JP2011108843A - 表面実装型固体電解コンデンサ - Google Patents

表面実装型固体電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 表面実装型固体電解コンデンサにおいて、陽極部と陰極部の間の短絡を防止するとともに、信頼性の向上を図る。
【解決手段】 表面実装型固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子は弁作用金属からなる陽極体11を有しており、その陽極体11の端部は陽極導通片17及び導電性接着剤21を介して陽極端子18に接続され、銀電極層16は導電性接着剤21介して陰極端子19に接続されている。ここでコンデンサ素子において、その陽極体の端部に接続された陽極電極片17と陰極部の端部および銀電極層36との間に、レジスト層13によりレジスト形成部25を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は表面実装型固体電解コンデンサに関する。
高周波駆動する電子回路に実装されるノイズフィルタなどにおいては、その構成素子として小型のコンデンサが必要とされる。このような用途のコンデンサとしては表面実装型固体電解コンデンサが多く用いられる。表面実装型固体電解コンデンサの陽極体は一般に弁作用金属が用いられる。弁作用金属の一部の表面には深い凹凸が設けられて表面積が拡大される、すなわち表面が拡面化された層が形成され、その拡面化された領域に誘電体層が形成されている。誘電体層の表面には固体電解質層が形成され、さらにその表面にはグラファイト層や銀電極層が形成されて、それらを介して陰極端子が接続されている。一方、陽極体のうち誘電体層が形成された領域以外の表面の一部には金属片が接続され、この金属片は導電性接着剤を介して陽極端子と接続されている。
表面実装型固体電解コンデンサは2端子型もしくは3端子型の構成が一般的であり、2端子型のコンデンサはコンデンサ素子の下面に陽極端子および陰極端子が1つずつ、また3端子型のコンデンサ素子は下面の中央に陰極端子を挟んでその両側に陽極端子がそれぞれ1つずつ設けられた構成である。
表面実装型固体電解コンデンサの従来の技術について、図3をもとに説明する。図3は従来の技術の3端子型の表面実装型固体電解コンデンサの一例を示す図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−Aによる断面図、図3(c)は底面図である。表面実装型固体電解コンデンサの外形は図3に示すように一般に平面が長方形の平板状である。また図3(c)に示すように底面中央には広い面積の陰極端子39が設けられるとともに、陰極端子39を挟んで左右の両側には陽極端子38がそれぞれ設けられ、電気的な外部接点である電極部を構成している。これら3つの電極端子はいずれも平板上であり、表面実装型固体電解コンデンサの底面を構成する基板端子の同一平面に配置されている。
この表面実装型固体電解コンデンサの内部構造について説明する。図3(b)において、表面実装型固体電解コンデンサの図の高さ方向の中央には弁作用金属からなる板状の陽極体31が設置されている。陽極体31はその表面が拡面化された陽極体拡面化部32があり、陽極体拡面化部32の表面においては図示しない誘電体層が設けられている。
陽極体31の端部と陽極体拡面化部32、誘電体層の境界にレジスト層33が設けられている。レジスト層33の表面および誘電体層の外側には固体電解質層34が設けられており、陽極体31の拡面化により凹凸を有する誘電体層の表面を固体電解質が充填している。固体電解質層34に表面には、さらにグラファイト層35、銀電極層36がこの順番で設けられ、これによりコンデンサ素子が形成されている。銀電極層36は導電性接着剤41を介して基板端子における陰極端子39に接続され、陽極体31の両側の端部は、金属製の陽極導通片37および導電性接着剤41を介して基板端子における陽極端子38にそれぞれ接続されている。
尚、銀電極層36は、銀ペーストを塗布した後に乾燥固化することにより形成することが一般的である。また、基板端子とは、図3(b)における基板端子コア材40の上下方向に陽極端子38、陰極端子39を銅箔、めっきなどで形成し、上下方向は基板端子コア材の層間を接続するために用いる、すなわちビア・ホールの形成により電気的導通を取ったものである。
誘電体層と陰極部を形成する固体電解質層34、グラファイト層35、銀電極層36の各層は、コンデンサ素子の側面にもそれぞれ回り込むように形成されている。従ってこのコンデンサ素子に回り込むように形成された導電性を持つ、最も外側の銀電極層36によって、コンデンサ素子は、それぞれ陰極端子39に導電性接着剤41を介して電気的に接続されることとなる。外装においてはコンデンサ素子全体を覆うようにモールド樹脂42により外形を形成している。
表面実装型固体電解コンデンサに用いられる陽極体としてはアルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)などの金属箔が好適である。その表面の拡面化の方法としては化学処理や電気化学処理によるエッチング、また誘電体層の形成の方法としては化成処理による陽極酸化が好適である。エッチング処理によって陽極体31の表面にはエッチングピットと称される深い凹凸が形成されて拡面化が進行し、また陽極酸化によってその表面には誘電体層である陽極酸化皮膜が形成される。さらに、誘電体層の表面に配置される固体電解質層34としては導電性機能高分子膜が使用されている。
グラファイト層35の表面に形成される、銀電極層36は、導電性接着剤である銀ペーストを塗布して加熱乾燥するなどの方法によって形成することができる。また、陽極体31と陽極端子38との間に介在する陽極導通片37は金属の小片であり、陽極体31に対して溶接するなどの方法により接続することが一般的である。陽極端子38および陰極端子39はそれぞれ導電性接着剤41にてコンデンサ素子に接続することができ、またモールド樹脂および基板端子コア材40はエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂により形成されている。
特許文献1は3端子型の表面実装型固体電解コンデンサなどにおいて、陽極端子の接続部における導電性接着剤の横溢による短絡防止のため、絶縁樹脂塗布による絶縁層を形成する構成となっている。
特許文献1に記載の表面実装型固体電解コンデンサの構成を図4により説明する。図4は特許文献1の表面実装型固体電解コンデンサの断面図であり、この表面実装型固体電解コンデンサの構成は、レジスト層33、グラファイト層35、銀電極層36の両側の端部を覆うように、絶縁樹脂層26を形成するものである。この絶縁樹脂層26は、レジスト層33形成後、固体電解質層34、グラファイト層35、銀電極層36を順に形成した後、形成するものである。
特開2009−129936号公報
以上、説明した表面実装型固体電解コンデンサの従来の技術においては、陽極体に接続された陽極導通片を陽極端子に接続するために、前述のように導電性接着剤を使用している。導電性接着剤は銀などの金属粒子を有機溶剤に分散させたもので、銀電極層を設けるために塗布される銀ペーストと基本的には同種のものである。ここで、陽極導通片と陽極端子とを接続する導電性接着剤の量を注意せずに塗布すると、導電性接着剤が比較的流動性に富んでいるために両者の接続部から陰極部の付近に横溢し、表面実装型固体電解コンデンサの内部で短絡を発生させるという問題があった。
このような短絡の発生を防止するために、従来は陽極端子の接続のために用いる導電性接着剤の塗布量を制限することにより、導電性接着剤の横溢が生じないように制御し、また、コンデンサ素子の中央部44を短く(陽極体の端部を長く)することにより、陽極端子の近傍とコンデンサ素子の陰極部との間隔を大きくしていた。
しかし、導電性接着剤に塗布量の制限を設けると、陽極導通片と対向する陽極端子の双方の接続面のうち、導電性接着剤が実際に接触する面積はその一部のみに限定されてしまう。一般に導電性接着剤による接続では溶接などに比べると接続抵抗が大きくなることが知られており、接続抵抗を低減させるためにはその接続面積をできるだけ大きくすることが望ましい。しかしながら従来の表面実装型固体電解コンデンサでは前述の理由により、コンデンサ素子と陽極端子との接続面積を十分に大きく保つことができなかった。また、レジスト層13が、誘電体層が表面に形成された陽極体拡面化部と固体電解質層が削減されるようにコンデンサ素子に形成されるため、コンデンサが本来得られる静電容量を小さくしてしまっていた。
また、特許文献1の構造を得るためには、陽極体と近接しているレジスト層33と絶縁樹脂層26を別々に形成する必要が生じるため、製造工程が煩雑化し、生産性を低下させる要因となることが懸念されていた。
本発明は、従来よりも接続抵抗を低減、及びコンデンサの容量の拡大を実現することができる表面実装型固体電解コンデンサを提供するものである。
本発明の表面実装型固体電解コンデンサは、表面の一部が拡面化された弁作用金属からなる陽極体と、前記陽極体の前記拡面化された表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の表面に順次形成された固体電解質層とグラファイト層と銀電極層とからなる陰極部と、前記陽極体の端部に接続された陽極導通片と、前記誘電体層と前記陽極導通片との間に、レジスト層により形成されたレジスト形成部とを有するコンデンサ素子と、上面で前記銀電極層と導電性接着剤を介して接続され、下面でコンデンサの実装用となる陰極端子と、上面で前記陽極導通片と導電性接着剤を介して接続され、下面でコンデンサの実装用となる陽極端子を有する基板端子を備えた表面実装型固体電解コンデンサであって、前記レジスト形成部が前記陰極部の両側の端部または片側の端部から前記銀電極層の表面の一部を絶縁するように形成されることを特徴とする。
本発明の表面実装型固体電解コンデンサは、前記レジスト形成部は同一の絶縁樹脂で形成されることを特徴とする。
さらに、本発明の表面実装型固体電解コンデンサは、前記表面実装型固体電解コンデンサは2端子または3端子で構成されることを特徴とする。
本発明によれば、コンデンサ素子の中央部を形成後、陽極体の拡面化された表面に形成された誘電体層と、その誘電体層の表面に順次形成された固体電解質層とグラファイト層と銀電極層とからなる陰極部と、陽極体の端部に接続された陽極導通片と、誘電体層と陽極導通片との間にレジスト形成部を設けるものである。このレジスト形成部により、陽極導通片と陽極端子を接続している導電性接着剤塗布量を多くすることができる。このため、陽極導通片と陽極端子の接続面積が拡大でき、表面実装型固体電解コンデンサの接続抵抗の値を低減することが可能である。また、コンデンサ素子において誘電体層が表面に形成された陽極体拡面化部と固体電解質層を従来の技術の構造より拡大することができ、表面実装型固体電解コンデンサの静電容量値を増加させることが可能となる。
また、本発明は、レジスト層と絶縁樹脂層を同時に、且つ同一の材料で形成することで、界面を持たない一様な層が形成でき、レジスト層と絶縁樹脂層の形成を同時に行うことによる作業工程の低減を図ることが可能となる。
更に本発明では、2端子型もしくは3端子型の表面実装型固体電解コンデンサはレジスト形成部の構造により、陽極端子18の接続のために、導電性接着剤21の塗布量を多くすることができる。このことにより、導電性接着剤21を介して接続する陽極導通片17と陽極端子18の接続面積を大きくすることができ、従来の技術より、表面実装型固体電解コンデンサの接続抵抗を低減することができる。また、静電容量も増加させた表面実装型固体電解コンデンサを得ることが可能となる。
本発明の実施形態1の表面実装型固体電解コンデンサを示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−Aによる断面図、図1(c)は底面図である。 本発明の実施形態2の表面実装型固体電解コンデンサを示す図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−Aによる断面図、図2(c)は底面図である。 従来の技術の表面実装型固体電解コンデンサを示す図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−Aによる断面図、図3(c)は底面図である。 特許文献1の表面実装型固体電解コンデンサを示す断面図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の表面実装型固体電解コンデンサを示す図である。
図1に示す本発明の表面実装型固体電解コンデンサは矩形平板状の外形であり、一般に3端子伝送線路素子タイプと称されている。図1(b)の中央には陽極体11が存在し、この陽極体11は板状または箔状の弁作用を有する弁作用金属の表面に、エッチングなどによって多数の空孔を形成してその表面積を200倍ほどに増加(拡面化)させたものである。この表面が拡面化された陽極体拡面化部12の表面には、図示しない誘電体層が形成されている。この誘電体層としては、陽極酸化皮膜を設けることが好適である。
ここで陽極体11を構成する弁作用金属としては、タンタル、アルミニウム、ニオブなどの弁作用を有する金属材料を用いることが好適である。誘電体層の表面には、さらに固体電解質層14が設けられている。この固体電解質層14は一般に誘電率の高い材料であって導電性機能高分子膜が好適に使用され、具体的にはピロール、チオフェンなどが使用可能である。固体電解質層14の表面には、さらにグラファイト層15、銀電極層16がこの順番で形成される。また、銀電極層16としては導電性接着剤である銀ペーストの使用が好適である。誘電体層、固体電解質層14、グラファイト層15、銀電極層16の各層は、コンデンサ素子の側面にもそれぞれ回り込むように形成されている。
一方、陽極体11の端部に関しては陽極体拡面化部12、誘電体層、陰極部を構成する固体電解質層14、グラファイト層15、銀電極層16などは形成されていない。
尚、この段階では、誘電体層と陰極部を構成する固体電解質層14とグラファイト層15、そして銀電極層16からなる各層の両側の端部には下位の層に上位の層が覆うように形成されている部分があるため、各層がそれぞれ順次に現れるまで、陽極体11に対してほぼ直角にでるようにレーザー等で除去を実施する。これはコンデンサ素子内で電気的な短絡を防止するためである。
その後、レジスト層13は陽極体11の陽極体拡面化部12がない部分から、誘電体層および前述した陰極部の両側の端部を覆い、銀電極層16の端部の一部を覆うように形成される。レジスト層13も、コンデンサ素子の側面に回り込むように形成されている。
一方、陽極体11の端部に陽極導通片17が溶接などにより接続されて、これらの構成によりコンデンサ素子が形成されている。
ここで陽極端子18および陰極端子19は各々の底部として表面実装型固体電解コンデンサの基板実装面となる同一平面を有しており、基板端子コア材20に銅箔、めっきなどにより、基板端子における電極端子としている。図1(b)における基板端子コア材20を挟んだ各電極の上下方向の導通については、ビア・ホールにより確保する。更にモールド樹脂22がコンデンサ素子全体を覆うように外形を形成する構成となっている。
そして、レジスト層13によって形成されたレジスト形成部25が、従来の技術であれば、コンデンサ組立て後に生じていた空隙、つまり誘電体層、陰極部と、陽極体の端部に接続された陽極導通片、その陽極導通片と導電性接着剤を介して接続される陽極端子との間の空隙をうまく塞ぎ、電気的に絶縁するような状態で設けられることとなる。
よって、コンデンサ素子へレジスト層13によるレジスト形成部25を設けることで、陽極端子18の接続のために、導電性接着剤21の塗布量を多くすることができる。その結果、導電性接着剤21を介して接続する陽極導通片17と陽極端子18の接続面積を大きくすることができ、表面実装型固体電解コンデンサの接続抵抗を低減することができる。
また、図1(b)に示すように、表面に誘電体層が形成された陽極体拡面化部12と固体電解質層14を大きくすることができ、表面実装型固体電解コンデンサの静電容量を大きくすることができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2の表面実装型固体電解コンデンサを示す図である。実施の形態2は2端子とレジスト形成部が片側1箇所となる構造以外は本発明の実施の形態1の構成と同様であるため、主要部分のみの記載とする。
図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−Aによる断面図、図2(c)は底面図である。2端子型の表面実装型固体電解コンデンサの構造は図2(b)に示すとおり、導電性接着剤21が横溢する可能性がある陽極端子18は一箇所のみである。その部分(コンデンサ素子の左側)にレジスト形成部25を形成した構成である。このレジスト形成部25により、陽極端子18の接続のために、導電性接着剤21の塗布量を多くすることが可能となる。その結果、導電性接着剤21を介して接続する陽極導通片17と陽極端子18の接続面積を大きくすることができ、表面実装型固体電解コンデンサの接続抵抗を低減することができる。
また、コンデンサ素子において、表面に誘電体層が形成された陽極体拡面化部12と固体電解質層14を大きくすることができ、表面実装型固体電解コンデンサの静電容量を大きくすることができる。
尚、レジスト層13が銀電極層16の端部を覆う範囲は、陰極端子19と銀電極層17を接続させるために塗布される導電性接着剤21にレジスト形成部25が接触しない範囲内であればかまわない。
以下に本発明の実施例を詳述する。
(実施例1)
本発明の表面実装型固体電解コンデンサの具体的な実施例について第一の実施の形態で用いた図1を参照して説明する。尚、実施例1は3端子型の表面実装型固体電解コンデンサであり、導電性接着剤塗布量を変化させた複数の水準を作製し、2つの陽極端子18間の接続抵抗、陽極端子18と陰極端子19間の静電容量を確認した。
実施例1のコンデンサ素子を形成する陽極体11は、表面がエッチング加工により拡面化された長さ7.8mm、幅3.5mm、厚さ150μmのアルミニウム箔を用い、その表面の中央部24に誘電体を形成した。この誘電体の表面に固体電解質層14として導電性機能高分子膜を厚さ約15μmにて形成し、次いでグラファイト層15を厚さ約20μm、銀ペーストからなる銀電極層16を厚さ15μmにてそれぞれ形成した。
一方、陽極体11の端部に関しては陽極体拡面化部12を除去したため、誘電体層、固体電解質層14、グラファイト層15、銀電極層16などは設けていない。また誘電体層、固体電解質層14、グラファイト層15、銀電極層16の各層は、コンデンサ素子の側面にもそれぞれ回り込むように形成させた。
次に、誘電体層と陰極部を構成する固体電解質層15とグラファイト層16、そして銀電極層17からなる各層の両側の端部には下位の層に上位の層が覆うように形成されている部分があるため、陽極体11に対してほぼ直角に各層がそれぞれ順次に現れるまで、YAGレーザーを用いて切削加工を行った。
そして、レジスト層13としてエポキシ樹脂を陽極体11の陽極体拡面化部12がない部分から、誘電体層および前述した陰極部の両側の端部を覆い、銀電極層17の端部の一部を覆うように塗布し加熱硬化した。レジスト層13も、コンデンサ素子の側面に回り込むように形成した。このようにしてレジスト層13を設けた本発明を構成するコンデンサ素子が完成した。
その後、陽極体11の端部に、陽極導通片17を超音波溶接で接続した。尚、この陽極導通片17は銅合金の表面に厚さ約4μmの銀めっき膜を形成した、厚さが約200μmの金属片である。
続いて陽極端子18および陰極端子19を有する基板端子は以下のように構成した。基板端子はガラスを含有したエポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂を基板端子コア材20とし、その両面にCu箔を接続後、Cuめっき、およびAuめっきを順次施し、ビア・ホールにより表裏の導通をとった。
その後、陽極端子18、陰極端子19に導電性接着剤21を塗布してコンデンサ素子の陽極導通片17、銀電極層16を接続し、乾燥固化させた。なお導電性接着剤21としては銀ペーストを用いた。
この接着の段階で、実施例1の陽極端子18を接続するための導電性接着剤21の塗布量を制御して、2箇所の陽極端子18への導電性接着剤21の塗布面積をそれぞれ変えて試料を作製した。ここで各試料における導電性接着剤21の塗布は、印刷方式を用いた。導電性接着剤21による陽極端子18での接続面積が、それぞれ20%、40%、60%(60%は従来の技術の接続面積と同等である。)、80%、100%となる塗布量を割り出し、5水準の試料を76個ずつ作製した。
最後にモールド樹脂22で、基板端子の一部とコンデンサ素子全体とを覆うように成形し、製品形状を得た。
(比較例)
比較例として従来の技術の図3の構成で導電性接着剤21の印刷面積を変えてサンプルを作製した。従来の技術では接続面積の60%が横溢発生しない限度と判断されていたため、陽極端子18の接続面積の60%、および80%になったサンプル2水準を各76個作製した。部材は本発明と同様とした。
以上作製した各試料において、2箇所の陽極端子18間の直流抵抗の値、陽極端子18と陰極端子19間の静電容量の値を公知の測定方法で測定した。また、陰極端子18と陽極導通片37の接続部から横溢の発生や、コンデンサ素子の陰極層との短絡を発生、モールド時の成形性を確認した。
なお、各試料では実際の接続面積に多少のばらつきが生じたが、そのばらつきは5%以下であり、十分、接続面積の変化が及ぼす導電性接着剤の影響を評価できる試料であると判断した。また表1に示した結果は各条件について12個の試料の平均の値である。
表1に実施例1の各水準と比較例の結果を示す。
Figure 2011108843
※接続面積:陽極導通片の接続可能面積を100として算出した。
※直流抵抗低減率、静電容量増加率は比較例1(従来の技術)を基準として算出した。
※判定:導電性接着剤の横溢の発生、短絡の発生、直流抵抗低減、接続後の強度(モールド時の成形性)を含めた場合の評価を示した。
上記、表1より本発明の構成では従来の技術と比較して、陽極端子18と陽極導通片17における導電性接着剤21の接続面積を80%、100%と大きくした場合でも、導電性接着剤21の横溢の発生、短絡の発生はなく、且つ、直流抵抗値が低減していることがわかる。
また、レジスト層13を図1に示すように、誘電体層が表面に形成された陽極体拡面化部と固体電解質層を従来の技術の構造より拡大することができ、表面実装型固体電解コンデンサの静電容量値を増加させることが可能となり、本発明の効果が伺える。
(実施例2)
実施例2の表面実装型固体電解コンデンサは本発明の実施の形態2の表面実装型固体電解コンデンサで説明した図2の構造と同等で2端子構造である。
なお、2端子型の表面実装型固体電解コンデンサは、陽極端子が1箇所しかないので実際には陽極端子間の直流抵抗の値を測定することができない。したがって、試料の作製は行わなかった。しかし、図2に示すようレジスト形成部21をコンデンサ素子の左側に形成した構造にしたため、実施例1の3端子型の表面実装型固体電解コンデンサの場合と同様に導電性接着剤21の接続面積を100%にしても、導電性接着剤21が横溢発生や短絡の発生もしない2端子型の表面実装型固体電解コンデンサを実現できるものと考えられる。また、直流抵抗の値が低減することも十分推察できる。
これまで説明したように、本発明に係る2端子型もしくは3端子型の表面実装型固体電解コンデンサはレジスト形成部の構造により、陽極端子18の接続のために、導電性接着剤21の塗布量を多くすることができる。このことにより、導電性接着剤21を介して接続する陽極導通片17と陽極端子18の接続面積を大きくすることができ、従来の技術より、表面実装型固体電解コンデンサの接続抵抗を低減することができる。また、静電容量も増加させた表面実装型固体電解コンデンサを得ることが可能となる。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
11、31 陽極体
12、32 陽極体拡面化部
13、33 レジスト層
14、34 固体電解質層
15、35 グラファイト層
16、36 銀電極層
17、37 陽極導通片
18、38 陽極端子
19、39 陰極端子
20、40 基板端子コア材
21、41 導電性接着剤
22、42 モールド樹脂
23、43 端部
24、44 中央部
25 レジスト形成部
26 絶縁樹脂層

Claims (3)

  1. 表面の一部が拡面化された弁作用金属からなる陽極体と、前記陽極体の前記拡面化された表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の表面に順次形成された固体電解質層とグラファイト層と銀電極層とからなる陰極部と、前記陽極体の端部に接続された陽極導通片と、前記誘電体層と前記陽極導通片との間に、レジスト層により形成されたレジスト形成部とを有するコンデンサ素子と、上面で前記銀電極層と導電性接着剤を介して接続され、下面でコンデンサの実装用となる陰極端子と、上面で前記陽極導通片と導電性接着剤を介して接続され、下面でコンデンサの実装用となる陽極端子を有する基板端子を備えた表面実装型固体電解コンデンサであって、前記レジスト形成部が前記陰極部の両側の端部または片側の端部から前記銀電極層の表面の一部を絶縁するように形成されることを特徴とする表面実装型固体電解コンデンサ。
  2. 前記レジスト形成部は同一の絶縁樹脂で形成されることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型固体電解コンデンサ。
  3. 前記表面実装型固体電解コンデンサは2端子または3端子で構成されることを特徴とする請求項1から2のいずれか一項に記載の表面実装型固体電解コンデンサ。
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