JP2011108904A - Iii族窒化物半導体の製造方法、iii族窒化物半導体及びiii族窒化物半導体素子 - Google Patents

Iii族窒化物半導体の製造方法、iii族窒化物半導体及びiii族窒化物半導体素子 Download PDF

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Abstract

【課題】反応室の内部に設けられる石英製の部材の損傷を防止しつつ、石英製の部材から剥がれた反応生成物が被形成体に付着することに起因する歩留まりの低下を抑制する。
【解決手段】本実施形態の発光素子の製造方法は、MOCVD法を用いて基板上にIII族窒化物半導体層を形成するものである。そして、本実施形態の発光素子の製造方法は、第1組目のウェハ群の製造工程(S101)、清掃工程(S102)、第2組目のウェハ群の製造工程(S103)、及びチップ化工程(S104)を含んで構成されている。ここで、第1組目のウェハ群の製造工程において、MOCVD装置の反応室に設けられる保護部材に反応生成物が付着する。そして、清掃工程において、ブラスト処理を用いて保護部材に付着する反応生成物の除去を行う。これにより、保護部材の受ける損傷を抑制しつつ、第2組目のウェハ群の製造工程において、ウェハへの反応生成物の混入が抑制される。
【選択図】図3

Description

本発明は、III族窒化物半導体の製造方法、III族窒化物半導体及びIII族窒化物半導体素子に関する。
近年、III族窒化物半導体を用いた半導体素子が広く用いられるようになってきている。このIII族窒化物半導体を用いた半導体素子は、例えば発光ダイオードなどの発光素子や、太陽電池などの受光素子に応用されている。そして、III族窒化物半導体結晶を成長させる方法として、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:以下、MOCVD法と呼ぶ)が知られている。MOCVD法では、例えばIII族有機金属原料ガスおよび窒素原料ガスを、高純度水素キャリアガスとの混合ガスとして反応室内に供給し、反応室内で加熱された基板の付近で原料を熱分解し、基板上にIII族窒化物半導体結晶をエピタキシャル成長させることで、III族窒化物半導体を得ている。
公報記載の従来技術として、MOCVD法を用いたMOCVD装置において、原料ガスが供給されるエピタキシャル成長炉の内部に、III族窒化物半導体結晶の成長対象となる複数の基板を、それぞれ結晶の成長面が上方となるように配置するものが存在する(特許文献1参照)。
特表2003−518199号公報
ところで、MOCVD装置における反応室の内部には、例えば反応室内に供給される原料ガスの反応によって生成される生成物が、反応室の内壁に付着、堆積するのを防止するための部材が設けられている。また、この反応室の内部に設けられる部材には、不純物濃度が低く、耐久性が高いことから石英製の部材が一般的に用いられている。
そして、MOCVD法において、原料ガスの反応によって生成された反応生成物(例えばIII族窒化物化合物)は、上述の石英製の部材にも付着、堆積する。さらに、石英製の部材に付着、堆積した反応生成物が一定量を超えると、成膜工程中に石英製の部材から剥がれることがある。このようにして剥がれた反応生成物の塊が基板上の成長面に落下すると、基板上に形成されるIII族窒化物半導体層に、反応生成物の塊が混入してしまう。または、堆積した反応生成物の膜応力によって石英製の部材が割れることもある。
反応生成物の塊が付着した部位については、最終的な製品すなわち半導体素子とすることができなくなってしまうため、半導体素子の製造における歩留まりの低下を招く。特に、基板上に付着した反応生成物の数あるいは量が著しく多いと、III族窒化物半導体層を形成した基板自体を破棄せざるを得なくなってしまうため、III族窒化物半導体層を形成した基板の製造における歩留まりの低下を招く。
ここで、反応室の内部に設けられる石英製の部材に付着、堆積した反応生成物は、例えばフッ化水素酸(HF)などを用いて除去することも可能である。しかし、かかる処理では、反応生成物を除去するのみならず、石英製の部材までもがエッチングされてしてしまい、石英製の部材の寿命を縮めてしまう。
本発明は、有機金属気相成長法を用いて被形成体にIII族窒化物半導体を製造する方法において、反応室の内部に設けられる石英製の部材の損傷を抑えつつ、石英製の部材から剥がれた反応生成物が被形成体に付着することに起因する歩留まりの低下を抑制することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明が適用されるIII族窒化物半導体の製造方法は、有機金属気相成長法を用いて被形成体にIII族窒化物半導体層を形成するIII族窒化物半導体の製造方法であって、過去のIII族窒化物半導体層の形成に伴って石英製の部材に付着した反応生成物を、機械的な処理によって除去し、被形成体及び反応生成物が除去された石英製の部材を反応室の内部に設置し、反応室に原料ガスを供給し、有機金属気相成長法を用いて被形成体にIII族窒化物半導体層を形成するIII族窒化物半導体の製造方法である。
このようなIII族窒化物半導体の製造方法において、機械的な処理は、石英製の部材にブラスト材を噴射するブラスト処理であることを特徴とすることができる。ここで、ブラスト処理に用いるブラスト材は、石英製の部材よりも硬度が低いことを特徴とすることができる。
また、石英製の部材は、被形成体の上方にて被形成体と対向する位置に設けられることを特徴とすることができる。そして、石英製の部材には、被形成体と対向する側に溝が設けられており、ブラスト処理では、石英製の部材に設けられる溝の幅よりも小さい粒径のブラスト材を用いてブラスト処理を行うことを特徴とすることができる。
このように、本発明においては、上述のIII族窒化物半導体の製造方法により製造されたIII族窒化物半導体を提供することができる。また、III族窒化物半導体の製造方法により製造されたIII族窒化物半導体をさらに加工して得られるIII族窒化物半導体素子を提供することができる。
本発明によれば、有機金属気相成長法を用いて被形成体にIII族窒化物半導体を製造する方法において、反応室の内部に設けられる石英製の部材の損傷を抑えつつ、石英製の部材から剥がれた反応生成物が被形成体に付着することに起因する歩留まりの低下を抑制することが可能となる。
本実施形態のウェハの断面図の一例である。 本実施形態の発光素子チップの断面図の一例である。 本実施形態の発光素子チップの製造方法を説明するためのフローチャートの一例である。 本実施形態のMOCVD装置の全体構成を説明するための一例の図である。 本実施形態のMOCVD装置の一例の断面図である。 本実施形態のMOCVD装置で使用される保護部材の構成を説明するための一例の図である。 本実施形態のブラスト装置の全体構成を説明するための一例の図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態では、III族窒化物半導体を用いた半導体素子の製造方法を説明する。III族窒化物半導体は、例えば発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子や、例えば太陽電池などの受光素子の電子材料などに応用される。そして、以下では、III族窒化物半導体を用いた発光素子チップLCの製造方法を例にして説明を行う。
図1は、本実施形態のウェハWの断面図の一例である。
図1に示すようにウェハWは、発光素子チップLCを得るために、基板上にIII族窒化物半導体層を積層させたものである。本実施形態のウェハWは、基板110と、基板110上に形成された中間層120と、中間層120の上に順次積層される下地層130とn型半導体層140と発光層150とp型半導体層160とを備えている。
ここで、n型半導体層140は、下地層130側に設けられるn型コンタクト層140aと発光層150側に設けられるn型クラッド層140bとを有する。また、発光層150は、障壁層150aと井戸層150bとが交互に積層され、2つの障壁層150aによって1つの井戸層150bを挟み込んだ構造を有する。さらに、p型半導体層160は、発光層150側に設けられるp型クラッド層160aと最上層に設けられるp型コンタクト層160bとを有する。なお、以下の説明においては、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160を、まとめて化合物半導体層100と称する。
(基板110)
基板110は、III族窒化物半導体とは異なる材料から構成され、基板110上にIII族窒化物半導体結晶がエピタキシャル成長される。基板110を構成する材料としては、例えば、サファイア、炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン等が挙げられる。これらの中でも、サファイア、炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)が好ましい。
(中間層120)
上述したように、基板110はIII族窒化物半導体とは異なる材料から構成される。このため、後述するMOCVD装置1を用いて化合物半導体層100を成膜する前に、バッファ機能を発揮する中間層120を基板110上に設けておくことが好ましい。特に、中間層120が単結晶構造であることは、バッファ機能の面から好ましい。単結晶構造を有する中間層120を基板110上に成膜した場合、中間層120のバッファ機能が有効に作用し、中間層120上に成膜される下地層130と化合物半導体層100とは、良好な結晶性を持つ結晶膜となる。なお、中間層120は、Alを含有することが好ましく、III族窒化物であるAlNを含むことが特に好ましい。
(下地層130)
下地層130に用いる材料としては、Gaを含むIII族窒化物(GaN系化合物半導体)が用いられ、特に、AlGaN、又はGaNを好適に用いることができる。下地層130の膜厚は0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。
(n型半導体層140)
n型半導体層140は、n型コンタクト層140aおよびn型クラッド層140bから構成される。
ここで、n型コンタクト層140aとしては、下地層130と同様にGaN系化合物半導体が用いられる。また、下地層130およびn型コンタクト層140aを構成する窒化ガリウム系化合物半導体は同一組成であることが好ましく、これらの合計の膜厚を0.1μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜15μm、さらに好ましくは1μm〜12μmの範囲に設定することが好ましい。
一方、n型クラッド層140bは、AlGaN、GaN、GaInN等によって形成することが可能である。また、これらの構造をヘテロ接合したものや複数回積層した超格子構造を採用してもよい。n型クラッド層140bとしてGaInNを採用した場合には、そのバンドギャップを、発光層150のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。n型クラッド層140bの膜厚は、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは5nm〜100nmの範囲である。なお、本明細書では、AlGaN、GaInNについて、各元素の組成比を省略した形で記述する場合がある。
(発光層150)
発光層150は、窒化ガリウム系化合物半導体からなる障壁層150aと、インジウムを含有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる井戸層150bとが交互に繰り返して積層され、且つ、n型半導体層140側及びp型半導体層160側にそれぞれ障壁層150aが配される順で積層して形成される。本実施の形態において、発光層150は、6層の障壁層150aと5層の井戸層150bとが交互に繰り返して積層され、発光層150の最上層及び最下層に障壁層150aが配され、各障壁層150a間に井戸層150bが配される構成となっている。
井戸層150bには、インジウムを含有する窒化ガリウム系化合物半導体として、例えば、Ga1-sInsN(0<s<0.4)等の窒化ガリウムインジウムを用いることができる。
また、障壁層150aとしては、例えば、インジウムを含有した窒化ガリウム系化合物半導体からなる井戸層150bよりもバンドギャップエネルギーが大きいAlcGa1-cN(0≦c≦0.3)等の窒化ガリウム系化合物半導体を好適に用いることができる。
(p型半導体層160)
p型半導体層160は、p型クラッド層160aおよびp型コンタクト層160bから構成される。p型クラッド層160aとしては、好ましくは、AldGa1-dN(0<d≦0.4)のものが挙げられる。p型クラッド層160aの膜厚は、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。
一方、p型コンタクト層160bとしては、AleGa1-eN(0≦e<0.5)を含んでなる窒化ガリウム系化合物半導体層が挙げられる。p型コンタクト層160bの膜厚は、特に限定されないが、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜200nmである。
図2は、本実施形態の発光素子チップLCの断面図の一例である。
図2に示すように、発光素子チップLCにおいては、p型半導体層160のp型コンタクト層160b上に透明正極170が積層され、さらにその上に正極ボンディングパッド180が形成されるとともに、n型半導体層140のn型コンタクト層140aに形成された露出領域140cに負極ボンディングパッド190が積層されている。
(透明正極170)
透明正極170を構成する材料としては、例えば、ITO(In23−SnO2)、AZO(ZnO−Al23)、IZO(In23−ZnO)、GZO(ZnO−Ga23)等の従来公知の材料が挙げられる。また、透明正極170の構造は特に限定されず、従来公知の構造を採用することができる。透明正極170は、p型半導体層160上のほぼ全面を覆うように形成しても良く、格子状や樹形状に形成しても良い。
(正極ボンディングパッド180)
透明正極170上に形成される電極としての正極ボンディングパッド180は、例えば、従来公知のAu、Al、Ti、V、Cr、Mn、Co、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Ta、Ni、Cu等の材料から構成される。正極ボンディングパッド180の構造は特に限定されず、従来公知の構造を採用することができる。
(負極ボンディングパッド190)
負極ボンディングパッド190は、基板110上に成膜された中間層120および下地層130の上にさらに成膜された化合物半導体層100(n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160)において、n型半導体層140のn型コンタクト層140aに接するように形成される。このため、負極ボンディングパッド190を形成する際は、p型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の一部を除去し、n型コンタクト層140aの露出領域140cを形成し、この上に負極ボンディングパッド190を形成する。
負極ボンディングパッド190の材料としては、正極ボンディングパッド180と同じ組成、構造でもよく、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
図3は、本実施形態の発光素子チップLCの製造方法を説明するためのフローチャートの一例である。
本実施形態では、後述のMOCVD装置1を用いて、MOCVD法によりIII族窒化物半導体の成膜を行う。本実施形態では、単一のMOCVD装置1にて複数(例えば6枚)のウェハW(以下、ウェハ群と呼ぶ。)を製造する。そして、本実施形態では、MOCVD装置1によって製造された2組のウェハ群から、さらに複数の発光素子チップLCを得る。
本実施形態の発光素子チップLCの製造方法は、図3に示すように、第1組目のウェハ群の製造工程(S101)、清掃工程(S102)、第2組目のウェハ群の製造工程(S103)、及びチップ化工程(S104)を含んで構成されている。
第1組目のウェハ群の製造工程は、2組製造するウェハ群のうち最初のウェハ群を製造する工程である(S101)。上述のとおり、MOCVD装置1を用いて、それぞれ基板110上にIII族窒化物半導体層を形成させた例えば6枚のウェハWからなる1組目のウェハ群を製造する。
清掃工程は、第1組目のウェハ群の製造の後であって第2組目のウェハ群の製造の前に、MOCVD装置1の反応室内における部材の清掃を行う工程である(S102)。本実施形態では、MOCVD装置1によって2組のウェハ群を製造する。そして、第1組目のウェハ群を製造することにより、MOCVD装置1の反応室に反応生成物(本実施形態ではIII族窒化物半導体)が付着、堆積する。清掃工程では、このMOCVD装置1の反応室に付着した反応生成物を機械的な処理によって除去する。なお、本実施形態では、機械的な処理として、反応生成物に対してブラスト材を噴射し、反応生成物を叩き落とすブラスト処理を採用している。なお、機械的な処理の他の例として、切削加工、研削加工、バレル加工、ラップ研磨、バフ研磨などが挙げられる。
第2組目のウェハ群の製造工程は、2組製造するウェハ群のうち後のウェハ群を製造する工程である(S103)。第2組目のウェハ群の製造工程は、ステップ102における清掃工程を経て、反応室の清掃が行われたMOCVD装置1を用いて、基板上にIII族窒化物半導体を成膜させた例えば6枚のウェハWからなる2組目のウェハ群を製造する。なお、第2組目のウェハ群の製造工程の基本構成は第1組目のウェハ群の製造工程と同様であり、本明細書では第2組目のウェハ群の製造工程についての説明は省略する。
チップ化工程は、第1組目のウェハ群の製造工程、及び第2組目のウェハ群の製造工程にて作製された複数のウェハWから、さらに複数の発光素子チップLCを得る工程である(S104)。チップ化工程では、各ウェハWにおいて電極の形成や、個別チップへの分離などを行う。このチップ化工程を経ることにより、III族窒化物半導体を用いた発光素子チップLC(図2参照)を得ることができる。
「第1組目のウェハ群の製造工程」
図4は、MOCVD装置1の全体構成を説明するための一例の図である。また、図5は、図4に示すMOCVD装置1のV−V断面図である。
MOCVD装置1は、内部に反応室が形成される反応容器10と、反応容器10の反応室内に配置される支持体20とを備えている。これらのうち、反応容器10は、円筒状の形状を有し上方に向かう開口が形成されるとともにその内部に支持体20を収容する収容部11と、円板状の形状を有しこの収容部11の上部に取り付けられる蓋部12とを備える。また、蓋部12は、収容部11に対して開閉自在に取り付けられており、収容部11に対して閉じられた場合には、収容部11とともに反応室を形成する。
蓋部12の中央部には、外部に設けられたガス供給機構(図示せず)から反応室内部に原料ガスを供給するための貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔には供給管13が接続されている。さらに、蓋部12の中央部から偏倚した位置には、外部から反応室内部を観察するための貫通孔も形成されている。
一方、収容部11の底面には、反応室内に供給された原料ガスを反応室の外部に排出するための複数の排気管が貫通形成されている。さらに、収容部11の底面中央部には、後述する軸21を通すための貫通孔も形成されている。
ここで、MOCVD装置1で使用する原料ガスについて説明する。
本実施の形態では、MOCVD装置1を用いて基板110上に予め任意の組成の化合物半導体層を形成した被形成体の一例としての化合物半導体基板40上に、さらにIII族窒化物半導体層を形成する。このため、原料として、III族の元素を含む有機金属と窒素を含むアンモニアNH3とを使用する。ただし、有機金属は主として液体原料であるため、液体状の有機金属に窒素N2および水素H2にてバブリングを行い、得られた窒素N2および水素H2および有機金属を混合させてなる有機金属ガスMOを原料ガスとして供給する。本実施の形態では、供給管13より有機金属ガスMOおよびアンモニアNH3の供給を行う。
なお、有機金属としては、例えばIII族のGaを含むトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、例えばIII族のAlを含むトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、例えばIII族のInを含むトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)が挙げられる。
また、n型のドーパントとしては、モノシラン(SiH4)やジシラン(Si26)をSi原料、あるいは、ゲルマンガス(GeH4)やテトラメチルゲルマニウム((CH34Ge)やテトラエチルゲルマニウム((C254Ge)をGe原料として用いてもよい。一方、p型のドーパントとしては、例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCp2Mg)をMg原料として用いてもよい。
また、支持体20は円板状の形状を有しており、一方の面すなわち表面が上方を向き、且つ、他方の面すなわち裏面が下方を向くように、収容部11内に配置されている。そして、支持体20は、カーボン(C)で形成された基材の外側に、SiCによるコーティングを施したもので構成されている。ここで、支持体20の表面側には、それぞれ円形状を有する6個の凹部が、円周方向に等間隔に形成されている。一方、支持体20の裏面側には、その中央部から下方に向かう金属製の軸21が取り付けられており、この軸21は、収容部11の底面中央部に設けられた貫通孔を介して反応容器10の外部に突出している。そして、支持体20は、反応容器10の外部から軸21に駆動力を与えることにより、図5に示す矢印A方向に回転するようになっている。
また、支持体20の表面に設けられた6個の凹部には、それぞれ円形状を有する基板保持体22が取り付けられている。これら基板保持体22は、それぞれ、上方を向く面に円形状の凹部が形成されており、各凹部には化合物半導体基板40が取り付けられている。そして、基板保持体22も、カーボンで形成された基材の外側に、SiCによるコーティングを施したもので構成されている。なお、支持体20に設けられた凹部と基板保持体22との間には隙間が形成されており、これら6個の基板保持体22は、支持体20に対して着脱自在となっている。
ここで、化合物半導体基板40は、その結晶成長面すなわち結晶の被形成面が外側に露出するように基板保持体22の凹部に保持されている。なお、化合物半導体基板40は、基板保持体22に対して着脱自在となっている。
そして、各基板保持体22は、それぞれが化合物半導体基板40を保持した状態で、図示しない貫通孔を介して供給される窒素N2の流れにより、図5に示す矢印B方向に回転するようになっている。
また、このMOCVD装置1の支持体20の裏面側と収容部11の底面との間には、支持体20および基板保持体22を介して化合物半導体基板40を加熱する加熱部15が設けられている。この加熱部15は、軸21を貫通させる穴が形成されたリング状の形状を備えており、その内部にはコイルが収容されている。なお、加熱部15は、コイルに電流が供給されることにより、支持体20を構成するカーボンを電磁誘導加熱する。
さらに、このMOCVD装置1の蓋部12の下方かつ支持体20の上方には、反応室内に供給される原料ガスの反応によって生成される生成物が、蓋部12の内壁に付着、堆積するのを防止することによって蓋部12を保護する保護部材16が設けられている。ここで、保護部材16は円形状を有しており、蓋部12と同様、中央部に外部から反応室の内部に原料ガスを供給する貫通孔が形成されている。また、保護部材16には、蓋部12と同様、外部から反応室内部を観察するための貫通孔も形成されている。
そして、保護部材16は、図示しない取付部材によって蓋部12に取り付けられている。なお、取付部材は、蓋部12に対して着脱自在となっており、これに伴い、保護部材16も、蓋部12に対して取り付けおよび取り外しが可能となっている。また、保護部材16は、取付部材によって蓋部12に取り付けられることにより固定されるようになっている。
なお、図5に破線で示すように、保護部材16は、上方からみた場合に支持体20の全面を覆うように配置されている。したがって、各基板保持体22を介して支持体20に保持される6枚の化合物半導体基板40は、保護部材16の下方に位置する。
また、このMOCVD装置1の支持体20と保護部材16との間には、反応室内に供給され、結晶のエピタキシャル成長に使用された原料ガス等を、収容部11の底面に設けられた排出管側へと導く排気部材18が取り付けられている。この排気部材18は、リング状の形状を有している。また、排気部材18の内壁は、支持体20に設けられた6つの凹部よりも外側に位置している。そして、排気部材18の内壁には、使用後の原料ガス等を外部に排出するための複数の貫通孔(図示せず)が形成されている。なお、排気部材18は、支持体20の外周部の縁端側との対向部において、支持体20の回転を妨げないように構成されている。
そして、このMOCVD装置1の蓋部12に設けられた貫通孔の上部には、監視装置19が取り付けられている。この監視装置19は、蓋部12および保護部材16にそれぞれ設けられた貫通孔を介して、反応室の内部の状態、より具体的には、基板保持体22を介して支持体20に保持された化合物半導体基板40上にエピタキシャル成長する結晶の状態、および、化合物半導体基板40の反りや表面温度の状態等を監視する。なお、これらの貫通孔を介して監視装置19に原料ガス等が流入するのを防止するため、監視装置19から反応室に向けて、例えば窒素N2等のパージガスが供給されている。
図6は、本実施形態のMOCVD装置1で使用される保護部材16の構成を説明するための一例の図である。
ここで、図6(a)は図4に示す保護部材16を支持体20側すなわち下方側からみた図であり、図6(b)は保護部材16を蓋部12側すなわち上方からみた図であり、図6(c)は保護部材16の断面を示す図である。なお、以下の説明においては、図6(a)に示す面を保護部材16の表面と呼び、図6(b)に示す面を保護部材16の裏面と呼ぶ。
保護部材16は、例えば石英ガラスによって構成されており、その中央部には原料ガスを供給するための第1貫通孔161が形成され、図中右側の一部位には監視装置19による監視を行うための第2貫通孔162が形成されている。
また、保護部材16の表面側すなわちMOCVD装置1における化合物半導体基板40との対向面には、360本の溝17が放射状に形成されている。保護部材16の表面側において、360本の溝17は、1度おきに等間隔に形成されており、それぞれがV字状の断面形状を有している。ここで、各溝17の幅Hは、例えば0.4mm以上2.0mm以下の範囲がよく、また、円周方向に対し幅Hを途中で任意に変化させた構造であってもよい。また、各溝17の深さDは、例えば0.2mm以上0.8mm以下とすることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、保護部材16の溝17は、前記V字状の断面形状以外にも、U字状の断面形状であってもよく、この場合、各溝17の幅Hは、例えば0.4mm以上2.0mm以下の範囲がよく、また、円周方向に対し幅Hを途中で任意に変化させた構造であってもよく、各溝17の深さDは、例えば0.2mm以上0.8mm以下とすることが好ましい。
本実施形態では、保護部材16の表面に放射状に複数の溝17を形成することにより、保護部材16表面の表面積を増加させ、保護部材16の表面に付着したIII族窒化物半導体の剥がれを抑制している。そして、本実施形態では、成膜の過程において、化合物半導体基板40上に異物が付着、堆積することを抑制する。
続いて、第1組目のウェハ群の製造手順を説明する。
まず、初めに化合物半導体基板40を準備する。所定の直径と厚さとを有するサファイア製の基板110を、図示しないスパッタリング装置にセットする。そして、スパッタリング装置にて、基板110上に、V族元素を含むガスと金属材料とをプラズマで活性化して反応させることにより、III族窒化物からなる中間層120を形成する。
次いで、中間層120が形成された基板110を、図4に示すMOCVD装置1にセットする。具体的に説明すると、中間層120が外側に向かうように、各基板110を各基板保持体22にセットし、各基板110がセットされた各基板保持体22を、支持体20に設けられた各凹部に、中間層120が上方を向くように配置する。そして、MOCVD装置1を用いて中間層120の上に下地層130の形成を行い、化合物半導体基板40を得る。
次に、MOCVD装置1を用いて、化合物半導体基板40にIII族窒化物半導体層を成膜する。
まず、6枚の基板保持体22の凹部に、それぞれ1枚ずつ化合物半導体基板40をセットする。このとき、化合物半導体基板40の下地層130を外部に露出させるようにする。続いて、反応容器10の蓋部12を開け、それぞれに化合物半導体基板40がセットされた6枚の基板保持体22を、MOCVD装置1の支持体20に設けられた6個の凹部にセットする。このとき、化合物半導体基板40の下地層130が上方を向くようにする。
その後、保護部材16が取り付けられた蓋部12を閉じて収容部11と蓋部12とを密着させる。
また、MOCVD装置1では、加熱部15のコイルに対する給電が開始され、加熱部15に流れる電流により、支持体20が電磁誘導加熱される。また、支持体20が電磁誘導加熱されることにより、支持体20に保持される6個の基板保持体22および各基板保持体22に保持される化合物半導体基板40が所定の温度に加熱される。さらに、監視装置19から反応室に向けてパージガスの供給が開始される。
そして、MOCVD装置1は、図示しないガス供給機構により、反応室に対し、供給管13からn型コンタクト層140a用の有機金属ガスMOおよびアンモニアNH3を供給する。これに伴い、反応室内では、加熱される化合物半導体基板40の近傍において有機金属とアンモニアNH3とが反応し、n型コンタクト層140a用のIII族窒化物化合物が基板保持体22を介して支持体20に保持される化合物半導体基板40上に成長する。このとき、化合物半導体基板40は所定の温度に加熱されているため、n型コンタクト層140a用のIII族窒化物化合物は、化合物半導体基板40の下地層130上に、エピタキシャルに成長する。
なお、反応室に原料ガスが供給されるのに伴い、既に反応室内に存在するガスの一部は、排気部材18に設けられた貫通孔を介して反応室の外部に排出され、さらに反応容器10の収容部11の底面に設けられた貫通孔を介して、反応容器10の外部に排出される。
n型コンタクト層140aの形成が完了すると、MOCVD装置1は、図示しないガス供給機構により、反応室に対し、供給管13からn型コンタクト層140a用の有機金属ガスMOに代えてn型クラッド層140b用の有機金属ガスMOを供給する。このとき、MOCVD装置1は、アンモニアNH3の供給を引き続き行う。これに伴い、反応室内では、加熱される化合物半導体基板40の近傍において有機金属とアンモニアNH3とが反応し、n型クラッド層140b用のIII族窒化物化合物が基板保持体22を介して支持体20に保持される化合物半導体基板40上に成長する。このとき、化合物半導体基板40は所定の温度に加熱されているため、n型クラッド層140b用のIII族窒化物化合物は、化合物半導体基板40のn型コンタクト層140a上に、エピタキシャルに成長する。
以後、反応室に供給する有機金属ガスMOを順次変更することにより、化合物半導体基板40上に形成されたn型クラッド層140bには、複数の障壁層150aおよび複数の井戸層150bを有する発光層150、そして、p型クラッド層160aおよびp型コンタクト層160bを有するp型半導体層160が順次形成される。このような手順を経て、ウェハWを得ることができる。
ところで、上述したMOCVD装置1を用いた製膜プロセスにおいて、反応室内で生成されたIII族窒化物半導体の一部は、化合物半導体基板40だけでなく、例えば保護部材16の表面にも付着する。
ここで、化合物半導体基板40は、上述のとおり支持体20にて所定の温度に加熱された状態にて、III族窒化物半導体層が成膜される。そして、化合物半導体基板40には、エピタキシャルに成長したIII族窒化物半導体層が形成される。一方、保護部材16は、III族窒化物半導体層を形成する対象でもなく、化合物半導体基板40のように所定の温度に加熱されていない。このため、保護部材16に付着するIII族窒化物半導体は、エピタキシャルに成長していない。なお、保護部材16に付着したIII族窒化物半導体を観察したところ、粉体が固まったような外観をしていた。
保護部材16に付着するIII族窒化物化合物(反応生成物)は、一定の厚み(例えば6μm)を越えるとその一部が剥離し易くなる。本実施形態の成膜条件では、第1組目のウェハ群の製造工程を行った段階で、保護部材16に付着するIII族窒化物半導体の厚みが6μm程度になる。そうすると、第1組目のウェハ群の製造工程の後に、続けて第2組目のウェハ群の製造工程を実施すると、保護部材16に付着するIII族窒化物半導体の厚みが6μmを越えることとなる。この場合、第2組目のウェハ群の製造プロセス中に、保護部材16に付着したIII族窒化物半導体の一部が剥離する可能性が極めて高くなる。そこで、本実施形態では、第1組目のウェハ群の製造工程の後に、清掃工程を設けて、保護部材16に付着するIII族窒化物半導体の膜の除去を行う。
「清掃工程」
清掃工程では、第1組目のウェハ群の製造工程を経ることによって、MOCVD装置1の反応室に付着した反応生成物の除去を行う。本実施形態の清掃工程では、MOCVD装置1の反応室を構成する部材のうち保護部材16を処理の対象とする。本実施形態において、保護部材16を清掃工程における処理の対象とするのは、MOCVD装置1においてウェハWの上側に保護部材16が位置しており、保護部材16に付着した反応生成物の一部が剥離した際には、その反応生成物の塊が特にウェハW上に降り注ぎ易いためである。
また、本実施形態では、第1組目のウェハ群の製造に際して、機械的な方法によって保護部材16に付着した反応生成物を除去する。機械的な方法の一つとして、ブラスト処理を採用している。
図7は、本実施形態のブラスト装置3の全体構成を説明するための一例の図である。
図7に示すブラスト装置3は、ブラスト材の飛散を防止するキャビネット31と、処理対象のワーク(本実施形態では保護部材16)に向けてブラスト材を噴射するブラストガン32と、ブラスト材を貯留するブラスト材貯留部33と、ブラストガン32に圧縮空気(Air)を供給するコンプレッサ34と、噴射された後のブラスト材を回収する回収装置35とを備える。
キャビネット31は、箱体であって、内側に設けられるブラストガン32などを操作するための操作口31aや、内側をのぞき込むための窓31bを有している。また、キャビネット31の内側には、ブラスト処理の対象となるワーク(本実施形態では保護部材16)を載せる回転台31cが設けられている。実際にブラスト装置3を使用する際には、キャビネット31にワークをセットし、キャビネット31内でブラスト処理を行う。キャビネット31内で作業を行うことで、ブラストガン32から噴射されたブラスト材の周囲への飛散が防止される。
ブラストガン32は、ブラスト材の噴射のON/OFFの操作や、噴射するブラスト材の方向付けを行うものである。ブラストガン32は、供給管341を通じてコンプレッサ34から圧縮空気の供給を受ける。また、供給管341においてブラストガン32とコンプレッサ34との間には、ブラスト材貯留部33に貯留されるブラスト材を供給するための供給管331が接続している。そして、ブラストガン32において、コンプレッサ34から圧縮空気が供給されると、その圧縮空気によってブラスト材が圧送され、ブラストガン32の先端部のノズルからブラスト材が噴射される。なお、ブラストガン32から噴射されるブラスト材の流速の調整は、コンプレッサ34による圧縮空気の圧力の調節によって行う。
ブラスト材貯留部33には、ブラスト処理に用いるブラスト材が貯留されている。ブラスト材貯留部33に貯留されるブラスト材は、供給管331を介してブラストガン32へと供給される。また、ブラスト材貯留部33は、回収装置35によって回収されたブラスト材を受け取る。そして、ブラスト材貯留部33は、回収装置35から受け取ったブラスト材を再びブラストガン32へと供給するようになっている。
ブラスト材貯留部33に貯留されるブラスト材には、本実施形態の保護部材16よりも軟らかいものを用いる。ブラスト処理によって、保護部材16が損傷することを抑制するためである。本実施形態の保護部材16の材料は石英ガラスであり、ブラスト材には、石英ガラスよりも硬度の低い材料を用いている。
また、ブラスト材には、保護部材16に付着する反応生成物の除去が可能な程度の硬さを有するものを用いる。なお、保護部材16に付着する反応生成物は、堆積物(デポ)とも呼ばれ、その硬さは石英ガラスを下回る程度である。
そして、本実施形態のブラスト材の材料には、保護部材16よりも硬度が低く、また保護部材16に付着する反応生成物の除去が可能な程度の硬さを有するソーダ石灰ガラス(Na2O−CaO−SiO2系ガラス)を用いている。なお、保護部材16の材料である石英ガラスのモース硬度は5.5〜6.5、一方ブラスト材の材料であるソーダ石灰ガラスのモース硬度は5である。
なお、本実施形態において、「硬度」の定義に限定はない。例えば、前記モース硬度以外にも、工業材料の硬度を定量的に表すヌープ硬度を採用してもよく、その他、ビッカース硬度、ブリネル硬度、ロックウエル硬度、シェア硬度等の定義を用いてもよい。
また、図6を参照しながら説明したように、本実施形態の保護部材16には、溝17が設けられている。従って、本実施形態では、保護部材16の溝17の内側に付着した反応生成物の除去を行えるように、溝17の幅Hよりも小さい粒径のブラスト材を用いている。
回収装置35は、噴射後のブラスト材などを回収して、そのブラスト材を再び利用するためのものである。回収装置35は、遠心分離器を備えている。回収装置35は、キャビネット31内に飛散したブラスト材や、粉砕された反応生成物を収集する。そして、回収装置35は、遠心分離器によってブラスト材とその他のものとを仕分ける。そして、回収装置35は、ブラスト材をブラスト材貯留部33へと送る。また、回収された反応生成物は精製処理することによってガリウムなどの有価金属として再利用することができる。
続いて、ブラスト装置3を用いた保護部材16の清掃手順について説明する。
第1組目のウェハ群の製造の後に、MOCVD装置1から保護部材16を取り外す。取り出した保護部材16は、反応生成物が付着した側を上にしてブラスト装置3の回転台31cに設置される。
そして、回転台31cを回転させながら、ブラストガン32を操作して保護部材16における反応生成物の除去を行う。ここで、本実施形態のブラスト処理の条件として、ブラスト材にはソーダ石灰ガラス(Na2O−CaO−SiO2系ガラス)を用いた。また、ブラスト材の粒径は38μm〜53μmであり、ブラスト材の形状は球状である。そして、コンプレッサ34における圧力は0.4MPaとし、ブラスト材の噴射時間は約30分間とした。
上記の清掃工程のブラスト処理において、保護部材16に付着した反応生成物は、ブラスト材の噴射を受けて叩き落とされる。そして、保護部材16における反応生成物の除去が完了する。反応生成物の除去が完了した保護部材16をブラスト装置3のキャビネット31から取り出し、ブラシを用いて保護部材16の表面に残った塵などを取り除いたうえ、さらに超音波洗浄機を用いて保護部材16の洗浄を行う。最後に、保護部材16に付着した水分を完全に除去するために加熱処理を行う。
本実施の形態では、保護部材16の硬度よりも低い硬度を有するブラスト材を用いたブラスト処理によって、保護部材16に付着する反応生成物の除去を行っている。このため、清掃工程において、保護部材16が受ける損傷が抑えられる。また、本実施形態の保護部材16には溝17(図6参照)が形成されている。ここで、本実施形態では、溝17の幅Hよりも小さい粒径のブラスト材を用いてブラスト処理を行っている。従って、ブラスト材が溝17の内側まで入り込むことができるため、保護部材16に付着する反応生成物の除去を効果的に行うことができる。
「第2組目のウェハ群の製造方法」
清掃工程を経た反応生成物の除去が行われた保護部材16を再びMOCVD装置1に取り付ける。そして、第2組目のウェハ群の製造工程を開始する。なお、第2組目のウェハ群の製造方法は、第1組目のウェハ群の製造方法と同様である。
第1組目のウェハ群を作製するにあたって、MOCVD装置1の保護部材16に付着した反応生成物は、上記の清掃工程において除去されている。従って、第2組目のウェハ群を製造する際に、その反応生成物の塊が作製中のウェハWに混入することが抑制される。
「チップ化工程」
上述のプロセスによって得られた第1組目のウェハ群及び第2組目のウェハ群における各ウェハWのp型半導体層160上に透明正極170を積層し、その上に正極ボンディングパッド180を形成する。また、エッチング等を用いてn型コンタクト層140aに露出領域140cを形成し、この露出領域140cに負極ボンディングパッド190を設ける。そして、基板110の厚さが調整されたウェハWを、例えば350μm角の矩形に切断することにより、発光素子チップLCを得る。
以上のようにして、第1組目のウェハ群の製造工程の後に、清掃工程を実施することで、第2組目のウェハ群の製造工程において、保護部材16に付着した反応生成物のウェハWへの混入が抑制される。これにより、本実施形態では、第2組目のウェハ群の製造工程において製造されるウェハWの収率が向上する。また、清掃工程において、機械的な処理によって保護部材16に付着する反応生成物の除去を行っているため、保護部材16が受ける損傷が抑制される。
なお、本実施形態では、MOCVD装置1における石英製の部材として、被形成体の上方にて当該被形成体と対向する位置に設けられる保護部材16を例に説明を行った。ただし、石英製の部材としては、保護部材16に限定されず、例えば被形成体と同一方向にて設けられる石英製の部材にも適用される。
1…MOCVD装置、3…ブラスト装置、16…保護部材、LC…発光素子チップ、W…ウェハ

Claims (7)

  1. 有機金属気相成長法を用いて被形成体にIII族窒化物半導体層を形成するIII族窒化物半導体の製造方法であって、
    過去のIII族窒化物半導体層の形成に伴って石英製の部材に付着した反応生成物を、機械的な処理によって除去し、
    被形成体及び前記反応生成物が除去された前記石英製の部材を反応室の内部に設置し、
    前記反応室に原料ガスを供給し、
    前記有機金属気相成長法を用いて前記被形成体にIII族窒化物半導体層を形成するIII族窒化物半導体の製造方法。
  2. 前記機械的な処理は、前記石英製の部材にブラスト材を噴射するブラスト処理であることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  3. 前記ブラスト処理に用いる前記ブラスト材は、前記石英製の部材よりも硬度が低いことを特徴とする請求項2に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  4. 前記石英製の部材は、前記被形成体の上方にて当該被形成体と対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  5. 前記石英製の部材には、前記被形成体と対向する側に溝が設けられており、
    前記ブラスト処理では、前記石英製の部材に設けられる前記溝の幅よりも小さい粒径のブラスト材を用いてブラスト処理を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体の製造方法によって製造されたIII族窒化物半導体。
  7. 請求項6に記載のIII族窒化物半導体を加工して得られたIII族窒化物半導体素子。
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