JP2008309190A - Lng貯蔵タンク内に発生するbogの再液化装置と再液化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器のメンテナンススパンを従来の1年程度に確保しながら、LNG−BOGの再液化原単位を低減できる、もしくは再液化圧力を低減できる、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置と再液化方法を提供する。
【解決手段】LNG貯蔵タンク1a内に発生するLNG−BOGをコンプレッサー4aで昇圧後、熱交換器6に導き、LNG貯蔵タンク1aから熱交換器6に払い出しLNGを導くとともに該払い出しLNGによって熱交換器6内に導かれたLNG−BOGを冷却して再液化を行い、この再液化したLNG−BOGをドラム7内に一時的に貯え、昇圧ポンプ8によって昇圧した後に気化器10に送出する、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置100であり、このBOGの再液化装置100は、LPG貯蔵タンク1b内に発生するLPG−BOGを再液化前のLNG−BOGに導入するライン2cをさらに具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、LNG(液化天然ガス)貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置と再液化方法に関するものである。
LNG貯蔵タンク内に貯蔵されているLNG(液化天然ガス)は、常圧、−160℃にて気液平衡状態となっているが、このタンクは断熱構造となっているものの少なからず自然入熱等が作用することでBOG(ボイルオフガス)が発生し、タンク内に充満している。従来のLNG貯蔵タンクからのLNG払い出し機構では、このBOGを再利用すべく、貯蔵タンクからBOGの払い出しラインとLNGの払い出しラインを構築し、双方のラインを熱交換器に通してBOGをLNGの冷熱にて該熱交換器内で液化させ(再液化)、次いで再液化されたBOGをドラム内に一時的に貯えている。この再液化されたBOGはドラムから払い出されて昇圧され、LNGの払い出しラインに合流された後に気化器へ送られ、気化器内で海水等にて気化されて都市ガスとされるものであり、概略このような流れでBOGの再液化が図られている。より具体的には、BOGの払い出しラインには中圧コンプレッサーが装備されており、LNG貯蔵タンクから払い出されたLNGのBOG(LNG−BOG)をこの中圧コンプレッサーにて再液化するための圧力まで昇圧し(この圧力を再液化圧力という)、昇圧されたLNG−BOGを熱交換器に通して再液化されるものである。
ここで、LNG−BOGを一旦再液化させる理由は、ガス状態のままで気化器へ送り出す場合に比して送り出し時のポンプの必要エネルギーを1/40程度と格段に低減できることにある。
ところで、上記する装置の運転圧力は再液化原単位、すなわち、BOG量に対する冷却LNG量の値(冷却LNG量/BOG量)によって決まってくる。たとえば、負荷(ロード)が増大してBOG冷却用の熱源、すなわち冷却LNG量が多く確保できる場合は運転圧力も下がり、コンプレッサー等の動力費は少なくて済むが、負荷が低下して冷却LNG量が十分に確保できない場合にはドラム内の圧力が上昇し、運転圧力も上昇することからコンプレッサー等の動力費も増大する。
したがって、上記する再液化原単位を低減することは冷却用LNG量の削減に有効な方策であり、再液化圧力を低減することはコンプレッサー動力の低減に有効な方策である。冷却用LNG量が削減されることによって、たとえば夜間に不足しがちなLNG量に余裕ができる(夜間は払い出しLNG量が日中に比して極端に低下するため、利用できる冷却用LNG量も大幅に減少する)。
ところで、上記する従来のBOG再液化装置において、再液化前のLNG−BOGにLPG貯蔵タンクから導入されたLPGを混合することで再液化原単位を低減させる技術が特許文献1に開示されている。
特開平7−70575号公報
特許文献1に開示のごとく、理論上は、LNG−BOGにLPGを混合し、これを再液化することによって再液化原単位を低減することができる。しかし、本発明者等の検証によれば、LPGの中には通常、水のほか、ペンタン、ヘキサンなどの重質分が混入されており、また、プロパンの中にはメタノール(CHOH)が混入されており、これら重質分やメタノール、水などの不純物が熱交換器内の低温雰囲気にて該熱交換器を構成する伝熱面に析出固化して汚してしまい、熱交換器の伝熱性能を著しく損なうという大きな課題を生じることが特定されている。この析出された不純物は、システム全体および熱交換器の稼動を停止させ、該熱交換器内をホットアップ等するメンテナンスを実施することで伝熱面から取り除くことができる。しかし、本発明者等の検証によれば、通常のLPGをLNG−BOGに混合させた場合に、短期間で上記メンテナンスを実施する必要が生じることが特定されている。実際のメンテナンス期間はおよそ1年程度に設定されており、都市ガス供給を短期間で停止してメンテナンスを実施することは現実不可能である。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、熱交換器のメンテナンススパンを従来の1年程度に確保しながら、LNG−BOGの再液化原単位を低減できる、もしくは再液化圧力を低減できる、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置と再液化方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置は、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGであるLNG−BOGをコンプレッサーで昇圧後、熱交換器に導き、LNG貯蔵タンクから熱交換器に払い出しLNGを導くとともに該払い出しLNGによって熱交換器内に導かれたLNG−BOGを冷却して再液化を行い、この再液化したLNG−BOGをドラム内に一時的に貯え、昇圧ポンプによって昇圧した後に気化器に送出する、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置において、前記BOGの再液化装置は、LPG貯蔵タンク内に発生するLPGのBOGであるLPG−BOGを再液化前の前記LNG−BOGに導入するラインをさらに具備していることを特徴とするものである。
本発明のBOGの再液化装置は、再液化前のLNG―BOG(LNGから発生したBOG)にLPGを導入するのではなく、該LPGに比してペンタンやヘキサン等の質量分やメタノール、水などの不純物がほとんどない清浄なLPG−BOG(LPGから発生したBOG)を導入する装置である。たとえば低温LPG貯蔵タンク内にはLNG貯蔵タンクと同様に入熱によってLPGのBOGが発生しており、このLPG−BOGをLNG−BOGに導入するものである。具体的には、LNG貯蔵タンクに加えて、LPG貯蔵タンクと該LPG貯蔵タンクからLNG−BOGの払い出しラインまたは直接熱交換器に通じるLPG−BOGラインを構築することで本発明の装置が形成できる。
ここで、LNG−BOGの払い出しラインに装備された流量計でLNG−BOGの払い出し量を計測し、この計測値に応じて適量のLPG−BOG量をLNG−BOGラインに導入することができる。例えば、LPG―BOGの払い出しラインに制御弁を装備しておき、この制御弁に上記流量計に連通する制御装置が装備されていて流量計測値に応じて制御弁の開閉(および開度)が制御された構成などを適用できる。
LNG−BOGに混合されるLPG−BOGには、熱交換器内で析出する重質分やメタノール、水などの不純物が殆ど混入されていないことが特定されている。したがって、このLPG−BOGをLNG−BOGに混合した後に熱交換器にて冷熱用LPGを媒体として再液化することにより、再液化原単位を低減することができ、または再液化原単位を固定した場合にはコンプレッサーによる再液化圧力(再液化動力)を低減することができる。
なお、一般にLNG貯蔵タンクが存在する工場敷地内にはLPG貯蔵タンクも存在しており、このLPG貯蔵タンク内のLPG−BOGをLNG−BOGの払い出しライン等に導くだけの簡易な構成であることから、本発明の装置の構築に際し、その製造コストは高価なものにはならない。また、本発明の再液化装置を使用することで、年1回程度のメンテナンスで十分に上記効果を得ることができる。
また、本発明によるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置の他の実施の形態において、前記BOGの再液化装置は、前記LNG−BOGとLPG−BOGを予冷するための、共通のまたは個別の予冷熱交換機をさらに具備しており、該予冷熱交換機には払い出しLNGが導かれるものであり、該予冷熱交換機を経たLNG−BOGおよびLPG−BOGが混合される、もしくはLNG−BOGおよびLPG−BOGが混合された後に該予冷熱交換機を経ることを特徴とするものである。
たとえばプレートフィン型の熱交換器を使用する場合には、その内部構造を形成するフィンや隔壁などが熱応力に対して弱く、導入される冷却用LNGとLNG−BOGおよびLPG−BOGの混合ガスとの温度差がたとえば50℃以下に規定されている。
そこで、本実施の形態では、LNG−BOGとLPG−BOGを混合した後で予冷熱交換機にて予冷すること、またはLNG−BOGとLPG−BOGを個々に予冷するための予冷熱交換機を経て双方のBOGを混合すること、のいずれかを介して予冷されたLNG−BOGとLPG−BOGの混合ガスを熱交換器に導入することにより、プレートフィン型熱交換器の強度上の規定(制約)を満足することができる。ここで、予冷熱交換機には熱交換器と同様に払い出しLNGが導入され、この冷却用LNGによってLNG−BOGやLPG−BOGの予冷がおこなわれる。なお、熱交換器には、プレートフィン型以外にも細かい伝熱管を集合させてなるフィン付チューブ型形式等も存在するが、かかる他の形式の熱交換器にも本実施の形態の装置を適用できることは勿論のことである。
また、本発明によるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置の他の実施の形態において、前記LPG−BOGを再液化前のLNG−BOGに導入するラインには再液化装置が具備されており、再液化されたLPG−BOGが再液化前のLNG−BOGに導入されることを特徴とするものである。
ガス状態のLPG−BOGをLNG−BOGに導入した場合、たとえば予冷熱交換機内でLPG−BOGが十分にLNG−BOGと混合されない場合がある。そこで、本発明の実施の形態では、LPG貯蔵タンク内から払い出されたLPG−BOGを再液化させ、これを予冷熱交換機内でLNG−BOGに混合させるようにしたものである。
また、本発明によるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法は、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGであるLNG−BOGを熱交換器に導くステップと、LNG貯蔵タンクから熱交換器に払い出しLNGを導くとともに該払い出しLNGによって熱交換器内に導かれたBOGを冷却して再液化を行うステップと、この再液化したBOGをドラム内に一時的に貯えるステップと、昇圧ポンプによって昇圧した後に気化器に送出するステップと、からなるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法において、前記BOGの再液化方法は、LPG貯蔵タンク内に発生するLPGのBOGであるLPG−BOGを再液化前の前記LNG−BOGに導入するステップをさらに具備していることを特徴とするものである。
本発明の再液化方法によれば、再液化前のLNG−BOGにLPG−BOGを混合するステップを従来の再液化方法に加えただけの簡易なものであり、この方法により、再液化原単位を低減することができ、または再液化原単位を固定した場合にはコンプレッサーによる再液化圧力(再液化動力)を低減することができる。
また、本発明によるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法の他の実施の形態において、前記BOGの再液化方法は、前記LNG−BOGとLPG−BOGが個別に予冷されるステップを経てLPG−BOGをLNG−BOGに導入するステップに至るもの、もしくは該導入するステップを経て該予冷されるステップに至るもの、のいずれか一方を有するものである。
さらに、本発明によるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法の他の実施の形態において、前記BOGの再液化方法は、LPG−BOGをLNG−BOGに導入するステップの前にLPG−BOGを再液化するステップをさらに具備するものである。
以上の説明から理解できるように、本発明によるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置および再液化方法によれば、再液化前のLNG−BOGに清浄なLPG−BOGを混合する装置構成およびステップを具備する方法とすることで、これまでの年1回程度の再液化装置のメンテナンス期間を短縮することなく、再液化原単位を低減でき、または再液化圧力の低減による動力低減を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜3はそれぞれ、本発明のBOG再液化装置の実施の形態の構成図であり、図4は不純物析出によるプレートフィン型熱交換器の熱交圧損に関する実験結果を示したグラフである。なお、熱交換器はプレートフィン型熱交換器を使用するものとし、LPGの払い出しライン等の図示は省略している。
図1は、本発明のBOG再液化装置の一実施の形態を示した構成図である。このBOG再液化装置100は、以下の構成からなるものである。すなわち、液化天然ガスL1(LNG)が収容され、その上方にLNGのボイルオフガスG1(LNG−BOG)が充満しているLNG貯蔵タンク1aと、このタンク1a内に載置された払い出しポンプ3、LNG−BOGの払い出しラインであって、中圧コンプレッサー4aによって若干加圧されたLNG−BOGを熱交換器6に導くLNG−BOG払い出しライン2aと、LNG貯蔵タンク1aから同様に熱交換器6に通じるLNG払い出しライン2bと、再液化ボイルオフガスL3(再液化BOG)を一時的に貯えるドラム7と、ドラム7から払い出された再液化BOGを昇圧して気化器10に送り出すための昇圧ポンプ8と、液化石油ガスL2(LPG)が収容され、その上方にLPGのボイルオフガスG2(LPG−BOG)が充満しているLPG貯蔵タンク1bと、LPG−BOGの払い出しラインであって、中圧コンプレッサー4bによって若干加圧されたLPG−BOGを熱交換器6に導くLPG−BOG払い出しライン2cと、から大略構成されている。
ここで、LNG−BOGの払い出し量は、ライン2aに装備されたLNG−BOG流量計5aで計測された計測結果に基づいて、ライン2c内に装備されたLPG−BOG制御弁5bの開閉制御および開度制御が実行されることにより、所定量のLPG−BOGが熱交換器6に導入されるようになっている。
プレートフィン型の熱交換器6の上方にはライン2aを介してLNG−BOGが導入され、ライン2cを介してLPG−BOGが導入され、これらが混合されるとともに、熱交換機6内を通るライン2bを介して冷却用の払い出しLNGによってLNG−BOGが再液化され、これが熱交換機6の下方に載置されたドラム7内に再液化ボイルオフガスL3として一時的に貯えられる。
ドラム7から払い出された再液化BOGは昇圧ポンプ8によって昇圧されてLNGの払い出しライン2bと合流し、これが気化器10に送られる。また、ドラム7には液面レベル計9bが装備されており、液面レベルを一定に制御できるように必要に応じて液面制御バルブ9aの開閉制御や開度制御が実行されるようになっている。
図2は、本発明のBOG再液化装置の他の実施の形態を示した構成図である。このBOG再液化装置200は、プレートフィン型の熱交換器6の強度的な制約から、該熱交換器6内に導入されるLNG−BOGおよびLPG−BOGの混合ガスと冷却用LNGとの温度差を50℃未満とするように、予冷熱交換器11に上記するLNG−BOGおよびLPG−BOGの混合ガスをまず導入し、次いで予冷された該混合ガスを熱交換器6に導入するようにした再液化装置である。この再液化装置200では、LPG−BOGの払い出しライン2cがLNG−BOGの払い出しライン2aと予冷熱交換器11の手前で合流している。
ここで、予冷熱交換器11にもLNG払い出しライン2bが通じており、熱交換器6を通過した後のLNGが予冷用に使用されるようになっている。
また、図3は、本発明のBOG再液化装置のさらに他の実施の形態を示した構成図である。このBOG再液化装置300は、LNG−BOGとLPG−BOGがそれぞれ固有の予冷熱交換器11a,11bを通過した後に熱交換器6の上方で混合される形態である。さらに、本装置では、熱交換器6に導入されるLPG−BOGを液化器12によって再液化するものであり、再液化されたLPG−BOGをLNG−BOGに混合することにより、熱交換器6内に導入されるLNG−BOGにLPG−BOGを均等に分散させ、混合させることができる。
[再液化原単位の減少と再液化圧力の減少を説明するための解析結果]
本発明者等は、LPGを混合しないタイプの従来の再液化装置(比較例)と、本発明の再液化装置(実施例)をモデル化し、LNG−BOGを再液化するための再液化圧力を0.8MPa、LNG−BOG処理量を22t/hと仮定した場合の理論最低原単位を求めた。ここで、理論最低原単位とは、熱交換器のヒートカーブが接する(ピンチ温度差0℃)原単位が理論上最低限界となる原単位のことである。解析条件と解析結果を以下の表1に示す。
Figure 2008309190
表1より、LPG−BOGをLNG−BOGに混合しない比較例の再液化原単位:4.55に対し、実施例ではその値が3.32と3割程度も低減される結果となった。
次に、再液化原単位を4.55に固定した場合の、比較例と実施例におけるコンプレッサーの再液化圧力に関し、解析条件と解析結果を以下の表2に示す。
Figure 2008309190
表2より、LPG−BOGをLNG−BOGに混合しない比較例の再液化圧力:0.80に対し、実施例ではその値が0.53とやはり3割強も低減される結果となった。
さらに、装置全体における回転機(モータ)の動力削減効果について検証した。ここで、BOGコンプレッサーの効率を60%、LNG移送ポンプの効率を70%、昇圧ポンプの効率を50%と仮定している。解析結果を以下の表3に示す。
Figure 2008309190
BOG再液化装置を構成する回転機の動力総計に関し、本発明の実施例では従来例に比しておよそ2割程度もの動力削減を実現できることが解析の結果分かった。
[プレートフィン型の熱交換器における熱交圧損の経時変化に関する実験結果と、LPG−BOGの清浄性に関する実験結果]
本発明者等は、通常のLPGの一成分であるブタンに混入されているメタノールの混合割合を変化させた場合のプレートフィン型の熱交換器の熱交圧損の経時変化について実験をおこなった。その条件と結果を図4に示している。
実験は、メタノールが30ppm含まれているケース、10ppm含まれているケース、メタノールが含まれていないケースの3ケースで26日までの熱交換器の熱交圧損を調べた。
プレートフィン型の熱交換器は、通常300日〜1年程度に一度のメンテナンス期間が設けられており、この際の熱交圧損のおよその基準値は0.10kgf/cmである。
実験の結果、熱交圧損は不純物濃度とほぼ比例関係にある傾向を示している(各データの直線ライン)。また、メタノールが30ppm含まれている場合には7日程度で基準値をオーバーしてしまい、10ppmでも17日程度で基準値をオーバーすることが実証された。
さらに、メタノールが0ppmの場合とは、水のみが含まれていることを意味しているが、水のみの場合でも熱交圧損は増加傾向にあり、実験でのグラフの増加から外挿するに、30日程度で基準値に到達することが判明した。これは、氷が熱交換器内に析出することによっても熱交圧損に大きく関与することを示すものである。
この実験結果から、通常のLPGの成分(プロパン、ブタンなど)には、熱交圧損を招来させるメタノールや水が含まれており、これらに起因して、1年程度に1回のメンテナンス期間が確保できないことが分かった。すなわち、このメンテナンス期間を厳守しようとすると、再液化原単位を低減する目的で実施されるLNG−BOGへのLPGの導入は不適であると判断される。
次に、本発明者等は、通常のLPGとLPG−BOGとで含有される重質分とメタノール、水の含有量を調べた。検査結果を以下の表4に示している。
Figure 2008309190
表4からも明らかなように、LPGに比してLPG−BOGには不純物の含有量が極めて少なく、その結果、再液化装置を構成する熱交換器の伝熱面における不純物の析出量がほとんど無く、伝熱性能が長期に亘って維持できると結論付けられる。
また、上記表4に基づき、LPGを使用した場合の不純物の総計とLPG−BOGを使用した場合の不純物の総計を比較するとおよそ1/20に低下している。
また、図4より、熱交換器の伝熱面への不純物析出による圧力損失の上昇速度は不純物濃度とほぼ比例関係にあると特定される。これらのことを前提に熱交圧損を試算すれば、LPG−BOGを使用する場合には、1.4×10−4/20×300(日/年)≒0.002(MPa)となり、1年程度のメンテナンス周期では、熱交換器の伝熱性能を低下させるほどの不純物析出はないと結論付けることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のBOG再液化装置の一実施の形態の構成図である。 本発明のBOG再液化装置の他の実施の形態の構成図である。 本発明のBOG再液化装置のさらに他の実施の形態の構成図である。 不純物析出によるプレートフィン型熱交換器の熱交圧損に関する実験結果を示したグラフである。
符号の説明
1a…LNG貯蔵タンク、1b…LPG貯蔵タンク、2a…LNG―BOG払い出しライン、2b…LNG払い出しライン、2c…LPG−BOG払い出しライン、3…払い出しポンプ、4a,4b…中圧コンプレッサー、5a…LNG−BOG流量計、5b…LPG−BOG制御弁、6…熱交換器、7…ドラム、8…昇圧ポンプ、9a…液面制御バルブ、9b…液面レベル計、10…気化器、11,11a,11b…予冷熱交換機、12…液化器、100,200,300…BOG再液化装置、L1…液化天然ガス(LNG)、L2…液化石油ガス(LPG)、L3…再液化ボイルオフガス(再液化BOG)、G1…LNGのボイルオフガス(LPG−BOG)、G2…LPGのボイルオフガス(LPG−BOG)

Claims (6)

  1. LNG貯蔵タンク内に発生するBOGであるLNG−BOGをコンプレッサーで昇圧後、熱交換器に導き、LNG貯蔵タンクから熱交換器に払い出しLNGを導くとともに該払い出しLNGによって熱交換器内に導かれたLNG−BOGを冷却して再液化を行い、この再液化したLNG−BOGをドラム内に一時的に貯え、昇圧ポンプによって昇圧した後に気化器に送出する、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置において、
    前記BOGの再液化装置は、LPG貯蔵タンク内に発生するLPGのBOGであるLPG−BOGを再液化前の前記LNG−BOGに導入するラインをさらに具備していることを特徴とする、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置。
  2. 請求項1に記載のLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置において、
    前記BOGの再液化装置は、前記LNG−BOGとLPG−BOGを予冷するための、共通のまたは個別の予冷熱交換機をさらに具備しており、該予冷熱交換機には払い出しLNGが導かれるものであり、
    該予冷熱交換機を経た後にLNG−BOGおよびLPG−BOGが混合される、もしくはLNG−BOGおよびLPG−BOGが混合された後に該予冷熱交換機を経ることを特徴とする、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置。
  3. 請求項1または2に記載のLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置において、
    前記LPG−BOGを再液化前のLNG−BOGに導入するラインには再液化装置が具備されており、再液化されたLPG−BOGが再液化前のLNG−BOGに導入されることを特徴とする、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化装置。
  4. LNG貯蔵タンク内に発生するBOGであるLNG−BOGを熱交換器に導くステップと、LNG貯蔵タンクから熱交換器に払い出しLNGを導くとともに該払い出しLNGによって熱交換器内に導かれたBOGを冷却して再液化を行うステップと、この再液化したBOGをドラム内に一時的に貯えるステップと、昇圧ポンプによって昇圧した後に気化器に送出するステップと、からなるLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法において、
    前記BOGの再液化方法は、LPG貯蔵タンク内に発生するLPGのBOGであるLPG−BOGを再液化前の前記LNG−BOGに導入するステップをさらに具備していることを特徴とする、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法。
  5. 請求項4に記載のLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法において、
    前記BOGの再液化方法は、前記LNG−BOGとLPG−BOGが個別に予冷されるステップを経てLPG−BOGをLNG−BOGに導入するステップに至るもの、もしくは該導入するステップを経て該予冷されるステップに至るもの、のいずれか一方を有するものである、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法。
  6. 請求項4または5に記載のLNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法において、
    前記BOGの再液化方法は、LPG−BOGをLNG−BOGに導入するステップの前にLPG−BOGを再液化するステップをさらに具備する、LNG貯蔵タンク内に発生するBOGの再液化方法。
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