝ナワ52の位置規制を行うことができない点に鑑み,ゴムガイド45に設けた挿入口45aの外周位置において枝ナワ52がこのガイドリング46の更に外周側に移動しないように位置規制するものであり,本実施形態にあっては,金属パイプを環状に曲折したものを,このガイドリング46として使用している。
なお,このガイドリング46は,本実施形態にあっては図3に示すように環状の枠体47の内周に突出形成されたリブ47aにその外周が取り付けられており,この枠体47を円筒部41の上端縁及び下端縁に取り付けることにより,前記位置にガイドリング46を配置している。
なお,本実施形態における環状ガイド40の各部のサイズは,一例として本体部分の最外周の直径が900mm,円筒部の直径が800mm,ガイドリングの直径(内径)が400mm,ゴムガイドの挿入口の直径が200mmで,全高が314mmである。
前述のノズル固定具44に取り付けられた噴射ノズル31には,図3〜6に示すようにその後端にゴムホース等の圧送管32の一端が取り付けられており,この圧送管32の他端に,例えばペレット状のドライアイスが貯留された図示せざるドライアイスタンク,及びこのドライアイスタンク内のドライアイスを搬送する圧縮気体を発生する,図示せざるエアコンプレッサ等の圧縮気体供給源が連通されて,前述の噴射装置30が構成されている。
〔前記装置を使用した付着生物の除去〕
以上のように構成された本発明の付着生物除去装置10を使用して,枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60に付着したザラボヤ70を除去する方法について説明すると,例えば前述した吊上具である作業クレーン20の先端に設けたフック21を前述の環状ガイド40のゴムガイド45の中央に設けた挿入口41a内に上方より挿入して,環状ガイド40の下側にフック21を配置する。
次いで,作業船1上より幹ナワ51を手繰る等して幹ナワ51に取り付けられている枝ナワ52を船縁1aに引き寄せ,枝ナワ52の上端を幹ナワ51より取り外し,取り外した枝ナワ52の上端部を,作業クレーン20のフック21に取り付け,準備が完了する。
この状態から作業クレーン20によって徐々に枝ナワ52を上昇させると共に,環状ガイド40に取り付けた噴射ノズル31より圧縮気体と共に粒体状乃至は粉体状のドライアイスを噴射して,枝ナワ52に取り付けたホタテ貝60に付着したザラボヤ70にドライアイスを衝突させる。
実施例として,噴射ノズル31としては,噴射口が方形のスリット型では,2mm×40mm,直圧式0.3MPa,噴射量1.5m3/min,円形ノズルチップでは,(噴射ノズルの先端部の)内径が10mm程度のものを使用することができる。共に,噴射圧力,噴射量は,噴射距離に応じて0.3MPa〜0.5MPa程度の圧縮気体を,1.5m3/min〜2.5m3/min程度の噴射量で噴射する。
噴射ノズル31としては,噴射ノズル31内に形成された流路が,絞りやカーブを有する噴射ノズル31を使用すれば,この絞りやカーブによって流路内壁と衝突したペレット状のドライアイスが砕かれ,より細かい粒体状乃至は粉体状として噴射されることにより,ザラボヤ70に対する均一な噴射が可能となる。
ドライアイスの噴射量は,枝ナワ1本当たり1kg程度であるが,ザラボヤ70の付着量や成長度合いに応じて適宜調整可能である。
このようにしてドライアイスの噴射を行いながら,枝ナワ52を10〜20cm/sec程度の速度で引き上げていき,枝ナワ1本(約15m)につき2分前後の処理時間で枝ナワの下端部迄処理が完了したら,この枝ナワ52を再度,海中に没すると共に,枝ナワ52の上端を幹ナワ51に固定して作業が完了する。
このようにして,ドライアイスを噴射すると,ドライアイスが衝突した部分は,瞬間的に−80℃程度の温度となると共に,ドライアイスは気化により体積を790倍程度に膨張するため,ザラボヤ70の外皮が破れる。
このようにして外皮が破れたザラボヤは体液を放出して死に至る一方,硬い殻に守られたホタテ貝に対してドライアイスが衝突しても,ホタテ貝に影響はない。
このようにして処理された枝ナワ52を再度海中に戻すと,ドライアイスの噴射によって死滅しているザラボヤ70は,海流に洗われ,又は腐敗する等して枝ナワやホタテ貝より脱落して除去される。
従って,ザラボヤ70をホタテ貝60より引き剥がして除去する場合のように,ホタテ貝60に対して大きな外力を付加する必要はなく,ホタテ貝に傷みは生じない。
また,ザラボヤ70を船上や漁港等で除去するものではないことから,除去後のザラボヤは,産業廃棄物等として処理する必要がない。
更に,噴射したドライアイスの粒体は,昇華して気体となって消滅するために,噴射されたドライアイスが海水を汚染することもない。
なお,上記の例では,成長したザラホヤを除去する場合を例として説明したが,ザラボヤの付着期(一例として6〜8月)に前述したドライアイスのブラストを行う場合には,ホタテ貝に付着したザラボヤの幼生乃至は稚ホヤについても同様に除去することができ,これによりザラボヤが枝ナワ52上で成長することを予防することができる。
1 作業船
1a 船縁
10 付着性物除去装置
20 吊上手段(作業クレーン)
20’ 吊上手段(巻き上げドラム)
21 フック
30 噴射装置
31 噴射ノズル
32 圧送管
40 環状ガイド
41 円筒部
41a 開口
41b 処理空間
42 ステー
43 ノズル固定片
44 ノズル固定具
45 ゴムガイド
45a 挿入口
45b 開口
45c 切り込み
46 ガイドリング
47 枠体
47a リブ
51 幹ナワ
52 枝ナワ
53 ブイ
60 ホタテ貝
70 ザラボヤ

Claims (6)

  1. 養殖中のホタテ貝に付着したザラボヤに対し圧縮気体と共に粒状乃至は粉状のドライアイスを噴射することを特徴とするホタテ貝の付着生物除去方法。
  2. 耳吊り養殖中のホタテ貝が取り付けられている枝ナワを海上に引き上げ,該枝ナワに取り付けたホタテ貝に付着したザラボヤに対し圧縮気体と共に粒状乃至は粉状のドライアイスを噴射した後,前記枝ナワを海中に戻すことを特徴とするホタテ貝の付着生物除去方法。
  3. 前記枝ナワの周方向における複数箇所から同時に前記ドライアイスの噴射行うことを特徴とする請求項2記載のホタテ貝の付着生物除去方法。
  4. ホタテ貝が取り付けられた耳吊り養殖の枝ナワを吊り上げて海上に引き上げる吊上手段と,
    前記吊上手段によって海上に引き上げた枝ナワに取り付けられたホタテ貝に付着するザラボヤに対し,圧縮気体と共に粒体乃至は粉体状のドライアイスを噴射する噴射装置を備えたことを特徴とするホタテ貝の付着生物除去装置。
  5. 船縁より海上に突出し,海上に引き上げた前記枝ナワに外嵌する環状ガイドを更に設け,
    前記環状ガイドに前記噴射装置に設けた噴射ノズルを前記環状ガイドの中心に向けて取り付けたことを特徴とする請求項4記載のホタテ貝の付着生物除去装置。
  6. 前記環状ガイドの周方向に,等間隔で複数本,前記噴射ノズルを設けたことを特徴とする請求項5記載のホタテ貝の付着物除去装置。
JP2009271827A 2009-11-30 2009-11-30 養殖ホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置 Expired - Fee Related JP5566084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009271827A JP5566084B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 養殖ホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009271827A JP5566084B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 養殖ホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011110012A true JP2011110012A (ja) 2011-06-09
JP5566084B2 JP5566084B2 (ja) 2014-08-06

Family

ID=44232838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009271827A Expired - Fee Related JP5566084B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 養殖ホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5566084B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108843266A (zh) * 2018-07-19 2018-11-20 北京泰利新能源科技发展有限公司 一种钻井打捞器及方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6115086U (ja) * 1984-06-29 1986-01-28 修治 佐々木 ホタテ貝の海中付着物の除去器
JPH04258235A (ja) * 1991-02-06 1992-09-14 Nishi Nippon Tokushu Kogyosho:Kk 二枚貝の養殖方法
JPH0819348A (ja) * 1992-03-19 1996-01-23 Narasaki Seisakusho:Kk 耳吊り養殖の付着生物除去装置
JPH1066905A (ja) * 1996-08-29 1998-03-10 Nippon Sanso Kk ショット材ブラスト装置
JPH10202210A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Fuji Xerox Co Ltd リサイクル部品の洗浄システム
JP2000042505A (ja) * 1998-07-30 2000-02-15 Toshiba Corp タービン翼の洗浄方法および装置
JP2003001209A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Sanwa:Kk コンテナ内の付着物を剥離するドライアイス洗浄システム
JP2004008209A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Okidate Tekko Kk 耳吊り養殖ホタテ貝類貝殻表面洗浄方法及び洗浄装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6115086U (ja) * 1984-06-29 1986-01-28 修治 佐々木 ホタテ貝の海中付着物の除去器
JPH04258235A (ja) * 1991-02-06 1992-09-14 Nishi Nippon Tokushu Kogyosho:Kk 二枚貝の養殖方法
JPH0819348A (ja) * 1992-03-19 1996-01-23 Narasaki Seisakusho:Kk 耳吊り養殖の付着生物除去装置
JPH1066905A (ja) * 1996-08-29 1998-03-10 Nippon Sanso Kk ショット材ブラスト装置
JPH10202210A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Fuji Xerox Co Ltd リサイクル部品の洗浄システム
JP2000042505A (ja) * 1998-07-30 2000-02-15 Toshiba Corp タービン翼の洗浄方法および装置
JP2003001209A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Sanwa:Kk コンテナ内の付着物を剥離するドライアイス洗浄システム
JP2004008209A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Okidate Tekko Kk 耳吊り養殖ホタテ貝類貝殻表面洗浄方法及び洗浄装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108843266A (zh) * 2018-07-19 2018-11-20 北京泰利新能源科技发展有限公司 一种钻井打捞器及方法
CN108843266B (zh) * 2018-07-19 2023-09-26 北京泰利新能源科技发展有限公司 一种钻井打捞器及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5566084B2 (ja) 2014-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN208807406U (zh) 一种养殖工船养殖舱内清洗和吸污系统
DK201900946A1 (da) Apparatus for removal and collection of fouling from a dived structure and a method for using the apparatus
CN105966577A (zh) 一种渔业用多功能水下作业装置
CN104542512A (zh) 一种渔船捕鱼装置
CN203788906U (zh) 一种贻贝摘除装置
JP4849840B2 (ja) 多目的漁礁ブロック
JP5566084B2 (ja) 養殖ホタテ貝の付着生物除去方法及び除去装置
KR101544708B1 (ko) 부력기능을 구비한 양식장 프레임을 이용한 해저양식 시스템
JP3157283U (ja) 魚介藻類育成用収容体
JP2015139395A (ja) 養殖物引上げ方法、養殖物洗浄方法、養殖物引上げガイド、養殖物洗浄装置
CN104604431A (zh) 一种收获船
JP6333671B2 (ja) 養殖籠洗浄装置及び養殖籠洗浄方法
JP2008092839A (ja) ポリプの死滅方法
CN204681899U (zh) 一种收获船的送料装置
WO2015026238A1 (en) Cleaning device for cleaning a lengthy object and method for use of the cleaning device
JP6042122B2 (ja) 岩牡蠣養殖方法
JP2011019494A (ja) 養殖貝の洗浄装置
JPH1084816A (ja) 底棲生物の捕獲装置
JP4391359B2 (ja) 貝類洗浄装置とそれに用いる洗浄部
NL2031378A (en) Mounting structure for net cover for fish suction raft of aquaculture vessel
CN209390765U (zh) 红树植株防除藤壶包裹装置
JP2563228B2 (ja) 耳吊り養殖の付着生物除去装置
JP2022071792A (ja) 養殖籠の洗浄装置
KR101179294B1 (ko) 치패 살포장치
JP2002059088A (ja) 帆立て貝洗浄機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5566084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees