JP7216570B2 - 燃料ガス供給システムおよび燃料ガス供給方法 - Google Patents
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Description
具体的に、「都市ガス」にあっては、需要先での利用に適した発熱量(例えば、「45MJ/m3」)が厳密に規定される一方、「発電用ガス」にあっては、「都市ガス」ほどの厳密な規定はないものの、契約等によって定められた要求発熱量(例えば、「40.5~42.5MJ/m3」)に調整等することが求められている。
このような「非在来型LNG」は、比較的調達しやすく、価格が低位安定化等しているため、今後、LNG基地において、総LNG調達量に占める「非在来型LNG」の割合が増加していくことが見込まれる。
(a)「都市ガス」にあっては、規定発熱量(例えば、「45MJ/m3」)からかけ離れていくのはもちろんのこと、
(b)「発電用ガス」にあっては、要求発熱量に適合する「LNG」(例えば、「41MJ/m3」)をLNGタンクに受け入れる(貯蔵する)運用をおこなっている場合、これを維持することが困難になる(例えば、「40.5~42.5MJ/m3」の範囲外になる)おそれが生じる。
この特許文献1の技術は、
「LNG」を気化して「NG」を生成する「LNG気化器」と、
タンクから排出されたボイルオフガス(Boil Off Gas、以下、「BOG」と称する)を圧縮する「BOG圧縮機」と、
液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas、以下、「LPG」と称す)を気化してLPG気化ガスを生成する「LPG気化器」と、
「LPG気化器」により生成されたLPG気化ガスの送出量(流量)を調整する「流量調節弁」と、
「BOG圧縮機」により昇圧された「BOG」と、「流量調節弁」によって流量調整されたLPG気化ガスとを混合する「ミキサ」と、
「ミキサ」により混合された「BOG」と、「LPG気化器」により生成された「NG」とを合流させた状態で、需要先に「NG」を供給する「ガス導管」と、
を備えたものである。
(a)第1低温タンクから払い出された低温液体を気化させることで、第1払出ラインを介して需要先に供給される(第1発熱量(以下、「低発熱量」と称す)の)第1燃料ガスが生成される一方、
(b)第2低温タンクから払い出された低温液体を気化させることで、第2払出ラインを介して需要先に供給される(第2発熱量(以下、「高発熱量」と称す)の)第2燃料ガスが生成される、
ように構成されている。
(a)第1払出ラインが「低発熱量」の第1燃料ガス(例えば、「発電用ガス」)を供給するための系統、
(b)第2払出ラインが「高発熱量」の第2燃料ガス(例えば、「都市ガス」)を供給するための系統、
といったように、これら系統がシンプルかつ明確に区分けされているため、複雑な制御等をおこなうことなく、各需要先に所定発熱量の燃料ガスを供給することが可能である。
(a)「低発熱量」の低温液体が、第1低温タンクに、また、
(b)「高発熱量」の低温液体が、第2低温タンクに、
それぞれ、貯蔵されるように構成されている。
(a)第1低温タンクから払い出された低温液体を気化させるだけで、需要先に「低発熱量」の第1燃料ガスを供給することができる一方、
(b)第2低温タンクから払い出された低温液体を気化させるだけで、需要先に「高発熱量」の第2燃料ガスを供給することができる、
ように構成されている。
かかる場合、熱調処理をおこなう必要がないため、高品質の燃料ガス(第1燃料ガスおよび第2燃料ガス)を需要先に直接的かつ安定的に供給することが可能である。
すなわち、上記構成では、発熱量および燃焼速度が一定で、かつ、需要先(発電所等)の要求性状を満たす「LNG」を第1低温タンクに貯蔵するだけで、ガスタービンの運転に支障をきたすことのない「発電用ガス」を発電所等に提供することが可能である。
しかしながら、第2低温タンクには、そもそも、発熱量の比較的高い低温液体(例えば、「44.5MJ/m3」の低温液体)が貯蔵されているため、増熱に要する負担を低減(例えば、「LPG」の添加量を削減)することが可能である。
この場合、前記燃料ガス供給システムは、前記再液化装置によって再液化された再液化ガスを前記第2払出ラインに供給する第2再液化ガス供給ラインと、前記第2再液化ガス供給ラインに設けられ、前記第2払出ラインへの前記再液化ガスの供給量を可変する第2制御バルブと、をさらに備え、前記制御装置は、前記判定部によって前記品質値が前記品質基準値を満たしていないと判定されると、前記制御バルブを制御することによって減じられた量に対応する前記再液化ガスを前記第2払出ラインに供給するように前記第2制御バルブの開閉量を制御する、とより好適である。
である。
図1は、本実施形態にかかるLNG供給システム1およびLNG供給方法が適用される施設(以下、「LNG基地」と称す)の概要を示す配管系統図である。なお、上記LNG供給システム1が特許請求の範囲に記載の「燃料ガス供給システム」に該当する。
LNGタンクTは、第1発熱量(本実施形態では、「42.5MJ/m3」)の「LNG」(以下、「低発熱量LNG」と称す)を貯蔵ずる第1LNGタンクTLと、第1発熱量よりも発熱量の高い第2発熱量(本実施形態では、「44.5MJ/m3」の「LNG」(以下、「高発熱量LNG」と称す)を貯蔵する第2LNGタンクTHとを有している。なお、上記第1LNGタンクTLと、第2LNGタンクTHとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1低温タンク」と、「第2低温タンク」とに該当する。
LNG受入ライン10は、アンローディングアーム2を介してLNGタンカーSから荷揚げされた「LNG」をLNGタンクTに受け入れるための管路であって、第1LNGタンクTLに接続される第1LNG受入ライン10Aと、第2LNGタンクTLに接続される第2LNG受入ライン10Bとを有している。
LNG払出ライン20は、第1LNG払出ポンプP1Aに接続される第1LNG払出ライン20Aと、第2LNG払出ポンプP1Bに接続される第2LNG払出ライン20Bと、第1LNG払出ライン20Aから分岐して延びる第1LNG払出分岐ライン20Cとを有している。なお、第1LNG払出ライン20Aと、第2LNG払出ライン20Bとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1払出ライン」と、「第2払出ライン」とに該当する。
冷却用LNGライン25は、再液化装置Rに導入された「BOG」を冷却して再液化するための管路であって、冷却用LNG往きライン25Aと、冷却用LNG戻りライン25Bとを有している。なお、上記「BOG」が特許請求の範囲に記載の「蒸発ガス」に該当する。
一方、冷却用LNG戻りライン25Bは、再液化装置Rから排出された「LNG」を、再度、第2LNG払出ライン20Bに戻すための管路である。
NG供給ライン30は、第1気化器V1に接続される第1NG供給ライン30Aと、第2気化器V2に接続される第2NG供給ライン30Bと、第2NG供給ライン30Bから分岐され、第3気化器V3に接続される第2NG分岐供給ライン30Cとを有している。
第2NG分岐供給ライン30Cには、その管路中に、第2NG供給ライン30Bへの「都市ガス」の導入量を可変することが可能な流量調整弁31(例えば、電動弁)が設けられている。なお、上記第1NG供給ライン30Aと、第2NG供給ライン30Bとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1払出ライン」と、「第2払出ライン」とに該当する。
ここで、第1気化器V1~第3気化器V3について説明する。なお、第1気化器V1~第3気化器V3は、ほぼ同様な構成を有しているため、以下においては、第1気化器V1について説明し、必要がある場合を除き、第2気化器V2および第3気化器V3についての説明を省略する。
本実施形態では、第1気化器V1が「発電用ガス」(例えば、発熱量:「40.5~42.5MJ/m3」)を、また、第2気化器V2および第3気化器V3が「都市ガス」(発熱量:「45MJ/m3」)を、それぞれ、生成するための装置として設けられている。なお、上記「発電用ガス」と、「都市ガス」とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1発熱量」の「第1燃料ガス」と、「第2発熱量」の「第2燃料ガス」とに該当する。
本実施形態では、このような第3気化器V3が設けられているため、需要先への「都市ガス」の供給量が不足しがちなときなどに、(第1LNG払出ライン20Aを流れる)「低発熱量LNG」を利用して「都市ガス」の供給量を増加させることが可能となっている。
・第1LNG払出分岐ライン20Cに設けられた流量調整弁21、および、後述するLPG払出分岐ライン64に設けられた流量調整弁65の開閉量を、それぞれ、増加させて、「LPG」が添加された「低発熱量LNG」(増熱された「LNG」(発熱量:「42.5MJ/m3」))を第3気化器V3に導入するとともに、
・第2NG分岐供給ライン30Cに設けられた流量調整弁31の開閉量を増加させて、第3気化器V3により生成された「NG」(発熱量:「42.5MJ/m3」)を第2NG供給ライン30Bに導入する、
ように構成されている。
BOG排出ライン40は、第1LNGタンクTLおよび第2LNGタンクTH内のそれぞれにおいて、自然気化した「BOG」をLNGタンクT外に排出するための管路であって、その管路中には、BOG圧縮機41が設けられている。
本実施形態では、BOG圧縮機41により昇圧された「BOG」が、BOG排出ライン40を介して再液化装置Rに導入されるように構成されている。
ここで、再液化装置Rについて説明すると、本実施形態にかかる再液化装置Rは、公知の再液化装置と同様に、冷却用LNG往きライン25Aを介して導入された「LNG」の冷熱を利用して、BOG排出ライン40を介して導入された「BOG」を再液化するための装置である。
再液化BOG供給ライン50は、再液化装置Rにより再液化された「BOG」(例えば、発熱量:「39.6MJ/m3」、以下、「再液化BOG」と称す)を圧送するためのコンデンセントポンプP3と、第1再液化BOG供給ライン50Aと、第2再液化BOG供給ライン50Bとを有している。なお、上記「再液化BOG」と、第1再液化BOG供給ライン50Aと、第2再液化BOG供給ライン50Bとが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「再液化ガス」と、「再液化ガス供給ライン」と、「第2再液化ガス供給ライン」とに該当する。
熱調設備60は、「LPG」を貯蔵するLPGタンク61と、LPGタンク61から払い出された「LPG」を第2LNG払出ライン20Bに供給するLPG払出ライン62と、第1LNG払出ライン20Aへの「LPG」の導入量を調整する流量調整弁63(例えば、電動弁)と、LPG払出ライン62から分岐して延び、第1LNG払出分岐ライン20Cに接続されるLPG払出分岐ライン64と、第1LNG払出ライン20Aへの「LPG」の導入量を調整する流量調整弁65(例えば、電動弁)とを備えている。なお、上記「LPG」が特許請求の範囲に記載の「増熱用燃料」に該当する。
(a)第2LNG払出ライン20Bを流れる「LNG」の発熱量が「都市ガス」の規定発熱量(発熱量:「45MJ/m3」)に満たない場合であっても、「高発熱量LNG」に「LPG」を混合することによって、これを増熱することができるうえ、
(b)需要先への「都市ガス」の供給量が不足しがちなときなどに、第1LNG払出分岐ライン20Cを流れる「低発熱量LNG」に「LPG」を混合することによって、「都市ガス」の供給量を増加させることができる、
ように構成されている。
・「ガス-ガス熱調方式」(LPGタンク61から払い出された「LPG」を気化させたものと、BOG排出ライン40を流れる「BOG」とを、ミキサ等のガス-ガス熱調装置で混合して、これを第2NG供給ライン30Bに供給する方式、特許文献1のような熱調方式)を採用してもよく、また、
・「液-ガス熱調方式」(LPGタンク61から払い出された「LPG」と、BOG排出ライン40を流れる「BOG」とを、いわゆる液-ガス熱調装置で混合して、これを第2NG供給ライン30Bに供給する方式)を採用することも可能である。
制御装置70は、中央制御部(CPU:Central Processing Unit)71と、記憶部72とを有し、例えば、「LNG基地」のガス製造設備の運転等を監視するコントロールセンターに設けることが可能なものである。なお、上記中央制御部71が特許請求の範囲に記載の「判定部」に該当する。
(a)第2NG供給ライン30Bを流れる「都市ガス」の発熱量を監視(例えば、熱量計(図示省略))して流量調整弁63の開閉量を制御するとともに、
(b)第2NG供給ライン30Bを流れる「都市ガス」の供給量を監視(例えば、流量計(図示省略))して流量調整弁21,31,65の開閉量を制御するほか、
(c)
・第1LNG払出ライン20Aを流れる「低発熱量LNG」の流量、
・第1NG供給ライン30Aを流れる「発電用ガス」の発熱量やガス成分、
・第1再液化BOG供給ライン50Aを流れる「再液化BOG」の流量、
・BOG排出ライン40を流れる「BOG」のガス成分等の計測値と、後述する記憶部72に記憶された「第1品質基準値」および「第2品質基準値」とに基づいて、冷却用LNGポンプP2およびコンデンセントポンプP3の駆動を制御するとともに、流量調整弁52,53および緊急遮断弁51の開閉量を制御する。なお、上記計測値と、この計測値を測定する計測装置(例えば、流量計、熱量計およびガスクロマトグラフ)とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「品質値」と、「計測装置」とに該当する。
・「都市ガス」の品質基準値を示す情報(本実施形態では、発熱量:「45MJ/m3」)、
・「LNG基地」側で予め定めた「都市ガス」の供給量を示す情報、
・「発電用ガス」の契約値(「発電用ガス」を供給する需要先との間で取り決めた値、以下、「第1品質基準値」と称す)を示す情報(本実施形態では、発熱量:「40.5MJ/m3」)、および、
・「発電用ガス」の自主管理値(上記契約値よりも「発電用ガス」の品質が高くなるように「LNG基地」側で予め定めた値、以下、「第2品質基準値」と称す)を示す情報(例えば、発熱量:「41.5MJ/m3」)、
が記憶される記憶領域等を有している。なお、上記「第1品質基準値」および「第2品質基準値」が特許請求の範囲に記載の「品質基準値」に該当する。
・第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量が「15t/h」、
・第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の導入量が「1t/h」、
となるように、流量調整弁52,53等の制御をおこなう(再液化BOGの総導入量:「16t/h」)。
(a)「発電用ガス」の品質が、「第1品質基準値」を満たしているが「第2品質基準値」を満たしていないと判定すると、流量調整弁52,53等を制御して、
・第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量を「15t/h」→「2t/h」に減じるとともに(導入量:「13t/h」減)、
・第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の導入量を「1t/h」→「14t/h」に増やす(導入量:「13t/h」増)、
制御(後述する「インターロック工程S700」)をおこなう一方(図4参照)、
(b)「発電用ガス」の品質が「第1品質基準値」を満たしていない判定すると、緊急遮断弁51および流量調整弁53および等を制御して、
・第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量を「15t/h」→「0t/h」にする(シャットダウンする)とともに(導入量:「15t/h」減)、
・第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の導入量を「1t/h」→「16t/h」に増やす(導入量:「15t/h」増)、
制御(後述する「シャットダウン工程S600」)をおこなう、
ように構成されている(再液化BOGの総導入量:「16t/h」)。
すなわち、一般に、第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量が多くなるほど、「発電用ガス」の発熱量の低下幅が大きくなる傾向があるため、かかる場合、熱量変化幅は大きくなる(熱量変化速度が速くなる)結果、「発電用ガス」の品質が低下する、といった問題が生じやすい。
・再液化装置Rの運転状況や、
・「シャットダウン処理」時における第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の振替スピード、
などを考慮したうえで、予め制限(例えば、「発電用ガス」の供給量の「1/11」以下)するのが望ましい、といえる。
なお、以下においては、説明の便宜上、
・第1LNG払出ライン20Aへの「LNG」の払出量が「160t/h」、および、
・第2LNG払出ライン20Bへの「LNG」の払出量が「160t/h」、
であること、
・中央制御部71による冷却用LNGポンプP2およびコンデンセントポンプP3の制御によって再液化装置Rから送出される「再液化BOG」の総送出量が「16t/h」となっていること、
・中央制御部71による流量調整弁63の制御によって「都市ガス」の発熱量が「45MJ/m3」となっていること(中央制御部71による流量調整弁21,31,65の制御を除く)、
を前提として説明する。
図1および図2に示すように、中央処理部71は、第1判定工程S100において、
(a)第1LNGタンクTLに、予め定めた貯蔵量(以下、「規定貯蔵量」と称す)の「低発熱量LNG」(本実施形態では、発熱量:「42.5MJ/m3」の「LNG」)が貯蔵されているか否かを判定するとともに、
(b)第2LNGタンクTHに、「規定貯蔵量」の「高発熱量LNG」(本実施形態では、発熱量:「44.5MJ/m3」の「LNG」)が貯蔵されているか否かを判定する、
処理をおこなう。
本実施形態では、中央処理部71において、第1LNGタンクTL(第2LNGタンクTH)に「規定貯蔵量」の「低発熱量LNG」(「高発熱量LNG」)が貯蔵されていないと判定されると、ステップS200に移行する一方、「規定貯蔵量」の「低発熱量LNG」(「高発熱量LNG」)が貯蔵されていると判定されると、ステップS300に移行するように構成されている。なお、中央処理部71は、第1LNGタンクTLおよび第2LNGタンクTHの少なくとも何れか一方に、「規定貯蔵量」の「LNG」が貯蔵されていないと判定した場合、その旨を監視員等に知らしめるための処理(例えば、警告音等を発する等の報知処理)をおこなうのが望ましい。
貯蔵工程S200では、
(a)第1LNGタンクTLに「規定貯蔵量」の「低発熱量LNG」が貯蔵されていない場合、LNGタンカーSから荷揚げされた「低発熱量LNG」(発熱量:「42.5MJ/m3」の「LNG」)を、第1LNG受入ライン10Aを介して、そのまま、第1LNGタンクTLに受け入れる作業をおこなうとともに、
(b)第2LNGタンクTHに「規定貯蔵量」の「高発熱量LNG」が貯蔵されていない場合、LNGタンカーSから荷揚げされた「高発熱量LNG」(発熱量:「44.5MJ/m3」の「LNG」)を、第2LNG受入ライン10Bを介して、そのまま、第2LNGタンクTHに受け入れる作業をおこなう。
本実施形態では、このような受入作業をおこなった後、再び、ステップS100に移行するように構成されている。なお、上記第1LNGタンクTLに「低発熱量LNG」を受け入れる作業が、特許請求の範囲に記載の「貯蔵工程」に該当する。
中央処理部71は、第2判定工程S300において、
・第1NG供給ライン30Aを流れる「発電用ガス」の発熱量が、記憶部72に記憶された「第1品質基準値」(契約値)を満たしているか否かを判定する処理をおこなう。
具体的に、中央制御部71は、「発電用ガス」の発熱量が「40.5MJ/m3」未満となっているか否かを判定する処理をおこなう。
中央制御部71は、第1NG供給ライン30Aを流れる「発電用ガス」の発熱量が、記憶部72に記憶された「第2品質基準値」(自主管理値)を満たしているか否かを判定する処理をおこなう。
具体的に、中央制御部71は、「発電用ガス」の発熱量が、例えば、「41.5MJ/m3」未満となっているか否かを判定する処理をおこなう。
中央制御部71は、再液化BOG通常運転工程S500において、第1LNG払出ライン20Aおよび第2LNG払出ライン20Bへの再液化BOGの導入量が、通常時の運転状態となるための制御をおこなう。
具体的に、中央制御部71は、
(a)第1再液化BOG供給ライン50Aを流れる「再液化BOG」の流量が「15t/h」となるように流量調整弁52の開閉量を制御するとともに、
(b)第2再液化BOG供給ライン50Bを流れる「再液化BOG」の流量が「1t/h」となるように流量調整弁53の開閉量を制御する、
処理をおこなう。
中央制御部71は、再液化BOG通常運転工程S500をおこなった後、再び、ステップS100に処理を移す。
図1~図3に示すように、中央制御部71は、「第1品質基準値」(契約値)を満たしていないと判定すると(第2判定工程S300)、シャットダウン工程S600において、
(a)第1再液化BOG供給ライン50A側では、緊急遮断弁51を閉位置に移動させるとともに(例えば、第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量:「15t/h」→「0t/h」(15t/h減))
(b)第2再液化BOG供給ライン50B側では、流量調整弁53を所定量開移動させる(例えば、第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の導入量:「1t/h」→「16t/h」(15t/h増))、
制御をおこなう。
中央制御部71は、シャットダウン処理S600をおこなった後、ステップS800に処理を移す。
(a)緊急遮断弁51を開移動させるとともに、
(b)流量調整弁53を所定量閉移動させる、
必要が生じるが、このような復旧作業は、手動でおこなってもよく、また、自動(例えば、中央制御部71による制御)でおこなうことも可能である。
図1、図2および図4に示すように、中央制御部71は、「第2品質基準値」(自主管理値)を満たしていないと判定すると(第3判定工程S400)、インターロック工程S700において、
(a)第1再液化BOG供給ライン50A側では、流量調整弁52の開閉量を絞って、第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量を「15t/h」→「2t/h」に減少させるとともに(13t/h減)、
(b)第2再液化BOG供給ライン50B側では、流量調整弁53を所定量開移動させて、第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の導入量を「1t/h」→「14t/h」に増加させる(13t/h増)、
制御をおこなう。
中央制御部71は、インターロック工程S700をおこなった後、ステップS800に処理を移す。
(a)流量調整弁52を所定量開移動させるとともに、
(b)流量調整弁53を所定量閉移動させる、
必要が生じるが、このような復旧作業は、手動でおこなってもよく、また、自動(例えば、中央制御部71による制御)でおこなうことも可能である。
図1および図2に示すように、中央制御部71は、第4判定工程S800において、第2NG供給ライン30Bを介して供給される「都市ガス」の供給量を増加させる必要があるか否かを判定する処理をおこなう。
例えば、このような判定は、第2NG供給ライン30Bに設置された流量計測装置(例えば、流量計)から送信される流量と、記憶部72に記憶された供給量(「規定供給量」)とを比較することによって実現することが可能である。
中央制御部71は、「都市ガス」の供給量を増加させる必要があると判定すると、ステップS900に処理を移し、「都市ガス」の供給量を増加させる必要がないと判定すると、再度、ステップS100に処理を移す。
図1、図2および図5に示すように、中央制御部71は、都市ガス供給量増加工程S900において、
(a)流量調整弁21,65の各開閉量を増加させて、「LPG」が混合された「低発熱量LNG」(発熱量:「42.5MJ/m3」)を第3気化器V3に導入するとともに、
・流量調整弁31の開閉量を増加させて、第3気化器V3から流出された「NG」(発熱量:「42.5MJ/m3」)を第2NG供給ライン30Bに導入する、
制御をおこなう
これにより、第2NG供給ライン30Bには、第2気化器V2を介した「NG」に加え、第3気化器V3を介した「NG」が流れることとなるため、「都市ガス」の供給量を増加させることが可能となる。
中央制御部71は、都市ガス供給量増加工程S900をおこなった後、再び、ステップS100に処理を移す。
(a)第1LNGタンクTLから払い出された「低発熱量LNG」(発熱量:「42.5MJ/m3」)を気化させることで、第1NG供給ライン30Aを介して供給される「発電用ガス」(発熱量:「40.5~42.5MJ/m3」)が生成される一方、
(b)第2LNGタンクTHから払い出された「高発熱量LNG」(発熱量:「44.5MJ/m3」)を気化させることで、第2NG供給ライン30Bを介して供給される「都市ガス」が生成される、
ように構成されている。
(a)第1LNG払出ライン20Aおよび第1NG供給ライン30Aが、「発電用ガス」を供給するための系統、
(b)第2LNG払出ライン20Bおよび第2NG供給ライン30Bが、「都市ガス」を供給するための系統、
といったように、これら系統がシンプルかつ明確に区分けされているため、複雑な制御等をおこなうことなく、各需要先に所定発熱量の燃料ガスを供給することが可能である。
(a)「低発熱量LNG」が、第1LNGタンクTLに、また、
(b)「高発熱量LNG」が、第2LNGタンクTHに、
それぞれ、貯蔵されるように構成されている。
このため、本実施形態では、例えば、「LNG」種(例えば、シェール・ガス)が多様化しても、発熱量の異なる「LNG」を混ぜることなく(均一化することなく)柔軟に受け入れる(対応する)ことが可能なため、「LNG」の発熱量の管理や受け入れ等を容易におこなうことができる。
(a)第1LNGタンクTLから払い出された「低発熱量LNG」を気化させるだけで、そのまま、需要先に「発電用ガス」を供給することができる一方、
(b)第2LNGタンクTHから払い出された「高発熱量LNG」を気化させるだけで、そのまま、需要先に「都市ガス」を供給することができる、
ように構成されている。
かかる場合、熱調処理をおこなう必要がないため、高品質の「発電用ガス」および「都市ガス」を需要先に直接的かつ安定的に供給することが可能である。
(a)「第1品質基準値」(契約値、例えば、発熱量:「40.5MJ/m3」)および「第2品質基準値」(自主管理値、例えば、発熱量:「41.5MJ/m3」)の何れの基準値も満たしている場合、第1LNG払出ライン20Aに「15t/h」の「再液化ガス」を導入する一方、第2LNG払出ライン20Bに「1t/h」の「再液化ガス」を導入し、
(b)「第1品質基準値」を満たしているが「第2品質基準値」を満たしていない場合、第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量を「15t/h」→「2t/h」に減少させる一方(「13t/h」減)、第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の導入量を「1t/h」→「14t/h」に増加させるとともに(「13t/h」増)、
(c)「第1品質基準値」を満たしていない場合、第1LNG払出ライン20Aへの「再液化BOG」の導入量を「15t/h」→「0t/h」にする一方(「15t/h」減)、第2LNG払出ライン20Bへの「再液化BOG」の導入量を「1t/h」→「16t/h」に増加させる(「15t/h」増)、
ように構成されている。
(a)原則、第1LNGタンクTLから払い出された「LNG」(例えば、発熱量:「44.8MJ/m3」)に比較的多め(「15t/h」)の「再液化BOG」(例えば、発熱量:「39.6MJ/m3」))を混合したものを流通させることができる一方、
(b)「発電用ガス」の品質が「第1品質基準値」(「第2品質基準値」)を満たさなくなると、第1LNGタンクTLから払い出された「低発熱量LNG」のみ(「低発熱量LNG」に比較的少なめ(「2t/h」)の「再液化BOG」を混合したもの)を流通させることができる、
ように構成されている。
この点、本実施形態では、「発電用ガス」のみならず、「都市ガス」においても、品質を確保しつつ、需要先に安定的に供給することができるものといえる。
(a)BOG圧縮機41の吐出圧力等を、必要以上に高める必要がなく、また、
(b)「BOG」中の「メタン」と、高沸点成分である「窒素」とを良好に分離することが可能なため、需要先に供給される「発電用ガス」等の窒素成分を低減することができ、
(c)「BOG」を「LNG」の冷熱を利用して間接的に「BOG」を冷却しているため、「LNG」の発熱量が損失することがほとんどない、
等のメリットがある。
2 アンローディングアーム
10 LNG受入ライン
10A 第1LNG受入ライン
10B 第2LNG受入ライン
20 LNG払出ライン
20A 第1LNG払出ライン
20B 第2LNG払出ライン
20C 第1LNG払出分岐ライン
21 流量調整弁
22A,22B バイパスライン
23A,23B 開閉弁
25 冷却用LNGライン
25A 冷却用LNG往きライン
25B 冷却用LNG戻りライン
30 NG供給ライン
30A 第1NG供給ライン
30B 第2NG供給ライン
30C 第2NG分岐供給ライン
31 流量調整弁
40 BOG排出ライン
41 BOG圧縮機
50 再液化BOG供給ライン
50A 第1再液化BOG供給ライン
50B 第2再液化BOG供給ライン
51 緊急遮断弁
52,53 流量調整弁
60 熱調設備
61 LPGタンク
62 LPG払出ライン
63,65 流量調整弁
64 LPG払出分岐ライン
70 制御装置
71 中央制御部
72 記憶部
T LNGタンク
TL 第1LNGタンク
TH 第2LNGタンク
R 再液化装置
S LNGタンカー
P1A,P1B LNG払出ポンプ
P2 冷却用LNGポンプ
P3 コンデンセントポンプ
V1 第1気化器
V2 第2気化器
V3 第3気化器
Claims (4)
- 低温液体を貯蔵する第1低温タンクと、
前記低温液体よりも発熱量が高い低温液体を貯蔵する第2低温タンクと、
前記第1低温タンクに接続され、第1発熱量の第1燃料ガスを需要先に供給するための第1払出ラインと、
前記第2低温タンクに接続され、前記第1発熱量よりも高い第2発熱量の第2燃料ガスを需要先に供給するための第2払出ラインと、
前記第1払出ラインを流通する前記低温液体または該低温液体を気化させた燃料ガスに増熱用燃料を混合することによって前記第2燃料ガスを生成可能な熱量調整装置と、
前記第1低温タンクおよび前記第2低温タンクの少なくとも何れか一方の低温タンク内で発生した蒸発ガスを当該低温タンクの外部に排出するための蒸発ガス排出ラインと、
前記蒸発ガス排出ラインを介して排出された前記蒸発ガスを冷却して再液化する再液化装置と、
前記再液化装置によって再液化された再液化ガスを前記第1払出ラインに供給する再液化ガス供給ラインと、
前記再液化ガス供給ラインに設けられ、前記第1払出ラインへの前記再液化ガスの供給量を可変する制御バルブと、
前記第1燃料ガスの品質を表す品質値を計測する計測装置と、
前記計測装置によって計測された前記品質値に基づいて前記制御バルブの開閉量を制御する制御装置と、を備え、
前記第1低温タンクには、
前記第1発熱量として予め定めた発熱量範囲に調整された低温液体が貯蔵され、
前記制御装置は、
前記計測装置によって計測された前記品質値が予め定めた品質基準値を満たしているか否かを判定する判定部を有し、
前記判定部によって前記品質値が前記品質基準値を満たしていないと判定されると、前記第1払出ラインに供給する前記再液化ガスの量を減じるように前記制御バルブの開閉量を制御する、
ことを特徴とする燃料ガス供給システム。 - 前記燃料ガス供給システムは、
前記再液化装置によって再液化された前記再液化ガスを前記第2払出ラインに供給する第2再液化ガス供給ラインと、
前記第2再液化ガス供給ラインに設けられ、前記第2払出ラインへの前記再液化ガスの供給量を可変する第2制御バルブと、をさらに備え、
前記制御装置は、
前記判定部によって前記品質値が前記品質基準値を満たしていないと判定されると、前記制御バルブを制御することによって減じられた量に対応する前記再液化ガスを前記第2払出ラインに供給するように前記第2制御バルブの開閉量を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料ガス供給システム。 - 低温液体を貯蔵する第1低温タンクと、
前記低温液体よりも発熱量が高い低温液体を貯蔵する第2低温タンクと、
前記第1低温タンクに接続され、第1発熱量の第1燃料ガスを需要先に供給するための第1払出ラインと、
前記第2低温タンクに接続され、前記第1発熱量よりも高い第2発熱量の第2燃料ガスを需要先に供給するための第2払出ラインと、
前記第1払出ラインを流通する前記低温液体または該低温液体を気化させた燃料ガスに増熱用燃料を混合することによって前記第2燃料ガスを生成可能な熱量調整装置と、
前記第1低温タンクおよび前記第2低温タンクの少なくとも何れか一方の低温タンク内で発生した蒸発ガスを当該低温タンクの外部に排出するための蒸発ガス排出ラインと、
前記蒸発ガス排出ラインを介して排出された前記蒸発ガスを冷却して再液化する再液化装置と、
前記再液化装置によって再液化された再液化ガスを前記第1払出ラインに供給する再液化ガス供給ラインと、
前記再液化ガス供給ラインに設けられ、前記第1払出ラインへの前記再液化ガスの供給量を可変する制御バルブと、
前記第1燃料ガスの品質を表す品質値を計測する計測装置と、
前記計測装置によって計測された前記品質値に基づいて前記制御バルブの開閉量を制御する制御装置と、
を備えた燃料ガス供給システムにおける燃料ガス供給方法であって、
前記燃料ガス供給方法は、
前記第1発熱量として予め定めた発熱量範囲に調整された低温液体を前記第1低温タンクに貯蔵する貯蔵工程と、
前記制御装置が、前記品質値が品質基準値を満たしていないと判定すると、前記第1払出ラインに供給する前記再液化ガスの量を減じるように前記制御バルブの開閉量を制御する工程と、を含む、
ことを特徴とする燃料ガス供給方法。 - 前記燃料ガス供給方法の前記燃料ガス供給システムは、
前記再液化装置によって再液化された前記再液化ガスを前記第2払出ラインに供給する第2再液化ガス供給ラインと、
前記第2再液化ガス供給ラインに設けられ、前記第2払出ラインへの前記再液化ガスの供給量を可変する第2制御バルブと、をさらに備え、
前記燃料ガス供給方法は、
前記制御装置が、前記品質値が前記品質基準値を満たしていないと判定すると、前記制御バルブを制御することによって減じられた量に対応する前記再液化ガスを前記第2払出ラインに供給するように前記第2制御バルブの開閉量を制御する工程を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の燃料ガス供給方法。
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