JP2011105955A - 天然ガスの希釈熱量調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る天然ガスの希釈熱量調整方法は、払い出しラインを流れる気化前のLNGをBOGで希釈して天然ガスの熱量を目標熱量に調整する方法であって、前記BOGを再液化すると共に再液化したBOGの熱量を測定し、かつ前記気化前のLNGの熱量と流量を測定し、これらの測定結果に基づいて、再液化したBOGを前記気化前のLNGに添加して希釈調整し、希釈調整後の混合流体の熱量に基づいて前記BOGの混合量を再調整することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
規定熱量に調整する方法としては、一般にLNGは規定熱量より低いため、増熱用のLPG等を添加することで増熱調整処理が行われている。
ところが、LNG貯槽内でLNGを長期貯蔵することで、LNG中の軽質分であるメタン等が蒸発してしまい、結果としてLNGの単位体積当たりの熱量が上昇して、規定熱量以上になる場合には希釈の必要が生じる。もちろん、最初から受入LNGの熱量が高い場合にも希釈の必要が生じる。
希釈熱量調整の従来方法としては、エアーダイリュウション(天然ガス製造の1方法で気化LPGに空気を混入させる)による方法がある。ただし、高圧ガス保安法で可燃性ガスへの4%以上の酸素の混入は認められていないので、エアーダイリュウションは、天然ガスの圧力が1MPa以上のときには、空気混入量の厳密な管理が必要となる。
また、他の希釈熱量調整方法としては、LNGを気化した後の天然ガスにLNGタンク内で発生したLNGのBOGを圧縮して混合するという方法が知られている(特許文献1参照)
図1は本発明の一実施の形態に係る天然ガスの希釈熱量調整方法に用いる装置の全体構成の説明図である。
本実施の形態の天然ガスの希釈熱量調整装置は、(1)LNG貯槽1に貯留されたLNGを払い出すラインと、(2)LNG貯槽1で発生したBOGを再液化してLNG貯槽に戻すと共に払い出しラインのLNGに添加するBOGラインと、(3)該BOGラインにおける再液化BOGの添加量を調整して所定の熱量になるように調整するための熱量制御装置、の大きく3つの構成からなる。以下、各構成を説明する。
LNG払い出しライン3は、その一端側がLNG貯槽1に接続され、他端にはLNGを気化する気化装置5が設けられている。また、LNG払い出しライン3にはラインを流れるLNGの圧力を例えば0.8MPa〜1MPaの範囲に昇圧する第1LNGポンプ7と、第1LNGポンプ7の下流側に設けられて第1LNGポンプ7で昇圧された圧力をさらに高圧(例えば3MPa〜6MPa)に昇圧する第2LNGポンプ9が設けられている。
また、第1LNGポンプ7と第2LNGポンプ9の間にはLNGと後述の再液化BOGを混合する混合器11が設けられている。
さらに、第1LNGポンプ7と混合器11の間にはラインを流れるLNGの熱量を計測する第1熱量計13と、LNGの流量を計測する第1流量計15が設けられている。
また、混合器11と第2LNGポンプ9の間にはLNGに再液化BOGを混合して希釈した混合流体の熱量を計測する第2熱量計17が設けられている。
BOGラインは、LNG貯槽1もしくは、他のLNG貯槽で発生したガス状態のBOGを後述の再液化器29に導入するためのガス状態BOGライン19と、再液化されたBOGをLNG貯槽1に戻すBOG戻しライン21と、BOG戻しライン21の途中で分岐して再液化されたBOGをLNG払い出しライン3に添加して熱量調製するためのBOG熱調用ライン23と、から構成されている。
ガス状態BOGライン19には、サクションドラム25、サクションドラム25の下流側にあってガス状態のBOGを所定の圧力に昇圧するBOG圧縮機27が設けられ、BOG圧縮機27の下流側に再液化器29が設けられている。BOG圧縮機27はガス状態のBOGを所定の圧力に昇圧するものであるが、このBOG圧縮機27で昇圧する圧力は再液化のための昇圧であり、例えば0.8Mpa程度であり、BOG圧縮機27は小規模のもので足り、設備費、動力費を低く抑えることができる。
再液化器29はLNG払い出しライン3のLNGを導入してガス状態のBOGと熱交換することによって、ガス状態のBOGを冷却して再液化する。
BOG熱調用ライン23には、BOG熱調用ライン23を流れる再液化BOGの流量、熱量をそれぞれ計測する第3流量計37と第3熱量計39が設けられ、また、BOG熱調用ライン23を流れる再液化BOGの流量を調整するための流量調整弁41が設けられている。
熱量制御装置43は、LNG払い出しラインに設置された第1熱量計13及び第1流量計15の計測値、及びBOG熱調用ライン23の第3熱量計39の計測値を入力して、予め設定された目標熱量になるための再液化BOGの希釈量を演算する。そして、該演算値に基づいて第3流量計37の信号を検知しつつ流量調整弁41の開度を調整する。
さらに、熱量制御装置43は、LNG払い出しライン3における混合器11の下流側に設けられた第2熱量計17の計測値に基づくフィードバック制御により希釈量をさらに微調整して目標値になるように熱量制御を行う。
以上のように構成された本実施の形態の動作を以下に説明する。
図1において、LNG貯槽1から払い出されたLNGは、第1LNGポンプ7で所定圧力(例えば0.8MPa〜1MPa)に昇圧され、さらに、第2LNGポンプ9でより高圧(例えば3〜6MPa)に昇圧され、その後、気化装置5にて気化される。
一方、LNG貯槽1もしくは他のLNG貯槽から取り出されたBOGは、BOG圧縮機27で所定圧力(0.8MPa〜1MPa)に圧縮昇圧された後、再液化器29で再液化される。再液化されたBOGはBOG熱調用ライン23を通ってLNG払い出しライン3に供給され、混合器11においてLNG払い出しライン3を流れるLNGに混合されることによって、LNGの熱量を希釈調整する。
図2は本発明の他の実施の形態の説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部分又は相当する部分には同一の符号を付してある。
実施の形態1においては、LNG払い出しライン3において2台のLNGポンプを用いた例を示した。これに対して、本実施の形態においては、小規模基地の場合のようにLNG払い出しライン3において1台のLNGポンプを用いて、0.1MPa〜3MPaの範囲に昇圧した後、気化装置5で気化させる場合である。
本実施の形態においては、LNG払い出しライン側では、LNGポンプ7によって所定の圧力(例えば、0.8Mpa)に昇圧する。
他方、BOGライン側では、ガス状態のBOGをBOG圧縮機27で再液化に必用な所定の圧力(例えば、0.5MPa)に昇圧し、再液化器29で再液化した後、液体ポンプ33によって再液化BOGをLNG払い出しライン3に添加するのに必要な所定圧力(例えば、0.8MPa以上)に昇圧する。
図3は本発明の他の実施の形態の説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部分又は相当する部分には同一の符号を付してある。
実施の形態1においては、希釈用のBOGをBOGラインに設けた再液化器29によって再液化し、該再液化BOGをLNG払い出しライン3に添加する例を示した。
これに対して、本実施の形態においては、BOGラインに再液化器29を設けることなく、ガス状態のまま凝縮混合器45に送り、第1LNGポンプ7によって所定圧力に昇圧されたLNGに吹き込むようにしたものである。この場合、ガス状態のBOGがLNGの冷熱で再液化し、LNGに混合されることになる。
また、この効果に加えて本実施の形態においては、再液化器を設ける必要がないので、装置をさらに単純化できる。
11 混合器、13 第1熱量計、15 第1流量計、17 第2熱量計、27 BOG圧縮機、29 再液化器、35 第2流量計、36 流量調整弁、37 第3流量計、39 第3熱量計、41 流量調整弁、43 熱量制御装置、45 凝縮混合器。
Claims (2)
- 払い出しラインを流れる気化前のLNGをBOGで希釈して天然ガスの熱量を目標熱量に調整する方法であって、前記BOGを再液化すると共に再液化したBOGの熱量を測定し、かつ前記気化前のLNGの熱量と流量を測定し、これらの測定結果に基づいて、再液化したBOGを前記気化前のLNGに添加して希釈調整し、希釈調整後の混合流体の熱量に基づいて前記BOGの混合量を再調整することを特徴とする天然ガスの希釈熱量調整方法。
- 払い出しラインを流れる気化前のLNGをBOGで希釈して天然ガスの熱量を目標熱量に調整する方法であって、気化前のLNGの熱量と流量及び前記BOGの熱量を測定し、これらの測定結果に基づいて、ガス状態のBOGを前記気化前のLNGに吹き込んで希釈調整し、希釈調整後の混合流体の熱量に基づいて前記BOGの混合量を再調整することを特徴とする天然ガスの希釈熱量調整方法。
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