JP6742614B2 - 水産物養殖用トレー及びそれを積層した水産物養殖用トレー積層体 - Google Patents

水産物養殖用トレー及びそれを積層した水産物養殖用トレー積層体 Download PDF

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Description

本発明は、水中に垂下させてマガキやホタテガイ等の二枚貝、海藻類、魚類の養殖に使用する水産物養殖用トレー及びそれを積層した水産物養殖用トレー積層体に関する。
養殖籠については、特許文献1に、底部に保型枠が設けられていて、吊り下げた状態で角錐体や円錐体等の立錐体状をなす網体よりなり、しかも頂部と底部に吊下げ用の連結紐を有する籠の一稜線部分に開閉用の口部を形成し、この口部を形成する左右口縁部の一方の口縁部は、その上部を他方の口縁部の上部に対して前合せに止める反面、下部を他方の口縁部の下部に対して後合せに止めて、左右の口縁部が上下部において互いに反対側で交叉して重なり合うようにした貝類養殖籠が開示されている。
また、特許文献2に、上下端の吊下げ用桟と所定間隔を置いて縦方向に平行に張り渡される多数の桟に背網地が全長に亘って絡めるように張設され、上端の吊下げ用桟と多数の桟により区画された部分にその区画と同幅の前網地をそれぞれ重合して上方の開口部を除く三方を結縛してポケット状の養殖室を縦方向に多段に形成した連段養殖籠であって、該ポケット状の養殖室の開口部を封止するポケット押さえ蓋を前記各桟に開閉自在に取り付けた連段養殖籠が開示されている。
また、養殖籠がトレー型の形態では、特許文献3に、1個の稚貝を収納育成するのに適した大きさの箱形主体の底部と側周とに多数の海水流通孔を設けるとともに、該底部には底部中心に隔てて相対応する周縁近傍にそれぞれ連結孔を設けてなり、該連結孔に竿杆を貫挿して前記箱型主体複数個を重ねて連結できるようにしたホタテガイの養殖用籠が開示されている。
また、特許文献4には、海中に吊下させて行う貝類の延縄式養殖方法において、多段にセットされた透孔を有するプラスチック素材の養殖籠の上方の幹ロープにフロート並びに所定の長さの支持ロープとを取り付け、該支持ロープを介して、所定の枠体内に所謂マンションの状態にセットされた該籠を海底上方付近の水位に吊下せしめた貝類のマンション式養殖方法が開示されている。
特許第3310933号公報 特許第4927140号公報 実開昭和50−1494号公報 特開昭63−160533号公報
特許文献1に記載の発明は、開閉用の口部を開にしてその口部から二枚貝を投入するが口部が狭いので手で数個ずつ複数回投入しなければならないという煩わしさがあり収容時間がかかり、さらに前記養殖籠から収容されている二枚貝を取出す時に口部を開にして養殖籠をほぼ逆さにして二枚貝を口部から落としながら出していくがすべての二枚貝を取出せなくて、養殖籠内に残った二枚貝を手で養殖籠内から取出すという煩わしさがあり養殖籠内からすべての二枚貝を取出すのに時間がかかるという問題があった。
また、養殖籠が網状に作られているので、収容されている二枚貝の殻が網にからみ、無理に取出そうとすると殻が破損して商品にならないという問題があった。
また、養殖籠の中に多数の二枚貝がばら積み状態で多層に積み重なって収容されているので、外側の二枚貝には海水中に浮遊する栄養源を十分に摂取できるが内側の二枚貝は海水の流れてくる量が少ないので栄養源を摂取しにくいため生育しにくいという問題があった。
特許文献2に記載の発明は、各養殖室の開口部を封止するポケット押さえ蓋を設けているが、該ポケット押さえ蓋を開かねばならない煩わしさがあり、該ポケット押さえ蓋は該養殖室のポケットを設けた側の一部であるため、傾けて二枚貝を落下させても一部の二枚貝が養殖室に残り、残った二枚貝を手で養殖室内から取出すという煩わしさがあるという問題があった。
特許文献3に記載の考案は、各段の籠に設けた連結孔に上下方向で貫挿した竿杆又はロープの最下部に緊締部を設けて、該竿杆又はロープを籠の最下段にのみに固定させて水中に垂下させるので、多段に積層させた籠は上下方向での圧縮力が籠と収容した二枚貝の自重しかないので潮の流れや速さによっては籠が浮き上がりやすく、浮き上がって傾くと二枚貝がはみ出して落下してしまうという問題があった。
竿杆を使用している場合は、籠内から二枚貝を取出すときに、上下方向に連結させた箱を上段から1箱ずつ取出そうとすると1箱ずつ竿杆の上端まで持ち上げなければならず非常に煩わしいという問題があった。また、竿杆又はロープを最下段の籠底の1か所で緊縛し、その竿杆又はロープを2ケ所で使用して籠を吊下げるために、この緊縛部が1か所でも万一長期間の海水中の使用中に緩むとすべての箱が海底に落下するという問題があった。
特許文献4の発明は、枠体内に一つの養殖籠がマンションの各階に該当するように、枠体の上方から順に養殖籠を投入していき養殖籠を順に多段に積み上げていってセットする方法であるので、二枚貝を取出すときは枠体内から養殖籠を上方から1個ずつ取り上げなければならないという煩わしさがあった。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、養殖しようとするすべての二枚貝等の水産物の一つ一つに生育しやすい環境を提供でき、二枚貝等の水産物の収容作業が容易で短時間にでき、収容された二枚貝等の水産物の取出し作業が容易で短時間にでき、海水等に垂下させたときに潮流により容器から収容中の二枚貝等の水産物が落下しない水産物養殖用トレー及びそれを積層した水産物養殖用トレー積層体を提供することを課題とする。
請求項1に記載の水産物養殖用トレーは、紐体を使用して、単体で、又は複数体を積層させて垂下させて使用する水産物養殖用の網状の底壁及び側壁を備えた箱型の水産物養殖用トレーであって、平面視で前記水産物養殖用トレーの中心に対する対称位置であって側壁近接位置に、少なくとも1組の上下方向に、前記側壁の内側又は外側に設けられ、前記側壁を周壁の一部とした、前記側壁の上端より低い位置で上端付近から下端に至る、前記紐体が貫通可能な筒状体を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の水産物養殖用トレー1は、請求項1において、前記底壁10の中央部に前記側壁11の高さより高くなるように立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体5が設けられ、前記インロー構造体5の上部側に凹構造のインロー5a又は凸構造のインロー5bが形成され、下部側に前記上部側のインローと嵌合可能な凸構造のインロー5b又は凹構造のインロー5aが形成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の水産物養殖用トレーは、請求項において、前記紐体貫通用孔を前記紐体が貫通可能な板状の周壁からなる紐体貫通用筒状体とし、前記紐体を緊縛させたときに前記紐体が接する側である前記紐体貫通用筒状体の外側の周壁の厚みを、積層させた複数の前記水産物養殖用トレーを前記紐体で緊縛させても該側壁が変形しない剛性を有する厚みに設定することを特徴とする。
請求項4に記載の水産物養殖用トレー1は、請求項3において、前記板状の周壁12からなる紐体貫通用筒状体6の周壁12の一部を前記側壁11が構成する構造とし、前記一部を構成した側壁11の下側に前記紐体3が貫通可能な上下方向の切欠き23を設けたことを特徴とする。
請求項5に記載の水産物養殖用トレーは、請求項乃至4のいずれかにおいて、前記側壁の上端には全周に亘って略水平方向に突設された周縁フランジが形成され、前記少なくとも側壁の内周面側に設けられた1組の前記紐体貫通用孔の前記側壁を挟んだ側壁の外周面側に該当する範囲の前記周縁フランジの形態が、前記周縁フランジ巾を広くしてかつ平面視で前記紐体が貫通する幅を有し開口部に連通した略つ字状溝部を形成し、前記略つ字状溝部の中央に延設された紐体係止用フランジの向きが前記周縁フランジの外縁の接線方向と略同じ方向とした形態の紐体ガイド用フランジの形態であることを特徴とする。
請求項6に記載の水産物養殖用トレーは、請求項乃至5のいずれかにおいて、前記水産物養殖用トレーの平面視の側壁からなる周縁部の形状が、前記水産物養殖用トレーの中心点に対して点対称の周縁部が構成される形状であることを特徴とする。
請求項7に記載の水産物養殖用トレーは、請求項乃至6のいずれかにおいて、前記水産物養殖用トレーの底部形状が、前記水産物養殖用トレーの下方に積層させた前記水産物養殖用トレーの皿状の上部開口部の蓋部材となることを特徴とする。
請求項8に記載の水産物養殖用トレー積層体は、平面視で、請求項乃至7のいずれかに記載の水産物養殖用トレーの中心に対する対称位置であって側壁近接位置の2ケ所を1組として、少なくとも1組の上下方向に貫通した前記紐体貫通用孔の位置を一致させ、かつ前記水産物養殖用トレーの中央部に立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体の位置を一致させて複数の水産物養殖用トレーを積み重ねた積層構造とし、一端に輪状部が形成された前記紐体の他端を、最上段の前記水産物養殖用トレーの前記紐体貫通用孔から下方向に向けて最下段の前記水産物養殖用トレーの前記紐体貫通用孔まで貫通させて、前記紐体を上方向に折り返して最上段の前記水産物養殖用トレーの上方で、前記輪状部に前記折り返した前記紐体の他端を貫通させた形態であって、前記紐体の他端を引き上げると前記紐体により積層された水産物養殖用トレー積層体が緊縛状態となることを特徴とする。
例えば図17に示すような従来の網状の袋体からなる養殖籠の場合は、例えば図18(b)に示すように、マガキやホタテガイ等の二枚貝を袋体内に投入すると投入した二枚貝の自重で袋内の中心に多く重なり合うように収容され多数の二枚貝が重なり合ったバラ積みのように収容され養殖籠内には大きな二枚貝集合体ができる。また、大きな養殖籠の場合はマガキやホタテガイ等の二枚貝を籠体内に投入すると投入した二枚貝の上に次に投入した二枚貝が重なって多数の二枚貝が重なり合ったバラ積みのように収容され養殖籠内には大きな二枚貝集合体ができる。このため前記養殖籠又は養殖籠を使用した場合は、大きな二枚貝集合体の内側に存する二枚貝には海水の流れが十分には流れず海水中の栄養源を十分に摂取することができず二枚貝の生育が不十分になるという問題があった。これに対して、本発明の水産物養殖用トレー1は、図18(a)に示すように、二枚貝を1段に又は2段に水産物養殖用トレー上にバラ置き状態で載置するので、載置した二枚貝の周囲に空間が大きく確保できることからすべての二枚貝に海水の流れが行きわたりどの二枚貝も十分に栄養源を摂取でき、すべてのどの二枚貝も育成度が大きいという効果を奏する。
また、従来の網状の養殖籠の場合と本発明の水産物養殖用トレー1の場合とで二枚貝を収容する作業時間を比較すると、養殖籠の口部を開いて二枚貝を収容する作業時間に比較して、本発明の上部が大きく開口している水産物養殖用トレー上に二枚貝を収容する作業時間が約1/6に大幅にを短縮できるという効果を奏する。
また、従来の網状の養殖籠の場合と本発明の水産物養殖用トレー1の場合とで二枚貝を取出す作業時間を比較すると、上部が大きく開口している本発明の水産物養殖用トレー1上から取出す作業時間が、養殖籠の口部を開いて狭い口部から二枚貝を取出す作業時間に対して、約1/9に大幅に短縮できるという効果を奏する。
また、ロープ等の紐体3で水産物養殖用トレー1を海中等に垂下させるが、ロープ等の紐体3は水産物養殖用トレー1の紐体貫通用孔4に貫通させるだけなので、ロープ等の紐体3で緊縛する必要がないことから、ロープ等の紐体セット作業が極めて容易で短時間でできるという効果を奏する。
請求項2に記載の水産物養殖用トレー1は、図14(a)及び図15(a)に示すように、水産物養殖用トレー1を多段に積層させた水産物養殖用トレー積層体2を海水中に垂下させたときに、潮流Tにより水産物養殖用トレー積層体2が斜めに傾いた状況になっても凸構造のインロー5bと凹構造のインロー5aからなるインロー構造体5の嵌合により水産物養殖用トレー積層体2がばらばらにならないという効果を奏する。
また、水産物養殖用トレー1の中央部に設けた凸構造のインロー5bと凹構造のインロー5aのインロー構造体5の嵌合により、図16(a)に示すように、上下の水産物養殖用トレー1同士の中央部の上下間隔を維持できることから、水産物養殖用トレー1上に載置した二枚貝等によって水産物養殖用トレー1の網状の底壁10が凹むという変形を生じさせないという効果を奏する。
前記水産物養殖用トレー1を積層させたときに上下の水産物養殖用トレー1同士をしっかりと位置決めできるという効果を奏する。
請求項3に記載の水産物養殖用トレー1は、多段に積層された水産物養殖用トレー積層体2が上下方向で圧縮力を受けても水産物養殖用トレー1自体が破損しにくくなるという効果を奏する。また、ロープ等の紐体3を上下方向で容易に貫通させることができるという効果を奏する。
請求項4に記載の水産物養殖用トレー1は、陸上に設置したときの水産物養殖用トレー積層体2において、多段に積層させた水産物養殖用トレー積層体2の最下段の水産物養殖用トレー1の最も下の部位に紐体3を折り返すための通し用の切欠き23を設けたので、最下段の水産物養殖用トレー1を持ち上げなくても紐体3を折り返しやすいという効果を奏する。
また、陸上作業において、水産物養殖用トレー積層体2を接地した状態のときに、水産物養殖用トレー積層体2最下段の水産物養殖用トレー1の切欠き23の下に、地面との間に隙間ができるので、ロープ等の紐体3が水産物養殖用トレー積層体2の荷重により破損することを防止することができる。
請求項5に記載の水産物養殖用トレー1は、フランジ切欠き部7aの周縁フランジ先端部の角にR形状を形成した第一の形態の紐体ガイド用フランジ7の形態の場合は、積層された水産物養殖用トレー積層体2に貫通させたロープ等の紐体3を水産物養殖用トレー1の端部との接触によって破断しにくくするという効果を奏し、略つ字状溝部21を有する第二の形態の紐体ガイド用フランジ8の形態の場合は、常時は緊張させた一対の紐体3で水産物養殖用トレー積層体2を垂下させるが、その紐体3が何らかの事故で破損したときに備えて予備として命綱的に緩く貫通させた紐体3を使用するが、そのときにその紐体3がすぐに使用可能状態とするために紐体3を海流で位置ずれしないようにすることができるという効果を奏する。
請求項6に記載の水産物養殖用トレー1は、水産物養殖用トレー1の平面視の周縁部の形状は、水産物養殖用トレー1の中心点に対して点対称の周縁部が確保できる形状であれば、四角形状や八角形状等の多角形状であっても円形状であっても請求項1乃至5と同じ効果を有するという効果を奏する。
請求項7に記載の水産物養殖用トレー1は、水産物養殖用トレー積層体2として積層させたときに上段の水産物養殖用トレー1の底面が、下段の水産物養殖用トレーの上部開口部を塞ぐので収容した二枚貝等の水産物が前記水産物養殖用トレー内から海水等の潮の流れによって流出しないという効果を奏する。
請求項8に記載の水産物養殖用トレー積層体2は、例えば15層くらいのかなりの多段積みが可能であり、水産物養殖用トレー積層体2にロープ等の紐体3を貫通させた状態にすることによって、各層の水産物養殖用トレー1が水産物養殖用トレー積層体2自体の自重で自然にロープ等の紐体3によって緊縛されるという効果を奏する。そして、輪状部30を形成するロープ等に紐体3と前記輪状部30に貫通させたロープ等の紐体3との摩擦抵抗によって緊縛した状態を維持し続けることができるという効果を奏する。
本発明の水産物養殖用トレーの斜視図である。 本発明の水産物養殖用トレーの平面図である。 図2におけるA−A断面図である。 図2におけるB−B断面図である。 図2におけるC−C断面図である。 水産物養殖用トレーを2段積層させたときのA−A断面図と同じ断面における縦断面図である。 図6おけるインロー構造体の拡大説明図である。 図6における紐体貫通用筒状体周辺の拡大説明図である。 紐体貫通用筒状体の周壁の肉厚の説明図である。 水産物養殖用トレーを2段積層させたときの紐体貫通用筒状体の周壁に切欠きを設けた部位の縦断面図である。 紐体貫通用筒状体の周壁に切欠きを設けた部位の斜視図である。 ロープ等の紐体の説明図である。 本発明の水産物養殖用トレー積層体の概要を示す正面図である。 トレーを積層させて静かな海水中に垂下させたときの説明図で、(a)が本発明の水産物養殖用トレー積層体の説明図で、(b)がインロー構造体を備えない養殖トレーを積層させた形態の説明図である。 トレーを積層させて潮流の激しい海水中に垂下させたときの説明図で、(a)が本発明の水産物養殖用トレー積層体の説明図で、(b)がインロー構造体を備えない養殖トレーを積層させた形態の説明図である。 トレー上に二枚貝を載置し海水中に垂下させたときの側壁の変形の比較説明図で、(a)が本発明の水産物養殖用トレー積層体の説明図で、(b)がインロー構造体を備えない養殖トレーを積層させた形態の説明図である。 養殖籠の一例を示した説明図である。 二枚貝を収容させた状況を示す説明図で、(a)が本発明の水産物養殖用トレーの場合の説明図で、(b)が養殖籠の一例の場合の説明図である。
本発明の水産物養殖用トレー1は、図1や図13に示すように、紐体3を使用して、単体で、又は複数体を積層させて垂下させて使用する水産物養殖用の網状の底壁10及び側壁11を備えた箱型の水産物養殖用トレー1であって、平面視で前記水産物養殖用トレー1の中心に対する対称位置であって側壁11近接位置に、少なくとも1組の上下方向に貫通した前記紐体貫通用孔4を設けている。1組とは前記対象位置に各1本ずつ計2本の紐体3を使用する場合をいう。平面視で水産物養殖用トレー1の中心に対する対称位置に紐体3を使用するので、水産物養殖用トレー1を積層させた水産物養殖用トレー積層体2を紐体3で吊り上げたときに2本の紐体3で安定した姿勢で吊下げることができる。
前記水産物養殖用トレー1は、海水中や淡水中に垂下させて、海水中や淡水中に浮遊する動植物を栄養源とするマガキやホタテガイなどの二枚貝、ウニ、ナマコ、海藻、ウナギ等の動植物の養殖に使用できる容器である。
前記水産物養殖用トレー1は、図1や図2に示すように、網状の底壁10及び側壁11を備えて上方が開口された形態の箱型の容器であり、海水等の使用環境によっても錆にくい材料から造られ、例えばプラスチック製又はステンレス製の容器でできている。そして、図13に示すように、多段構造の前記水産物養殖用トレー積層体2をロープ等の紐体3で縛って水中に垂下させるが、前記水産物養殖用トレー1の中心に対する対角線上に位置する2点のみをロープ等の紐体3を通すことによって多段構造の前記水産物養殖用トレー積層体2を海水中や淡水中に垂下させたときに安定した姿勢を維持できる。ロープ等の紐体3の貫通用孔として、平面視で前記水産物養殖用トレー1の中心に対する対称位置であって側壁11近接位置に、少なくとも1組の上下方向に貫通した前記紐体貫通用孔4を設けている。
前記水産物養殖用トレー1に設けた紐体貫通用孔4は、ロープ等の紐体3を貫通させる孔であり、紐体3を水産物養殖用トレー1に対して貫通させることにより積層させた水産物養殖用トレー積層体2を前記紐体3で緊縛できる。ロープ等の紐体3は水産物養殖用トレー1自体に結び付けるのではなくロープ等の紐体3を水産物養殖用トレー1に貫通させる形態である。ロープ等の紐体3で水産物養殖用トレー積層体2を吊り上げると、前記紐体3が前記水産物養殖用トレー積層体2の自重によって前記水産物養殖用トレー積層体2を緊縛することができ、海水中に垂下させてから長期間使用していても輪状部30の紐体3とその輪状部30に貫通させた紐体3との摩擦抵抗により前記緊縛状態を維持し続けることができる。
ここで、ロープ等の紐体3は、図12に示すように、一端に輪状部30を形成し、他端はストレート状又は輪状部を形成する。そして、他端を大きく回して大きなリング状体31を形成して前記輪状部30に貫通させる。すると、前記リング状体31には水産物養殖用トレー積層体2の荷重Wが下方にかかり前記リング状体31を下方に押し下げる力が働いている。このときに紐体3の他端を上方に引っ張り上げる力Pをかけるので前記リング状体31には上下方向で相反する力が加わるので、水産物養殖用トレー積層体2は緊縛される。
1段の水産物養殖用トレー1の高さは、図18(a)に示すように、養殖する二枚貝40を可能な限り2段以下、好ましくは1段のバラ置き状態で、二枚貝40を2段重ねた場合の二枚貝40の最上端の予測高さと上段の水産物養殖用トレー1の底面高さとの隙間が十分に確保できる高さに設定する。この状態で使用したときに、前記水産物養殖用トレー1の側壁11の高さを、バラ置き状態で収容したマガキ等の二枚貝の周囲に十分な空間を確保することができる。これによって、収容された二枚貝それぞれが万遍なく海水中や淡水中に浮遊する栄養源を摂取することができ、すべての二枚貝の生育を促進させることができる。
次に、図3乃至図7に示すように、前記底壁10の中央部に前記側壁11の高さより高くなるように立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体5が設けられ、前記インロー構造体5の上部側に凹構造のインロー5a又は凸構造のインロー5bが形成され、下部側に前記上部側のインローと嵌合可能な凸構造のインロー5b又は凹構造のインロー5aが形成されている。
インロー構造体5の効果について説明する。まず、インロー構造体5を備えた本発明の水産物養殖用トレー積層体2を紐体3で緊縛した状態を図14(a)に示し、インロー構造体5を備えていない養殖トレー51を紐体3で緊縛した状態を図14(b)に示す。海水中に垂下させたときに海水中の潮流Tが静かな場合はそれぞれ上下の水産物養殖用トレー1間及び養殖トレー51間ともに隙間は大きくならず、上下の水産物養殖用トレー1間及び養殖トレー51間はそれぞれしっかりと緊縛されている。
しかし、図15に示すように、海水中の潮流Tの流れの速さや向きによって水産物養殖用トレー積層体2や養殖トレー51を積層させた積層体が斜めに傾いた状況になったときに、養殖トレー51を積層させた積層体は図15(b)に示すようにバラバラになるが、凸構造のインロー5bと凹構造のインロー5aのインロー構造体5の嵌合により水産物養殖用トレー積層体2は図15(a)に示すようにバラバラにならない。
また、二枚貝40を収容した場合に、インロー構造体5を備えた本発明の水産物養殖用トレー積層体2の場合を図16(a)に示し、インロー構造体5を備えていない養殖トレー51の場合を図16(b)に示す。インロー構造体5を備えていない養殖トレー51の場合は図16(b)に示すように底壁51aが二枚貝40によって従来高さhから下方に凹状に凹むが、本発明の水産物養殖用トレー積層体2の場合は、水産物養殖用トレー1の中央部に設けた凸構造のインロー5bと凹構造のインロー5aのインロー構造体5の嵌合により、図16(a)に示すように、上下の水産物養殖用トレー1同士の中央部の上下間隔を維持できることから、水産物養殖用トレー1上に載置した二枚貝40によって水産物養殖用トレー1の網状の底壁10は従来高さhと同じ高さのままで凹むという変形を生じさせない。
前記インロー構造体5によって、図15(a)に示すように、潮流Tにより水産物養殖用トレー積層体2が斜めに傾いた状況になったときにばらばらになるのを防止し、図16(a)に示すように、水産物養殖用トレー1上に載置した二枚貝40等によって水産物養殖用トレー1の網状の底部10が凹むという変形を防止し、海水や淡水の流れが生ずる環境下に水産物養殖用トレー積層体2を垂下させても、水産物養殖用トレー積層体2の上下の水産物養殖用トレー1同士の少なくとも左右方向の位置関係を維持させることができる。
次に、ロープ等の紐体3を通す部位の形態について説明する。前記紐体3は、図12及び図13に示すように、紐体3が大きなリング状体31を形成させるように前記水産物養殖用トレー1の側壁11の内側と外側とを往復させて通している。前記大きなリング状体31の中に積層された水産物養殖用トレー積層体2の側壁11群が囲繞されている。前記紐体3を引っ張り上げると積層された水産物養殖用トレー積層体2の自重により紐体3の大きなリング状体31の輪の大きさが縮小され紐体3が積層された水産物養殖用トレー積層体2の側壁11群を緊縛する。少なくとも内側又は外側の一方側には前記紐体3を貫通させる貫通孔を設ける。
次に、貫通孔を側壁11の内側に設けた形態について説明する。前記紐体3の貫通用孔は前記紐体が貫通可能な板状の周壁12からなる紐体貫通用筒状体6とし、前記紐体3を往復させたときに紐体3が形成する大きなリング状体31の内側であって紐体3が接する側である紐体貫通用筒状体6の周壁12の外側の厚みを、図8又は図9に示すように、積層させた複数の前記水産物養殖用トレー積層体2を前記紐体3で緊縛させても該側壁11が二枚貝40を収容した水産物養殖用トレー積層体2の自重によって変形しない剛性を有する厚みに設定する。
積層させた水産物養殖用トレー積層体2のそれぞれの水産物養殖用トレー1の前記紐体貫通用筒状体6は平面視で同一位置にあるので、水産物養殖用トレー1を多段に積層させた後であっても上方から下方に向けてロープ等の紐体3を一気に貫通させることができる。
そして、図8に示すように、前記板状の周壁12からなる紐体貫通用筒状体6の周壁12の外側が水産物養殖用トレー1の側壁11を兼ねる構造とし、図10又は図11に示すように、その構造の下部に前記紐体3が貫通可能な上下方向の切欠き23を設けている。これにより、水産物養殖用トレー1を多段に積層させた水産物養殖用トレー積層体2にした後にロープ等の紐体3を容易に最下段の水産物養殖用トレー1の下部を通すことができる。前記切欠き23を設けない場合は最下段の水産物養殖用トレー1の下側に紐体3を通すために最下段の水産物養殖用トレー1を傾けなければならない。また、前記切欠き23により最下段の水産物養殖用トレー1と地面との間に紐体3が挟まれ破損するのを防止している。
前記ロープ等の紐体3を大きなリング状体31を形成させるように前記水産物養殖用トレー1の側壁11の内側と外側とを往復させて通すためには、前記紐体貫通用筒状体6が前記側壁11の内側又は外側に設けられていればよい。
次に、前記水産物養殖用トレー1の上端には水平方向に突設した周縁フランジ20を設けているので、ロープ等の紐体3が前記水産物養殖用トレー1に設けた周縁フランジ20によって破断しないために前記紐体3を通す部位には第一の形態の紐体ガイド用フランジ7を形成する。
第一の形態の紐体ガイド用フランジ7は、図2又は図4に示すように、紐体貫通用筒状体6を側壁11の内側に設けた場合には側壁11の外側に設ける。前記側壁11の上端には全周に亘って外方向に向かってかつ略水平方向に突設された周縁フランジ20が形成され、前記少なくとも側壁11の内周面側に設けられた1組の前記紐体貫通用孔4の前記側壁11を挟んだ側壁11の外周面側に該当する範囲の前記周縁フランジ20の形態が、前記周縁フランジ20の巾を狭くして紐体ガイド用のフランジ切欠き7aを形成しかつフランジ切欠き7aの周縁フランジ20先端部の角にR形状を形成した形態とし、この形態を第一の形態の紐体ガイド用フランジ7とする。
次に、積層した前記水産物養殖用トレー積層体2の各段の水産物養殖用トレー1の中心に対する対称位置の2ケ所にそれぞれ大きなリング状体31を形成したロープ等の紐体3により水産物養殖用トレー積層体2を緊縛状態とすることによって、前記水産物養殖用トレー積層体2を海水中に潮流Tを受けても安定した姿勢で垂下させることができる。
しかし、ロープ等の紐体3は長期間にわたり潮流Tのある海水中に垂下させていると万一破断する可能性が否定できないため、命綱的に緊張させずにゆとりをもった状態でロープ等の紐体3を水産物養殖用トレー積層体2の側壁11群を囲繞させて大きなリング状体31になるように通す。この場合にロープ等の紐体3は緊張させていないので水産物養殖用トレー積層体2に対して位置ずれをしないように第二の形態の紐体ガイド用フランジ8を形成する。
第二の形態の紐体ガイド用フランジ8は、図2又は図5に示すように、前記紐体貫通用筒状体6を側壁11の内側に設けた場合には側壁11の外側に設ける。前記側壁11の上端には全周に亘って外方向に向かってかつ略水平方向に突設された周縁フランジ20が形成され、前記少なくとも側壁11の内周面側に設けられた1組の前記紐体貫通用孔4の前記側壁11を挟んだ側壁11の外周面側に該当する範囲の前記周縁フランジ20の形態が、前記周縁フランジ20の巾を広くしてかつ平面視で前記紐体3が貫通する幅を有し一部が開口部22を有する略つ字状溝部21を形成し、前記略つ字状溝部21の中央に延設された紐体係止用フランジ24の向きが前記周縁フランジ20の外縁の接線方向と略同じ方向とした形態とし、この形態を第二の形態の紐体ガイド用フランジ8とする。
また、前記略つ字状溝部21の形体は、略コ字状の形体又は横にした略U字状の形体でもよく、図2に示すように、平面視で、側壁11の上端に設けられた周縁フランジ20に外方につながった開口部22を形成し、その開口部22にロープ等の紐体3を貫通させて、その貫通させた前記紐体3が外れてしまわないように係留させておく係止手段を有する形体であればいい。
次に、前記水産物養殖用トレー1の平面視の外郭形状は、前記水産物養殖用トレー1の平面視の側壁11からなる周縁部の形状が、前記水産物養殖用トレー1の中心点に対して点対称の周縁部が構成される形状であればよく、これが満たされるならば三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの多角形状、又は、円形状等の形状であればよい。
次に、図6、図8、図10、図16に示すように、前記水産物養殖用トレー1の底部形状が、前記水産物養殖用トレー1の下方に積層させた前記水産物養殖用トレー1の上部開口部の蓋部材となるようにしている。例えば、図8や図10の箇所Fに示すように水産物養殖用トレー1の側壁11を底壁10側に近づくほど狭くなるように斜めにして上段の水産物養殖用トレー1の底壁10が下段の水産物養殖用トレー1の上縁により形成された開口部に嵌合するようにしてもよいし、前記底部形状に段付きを形成して上段の水産物養殖用トレー1の底壁10の段付きが下段の水産物養殖用トレー1の上縁により形成された開口部に嵌合するようにしてもよい。これにより、収容された水産物が飛び出るのを防止している。
次に、図13に示すように、水産物養殖用トレー積層体2について説明する。水産物養殖用トレー積層体2は、平面視で前記水産物養殖用トレー1の前記紐体貫通用孔4の位置を一致させ、かつ前記水産物養殖用トレー1の中央部に立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体5の位置を一致させて複数の水産物養殖用トレー1を積み重ねた積層構造とする。
前記水産物養殖用トレー1の中央部に立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体5の位置を平面視で一致させると、下段の水産物養殖用トレー1の筒状体又は柱状体の外周面と上段の水産物養殖用トレー1の筒状体又は柱状体の内周面とを嵌合させるか、又は、下段の水産物養殖用トレー1の筒状体又は柱状体の内周面と上段の水産物養殖用トレー1の筒状体又は柱状体の外周面とを嵌合させる。
ロープ等の紐体3は、図12に示すように、少なくとも一端側に前記紐体3の他端側を貫通させる輪状部30を備える。これにより、前記輪状部30にロープ等の紐体3の他端側を貫通させるとロープ等の紐体3は大きなリング状体31を形成することができる。図13に示すように、一端に輪状部30が形成された前記紐体3の他端側を、水産物養殖用トレー積層体2の前記紐体貫通用筒状体6なる紐体貫通用孔4に往路で貫通させ、最下段の水産物養殖用トレー1の下部で折り返し、復路で水産物養殖用トレー積層体2の外縁に沿って上方に通した後に、前記輪状部30に戻ってきた紐体3の他端側を通す。そして、前記紐体3の他端側を引っ張り上げると前記紐体3により積層された水産物養殖用トレー積層体2が緊締状態となる。水産物養殖用トレー積層体2を空中に吊下げた状態から海中に沈下させていき海中に水産物養殖用トレー積層体2を垂下させる。
次に使用方法を説明する。例えば水産物養殖用トレー1を15段使用し、15段の水産物養殖用トレー積層体2の場合について説明する。まず、14個の水産物養殖用トレー1に対してマガキを各段の水産物養殖用トレー1に、図18(a)に示すように、ほぼ1段でバラ置き状態で収容する。次にマガキを載置した前記14個の水産物養殖用トレー1を縦方向に積み重ねる。この状態で水産物養殖用トレー1に載置されたマガキの周囲には空間が十分に確保されている。これにより海水をどのマガキにも万遍なく成長しやすい状態に供給できる。残りの1個の水産物養殖用トレー1は二枚貝を収容せずに最上段に配設し蓋として使用する。
次に、平面視で前記水産物養殖用トレー1の前記紐体貫通用孔4の位置を一致させ、かつ前記水産物養殖用トレー1の中央部に立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体5の位置を一致させて、例えば下段の水産物養殖用トレー1の筒状体又は柱状体の外周面と上段の水産物養殖用トレー1の筒状体又は柱状体の内周面とを嵌合させながら14個の水産物養殖用トレー1を積み重ねる。そして、最上段に空箱の水産物養殖用トレー1を載せる。
次に、ロープ等の紐体3の一端を最上段の水産物養殖用トレー1の紐体貫通用孔4に挿入し、最下段の水産物養殖用トレー1の下部で折り返し、復路で水産物養殖用トレー積層体2の外縁に沿って上方に通した後に、他端の輪状部30に戻ってきた紐体3の先を通す。これによって、ロープ等の紐体3は大きなリング状体31を形成し、そのリング状体31は各層の水産物養殖用トレー1の側壁11を上下方向で囲繞している。この紐体3の設置を、平面視で前記水産物養殖用トレー1の中心に対する対称位置であって側壁11近接位置の2ケ所について合計2本の紐体3で行う。そして、前記復路で水産物養殖用トレー積層体2の外縁に沿って上方に通す経路に、周縁フランジ20の当接する場合、第一の形態の紐体ガイド用フランジ7に当接する場合又は第二の形態の紐体ガイド用フランジ8に当接する場合がありいずれでもよい。
そして、前記紐体3の先端を引っ張り上げると前記紐体3により積層された水産物養殖用トレー積層体2が緊締状態となる。水産物養殖用トレー積層体2を空中で吊下げた状態から海中に沈下させていき海中に水産物養殖用トレー積層体2を垂下させる。
命綱的にロープ等の紐体3を緊張させずに水産物養殖用トレー積層体2に通しておけば、万一緊縛したロープ等の紐体3が破断しても、命綱的なロープ等の紐体3により水産物養殖用トレー積層体2がバラバラになるという状況を事前に回避することができる。前記命綱的に使用する紐体3を前記復路で水産物養殖用トレー積層体2の外縁に沿って上方に通す経路は第二の形態の紐体ガイド用フランジ8に当接する。この場合の紐体3も平面視で前記水産物養殖用トレー1の中心に対する対称位置であって側壁11近接位置の2ケ所について合計2本の紐体3で行う。
次に、養殖したマガキが生育したら海中から引き揚げる。引き上げた水産物養殖用トレー積層体2からロープ等の紐体3を引き抜く。その後、最上段の水産物養殖用トレー1を取り除き、次の下段の水産物養殖用トレー1を持ち傾けて保管箱にマガキを一気に落とし込む。この次の下段の水産物養殖用トレー1を持ち傾けて保管箱に一気にマガキを落とし込む作業を14回繰り返す。これで取出し作業は完了する。
比較例1
同一育成群のマガキ1kg(穀高平均約50mm、60個/1kg)ずつを、平成28年5月16日から6月17日の約4週間育成させて、従来容器の場合と本発明の水産物養殖用トレー1の場合との育成状況を比較した。従来容器としての底面丸型(直径約50cm)の養殖網を5段積みとし各段に1kgのマガキ種苗を収容した群と、本発明の水産物養殖用トレー1(底面はほぼ正方形、1辺の長さ約60cm)を15段積層させ、最上段の空箱を除いた後の上から1、4、7、10、14段目に各段1kgのマガキ種苗を収容しその他の段には約100個で約2.5kgの商品サイズのマガキを収容した群とで、育成状況を比較した。その結果を従来容器の場合を表1に示し、本発明のトレーの場合を表2に示す。なお、比較試験は広島湾の牡蠣養殖場で実施した。
Figure 0006742614
Figure 0006742614
比較した期間が5月後半から6月前半であり、マガキの成熟・産卵の時期であったこともあり、各郡とも約50%程度の試験対象物のマガキが斃死した。しかし、表1及び表2から、従来容器の養殖網の場合はいずれも重量が減少していたのに対して、本発明の水産物養殖用トレー1の場合は重量が増加しており、本発明の水産物養殖用トレー1の方が良好な生育を期待できることが示唆された。なお、広島湾の牡蠣養殖場における養殖籠を使用した養殖期間は一般的には約12か月である。
比較例2
次に、従来容器の養殖網の場合と本発明の水産物養殖用トレー1の場合との、マガキ種苗の収容作業時間及びマガキの取出し作業時間の比較を行った。なお、比較試験は広島湾の牡蠣養殖場で実施した。
従来容器として底面積30cm×30cmの正方形状の網状体の籠を使用し、各籠には30個/籠収容し5段に連結させた。一方、本発明の水産物養殖用トレー1には100個/段収容し14段積層させた。いずれもロープを使用して緊縛する作業も行った。その結果を従来容器の場合を表3に示し、本発明の水産物養殖用トレー1の場合を表4に示す。
Figure 0006742614
Figure 0006742614
表3及び表4から、マガキ1個当たりの作業時間は、マガキ収容作業で、従来容器の養殖籠に比較して本発明の水産物養殖用トレー1の方が1/6.29に大幅に時間短縮されたことが示唆され、マガキ取出し作業で、従来容器の養殖籠に比較して本発明の水産物養殖用トレー1の方が1/9.71に大幅に時間短縮されたことが示唆された。
1 水産物養殖用トレー
2 水産物養殖トレー集合体
3 紐体
4 紐体貫通用孔
5 インロー構造体
5a 凹構造のインロー
5b 凸構造のインロー
6 紐体貫通用筒状体
7 第一の形態の紐体ガイド用フランジ
7a フランジ切欠き
8 第二の形態の紐体ガイド用フランジ
10 底壁
11 側壁
12 周壁
20 周縁フランジ
21 略つ字状溝部
22 開口部
23 切欠き
24 紐体係止用フランジ
30 輪状部
31 リング状体
40 二枚貝
50 養殖籠
51 養殖トレー
51a 底部

Claims (8)

  1. 紐体を使用して、単体で、又は複数体を積層させて垂下させて使用する水産物養殖用の網状の底壁及び側壁を備えた箱型の水産物養殖用トレーであって、
    平面視で前記水産物養殖用トレーの中心に対する対称位置であって側壁近接位置に、少なくとも1組の上下方向に、前記側壁の内側又は外側に設けられ、前記側壁を周壁の一部とした、前記側壁の上端より低い位置で上端付近から下端に至る、前記紐体が貫通可能な筒状体を設けたことを特徴とする水産物養殖用トレー。
  2. 前記底壁の中央部に前記側壁の高さより高くなるように立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体が設けられ、
    前記インロー構造体の上部側に凹構造のインロー又は凸構造のインローが形成され、下部側に前記上部側のインローと嵌合可能な凸構造のインロー又は凹構造のインローが形成されたことを特徴とする請求項1に記載の水産物養殖用トレー。
  3. 前記紐体貫通用孔を前記紐体が貫通可能な板状の周壁からなる紐体貫通用筒状体とし、前記紐体を緊縛させたときに前記紐体が接する側である前記紐体貫通用筒状体の外側の周壁の厚みを、積層させた複数の前記水産物養殖用トレーを前記紐体で緊縛させても該側壁が変形しない剛性を有する厚みに設定することを特徴とする請求項に記載の水産物養殖用トレー。
  4. 前記板状の周壁からなる紐体貫通用筒状体の周壁の一部を前記側壁が構成する構造とし、前記一部を構成した側壁の下側に前記紐体が貫通可能な上下方向の切欠きを設けたことを特徴とする請求項3に記載の水産物養殖用トレー。
  5. 前記側壁の上端には全周に亘って略水平方向に突設された周縁フランジが形成され、前記少なくとも側壁の内周面側に設けられた1組の前記紐体貫通用孔の前記側壁を挟んだ側壁の外周面側に該当する範囲の前記周縁フランジの形態が、
    記周縁フランジ巾を広くしてかつ平面視で前記紐体が貫通する幅を有し開口部に連通した略つ字状溝部を形成し、前記略つ字状溝部の中央に延設された紐体係止用フランジの向きが前記周縁フランジの外縁の接線方向と略同じ方向とした形態の紐体ガイド用フランジの形態であることを特徴とする請求項乃至4のいずれかに記載の水産物養殖用トレー。
  6. 前記水産物養殖用トレーの平面視の側壁からなる周縁部の形状が、前記水産物養殖用トレーの中心点に対して点対称の周縁部が構成される形状であることを特徴とする請求項乃至5のいずれかに記載の水産物養殖用トレー。
  7. 前記水産物養殖用トレーの底部形状が、前記水産物養殖用トレーの下方に積層させた前記水産物養殖用トレーの皿状の上部開口部の蓋部材となることを特徴とする請求項乃至6のいずれかに記載の水産物養殖用トレー。
  8. 平面視で、請求項乃至7のいずれかに記載の水産物養殖用トレーの中心に対する対称位置であって側壁近接位置の2ケ所を1組として、少なくとも1組の上下方向に貫通した前記紐体貫通用孔の位置を一致させ、かつ前記水産物養殖用トレーの中央部に立設させた筒状体又は柱状体のインロー構造体の位置を一致させて複数の水産物養殖用トレーを積み重ねた積層構造とし、
    一端に輪状部が形成された前記紐体の他端を、最上段の前記水産物養殖用トレーの前記紐体貫通用孔から下方向に向けて最下段の前記水産物養殖用トレーの前記紐体貫通用孔まで貫通させて、前記紐体を上方向に折り返して最上段の前記水産物養殖用トレーの上方で、前記輪状部に前記折り返した前記紐体の他端を貫通させた形態であって、
    前記紐体の他端を引き上げると前記紐体により積層された水産物養殖用トレー積層体が緊縛状態となることを特徴とする水産物養殖用トレー積層体。
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