JP2011107572A - プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の光学部品保護方法、及び表示用パネル基板の製造方法 - Google Patents

プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の光学部品保護方法、及び表示用パネル基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浮遊物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止する。
【解決手段】露光光照射装置30の光学部品(32,33,34,36,37)の表面近くに、光学部品の表面全体に渡って、エアの流れの層を形成する。露光光照射装置の光学部品の表面近くに光学部品の表面全体に渡って形成されたエアの流れの層により、露光光照射装置の光学部品が浮遊物から遮蔽されて、浮遊物の光学部品への付着が防止される。特に、露光光照射装置の光学部品が基板に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物から遮蔽されて、昇華物の光学部品への付着が防止されるので、露光光照射装置の光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による光学部品の汚れが防止される。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、プロキシミティ方式を用いて基板の露光を行うプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の光学部品保護方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に係り、特に、露光光照射装置の光学部品の汚れを防止するのに好適なプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の光学部品保護方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に関する。
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがある。プロキシミティ方式は、プロジェクション方式に比べてパターン解像性能は劣るが、照射光学系の構成が簡単で、かつ処理能力が高く量産用に適している。
プロキシミティ露光装置は、感光樹脂材料(フォトレジスト)が塗布された基板を支持するチャックと、パターンが形成されたマスクをチャックの上方で保持するマスクホルダと、露光光照射装置とを備え、マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板とを、数百μm程度の距離まで近接させて、露光を行う。マスクホルダは、露光光が通過する開口と、開口の周囲に設けられた吸着溝とを有し、吸着溝によりマスクの周辺部を真空吸着して、マスクをチャックに支持された基板に向かい合わせて保持する。露光光照射装置は、露光光を発生する光源と、集光鏡、平面鏡、レンズ群等の露光光を照射する光学部品とを有し、マスクホルダの上方に設けられて、マスクホルダの上方からマスク及び基板へ露光光を照射する。
基板に塗布された感光樹脂材料には、染料や顔料、有機溶剤等が含まれており、露光光を照射すると、これらの染料や顔料、有機溶剤等から昇華物が発生する。プロキシミティ露光装置では、この昇華物が、マスクと基板との間に浮遊して、マスクに付着する。そのため、マスクをマスクホルダから取り外して定期的に洗浄する必要があり、マスクの洗浄を行っている間は露光処理が中断されて、生産性が低下する。特許文献1には、マスクのパターン面に光触媒からなる被膜又は光触媒を含む被膜を成膜して、マスクに付着した昇華物を光触媒作用で分解する技術が開示されている。
特開2008−197234号公報
感光樹脂材料から発生した昇華物は、マスクホルダの周辺部からマスクホルダの上方へ上昇し、マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置の集光鏡、平面鏡、レンズ群等の光学部品にも付着する。そのため、露光光照射装置の光学部品を定期的に洗浄する必要があり、光学部品の洗浄を行っている間は露光処理が中断されて、生産性が低下する。特許文献1に記載の技術は、光触媒からなる被膜又は光触媒を含む被膜を成膜する新たな処理を施す必要があり、これを露光光照射装置の光学部品に適用すると、既存の光学部品をそのまま使用することができない。また、プロキシミティ露光装置では、感光樹脂材料からの昇華物の他に、塵埃等の異物が露光光照射装置の光学部品の周囲に浮遊することがあり、これらの浮遊物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止する必要がある。
本発明の課題は、浮遊物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止することである。また、本発明の課題は、露光光照射装置の光学部品を洗浄する頻度を低下させて、表示用パネル基板の生産性を向上させることである。
本発明のプロキシミティ露光装置は、感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、パターンが形成されたマスクをチャックの上方で保持するマスクホルダと、露光光を照射する光学部品を有し、マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、露光光照射装置の光学部品の表面近くに、光学部品の表面全体に渡ってエアの流れの層を形成する手段を備えたものである。
また、本発明のプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法は、感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、パターンが形成されたマスクをチャックの上方で保持するマスクホルダと、露光光を照射する光学部品を有し、マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法であって、露光光照射装置の光学部品の表面近くに、光学部品の表面全体に渡ってエアの流れの層を形成するものである。
露光光照射装置の光学部品の表面近くに光学部品の表面全体に渡って形成されたエアの流れの層により、露光光照射装置の光学部品が浮遊物から遮蔽されて、浮遊物の光学部品への付着が防止される。特に、露光光照射装置の光学部品が基板に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物から遮蔽されて、昇華物の光学部品への付着が防止されるので、露光光照射装置の光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による光学部品の汚れが防止される。
あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置は、感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、パターンが形成されたマスクをチャックの上方で保持するマスクホルダと、露光光を照射する光学部品を有し、マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、露光光が通る開口を有し、露光光照射装置の光学部品を収容するカバーと、カバー内へエアを供給して、カバー内を陽圧に保つエア供給手段とを備えたものである。
また、本発明のプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法は、感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、パターンが形成されたマスクをチャックの上方で保持するマスクホルダと、露光光を照射する光学部品を有し、マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法であって、露光光が通る開口を有するカバー内に、露光光照射装置の光学部品を収容し、カバー内へエアを供給して、カバー内を陽圧に保つものである。
露光光が通る開口を有するカバー内に、露光光照射装置の光学部品を収容し、カバー内へエアを供給して、カバー内を陽圧に保つことにより、浮遊物のカバー内への侵入が阻止され、浮遊物の光学部品への付着が防止される。特に、基板に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物のカバー内への侵入が阻止され、昇華物の光学部品への付着が防止されるので、露光光照射装置の光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による光学部品の汚れが防止される。
本発明の表示用パネル基板の製造方法は、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を用いて露光光照射装置の光学部品を保護しながら、基板の露光を行うものである。浮遊物の光学部品への付着が防止されるので、露光光照射装置の光学部品を洗浄する頻度が低下し、表示用パネル基板の生産性が向上する。
本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法によれば、露光光照射装置の光学部品の表面近くに、光学部品の表面全体に渡ってエアの流れの層を形成することにより、露光光照射装置の光学部品を浮遊物から遮蔽することができるので、浮遊物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止することができる。特に、基板に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止することができるので、露光光照射装置の光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による光学部品の汚れを防止することができる。
あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法によれば、露光光が通る開口を有するカバー内に、露光光照射装置の光学部品を収容し、カバー内へエアを供給して、カバー内を陽圧に保つことにより、浮遊物のカバー内への侵入を阻止することができるので、浮遊物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止することができる。特に、基板に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止することができるので、露光光照射装置の光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による光学部品の汚れを防止することができる。
本発明の表示用パネル基板の製造方法によれば、浮遊物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止することができるので、露光光照射装置の光学部品を洗浄する頻度を低下させて、表示用パネル基板の生産性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を説明する図である。 図3(a)はエアカーテン吹き出し装置及びエアカーテン吸い込み装置の正面図、図3(b)はエアカーテン吹き出し装置の下面図、図3(c)はエアカーテン吸い込み装置の上面図である。 本発明の他の実施の形態によるプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を説明する図である。 本発明のさらに他の実施の形態によるプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を説明する図である。 液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。 液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図1は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。プロキシミティ露光装置は、ベース3、Xガイド4、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、チャック支持台9、チャック10、マスクホルダ20、露光光照射装置30、電源39、及び光源制御装置40を含んで構成されている。プロキシミティ露光装置は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
図1において、チャック10は、基板1の露光を行う露光位置にある。露光位置の上空には、マスク2を保持するマスクホルダ20が設置されている。マスクホルダ20は、マスク2の周辺部を真空吸着して保持する。マスクホルダ20に保持されたマスク2の上空には、露光光照射装置30が配置されている。露光時、露光光照射装置30からの露光光がマスク2を透過して基板1へ照射されることにより、マスク2のパターンが基板1の表面に転写され、基板1上にパターンが形成される。
露光位置から離れたロード/アンロード位置において、図示しない基板搬送ロボットにより、基板1がチャック10へ搬入され、また基板1がチャック10から搬出される。チャック10への基板1のロード及びチャック10からの基板1のアンロードは、チャック10に設けた複数の突き上げピンを用いて行われる。突き上げピンは、チャック10の内部に収納されており、チャック10の内部から上昇して、基板1をチャック10にロードする際、基板搬送ロボットから基板1を受け取り、基板1をチャック10からアンロードする際、基板搬送ロボットへ基板1を受け渡す。
チャック10は、チャック支持台9を介してθステージ8に搭載されており、θステージ8の下にはYステージ7及びXステージ5が設けられている。Xステージ5は、ベース3に設けられたXガイド4に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向(図1の図面横方向)へ移動する。Yステージ7は、Xステージ5に設けられたYガイド6に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向(図1の図面奥行き方向)へ移動する。θステージ8は、Yステージ7に搭載され、θ方向へ回転する。チャック支持台9は、θステージ8に搭載され、チャック10を複数箇所で支持する。
Xステージ5のX方向への移動及びYステージ7のY方向への移動により、チャック10は、ロード/アンロード位置と露光位置との間を移動される。ロード/アンロード位置において、Xステージ5のX方向への移動、Yステージ7のY方向への移動、及びθステージ8のθ方向への回転により、チャック10に搭載された基板1のプリアライメントが行われる。露光位置において、Xステージ5のX方向への移動及びYステージ7のY方向への移動により、チャック10に搭載された基板1のXY方向へのステップ移動が行われる。そして、Xステージ5のX方向への移動、Yステージ7のY方向への移動、及びθステージ8のθ方向への回転により、基板1のアライメントが行われる。また、図示しないZ−チルト機構により、マスクホルダ20をZ方向(図1の図面上下方向)へ移動及びチルトすることによって、マスク2と基板1とのギャップ合わせが行われる。
なお、本実施の形態では、マスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行っているが、チャック支持台9にZ−チルト機構を設けて、チャック10をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行ってもよい。
露光光照射装置30は、ランプ31、集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、シャッター35、コリメーションレンズ群36、第2平面鏡37、及び照度センサー38を含んで構成されている。ランプ31には、水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の様に、高圧ガスをバルブ内に封入したランプが使用されている。ランプ31は、電源39から電力が供給されると点灯して、露光光を発生する。
ランプ31の周囲には、ランプ31から発生した光を集光する集光鏡32が設けられている。ランプ31から発生した光は、集光鏡32により集光され、第1平面鏡33へ照射される。第1平面鏡33で反射した光は、フライアイレンズ又はロットレンズ等から成るレンズ群34へ入射し、レンズ群34を透過して照度分布が均一化される。シャッター35は、基板1の露光を行う時に開き、基板1の露光を行わない時に閉じる。シャッター35が開いているとき、レンズ群34を透過した光は、コリメーションレンズ群36を透過して平行光線束となり、第2平面鏡37で反射して、マスク2へ照射される。マスク2へ照射された露光光により、マスク2のパターンが基板1へ転写され、基板1の露光が行われる。シャッター35が閉じているとき、レンズ群34を透過した光は、シャッター35に遮断され、基板1の露光は行われない。
第2平面鏡37の裏側近傍には、照度センサー38が配置されている。第2平面鏡37には、露光光の一部を通過させる小さな開口が設けられている。照度センサー38は、第2平面鏡37の開口を通過した光を受光して、露光光の照度を測定し、測定結果を光源制御装置40へ出力する。光源制御装置40は、照度センサー38の測定結果に基づき、電源39からランプ31へ供給される電力を制御して、ランプ31から発生する露光光の照度を所望の値に保つ。
なお、本実施の形態では、露光光を発生する光源に1つのランプ31が用いられているが、ランプの数はこれに限らず、2つ以上のランプを用いてもよい。また、ランプの代わりに、発光ダイオードやレーザーダイオード等の半導体発光素子を用いてもよい。
図2は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を説明する図である。本実施の形態では、図2に示す様に、露光光照射装置30の光学部品である集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、コリメーションレンズ群36、及び第2平面鏡37の表面近くに、エアカーテン吹き出し装置51及びエアカーテン吸い込み装置52がそれぞれ設けられている。
図3(a)はエアカーテン吹き出し装置及びエアカーテン吸い込み装置の正面図、図3(b)はエアカーテン吹き出し装置の下面図、図3(c)はエアカーテン吸い込み装置の上面図である。なお、図3(a),(b),(c)では、第2平面鏡37の表面近くに設けられたエアカーテン吹き出し装置51及びエアカーテン吸い込み装置52が示されているが、集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、及びコリメーションレンズ群36の表面近くに設けられたエアカーテン吹き出し装置51及びエアカーテン吸い込み装置52も同様の構成である。
図3(b)に示す様に、エアカーテン吹き出し装置51の下面には、長手方向に渡って、スリット状のエア吹き出し口51aが設けられている。エアカーテン吹き出し装置51は、図示しないエア供給設備に接続され、エア吹き出し口51aから清浄なエアを均一に吹き出す。一方、図3(c)に示す様に、エアカーテン吸い込み装置52の上面には、長手方向に渡って、スリット状のエア吸い込み口52aが設けられている。エアカーテン吸い込み装置52は、図示しないエア吸引設備に接続され、エア吸い込み口52aにより、エアカーテン吹き出し装置51から吹き出されたエアを吸い込む。これにより、エアカーテン吹き出し装置51及びエアカーテン吸い込み装置52は、第2平面鏡37の表面近くに、第2平面鏡37の表面全体に渡って、図3(a)に破線の矢印で示すエアの流れの層(エアカーテン)を形成する。
なお、エアカーテン吹き出し装置51のエア吹き出し口はスリット状に限らず、エアカーテン吹き出し装置51の長手方向に渡って、複数のエア吹き出し口を設けてもよい。また、エアカーテン吸い込み装置52のエア吸い込み口はスリット状に限らず、エアカーテン吸い込み装置52の長手方向に渡って、複数のエア吸い込み口を設けてもよい。
図2において、集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、及びコリメーションレンズ群36の表面近くに設けられたエアカーテン吹き出し装置51及びエアカーテン吸い込み装置52も同様に、集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、及びコリメーションレンズ群36の表面近くに、集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、及びコリメーションレンズ群36の表面全体に渡って、破線の矢印で示すエアの流れの層(エアカーテン)をそれぞれ形成する。
露光光照射装置30の集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、コリメーションレンズ群36、及び第2平面鏡37の表面近くに、各光学部品の表面全体に渡って形成されたエアの流れの層により、各光学部品が浮遊物から遮蔽されて、浮遊物の各光学部品への付着が防止される。特に、露光光照射装置30の各光学部品が基板1に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物から遮蔽されて、昇華物の各光学部品への付着が防止されるので、露光光照射装置30の各光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による各光学部品の汚れが防止される。
図4は、本発明の他の実施の形態によるプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を説明する図である。本実施の形態では、露光光照射装置30の集光鏡32の周囲に、カバー61が設けられている。カバー61は、露光光が通る開口61aを有し、集光鏡32を収容して、露光光が通る方向以外を取り囲む。カバー61には、エア供給装置60が接続されており、エア供給装置60は、カバー61内へ清浄なエアを供給して、カバー61内を陽圧に保つ。
露光光が通る開口61aを有するカバー61内に、露光光照射装置30の集光鏡32を収容し、カバー61内へエアを供給して、カバー61内を陽圧に保つことにより、浮遊物のカバー61内への侵入が阻止され、浮遊物の集光鏡32への付着が防止される。特に、基板1に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物のカバー61内への侵入が阻止され、昇華物の集光鏡32への付着が防止されるので、露光光照射装置30の集光鏡32に新たな処理を施すことなく、昇華物による集光鏡32の汚れが防止される。
なお、図4に示した実施の形態では、集光鏡32がカバー61内に収容されているが、第1平面鏡33、レンズ群34、コリメーションレンズ群36、または第2平面鏡37を、露光光が通る開口を有するカバー内に収容し、カバー内へエアを供給して、カバー内を陽圧に保つ様にしてもよい。
図5は、本発明のさらに他の実施の形態によるプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を説明する図である。本実施の形態では、露光光照射装置30の光学部品である集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、コリメーションレンズ群36、及び第2平面鏡37の周囲全体に、カバー62が設けられている。カバー62は、露光光が通る開口62aを有し、集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、コリメーションレンズ群36、及び第2平面鏡37を収容して、露光光がマスクへ照射される方向以外を取り囲む。カバー62には、エア供給装置60が接続されており、エア供給装置60は、カバー62内へ清浄なエアを供給して、カバー62内を陽圧に保つ。
露光光が通る開口62aを有するカバー62内に、露光光照射装置30の集光鏡32、第1平面鏡33、レンズ群34、コリメーションレンズ群36、及び第2平面鏡37を収容し、カバー62内へエアを供給して、カバー62内を陽圧に保つことにより、浮遊物のカバー62内への侵入が阻止され、浮遊物の各光学部品への付着が防止される。特に、基板1に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物のカバー62内への侵入が阻止され、昇華物の各光学部品への付着が防止されるので、露光光照射装置30の各光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による各光学部品の汚れが防止される。
図2及び図4に示した実施の形態によれば、露光光照射装置30の光学部品の表面近くに、光学部品の表面全体に渡ってエアの流れの層を形成することにより、露光光照射装置30の光学部品を浮遊物から遮蔽することができるので、浮遊物が露光光照射装置30の光学部品に付着するのを防止することができる。特に、基板1に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物が露光光照射装置30の光学部品に付着するのを防止することができるので、露光光照射装置30の光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による光学部品の汚れを防止することができる。
また、図4及び図5に示した実施の形態によれば、露光光が通る開口61a,62aを有するカバー61,62内に、露光光照射装置30の光学部品を収容し、カバー61,62内へエアを供給して、カバー61,62内を陽圧に保つことにより、浮遊物のカバー61,62内への侵入を阻止することができるので、浮遊物が露光光照射装置30の光学部品に付着するのを防止することができる。特に、基板1に塗布された感光樹脂材料から発生する昇華物が露光光照射装置30の光学部品に付着するのを防止することができるので、露光光照射装置30の光学部品に新たな処理を施すことなく、昇華物による光学部品の汚れを防止することができる。
本発明のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を用いて露光光照射装置の光学部品を保護しながら、基板の露光を行うことにより、浮遊物が露光光照射装置の光学部品に付着するのを防止することができるので、露光光照射装置の光学部品を洗浄する頻度を低下させて、表示用パネル基板の生産性を向上させることができる。
例えば、図6は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等により感光樹脂材料(フォトレジスト)を塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、プロキシミティ露光装置や投影露光装置等を用いて、マスクのパターンをフォトレジスト膜に転写する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
また、図7は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
図6に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図7に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)及び着色パターン形成工程(ステップ202)の露光処理において、本発明のプロキシミティ露光装置又は本発明のプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を適用することができる。
1 基板
2 マスク
3 ベース
4 Xガイド
5 Xステージ
6 Yガイド
7 Yステージ
8 θステージ
9 チャック支持台
10 チャック
20 マスクホルダ
30 露光光照射装置
31 ランプ
32 集光鏡
33 第1平面鏡
34 レンズ群
35 シャッター
36 コリメーションレンズ群
37 第2平面鏡
38 照度センサー
39 電源
40 光源制御装置
51 エアカーテン吹き出し装置
51a エア吹き出し口
52 エアカーテン吸い込み装置
52a エア吸い込み口
60 エア供給装置
61,62 カバー

Claims (8)

  1. 感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、
    パターンが形成されたマスクを前記チャックの上方で保持するマスクホルダと、
    露光光を照射する光学部品を有し、前記マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、
    前記マスクホルダに保持されたマスクと前記チャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、前記露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、
    前記露光光照射装置の光学部品の表面近くに、光学部品の表面全体に渡ってエアの流れの層を形成する手段を備えたことを特徴とするプロキシミティ露光装置。
  2. 感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、
    パターンが形成されたマスクをチャックの上方で保持するマスクホルダと、
    露光光を照射する光学部品を有し、マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、
    マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法であって、
    露光光照射装置の光学部品の表面近くに、光学部品の表面全体に渡ってエアの流れの層を形成することを特徴とするプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法。
  3. 感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、
    パターンが形成されたマスクを前記チャックの上方で保持するマスクホルダと、
    露光光を照射する光学部品を有し、前記マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、
    前記マスクホルダに保持されたマスクと前記チャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、前記露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、
    露光光が通る開口を有し、前記露光光照射装置の光学部品を収容するカバーと、
    前記カバー内へエアを供給して、前記カバー内を陽圧に保つエア供給手段とを備えたことを特徴とするプロキシミティ露光装置。
  4. 感光樹脂材料が塗布された基板を支持するチャックと、
    パターンが形成されたマスクをチャックの上方で保持するマスクホルダと、
    露光光を照射する光学部品を有し、マスクホルダの上方に設けられた露光光照射装置とを備え、
    マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板との間に微小なギャップを設けて、露光光照射装置からの露光光によりマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法であって、
    露光光が通る開口を有するカバー内に、露光光照射装置の光学部品を収容し、
    カバー内へエアを供給して、カバー内を陽圧に保つことを特徴とするプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法。
  5. 請求項1に記載のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
  6. 請求項2に記載のプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を用いて露光光照射装置の光学部品を保護しながら、基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
  7. 請求項3に記載のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
  8. 請求項4に記載のプロキシミティ露光装置の光学部品保護方法を用いて露光光照射装置の光学部品を保護しながら、基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
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