JP6407054B2 - 液化ガス出荷設備向け熱量調整システム - Google Patents
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Description
尚、特許文献1に記載の液化ガス出荷設備では、LNGタンクに貯えられているLNGをそのまま出荷しているが、LNGに熱量調整を行った上で出荷することが求められる場合もある。
尚、特許文献2に記載されている熱量調整装置は、熱量調整を行った後の液化ガスを気化させる気化器(6)を備えており、ガスを液化された状態で出荷することは行っていない。
ところが、常圧での沸点は、LNG(約−160℃)の方が、LPG(プロパン:約−42℃、ブタン:約−0.5℃)よりも非常に低い。そのため、通常は、LNGに対して、それよりも大幅に高温のLPGが混合されることになる。特許文献2に記載の装置でも、低熱量LNGに対して、それよりも大幅に高温の増熱用のLPGが混合されていると思われる。この場合、混合後の液化ガスに含まれるLNGの温度が上昇して、所謂、BOG(ボイルオフガス)の発生量が増加してしまう可能性がある。
前記LNGタンクと、
前記LNGタンクに貯えられているLNGを供給するLNG供給ラインと、
LNGの熱量調整に用いられるLPGを貯えるLPGタンクと、
前記LPGタンクに貯えられているLPGを供給するLPG供給ラインと、
前記LPG供給ラインの途中でLPGを冷却する冷却装置と、
前記LNG供給ラインから供給されるLNGと、前記LPG供給ラインから供給される、前記冷却装置で冷却された後のLPGとを液相同士で混合する混合装置と、
前記混合装置によって熱量調整が行われた後の液化ガスを、前記液化ガス輸送装置の前記輸送用タンクに供給する出荷用ラインとを備える点にある。
前記ガス抜出ラインの途中に設けられ、前記輸送用タンクの内部から抜き出される気相成分の圧力を調節する輸送圧力調節装置とを備える点にある。
ところが上記特徴構成によれば、LPG貯槽を用いて、冷却装置で冷却された後のLPGを予め貯えておくことで、LNG運搬船やローリー車などの液化ガス輸送装置で液化ガスを出荷するタイミングで冷却装置の起動及び停止など行う必要が無くなる。また、冷却後のLPGをLPG貯槽で貯えておくことができるので、冷却装置での単位時間当たりのLPGの冷却量も、要求される液化ガスの出荷量とは別に、平準化して設定することができる。加えて、冷却後のLPGをLPG貯槽に貯えておくことができるので、冷却装置の大きさをコンパクトにしながら、液化ガス輸送装置への液化ガスの単位時間当たりの出荷量を大きくすること、及び、様々な出荷タイミングへの対応も可能になる。
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムについて説明する。
図1は、第1実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムの構成を示す図である。図示するように、液化ガス出荷設備向け熱量調整システムは、LNGタンク1と、LNG供給ライン4と、LPGタンク5と、LPG供給ライン6と、冷却装置7と、混合装置11と、出荷用ライン14とを備える。
LPG供給ライン6の途中には、LPGの単位時間当たりの流量を調節するためのLPGポンプ8が設けられている。そして、LPGポンプ8の下流側に後述する冷却装置7が設けられる。
また、冷却装置7と合流部12との間のLPG供給ライン6の途中には、LPG供給ライン6を流れるLPGの流量を調節するための流量調節弁10が設けられている。この流量調節弁10の作用により、合流部12へと供給されるLPGの流量が調節される。
表1に示すように、ターボ冷凍機を用いた場合には、LNGと混合される直前の部位CでのLPGを10℃に冷却することができる。そして、混合装置11によってLNGとLPGとを混合した後の部位Dでの液化ガスの温度は、約−145℃となっている。このように、混合装置11によって熱量調整が行われた後の液化ガスを低い温度に維持することができている。また、ターボ冷凍機を冷却装置7として用いた本例では、弁17を用いて、輸送用タンク3の内部から抜き出される気相成分の圧力を相対的に高くさせている。例えば、輸送用タンク3の内部から抜き出される気相成分の圧力を約0.2MPaGに調節することで、気化するLNGの量を少なくすることができている。例えば、部位Gにおいて、BOGは0.26(t/h)となっている。
表2及び表3に示すように、フロン冷凍機を用いた場合には、LNGと混合される直前の部位CでのLPGを−55℃に冷却することができ、プロピレン冷凍機を用いた場合には、LNGと混合される直前の部位CでのLPGを−40℃に冷却することができる。
そして、混合装置11によってLPGとLNGとを混合した後の部位Dでの液化ガスの温度は、フロン冷凍機を用いた場合には−151℃となり、プロピレン冷凍機を用いた場合には約−150℃となっている。このように、混合装置11によって熱量調整が行われた後の液化ガスを低い温度に維持することができている。その結果、フロン冷凍機の場合(表2)の場合には、部位Gにおいて、BOGは0.85(t/h)となり、プロピレン冷凍機の場合(表3)の場合には、部位Gにおいて、BOGは1.11(t/h)となっている。
第2実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムは、冷却装置7の構成が第1実施形態と異なっている。以下に第2実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
尚、熱交換器18でのLPGの冷却に用いられた後のLNGは温度が上昇するが、例えば、気化器などに供給して気化させ、都市ガスの生成に利用することができる。或いは、発生したBOGをBOG圧縮機へ送り込んで、再液化などの処理を行ってもよい。
第3実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムは、LPGを一時的に貯えることができる貯槽を備える点で上記実施形態と異なっている。以下に第3実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムの構成について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
ところが、本実施形態では、LPG貯槽20を用いて、冷却装置7で冷却された後のLPGを予め貯えておくことで、LNG運搬船やローリー車などの液化ガス輸送装置2で液化ガスを出荷するタイミングで冷却装置7の起動及び停止など行う必要が無くなる。また、冷却後のLPGをLPG貯槽20で貯えておくことができるので、冷却装置7での単位時間当たりのLPGの冷却量も、要求される液化ガスの出荷量とは別に、平準化して設定することができる。例えば、冷却装置7において一定流量のLPGを継続的に冷却させてLPG貯槽20へ貯えるといった運用が可能となる。
更に、冷却装置7として、上記第2実施形態で説明した熱交換器18を用いた場合、その熱交換器18で、一定流量のLPGと一定流量のLNGとが継続的に熱交換されることになるため、LNGライン19で発生するBOGの量も時間的にほぼ一定となる。そのため、BOGを利用し易くなる。
第4実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムは、貯槽圧力調節装置を備える点で上記第3実施形態と異なっている。以下に第4実施形態の液化ガス出荷設備向け熱量調整システムの構成について説明するが、上記第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
上記実施形態では、液化ガス出荷設備向け熱量調整システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
例えば、LPG供給ライン6の途中からLPGをLPGタンク5へ戻すようなLPG戻し配管を設けてもよい。特に、LPG供給ライン6の途中の、冷却装置7の下流側に上記LPG戻し配管を設けた場合、冷却装置7で冷却したLPGの全量を再びLPGタンク5へ戻すことができるため、冷却装置7の性能が十分に発揮されない起動時などに利用することができる。また、LPG供給ライン6の途中の、冷却装置7の上流側に上記LPG戻し配管を設けた場合、LPGポンプ8から送出されたLPGの一部を上記LPG戻し配管に流してLPGタンク5へ戻し、残りを冷却装置7へ供給することができる。そのため、冷却装置7で冷却するLPGの流量を少なくすることができる。
他にも、上記実施形態では、表1〜表6において具体的な数値を挙げたが、それらは例示目的で記載したものである。
2 液化ガス輸送装置
3 輸送用タンク
4 LNG供給ライン
5 LPGタンク
6 LPG供給ライン
7 冷却装置
8 LPGポンプ
9 流量調節弁
10 流量調節弁
11 混合装置
12 合流部
13 ミキサー
14 出荷用ライン
15 ガス抜出ライン
16 LNGポンプ
17 弁(輸送圧力調節装置)
18 熱交換器
19 LNGライン
20 LPG貯槽
21 LPGポンプ
22 不活性ガス供給ライン(貯槽圧力調節装置)
23 圧力調節弁(貯槽圧力調節装置)
Claims (6)
- LNG基地に設けられているLNGタンクに貯えられているLNGを、液化ガス輸送装置に搭載されている輸送用タンクに移送して出荷させる液化ガス出荷設備向け熱量調整システムであって、
前記LNGタンクと、
前記LNGタンクに貯えられているLNGを供給するLNG供給ラインと、
LNGの熱量調整に用いられるLPGを貯えるLPGタンクと、
前記LPGタンクに貯えられているLPGを供給するLPG供給ラインと、
前記LPG供給ラインの途中でLPGを冷却する冷却装置と、
前記LNG供給ラインから供給されるLNGと、前記LPG供給ラインから供給される、前記冷却装置で冷却された後のLPGとを液相同士で混合する混合装置と、
前記混合装置によって熱量調整が行われた後の液化ガスを、前記液化ガス輸送装置の前記輸送用タンクに供給する出荷用ラインとを備える液化ガス出荷設備向け熱量調整システム。 - 前記出荷用ラインから液化ガスを前記輸送用タンクに充填しているときに前記輸送用タンクの内部に連通されて、前記輸送用タンクの内部に存在する気相成分を抜き出すガス抜出ラインと、
前記ガス抜出ラインの途中に設けられ、前記輸送用タンクの内部から抜き出される気相成分の圧力を調節する輸送圧力調節装置とを備える請求項1に記載の液化ガス出荷設備向け熱量調整システム。 - 前記冷却装置は、ターボ冷凍機、又は、フロンガスを含む冷媒を循環させるフロン冷凍機、又は、プロピレンを含む冷媒を循環させるプロピレン冷凍機である請求項1又は2に記載の液化ガス出荷設備向け熱量調整システム。
- 前記冷却装置は、冷媒としてのLNGと、前記LPG供給ラインを流れるLPGとを熱交換させる熱交換器である請求項1又は2に記載の液化ガス出荷設備向け熱量調整システム。
- 前記LPG供給ラインの途中に、前記冷却装置で冷却された後のLPGを貯えるLPG貯槽を備える請求項1〜4の何れか一項に記載の液化ガス出荷設備向け熱量調整システム。
- 前記LPG貯槽の内部の気相部の圧力を調節する貯槽圧力調節装置を備える請求項5に記載の液化ガス出荷設備向け熱量調整システム。
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