JP2008092839A - ポリプの死滅方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラゲのポリプをその実際の着生場所で空気に暴露することによって効果的に死滅させるための好適な方法を提供する。
【解決手段】 クラゲのポリプが着生している、海面上に存在する構造物の下面の海水接触領域において空気を滞留させることによってポリプを死滅させることを特徴とする方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はクラゲの着生世代であるポリプをその着生場所で空気に暴露させることによって簡単かつ効果的に死滅させる方法に関する。
クラゲは、刺胞動物(あるいは腔腸動物)に属する動物である。傘径が十数cm以上に成長する比較的大型のクラゲの多く、例えばミズクラゲは、一生の中で浮遊クラゲ世代と着生ポリプ世代を交代することが知られている。その生活史の概略は以下の通りである(図10参照)。すなわち、クラゲの受精卵が発生して繊毛の生えたほぼ球状のプラヌラ幼生となり、これが適切な基盤に着生変態してポリプとなる。ポリプは分裂・出芽等により無性的に増殖し、コロニーを形成する。これらのポリプは水温低下等の条件によって体部に多数の横くびれが生じ横分体(ストロビラ)を形成する。この横分体の一つ一つのくびれがくびれきれることによって多数のエフィラ幼生が無性的に遊離し遊泳を開始する。このエフィラ幼生は遊泳生活中に胃水管系や触手を生じ、寒天層が発達して変態・成長しクラゲ成体となる。
これらのクラゲ成体は火力発電所、原子力発電所等の海水利用プラントの取水口付近にしばしば大量に来襲し、海水利用プラントの海水取水を妨げる。かかるクラゲ成体の大量来襲による海水の取水障害は機器の性能低下、発電出力の低下、取水および発電停止等の極めて深刻な被害をもたらす。また、クラゲ成体は漁業施設にもしばしば大量に来襲する。この場合、クラゲ成体は定置網等の漁網に入り込み、漁網中の魚類の窒息、死亡、品質低下および漁網破損等の被害を発生させる。
このようなクラゲ成体大量来襲による被害への対策として、現在、クラゲ成体出現状況の監視、海水取水口前面でのクラゲ成体防止網の設置、船舶・人手やスクリーンによるクラゲ成体回収、クラゲ成体来襲予知による対策の早期化等の様々な対策がなされている。しかし、これらの対策は全てクラゲ成体に対する対策であり、クラゲ成体の発生源であるポリプに対しては何ら対策がとられていないのが現状である。
一方、クラゲの着生世代であるポリプの再生力は極めて強いことが知られている。従って、ポリプを死滅させる場合、十分にポリプ組織・細胞を死滅させない限りポリプからのクラゲ成体の発生を完全に防止することは困難であると考えられる。
この点について、本発明者らは特許文献1において、ポリプを塩分濃度5‰以下の水、空気、又は50℃以上の高温水に暴露することによりポリプを効果的に死滅させる方法を提案した。しかしながら、これらの方法は、実験室のシャーレ内のポリプに対する有効性を確認したにすぎず、これらの方法をポリプの実際の着生場所で実施する場合にどのような実施態様がポリプの死滅効果、実施の容易性、経済性の点で優れているかについて未だ検討がなされていない。
特開2004−275028号公報
本発明はかかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的はクラゲのポリプをその実際の着生場所で空気に暴露することによって効果的に死滅させるための好適な方法を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために、特許文献1において提案した三つの方法(塩分濃度5‰以下の水への暴露、空気への暴露、又は50℃以上の高温水への暴露)の実用性について鋭意検討した結果、実施容易性及び経済性の観点からポリプを空気に暴露させる方法が最も優れていることを見出した。
一方、ポリプの野生状態での着生状況について調査を進めたところ、ポリプは野生状態では浮き桟橋や防波堤のオーバーハング等の海面上に存在する構造物の下面の海水接触領域に多く着生していることが明らかになった。そして、このような着生場所でポリプを採取することなくその着生状態のままで空気に暴露させる方法について鋭意検討した結果、ポリプが着生している海水接触領域において空気を滞留させることによってポリプが効果的に死滅することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、クラゲのポリプが着生している、海面上に存在する構造物の下面の海水接触領域において空気を滞留させることによってポリプを死滅させることを特徴とする方法である。
本発明の一つの好ましい実施態様によれば、空気の滞留は、ポリプが着生している海水接触領域を好ましくは木材から構成される下方壁部材で包囲し、その包囲された領域に向けて空気を送出することによって行われる。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、ポリプが着生している海水接触領域が、フジツボ類からなる基底層と、その上に付着した貝類からなる表面層とからなる場合において、空気の滞留は、ポリプが着生している海水接触領域から表面層のみを除去し、その基底層が露出された領域に向けて空気を送出することによって行われる。
本発明の特に好ましい実施態様によれば、空気の滞留は少なくとも3週間常時行われ、ポリプが着生している海水接触領域は、浮き桟橋の下面又は防波堤のオーバーハングの下面である。
本発明の方法によれば、クラゲのポリプの着生場所で空気を長期間滞留させた状態にさせることができるので、簡単かつ経済的な方法でポリプを効果的に死滅させることができる。従って、本発明の方法を利用すれば、ポリプの駆除を効果的に達成することができ、結果としてポリプの成体であるクラゲの発生、さらにはクラゲの海水利用プラントへの来襲を効果的に防止することができる。
本発明は、クラゲの着生世代であるポリプを空気に暴露させることによって簡単かつ効果的に死滅させる方法であり、具体的にはクラゲのポリプを採取して陸上の空気に暴露させるのではなく、ポリプの海中の着生場所で空気を滞留させることによって簡単かつ効果的にポリプを死滅させることを特徴とする。
本発明の方法が行われる場所は、海面上に存在する構造物の下面の海水接触領域であり、例えば浮き桟橋の下面や防波堤のオーバーハングの下面などであることができる。これらの場所は、波が比較的穏やかであるため、クラゲのポリプが着生しやすいことが判明している。従って、これらの場所のポリプを死滅させることができれば、クラゲ成体の発生を簡単かつ効果的に抑制することができる。また、本発明の方法は、ポリプをこれらの着生場所から採取して陸上に放置して空気に暴露するのではなく、着生場所でそのまま空気に暴露させることを特徴とする。ポリプは構造物の下面に直接着生していることもあるが、多くの場合、これらの場所にはフジツボ類や貝類が付着しており、ポリプはそのフジツボ類の殻の表面、またはこのフジツボ類の上に付着されるムラサキイガイやカキなどの貝類の殻の表面に着生している。従って、もしポリプをその着生場所から採取しようとすれば、フジツボ類ごと構造物の下面から引きはがさなければならず、これは極めて困難な作業である。また、フジツボ類の引きはがし作業の際にポリプが破壊されて飛散する可能性があり、このポリプの断片を回収しないと、ポリプが再生される恐れがある。
本発明の方法においては、ポリプの空気への暴露は、ポリプの着生場所で空気を滞留させることによって行われる。ポリプは生命力が強く、空気に短時間暴露させるだけでは死滅せず、一定期間以上、空気に暴露させなければ死滅しない。そこで、本発明の方法では、海面上に存在する構造物の下面に着生するというポリプの性質に着目して、ポリプの着生場所に空気を滞留させることによって、ポリプを着生場所のまま長時間空気に暴露させることができるようにしている。
空気を滞留させる方法は、ポリプの着生場所で空気が留まり、ポリプが空気に長期間暴露される状態が作られる限り、いかなる方法も採用しうるが、例えばポリプの着生場所の下方から空気を送出し、この空気が着生場所から水平方向に逃げないような状態を作ることによって実行することができる。空気の送出は従来公知の加圧式エアポンプを用いてポリプの着生場所の下方から空気を発生させることによって実行することができる。ポリプ着生場所の下方から送出された空気は、海水より比重が小さいため海面に向かって上昇するが、海面上には構造物が存在するため、空気は上昇を遮られ構造物の下面に一時的に滞留する。しかし、空気はその場所からすぐに水平方向に逃げてしまうので、この滞留状態を維持するためには空気の水平方向の移動を妨げるようにしなければならない。
空気が着生場所から水平方向に逃げないようにする方法としては、ポリプの着生場所の周囲を下方に突出する壁部材で包囲して、空気の水平方向への移動を制限することによって実行することができる。下方壁部材は、プラスチック、木材、金属などを使って構成しうるが、浮力を有し構造物の下面に自然に密着する木材を使用することが好ましい。空気の水平方向の移動を確実に防止するためには、下方壁部材を水中ボンド等により構造物の下面に完全に固定することが好ましい。下方壁部材で包囲する面積は特に限定されず、ポリプの着生面積に応じて適宜調節すればよい。例えば浮き桟橋の下面全体にポリプが着生している場合には、浮き桟橋の周囲縁に沿って下方壁部材を設けて浮き桟橋の下面全体を包囲すればよい。
ポリプが着生している構造物の下面には通常、フジツボ類からなる基底層と、その上に付着したムラサキイガイやカキなどの貝類からなる表面層が形成されており、従って、ポリプはこれらのフジツボ類及び貝類の殻の表面に着生していることが一般的である。貝類の殻の先端は、下にあるフジツボ類や貝類の大きさにもよるが、構造物の下面から通常約7cmほど離れている。従って、ポリプを空気への暴露によって死滅させるにはポリプが着生しうる貝類の殻の先端まで空気を滞留させることが必要である。具体的には、上述の下方壁部材等の垂直長さを調整して、構造物の下面の滞留される空気の厚さを7cm以上、特に9cm以上とすることが好ましい。
また、構造物の下面が上述のようにフジツボ類からなる基底層と、その上に付着した貝類からなる表面層とからなる場合、空気の滞留は表面層のみを除去して基底層が露出された領域に向けて空気を送出することによって実行することができる。貝類からなる表面層に向けて空気を送出しても空気はそこで留まらないが、フジツボ類からなる基底層はその構造上、ある程度空気の滞留が見込めるため、着生領域を下方壁部材で包囲しなくてもポリプの死滅効果を期待することができる。なお、表面層を除去して基底層のみにしてから下方壁部材を周囲に設置してもよいことは言うまでもない。
本発明の方法の実施にあたっては、火力発電所等の海水利用プラントの取水口に来襲するクラゲの由来するポリプの生息地を予想して、実際に空気の滞留を実施するポリプの生息地付近の海上構造物の下面を決めなければならない。そして、実施場所が決まれば、その構造物の下面の周囲を下方壁部材で包囲した後、下方から空気を送出してポリプ着生領域での空気の滞留を、好ましくは少なくとも常時3週間行うことによってポリプの死滅を達成することができる。なお、実施時期としては、クラゲがミズクラゲである場合、秋の終わりから冬の初めにかけての時期を選択することが好ましい。ミズクラゲのポリプは、水温が15℃以下に低下するとストロビレーションを開始し、エフィラ幼生を遊離し始めることが知られている。また、ミズクラゲの場合、夏から秋にかけて新規プラヌラ幼生が付着して繁殖し、冬になって海水温が低下するとエフィラ幼生を遊離することが知られている。従って、本発明の方法を、秋の終わりから冬の初めにかけてのミズクラゲの新規プラヌラ付着が終了して海水温が15℃以下に低下する直前の時期に実施することにより、ミズクラゲの発生を確実に防止することができる。
以上、本発明によれば、火力発電所等の海水利用プラントに来襲するクラゲのポリプの生息地でポリプを集中的に死滅させることができるので、海水利用プラントへのクラゲの来襲を結果的に効率良く予防することができる。本発明者らの研究によれば、10cmの基盤表面積に着生しているポリプから、およそ1000〜5000個体のエフィラ幼生が遊離し、これらのエフィラ幼生は、およそ半年間で1個体約300g前後のクラゲ成体まで成長することが知られている。従って、本発明によれば、クラゲのポリプに対して水温が低下する直前に常時3週間空気の滞留を行うだけで、次の年の夏のこのポリプからのクラゲの多量発生を効果的に防止することができる。
以下、実施例を示して本発明の方法の有効性を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験場所
日本海沿岸のある漁港の防波堤のオーバーハングの下面の海水接触領域にミズクラゲのポリプが隙間なく密着着生している場所を見出し、ここを試験場所とした。ポリプ着生領域の状態は、防波堤のオーバーハングの下面にサンカクフジツボが隙間なく付着し、その上にムラサキイガイが所々付着し、これらのサンカクフジツボ及びムラサキイガイの殻の表面に隙間なくポリプが着生している状態であった。
試験方法
上記試験場所からほぼ同一のポリプ着生状況の4区画を選択した。そのうち2区画(処理区画1及び2)に木材製の下方壁部材(外寸50cm×50cm、内寸41cm×41cm、厚さ9cm)を水中ボンドで防波堤のオーバーハングの下面に密着するようにそれぞれ固定した。残りの2区画(処理区画3及び未処理区画1)には下方壁部材は設けなかった。
次に、処理区画1〜3に空気を滞留させるため、図1に示すように、試験場所の近くの倉庫にエアポンプを設け、そこからエア配管を伸長させ、図2に示すように、処理区画1及び処理区画2の下方壁部材の内側及び処理区画3の下面に加圧空気が送出されるようにした。処理区画1には断続的に(15分間の空気送出と15分間の空気送出停止の繰返しサイクルを行い、15分間の空気送出停止の間に空気滞留層が徐々に減少し、次の空気送出の直前には空気滞留層が空気送出時の半分の厚さにまで減少するように制御した条件)加圧空気が送出され、処理区画2及び3には常時加圧空気が送出された。用いたエアポンプはアルバック機工(株)製の瑶動ピストン型オイルレスポンプDOP−80SP(最大送気量84l/分、最大加圧0.5MPa)であった。未処理区画1には空気は送出されなかった。
従って、以下の四つの区画が準備された。
未処理区画1:下部壁部材ありの空気滞留を行わない対照区画
処理区画1:下部壁部材ありの断続的空気滞留区画(その試験状況を図3に示す)
処理区画2:下部壁部材ありの常時空気滞留区画(その試験状況を図4に示す)
処理区画3:下方壁部材なしの空気滞留区画(その試験状況を図5に示す)
試験は、11月下旬〜12月中旬の3週間にわたって実施された。試験開始から3週間後、各区画内のポリプ着生状況を潜水観察及び写真撮影により調査した。未処理区画1及び処理区画1〜3のそれぞれの写真を図6〜図9に示す。また、各区画内からムラサキイガイ又はサンカクフジツボをサンプルとして数個体ずつ採取し、実体顕微鏡により殻表面に着生しているポリプの生存状態を観察し、着生ポリプ数を計数し、各区画の平均値を計算した。
試験結果
各区画の着生ポリプ数及びポリプの生存状態をまとめた表を以下に示す。
上記表から明らかな通り、空気滞留を行わなかった未処理区画1のポリプ数は表面層のムラサキイガイで平均779個、基底層のサンカクフジツボで平均387個であったのに対し、断続的に空気を滞留させた処理区画1のポリプ数は表面層で平均26個、基底層で平均0個であり、常時空気を滞留させた処理区画2のポリプ数は表面層で平均2個、基底層で平均0個であった。このことから、ポリプ着生領域に空気を滞留させること、特に常時滞留させることによりポリプを効果的に死滅させることができることが明らかである。
また、下方壁部材なしで空気滞留させた処理区画3のポリプ数は表面層で平均603個、基底層で平均4個であり、これを空気滞留を行わなかった未処理区画1のポリプ数と比較すると、表面層では有意に相違しないが、基底層では下方壁部材なしで空気を滞留させた処理区画3の方が空気滞留を行わなかった対照未処理区画1よりポリプ数が大幅に減少いた。このことから、下方壁部材なしで空気を送出した場合、基底層のポリプは十分死滅するが、表面層のポリプは死滅しにくいことが明らかである。この理由は、下方壁部材なしで加圧空気を送出した場合、空気が水平方向に逃げやすいため、防波堤のオーバーハングの下面に直接付着したフジツボ層までは空気が滞留できポリプが十分空気に暴露されるが、その上のムラサキイガイの層までは滞留しにくく、ポリプが空気に暴露されにくいためであると考えられる。実際、処理区画3を潜水調査したところ、フジツボ層までは空気が滞留するが、ムラサキイガイの層までは空気層が到達せず、ムラサキイガイは海水に接触していることが確認されている(図10参照)。従って、下方壁部材を設けない場合は、フジツボの上に付着したムラサキイガイ等を予め除去しておいてから加圧空気を送出することが望ましいと考えられる。
本発明によれば、クラゲのポリプを浮き桟橋の裏や防波堤のオーバーハングの裏などの実際の着生場所で効果的に死滅させ、クラゲの発生を効果的に防止することができる。従って、本発明は原子力発電所等の海水利用プラントへのクラゲの来襲を防止するのに有効に利用することができる。
エアポンプ設置箇所から処理区画までのエア配管状況の概略を示す図である。 処理区画1〜3のエア配管の概略を示す図である。 処理区画1の試験状況を示す図である。 処理区画2の試験状況を示す図である。 処理区画3の試験状況を示す図である。 未処理区画1の試験結果を示す図である。 処理区画1の試験結果を示す図である。 処理区画2の試験結果を示す図である。 処理区画3の試験結果を示す図である。 ミズクラゲの生活史を示す模式図である。

Claims (6)

  1. クラゲのポリプが着生している、海面上に存在する構造物の下面の海水接触領域において空気を滞留させることによってポリプを死滅させることを特徴とする方法。
  2. 空気の滞留は、ポリプが着生している海水接触領域を下方壁部材で包囲し、その包囲された領域に向けて空気を送出することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 下方壁部材が木材から構成されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. ポリプが着生している海水接触領域が、フジツボ類からなる基底層と、その上に付着した貝類からなる表面層とからなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法において、空気の滞留は、ポリプが着生している海水接触領域から表面層のみを除去し、その基底層が露出された領域に向けて空気を送出することによって行われることを特徴とする方法。
  5. 空気の滞留は少なくとも3週間常時行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ポリプが着生している海水接触領域は、浮き桟橋の下面又は防波堤のオーバーハングの下面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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