JP2011106404A - フィルタエレメント - Google Patents
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Abstract
【課題】材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメントを形成した場合、シール部を含むフランジ部の厚さが減少するのを抑制することができて、シール性を確保することができるフィルタエレメントを提供する。
【解決手段】不織布により、襞折り状の濾過部12と、その濾過部12の外周のフランジ部13とを一体に形成する。フランジ部13の厚さ方向の一側縁には、シール部14を形成する。フランジ部13の厚さ方向の他側縁には、凹状の肉盗み部16をフランジ部13の周方向に沿って形成する。
【選択図】図3
【解決手段】不織布により、襞折り状の濾過部12と、その濾過部12の外周のフランジ部13とを一体に形成する。フランジ部13の厚さ方向の一側縁には、シール部14を形成する。フランジ部13の厚さ方向の他側縁には、凹状の肉盗み部16をフランジ部13の周方向に沿って形成する。
【選択図】図3
Description
この発明は、例えば、エンジン等のエアクリーナに用いられるフィルタエレメントに関するものである。
従来、この種のフィルタエレメントとしては、例えば図9(a)に示すような構成が知られている。この従来構成のフィルタエレメント31は、不織布よりなる濾材シートを襞折り状に形成した濾過部32と、その濾過部32の外周に設けられたフランジ部33とから構成されている。フランジ部33の厚さ方向の一側縁には、外周側に向かってフランジ部33の厚さを増加するように傾斜するシール部34が形成されている。そして、このフィルタエレメント31が図示しないエアクリーナのハウジング内に収容された状態で、シール部34が前記ハウジングを構成する一対のケース間に挟持されて、フィルタエレメント31とハウジングとの間のシール性が確保される。
この種のフィルタエレメント31においては、材料コストを節減するために、不織布を構成する繊維の太さを細くして、材料量の低減を図ることが考えられる。しかしながら、このように材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメント31を形成した場合には、フランジ部33における材料量も低減する。そのため、シール部34に圧力が付与された場合、そのシール部34を含むフランジ部33の厚さは以下のように変形する。すなわち、図9(a)に示すように、材料量を低減しない不織布を用いた場合には、フランジ部33の厚さが例えばT1であったものが、図9(b)に示すように、材料量を低減した不織布を用いた場合には、フランジ部33の厚さが例えばT2に減少する。よって、このフィルタエレメント31を従前構造のハウジングに組み込んだ場合、フランジ部33の圧縮方向への変形量が多くなり、シール部34におけるシール性を確保することができないというおそれがあった。
一方、従来のフィルタエレメントとしては、例えば特許文献1に開示されるような構成も提案されている。この従来構成においては、フィルタエレメントの濾過部の外周にフランジ部が一体に形成され、そのフランジ部の厚さ方向の一側縁に嵩上げ部が形成されている。フランジ部の厚さ方向の他側縁には、嵩上げ部とは別体で、かつ別材質のものよりなるシール材が固定されている。
前記のように、特許文献1に記載の従来構成においては、シール材がフィルタエレメントのフランジ部と別体に形成されて、そのフランジ部に固定されている。このため、特許文献1においては、部材数が増えて、製造に手間がかかる問題が生じた。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメントを形成した場合であっても、別部材を用いることなくシール性を確保することができるフィルタエレメントを提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は、不織布よりなり、外周にフランジ部を設け、そのフランジ部の厚さ方向の一側縁にシール部を形成したフィルタエレメントにおいて、前記フランジ部の厚さ方向の他側縁には、複数の凹状をなす肉盗み部をフランジ部の周方向に沿って設けたことを特徴としている。
従って、この発明においては、材料費の節減を図るために、材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメントを形成した場合、フランジ部の厚さ方向の他側縁に凹状の肉盗み部が形成されることにより、フランジ部における材料量の密度が維持される。その結果、シール部を含むフランジ部の厚さが減少することを抑制することができて、フィルタエレメントをエアクリーナ等のハウジング内に組み込んだ際のシール性を、別部材を用いることなく確保することができる。
また、前記フィルタエレメントにおいて、前記肉盗み部をフランジ部の疎密ピッチにあわせて、疎の部分に形成するとよい。
さらに、前記フィルタエレメントは、山部と谷部とよりなる襞折り状のシートを圧縮することにより形成されたものであることが好ましい。
さらに、前記フィルタエレメントは、山部と谷部とよりなる襞折り状のシートを圧縮することにより形成されたものであることが好ましい。
以上のように、この発明によれば、材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメントを形成した場合にも、別部材を用いることなく、所定のシール性を確保することができるという効果を発揮する。
以下に、この発明を車両におけるエアクリーナのフィルタエレメントに具体化した一実施形態を、図1〜図7に従って説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態のフィルタエレメント11は、例えばポリエチレンテレフタラート等の熱可塑性樹脂の不織布よりなる濾材シートを襞折り状に形成した濾過部12と、その濾過部12の外周に一体に形成したフランジ部13とから構成されている。このフランジ部13は、図6に示すように、濾材シート35を山部と谷部とが形成されるように襞折り状に成形して、複数の襞部12aを有する濾過部12を形成した直後に、その濾過部12の外周を熱圧縮することによって形成されている。すなわち、図4(a)(b)に示すように、フィルタエレメント11は、帯状の不織布シート36を襞折りし、その襞折り部を所定長さに切断して襞折り状の切断シート37とし、その切断シート37の外周を所定形状をなすように圧縮成形したものである。従って、フランジ部13は、圧縮により高剛性を有している。フィルタエレメント11の成形に用いられる不織布としては、材料費を節減するために、不織布を構成する繊維の太さを細くして、材料量の低減が図られている。ただし、繊維間の隙間は所要の濾過性能を維持できるレベルとなるように形成されている。なお、図1はフィルタエレメント11をコンパクト化して描いたが、実際には、襞部12aの数がもっと多く、しかも、襞部12aがその幅方向に延長された形状をなしている。
図1及び図2に示すように、この実施形態のフィルタエレメント11は、例えばポリエチレンテレフタラート等の熱可塑性樹脂の不織布よりなる濾材シートを襞折り状に形成した濾過部12と、その濾過部12の外周に一体に形成したフランジ部13とから構成されている。このフランジ部13は、図6に示すように、濾材シート35を山部と谷部とが形成されるように襞折り状に成形して、複数の襞部12aを有する濾過部12を形成した直後に、その濾過部12の外周を熱圧縮することによって形成されている。すなわち、図4(a)(b)に示すように、フィルタエレメント11は、帯状の不織布シート36を襞折りし、その襞折り部を所定長さに切断して襞折り状の切断シート37とし、その切断シート37の外周を所定形状をなすように圧縮成形したものである。従って、フランジ部13は、圧縮により高剛性を有している。フィルタエレメント11の成形に用いられる不織布としては、材料費を節減するために、不織布を構成する繊維の太さを細くして、材料量の低減が図られている。ただし、繊維間の隙間は所要の濾過性能を維持できるレベルとなるように形成されている。なお、図1はフィルタエレメント11をコンパクト化して描いたが、実際には、襞部12aの数がもっと多く、しかも、襞部12aがその幅方向に延長された形状をなしている。
図1及び図2に示すように、前記フランジ部13の厚さ方向の一側縁(図1,図2の上部側)には、外周側に向かってフランジ部13の厚さを増加するように傾斜したシール部14が形成されている。フランジ部13の厚さ方向の他側縁には、溝部15がフランジ部13の周方向に延びるように形成されている。
そして、図7に示すように、前記フィルタエレメント11がエアクリーナのハウジング21内に組み込まれた状態で、フランジ部13がハウジング21を構成する上下一対のケース22,23の外周の挟持部22a,23a間に挟持される。このとき、下ケース23の挟持部23a上に形成された突条部24がフランジ部13の溝部15に嵌合されることにより、フィルタエレメント11が下ケース23上の所定位置に位置決めされる。また、フランジ部13上のシール部14が上ケース22の挟持部22aに接合されることにより、フィルタエレメント11の外周縁とハウジング21との間のシール性が確保される。さらに、上ケース22の挟持部22aに形成された突起22bがフランジ部13の上面に食い込むことにより、フィルタエレメント11が上ケース22に対して位置決めされる。
図3及び図5に示すように、前記フランジ部13の厚さ方向の他側縁において溝部15の外側の位置には、凹状の肉盗み部16がフランジ部13の周方向に沿って所定間隔おきで全体として正弦波状をなすように形成されている。この場合、濾過部12の襞部12aにおける延長方向の両端側に形成されるフランジ部13の部位(図1の長辺部)においては、肉盗み部16がフランジ部13の疎密ピッチにあわせて形成されている。つまり、このフランジ部13の部位では、図6に示すように、濾過部12の襞部12aの両端部を熱圧縮することによりフランジ部13が形成されている。この場合、襞部12aの両端部は襞が倒れるようにして圧縮されるため、そのフランジ部13上には疎密部17が周方向にほぼ所定ピッチで間隔をおいて形成される。そのため、肉盗み部16のピッチP1が疎密部17のピッチP2と合致するように形成され、肉盗み部16が疎密部17の疎の部分に位置している。
次に、前記のように構成されたフィルタエレメントの作用を説明する。
このフィルタエレメント11がハウジング21内に装着された状態においては、フィルタエレメント11のフランジ部13のシール部14においてハウジング21とフィルタエレメント11との間のシールが確保されている。そして、フィルタエレメント11の下部側である下ケース23に導入された濾過前エアはフィルタエレメント11の濾過部12で濾過されて、その上部側の上ケース22内に流れ、濾過済みエアとしてエンジンに送られる。
このフィルタエレメント11がハウジング21内に装着された状態においては、フィルタエレメント11のフランジ部13のシール部14においてハウジング21とフィルタエレメント11との間のシールが確保されている。そして、フィルタエレメント11の下部側である下ケース23に導入された濾過前エアはフィルタエレメント11の濾過部12で濾過されて、その上部側の上ケース22内に流れ、濾過済みエアとしてエンジンに送られる。
ところで、このフィルタエレメント11においては、成形用の濾材シートとして、繊維の太さを細くして、材料量(目付け)の低減を図った不織布が用いられている。このため、材料費を節減することができるとともに、フィルタエレメント11全体を軽量化することができる。
このように、材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメント11を形成した場合には、フランジ部13における材料量が不足して、材料密度が低下するおそれがある。従って、フランジ部13が圧縮方向への圧力を受けた場合、シール部14を含むフランジ部13の厚さが足りなくなって、シール不良に陥るおそれがある。ところが、この実施形態においては、フランジ部13のシール部14の反対側に凹状の肉盗み部16が形成されているため、この肉盗み部16の形成によりフランジ部13における密度不足が防止される。よって、図9(a)及び(b)に示す従来構成とは異なり、圧縮圧力を受けてもシール部14を含むフランジ部13の厚さが過大に減少するおそれをなくすることが可能となり、図3に示すように、フランジ部13の例えば厚さT1を所定値以上に維持することができる。
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このフィルタエレメント11においては、フランジ部13のシール部14の反対側に凹状の肉盗み部16がフランジ部13の周方向に沿って形成されている。このため、材料費の節減を図るために、材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメント11を形成した場合でも、フランジ部13が凹状の肉盗み部16分だけ圧縮されて高密度になるため、フランジ部13における密度の低下が抑制される。その結果、シール部14を含むフランジ部13の厚さが減少することを抑制することができて、フィルタエレメント11をエアクリーナのハウジング21内に組み込んだ際のシール性を確保することができる。
(1) このフィルタエレメント11においては、フランジ部13のシール部14の反対側に凹状の肉盗み部16がフランジ部13の周方向に沿って形成されている。このため、材料費の節減を図るために、材料量を低減した不織布を用いてフィルタエレメント11を形成した場合でも、フランジ部13が凹状の肉盗み部16分だけ圧縮されて高密度になるため、フランジ部13における密度の低下が抑制される。その結果、シール部14を含むフランジ部13の厚さが減少することを抑制することができて、フィルタエレメント11をエアクリーナのハウジング21内に組み込んだ際のシール性を確保することができる。
(2) このフィルタエレメント11においては、フランジ部13における密度低下が抑制されるため、フランジ部13は高剛性を有し、硬質になる。このため、上ケース22の挟持部22aの突起22bがフランジ部13に食い込んだ場合、そのフランジ部13における突起22bの周辺部分が爛れるようにして凹んだり、変形したりすることを抑制できる。従って、フィルタエレメント11をハウジング21に対して所定の位置に位置決めできる。
(3) このフィルタエレメント11においては、フランジ部13に肉盗み部16を設けたとしても、フランジ部13におけるシール部14の位置は変化しないため、エアクリーナのハウジング21の構造を変更する必要はなく、従来のハウジング21に対して実施形態のフィルタエレメント11を装着できる。
(4) このフィルタエレメント11においては、前記特許文献1の構成とは異なり、シール性確保のために別部材を用いることはないため、構成が簡単で、製造が容易である。
(5) このフィルタエレメント11においては、材料量を少なくできるため、材料コストを低減できるとともに、軽量化が可能となる。
(6) このフィルタエレメント11においては、前記肉盗み部16がフランジ部13上の疎密部17のピッチにあわせて形成されている。このため、濾過部12における襞部12aの両端部を熱圧縮してフランジ部13を形成する際に、肉盗み部16を無理なく容易に形成することができる。
(6) このフィルタエレメント11においては、前記肉盗み部16がフランジ部13上の疎密部17のピッチにあわせて形成されている。このため、濾過部12における襞部12aの両端部を熱圧縮してフランジ部13を形成する際に、肉盗み部16を無理なく容易に形成することができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、肉盗み部16が正弦波状をなすように形成されているが、図8(a)に示す三角波状あるいは同図(b)に示す矩形波状等の異なった形状をなすように形成してもよい。
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、肉盗み部16が正弦波状をなすように形成されているが、図8(a)に示す三角波状あるいは同図(b)に示す矩形波状等の異なった形状をなすように形成してもよい。
・ 前記実施形態では、肉盗み部16がフランジ部13の厚さ方向の他側縁において溝部15の外側に形成されているが、溝部15の内側に形成してもよい。
11…フィルタエレメント、12…濾過部、13…フランジ部、14…シール部、16…肉盗み部、17…疎密部。
Claims (3)
- 不織布よりなり、外周にフランジ部を設けるとともに、そのフランジ部の厚さ方向の一側縁にシール部を形成したフィルタエレメントにおいて、
前記フランジ部の厚さ方向の他側縁には、複数の凹状をなす肉盗み部をフランジ部の周方向に沿って設けたことを特徴とするフィルタエレメント。 - 前記肉盗み部をフランジ部の疎密ピッチにあわせて、疎部分に形成したことを特徴とする請求項1に記載のフィルタエレメント。
- 山部と谷部とよりなる襞折り状のシートを圧縮することにより形成されたことを特徴とする請求項2に記載のフィルタエレメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009264251A JP2011106404A (ja) | 2009-11-19 | 2009-11-19 | フィルタエレメント |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102953873A (zh) * | 2012-12-12 | 2013-03-06 | 安徽江淮汽车股份有限公司 | 轿车用空气滤清器 |
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2009
- 2009-11-19 JP JP2009264251A patent/JP2011106404A/ja active Pending
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