JP3157283U - 魚介藻類育成用収容体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本考案は、魚介藻類を育成するために用いられる本体外周部の内側に育成用の場を形成するための内設網体や容器を着脱自在に確実に配設し、生産量を増大させ、育成に関わる所要の作業を効率よく行うことができる、シンプル性、製作容易性、低コスト性、汎用性、安定性、健全育成性、成長促進性、保全性、取扱性、作業性、生産性、耐久性、漁場利用性に優れた魚介藻類育成用収容体の提供。
【解決手段】ロープ体、紐体、網体のいずれかで形成された本体外周部と、その内側に合成樹脂製ロープ体等で環状に形成された係止部材を取付けたことによって、保形部材を備えた内設網体及び/又は硬質性の容器が着脱自在に配設され、本体外周部の上方には吊り手を備えて形成されている。
【選択図】図4

Description

本考案は魚類、貝、ナマコ、ウニ、甲殻類、海藻等を水中で育成する魚介藻類育成用収容体に関する。
魚介藻類をカゴ体や容器で育成する場合に、水中に吊るすか、水底に着地させて設置するか、のいずれかの方法が用いられ、カゴ体は、鉄製線材や鉄骨の枠体と網体が組み合されて角錐形、円柱形、角柱形、直方体形に形成されたものが多く用いられている。
ホタテ用等に普及されている座布団カゴや多段式カゴは、外周や底面等を覆う網製収容部に合成樹脂被覆された鉄製線材枠が配設されたもので、座布団カゴは角錐形の網製収容部の底面に十字型の補強がなされた矩形の鉄製線材枠が配設されて形成されたものが1本の吊りロープで上下に連結されて設置され、多段式カゴは上面と底面が閉塞された筒型の網製収容部に対して、円形や矩形の鉄製線材枠に十字型の補強がなされた枠体に網地が取付けられた仕切りが多段に固定されて育成室が上下に連続されて形成されたものである。
しかし、鉄製線材枠を用いた従来のカゴは時化の際の波浪や潮流によって流失や破損することが多く、2004年1月の低気圧でホタテ養殖施設を中心に100億円規模の流失や破損事故に遭う等、毎年のように被害が続き、北海道や三陸において貝類養殖漁業経営が危機に陥るほどの損害を被ってきた。
座布団カゴや多段式カゴに用いられている鉄製線材枠は合成樹脂が被覆されているが、経時的な腐食が避けられず、耐久性に課題があり、時化による外力や引き上げ作業時に掛かる力によって折れ曲がりやすく破損しやすい。その上、網製収容部の外周や中段仕切りに直接取付けられているために外すことができない構造で、鉄製線材枠の角部や接合部に網製収容部が引っ掛かることや摩耗して破れることもあり、多段式カゴにおいては、ホタテやカキ等の育成目的生物の回収時に、網製収容部を横にして強く振るって側面開閉部から落下させることが行われているが、この時に網製収容部や中間仕切りが破損することが多く、鉄製線材枠が折れ曲がってクセがつくために原形に戻すことが困難になり、鉄製線材枠付きの中間仕切りが直接取付けられているので部分的な交換ができずに廃棄処分されるため、資材コストが嵩み、省資源性に欠けるという課題を有していた。
又、座布団カゴや多段式カゴは育成目的生物保全のために、目合の小さい網地が外周側面や底面全体を覆っているので育成中に付着物が付きやすく、カゴを引き上げて除去する清掃作業が定期的に必要となり、多段式カゴは中間仕切りが取外しできないために付着物の除去作業や洗浄に手間が掛かり、育成目的生物を回収する場合には、各段の育成室毎に設けられた側面開閉部を開いて取出すので多大な手間を要しており、作業時間が長く掛かるために育成目的生物を弱らせて斃死やストレスによる成長不良に至らせるという問題もあり、構造面と鉄製線材枠を用いるという材料面の課題が残されていた。
その上、座布団カゴや多段式カゴは潜砂性貝類やアワビ等を育成するための容器を設置するには不向きな構造で、育成目的生物が限定されるという課題を有していた。
特に、埋立て等による漁場荒廃で近年アサリ、ハマグリ、アカガイ、タイラギ等の資源が激減しており、これら濾過食性二枚貝が果たしてきた海水浄化作用の減少が沿岸海水の汚れと貧酸素化を招いており、これらの二枚貝育成が喫緊の課題であるが、そのためには生産効率が高く扱いやすい育成容器用の設置施設が不可欠でその技術開発が急がれている。
濾過食性二枚貝の内、アサリやハマグリ等は潜砂状での育成が望ましく、開口部に閉塞体としての蓋網が配設された有底の合成樹脂製の容器に砂やアンスラサイト等を入れて海中に吊り下げる方法が採用されているが、容器形状と取扱い面で上下に連続的に設置することが難しいために個々に吊るされて設置され、生産効率と各種作業の効率が低いという課題を有していた。
又、育成目的生物の習性に適応させる目的や、赤潮や水温変動等に対応する目的で下層や水底付近にカゴを設置する場合があるが、座布団カゴや多段式カゴは鉄製線材が折損しやすいという課題があるために、鉄骨製枠体に網体が配設された重い箱型カゴ体が1ケずつ設置されているが、水面から深い階層まで吊り下げる方法では所要の階層に設置することが難しく、引き上げ作業に労力を要し、水底に着地させる方法では泥に埋没して育成目的生物が斃死することや甲殻類等によって食害を受けることが多く、下層や水底近くへの設置に課題が残されていた。
これらの課題を解決するために、(特許文献1)には「耐水被膜が形成された鉄線材から形成され、丸形枠体の接合部分において耐水被覆層を削除し、鉄線材を露出させ、前記鉄線材同士を突き合わせ又は重ね合わせて鉄線材部分を連結管で固定し、該連結管の外周囲を包着管材で覆ったことを特徴とする貝類の円柱型養殖篭の枠体」が開示されている。
(特許文献2)には「複数段に配置された支持枠と、この支持枠の外側に取付けられた網状物から成る外囲と、上記支持枠に取付けられ、上記外囲内に複数段の収納室を形成する網状物から成る棚と、上記外囲の胴部の軸心方向に沿って観音開き式に開閉し得るように形成され、閉じ糸により開放可能に閉じられる養殖対象の投入・排出部と、上記支持枠の外周複数箇所に連結された複数本の吊りロープとを備えた連段養殖かご」が開示されている。
(特許文献3)には「稚貝および砂などが収容された状態で水中に配置され、上部に開口部が形成された略腕状の発泡合成樹脂製の養殖容器本体と、前記養殖容器本体の開口部の周囲を囲繞するように配置され、上部に操作用開口が形成された網状体と、前記網状体に形成された前記操作用開口を開け閉めする細紐と、前記養殖容器本体を上下方向に連結するロープ状の紐体と、を備え、各網状体には前記養殖容器本体の外径と略等しい径の2つのリング状部材に保持されて筒状に拡開した姿勢で前記容器本体の外方に着脱自在に取り付けられ、前記養殖容器本体の外面に鍔部が形成され、この鍔部の下面に移動不能に前記リング状部材の1つが係止され、前記養殖容器本体から下方に吊り下げられるロープ状の紐体の下方端部に、流れ止め用の錘が着脱自在に取り付けられ、前記ロープ状の紐体の上側の端部を手に持って持ち上げたときに、前記網状体における前記2つのリング状部材間が上下方向に引き伸ばされることを特徴とする貝の養殖装置」が開示されている。
(特許文献4)には「アサリ等の潜砂性二枚貝養殖を目的として、容器内に砂や泥と貝を入れて網で覆い、容器と容器の間に筒を入れて間隔を空けるか、容器を隙間なく重ねてトレーに横穴を空けることで水の交換率を上げて砂の流失量を抑えるようにして、海水中に段吊りする養殖方法」が開示されている。
実用新案登録第3131911号 特開2001−120105号 特許第4094015号 特開2008−113649号
しかしながら上記従来の技術は、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)には耐水被膜層が形成された鉄製線材から形成された丸型枠体の接合部分を連結管で固定して該連結管の外周囲を包着管材で覆ったことによって、外囲いの網地が接触した時に自在に滑動し、接合部分への網地の絡みがないとされているが、丸型枠体が鉄製線材で形成され、経時的に腐食すること、外力が掛った時に折り曲がることや破損すること、腐食した部分や枠体の接合部分に収容部の網地が摩耗を受けること等の課題が残されていた。
(2)(特許文献2)には連段養殖かごの網地の外囲の内側に網地の棚が配設された複数の支持枠が取付けられて形成された複数の収納室に対して、外囲の胴部軸心方向に沿って観音開き式の投入・排出部が形成されたことによって投入・排出部が大きく開くことができ、各収納室の貝類等を迅速に投入、排出できるとしているが、当該連段養殖かごの枠体が鉄製線材で形成され、従来の養殖カゴの最大の難点である経時的な腐食、外力によって折れ曲がって破損すること、腐食部分や枠体接合部分に外囲の網体が摩耗を受けること等の課題が残されていた。
(3)(特許文献3)には、略腕状の発泡合成樹脂製の養殖容器本体と、前記養殖容器本体の開口部の周囲を囲繞するように筒状に拡開した姿勢で配置された網状体と、前記養殖容器本体を上下方向に連結するロープ状の紐体とを備えて恒常的に組み合わされた養殖装置が示されているが、育成種によっては、容器での養殖に適したものには網状体は不要で、網状体での養殖に適したものには容器本体は余分になり、必要のない部分にコストが掛かり、潮流や波浪を受け、付着物が付いて影響を受け、除去作業が増える結果になり、低コスト性、管理性に課題を有していた。
又、当該養殖装置は養殖容器を1本のロープ状の紐体で上下に連結するもので、構造的に不安定であるために扱いにくく、船上や養殖用施設などに上げる際には紐体で繋がったまま引き上げるか、連結された部分を切り離して引き上げるかのどちらかの方法で行う必要があり、上下に連結する紐体の部分に掛かる作業が余分になり、クレーンで吊り上げる作業では連結用の紐体が存在するので吊り上げ数に制約を受けて時間がかかり、吊った時に不安定で動揺するために危険性があり、作業性、安全性に問題があった。さらに、養殖容器本体が外面に曝されているので外部の物と衝突して破損するおそれがあり、養殖容器本体が発泡合成樹脂製のために合成樹脂成型品より強度が劣り、容器本体が壊れた時に育成目的生物が逸散する可能性が高く、保全性に課題を残していた。
(4)(特許文献4)には、請求の範囲にも詳細な説明においても容器配設に関する詳細な記載がなく、図と説明によって砂や泥を入れた容器が何らかの手段で配設されて筏に吊られたことが記され、筒を間に入れて重ねた2ケの蓋網付きの容器と、隙間なく多段に重ねられ胴部に通水孔が設けられた蓋網付きの容器が示されているが、筒を容器の間に入れて重ねた場合も、隙間なく容器を重ねた場合も、間引きや収穫、容器の清掃や交換の際に、下側にある容器は上側の容器を取り除かないと取出すことができず、配設する際にも手間が掛かり、容器間に隙間がないので水流通が不十分になりやすく、取扱性、健全育成性に課題を有していた。
本考案は上記課題を解決するために、ロープ体や網体で形成されたシンプルな中空状の本体外周部に係止部材を取付けたことによって、内設網体や容器を着脱自在に配設することができ、時化等で破損しにくく、多様な育成目的生物に用いられ、健全で効率的な育成が図れ、育成に関わる各種作業が安全で容易に実施でき、漁場の有効利用が図れ、シンプル性、製作容易性、低コスト性、汎用性、育成健全性、取扱性、作業性、保全性、耐久性、漁場利用性に優れた魚介藻類育成用収容体の提供を目的とする。
上記従来の課題を解決するために本考案の魚介藻類育成用収容体は以下の構成を有している。
本考案の請求項1に記載の魚介藻類育成用収容体は、(a)ロープ体、紐体、網体の内いずれか1以上で形成された中空状の本体外周部と、(b)前記本体外周部に配設された環状の係止部材と、(c)前記係止部材に着脱自在に配設され、環状の保形部材を備えている内設網体及び/又は硬質性の容器と、(d)前記本体外周部の上方に配設された吊り手と、を備えた構成を有している。
この構成により以下のような作用を有する。
(1)本体外周部がシンプルで容易に製作でき、係止部材を配設することによって内設網体や容器を確実に着脱自在に配設することができ、内設網体や容器が本体外周部や係止部材によって保護され、本体外周部の形状が安定するので安全で、扱いやすく、設置や引上げ作業を速やかに行うことができ、間引きや収穫時、内設網体や容器が汚れた時や破損した場合において、育成目的生物の回収や内設網体、容器の交換が短時間で行うことができ、育成目的生物の斃死やストレスによる成長不良を防ぐことができ、シンプル性、製作容易性、保全性、安全性、取扱性、作業性に優れる。
(2)1つの本体外周部に内設網体や容器を所定間隔で複数配設することができ、これによって、育成目的生物の健全育成と成長促進が図れ、多様な育成目的生物や漁場において適用でき、漁場の有効利用が図れ、生産効率と育成に関わる作業効率が向上し、健全育成性、成長促進性、汎用性、漁場利用性、生産性、作業性に優れる。
ここで、本体外周部は、天然繊維製や、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の強度、耐久性、取扱性に優れたロープ体や紐体又は網体で形成され、環状に形成した横索に対して縦索を配列したものや、菱目に編みながら筒状に形成したもの、有結節網、無結節網、ラッセル網の既成網地等を用いて両側部を接合することによって筒状に形成したもの等が用いられ、ロープ体や紐体で形成する場合は、予め上下に切り離せるように外周部単体を形成した上で所要数連結して本体外周部を構成することもでき、既成網地で形成する場合は両側の接合部を育成目的生物等の出し入れ用開閉部を兼ねて形成することによって製作コストが軽減できる。
本体外周部は、内設網体や容器に閉塞体を取付けて食害防止を講じる場合は、横索や縦索の間隔や網目を大きくすることができ、内設網体や容器に閉塞体を取付けない場合は、本体外周部自体で外敵の侵入を防ぐ必要があるので比較的小さい目合が必要となる。
係止部材としては、強度、耐久性が優れたものが望ましく、用途によって形状保持性を有するもの、柔軟性を有するものが選択され、合成樹脂被覆の鉄製線材、ロープ体、合成ゴム等を用いることができる。この内、鉄製線材は形状保持性に優れ、製作が簡便で量産によって安価に製作することができ、ロープ体は大きな外力を受けても破損しにくく、折れクセがつかないという優れた特長を有し、材料、製法、加工の追究で所望の形状保持性や柔軟性を得ることができ、ヤング率の高い材料で形成した三つ撚り硬打ちロープは形状保持性が得られ、クロスロープや撚り度を低くした三つ撚りロープは適度な柔軟性が得られる。
係止部材は、1つでも取付けできるが、予め定めた間隔で本体外周部に複数取付けて内設網体や容器を所定間隔で複数配設することができる。それによって、内設網体や容器の間に適度な間隙が形成されるとともに、内設網体や容器が係止部材を介して配設されるので緩衝作用が働き、育成目的生物のストレスが軽減されて健全な育成が図れ、複数の内設網体や容器を一つの本体外周部内に配設するので、内設網体や容器、及び育成目的生物が保全され、生産効率及び作業効率が向上する。
尚、係止部材は本体外周部の外側に取付けることもできるが、本体外周部の内側に取付けるのが望ましく、横索と縦索によって本体外周部を構成する場合は横索と係止部材を兼ねて形成することができる。
保形部材として、合成樹脂被覆の鉄製線材や、ヤング率が高い材料で形状保持性を有して形成された三つ撚り硬打ちロープ体を用いることができ、環状の外側部材の内側に環状の内側部材や十字状の補強部材を配設したもの等が用途に応じて選択される。
保形部材を利用して内設網体を配設する場合は、保形部材を係止部材より大きく形成し、本体外周部と係止部材の間に嵌め込むことによって外れにくくなり、本体外周部が外側から保形部材を抑えるので不意の外力が掛かっても内設網体が外れないように安定した状態で取付けでき、所要時には容易に取外すことができる。
容器を配設する場合は、本体外周部に取付けられた係止部材に対して、容器の胴部下方から嵌入させて開口部周縁に形成されている凸状や鍔状の張出し部の下側に達するようにして胴部上方まで嵌め込むことによって確実に配設でき、本体外周部が張出し部を外側から抑えるので不意の外力で外れないように取付けでき、所要時には容易に取外すことができる。このように、係止部材を用いたことによって内設網体や容器の配設を容易且つ確実に行うことができ、内設網体や容器が係止部材で保護されるので破損しにくくなる。
容器は、角型コンテナ、円形のカゴ型、盥型、碗型、桶型等の多様な形状の容器が配設でき、開口部外周に凸状や鍔状の張出し部を備えたものを配設するのに好適で、張出し部は蓋網等の閉塞体を取付ける際にも利用できる。尚、水密性容器の場合は所要部位に穿孔して水面上に引き上げる時に排水させることによって負荷を軽減することができる。
内設網体や容器を配設する際に、本体外周部の所要位置に内設網体や容器を上から抑えるための部材を配設して随時使用することによって固定が強化され、網製や硬質性の閉塞体を配設する時の固定にも利用できる。又、係止部材が当接する容器の胴部や張出し部に穿孔して取付け紐で厳重に固定することもできる。
上記構成によって、魚介藻類育成用収容体を水面上に引き上げた時に本体外周部の一角を引き上げて、配設されている容器を傾けて水や砂等を排出しながら引き上げることや、本体外周部を横や逆さにして育成目的生物を内設網体や容器から排出することもでき、間引きや収穫、本体外周部、内設網体、容器の交換等の作業を速やかに行うことができ、それによって作業による育成目的生物の斃死や成長不良を防ぐことができる。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の魚介藻類育成用収容体であって、前記係止部材が合成樹脂製ロープ体で形成されている構成を有している。
この構成により請求項1に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)合成樹脂製ロープ体の係止部材は、材料、製法、加工の選択によって所望の形状保持性や柔軟性を有して形成することができ、環状に形成することや本体外周部に取付けることが容易で、内設網体や容器を配設した時に適度な摩擦を生じさせるように形成することができ、これによって確実に取付けでき、所要時には速やかに取外すことができ、破損しにくく、腐食せず、本体外周部、内設網体、容器を保護する作用を有し、製作容易性、取扱性、耐久性、保全性に優れる。
ここで、合成樹脂製ロープ体の係止部材は、環状に形成する際の熱溶着加工による端末接続が容易で強固に仕上がり、本体外周部に容易に取付けでき、適度な形状保持性や柔軟性を付加することによって内設網体や容器が容易且つ確実に取付けでき、破損しにくく、腐食せず長期間使用でき、本体外周部、内設網体、容器を保護する作用を有している。
係止部材として形状保持性が所望される場合は、例えば高い撚度で形成したポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚り硬打ちロープが好適で、柔軟性が所望される場合は、例えば高密度ポリエチレン製クロスロープ、ポリプロピレンスプリットヤーン製クロスロープ、比較的低い撚り度で形成したポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚りロープが好適で、いずれも扱いやすく、容器が配設された状態において適度な摩擦を生じて不意の外力で外れにくいという特長を有する。
クロスロープは本体外周部への取付けにおいて仕立糸をロープ外側に露出させずに仕上げることができ、使用中に最も破損しやすい仕立糸が保護されるので長期に使用できる利点を有する。
尚、係止部材としてのロープ体は直径6mm〜24mmのものが好ましい。直径が6mmより細くなるにつれて係止作用や強度が不十分になる傾向があり、直径が24mmより太くなるにつれて嵩張るようになって扱いにくくなる傾向があり、いずれも好ましくない。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の魚介藻類育成用収容体であって、前記内設網体や前記容器の開口部に配設された閉塞体を備えた構成を有している。
この構成により請求項1又は2に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)閉塞体によって育成目的生物が保全され、本体外周部の横索、縦索の間隔や網目を大きくして一層シンプルに形成することができ、本体外周部の製作が容易で製作コストが軽減でき、閉塞体が取付けられた複数の内設網体や容器が本体外周部の内側に配設されるので外部の物との衝突等から守ることができ、1つの本体外周部で安全且つ容易に扱うことができ、閉塞体の着脱、育成目的生物の間引き、内設網体や容器の交換等を速やかに行うことができ、シンプル性、製作容易性、低コスト性、保全性、安全性、生産性、取扱性、作業性に優れる。
(2)立体状の閉塞体を用いることによって、内設網体に育成空間を形成することや容器内部と一体となる空間を広げることができ、生産量増大を図ることができ、例えば立体状網体やザル状容器を閉塞体として用いて水交換や糞等の排出を促進することや、水密性材料製の閉塞体を用いてシェルターを兼ねることができ、これによって、多様な育成目的生物を育成することができ、健全な育成と成長促進が図れ、生産性、汎用性、健全育成性、成長促進性に優れる。
ここで、従来の閉塞体が配設された容器を1つずつ吊り下げたものは生産性、保全性に課題があり、特許4094015号公報に示されたような容器を1本の紐体で上下に複数連結したものは不安定で扱いにくく、吊り上げた時に動揺するので危険でもあり、取扱性、安定性、安全性に課題があった。
本考案によると、閉塞体が配設された内設網体や容器を本体外周部の内側に配設するので閉塞体、内設網体、容器が保護され、閉塞体が配設された複数の内設網体や容器を1つの本体外周部で安全且つ容易に扱うことができる。
閉塞体は、網体、シート体、プラスチック製の蓋、容器状の成型体等によって内設網体や容器の開口部を覆って取付けられ、育成目的生物が保全され、立体状のものは内設網体や容器と一体となって容積を増大し、容器本体と異なる機能を付加することができる。
閉塞体を内設網体に配設する場合は、内設網体に配設されている保形部材を利用することによって容易に配設することができ、閉塞体を容器に取付ける場合は、軟質性閉塞体の周縁に配設したロープ体等の周縁部材を容器の張出し部の下に嵌め込む方法や、硬質性閉塞体を容器に嵌合させる方法等によって取付けることができる。
請求項4に記載の考案は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の魚介藻類育成用収容体であって、形状保持性を有し、前記本体外周部の上端周縁及び/又は下端周縁に配設された環状の補強部材を備えている構成を有している。
この構成により請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)最も外力を受けやすい本体外周部の上端周縁や下端周縁が保護されるとともに形状が安定するために本体外周部が扱いやすく、網目が小さく形成された本体外周部において、育成目的生物の間引き、内設網体や容器の交換等を速やかに行うことができ、これらの作業による育成目的生物の斃死や成長不良を防ぐことができ、保全性、安定性、取扱性、作業性に優れる。
ここで、補強部材は所要の形状保持性を有するもので、強度、耐久性に優れたものが望ましく、補強部材を本体外周部の上端周縁及び/又は下端周縁に配設することによって最も強い外力を受ける部分が補強されるとともに扱いやすくなり、目合の小さい網体で形成された本体外周部においては補強部材の内側に網体の巾着開閉式閉塞部を配設することが容易で、内設網体、容器、育成目的生物の出し入れを速やかに行うことができる。
補強部材として、合成樹脂被覆された鉄製線材、鉄製棒状体、合成樹脂棒状体、ロープ体等を用いることができ、中でも合成樹脂製ロープ体は材料、製法、加工の追究で所要の形状保持性を得ることができ、腐食せず、強度、耐久性、取扱性に優れているので好適に用いられる。
請求項5に記載の考案は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の魚介藻類育成用収容体であって、前記本体外周部の下方に配設された下部吊り手と、前記吊り手に配設された浮上用フロートと、を備えている構成を有している。
この構成により請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)水底の固定部を基準にして設置される固定部直結方式や引き込み方式等によって、魚介藻類育成用収容体を下層や水底付近に容易に設置することができ、それによって、時化による流失や破損を防ぐことや付着物を減らすことができ、吹かれや動揺、赤潮、水温変動から守ることができ、下層や水底付近での育成に適した育成目的生物を健全且つ効率的に育成することができ、引き上げ作業が容易で、機能性、保全性、汎用性、健全育成性、生産性、作業性に優れる。
(2)魚介藻類育成用収容体を水底付近に設置する場合に確実に水底から離して設置することができ、埋没や甲殻類等からの食害を防ぐことができ、保全性に優れる。
ここで、座布団カゴや多段式カゴは、水面付近のフロートで設置される延縄式施設や筏から吊り綱で垂下させる吊り下げ方式によって表層や中層以浅に設置されており、波浪や潮流による吹かれや動揺、赤潮、水温変動、付着物の影響や被害を受けていた。
又、下層付近に設置するための箱型カゴ体の多くは水底に着地させていたが、水底付近の甲殻類の食害や埋没によって育成目的生物が斃死する事故や成長不良に至る事例があった。
本考案の魚介藻類育成用収容体は、吊り下げ方式はもとより、水底の固定部に下部吊り手を連結する固定部直結方式や、下部吊り手に係留索を接続して固定部に取付けられた滑車を介して水面の引き込み用フロートに連結する引き込み方式に適用でき、下層や水底付近において確実に着底させずに設置することができ、時化による流失や破損を防ぎ、付着物を減らすことができ、表層ほど影響を受けやすい、吹かれ、動揺、赤潮、水温変動から守ることができ、魚介藻類育成用収容体と育成目的生物が保全される。
固定部直結方式は、作業船が固定部を吊れる場合は、船上で設置した固定部ごと吊り下げて設置し、所要時に固定部ごと吊り上げる方法が用いられ、固定部が吊れない場合はダイバーによる作業を要し、固定部に魚介藻類育成用収容体を引き込んで下部吊り手を連結し、連結部を切り離すことによって浮上させる方法が採用される。
実登3150432号に示されている引き込み方式は、水底の固定部に取付けられた滑車を介して水面に設置された引き込み用フロートに連結して所要階層に引き込むもので、係留索を引き込み用フロートから取外して繰出し索を送り込むだけで魚介藻類育成用収容体を浮上させることができ、これらの作業において潜水作業を一切要しないという特長を有する。
尚、引き込み用フロートの代わりに既存の養殖用の筏を利用することができ、筏の周囲に水底の固定部と滑車を組み合わせて複数設置して各々に魚介藻類育成用収容体を取付け、所要時に筏上に引き上げて各種作業を行うこともでき、漁場利用性、作業性を高めることができる。
本考案の魚介藻類育成用収容体によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の考案によれば以下の効果を有する。
(1)シンプルな構造の本体外周部に係止部材を配設することによって、内設網体や容器を着脱自在に確実に安定した状態で配設することができ、設置や引上げ作業を安全で速やかに行うことができ、間引きや収穫、内設網体や容器が汚れた時や破損した場合において、育成目的生物の回収や内設網体、容器の交換が短時間で行うことができ、育成目的生物の斃死や成長不良を防ぐことができ、シンプル性、製作容易性、安全性、保全性、取扱性、作業性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
(2)本体外周部に内設網体や容器を所定間隔で安定した状態で複数配設することができ、健全育成と成長促進が図れ、多様な育成目的生物や漁場において適用でき、生産と作業の効率が向上し、健全育成性、成長促進性、汎用性、漁場利用性、生産性、作業性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
請求項2に記載の考案によれば請求項1に記載の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)係止部材として、容易に所望の形状保持性や柔軟性を有して環状に形成することができ、本体外周部への取付けが容易で、破損しにくく腐食せず、内設網体や容器との間に適度な摩擦が生じるために確実に取付けて速やかに取外すことができ、内設網体や容器が保護され、製作容易性、取扱性、耐久性、保全性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
請求項3に記載の考案によれば請求項1又は2に記載の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)閉塞体によって育成目的生物が保全され、本体外周部をごくシンプルに形成することができ、製作が容易でコストが削減でき、付着物が少なく、閉塞体が取付けられた内設網体や容器を複数配設することができ、閉塞体、内設網体、容器が保全され、安全で、扱いやすく、閉塞体の着脱、間引き、容器交換等を速やかに行うことができ、シンプル性、製作容易性、低コスト性、保全性、安全性、取扱性、作業性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
(2)立体状の閉塞体を用いることによって、育成空間の形成や増大によって生産増大を図ることができ、立体状網体、メッシュ状容器、水密性容器等を用いて通水、排出の促進や隠れる場所を形成することができ、多様な育成目的生物が育成でき、健全な育成と成長促進が図れ、生産性、汎用性、健全育成性、成長促進性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
請求項4に記載の考案によれば請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)本体外周部の上端周縁や下端周縁が保護されるとともに形状が安定するために本体外周部が扱いやすく、網目が小さく形成された本体外周部において、間引きや内設網体、容器の交換等の作業を速やかに行うことができ、作業による育成目的生物の斃死や成長不良を防ぐことができ、保全性、安定性、取扱性、作業性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
請求項5に記載の考案によれば請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)下層や水底付近に容易に設置することができ、それによって時化による破損や流失を防ぎ、付着物を減らすことができ、吹かれや動揺、赤潮、水温変動から育成目的生物を守ることができ、下層や水底付近での育成に適した育成目的生物を効率的に育成することができ、引き上げ作業が容易で、機能性、保全性、汎用性、健全育成性、生産性、作業性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
(2)確実に水底から離して水底付近に設置することができ、埋没や甲殻類等からの食害を防ぐことができ、保全性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供することができる。
実施の形態1における魚介藻類育成用収容体の斜視図 実施の形態1における魚介藻類育成用収容体の要部断面摸式図 実施の形態2における魚介藻類育成用収容体の斜視図 実施の形態3における魚介藻類育成用収容体の斜視図 実施の形態4における魚介藻類育成用収容体の斜視図 実施の形態5における魚介藻類育成用収容体の斜視図 実施の形態6における魚介藻類育成用収容体の使用状態を示す側面図
(実施の形態1)
本考案の実施の形態1における魚介藻類育成用収容体について、以下図面を参照しながら説明する。
図1は実施の形態1における魚介藻類育成用収容体の斜視図、図2は実施の形態1における魚介藻類育成用収容体の要部断面摸式図である。尚、図1は表示の都合で一部が省略されている。
図1、図2中、1は実施の形態1の魚介藻類育成用収容体、2は後述の横索2Aと縦索2Bによって形成された中空状の本体外周部、2Aは合成樹脂製ロープ体で環状に形成され複数段に各々水平状に配設された本体外周部2の横索、2Bは合成樹脂製ロープ体で形成され横索2Aに対して垂直状に配設された本体外周部2の4本の縦索、3は形状保持性を有する合成樹脂製ロープ体で円形環状に形成され本体外周部2の高さ方向に複数配設され後述の内設網体4の上端側周縁部(上部保形部材5)が係止される係止部材、3Aは係止部材3の接続部、4は本体外周部2と係止部材3に対して配設された育成目的生物を収容するための円筒形の内設網体、4Aは内設網体4の胴網、4Bは内設網体4の閉塞体としての巾着開閉式の蓋網、4Cは内設網体4の巾着開閉式の底網、4Dは蓋網4B,底網4Cの閉じ紐、5は内設網体4に取付けられた円形環状の上部保形部材、6は内設網体4に取付けられた円形環状の下部保形部材、7は内設網体4の内部空間である育成室、8はロープ体が本体外周部2の上方に配設された吊り手、9は本体外周部2の下部に配設された下部吊り手、10は水中でのバランスをとるために下部吊り手9に取付けられた錘である。
図1には、本体外周部2の内側周縁に係止部材3が複数段に取付けられ、本体外周部2と係止部材3に対して、上部保形部材5が係止されて円筒形の内設網体4が配設され、吊り手8によって吊られた状態の魚介藻類育成用収容体1が示され、図2には、最下段の内設網体4において上部保形部材5が本体外周部の縦索2Bと係止部材3の間に嵌め込まれて配設された状態が示されている。
本体外周部2の横索2A,縦索2Bは、ともに直径6〜16mmのポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚りロープ体で形成し、撚り度を高くして硬く形成した横索2Aを配設される内設網体4と同数配列し、合計4本の縦索2Bを横索2Aのストランド間に順次挿通した。これによって、所要時に一定の力を加えることによって横索2Aを縦索2Bに対して上下に滑動させることができる。尚、吊り手8,下部吊り手9は縦索2Bを延設して一体に形成した。
本体外周部2は非常にシンプルに構成され、内設網体4は本体外周部2の内側に所定間隔で配設されているので扱いやすく、船上引き上げ等の各種作業が容易で速やかに行うことができる。尚、本体外周部の形成において、横索2Aを配設せずに係止部材3を以て横索を兼ねることができる。その場合には係止部材3は縦索2Bに対して滑動させないように仕立糸を用いて確実に固定する。
係止部材3は、所要の形状保持性を得るために高い撚り度で製作した直径12〜18mmのポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚硬打ちロープ(破断荷重20〜44kN)に熱処理を施し、所要寸法に切断して、両端末を熱溶着加工で接続して環状にして接続部3Aに熱収縮チューブ被覆加工を施して形成し、本体外周部2の内側に所定間隔で仕立糸を用いて取付けた。
係止部材3は比重が約0.9と軽く、強度が高く耐衝撃性に優れ、外力で破損しにくく、腐食せず、横索2Aを補佐して本体外周部2を補強するとともに形状を安定させ、内設網体4への緩衝作用を有し、育成目的生物のストレス軽減が図れる。尚、係止部材として鉄製線材等を用いることもできる。
内設網体4は、菱目の網糸径1.0〜2.4mm、目合10〜30mm角のポリエチレンモノフィラメント有結節網やポリエチレン無結節網で筒型に形成した後に、上下の端末部の網目を各々閉じ紐4Dで集約して巾着開閉式の蓋網4Bと底網4Cを形成し、合成樹脂被覆された鉄製線材8〜10番線で形成された円形環状の上部保形部材5を胴網4Aと蓋網4Bの境界部の外側に取付け、略同様に形成した下部保形部材6を胴網4Aと底網4Cの境界部の内側に取付けた。この内設網体4の内部空間が育成室7となる。
内設網体4の配設は、図2に示されたように、係止部材3より一回り大きく形成した上部保形部材5を本体外周部2の縦索2Bと係止部材3の間に嵌め込んで取付けており、その上、上部保形部材5が浮き上がらないように縦索2Bが4ケ所で抑えているので不意の外力で外れることがなく、確実に固定されている。
さらに、横索2Aは強めの力を加えることによって上下に滑動させることができ、図1の最上段の内設網体4に見られるように、横索2Aを蓋網4Bの所まで押し下げて内設網体4を抑えることができる。これによって、本体外周部2を横や逆さにしても内設網体4が係止部材3から外れず、係止部材3が形状保持性を有するために本体外周部2、内設網体4を変形させずに扱うことができる。
育成目的生物は、図1の最下段の内設網体4に見られるように、開けた状態の蓋網4Bから出し入れすることができ、蓋網4B側の閉じ紐4Dを引き絞ることによって速やかに閉じることができる。
内設網体4の清掃や交換の際には、横索2Aを上方に引き上げて、内設網体4を係止部材3から取外して本体外周部2から取出すことができ、育成目的生物の間引きや収穫時には、蓋網4B、底網4Cの内の所要箇所を随時開放して取出すこともできる。又、全ての蓋網4B,底網4Cを一斉に開放して育成目的生物をまとめて短時間で回収することによって回収作業による斃死や成長不良を防止することもできる。なお、図示していないが従来の多段式カゴに見られるような側部開閉部を各内設網体に設けて育成目的生物を出し入れすることもでき、これらの作業方法を適宜選択することによって所要作業を効率よく速やかに行うことができる。
従来の多段式カゴは育成室が間隙なく上下に連続して形成されているのでストレスを受けやすく、糞や残餌の外部への排出が不十分で下方の育成室に入りやすく、仕切りが固定されていることにより、破損した時に部分的な交換ができなかったが、魚介藻類育成用収容体1は独立した育成室7の間に隙間が存在するので水流通がよく、糞等の影響が小さく、ストレスを抑えることができ、プランクトンや酸素の取込みが十分で、健全な育成と成長促進が図れ、本体外周部2や内設網体4が破損した場合は部分的に交換でき、コスト削減と省資源に寄与することができる。
図示していないが、上部保形部材5、下部保形部材6には十字状の補強材を配設して形状保持性を強化することができ、鉄製線材製の代りに形状保持性を有し耐久性に優れた合成樹脂製ロープ体を用いることもできる。
ここでは、クレーン等を用いる事例として、内設網体4を多数配設した魚介藻類育成用収容体1の設置や引き上げ作業を行う事例を説明したが、本体外周部2に内設網体4を1〜2個配設して、人力で設置作業や引き上げ作業を行うこともできる。
尚、錘10は全体の水中重量を勘案して必要時に取付けることができる。ここでは下部吊り手9に取付けたが、内設網体4の内部に円形環状等に形成した錘を取付けることもできる。
以上のように実施の形態1の魚介藻類育成用収容体は構成されているので、以下の作用が得られる。
(1)本体外周部2は構成が非常にシンプルで、製作が容易で安価に形成され、係止部材3は高強度で耐衝撃性に優れ、本体外周部2に容易に取付けでき、係止部材3を用いたことによって本体外周部2の内側に内設網体4を安定した状態で配設でき、1つの本体外周部2で複数の内設網体4を扱うことができ、生産効率と作業効率向上が図れ、各種の作業を速やかに行うことができ、シンプル性、製作容易性、低コスト性、耐久性、安定性、生産性、作業性に優れる。
(2)独立した育成室7を有する内設網体4が所定間隔で配設されていて、ストレスが軽減され、健全な育成と成長促進が図れ、内設網体4が本体外周部2や係止部材3によって保護されるために時化等の外力で破損しにくく、育成目的生物が保全され、内設網体4が破損した場合には取外して交換することができ、健全育成性、成長促進性、保全性、取扱性、省資源性に優れる。
(3)間引きや収穫、汚れや目合変更又は破損した場合の内設網体4の交換や魚介藻類育成用収容体1の取換において、蓋網4Bや底網4Cを臨機に開いて育成目的生物を取出すことや、まとめて回収することによって作業を速やかに行うことができ、作業における育成目的生物の斃死や成長不良を防ぐことができ、取扱性、作業性、保全性に優れる。
(実施の形態2)
本考案の実施の形態2における魚介藻類育成用収容体について、以下図面を参照しながら説明する。尚、以下において実施の形態1と同じものには同じ符号をつけて説明を省略する。
図3は実施の形態2における魚介藻類育成用収容体の斜視図である。
図3中、11は実施の形態2における魚介藻類育成用収容体、12は後述の横索12Aと縦索12Bによって格子状に形成された中空状の本体外周部、12Aは合成樹脂製ロープ体で環状に形成されて複数段に各々水平状に配設された本体外周部12の横索、12Bは合成樹脂製ロープ体で形成され横索12Aに対して垂直状に配設された本体外周部12の8本の縦索、13は本体外周部12の上部開口部、13Aは本体外周部12の下部開口部、14は形状保持性を有する合成樹脂製ロープ体で矩形環状に形成され上部開口部13,下部開口部13Aの周縁に配設された補強部材、14Aは補強部材14の接続部、15は柔軟性を有する合成樹脂製ロープ体で環状に形成され本体外周部12の高さ方向に複数配設され後述の容器16の張出し部16Bが係止される係止部材、15Aは係止部材15の接続部、16は平面視が矩形のプラスチック製の容器、16Aは容器16の胴部、16Bは容器16の開口部周縁に形成された張出し部、17は容器16の上部開口部に配設された閉塞体としての蓋網、18は本体外周部12の上側の補強部材14にロープ体が配設されて形成された吊り手である。
尚、水中でのバランスをとるために、本体外周部12の下部に、実施の形態1の魚介藻類育成用収容体1と同様に、下部吊り手9を介して錘10を取付けてもよいが、容器16内の育成目的生物が十分な質量を有する場合は、錘10を省略することができる。
図3には、格子状に形成された本体外周部12の上部開口部13,下部開口部13Aの周縁に各々補強部材14が取付けられ、本体外周部12の内側周縁に係止部材15が複数段に取付けられ、それぞれの係止部材15に蓋網17が取付けられた平面視が矩形の容器16が配設され、吊り手18によって吊られた状態の魚介藻類育成用収容体11が示されている。
実施の形態2における魚介藻類育成用収容体11が、実施の形態1の魚介藻類育成用収容体1と異なる点は、上部開口部13,下部開口部13Aに形状保持性を有する補強部材14が取付けられた点と、係止部材15に容器16が配設された点である。
魚介藻類育成用収容体11はアワビ育成用のシェルター等を収容するのに適している平面視が矩形の容器16が配設され、容器16の開口部に閉塞体として蓋網17が配設されている。尚、最下段の容器16は蓋網17が取外されて、開口部周縁や張出し部16Bの形状が示されている。
本体外周部12は、実施の形態1の本体外周部2に準じて、直径6〜16mmのポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚りロープ体を用いて、配設される容器16と同数の横索12Aを配列し、合計8本の縦索12Bを横索12Aのストランド間に順次挿通させて1辺が150〜300mmの網目を有する格子状に形成した。これによって、本体外周部12はシンプルに構成され、所要時に横索12Aに一定の力を加えることによって縦索12Bに対して上下に滑動させることができる.
特許第4094015号公報に示されたような容器を1本の紐体で上下に連結したものは不安定で扱いにくかったが、魚介藻類育成用収容体11は、容器16が本体外周部12の内側に所定間隔で安定した状態で配設されているので扱いやすく、複数の容器16を1つの本体外周部12によって取扱うことができ、設置作業や引上げ作業などの育成に関わる作業の軽減が図れ、容器16が外部の物と衝突することが防止されて容器16や育成目的生物の保全が図れ、本体外周部12を通して蓋網17を取外すことや育成目的生物を出し入れすることが容易且つ速やかに行うことができる。
補強部材14は鉄製の線材、棒状体、中空体を用いて形成することもできるが、ここでは高い撚り度で製作した直径16〜30mmのポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚硬打ちロープ(破断荷重32〜110kN)に熱処理を施して、所要長さに切断し、両端末を熱溶着加工で接続した接続部14Aによって環状に形成し、角部となる部位を屈曲させた後に硬化性樹脂加工を施して、1辺が30〜60cmの矩形に成形した。
係止部材15は、直径12〜20mmの柔軟性を有する高密度ポリエチレンモノフィラメント製クロスロープ(破断荷重16〜40kN)を用いて、容器16の配設時に胴部16Aの上部に合わせた寸法として補強部材14に準じた手順で接続部15Aによって環状に形成し、所定間隔で本体外周部12の内側に仕立糸で取付けた。
蓋網17は所定の材質・網目・寸法の網体にロープ体等の周縁部材を配設して形成し、容器16に育成目的生物等を収容した後に被せて、前記周縁部材を開口部外周に形成された張出し部16Bの下に嵌め込むことによって不意の外力では外れないように確実に取付けできる。尚、所要時には、張出し部16Bの一角で蓋網17の周縁部材を引き離すことによって他の部分も容易に外れるので、速やかに全体を取外すことができ、育成目的生物の出し入れや蓋網17の交換等を速やかに行うことができる。
容器16の配設は、胴部16Aの下方から係止部材15に嵌入させて容器開口部周縁の張出し部16Bの下まで嵌め込むことによって、本体外周部12と係止部材15に対してしっかりと取付けでき、さらに、図2の最上段の容器16に見られるように横索12Aを下方に滑動させて蓋網17の上から容器16を抑えることができる。これによって逆さにしても係止部材15から外れないように確実に固定できる。
間引きや収穫、清掃作業の際には、クレーンやデリックを用いて、図3に示されたように魚介藻類育成用収容体11を船上等で吊った状態で容器16が安定するので安全であり、最下段の容器に見られるように、横索12Aを上方に滑動させた後に蓋17を取外して育成目的生物を回収することができる。
尚、容器16は係止部材15から取外して上部開口部13や下部開口部13Aから取出すことができるが、容器16のサイズや設置場所の気象や海の条件によっては、本体外周部12を構成する縦索12Bを図3のように8本配設せずに、容器16の各辺の中間に配設されるものを状況に応じて適宜削減することによって削減した場所から容器16を取出すこともでき、これによって容器の回収や交換を速やかに行うことができる。
又、ここでは平面視が矩形の比較的浅い容器16を配設した事例を示したが、より深い矩形容器でも同様に配設することができ、平面視が円形のものでも、樽型等の深い容器でも同様に容易に配設することができ、本体外周部12に係止部材15と容器16を多段に配設せずに、係止部材15,容器16を各1乃至2個配設することもできる。
以上のように実施の形態2の魚介藻類育成用収容体は構成されているので、以下の作用が得られる。
(1)容器16に閉塞体としての蓋網17が取付けられて育成目的生物が保全され、本体外周部12はシンプルで網目の大きな格子状に形成することができ、容器16の配設時に横索12Aで蓋網17の上から抑えることができるので係止部材15から外れることなく確実に固定でき、育成目的生物の回収や、容器16の取出しを速やかに行うことができ、間引きや収穫、容器の清掃や交換等の作業が短時間で実施でき、複数の容器16を1つの本体外周部12で扱うことができ、 船上で吊った状態で容器16が安定するので安全であり、育成効率化と作業軽減が図れ、製作容易性、保全性、取扱性、安全性、生産性、作業性に優れる。
(2)補強部材14,係止部材15が、高強度で耐衝撃性に優れ、本体外周部12への取付けが容易で、本体外周部12や容器16が保護され、柔軟性を有する係止部材15が配設されたことによって、平面視が矩形の容器16が容易に配設され、容器16の姿勢が安定し、係止部材15による緩衝作用が働くので育成目的生物のストレスが軽減され、健全な育成と成長促進が図れ、耐久性、保全性、安定性、健全育成性、成長促進性に優れる。
(実施の形態3)
本考案の実施の形態3における魚介藻類育成用収容体について、以下図面を参照しながら説明する。尚、以下において実施の形態1又は2と同じものには同じ符号をつけて説明を省略する。
図4は実施の形態3における魚介藻類育成用収容体の斜視図である。
図4中、21は実施の形態3における魚介藻類育成用収容体、22は後述する4つの外周部単体22aが連結されて構成された中空状の本体外周部、22aは本体外周部22を構成する4つの外周部単体、22Aは合成樹脂製ロープ体で環状に形成され水平状に配設された外周部単体22aの横索、22Bは合成樹脂製ロープ体で形成され横索22Aに対して垂直状に配設された外周部単体22aの4本の縦索、22Cは各々の縦索22Bの上下の端末に円環状に形成された連結アイ、22Dは連結アイ22C同士を固縛する固縛索、23は柔軟性を有する合成樹脂製ロープ体で環状に形成され各外周部単体22aの下部で4本の縦索22Bの内側に取付けられ後述の容器24の張出し部24Bが係止される係止部材、24はプラスチック製ザル状の容器、24Aは容器24の胴部、24Bは容器24の開口部周縁に形成された張出し部、24Cは張出し部24Bに開けられた通し孔、25は容器24の上部開口部に配設された立体状閉塞体としての水密性プラスチック製桶型の蓋、25Aは蓋25の天井に開けられた通水孔、26は合成樹脂製ロープ体が最上段の外周部単体22aの縦索22Bに連結されて配設された吊り手、27は最上段の外周部単体22aの連結アイ22Cと吊り手26の下端部を固縛した固縛索、28は容器24の底部内側に取付けた円形環状の錘である。
図4には、横索22Aと縦索22Bで形成された外周部単体22aが上下に4つ連結されて本体外周部22が構成され、本体外周部22の各段に係止部材23が取付けられ、本体外周部22と係止部材23に対して立体状の蓋25が取付けられた容器24が配設され、蓋25が各々横索22Aで固定され、本体外周部22の上方に取付けられた吊り手26によって吊られた状態の魚介藻類育成用収容体21が示されている。尚、最下段の容器24は蓋25が取外された状態が示されている。
実施の形態3における魚介藻類育成用収容体21が、実施の形態1及び2の魚介藻類育成用収容体1,11と異なる点は、本体外周部22が4つの外周部単体22aで構成されている点と、立体状のプラスチック製桶型の蓋25が取付けられたザル状の容器24が配設された点である。
外周部単体22aは、実施の形態1の本体外周部2に準じて直径6〜16mmのポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚ロープ体を用いて、撚り度を高くして硬く形成した横索22Aのストランド間に縦索22Bを順次挿通させ、縦索22Bの上下の端末に連結アイ22Cを作って形成し、4つの外周部単体22aの連結アイ22C同士を固縛索22Dで連結して本体外周部22を形成した。
係止部材23は、柔軟性を有しロープ体や容器に密着しやすい直径8〜20mmのポリプロピレンスプリットヤーン製クロスロープを用いて、実施の形態2の係止部材15に準じ、容器24の胴部24Aの上部寸法に合わせて環状に形成して、各々本体外周部22の内側に仕立糸で取付けた。
容器24は、係止部材23に対して、胴部24Aの下方から嵌入させて、容器開口部周縁の張出し部24Bの下に嵌め込むことによって不意の外力で外れないように配設した。
蓋25の容器24への取付けにおいて、蓋25の開口部外寸が容器24の開口部内寸より幾分小さいものを用いることによって取付けしやすく、育成目的生物等を収容した後に、蓋25の開口部外周を容器24内に嵌入させた上で、横索22Aを下方に滑動させて蓋25の胴部に嵌め込むことによって、係止部材23と横索22Aによって容器24と蓋25を挟み込むようにして取付けることができ、さらに、縦索22Bが容器24の張出し部24Bと蓋25の胴部を抑えるので容器24と蓋25の間が空かないように強固に固定されている。
間引きや収穫、容器24や蓋25の清掃や交換等の際には、図4の最下段の容器24に見られるように、横索22Aを上方に滑動させて蓋25を取外すことができ、続いて容器24を取外すこともできる。
これによって容器24,立体状の蓋25を所定の間隔で安定させた状態で着脱自在に配設することができ、本体外周部22の所要の部位で外周部単体22aを切り離して容器の数を随時変更することができ、外周部単体22aや容器24が破損した場合には速やかに交換することができる。
容器24に桶型の蓋25が取付けられて容器24と蓋25の内部空間が一体となって容積が拡大され、ザル状の容器24によって水の流通が促進されて糞や残餌等が排出され、水密性の蓋25によってシェルターとしての機能が付加されて健全育成と成長促進が図れる。
尚、容器24と蓋25の張出し部の寸法を同程度にして、容器24に形成されている通し孔24Cと同じ位置に蓋25にも穿孔して双方の通し孔に別体の紐体を挿通して蓋25を固定することができる。その場合は横索22Aで蓋25を抑えなくとも固定できるので横索22Aを配設せずに、係止部材23が横索22Aを兼ねて外周部単体22aを形成することができ、横索兼係止部材に対して縦索22Bを仕立糸で固定する。
本実施の形態3ではザル状の容器24に水密性材料製の蓋25を取付けたが、水密性材料製の容器にザル状の蓋を取付けることや、容器と蓋の両方をザル状又は水密性材料製にすることもできる。また、水密性材料製の容器や蓋の所要部位に通水や排出用に穿孔することもできる。
アワビ等は上方や側方に向かって物に付着する習性があり、蓋25がシェルターの役割を果たすためにアワビ等を付着させた状態で蓋25ごと回収することができ、これによって、育成目的生物の回収や容器24,蓋25の清掃や交換を速やかに行うことができる。
又、蓋25が潮流を受けること及びアワビ等が水密性材料製の蓋25に付着することを考慮して、ここでは個々の容器24の底部に錘28を取付けてバランスをとっている。
これまで、アワビやナマコなどの育成において硬質性の平面状の蓋を取付ける場合は、設置技術面の制約から1本の吊りロープに容器を1ケずつ取付けていたが、本考案によって平面状の蓋はもとより立体状の蓋を取付け場合でも複数の容器を容易に配設することができる。
ここで、実施の形態3では4つの外周部単体22aで本体外周部22を構成して容器24を配設した事例を示したが、外周部単体22aを増してより多くの容器24を配設することもでき、1〜2個の外周部単体22aで本体外周部22を構成して1乃至2個の容器24を配設することもできる。
以上のように実施の形態3の魚介藻類育成用収容体は構成されているので、以下の作用が得ら
れる。
(1)本体外周部22が、外周部単体22aを連結することによって構成され、外周部単体22aの増減によって配設する容器24の数を容易に変更することができ、製作容易性、設置規模や操業方法の自在性に優れる。
(2)硬質性立体状の蓋25が配設された容器24を確実且つ着脱自在に配設することができ、硬質性立体状の蓋25付き容器24を1つの本体外周部22に複数配設して取扱うことができ、容器24,蓋25が保護され、育成目的生物の間引きや収穫、容器24,蓋25の交換等を速やかに行うことができ、作業軽減と育成効率化が図れ、安定性、取扱性、保全性、作業性、生産性に優れる。
(3)立体状の蓋25を用いることによって、育成容積を拡大して生産増大を図ることができ、水密性材料製の蓋25によってシェルターとしての機能が付加され、ザル状の容器24によって水の流通が促進されて糞や残餌等が排出され、生産性、汎用性、健全育成性、成長促進性に優れる。
(実施の形態4)
本考案の実施の形態4における魚介藻類育成用収容体について、以下図面を参照しながら説明する。尚、以下において実施の形態1乃至3と同じものには同じ符号をつけて説明を省略する。
図5は実施の形態4における魚介藻類育成用収容体の斜視図である。
図5中、31は実施の形態4の魚介藻類育成用収容体、32は菱目仕立の網体で中空円筒状に形成された本体外周部、32Aは本体外周部32の長手方向に形成された接合部、33は本体外周部32の上端部に網体で形成された巾着開閉式の上部閉塞部、33Aは本体外周部32の下端部に網体で形成された巾着開閉式の下部閉塞部、33Bは上部閉塞部33,下部閉塞部33Aの閉じ紐、34は形状保持性を有する合成樹脂製ロープ体で円形環状に形成され本体外周部32と上部閉塞部33,下部閉塞部33Aとの境界部に各々取付けられた補強部材、35は可撓性を有する合成樹脂製ロープ体で環状に形成され本体外周部32の高さ方向に複数配設され後述の容器38,39の張出し部38B,39Bが係止される係止部材、36は平面状の仕切りとしての内設網体、36Aは内設網体36の身網、36Bは合成樹脂製ロープ体を用いて円形環状に形成され内設網体36の周縁に取付けられた保形部材、37はふくらみを有する容器状の内設網体、37Aは内設網体37の身網、37Bは合成樹脂製ロープ体を用いて円形環状に形成され内設網体37の周縁に取付けられた保形部材、38はプラスチック製の盥型容器、38Aは容器38の胴部、38Bは容器38の張出し部、39はプラスチック製の椀型容器、39Aは容器39の胴部、39Bは容器39の張出し部、39Cは容器39に設置された放射状の内部仕切りである。
図5には、巾着開閉式の上部閉塞部33,下部閉塞部33Aが配設された本体外周部32に補強部材34,係止部材35が取付けられ、内設網体36,37,容器38,39が配設され、吊り手18によって水中に吊られて設置された状態の魚介藻類育成用収容体31が示されている。
実施の形態4における魚介藻類育成用収容体31が、実施の形態1乃至3の魚介藻類育成用収容体1,11,21と異なる点は、本体外周部32が目合の小さい菱目仕立で形成されている点と、巾着開閉式の閉塞部33,33Aが形成されている点と、形状の異なる内設網体36,37,容器38,39が着脱自在に配設されている点である。
本体外周部32,上部閉塞部33,下部閉塞部33Aはポリエチレン製の菱目仕立の有結節網や無結節網の網糸径1.8〜2.8mm(網糸1本当たり破断荷重0.2〜0.8kN)、目合10〜30mm角の平面網地から一体で製作され、両側部を接合した接合部32Aによって中空筒型に形成した後に、上下の端末部の網目を各々閉じ紐33Bで集約して巾着開閉式の上部閉塞部33,下部閉塞部33Aを形成して、本体外周部32と上部閉塞部33,下部閉塞部33Aの各境界部に容器38,39が出し入れできる寸法に形成した円形環状の補強部材34を配設した。
接合部32Aは、本体外周部32の形成時に、紐体で絡げる方法、網地を重ねる方法等によって速やかに開閉できるように出し入れ口を兼ねて形成したので製作工数が軽減され、内設網体36,37や育成目的生物の出し入れに利用でき、閉塞部33,33Aは、容器38,39の出し入れや育成目的生物をまとめて出し入れする場合に利用することができる。
尚、上部閉塞部33の閉じ紐33Bは所要の強度を有するものを用いて吊り手18の代わりに利用することができる。
補強部材34は、実施の形態3の補強部材24に準じて、形状保持性を有する直径16〜30mmのポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚硬打ちロープ体を円形環状に形成して配設したので、時化等で大きな外力が掛かっても破損や変形をせず、本体外周部32と上部閉塞部33,下部閉塞部33Aの形状が保持されて安定するとともに補強されるので育成目的生物が保全され、本体外周部32が扱いやすく、内設網体36,37,容器38,39と、育成目的生物の出し入れが容易で、育成に掛かる各種作業を速やかに行うことができる。
係止部材35は、実施の形態3の係止部材25に準じて直径8〜20mmのポリプロピレンスプリットヤーン製クロスロープを用いて形成し、所定間隔で取付けた。
クロスロープ体の係止部材35は目合の小さい本体外周部32への取付けが容易で、仕立糸がロープ外側に露出せずに仕上がるので破損しにくく、柔軟性と密着性を有するので内設網体36,37,容器38,39が確実に配設され、本体外周部32が保形部材36A,37A,容器38,39の形状に従って円筒形状が保たれる。
保形部材36A,37Aは補強部材34に準じて形成され、所要の形状保持性を有した直径14〜24mmのポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚硬打ちロープ(破断荷重24〜74kN)を用いて円形に成形し、係止部材35の外径寸法に対して、保形部材36A,37Aの内径寸法を略等しくするか幾分大きめに形成した。
内設網体36,37,容器38,39の本体外周部32への配設は、上部閉塞部33を開いて下方から順に容器や内設網体に育成目的生物を配置しながら配設することができる。魚介藻類育成用収容体31を水中に設置する直前に、予め配設した内設網体や容器に対して接合部32Aから育成目的生物を入れることもできる。菱目仕立の本体外周部32は形状自在性を有するので、容器38,39の取付け、取外しが容易で、速やかに出し入れすることができる。
保形部材36A,37Aが取付けられた内設網体36,37は、本体外周部32と係止部材35の間に保形部材36A,37Aを嵌め込むことによって確実に配設でき、本体外周部32が内側に集束して保形部材36A,37Aを抑えるので不意の外力で外れず、内設網体36,37が汚れた時や破損した場合には、保形部材36A,37Aを長円形に押しつぶして、接合部32Aから取出すことができる。
容器38,39は、胴部38A,39Aが上方に向かうに従って大きく形成された椀型で、開口部周縁に張出し部38B,39Bが形成されているので、胴部下方から係止部材35に嵌入させて張出し部38B,39Bの下まで嵌め込んで固定するとともに、本体外周部32が張出し部38B,39Bの外側から抑えるので不意の外力で外れないように確実に配設され、容器38,39の形状が異なっていても容易に配設することができる。
これらの作業において、菱目仕立の本体外周部32は形状自在性を有するので、内設網体36,37や容器38,39を速やかに出し入れすることができ、育成目的生物は、魚介藻類育成用収容体31を水中に設置する直前に、予め配設した内設網体36,37や容器38,39に対して接合部32Aから入れることができる。
間引きや収穫、本体外周部32,内設網体36,37,容器38,39の交換の際に、育成目的生物を回収する場合は、内設網体36,37や容器38,39を係止部材35から取外して育成目的生物を下部閉塞部33Aから回収することができ、本体外周部32を逆さにして上部閉塞部33から取出すこともでき、これによって育成に関わる手間や時間がかかる育成目的生物回収作業の効率化と作業時間短縮が図れ、斃死や成長不良を防ぐことができる。
魚介藻類育成用収容体31内の内設網体や容器を取出す時は、クレーンやデリックで吊り手18を吊って本体外周部32の下方から吊り下ろしながら下部閉塞部33Aを開放して、最下段の容器39から順に係止部材35から取外して取出すことができ、内設網体36,37は接合部22Aから取出すこともできる。
又、内設網体36,37に別体の袋状体、小型容器を保持させることや、容器38,39に内部仕切りを設置することや、砂等を入れることによって育成種や成長段階に応じた育成環境を提供することができ、これらの育成に用いられる補助的な部材は本体外周部32,内設網体36,37,容器38,39に保護され、仮に破損しても育成目的生物が本体外周部32の外に散逸することがなく保全される。
尚、実施の形態4においては合計で4種類の内設網体36,37や容器38,39が配設された事例が示されたが、育成目的生物に最適な1種類の内設網体や容器に統一して配設することや、所要の内設網体や容器を1乃至2個配設することもできる。
以上のように実施の形態4の魚介藻類育成用収容体は構成されているので、以下の作用が得られる。
(1)本体外周部32と閉塞部33,33Aは1枚の菱目網地から容易に製作でき、本体外周部32と支持部材35に対して、内設網体36,37や容器38,39を所定の間隔で着脱自在に配設することができ、不意の外力で外れにくく安定した状態で確実に取付けられ、本体外周部32の形状が保持され、所要時に速やかに閉塞部33,33Aから出し入れすることができ、製作容易性、低コスト性、健全育成性、安定性、取扱性、作業性に優れる。
(2)間引きや収穫、本体外周部32,内設網体36,37,容器38,39の清掃、交換の際の育成目的生物回収において、まとめて取出すことによって回収作業の効率化と時間短縮が図れ、作業による斃死やストレスによる成長不良を防ぐがことができ、作業性、保全性に優れる。
(3)内設網体や容器に別体の育成用補助部材を設置することができ、好適な育成環境を形成することによって健全な育成が図れ、育成目的生物が、汎用性、健全育成性に優れる。
(実施の形態5)
本考案の実施の形態5における魚介藻類育成用収容体について、以下図面を参照しながら説明する。尚、以下において実施の形態1乃至4と同じものには同じ符号をつけて説明を省略する。
図6は実施の形態5における魚介藻類育成用収容体の斜視図である。尚、表示の都合で一部が省略されている。
図6中、41は実施の形態5の魚介藻類育成用収容体、42は菱目に形成された目合の大きい中空円筒状の本体外周部、43は本体外周部42の上部開口部、43Aは本体外周部42の下部開口部、44は形状保持性を有する合成樹脂製ロープ体で円形環状に形成され上部開口部43,下部開口部43Aの周縁に配設された補強部材、45は柔軟性を有する合成樹脂製ロープ体で環状に形成され本体外周部42の高さ方向に複数配設され後述の容器47,48の上端側周縁部が係止される係止部材、46は後述の外側部材46Aと内側部材46Bで形成され係止部材45に配設された支持部材、46Aは形状保持性を有する合成樹脂製ロープ体で円形環状に形成された支持部材46の外側部材、46Bは形状保持性を有する合成樹脂製ロープ体で円形環状に形成された支持部材46の内側部材、46Cは支持部材46の外側部材46Aと内側部材46Bを連接した連接部材、47は本体外周部42内部の最上段に配設された桶型の容器、47Aは容器47の胴部、47Bは容器47に配設された閉塞体としての円筒形網体、48は本体外周部42内部の二段目から四段目に配設された桶型の容器、48Aは容器48の胴部、48Bは容器48の閉塞体としての平面状の蓋網、49は本体外周部42の下方に配設されたロープ体で形成された下部吊り手、50は本体外周部42の上方に配設されている吊り手18に取付けられた浮上用フロート、101は鉄枠とコンクリートで形成され下部吊り手49に連結されて水底に設置された固定部、102は下部吊り手49と固定部101を連結するための連結用部材、103は下部吊り手49と連結用部材102を結止した固縛索である。
図6には、本体外周部42の上下に補強部材44が各々配設され、本体外周部42の内側に係止部材45が取付けられ、本体外周部42と係止部材45に対して支持部材46が配設され、支持部材46に円筒形網体47B,蓋網48Bが取付けられた桶型の容器47,48が配設され、本体外周部42の下方に下部吊り手49、上方の吊り手18に浮上用フロート50が配設され、水底に設置された固定部101の連結用部材102に下部吊り手49が固縛索103で連結されたことによって下方が固定され、浮上用フロート50の浮力によって立ち上がった状態の魚介藻類育成用収容体41が示されている。
実施の形態5における魚介藻類育成用収容体41が、実施の形態1乃至4の魚介藻類育成用収容体1,11,21,31と異なる点は、本体外周部42が目合の大きい菱目に形成されている点と、本体外周部42と係止部材45に対して支持部材46が取付けられて容器47,48が着脱自在に配設されている点と、魚介藻類育成用収容体41を水底付近に設置するための下部吊り手49と浮上用フロート50が配設されている点である。
本体外周部42は、網糸径4.0mm(網糸1本当たり破断荷重1.0〜1.5kN)前後、目合150mm角前後の有結節網地や無結節網地を用いて円筒形に形成されている。
本体外周部42は目合が大きいので補強部材44、係止部材45の取付けが容易で、水の流通がよく、付着物が少なく、容器47,48が安定し、魚介藻類育成用収容体41の引上げ作業や清掃作業が容易に行える。
補強部材44,支持部材46は実施の形態4の補強部材34に準じて形状保持性を有するポリプロピレンスプリットヤーン製三つ撚ロープ体で形成され、係止部材45は実施の形態4の係止部材35に準じて柔軟性を有するポリプロピレンスプリットヤーン製クロスロープ体を用いて形成され、前記と同様の手順で配設されている。
支持部材46は、図6の最下段の容器が配設されていない部分で示されたように、形状保持性を有し、容器に適合する寸法に形成した円形環状の外側部材46Aと、形状保持性を有し、外側部材46Aより小さく形成した内側部材46Bと、連接部材46Cとで形成されている。
容器47,48の配設は、先ず支持部材46の外側部材46Aを外周部42と係止部材45の間に嵌め込むようにして取付け、次いで支持部材46に対して、蓋網48Bが取付けられた容器48、円筒形網体47Bが取付けられた容器47の順で下方から入れて、胴部47A,48Aの上部まで外側部材46Aに嵌め込み、容器47,48の底部が各々内側部材46Bに支持されるようにして配設した。
これによって、容器47,48は係止部材46を介して係止部材45にしっかりと取付けられ、菱目に仕立された本体外周部42が内側に集束される作用によって支持部材46及び容器47,48の外側から抑えるので不意の外力で外れないように確実に配設され、吹かれや振動を受けても安定した状態を保つことができ、潮流の速い場所や深い階層でも設置することができる。
尚、最上段の容器47に配設された立体状の円筒形網体47Bは、要所が本体外周部42に係止され、水流通のよい状態を保ちながら容器47と一体となる内部空間を拡大する役割を有しており、2段目以下の容器48に配設された平面状の蓋網48Bは水流通がよい状態で育成目的生物を保全する役割を有している。
間引きや収穫、本体外周部42,容器47,48の交換の際に育成目的生物を回収する場合には、本体外周部42の網目を通して円筒形網体47B,蓋網48Bを取外し、本体外周部42を横や逆さにして、網目や上部開口部43から速やかに回収することができ、回収作業時間短縮によって作業に伴う育成目的生物への影響が軽減され、斃死や成長不良を防ぐことができる。
容器47,48を本体外周部42から取出す場合は、容器を傾けて中の水や砂等を排出しながら支持部材46から取外して上部開口部43,下部開口部43Aから取出すことができる。
このように目合の大きい菱目仕立で形成された本体外周部42と支持部材46によって、異なった形状の閉塞体が取付けられた多様な形状の容器が安定した状態で配設されるので砂等を入れることもでき、多様な育成目的生物の健全な育成が図れ、複数の容器が1ケの本体外周部42内部に配設されているので育成に関わる作業効率が高く、容器が保護されて破損が防止できる。
尚、ここでは2種類の閉塞体が取付けられた容器の配設事例を示したが、育成目的生物に最適な閉塞体に統一した容器を多数配設することができ、最適な閉塞体付き容器を1乃至2個配設することもできる。
ここで、図6には魚介藻類育成用収容体41が水底の固定部101に固定されていることが示されているが、この設置方法である固定部直結方式は、魚介藻類育成用収容体41の設置や引上げに潜水作業を伴うので、水深30m以内の漁場に導入するのが望ましい。
従来の箱形カゴ体を着底させて設置した場合には埋没や食害の被害が避けられなかったが、魚介藻類育成用収容体41は水底近くで確実に離底させて設置することができ、着底時に起こる軟泥・ヘドロによる付着や埋没と底付近の甲殻類による食害を防ぎ、表層ほど影響が大きくなる傾向の、吹かれ、動揺、赤潮、水温変動から育成目的生物を守ることができる。
魚介藻類育成用収容体41の設置作業、引き上げ作業において、クレーンやデリックを備えた作業船等で固定部101が吊れる場合は、固定部101を連結した状態で水面から吊り下ろすことができ、引き上げる時は別体の引き上げ索を吊り手18に取付けて吊り上げることができる。
吊り上げ装置が無い場合や固定部101が重くて吊れない場合は、設置においては水底に設置された固定部101を利用して、図示しない滑車と引き込み用索によって魚介藻類育成用収容体41を引き込んで、ダイバーによって連結用部材102と下部吊り手49を固縛索103で結止して設置することができ、引き上げの際は固縛索102を解くだけで浮上させることができ、労力負担の大きい引き上げ作業を行わずに水面に浮かせることができる。
浮上用フロート50は、耐圧水深50m以上のものが望ましく、浮上用フロート50の浮力から、魚介藻類育成用収容体41、育成目的生物、付着物の水中重量の合計値を差し引いた残存浮力がおよそ10〜30kg前後になるようにして配設され、固定部101は魚介藻類育成用収容体41を水底付近に固定するために鉄枠とコンクリートを材料として形成されたものや土嚢等の、水中重量がおよそ20〜200kgのものが用いられる。
以上のように実施の形態5の魚介藻類育成用収容体は構成されているので、以下の作用が得られる。
(1)菱目仕立の目合の大きい本体外周部42を用いたことによって、形状が異なる閉塞体47B,48Bが配設された容器47,48を着脱自在に配設することができ、所要時の取外し、取出しが容易で、本体外周部42によって全体が扱いやすく、常に安定した状態を保つことができ、潮流の速い場所や深い階層でも設置することができ、容器47,48内への水の流通がよく、健全な育成が図れ、汎用性、取扱性、安定性、健全育成性に優
れる。
(2)間引きや収穫作業、魚介藻類育成用収容体41の清掃や閉塞体、容器の交換作業において、本体外周部42の網目を通して円筒形網体47B、蓋網48Bを取外すことや取出すことができ、本体外周部42を横や逆さにして育成目的生物を速やかに回収でき、作業時間短縮によって斃死や成長不良を防ぐことができ、作業性、保全性に優れる。
(3)水底付近で確実に離底させて設置することができ、軟泥・ヘドロによる埋没、食害を防止することができ、水中での付着物の量を抑え、時化による破損を防ぐことができ、吹かれ、動揺、赤潮、水温変動から育成目的生物を守ることができ、所要時に容易に水面上に引き上げることができ、保全性、健全育成性、管理性、取扱性に優れる。
(実施の形態6)
本考案の実施の形態6における魚介藻類育成用収容体について、以下図面を参照しながら説明する。尚、以下において実施の形態1乃至5と同じものには同じ符号をつけて説明を省略する。
図7は実施の形態6における魚介藻類育成用収容体の使用状態を示す側面図である。
図7中、51は実施の形態6の魚介藻類育成用収容体、200は下部吊り手49に接続された係留索、201は水底に土俵等で形成された固定部、202は固定部201に取付けられた滑車、203は係留索200を連結して魚介藻類育成用収容体51を水中に引き込むための引き込み用フロートとして用いられた養殖用の筏、204は筏203に配設された筏フロート、205は筏203の筏足場、206は係留索200を筏203に係止するための筏係止部である。
図7には、本体外周部42の下方に配設された下部吊り手49に係留索200を接続し、水底の固定部201に取付けられた滑車202で方向転換させて、係留索200の先端部を筏203の筏係止部206に係止したことによって水底付近に引き込まれ、本体外周部42の上方に配設された吊り手18に取付けられた浮上用フロート50によって立ち上がって設置された状態の魚介藻類育成用収容体51が示されている。
実施の形態6における魚介藻類育成用収容体51が実施の形態5の魚介藻類育成用収容体41と異なる点は、水底の固定部に直接連結せずに、下部吊り手49に係留索200を接続して、水底の固定部201に取付けた滑車202を介して養殖用の筏203の筏係止部206に連結して水底近くに設置した点である。
この構成によって、魚介藻類育成用収容体51の設置や引上げに潜水作業を必要とせずに操業できるので水深20mから50m前後までの深い階層でも導入でき、容易に水底付近で離底させた状態で設置することができ、着底によって起こる食害や埋没等を防ぐことができ、時化による流失や破損を防ぐことができ、吹かれ、動揺、赤潮、水温変動による被害が食い止められ、育成目的生物の健全な育成が図れる。
又、係留索200の先端に図示しない繰出し索を繋いで繰出すことによって、潜水作業や引上げ作業を行わずに魚介藻類育成用収容体51を所要の階層まで浮上させ、水温や溶存酸素等の育成条件に適合させて成長促進を図ることができ、さらに、水面に浮上させて船上又は筏足場205上で所要の作業を行うことができ、操業の効率化を図ることができる。
尚、筏203は既存の養殖筏や使用しなくなった筏を有効活用することができ、資源の節約と漁場の有効利用が図れる。
以上のように実施の形態6の魚介藻類育成用収容体は構成されているので、以下の作用が得られる。
(1)潜水作業や引上げ作業を行わずに、係留索200の操作だけで魚介藻類育成用収容体51を下層や水底近くに離底させて設置することができ、さらに、育成条件に適合した所要の階層に移動させることや水面に浮上させることができ、魚介藻類育成用収容体51の保全、育成目的生物の健全育成及び成長促進、生産量増大、を図ることができ、水深の深い条件でも導入することでき、機能性、保全性、健全育成性、成長促進性、作業性、汎用性に優れる。
(2)養殖用の筏203等を利用して魚介藻類育成用収容体51を設置して操業することができ、使用されていない筏の再利用や使用中の筏の兼用等の有効利用が図れ、資材が節約でき、漁場が有効に利用でき、省資源性、漁場利用性に優れる。
本考案は、貝類を初めとする魚介藻類を育成するための魚介藻類育成用収容体において、ロープ体や網体で形成されたシンプルな本体外周部と、本体外周部に取付けた合成樹脂製ロープ体等の係止部材、支持部材を利用して内設網体や容器を配設し、水中の所要の階層に設置することができ、時化等で破損や変形せず、多様な育成目的生物に適用でき、育成目的生物の保全と健全な育成を図るとともに育成に関わる各種作業を容易で速やかに行うことができ、シンプル性、製作容易性、低コスト性、汎用性、健全育成性、成長促進性、保全性、安定性、安全性、取扱性、作業性、生産性、耐久性、漁場利用性に優れた魚介藻類育成用収容体を提供して、養殖漁業経営に寄与し、安全な食糧生産増大によって地球人口増と食糧不足に対応し、食糧自給の一翼を担うものである。
1、11、21、31、41、51 魚介藻類育成用収容体
2、12、22、32、42 本体外周部
2A、12A、22A 横索
2B、12B、22B 縦索
3、15、23、35、45 係止部材
3A、14A、15A 接続部
4、36、37 内設網体
4A 胴網
4B、 17、48B 蓋網
4C 底網
4D、33B 閉じ紐
5 上部保形部材
6 下部保形部材
7 育成室
8、18、26 吊り手
9、49 下部吊り手
10、28 錘
13、43 上部開口部
13A、43A 下部開口部
14、34、44 補強部材
16、24、38、39、47、48 容器
16A、24A、38A、39A 47A 48A 胴部
16B、24B、38B、39B 張出し部
22a 外周部単体
22C 連結アイ
22D、27、103 固縛索
25 蓋
25A 通水孔
32A 接合部
33 上部閉塞部
33A 下部閉塞部
36A、37A 身網
36B、37B 保形部材
39C 内部仕切り
46 支持部材
46A 外側部材
46B 内側部材
46C 連接部材
47B 円筒形網体
50 浮上用フロート
101、201 固定部
102 連結用部材
200 係留索
202 滑車
203 筏
204 筏用フロート
205 筏足場
206 筏係止部

Claims (5)

  1. (a)ロープ体、紐体、網体の内いずれか1以上で形成された中空状の本体外周部と、
    (b)前記本体外周部に配設された環状の係止部材と、
    (c)前記係止部材に着脱自在に配設され、環状の保形部材を備えている内設網体及び/又は硬質性の容器と、
    (d)前記本体外周部の上方に配設された吊り手と、
    を備えていることを特徴とする魚介藻類育成用収容体。
  2. 前記係止部材が合成樹脂製ロープ体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の魚介藻類育成用収容体。
  3. 前記内設網体や前記容器の開口部に配設された閉塞体を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚介藻類育成用収容体。
  4. 形状保持性を有し、前記本体外周部の上端周縁及び/又は下端周縁に配設された環状の補強部材を備えていること特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の魚介藻類育成用収容体。
  5. 前記本体外周部の下方に配設された下部吊り手と、前記吊り手に配設された浮上用フロートと、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の魚介藻類育成用収容体。
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