JP2011106370A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フューエルカットからの復帰時に適切に目標圧縮比に設定することが可能な車両の制御装置を提供する。
【解決手段】車両の制御装置は、可変圧縮比エンジンを備えた車両に対して好適に利用される。フューエルカット制御手段は、フューエルカットの実行及びフューエルカットからの復帰を制御し、圧縮比変更手段は、フューエルカットが実行されているか否かに応じて圧縮比を変更する。具体的には、圧縮比変更手段は、フューエルカットの実行中において、フューエルカットからの復帰が行われる前に圧縮比の変更を開始する。これにより、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比を適切に目標圧縮比に設定することができる。よって、フューエルカットからの復帰時において、エンジンから目標トルクを適切に発生させることが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、可変圧縮比エンジンを備えた車両の制御装置に関する。
従来から、例えばエンジンの燃焼室の容積を変化させる制御を行うことによって、エンジンの圧縮比を変化させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、フューエルカットの実行中は低圧縮比に設定し、フューエルカットからの復帰時には当該低圧縮比よりも高圧縮比に設定する技術が提案されている。
特開2006−250023号公報
ところで、基本的には、圧縮比の変更の指示を出してから実際に圧縮比が指示値(以下、指示値に対応する圧縮比を「目標圧縮比」と呼ぶ。)となるまでには時間遅れが発生する傾向がある。そのため、上記した特許文献1に記載された技術では、フューエルカットからの復帰時に適切に目標圧縮比に設定されない場合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、フューエルカットからの復帰時に適切に目標圧縮比に設定することが可能な車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、混合気の圧縮の程度を示す圧縮比を変更することが可能なエンジンを備えた車両の制御装置は、フューエルカットの実行及び前記フューエルカットからの復帰を制御するフューエルカット制御手段と、前記フューエルカットが実行されているか否かに応じて、前記圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を備え、前記圧縮比変更手段は、前記フューエルカットからの復帰が行われる前に、前記圧縮比の変更を開始する。
上記の車両の制御装置は、可変圧縮比エンジンを備えた車両に対して好適に利用される。フューエルカット制御手段は、フューエルカットの実行及びフューエルカットからの復帰を制御し、圧縮比変更手段は、フューエルカットが実行されているか否かに応じて圧縮比を変更する。具体的には、圧縮比変更手段は、フューエルカットからの復帰が行われる前に圧縮比の変更を開始する。つまり、圧縮比変更手段は、フューエルカットの実行中に、フューエルカットからの復帰時に設定すべき圧縮比(目標圧縮比)に設定するための制御を開始する。上記の車両の制御装置によれば、フューエルカットからの復帰時に圧縮比の変更を開始する構成と比較して、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比を目標圧縮比に適切に近付けることができる。よって、フューエルカットからの復帰時において、エンジンから所望のトルクを発生させることができ、アイドリング制御の安定性などを向上させることが可能となる。
本発明の他の観点では、混合気の圧縮の程度を示す圧縮比を変更することが可能なエンジンを備えた車両の制御装置は、フューエルカットの実行及び前記フューエルカットからの復帰を制御するフューエルカット制御手段と、前記フューエルカットが実行されているか否かに応じて、前記圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を備え、前記圧縮比変更手段は、前記フューエルカットからの復帰が行われる第1車速よりも高い第2車速を用いて、前記フューエルカットの実行時において車速が前記第2車速未満となった際に、前記圧縮比の変更を開始する。
上記の車両の制御装置では、圧縮比変更手段は、フューエルカットからの復帰が行われる第1車速よりも高い第2車速を用いて、フューエルカットの実行時において車速が当該第2車速未満となった際に圧縮比の変更を開始する。上記の車両の制御装置によっても、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比を目標圧縮比に適切に近付けることができ、エンジンから所望のトルクを発生させることが可能となる。
本発明の他の観点では、混合気の圧縮の程度を示す圧縮比を変更することが可能なエンジンを備えた車両の制御装置は、フューエルカットの実行及び前記フューエルカットからの復帰を制御するフューエルカット制御手段と、前記フューエルカットが実行されているか否かに応じて、前記圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を備え、前記圧縮比変更手段は、前記フューエルカットからの復帰が行われる第1エンジン回転数よりも高い第2エンジン回転数を用いて、前記フューエルカットの実行時においてエンジン回転数が前記第2エンジン回転数未満となった際に、前記圧縮比の変更を開始する。
上記の車両の制御装置では、圧縮比変更手段は、フューエルカットからの復帰が行われる第1エンジン回転数よりも高い第2エンジン回転数を用いて、フューエルカットの実行時においてエンジン回転数が当該第2エンジン回転数未満となった際に圧縮比の変更を開始する。上記の車両の制御装置によっても、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比を目標圧縮比に適切に近付けることができ、エンジンから所望のトルクを発生させることが可能となる。
上記の車両の制御装置の一態様では、前記フューエルカットの実行時において前記圧縮比変更手段によって前記圧縮比の変更が行われている際に、前記圧縮比の変更に伴う車両の減速度の変化が抑制されるように、変速比を変更する変速比変更手段を更に備える。
この態様によれば、圧縮比の変更に伴う減速度変化を適切に抑制することができる。よって、フューエルカット中の不自然な減速度変化を抑制することができ、ドライバビリティーの悪化を防止することが可能となる。
本実施形態に係る車両の全体構成を概略的に示す図である。 エンジンの断面構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る制御方法を具体的に説明するための図を示す。 第1実施形態に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。 第1実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例1に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。 第1実施形態の変形例1に係る制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例2に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。 第1実施形態の変形例2に係る制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。 第2実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1は、本発明の車両の制御装置が適用された車両100の全体構成を概略的に示している。図2は、エンジン10の断面構成を示す模式図である。図1、2において、破線矢印は信号の流れを示している。
まず、車両100の全体構成について図1を用いて説明する。車両100は、エンジン10と、変速機110と、ECU(Electronic Controlled Unit)60とを備えている。エンジン10は、後に詳しく述べるが、混合気の圧縮の程度を示す圧縮比を変化させることが可能な可変圧縮比エンジンである。エンジン10は、複数のシリンダ(気筒)34を有している。例えば、図1に示す例では、エンジン10は、直列4気筒のエンジンであるとしている。エンジン10は、各シリンダ34の燃焼室内に吸気を供給するための吸気通路50と、各シリンダ34の燃焼室内より排気を排出するための排気通路58とを有する。吸気通路50には、各シリンダ34の燃焼室内に供給される吸気量を調整するためのスロットルバルブ52と、吸気量を検出するためのエアフローセンサ57が設けられている。スロットルバルブ52の開度は、電動アクチュエータ53により調整される。エンジン10は、ECU(Electronic Controlled Unit)60からの制御信号により制御される。
エンジン10からの出力は、クランクシャフト43を介して無段変速機110に伝達される。図1に示す例では、無段変速機110は、ベルト式の無段変速機であるとしている。変速機110は、プライマリプーリ110a、セカンダリプーリ110b、及び、両プーリに巻掛けられた金属等からなるベルト111からなる。両プーリの可動シーブ110aa、110baを軸方向(両端矢印に示す方向)に動かすことによりベルト有効径が変化し、エンジン10からの出力は、プライマリプーリ110aからセカンダリプーリ110bに伝達される際に変速される。セカンダリプーリ110bは、駆動軸143に接続されており、セカンダリプーリ110bからの出力は駆動軸143に伝達される。駆動軸143に伝達された出力は駆動輪に伝達される。無段変速機110は、ECU60からの制御信号により制御される。
なお、無段変速機110としては、ベルト式の無段変速機に限られず、この代わりに、他の種々の無段変速機を用いることができるのは言うまでもない。また、無段変速機110を用いることにも限定はされず、この代わりに、有段変速機を用いても良い。
ECU60は、図示しないCPU、ROM、RAM、及びA/D変換器などを含んで構成されている。ECU60は、車両内の各種センサから供給される検出信号に基づいて、車両内の制御を行う。例えば、ECU60は、アクセルの開度を検出するアクセル開度センサ61や車速を検出する車速センサ62などのセンサから受信した検出信号に基づいて、エンジン10の制御を行う。
次に、エンジン10の構成について図2を用いて説明する。エンジン10は、主に、シリンダヘッド20と、シリンダブロックユニット30と、メインムービングユニット40とから構成されている。
シリンダブロックユニット30は、シリンダヘッド20が取り付けられるアッパーブロック31と、メインムービングユニット40が収納されているロアブロック32とから構成されている。また、アッパーブロック31とロアブロック32との間にはアクチュエータ33が設けられており、アクチュエータ33を駆動することで、アッパーブロック31をロアブロック32に対して上下方向に移動させることが可能となっている。アクチュエータ33は、例えば、電気式、油圧式又は空圧式の駆動装置であり、駆動のための電力がバッテリから供給される。アクチュエータ33は、ECU60からの制御信号S33により制御される。また、アッパーブロック31の内部には、円筒形のシリンダ34が形成されており、シリンダ34の外面は冷却水によって冷却される構造となっている。
メインムービング40は、シリンダ34の内部に設けられたピストン41と、ロアブロック32の内部で回転するクランクシャフト43と、ピストン41をクランクシャフト43に接続するコネクティングロッド42などから構成されている。これらは、いわゆるクランク機構を構成しており、クランクシャフト43が回転するとそれにつれてピストン41がシリンダ34内で上下方向に動き、逆に、ピストン41が上下に動けばクランクシャフト43がロアブロック32内で回転するようになっている。また、クランクシャフト43の近傍には、クランク角を感知するクランク角センサ44が設けられている。クランク角センサ44は、検出したクランク角に対応する検出信号S44をECU60に送信する。
シリンダブロックユニット30にシリンダヘッド20を取り付けると、シリンダヘッド20の下面側(アッパーブロック31に接する側)とシリンダ34とピストン41とで囲まれた部分に燃焼室が形成される。従って、アクチュエータ33を用いてアッパーブロック31を上方に移動させれば、これに伴ってシリンダヘッド20も上方に移動して燃焼湿内の容積が増加するので、圧縮比を低くすることができる。逆に、アッパーブロック31とともにシリンダヘッド20を下方に移動させれば、燃焼室内の容積が減少して圧縮比を高くすることができる。圧縮比は、ロアブロック32に設けられた圧縮比センサ63を用いて検出することが可能となっている。圧縮比センサ63としては、例えばストロークセンサが用いられ、ロアブロック32に対するアッパーブロック31の相対位置を検出することによって圧縮比を検出する。圧縮比センサ63は、検出した圧縮比に対応する検出信号S63をECU60に送信する。
シリンダヘッド20には、燃焼室内に吸気を取り入れるための吸気ポート23と、燃焼室内から排気を排出するための排気ポート24とが形成されている。吸気ポート23には吸気通路50が接続されており、排気ポート24には排気通路58が接続されている。ここで、吸気ポート23が燃焼室に開口する部分には吸気バルブ21が、また、排気ポート24が燃焼室に開口する部分には排気バルブ22が設けられている。吸気バルブ21及び排気バルブ22はそれぞれ、電動アクチュエータ73、74によって駆動される。ピストン41の動きに合わせて適切なタイミングで吸気バルブ21及び排気バルブ22を開閉することにより、燃焼室内に吸気を吸入したり、あるいは燃焼室内から排気を排出したりすることができる。吸気バルブ21及び排気バルブ22を駆動する電動アクチュエータ73、74は、ECU60からの制御信号S73、S74により制御される。
吸気通路50に設けられたエアフローセンサ57は、検出した吸気量に対応する検出信号S57をECU60に送信する。スロットルバルブ52の開度を調整する電動アクチュエータ53は、ECU60からの制御信号S53によって制御される。
また、シリンダヘッド20には、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁26、及び、燃焼室内に形成された混合気に点火するための点火プラグ27が設けられている。燃料噴射弁26及び点火プラグ27は、ECU60からの制御信号S26、S27により制御される。燃料噴射弁26が燃焼室内に燃料を噴射することにより、吸気通路50より吸気ポート23を介して吸入された吸気と燃料との混合気が燃焼室内に形成され、点火プラグ27が点火することにより、混合気は燃焼される。このときの燃焼により発生するピストン41を押す力がエンジン10の動力となる。その後、燃焼室内の排気は排気ポート24を介して排気通路58へ排出される。なお、燃料噴射弁としては、図2に示すような直噴式の燃料噴射弁26を設けるのには限られず、この代わりに、又は、加えて、吸気通路50に燃料噴射弁を設けるとしても良いのは言うまでもない。
[制御方法]
次に、本実施形態に係る車両の制御方法について説明する。
従来より、燃費を向上させるべく、減速中に所定条件が成立した場合に、燃料噴射を停止するフューエルカット(F/C)が行われている。フューエルカットは、例えばアクセルがオフになった際において車速が所定値よりも高い場合に実行される。また、例えばフューエルカット中に車速が当該所定値以下となった際に、フューエルカットが解除されて、燃料噴射が再開される(以下、「フューエルカットからの復帰」と呼ぶ。)。このようなフューエルカットからの復帰を行うのは、アイドル運転時のエンジン回転数などを安定させるためである、言い換えるとアイドリング制御の安定性を図るためである。
一方で、燃焼効率などを向上すべく、エンジン10の負荷状態などによって圧縮比を変更する技術が知られている。基本的には、エンジン10が高負荷状態である場合には低圧縮比に設定され、エンジン10が低負荷状態である場合には高圧縮比に設定される。また、フューエルカットの実行中には、減速度に対する制御性の観点などから、低圧縮比に設定される。つまり、フューエルカット中は、高圧縮比よりも低圧縮比のほうが減速度をコントロールし易いので、低圧縮比に設定される。若しくは、圧縮比による減速度制御が可能である場合には、減速度要求に応じて圧縮比が制御される。この場合にも、基本的には低圧縮比の領域で制御が行われる。
ここで、上記したようなフューエルカットからの復帰時には、燃料噴射が開始されることとなるが、この際にはエンジン10は低負荷領域で駆動される。よって、フューエルカットからの復帰時には、フューエルカットの実行時よりも高い圧縮比に設定するための指示が出される。基本的には、圧縮比の変更の指示を出してから実際に圧縮比が指示値(目標圧縮比)となるまでには、時間遅れが発生する。そのため、フューエルカットからの復帰時に目標圧縮比に設定されない傾向にある。具体的には、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比が目標圧縮比よりも低くなる傾向にある。これにより、エンジン10が発生するトルクが目標トルクよりも低くなってしまい、アイドリング制御の収束性が悪化する場合がある。なお、実際の圧縮比と目標圧縮比との関係に基づいてスロットル開度を補正するように制御(フィードバック制御)する技術があるが、当該技術によっても、フューエルカットからの復帰時に、実圧縮比が目標圧縮比となるまでに時間遅れが発生する傾向にある。
以上のことから、本実施形態では、ECU60は、フューエルカットの実行から当該フューエルカットの復帰に切り替わった際に、実際の圧縮比が適切に目標圧縮比に設定されるように制御を行う。具体的には、ECU60は、フューエルカットの実行中において、フューエルカットからの復帰が行われる前に圧縮比の変更を開始する。この場合、ECU60は、フューエルカットからの復帰が行われそうになったら、予め圧縮比を上昇させる制御を行う。
つまり、本実施形態では、ECU60は、フューエルカットの実行から当該フューエルカットの復帰に切り替わる直前に、言い換えると設定すべき圧縮比が低圧縮比から高圧縮比に切り替わる直前に、フューエルカットからの復帰を先読みすることで、前もって圧縮比を高い状態にするための制御を行う。例えば、ECU60は、フューエルカットからの復帰が行われる時点から、少なくとも、フューエルカット中において圧縮比の変更を開始してから実際の圧縮比が目標圧縮比に設定されるまでに要する時間だけ遡ったタイミングで、圧縮比を上昇させる制御を開始する。詳細は後述するが、ECU60は、このようなタイミングを、車速やエンジン回転数や要求駆動力などに基づいて判定する。
以上説明した本実施形態に係る制御方法によれば、フューエルカットの実行から復帰に切り替わった際に、実際の圧縮比を適切に目標圧縮比に設定することができる。これにより、フューエルカットからの復帰時において、エンジン10から目標トルクを適切に発生させることができ、アイドリング制御の安定性を向上させることが可能となる。よって、余分な燃料噴射やエンスト(エンジンストール)の発生を防止することが可能となる。
以下で、ECU60が行う制御方法の実施形態(第1及び第2実施形態)について、具体的に説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態では、ECU60は、車速に基づいて、フューエルカットの実行中において圧縮比を上昇させる制御を行う。つまり、ECU60は、フューエルカットからの復帰を車速に基づいて先読みして、圧縮比を上昇させる制御を開始する。具体的には、ECU60は、アクセルオフ時において車速が第1車速Vよりも高い場合にフューエルカットを実行すると共に、このようなフューエルカットの実行中において、車速が、第1車速Vよりも高い第2車速V未満になった際に、圧縮比を上昇させる制御を開始する。この場合、ECU60は、フューエルカットからの復帰時に圧縮比が目標圧縮比に設定されるように、圧縮比を変化させる制御を行う。なお、ECU60は、フューエルカットの実行中において車速が第1車速V以下となった場合に、フューエルカットからの復帰を行う、つまりフューエルカットを解除する。
図3は、第1実施形態に係る制御方法を具体的に説明するための図を示す。図3において、「F/C実行領域」はフューエルカットが実行される車速の領域を示しており、「F/C復帰領域」はフューエルカットからの復帰が行われる車速の領域、つまりフューエルカットの実行が解除される車速の領域を示しており、「先読み領域」はフューエルカットからの復帰を先読みして圧縮比を上昇させる制御が行われる車速の領域を示している。具体的には、F/C実行領域は、車速が第1車速Vよりも高い領域であり、F/C復帰領域は、車速が第1車速V以下である領域である。また、先読み領域は、F/C実行領域内に設けられ、車速が第1車速Vよりも高く且つ第2車速V未満である領域である。
第2車速Vは、当該車速になった際に圧縮比を変更する制御を開始した場合に、フューエルカットからの復帰時に実際の圧縮比を確実に目標圧縮比に設定することが可能な車速に設定される。例えば、第2車速Vは、フューエルカットの実行時における減速度、及び、圧縮比を変更する制御を開始してから実際の圧縮比が目標圧縮比に設定されるまでに要する時間などに基づいて設定される。
図4は、第1実施形態に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。図4は、横軸に時間を示しており、上から順に、車速、フューエルカットのオン/オフ、圧縮比、エンジン回転数を示している。
ここでは、上記した第1実施形態に係る制御方法と、比較例に係る制御方法とを比較する。比較例に係る制御方法は、フューエルカットの実行からフューエルカットの復帰に切り替わった際に圧縮比を変更する指示を出して、当該指示に基づいて圧縮比を制御する制御方法である。なお、図4に示す例では、時刻t12まではフューエルカットが実行され、時刻t12で車速が第1車速V以下となることでフューエルカットからの復帰が行われる(符号A1参照)。
比較例に係る制御方法では、フューエルカットからの復帰時において(時刻t12)、符号A2で示すように上昇された圧縮比の指示値が出され、当該指示値に応じて圧縮比が制御される。これにより、符号A3で示すように実際の圧縮比が変化する。この場合、圧縮比の変更の指示を出してから実際に圧縮比が目標圧縮比となるまでに時間遅れが発生していることがわかる。つまり、フューエルカットからの復帰へ切り替わった時点から、ある程度の時間が経過した時点で、実際の圧縮比が目標圧縮比に達している。そのため、比較例に係る制御方法では、フューエルカットからの復帰後(時刻t12以降)において、符号A4で示すように、アイドル運転時のエンジン回転数が不安定になっていることがわかる。
一方、第1実施形態に係る制御方法では、フューエルカットの実行中における時刻t11において車速が第2車速V未満になることで、圧縮比を上昇させる制御が開始される。これにより、符号B1で示すように圧縮比が徐々に上昇される。なお、符号B1で示す圧縮比は実際の圧縮比である、つまり指示値ではない。
このように圧縮比を上昇させることで、フューエルカットからの復帰が行われる時刻t12において、符号B2で示すように、圧縮比が、符号A2で示す指示値に対応する圧縮比(目標圧縮比)に達していることがわかる。そのため、第1実施形態に係る制御方法によれば、比較例に係る制御方法と比較して、フューエルカットからの復帰後(時刻t12以降)において、符号B3で示すようにアイドル運転時のエンジン回転数が安定する。したがって、第1実施形態に係る制御方法によれば、アイドリング制御を安定して行うことが可能となる。
図5は、第1実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS101では、ECU60は、アクセル開度センサ61から受信した検出信号に基づいて、アクセルオフであるか否かを判定する。アクセルオフである場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進む。これに対して、アクセルオフでない場合(ステップS101;No)、処理はステップS106に進む。この場合には、ECU60は、フューエルカットからの復帰を行って燃料噴射を開始する(ステップS106)。そして、処理は終了する。
ステップS102では、ECU60は、車速センサ60から受信した検出信号に基づいて、現在の車速が第1車速Vより高いか否かを判定する。ここでは、ECU60は、車速に基づいて、フューエルカットを実行すべきか否かを判定している。
車速が第1車速Vより高い場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS103に進む。この場合には、ECU60はフューエルカットを実行し(ステップS103)、処理はステップS104に進む。これに対して、車速が第1車速V以下である場合(ステップS102;No)、処理はステップS106に進む。この場合には、ECU60はフューエルカットからの復帰を行い(ステップS106)、処理は終了する。
ステップS104では、ECU60は、車速センサ60から受信した検出信号に基づいて、現在の車速が第2車速V未満であるか否かを判定する。ここでは、ECU60は、車速に基づいて、圧縮比を上昇させる制御を行うべきか否かを判定している。車速が第2車速V未満である場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS105に進み、車速が第2車速V以上である場合(ステップS104;No)、処理は終了する。
ステップS105では、ECU60は、圧縮比を上昇させる制御を実行する。具体的には、ECU60は、フューエルカットからの復帰時に圧縮比が目標圧縮比に設定されるように、圧縮比を上昇させる制御を行う。この場合、ECU60は、アクチュエータ33に対して制御信号S33を供給することで、圧縮比を上昇させる制御を行う。そして、処理は終了する。
以上説明した第1実施形態によれば、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比を適切に目標圧縮比に設定することができる。これにより、フューエルカットからの復帰時において、エンジン10から目標トルクを適切に発生させることができ、アイドリング制御の安定性を向上させることが可能となる。よって、余分な燃料噴射やエンストの発生などを防止することが可能となる。
次に、第1実施形態に係る制御方法の変形例1及び変形例2について説明する。
(変形例1)
変形例1では、ECU60は、車速の代わりにエンジン回転数に基づいて、フューエルカットの実行中において圧縮比を上昇させる制御を行う。つまり、ECU60は、フューエルカットからの復帰をエンジン回転数に基づいて先読みして、圧縮比を上昇させる制御を開始する。具体的には、ECU60は、アクセルオフ時においてエンジン回転数が第1エンジン回転数Neよりも高い場合にフューエルカットを実行すると共に、このようなフューエルカットの実行中において、エンジン回転数が、第1エンジン回転数Neよりも高い第2エンジン回転数Ne未満になった際に、圧縮比を上昇させる制御を開始する。この場合、ECU60は、フューエルカットからの復帰時に圧縮比が目標圧縮比に設定されるように、圧縮比を変化させる制御を行う。なお、ECU60は、フューエルカットの実行中においてエンジン回転数が第1エンジン回転数Ne以下となった場合に、フューエルカットからの復帰を行う。
図6は、第1実施形態の変形例1に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。図6は、横軸に時間を示しており、上から順に、車速、フューエルカットのオン/オフ、圧縮比、エンジン回転数を示している。図6に示す例では、時刻t22まではフューエルカットが実行され、時刻t22でエンジン回転数が第1エンジン回転数Ne以下となることでフューエルカットからの復帰が行われるものとする。なお、図4と同一の符号を付したものについては同じ意味を有するものとして、その説明を省略する。
変形例1に係る制御方法では、フューエルカットの実行中における時刻t21において、エンジン回転数が第2エンジン回転数Ne未満になることで、圧縮比を上昇させる制御が開始される。これにより、符号C1で示すように圧縮比が徐々に上昇される。なお、符号C1で示す圧縮比は実際の圧縮比である、つまり指示値ではない。このように圧縮比を上昇させることで、フューエルカットからの復帰が行われる時刻t22において、符号C2で示すように、圧縮比が、符号A2で示す指示値に対応する圧縮比(目標圧縮比)に達していることがわかる。そのため、変形例1に係る制御方法によれば、比較例に係る制御方法と比較して、フューエルカットからの復帰後(時刻t22以降)において、符号C3で示すようにアイドル運転時のエンジン回転数が安定する。したがって、変形例1に係る制御方法によれば、アイドリング制御を安定して行うことが可能となる。
図7は、第1実施形態の変形例1に係る制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS201では、ECU60は、アクセル開度センサ61から受信した検出信号に基づいて、アクセルオフであるか否かを判定する。アクセルオフである場合(ステップS201;Yes)、処理はステップS202に進む。これに対して、アクセルオフでない場合(ステップS201;No)、処理はステップS206に進む。この場合には、ECU60はフューエルカットからの復帰を行い(ステップS206)、処理は終了する。
ステップS202では、ECU60は、クランク角センサ44から受信した検出信号に基づいて、現在のエンジン回転数が第1エンジン回転数Neより高いか否かを判定する。ここでは、ECU60は、エンジン回転数に基づいて、フューエルカットを実行すべきか否かを判定している。
エンジン回転数が第1エンジン回転数Neより高い場合(ステップS202;Yes)、処理はステップS203に進む。この場合には、ECU60はフューエルカットを実行し(ステップS203)、処理はステップS204に進む。これに対して、エンジン回転数が第1エンジン回転数Ne以下である場合(ステップS202;No)、処理はステップS206に進む。この場合には、ECU60はフューエルカットからの復帰を行い(ステップS206)、処理は終了する。
ステップS204では、ECU60は、クランク角センサ44から受信した検出信号に基づいて、現在のエンジン回転数が第2エンジン回転数Ne未満であるか否かを判定する。ここでは、ECU60は、エンジン回転数に基づいて、圧縮比を上昇させる制御を行うべきか否かを判定している。なお、第2エンジン回転数Neは、例えば、フューエルカットの実行時におけるエンジン回転数の下降度合い、及び、圧縮比を変更する制御を開始してから実際の圧縮比が目標圧縮比に設定されるまでに要する時間などに基づいて設定される。
エンジン回転数が第2エンジン回転数Ne未満である場合(ステップS204;Yes)、処理はステップS205に進み、エンジン回転数が第2エンジン回転数Ne以上である場合(ステップS204;No)、処理は終了する。
ステップS205では、ECU60は、圧縮比を上昇させる制御を実行する。具体的には、ECU60は、フューエルカットからの復帰時に圧縮比が目標圧縮比に設定されるように、圧縮比を上昇させる制御を行う。この場合、ECU60は、アクチュエータ33に対して制御信号S33を供給することで、圧縮比を上昇させる制御を行う。そして、処理は終了する。
以上説明した変形例1によっても、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比を適切に目標圧縮比に設定することができる。
(変形例2)
変形例2では、ECU60は、車速及びエンジン回転数の代わりに要求駆動力に基づいて、フューエルカットの実行中において圧縮比を上昇させる制御を行う。つまり、ECU60は、フューエルカットからの復帰を要求駆動力に基づいて先読みして、圧縮比を上昇させる制御を開始する。具体的には、ECU60は、アクセルオフ時におい要求駆動力が第1駆動力Fよりも低い場合にフューエルカットを実行すると共に、このようなフューエルカットの実行中において、要求駆動力が、第1駆動力Fよりも低い第2駆動力Fよりも高くなった際に、圧縮比を上昇させる制御を開始する。この場合、ECU60は、フューエルカットからの復帰時に圧縮比が目標圧縮比に設定されるように、圧縮比を変化させる制御を行う。なお、ECU60は、フューエルカットの実行中において要求駆動力が第1駆動力F以上となった場合に、フューエルカットからの復帰を行う。
図8は、第1実施形態の変形例2に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。図8は、横軸に時間を示しており、上から順に、アクセル開度、要求駆動力、フューエルカットのオン/オフ、圧縮比、エンジン回転数を示している。図8に示す例では、時刻t32まではフューエルカットが実行され、時刻t32で要求駆動力が第1駆動力F以上となることでフューエルカットからの復帰が行われるものとする。なお、図4と同一の符号を付したものについては同じ意味を有するものとして、その説明を省略する。
変形例2に係る制御方法では、フューエルカットの実行中における時刻t31において、要求駆動力が第2駆動力Fより高くなることで、圧縮比を上昇させる制御が開始される。これにより、符号D1で示すように圧縮比が徐々に上昇される。なお、符号D1で示す圧縮比は実際の圧縮比である、つまり指示値ではない。このように圧縮比を上昇させることで、フューエルカットからの復帰が行われる時刻t32において、符号D2で示すように、圧縮比が、符号A2で示す指示値に対応する圧縮比(目標圧縮比)に達する。そのため、変形例2に係る制御方法によれば、比較例に係る制御方法と比較して、フューエルカットからの復帰後(時刻t32以降)において、符号D3で示すようにアイドル運転時のエンジン回転数が安定する。したがって、変形例2に係る制御方法によれば、アイドリング制御を安定して行うことが可能となる。
図9は、第1実施形態の変形例2に係る制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS301では、ECU60は、アクセル開度センサ61から受信した検出信号などに基づいて、要求駆動力が第1駆動力F未満であるか否かを判定する。ここでは、ECU60は、要求駆動力に基づいて、フューエルカットを実行すべきか否かを判定している。
要求駆動力が第1駆動力F未満である場合(ステップS301;Yes)、処理はステップS302に進む。この場合には、ECU60はフューエルカットを実行し(ステップS302)、処理はステップS303に進む。これに対して、要求駆動力が第1駆動力F以上である場合(ステップS301;No)、処理はステップS305に進む。この場合には、ECU60はフューエルカットからの復帰を行い(ステップS305)、処理は終了する。
ステップS303では、ECU60は、アクセル開度センサ61から受信した検出信号などに基づいて、要求駆動力が第2駆動力Fよりも高いか否かを判定する。ここでは、ECU60は、要求駆動力に基づいて、圧縮比を上昇させる制御を行うべきか否かを判定している。なお、第2駆動力Fは、例えば、フューエルカットの実行時における要求駆動力の上昇度合い、及び、圧縮比を変更する制御を開始してから実際の圧縮比が目標圧縮比に設定されるまでに要する時間などに基づいて設定される。
要求駆動力が第2駆動力Fよりも高い場合(ステップS303;Yes)、処理はステップS304に進み、要求駆動力が第2駆動力F以下である場合(ステップS303;No)、処理は終了する。
ステップS304では、ECU60は、圧縮比を上昇させる制御を実行する。具体的には、ECU60は、フューエルカットからの復帰時に圧縮比が目標圧縮比に設定されるように、圧縮比を上昇させる制御を行う。この場合、ECU60は、アクチュエータ33に対して制御信号S33を供給することで、圧縮比を上昇させる制御を行う。そして、処理は終了する。
以上説明した変形例2によっても、フューエルカットからの復帰時に、実際の圧縮比を適切に目標圧縮比に設定することができる。
なお、要求駆動力の代わりに、アクセル開度センサ61が検出したアクセル開度そのものを用いて、上記したような変形例2と同様の制御方法を行っても良い。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、ECU60は、上記した第1実施形態に係る制御を行っている際に、つまりフューエルカットの実行中において圧縮比を上昇させる制御を行っている際に、変速比を変更する制御を行う。このように変速比を変更する理由は、以下の通りである。フューエルカット中に圧縮比を上昇させると、圧縮比を上昇させない場合と比較して、例えばエンジンブレーキが大きくなることで、車両の減速度が大きくなる傾向にある。そのため、フューエルカット中にドライバビリティーが悪化する可能性がある。一方で、フューエルカット中に変速比を変更すると、減速度が変化する傾向にある。具体的には、変速比を高くすると、減速度が小さくなる傾向にある。
したがって、第2実施形態では、圧縮比の上昇に伴う減速度の変化が抑制されるように、変速比を高くする制御を行う。具体的には、ECU60は、圧縮比を上昇させる制御を行っている際に、圧縮比を上昇させる制御を行わない場合に発生する減速度と同等の減速度が発生するように、変速比を高くする制御を行う。つまり、ECU60は、圧縮比を上昇させる制御に起因する減速度の変化分を変速比制御により相殺する。この場合、ECU60は、車速やエンジン回転数などに応じて通常設定される変速比を、圧縮比の上昇に伴う減速度の変化が抑制されるように補正する。例えば、ECU60は、圧縮比変化に伴う減速度変化を予め計算しマップ化しておき、当該マップに基づいて変速比を補正する。
図10は、第2実施形態に係る制御方法を行った場合のタイムチャートを示す。図10は、横軸に時間を示しており、上から順に、車速、フューエルカットのオン/オフ、圧縮比、エンジン回転数、変速比、加速度を示している。図10に示す例では、時刻t42まではフューエルカットが実行され、時刻t42でフューエルカットからの復帰が行われるものとする。なお、圧縮比を上昇させる制御は第1実施例で示したものと同一であるため(図4参照)、その説明は省略する。
ここでは、圧縮比を上昇させる制御中において変速比を補正する第2実施形態に係る制御方法と、圧縮比を上昇させる制御中において変速比を補正しない比較例に係る制御方法とを比較する。比較例に係る制御方法では、圧縮比を上昇させる制御中に、符号E1で示すように、車速やエンジン回転数などに応じて通常設定される変速比が用いられる。つまり、圧縮比を上昇させる制御の実行を考慮した変速比の補正は行われない。圧縮比を上昇させる制御中において、このような変速比を用いた場合、符号E2で示すように、圧縮比を上昇させる制御を行う前と比較して加速度の下降度合いが大きくなっていることがわかる。
一方、第2実施形態に係る制御方法では、圧縮比を上昇させる制御中に、車速やエンジン回転数などに応じて通常設定される変速比が、符号E3で示すように補正される。具体的には、高い側に変速比が補正される。圧縮比を上昇させる制御中において、このような変速比を用いた場合、符号E4で示すように、圧縮比を上昇させる制御を行う前の加速度の下降度合いが概ね維持されていることがわかる。つまり、第2実施形態に係る制御方法によれば、上記した比較例に係る制御方法と比較して、圧縮比を上昇させる制御中の減速度変化が小さくなっていることがわかる。
図11は、第2実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。なお、ステップS401〜S406の処理は、それぞれ、前述したステップS101〜S106の処理と同様であるため(図5参照)、その説明を省略する。ここでは、ステップS407の処理のみ説明する。
ステップS407の処理は、ステップS406の処理後に実行される、つまり圧縮比を上昇させる制御中に実行される。ステップS407では、ECU60は、圧縮比の上昇に伴う減速度の変化が抑制されるように、変速比を補正する制御を行う。具体的には、ECU60は、車速やエンジン回転数などに応じて通常設定される変速比を高い側に補正する制御を行う。この場合、ECU60は、無段変速機110に対して制御信号を供給することで、変速比を補正する制御を行う。例えば、ECU60は、圧縮比変化に伴う減速度変化を予め計算しマップ化しておき、当該マップに基づいて変速比を補正する。そして、処理は終了する。
以上説明した第2実施形態によれば、圧縮比の上昇に伴う減速度変化を適切に抑制することができる。よって、フューエルカット中の不自然な減速度変化を抑制することができ、ドライバビリティーの悪化を防止することが可能となる。
なお、上記の第2実施形態では、フューエルカットの実行及び復帰、並びに圧縮比を上昇させる制御の実行開始を、車速に基づいて判断しているが、これに限定はされない。他の例では、車速の代わりに、エンジン回転数、要求駆動力、及びアクセル開度のいずれかに基づいて、フューエルカットの実行及び復帰並びに圧縮比を上昇させる制御の実行開始を判断しても良い。つまり、第2実施形態に係る制御方法を、前述した第1実施形態に係る制御方法の変形例1又は変形例2と組み合わせて実行しても良い。
[変形例]
本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。
また、上述の実施形態では、アッパーブロック31をロアブロック32に対して上下方向に移動させることでエンジン10の圧縮比を変化させるとしていたが、本発明を適用可能な可変圧縮比エンジンとしてはこれに限られず、他の圧縮比可変機構を備えるエンジンにも適用可能である。例えば、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクで連結し、コントロールシャフトを回転させて当該コントロールシャフトに形成された偏心軸の位置を変えて前記リンクの姿勢を制御することで、ピストン上死点位置を変更して圧縮比を可変にする可変圧縮比エンジンにも本発明を適用可能である。また、例えば、吸気バルブ21の閉じタイミングを変化させることで圧縮比を変化させるエンジンにも本発明を適用可能である。
10 エンジン
60 ECU
61 アクセル開度センサ
62 車速センサ
110 無段変速機

Claims (4)

  1. 混合気の圧縮の程度を示す圧縮比を変更することが可能なエンジンを備えた車両の制御装置であって、
    フューエルカットの実行及び前記フューエルカットからの復帰を制御するフューエルカット制御手段と、
    前記フューエルカットが実行されているか否かに応じて、前記圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を備え、
    前記圧縮比変更手段は、前記フューエルカットからの復帰が行われる前に、前記圧縮比の変更を開始することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 混合気の圧縮の程度を示す圧縮比を変更することが可能なエンジンを備えた車両の制御装置であって、
    フューエルカットの実行及び前記フューエルカットからの復帰を制御するフューエルカット制御手段と、
    前記フューエルカットが実行されているか否かに応じて、前記圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を備え、
    前記圧縮比変更手段は、前記フューエルカットからの復帰が行われる第1車速よりも高い第2車速を用いて、前記フューエルカットの実行時において車速が前記第2車速未満となった際に、前記圧縮比の変更を開始することを特徴とする車両の制御装置。
  3. 混合気の圧縮の程度を示す圧縮比を変更することが可能なエンジンを備えた車両の制御装置であって、
    フューエルカットの実行及び前記フューエルカットからの復帰を制御するフューエルカット制御手段と、
    前記フューエルカットが実行されているか否かに応じて、前記圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、を備え、
    前記圧縮比変更手段は、前記フューエルカットからの復帰が行われる第1エンジン回転数よりも高い第2エンジン回転数を用いて、前記フューエルカットの実行時においてエンジン回転数が前記第2エンジン回転数未満となった際に、前記圧縮比の変更を開始することを特徴とする車両の制御装置。
  4. 前記フューエルカットの実行時において前記圧縮比変更手段によって前記圧縮比の変更が行われている際に、前記圧縮比の変更に伴う車両の減速度の変化が抑制されるように、変速比を変更する変速比変更手段を更に備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
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