JP2011106212A - ダイヤル錠ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】扉等に簡易に取り付け可能で、筐体側の加工の必要性も極力低減でき、使い勝手にも優れたダイヤル錠ユニットの提供。
【解決手段】外部操作を受け閉位置と開位置との間で移動可能な操作部31と、外部操作を受けダイヤルの配列を変更するとともにダイヤル照合状態と非照合状態とを検知する機能を備えたダイヤル錠本体32と、施錠位置と解錠位置の間で移動可能な係わり合い部33と、係わり合い部にリターン反力を付与する反力機構Aと、変位部72が外部から押し込まれることにより所定の作動位置を検知する検知手段Dとをケーシングに関係づけて組みつけ、係わり合い部および変位部をケーシングの一端側に配置して、変位部が押し込まれていない状態で操作部が開位置にあるときに反力機構に反発力を蓄積させて係わり合い部を解錠位置に保持させ、変位部が押し込まれたときに係わり合い部の保持を解除して反力機構の反発力により施錠位置に移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、筐体の扉等に簡易に取り付け可能で、筐体側の加工の必要性も低減でき、使い勝手にも優れたダイヤル錠ユニットに関するものである。
一般に、把手の操作を伝達軸を介してラッチに伝えるようにしたロッカー等の筐体の扉にダイヤル錠ユニットを組み込む場合、把手や伝達軸にダイヤル錠ユニットを関連づけ、ダイヤル照合により把手や伝達軸を開放するとともに、扉の閉止時に別異の操作部を操作するで把手や伝達軸を拘束し、ダイヤルをリセットするように構成されるのが通例である。
ところが、このようにすると、扉を含めた筐体への大掛かりな加工や追加機能が必要になり、コストアップにもつながる。また、扉を閉止したのち、操作部を操作しなければ施錠できないため、閉止時の段取りが面倒で使い勝っても悪い。さらに、扉が閉止されるまでの間にダイヤルの照合状態が続くため、セキュリティ上も好ましくない。
このような不具合を解消するものとして、特許文献1に示すようなダイヤル錠ユニットが提案されている。
このものは、ケーシングの一端側から出力部材を突出させ、その出力部材に扉の反吊元側の縁部付近で錠前を連動させて、ダイヤル照合時に出力部材を自動的に錠前が外れる方向に移動させるように構成されている。また、扉の開き動作を利用してダイヤル錠をリセットすべく、反力機構を組み込むとともに、感知部である作動杆をケーシングの他端側から突出させ、この作動杆を扉の吊元側の縁部付近において筐体に突き当てて、開くときの作動杆の突出動作でダイヤル錠をリセットしている。更に、扉の閉まる動作を利用して出力部材を施錠位置に移動させるべく、作動杆と出力部材を関連づけ、作動杆の押し込み動作に連動して出力部材が解錠位置から施錠位置に移動するように構成されている。
これにより、筐体への大掛かりな作り込みを抑えてダイヤル錠ユニットを取り付け、扉を閉止すると自動的に施錠され、ダイヤルの照合状態も扉の開放とともにリセットされる機能が実現されたものとなっている。
特開2009−167695号公報
しかしながら、出力部材の先端に支軸等を介して錠前等を取り付けたのでは、組み付け誤差が生じ易いという問題がある。
また、係わり合い部がケーシングの一端側から突出し、変位部がケーシングの他端側から突出しているので、扉の吊元側の縁部と筐体との間で出力部材や錠前の組み付けを行い、扉の反吊元側の縁部と筐体との間で作動杆の組み付けを行わなければならない上に、出力部材が作動するタイミングと作動杆が作動するタイミングの調整を扉の吊元側と反吊元側で行わなければならないので、調整が難しく、精度が出しにくいという問題がある。
さらに、閉めるだけで施錠されるとはいえ、作動杆が押し込まれるときの変位に連動して出力部材ひいては錠前を作動させるので、筐体の開口縁を通過した後にその内側のスリット等の被係わり合い部に錠前を係わり合わせる過程で筐体の周囲との干渉が生じ易く、タイミングがとりずらいという問題もある。
本発明は、これらの課題を有効に解決し、扉等に簡易に取り付け可能で、筐体側の加工の必要性も極力低減でき、使い勝手にも優れたダイヤル錠ユニットを提供することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のダイヤル錠ユニットは、外部操作を受け付けて閉位置と開位置との間で移動可能とされる操作部と、外部操作を受け付けてダイヤルの配列を変更するとともにダイヤル照合状態と非照合状態とを検知する機能を備えたダイヤル錠本体と、施錠位置と解錠位置の間で移動可能な係わり合い部と、係わり合い部に直接又は間接にリターン反力を付与する反力機構と、変位部を有しその変位部が外部から押し込まれて変位することによって所定の作動位置を検知する検知手段とをケーシングに関係づけて組みつけ、そのうち少なくとも前記係わり合い部および前記変位部をともにケーシングの一端側に配置して、変位部が押し込まれていない状態で操作部が開位置にあるときに反力機構に反発力を蓄積させて係わり合い部を解錠位置に保持させ、変位部が押し込まれたときに係わり合い部の保持を解除して反力機構の反発力により施錠位置に移動させるように構成したことを特徴とする。
このように構成しても、従来の一般的なものに比べて、適用対象である筐体への大掛かりな作り込みを抑えてダイヤル錠ユニットの取り付けが可能であり、これを取り付けた開閉部材が閉止する際の自動施錠機能も確保されたものとなる。
しかも、係わり合い部をケーシングから直接突出させているので、途中にリンク等が不要であり、組み付け誤差が生じる要因を回避することができる。変位部も、ケーシングの同じ一端側から直接突出させているので、筐体の開口を扉で開閉する収納装置等に適用した場合には扉の反吊元側の縁部だけで筐体との組み付けを行うことができて大掛かりな組み込みが不要になり、筐体に閉止されたときに変位部が外部から押し込まれるタイミングと、閉止位置で係わり合い部が筐体の一部に係わり合うタイミングとの調整もとり易く、精度も出し易くなる。さらに、係わり合い部は変位部が受圧を受けたときに初めて施錠位置に移動するため、扉の動作と切り離して作動させることができ、開閉部材が閉止したタイミングを捉えて確実に筐体側のスリット等の被係わり合い部に干渉なく係わり合わせることが可能となる。
更に、適用対象である開閉部材の開放時の操作の便とセキュリティを確保するためには、ダイヤル錠本体が照合した場合のみ操作部の解錠操作を可能にするとともに、操作部の解錠操作に連動して係わり合い部の解錠位置への移動とダイヤル錠本体のリセットとを行うように構成し、操作部は前記開閉方向の操作とは異なる方向の外部操作を受け付ける機能を有することが望ましい。
また、更なる操作性の向上を図る上では、係わり合い部が、操作部の開位置までの作動に連動した後、さらにそこから単独で解錠位置に向かって跳ね上がるように構成されていることが効果的である。
適用対象である開閉装置への組み付け誤差を低減するためには、ケーシングの一端側にさらにラッチが取り付けてあることが有効であり、特にラッチは、変位部の変位方向の外力を受けた際に弾性に抗して没入可能に設けられていることが好適である。
係わり合い部と適用対象である筐体との干渉を的確に防止するためには、変位部が、前記係わり合い部の作動方向と直交する方向の作動を検知するように組み込まれていることが有効である。
そして、本発明のダイヤル錠ユニットを扉等の開閉部材に取り付けて開閉装置すれば、開閉装置を極力少ない工数で安価に製造することができ、開閉部材を開閉する際の開閉装置自体の使い勝手も有効に向上させることが可能となる。
本発明の開閉装置は、以上説明した構成であるから、適用対象である収納装置等の筐体に簡易に取り付けることができて、筐体側の加工の必要性も低減でき、精度も出し易く、加工・組立に係る工数、コストの削減が図れるとともに、収納装置等の開け閉めに係る操作手順も極力低減して使い勝手を向上させることが可能な、優れたダイヤル錠ユニットとして利用に供することができる。
本発明の一実施形態に係るダイヤル錠ユニットを適用した開閉装置を閉扉状態で示す斜視図。 同開閉装置を開扉状態で示す斜視図。 本発明の一実施形態に係るダイヤル錠ユニットをカバーを外した状態で示す正面図。 同ダイヤル錠ユニットの斜視図。 同ダイヤル錠ユニットを構成する第1の関連部を示す斜視図。 同ダイヤル錠ユニットを構成する第1、第2の関連部を示す斜視図。 同ダイヤル錠ユニットを構成する検知手段及び拘束手段の作動説明図。 同ダイヤル錠ユニットを構成する操作部と係わり合い部の関係を示す斜視図。 同ダイヤル錠ユニットのリセット機能を示す斜視図。 同ダイヤル錠ユニットのリセット機能を示す斜視図。 同ダイヤル錠ユニットの図3に対応した作動説明図。 同ダイヤル錠ユニットの図3及び図11に対応した作動説明図。 同ダイヤル錠ユニットを構成する係わり合い部の作用説明図。
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、ロッカー等の収納装置として利用される本実施形態の開閉装置を示している。この開閉装置は、筐体1の収納空間を開閉する位置に開閉部材である扉2を有するもので、この扉2にダイヤル錠ユニット3を組み込むとともに、筐体1側に被係わり合い部11を設けている。
扉2は、筐体1の側板12にヒンジ機構Hを介して吊元側の縁部2aを開閉可能に支持されたもので、ヒンジHと反対側に位置する側板12の前面に前方に向かって凹となる段部12aが形成してあり、扉2を閉止する際に、その凹となる段部12a内に扉2の反吊元側の縁部2bの厚み部分が収まるようになっている。
ダイヤル錠ユニット3は、カバー30kによって蓋封されるケーシング30に一体に組み込まれて、扉2の前面に操作部31やダイヤル錠本体32を位置づけ、反吊下側の縁部2bに錠前である係わり合い部33等を位置づけている。この操作部31は、手指で摘んで回転操作できる摘み部31aを有し、摘んだまま扉2を開けて開放することのできる把手の機能を兼ねているものであり、この実施形態では手指で摘んで正面視右回り(解錠方向)に略60度回転させることにより係わり合い部21と被係わり合い部11との係わり合いを解除するものである。
具体的に説明すると、係わり合い部33は、スチール等で作られて正面視概略逆L字板状(鎌状)のもので、ケーシング30の一端側に設けてあり、先端が下向きに屈曲する爪部33aをなしている。そして、扉2の反吊元側の縁部2bに設けたスリット2cを介して側方に突没しながら上下回動するように配置されている。対する被係わり合い部11は、筐体1に形成された前記段部12aの内奥に位置する当たり面12xと直交する側面12yにおいて係わり合い部21の突没する動作領域に対応する位置に設けたスリット状のものである。係わり合い部33の途中は厚み方向に屈曲しており、爪部33aをスリット2cに対応させる位置に配置している。
本開閉装置の基本機能について先に略述すると、図1に矢印S1で示すように扉2に設けたダイヤル錠本体32を照合させることにより操作部31の摘み31aを操作可能な状態にし、その後に矢印S2で示すように操作部の摘み31aを閉位置P1から開位置P2に回す操作でダイヤル錠本体32の照合状態をリセットするとともに係わり合い部33を施錠位置Q1から解錠位置Q2に移動させ、引き続き矢印S3で示すようにそのまま摘み31aを手前に引くことで操作部31および係わり合い部33を開位置P2および解錠位置Q2に保持したままで扉2を開放することができるものである。また、扉2の閉止時には、扉2を押し込むだけで、操作部31および係わり合い部33を閉位置P1および施錠位置Q1に移動させ、係わり合い部33を被係わり合い部11に係わり合わせて扉2を筐体1に対する閉止位置に保持するとともに、操作部31を施錠することができるものである。
以下、このような機能を実現するダイヤル錠ユニット3の構成等について詳述した後、ダイヤル錠ユニット3を組み込んだ開閉装置全体の構成等について説明する。
ダイヤル錠ユニット3は、上記操作部31、ダイヤル錠本体32、係わり合い部33のほかに、図3、図4及び図6等に示すように操作部31及び係わり合い部33にリターン反力を付与する反力機構A、図3、図4及び図5等に示すようにダイヤル錠本体32が照合した場合のみ操作部31の解錠操作を可能にする第1の関連部B、図3、図4及び図6等に示すように操作部31の解錠操作に連動してダイヤル錠本体32の照合状態をリセットする第2の関連部C、図2及び図7等に示すように扉2が閉止位置にあるか否かを検知する検知手段D、図7等に示すように操作部31が開位置に移動した場合に当該操作部31を係わり合い部33とともに拘束する拘束手段E等をケーシング30内に備えている。
操作部31は、図8に示すように背面側に一体回転する円柱状の連動部31aを有するもので、その後方端面に直方体状の突出部31bが、また軸心から変位した位置に後方に向かって延びるピン32cが形成してある。
これに対して、前記係わり合い部33には、基端に前記突出部31bが所定の範囲で回転するために必要な開口形状の孔部33bが形成してあり、この孔部33bに前記連動部31aの突出部31bを所定の遊びの下に一体回転するように嵌め合わせている。この係わり合い部の基端外周は、回転中心Oの周りの円周面をなすが、そのうちの2箇所に凹部をなす第1の被誘導部81aおよび第2の被誘導部81bが設けてあり、対する図3のケーシング30の底壁30c側には、図13に示すように前記被誘導部81a、81bを引き込むための凸部をなす誘導部82が設けてある。誘導部82は、弾性体である板バネによって構成されている。つまり、操作部31が図13(a)に示す閉位置P1にあり係わり合い部33が施錠位置Q1にあるときは第1の被誘導部81aが誘導部82に嵌り合い、操作部31が図13(b)に示す開位置P2に操作され係わり合い部33が中間位置Q3に移動したときは第2の被誘導部81bが誘導部82の作用を受ける位置に到来し、このとき誘導部82は係わり合い部31の基端外周で圧縮されていて、蓄積した弾性力を放出するときの復元動作によって、係わり合い部33が更に、凹部である第2の被誘導部81bが凸部である誘導部82に引き込まれる図13(c)に示す解錠位置Q2まで移動するように構成してある。すなわち、係わり合い部33の基端に設けた孔部33bと操作部31の基端の突出部31bとの遊びに起因して、操作部31の閉位置P1→開位置P2の移動の間は係わり合い部33が操作部33に遅れ側において連動する作動領域として施錠位置Q1→中間位置Q3と追従し、その後は、係わり合い部33が操作部31に連動しない作動領域として操作部31に対し図13(b)の遅れ側から図13(c)の進み側へと跳ね上がる相対移動を引き起こすものである。
ダイヤル錠本体32は、図3〜図5等に示すように、ダイヤル列32aと、ダイヤル列32aの照合状態を検知して変位を引き起こす照合検知部32bと、ダイヤルをリセットするダイヤル軸32cと、暗証番号を設定する暗証番号設定部32d(図4参照)とを有している。
ダイヤル列32aは、ダイヤル軸32cに沿って4組のダイヤル32a1、操作用円板32a2およびロックギア32a3を配列している。ダイヤル32a1には円周方向に0〜9の番号が付してあり、操作用円板32a2は操作力を受け付けてダイヤル32a1と一体となって回転する。ロックギア32a3は、セット位置でダイヤル32a1及び操作用円板32a2と一体となって回転するもので、各ロックギア32a3のランド(外周面)32axには、それぞれ1箇所に凹所32ayが形成してある。この凹所32ayが揃うとき(図11の状態のとき)に扉2の正面に現れる番号が暗証番号(本実施形態では「1000」)となる。
照合検知部32bは、ケーシングの底壁30cに沿ってダイヤル列32aに対峙して配置されるセンスカム32b1と、このセンスカム32b1から各ロックギヤ32a1の凹所32ayに向かって突出する爪状の判定部32b2と、センスカム32b1をロックギヤ32a1に向かって押し付けるセンスカム用スプリング32b3とを具備している。
そして、図3及び図5に示すように1つでも判定部32b2が凹所32ayに相対していなければ、判定部32b2がランド32axに乗り上る位置に保持され、他のロックギア32a3の判定部32b2ともども凹所32ayに入り込むことができないが、図5に矢印Lで示す方向にダイヤル32a1が移動して図11に示すようにセンスカム32b1の4つの判定部32b2がそれぞれ凹所32ayに同時に相対したときには、センスカム用スプリング32b3によって判定部32b2が一斉に凹所32ay内に進入し、センスカム32b1が長手方向と直交する方向(図中上方向)の変位を引き起こすものである。
ダイヤル軸32cは、図9に示すように、4つのダイヤル32a1の軸心を貫通して同軸心方向に移動可能であり、外周にダイヤル32a1の間隔に対応したピッチで突起32c1を設けている。一方、ダイヤル32a1の内部には、竹を斜めに切ったようなスロープ形状のカム面32azがダイヤル32a1と一体回転するように形成してあり、ダイヤル軸32cが図9→図10に示すようにダイヤル32a1の内部に深く没入する方向に移動すると、カム面32azを介してダイヤル32a1を所定の回転位相に揃えるリセット作用を営む。本実施形態では、図3に示す「0000」をリセット状態とされ、いわゆるゼロリセットと称される。
図4に示す暗証番号設定部32dは、スライドレバー32d1と、このスライドレバー32のスライド操作で図3に示すロックギヤ32a3とダイヤル32a1とが一体回転するセット状態を解除して軸方向に相対移動させ、個別回転可能な設定モードに切り替える切り替え機構(図示省略)とを有する。すなわち、照合検知部32bが照合状態を検知して変位を生成している図11の状態から、ロックギヤ32a3とダイヤル32a1との一体回転状態を一旦解除してダイヤルの配列を例えば「2000」に変更し、再びスライドレバー32d1をセット状態に戻せば、この「2000」で照合検知部32bが照合状態を検知したことになり、以降、これが新たな暗証番号となる。このスライドレバー32d1は図1に示すカバー30k側に表出している。
図3、図4及び図6に示す反力機構Aは、リターンバー41とリターン用スプリング42とから構成される。リターンバー41は、ケーシング30の上壁30aに沿って配置される板状のもので、一部に一対の折り曲げ片41aを有し、その折り曲げ片41a、41a間に連動部31aのピン31bを受容して、連動部31aの回転に連動してケーシング30内を進退可能とされている。リターン用スプリング42はコイルバネ状のもので、前記リターンバー31の他端部とケーシング30の対応する内壁30bとの間に弾設され、圧縮されることによってリターンバー41を介し操作部31に閉位置方向(正面紙左方向)へ押し戻す作動力を蓄積する。
第1の関連部Bは、ダイヤル錠本体32が照合した場合のみ操作部31の解錠操作を可能にべく、図4〜図6等に示すように、前記照合検知部32bと前記操作部31の間を関連づけ、ダイヤル錠本体32の照合状態に応じて操作部31の操作可能状態と操作禁止状態とを切り替えるものである。具体的に説明すると、前記照合検知部32bの変位に連動して昇降する作動杆51と、この作動杆51の作動端に支軸m2周りに回転可能に配置された下向きの爪部52aを有する爪部材52と、この爪部材52を下向きに押し付けるバネ53と、前記爪部52aが選択的に係合するように前記連動部31aの対応位置に引っ掛かり可能に設けた解錠規制部31xとからなる。そして、図3及び図5に示す照合検知部32bの降下時(ダイヤル錠本体32の非照合時)に当該作動杆51が降下して爪部52aが解錠規制部31xに係わり合うことにより操作部31が閉位置P1に保持されて図12に示す開位置P2に向かう操作を禁止し、図11に示す照合検知部32bの上昇時(ダイヤル錠本体32の照合時)に当該作動杆51が上昇して爪部52aと解錠規制部31xとの係わり合いを解除し、操作部31の図11→図12に示す開方向への操作を許容するものである。操作部31が一旦操作されると、爪部材52の爪部52aが解除規制部31xから外れて図6に示す円周部31y上に乗り上げるため、再び操作部31が閉位置に復帰するまで爪部材52による規制は行われない。
また、第2の関連部Cは、操作部31の解錠操作に連動してダイヤル錠本体32の照合状態をリセットすべく、図4及び図6等に示すように、前記ダイヤル軸32cと前記操作部31との間を関連づけるものである。具体的に説明すると、この第2の関連部Cは、前記リターンバー41と、このリターンバー41の進退動作に前記ダイヤル軸32cの進退動作を連動させる中間伝達部材43とにより構成される。この中間伝達部材43は、ダイヤル軸32cの一端にフランジ状をなす第1の伝達部43aを係合させ、前記リターンバー41が押し込まれる側に位置する折り曲げ片41aと交叉して接触する位置にフランジ状をなす第2の伝達部43bを挿入している。そして、操作部31が開方向に操作されるに伴い、リターンバー4が図11→図12に示すようにリターンバー用スプリング42を圧縮する方向に移動したとき、中間伝達部材43を介してダイヤル軸32cをダイヤル列32a内に押し込む。
なお、中間伝達部材43とダイヤル列32aとの間にはダイヤル軸32cを突出位置に復帰させるための復帰バネ32cxが圧縮状態で介在させてある。
検出手段Dは、扉2が閉止位置にあるか否かを検知すべく、図2及び図7等に示すように、筐体1の側板12の側面12yに設けた押圧子71と、扉2の反吊元側の縁部2b内に位置するようにケーシング30の一端側において当該縁部2bに平行な軸m3回りに取り付けられて閉止位置で前記押圧子71に押し込まれることにより回転変位する変位部72と、変位部72を押圧子71に向かう方向に押し付けるバネ73とを含み、扉2を閉止した際にこの変位部72が押圧子71に押し込まれて図7(d)に矢印で示すように一方向に回転し、扉2が筐体1から開放されたときに変位部72がバネ73に押し付けられて図7(c)に矢印で示すように他方向に回転するものである。すなわち、変位部72は係わり合い部11の作動方向と直交する方向の作動を検知するように前記ケーシング30に一体的に組み込まれている。
拘束手段Eは、操作部31が開位置P2に移動して扉2が開放された場合に当該操作部31を係わり合い部33とともに拘束すべく、図7等に示すように、基端を操作部31の支軸m4と直交する前記軸m3回りに回転可能に取り付けられ先端に連動部31aの外周に向かう爪部61と、この爪部61を連動部31aの外周に向かわせる方向に押し付けるバネ62とを有したもので、爪部61は前記変位部72とともに一体に形成され、バネ62は前記バネ73と共用されている。一方、対応する連動部31aの外周には、操作部31が開位置P2にあり係わり合い部33が図13(b)の中間位置に達したときに前記爪部61に係止されて閉位置側への回転を拘束される位置に第1の規制部31mと、ここから係わり合い部31が図13(c)に示すように解錠位置Q2まで跳ね上がり扉2が図7(b)→(c)に示すように開放された後に一旦閉止されて操作部31が拘束手段Eの拘束を解除され操作部31の位置が閉位置P1側に変位した際に図7(d)→(e)、図13(c)→(d)に示すように操作部31の第2の開位置P3において前記爪部61に再び係止されて係わり合い部33を第2の解錠位置Q4で停止させる位置に第2の規制部31nが設けてある。
組み込みに際しては、図2に示す筐体1側に樹脂製の押圧子71を取り付け、扉2にスリット2cを設けて鎌状の係わり合い部33を挿し通した状態でダイヤル錠ユニット3を扉2に取り付け、この状態でダイヤル錠ユニット3の変位部72を前記筐体1側の押圧子71に相対する位置に配置している。
その際、図13(b)に示す係わり合い部33の中間位置Q3では係わり合い部33は図1に示す筐体1の開口縁1aを通過できず、ここから係わり合い部33が誘導部81と被誘導部82bの間の引き込み作用で跳ね上がることによって、係わり合い部33がはじめて開口縁1aを通過可能な図13(c)に示す解錠位置Q2に移動する。この実施形態における開口縁1aの位置は、スリット11が設けられている側面12yの位置と同じであり、係わり合い部33が開口縁1aを通過する条件と、スリット11から抜ける条件とは等しい。
また、図13(d)に示す操作部の第2の開位置P3では、係わり合い部33はいまだ筐体1の開口縁1aを通過可能な位置にあるように設定されている。
なお、以上の構成をとった場合、解錠時に操作部31に対する操作が不完全であると、図13(a)の閉位置P1から図13(b)の開位置P2に向かう途上で当該開位置の手前の第2の開位置P3に拘束される事態も起こり得るが、その際には係わり合い部33は操作部31に対し遅れ側に保持されて筐体1の開口縁1aを通過できないように設定してある。これに対して、前述したように、操作部31が一旦開位置に達し係わり合い部33が図13(c)に示す進み側に跳ね上がった後にその拘束が解除されて操作部31が閉位置P1に向かう途上で図13(d)に示す第2の閉位置P3に再度拘束される際には、係わり合い部33は進み側に保持されて筐体1の開口縁1aを通過可能なように構成されている。
次に、既に一部において述べた作動も含めて、本実施形態全体の作動を説明する。
先ず、扉2に示す閉止位置にあり、ダイヤル錠本体32が非照合状態にあるときは、図7(a)に示す検知手段Dが扉2の閉止状態を検知して拘束手段Eを非拘束状態に保持し、また図4及び図5に示す照合検知部32bが非照合状態を検知することにより第1の関連部Bを介して操作部31を閉位置P1に拘束する。次に、ダイヤル錠本体32を照合させると、照合検知部32bが照合状態を検知して操作部31を開放する。そこで、図7(a)→(b)に示すように操作部31を摘んで回転操作すると、図4に示す反力機構Aのリターンバー41が反力を蓄積しつつ移動し、その結果、図13(a)→(b)に示すように操作部31が閉位置P1から開位置P2に、係わり合い部21が施錠位置から中間位置Q3まで移動するとともに、図6に示すリターンバーが図11→図12に示すように中間伝達部43を介してダイヤル軸42cを押し込み、ダイヤル列32aをゼロリセットする。かかるゼロリセットのときに、図4及び図5に示す第1の関連部Bが非照合状態を検知して操作部31の操作を規制しようとするが、第1の関連部Bを構成する爪部材52の爪部52aが図6に示す解除規制部31xから外れてその円周部31y上に乗り上げるため、この時点で操作部31の操作は規制されない。操作部31を回転操作して開位置P2にまで操作したとき、係わり合い部33は先ず図13(b)に示す中間位置Q3まで移動するが、更にそこから誘導部81aと被誘導部81bとによる引き込み作用によって図13(c)に示す解錠位置Q3まで跳ね上がり、その結果、係わり合い部33は筐体1の開口縁1aを通過可能となり、扉2を開放することができる。操作部31の操作が不十分であって開位置P2に達しない場合(拘束手段Eに拘束される位置に達しない場合)には、係わり合い部33の跳ね上げ動作は引き起こされず、係わり合い部33が筐体1の開口縁を通過して扉2が開放されることはない。その後、引き続き操作部31を摘んで図1に矢印S3で示すように扉2を手前に引くと、扉2が開放されるに従い、検知手段Dが図7(b)→(c)に示す扉2の開放状態を検知して爪部61を移動させ、この爪部61が第1の規制部31mに落ち込んで係わり合り、操作部31が開位置P2に拘束される。この時点で利用者は操作部31の摘み31aから手を離しても閉位置P1に復帰することはない。
扉2を閉めるときは、図1に矢印S4で示すように閉止位置に向かって扉2を操作すると、閉止位置に到達したときに検知手段Dが図7(c)→(d)に示す扉2の閉止状態を検知して拘束手段Eの爪部61を非拘束位置に移動させる。その結果、反力機構Aによって操作部31が図7(d)→(a)に示すように閉位置P1に移動させられ、係わり合い部33が図13(c)→(a)に示すように解錠位置Q2から施錠位置Q1に移動する。このとき、ダイヤル錠本体32は非照合状態にあるため、第1の関連部Bの爪部52aが操作部31の施錠規制部31xに落ち込んで操作部31を閉位置P1に規制する。次にダイヤル錠本体32を照合させて扉2を開けるときには、誘導しろの範囲で操作部31が係わり合い部33よりも先に回転を始めるため、このとき進み側と遅れ側の関係が入れ替わる。
また、扉2を一旦閉止した後に入れ忘れや出し忘れがあって操作部31をほぼ開位置に保持したまま開け閉め操作を行う場合に、拘束手段Eの爪部61は図13(c)の状態から一旦第1の規制部31mの拘束を解除するため、反力機構Aからの反力で操作部31が図13(d)に示すように開位置P2から閉位置P1側へ位置ずれするおそれがあるが、拘束手段Eの爪部61は操作部31の第2の開位置P3において再び第2の規制部31nに係わり合って操作部31を拘束することができるので、その後に操作部31から手を離しも、係わり合い部33が第2の解錠位置Q4に保持され、その後に扉2を閉めても筐体1の開口縁1aに激突することが防止される。
なお、図2に示すように、ダイヤル錠ユニット3のケーシング30には交叉して三角形の2辺を形成するように前向きの斜面と後向きの斜面を有するラッチ30xが突出方向の弾性力を付与されて突没可能に設けてあり、扉2の閉止位置でこのラッチ30xが当たり面12xに係わり合い、このとき変位部72の変位方向の外力により当たり面12xの縁部に密接して、扉2のガタつきを防止するようにしている。このラッチ30xは、当たり面12xの縁部に前方から突き当たり、没入しながら後向きの斜面が通過して前向きの斜面の一部が縁部に引っかかって停止する位置関係に設定されており、当たり面12の背面に完全に回り込むものではない。
以上のように、本実施形態の開閉装置を構成するダイヤル錠ユニット3は、外部操作を受け付けて閉位置P1と開位置P2との間で移動可能とされる操作部31と、外部操作を受け付けてダイヤルの配列を変更するとともにダイヤル照合状態と非照合状態とを検知する機能を備えたダイヤル錠本体32と、施錠位置Q1と解錠位置Q2の間で移動可能な係わり合い部33と、係わり合い部33にリターン反力を付与する反力機構Aと、変位部72を有しその変位部72が外部から押し込まれて変位することによって所定の作動位置を検知する検知手段Dとをケーシング30に関係づけて組みつけ、そのうち少なくとも前記係わり合い部33および前記変位部72をともにケーシング30の一端側に配置して、変位部72が押し込まれていない状態で操作部31が開位置P2にあるときに反力機構Aに反発力を蓄積させて係わり合い部33を解錠位置に保持させ、変位部72が押し込まれたときに係わり合い部33の保持を解除して反力機構Aの反発力により施錠位置に移動させるように構成したものである。
このように構成しても、従来の一般的なロッカー等の施錠装置に比べて、筐体1への大掛かりな作り込みを抑えてダイヤル錠ユニット3の取り付けが可能であり、これを取り付けた扉2を閉止する際には自動的に施錠されるため使い勝手も改善されたものとなる。
しかも、係わり合い部33をケーシング39から直接突出させているので、途中にリンク等が不要であり、組み付け誤差が生じる要因を回避することができる。変位部72も、ケーシング30の同じ一端側から直接突出させているので、扉2の反吊元側の縁部2bだけで筐体1との間の組み付けを行うことができて大掛かりな組み込みが不要になり、筐体1に閉止されたときに変位部72が外部から押し込まれるタイミングと、閉止位置で係わり合い部33が筐体1の被係わり合い部11に係わり合うタイミングとの調整もとり易く、精度も出し易くなる。さらに、係わり合い部33は変位部72が受圧を受けたときに初めて施錠位置Q1に移動するため、扉2の動作と切り離して作動させることができ、扉2が閉止したタイミングを捉えて確実に筐体1側の被係わり合い部11に干渉なく係わり合わせて的確な機能を確保することができるようになる。
また、ダイヤル錠本体32が照合した場合のみ操作部31の解錠操作を可能にするとともに、操作部31の解錠操作に連動して係わり合い部33の解錠位置Q2への移動とダイヤル錠本体32のリセットとを行なわせるものであり、操作部31は前記開閉方向の操作とは異なる方向の外部操作を受け付ける機能を有しているため、操作部31を通じて係わり合い部33の解錠、ダイヤル錠本体32のリセット、扉2の開放までを1つの操作で一連に行うことができるので、扉2の開放時の手順が従来の一般的なものよりも簡素になり、扉2の開放時におけるセキュリティ機能も確保されて、特許文献1のものと比べても遜色のないものになる。
係わり合い部33の作動も、操作部31の開位置までの作動に連動した後、さらにそこから単独で解錠位置Q2に向かって跳ね上がるように構成されているので、操作部31に加える操作量が少なくなるように設計して、更なる使い勝手の向上を追求することもできる。
さらに、ケーシング30の一端側にラッチ30xが取り付けてあるので、係わり合い部33と被係わり合い部11との組み付け誤差等をこのラッチ30xで解消することができ、筐体1側に新たな加工を施したり組み付け精度を上げずとも、扉2のガタつきや施錠強度の低下を効果的に解消することができるようになる。
特に、ラッチ30xは、変位部72の変位方向の外力を受けた際に弾性に抗して没入可能に設けられているので、更にダイヤル錠ユニット3側だけで組み付け誤差の吸収が図り易くなる。
さらにまた、前記変位部72は、前記係わり合い部33の作動と直交する方向の作動を検知するものであるため、変位部72の変位方向に扉2を作動させる本実施形態のようなケースでは、扉2の作動方向と直交する方向に係わり合い部が作動する状態となるが、このような場合にも変位部72が変位を検知しない限り係わり合い部33が施錠方向に作動しないので、係わり合い部33と筐体1との干渉を的確に防止する組み込みが可能となる。
そして、本実施形態は、以上のようなダイヤル錠ユニット3を扉2に取り付けて開閉装置を構成しているため、当該開閉装置を極力少ない工数で安価に製造することができ、扉2を開閉する際の開閉装置自体の使い勝手も有効に向上させることが可能となる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
3…ダイヤル錠ユニット
30…ケーシング
30x…ラッチ
31…操作部
32…ダイヤル錠本体
33…係わり合い部
72…変位部
A…反力機構
D…検知手段
P1…閉位置
P2…開位置
Q1…施錠位置
Q2…解錠位置


Claims (7)

  1. 外部操作を受け付けて閉位置と開位置との間で移動可能とされる操作部と、外部操作を受け付けてダイヤルの配列を変更するとともにダイヤル照合状態と非照合状態とを検知する機能を備えたダイヤル錠本体と、施錠位置と解錠位置の間で移動可能な係わり合い部と、係わり合い部に直接又は間接にリターン反力を付与する反力機構と、変位部を有しその変位部が外部から押し込まれて変位することによって所定の作動位置を検知する検知手段とをケーシングに関係づけて組みつけ、そのうち少なくとも前記係わり合い部および前記変位部をともにケーシングの一端側に配置して、変位部が押し込まれていない状態で操作部が開位置にあるときに反力機構に反発力を蓄積させて係わり合い部を解錠位置に保持させ、変位部が押し込まれたときに係わり合い部の保持を解除して反力機構の反発力により施錠位置に移動させるように構成したことを特徴とするダイヤル錠ユニット。
  2. ダイヤル錠本体が照合した場合のみ操作部の解錠操作を可能にするとともに、操作部の解錠操作に連動して係わり合い部の解錠位置への移動とダイヤル錠本体のリセットとを行うように構成し、操作部は前記開閉方向の操作とは異なる方向の外部操作を受け付ける機能を有する請求項1記載のダイヤル錠ユニット。
  3. 係わり合い部が、操作部の開位置までの作動に連動した後、さらにそこから単独で解錠位置に向かって跳ね上がるように構成されている請求項1又は2記載のダイヤル錠ユニット。
  4. ケーシングの一端側にさらにラッチが取り付けてある請求項1〜3記載のダイヤル錠ユニット。
  5. ラッチは、変位部の変位方向の外力を受けた際に弾性に抗して没入可能に設けられている請求項4記載のダイヤル錠ユニット。
  6. 変位部は、前記係わり合い部の作動方向と直交する方向の作動を検知するように組み込まれる請求項1〜5記載のダイヤル錠ユニット。
  7. 請求項1〜6記載のダイヤル錠ユニットを扉に取り付けてなることを特徴とする開閉装置。

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