JP2011102940A - 画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】通常のトナーによる画像部と、特殊トナーによる特殊画像部との位置ずれによる画質劣化を軽減することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】第1画像形成機100により、テストシートに対してテストパターン像群を形成し、更に、そのテストシートに対し、第2画像形成機200により、被検用特殊画像部を形成した後、第2画像形成機200内にて、テストパターン像群の各像と、被検用特殊画像部とを画像検知センサー240によって検出するタイミングに基づいて、テストパターン像群の各像と、被検用特殊画像部との位置ずれ量を算出し、算出結果に基づいて、第2画像形成機200による特殊画像部の形成位置を補正するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】第1画像形成機100により、テストシートに対してテストパターン像群を形成し、更に、そのテストシートに対し、第2画像形成機200により、被検用特殊画像部を形成した後、第2画像形成機200内にて、テストパターン像群の各像と、被検用特殊画像部とを画像検知センサー240によって検出するタイミングに基づいて、テストパターン像群の各像と、被検用特殊画像部との位置ずれ量を算出し、算出結果に基づいて、第2画像形成機200による特殊画像部の形成位置を補正するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録シートにトナー像を形成する基本画像形成部と、これから送り出された記録シートを受け入れてその表面にトナー像を形成するオプション画像形成部とを備える画像形成システムに関するものである。
画質の多様化が進められる近年においては、光沢感、立体感、金属色など、通常のトナーの使用では得ることができない特殊な画質を実現し得る画像形成装置が種々提案されている。例えば、特許文献1では、通常のトナーによってトナー像を形成した記録シートの画像形成面の全域に、透明トナーによる透明トナー層を形成して、画像に光沢性を付与する画像形成装置が提案されている。また、特許文献2では、感光体表面の潜像を熱発泡性トナーによって現像した後、得られたトナー像を定着装置で加熱して発泡せしめることで、紙面から突出した立体感のあるトナー像を形成する画像形成装置が提案されている。また、特許文献3では、Y,M,C,KのトナーによってY,M,C,Kトナー像を形成する4つのプロセスユニットの他に、金色のトナーによって金色のトナー像を形成する金色専用のプロセスユニットを搭載した画像形成装置が提案されている。更には、透明感、立体感、金属色(金や銀)などの特殊な画質を出力する需要の少ないユーザーにも対応するために、通常トナーを用いる基本機に対して、特殊トナーを用いるオプション機を搭載可能にした画像形成システムも提案されている(例えば特許文献4、5に記載のもの)。
しかしながら、特許文献4や特許文献5に記載の画像形成システムにおいては、基本機とオプション機との間で画像位置ずれを引き起こして画質を大きく乱してしまうおそれがあった。具体的には、画質の多様化が進む近年においては、画像全体の一部領域だけを光沢感、立体感、金属色などの特殊な質感で表現したい場合がある。このような場合においては、1つの記録シート面に、通常トナーによる画像部と、特殊トナーによる画像部とを混在させることになる。それら画像部の相対位置をずらしてしまうと、光沢性を付与する画像領域をずらしてしまったり、通常画像と特殊画像部との位置関係を大きくずらしてしまったりして、画質を大きく乱してしまうことになる。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通常のトナーによる画像部と、特殊トナーによる特殊画像部との位置ずれによる画質劣化を軽減することができる画像形成システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録シートに対してトナーによってトナー像を形成するトナー像形成手段、及び、このトナー像形成手段の駆動を制御する制御手段を用いて画像を形成する第1画像形成機と、この第1画像形成機から送り出された記録シートに対し、特殊トナーによる特殊な質感の画像部である特殊画像部を形成する特殊画像部形成手段、及び、この特殊画像部形成手段の駆動を制御する制御手段、を有し、前記第1画像形成機に対してオプション搭載される第2画像形成機とを備える画像形成システムにおいて、記録シートに対して画像位置検知用の画像部である被検用画像部を前記トナー像形成手段によって形成する処理を所定のタイミングで実施するように、前記第1画像形成機の制御手段を構成し、前記被検用画像部が形成された記録シートに対し、画像位置検知用の特殊画像部である被検用特殊画像部を前記特殊画像部形成手段によって形成する処理を実施するように、前記第2画像形成機の制御手段を構成し、且つ、記録シートに形成された前記被検用画像部及び被検用特殊画像部をそれぞれ検知する画像検知手段と、前記画像検知手段によるそれら画像部の検知タイミングに基づいて、前記被検用画像部と前記被検用特殊画像部との位置ずれ量を算出する算出手段と、この算出手段による算出結果に基づいて、前記第1画像形成機による画像部の形成位置、あるいは、前記第2画像形成機による特殊画像部の形成位置を補正する補正手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成システムにおいて、前記第2画像形成機内における前記特殊画像部形成手段を通過した後、前記特殊画像部の定着処理を施す定着手段に進入する前の記録シートを被検対象とする位置に、前記画像検知手段を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成システムにおいて、前記特殊画像部形成手段として、特殊トナーである白色トナーを用いて前記特殊画像部を形成するものを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成システムであって、前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、前記第1画像形成機の制御手段が、記録シートに対して前記被検用画像部を形成することに加えて、前記被検用特殊画像部の背景となる背景用ベタトナー像を形成する処理を実施するものであり、且つ、前記第2画像形成機の制御手段が、前記背景用ベタトナー像の上に、それよりも小さな前記被検用特殊画像部を白色トナーによって重ねて形成する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3の画像形成システムであって、前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、且つ、前記第1画像形成機の制御手段が、白色ではない色を帯びた記録シートに対して、その記録シートとは異なる色のトナーによって前記被検用画像部を形成する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3の画像形成システムにおいて、前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光のシート厚み方向の透過量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、且つ、前記第1画像形成機の制御手段が、透明の記録シートに対して前記被検用画像部を形成する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6の何れかの画像形成システムであって、前記白色トナーが、前記第2画像形成機の定着装置による定着処理で白色から透明に変化するものであり、且つ、前記特殊画像部形成手段が、前記特殊画像部として前記定着処理によって透明に変化した透明トナー層による光沢画像部を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成システムにおいて、前記被検用画像部及び被検用特殊画像部が形成された記録シートと、外部から送られてきた画像情報、あるいは読取手段による原稿画像の読み取りで得られた画像情報に基づく画像が形成された記録シートとを仕分けする仕分け手段と、前者の記録シートと後者の記録シートとのうち、前者の記録シートだけを収容するシート収容手段とを、前記第2画像形成機に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成システムにおいて、前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を形成するために前記第1画像形成機にセットされる記録シートについて、過去に何回使用したかを示す使用履歴回数の情報を取得する情報取得手段を設けるとともに、前記情報取得手段による取得結果に応じて、記録シートの搬送方向における前記被検用画像部、前記被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更する処理を実施するように、前記第1画像形成機、前記第2画像形成機の制御手段をそれぞれ構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかの画像形成システムにおいて、前記被検用画像部及び前記被検用特殊画像部を形成するために前記第1画像形成機にセットされる記録シートについて、過去に何回使用したかを示す使用履歴回数の情報を取得する情報取得手段と、前記画像検知手段を記録シートの面方向に沿ってシート搬送方向と直交する方向に移動させる移動手段とを設けるとともに、前記情報取得手段による取得結果に応じて、記録シート表面の搬送方向と直交する方向における前記被検用画像部、前記被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更したり、前記画像検知手段の位置を前記移動手段によって変更したりする処理を実施するように、前記第1画像形成機、前記第2画像形成機の制御手段をそれぞれ構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項8の画像形成システムにおいて、前記シート収容手段内におけるシート収容量の満杯エラーを検知する満杯エラー検知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れかの画像形成システムにおいて、潜像担持体と、潜像担持体の表面の潜像を現像してトナー像を得る現像手段とを具備する複数のユニットと、それらユニットの潜像担持体上のトナー像を中間転写体に重ね合わせて転写した後、記録シートに転写する転写手段とを用いて記録シートにトナー像を形成するように前記トナー像形成手段を構成し、且つ、複数の前記ユニットのうち、前記中間転写体に対するトナー像の重ね合わせ転写工程が最後になるユニットによって前記被検用画像部を形成する処理を実施するように、前記第1画像形成機の制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成システムにおいて、前記第2画像形成機内における前記特殊画像部形成手段を通過した後、前記特殊画像部の定着処理を施す定着手段に進入する前の記録シートを被検対象とする位置に、前記画像検知手段を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成システムにおいて、前記特殊画像部形成手段として、特殊トナーである白色トナーを用いて前記特殊画像部を形成するものを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成システムであって、前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、前記第1画像形成機の制御手段が、記録シートに対して前記被検用画像部を形成することに加えて、前記被検用特殊画像部の背景となる背景用ベタトナー像を形成する処理を実施するものであり、且つ、前記第2画像形成機の制御手段が、前記背景用ベタトナー像の上に、それよりも小さな前記被検用特殊画像部を白色トナーによって重ねて形成する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3の画像形成システムであって、前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、且つ、前記第1画像形成機の制御手段が、白色ではない色を帯びた記録シートに対して、その記録シートとは異なる色のトナーによって前記被検用画像部を形成する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3の画像形成システムにおいて、前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光のシート厚み方向の透過量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、且つ、前記第1画像形成機の制御手段が、透明の記録シートに対して前記被検用画像部を形成する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6の何れかの画像形成システムであって、前記白色トナーが、前記第2画像形成機の定着装置による定着処理で白色から透明に変化するものであり、且つ、前記特殊画像部形成手段が、前記特殊画像部として前記定着処理によって透明に変化した透明トナー層による光沢画像部を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成システムにおいて、前記被検用画像部及び被検用特殊画像部が形成された記録シートと、外部から送られてきた画像情報、あるいは読取手段による原稿画像の読み取りで得られた画像情報に基づく画像が形成された記録シートとを仕分けする仕分け手段と、前者の記録シートと後者の記録シートとのうち、前者の記録シートだけを収容するシート収容手段とを、前記第2画像形成機に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成システムにおいて、前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を形成するために前記第1画像形成機にセットされる記録シートについて、過去に何回使用したかを示す使用履歴回数の情報を取得する情報取得手段を設けるとともに、前記情報取得手段による取得結果に応じて、記録シートの搬送方向における前記被検用画像部、前記被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更する処理を実施するように、前記第1画像形成機、前記第2画像形成機の制御手段をそれぞれ構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかの画像形成システムにおいて、前記被検用画像部及び前記被検用特殊画像部を形成するために前記第1画像形成機にセットされる記録シートについて、過去に何回使用したかを示す使用履歴回数の情報を取得する情報取得手段と、前記画像検知手段を記録シートの面方向に沿ってシート搬送方向と直交する方向に移動させる移動手段とを設けるとともに、前記情報取得手段による取得結果に応じて、記録シート表面の搬送方向と直交する方向における前記被検用画像部、前記被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更したり、前記画像検知手段の位置を前記移動手段によって変更したりする処理を実施するように、前記第1画像形成機、前記第2画像形成機の制御手段をそれぞれ構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項8の画像形成システムにおいて、前記シート収容手段内におけるシート収容量の満杯エラーを検知する満杯エラー検知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れかの画像形成システムにおいて、潜像担持体と、潜像担持体の表面の潜像を現像してトナー像を得る現像手段とを具備する複数のユニットと、それらユニットの潜像担持体上のトナー像を中間転写体に重ね合わせて転写した後、記録シートに転写する転写手段とを用いて記録シートにトナー像を形成するように前記トナー像形成手段を構成し、且つ、複数の前記ユニットのうち、前記中間転写体に対するトナー像の重ね合わせ転写工程が最後になるユニットによって前記被検用画像部を形成する処理を実施するように、前記第1画像形成機の制御手段を構成したことを特徴とするものである。
これらの発明においては、記録シート上における被検用画像部と被検用特殊画像部との位置ずれ量に基づいて、第1画像形成機による画像部の形成位置、あるいは第2画像形成機による特殊画像部の形成位置を補正することで、画像部と特殊画像部との位置ずれ量を軽減するので、画像部と特殊画像部との位置ずれによる画質劣化を軽減することができる。
以下、本発明を適用した画像形成システムとして、電子写真方式によって画像を形成する画像形成システムの実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成システムを示す概略構成図である。この画像形成システムは、第1画像形成機100と、これにオプション搭載される第2画像形成機200とを有している。
図1は、実施形態に係る画像形成システムを示す概略構成図である。この画像形成システムは、第1画像形成機100と、これにオプション搭載される第2画像形成機200とを有している。
まず、第1画像形成機100の基本的な構成について説明する。
第1画像形成機100は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、光書込ユニット10、給紙トレイ11、給紙路12、手差しトレイ13、レジストローラ対14、転写ユニット20、定着装置30なども備えている。
第1画像形成機100は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、光書込ユニット10、給紙トレイ11、給紙路12、手差しトレイ13、レジストローラ対14、転写ユニット20、定着装置30なども備えている。
プロセスユニット2Y,M,C,Kは、それぞれ、潜像担持体たる感光体と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成機本体に対して着脱可能になっている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点の他が同様の構成になっている。Y用のプロセスユニット2Yを例にすると、これは、ドラム状の感光体1Yの他、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像装置3Y、感光体1Yの表面を一様に帯電せしめる帯電装置4Y、感光体1Yの表面をクリーニングするドラムクリーニング装置5Yなどを具備している。また、図示しない除電ランプなども具備している。
帯電装置4Yは、図中反時計回り方向に回転駆動される感光体1Yの表面をトナーの帯電極性と同じ極性に一様に帯電せしめる。その帯電電位は例えば−690[V]である。このように一様帯電せしめられた感光体1Yの表面に対し、後述する光書込ユニット10による光走査が行われ、その光走査による感光体表面露光領域の電位が例えば−100[V]まで減衰する。これにより、感光体1Yの表面にY用の静電潜像が形成される。このY用の静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置3Yによって現像されてYトナー像になる。この現像装置3Yは、粒径35[μm]の磁性キャリアに対して、重合法による粒径5.2[μm]のYトナーをトナー比率7[wt%]で混合した二成分現像剤を用い、自らの内部で−40[μC/g]に帯電せしめたYトナーを、感光体1Yの静電潜像に付着させるものである。
感光体1Yの表面上で現像されたYトナー像は、感光体1Yの回転に伴って、感光体1Yと、後述する中間転写ベルト21とが当接するY用の1次転写ニップで、感光体1Yの表面上から中間転写ベルト21の表面上に1次転写される。1次転写ニップを通過した後の感光体1Yの表面に残留している転写残トナーは、ブレードによる掻き取りクリーニング方式を採用したドラムクリーニング装置5Yによって感光体1Y表面から除去される。その転写残トナーの量は、1次転写ニップに進入するトナー量の約5[%]程度である。クリーニング後の感光体1Yの表面は、図示しない除電ランプによって除電されて次の画像形成に備えられる。
Y用のプロセスユニット2Yについて説明したが、M,C,K用のプロセスユニットにおいても、同様にして、感光体1M,C,Kの表面上にM,C,Kトナー像が形成される。そして、それらは、感光体1M,C,Kと中間転写ベルト21との当接によるM,C,K用の1次転写ニップでYトナー像の上に順次重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト21の表面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
プロセスユニット2Y,M,C,Kの上方には、光書込ユニット10が配設されている。この光書込ユニット10は、図示しないレーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、外付けの図示しないスキャナによる原稿読取で得られた画像情報や、外部のパーソナルコンピュータから送られている画像情報などに基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。光書込ユニット10は、駆動中の感光体1Y,M,C,Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体1Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいたY,M,C,K用の静電潜像が形成される。
プロセスユニット2Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット20が配設されている。この転写ユニット20は、無端状の中間転写ベルト21、これのループ内側に配設されてベルトを張架する複数の張架ローラ、2次転写ローラ26、ベルトクリーニング装置27などを有している。また、複数の張架ローラとしては、図中時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ22、2次転写対向ローラ23、クリーニング対向ローラ24、及び、Y,M,C,K用の1次転写ローラ25Y,M,C,Kを有している。
1次転写ローラ25Y,M,C,Kは、感光体1Y,M,C,Kとの間に中間転写ベルト21を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト21のおもて面と、1次転写ローラ25Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ25Y,M,C,Kに対しては、感光体1Y,M,C,Kと1次転写ローラ25Y,M,C,Kとの間に35[μA]の1次転写電流が流れるように出力調整される1次転写バイアスが印加される。この1次転写バイアスと、ニップ圧との作用により、Y,M,C,K用の1次転写ニップでそれぞれ感光体上のトナー像が中間転写ベルト21に1次転写される。
中間転写ベルト21のループ外側に配設された2次転写ローラ26は、中間転写ベルト21の移動方向における全領域のうち、ベルトループ内側に配設された2次転写対向ローラ23に対する掛け回し領域に当接して2次転写ニップを形成している。この2次転写ニップでは、プラス極性の2次転写バイアスが印加される2次転写ローラと、2次転写対向ローラ23との間に2次転写電界が形成される。
中間転写ベルト21のおもて面に形成された4色重ね合わせトナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。そして、この進入に同期するように、後述するレジストローラ対14によって2次転写ニップに送り込まれてきた記録シートPの表面に一括2次転写される。
2次転写ニップを通過した記録シートPは、2次転写ニップの図中左側方に配設された定着装置30内に送り込まれる。この定着装置30は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ31と、これに向けて押圧される加圧ローラ32との当接による定着ニップに記録シートPを挟み込む。そして、加熱や加圧の作用によるトナー像の定着処理を記録シートPに対して施す。
定着装置30を通過した記録シートPは、切替爪33による搬送路切換位置に差し掛かる。そして、切替爪33による搬送路選択に応じて、排紙スタック路34、あるいは、オプション送込路35に進む。それら搬送路のうち、排紙スタック路34に進んだ記録シートPは、第1画像形成機100の筺体の外部上面に設けられたスタック部に排紙されて、そこにスタックされる。これに対し、オプション送込路35に進んだ記録シートPは、第1画像形成機100に対して図中左側方から連結された第2画像形成機200内に送り込まれる。
第1画像形成機100に搭載される図示しない制御部は、形成対象となる画像の画像情報が特殊画像部としての光沢部を含むものである場合には、定着装置30通過後の記録シートPの搬送路として、オプション送込路35が選択されるように、切替爪33の駆動を制御する。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト21の表面に残留している転写残トナーは、中間転写ベルト21の全領域のうち、クリーニング対向ローラ24に対する掛け回し領域に当接しているベルトクリーニング装置27によって除去される。ベルト上に残留する転写残トナーの量は、2次転写ニップに進入するトナー量の約5[%]程度である。
第1画像形成機100は、その筺体内に出し入れ可能な給紙カセット11と、筺体の外部に設けられた手差しトレイ13とを有している。そして、第1画像形成機100の制御部は、ユーザーからの命令に基づいて、給紙カセット11、手差しトレイ13の何れか一方から記録シートPを送り出して、給紙路12内に導入する。導入された記録シートPは、給紙路12の末端付近に配設されたレジストローラ対14に挟み込まれて搬送が一時中断された後、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像に同期するタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出される。
なお、第1画像形成機100における光書込ユニット10、プロセスユニット2Y,M,C,K、及び転写ユニット30は、記録シートに対して通常のトナーによってトナー像を形成するトナー像形成手段を構成している。
図2は、中間転写ベルト21の一部を光学センサーユニット40とともに示す拡大斜視図である。図示のように、中間転写ベルト21における駆動ローラ22に対する掛け回し箇所には、光学センサーユニット40が所定の間隙を介して対向している。第1画像形成機100は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)などを具備する図示しない制御部により、機内の各機器の駆動を制御している。この制御部は、図示しない電源スイッチがONされた直後や、所定枚数のプリントを実施する毎に、色ずれ量補正処理を実施するようになっている。そして、この色ずれ量補正処理において、中間転写ベルト21の幅方向の一端部と他端部とにそれぞれ、シェブロンパッチPVと呼ばれるY,M,C,Kの各色トナー像からなる色ずれ検知用画像を形成する。
光学センサーユニット40は、中間転写ベルト21の幅方向の一端部に対向する第1光学センサー41と、幅方向の他端部に対向する第2光学センサー42とを具備している。そして、第1光学センサー41は、発光手段から発した光を集光レンズに通した後、中間転写ベルト21の表面で反射させ、その反射光を受光手段で受光して受光量に応じた電圧を出力する。中間転写ベルト21の一端部に形成されたシェブロンパッチPV内のトナー像が第1光学センサー41の直下を通過する際には、第1光学センサー41の受光手段による受光量が大きく変化する。これにより、制御部は、中間転写ベルト21の幅方向の一端部に形成されたシェブロンパッチPV内における各色トナー像を検知することができる。また、同様にして、第2光学センサー42からの出力に基づいて、中間転写ベルト21の他端部に形成されたシェブロンパッチPV内における各色トナー像を検知することもできる。なお、発光手段としては、トナー像を検出するために必要な反射光を作り得る光量をもつLED等が用いられている。また、受光手段としては、多数の受光素子が直線状に配列されたCCDなどが用いられている。
第1画像形成機100の制御部は、中間転写ベルト21の幅方向の両端部にそれぞれ形成したシェブロンパッチPV内の各色トナー像を検知することで、各色トナー像における主走査方向(感光体軸線方向)の位置、副走査方向(ベルト移動方向)の位置、主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ検出する。ここで言う主走査方向とは、ポリゴンミラーでの反射に伴ってレーザー光が感光体表面上で位相する方向を示している。シェブロンパッチPVは、図3に示すように、Y,M,C,Kの各色のトナー像を主走査方向から約45[°]傾けた姿勢で、副走査方向であるベルト移動方向に所定ピッチで並べたラインパターン群である。このようなシェブロンパッチPV内のY,M,Cトナー像について、Kトナー像との検知時間差を読み取っていく。同図では、紙面上下方向が主走査方向に相当し、左から順に、Y,M,C,Kトナー像が並んだ後、これらとは姿勢が90[°]異なっているK,C,M,Yトナー像が更に並んでいる。基準色となるKとの検出時間差tyk、tmk、tckについての実測値と理論値との差に基づいて、各色トナー像の副走査方向のズレ量、即ちレジストズレ量を求める。そして、そのレジストズレ量に基づいて、光書込ユニット(10)のポリゴンミラー1面おき、即ち、1走査ラインピッチを1単位として、感光体に対する光書込開始タイミングを補正して、各色トナー像のレジストズレを低減する。また、ベルト両端部間での副走査方向ズレ量の差に基づいて、各色トナー像の主走査方向からの傾き(スキュー)を求める。そして、その結果に基づいて、光学系反射ミラーの面倒れ補正を実施して、各色トナー像のスキューズレを低減する。以上のように、シェブロンパッチPV内における各トナー像を検知したタイミングに基づいて光書込開始タイミングや面倒れを補正してレジストズレやスキューズレを低減する処理が、色ずれ補正処理である。このような色ずれ補正処理により、温度変化などで各色トナー像の中間転写ベルト21に対する形成位置が経時的にずれていくことに起因する画像の色ずれの発生を抑えることができる。
制御部は、色ずれ補正処理を実施するタイミングの1つとして、所定枚数のプリントを実施する毎というタイミングを採用している。但し、「予定プリントあり」の状態で、色ずれ補正処理について所定枚数プリント毎の実施タイミングが到来した場合には、「予定プリントあり」の状態が「予定プリントなし」の状態に変わるまで、色ずれ補正処理の開始タイミングを延長する。そして、「予定プリントあり」の状態が「予定プリントなし」の状態に変わって色ずれ補正処理を実施した後、累積プリント枚数のカウント値をゼロにリセットする。
次に、第2画像形成機200の基本的な構成について説明する。
第2画像形成機200は、画像に対する光沢性付与処理を必要に応じて行うことを要望するユーザーの意志により、第1画像形成機100に対してオプション搭載されるものである。そして、プロセスユニット202、光書込ユニッ210、レジストローラ対214、定着装置230、切替爪233、テストシート収容カセット239、画像検知センサー240などを備えている。
第2画像形成機200は、画像に対する光沢性付与処理を必要に応じて行うことを要望するユーザーの意志により、第1画像形成機100に対してオプション搭載されるものである。そして、プロセスユニット202、光書込ユニッ210、レジストローラ対214、定着装置230、切替爪233、テストシート収容カセット239、画像検知センサー240などを備えている。
第1画像形成機100のオプション送込路35から排出される記録シートPは、第1画像形成機100にオプション搭載された第2画像形成機200の給紙路に進入した後、レジストローラ対214によるレジストニップに挟み込まれる。レジストローラ対214の図中左側方には、プロセスユニット202の感光体201と、転写ローラ225との当接による転写ニップが位置している。
プロセスユニット202は、ドラム状の感光体201、現像装置203、帯電装置204、ドラムクリーニング装置205などを有しており、第1画像形成機100のプロセスユニットと同様のプロセスを実行することが可能である。但し、第1画像形成機100のプロセスユニット2Y,M,C,Kが、通常のトナーを用いるのに対し、第2画像形成機200のプロセスユニット202は、特殊トナーを用いる点で第1画像形成機100のものと異なっている。この特殊トナーは、定着装置230による加熱定着処理を施される前には白色を帯びる白色トナーであるが、加熱定着処理を施されると透明トナーに変化する性質を有している。
プロセスユニット202の図示しない制御部は、ユーザーから送られてくる所定の情報に基づいて、第1画像形成機100によって記録シートPに形成された画像の全領域うち、光沢性を付与すべき光沢性付与領域を特定する。そして、特定した光沢性付与領域に対して、上述した特殊トナーによる特殊画像部を形成する処理を実施する。具体的には、感光体201の周面のうち、上記光沢性付与領域に対応する領域を光書込ユニット210によって露光して、ベタ状の静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置203によって現像して、特殊トナーによる特殊画像部を形成する。
感光体201の下方に配設された転写ローラ225は、感光体201に当接して転写ニップを形成している。この転写ローラ225に対しては、転写ローラ225と感光体201との間に40[μA]の転写電流が流れるように出力調整される転写バイアスが印加される。レジストローラ対214は、感光体201の図中時計回り方向の回転駆動に伴って上述した特殊画像部が転写ニップに進入するタイミングに同期させて、記録シートPを転写ニップに向けて送り出す。転写ニップ内では、前述した転写電流とニップ圧との作用により、感光体201上の特殊画像部が記録シートPの画像における光沢性付与領域に重ね合わせて転写される。
転写ニップを通過した記録シートPは、転写ニップの図中左側方に配設された定着装置230に送り込まれる。定着装置230は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ231と、これに向けて押圧される加圧ローラ232との当接による定着ニップに記録シートPを挟み込む。そして、加圧や加熱による特殊トナーの定着処理を記録シートPに施す。本実施形態では、このときの加熱定着温度を、第1画像形成機100の定着装置30による加熱定着温度よりも低い、140[℃]に設定している。特殊トナーは、130[℃]程度まで加熱されると、白色から透明に変化して、記録シートPの画像の光沢性付与領域に透明トナー層を形成する。これにより、画像の光沢性付与領域に光沢性が付与される。
転写ニップを通過した後の感光体201に付着している転写残トナーは、クリーニングブレードを感光体201の表面に当接させているドラムクリーニング装置205によって感光体201表面から除去される。その転写残トナーの量は、転写ニップに進入するトナー量の約5[%]程度である。
定着装置230を通過した記録シートPは、切替爪233による搬送路切換位置に進入する。この切替爪233よりもシート搬送方向下流側では、記録シートPの搬送路が、排出路234と、テストシート収容路235とに別れる。排出路234は、画像情報に基づいて形成された画像と、この画像における光沢性付与領域に対して透明トナー層による光沢部とが形成された記録シートPを、第2画像形成機200の筐体外に排出するための搬送路である。また、テストシート収容路235は、後述するテストシートを第2画像形成機200内のテストシート収容カセット239に向けて搬送するための搬送路である。定着装置230を通過した記録シートPが、画像情報に基づく画像が形成された一般的なものである場合には、切替爪233によって排出路234が選択される。これに対し、定着装置230を通過した記録シートPが、後述するテストシートである場合には、切替爪233によってテストシート収容路235が選択される。テストシート収容路235に進入したテストシートは、テストシート収容カセット239内に収容される。
次に、実施形態に係る画像形成システムの特徴的な構成について説明する。
図8は、本画像形成システムの電気回路の一部を示すブロック図である。同図の第1画像形成機100は、CPU、RAM、ROM等からなる制御部90を有している。この制御部90には、第1画像形成機100内において、I/Oユニット91を介して、Kプロセスモータ92、カラープロセスモータ93、ベルト駆動モータ94、各種電源95、光学センサーユニット40、つめソレノイド99、給紙モータ97、定着モータ98などが接続されている。
図8は、本画像形成システムの電気回路の一部を示すブロック図である。同図の第1画像形成機100は、CPU、RAM、ROM等からなる制御部90を有している。この制御部90には、第1画像形成機100内において、I/Oユニット91を介して、Kプロセスモータ92、カラープロセスモータ93、ベルト駆動モータ94、各種電源95、光学センサーユニット40、つめソレノイド99、給紙モータ97、定着モータ98などが接続されている。
Kプロセスモータ92は、K用のプロセスユニット2Kの駆動源となっているモータである。また、カラープロセスモータ93は、Y,M,C用のプロセスユニット2Y,M,Cの共通の駆動源となっているモータである。また、ベルト駆動モータ94は、中間転写ベルト21を無端移動させる駆動ローラの駆動源となっているモータである。また、給紙モータ96は、給紙カセット11や手差しトレイ13の給紙コロの駆動源となっているモータである。また、搬送系モータ97は、第1画像形成機100の搬送路内に配設された各種搬送ローラ対の駆動源となっているモータである。また、定着モータ98は、定着装置30の駆動源となっているモータである。また、つめソレノイド99は、切替爪33の駆動源となっているソレノイドである。また、各種電源95は、1次転写バイアス電源、2次転写バイアス電源、各色用の現像バイアス電源などからなる。
一方、第2画像形成機200は、CPU、RAM、ROM等からなる制御部290を有している。この制御部290には、第2画像形成機200内において、I/Oユニット291を介して、プロセスモータ292、各種電源295、画像検知センサー240、つめソレノイド299、テスト紙モータ296、搬送系モータ297、定着モータ298などが接続されている。
プロセスモータ292は、特殊トナーを用いるプロセスユニット202の駆動源となっているモータである。また、カラープロセスモータ93は、Y,M,C用のプロセスユニット2Y,M,Cの共通の駆動源となっているモータである。また、テスト紙モータ296は、テストシート収容カセット239の給紙コロの駆動源となっているモータである。また、搬送系モータ297は、第2画像形成機200の搬送路内に配設された各種搬送ローラ対の駆動源となっているモータである。また、定着モータ298は、定着装置230の駆動源となっているモータである。また、つめソレノイド299は、切替爪233の駆動源となっているソレノイドである。また、各種電源95は、転写バイアス電源、現像バイアス電源などからなる。
実施形態に係る画像形成システムにおいて、第1画像形成機100の制御部90と、第2画像形成機200の制御部290とは、所定のタイミングで、互いに協同して機間位置合わせ処理を実施する。そして、この機間位置合わせ処理において、第1画像形成機100における記録シートPに対するトナー像の形成位置と、第2画像形成機200における記録シートPに対する特殊画像部(光沢部)の形成位置との位置ずれを測定した後、結果に応じて後者の形成位置を補正する。なお、以下、機間位置合わせ処理で用いる記録シートPを、特にテストシートという。
第2画像形成機200に搭載されているテストシート収容カセット239は、機間位置合わせ処理で使用したテストシートを、一般的なプリントジョブにおけるプリントアウト紙と区別して、第2画像形成機200内に収容するためのものである。実施形態に係る画像形成システムは、テストシートとして、一般的な白色の記録紙を用いるため、第1画像形成機100の給紙カセット11に収容されている記録シートPをテストシートとして使用することが可能である。但し、テストシートとして記録シートPについては、後述するように、9回の再利用が可能であり、初回から合計で10回使用することができる。
そこで、機間位置合わせ処理で使用したテストシートについては、第2画像形成機200のテストシート収容カセット239内に順次収容していく。そして、テストシート収容カセット239内のテストシートの収容量が所定の満杯量になると、第1画像形成機100の給紙カセット11からのテストシートの供給を止めて、テストシート収容カセット239内のテストシートの再利用を開始する。具体的には、テストシート収容カセット239内のテストシートの収容量が満杯になると、カセット内の最も下にあるテストシートをテストシート収容カセット239から送り出す。送り出されたテストシートは、第1画像形成機100のテストシート供給路36を経由して給紙路12に供給されて、機間位置合わせ処理のための使用される。使用後は、第2画像形成機200のテストシート収容カセット239の一番上に戻される。なお、実施形態においては、テストシート収容カセット239内の収容量の満杯エラーを検知する満杯エラー検知手段として、回動可能に支持された状態でカセット内の一番上のシートに当接しつつ、カセット内のシート収容量(シート束の厚み)に応じて回転角度位置を変化させる満杯エラーセンサーを用いている。この満杯エラーセンサーの回転角度が所定の角度まで大きくなったことにより、満杯エラーが検知される。
機間位置合わせ処理を実施するにあたり、第2画像形成機200は、上述の満杯エラーセンサーからの出力に基づいて、満杯エラーであるか否かを判定する。そして、満杯エラーでない場合には、テストシートとして、第1画像形成機100の給紙カセット11に収容されている記録シートPを用いることを選択する。これに対し、満杯エラーである場合には、テストシートとして、第2画像形成機200のテストシート収容カセット239に収容されている使用済みテストシートを用いることを選択する。
第1画像形成機100の給紙路12に送られたテストシートあるいは使用済みテストシートには、第1画像形成機100のプロセスユニットや転写ユニットにより、被検用画像部であるテストパターン像群が形成される。このテストパターン像群については、Y,M,C,Kの4色のうち、K用のプロセスユニット2Kだけによって形成する。つまり、テストパターン像群は、複数のK色のパターン像から構成されるものである。
図4は、機間位置合わせ処理にて第1画像形成機100によって形成される被検表画像部としてのテストパターン像群を示す模式図である。同図において、矢印Y方向は記録シートPの搬送方向を示している。また、矢印X方向は、記録シートPの紙面における搬送方向と直交する方向であるシート幅方向を示している。第1画像形成機100によって形成されるテストパターン像群は、シート幅方向(X方向)に所定のピッチ(図中のC)で並ぶ3つのテストパターン像500から構成されている。テストパターン像500は、光書込ユニットの主走査方向に沿ったシート幅方向に延在する横ライン像501と、シート搬送方向に延在する背景用横ベタトナー像502と、シート幅方向に対して斜め45[°]の姿勢で延在する斜めライン像503と、斜め45[°]の姿勢で延在する背景用斜めベタトナー像504とをシート搬送方向(Y方向)に並べたものである。横ライン像501の太さである横ライン幅W1は、1.0[mm]である。また、横ライン像501のシート幅方向の長さである横ライン長Aは8.0[mm]である。また、斜めライン像503をシート搬送方向で破断した面の搬送方向長さである斜めライン幅W2は1.4[mm]である。また、矩形状の形をした背景用横ベタトナー像502のシート搬送方向の長さである横ベタパッチ幅W3は5.0[mm]である。また、平行四辺形状の形をした背景用斜めベタトナー像504をシート搬送方向で破断した面の搬送方向長さである斜めベタパッチ幅W4は7.0[mm]である。また、背景用斜めベタトナー像504のシート搬送方向のサイズである斜めパッチ長Bは10.0[mm]である。また、横ライン像501と背景用横ベタトナー像502とのシート搬送方向におけるピッチと、斜めライン像503と背景用斜めベタトナー像504とのシート搬送方向におけるピッチとは、互いに等しく、その寸法dは5.0[mm]である。また、横ライン像501と、斜めライン像503とのシート搬送方向におけるピッチは、同図においてDで示され、その寸法は15.0[mm]である。また、図中Cで示される、テストパターン像500のシート幅方向のピッチは120[mm]である。
本来であれば、第1画像形成機100により、形成位置を確かめるために形成すべき被検用画像部は、横ライン像501及び斜めライン像503の2つである。背景用横ベタトナー像502や背景用斜めベタトナー像504は、それらの形成位置を確かめるためのものではない。これらは、第2画像形成機200により、形成位置を確かめるために形成される特殊画像部の背景として形成されるものである。詳しくは、第2画像形成機200によって使用される特殊トナーは、上述したように、定着前の状態では白色を呈している。また、定着後の状態では透明になる。透明になった状態でその存在を検知するのは困難である。このため、特殊トナーによって形成された特殊画像部(実施形態では光沢画像部)については、定着装置230によって定着処理を施す前の状態、即ち、白色の状態で検知する必要がある。そこで、実施形態では、転写ニップを通過した後、定着装置230に進入する前のテストシートを被検対象とする位置に、画像検知センサー240を配設している。これにより、白色の状態の特殊画像部を被検対象とすることが可能になるが、一般的な記録シートは白色であるので、そのままでは、シートの白色と特殊画像部の白色とを区別することができなくなる。そこで、白色の特殊画像部の背景として、Kトナーによって背景用横ベタトナー像502や背景用斜めベタトナー像504を予め第1画像形成機100によって形成しておくのである。
なお、図4に示したテストパターン像群を、Y,M,C,Kという4色のうち、K色で形成するようにしたのは、次に説明する理由による。即ち、Y,M,C,Kという4色のうちで、K色は白色とのコントラストが最も大きくなる。このため、特殊トナーによって形成された白色を呈する特殊画像部(本例では定着後に光沢画像部となる)を他色よりも感度良く検知することができるからである。また、K色は、4色のうちで、重ね合わせ1次転写工程が最も下流側になるため、機間位置合わせ処理の実施時間を4色のうちで最も短くすることも理由の1つである。詳しくは、例えば、4色のうちで重ね合わせ1次転写工程が最も上流側になるY色によってテストパターン像群を形成するとする。この場合、図1に示した構成からわかるように、Y用の感光体1Yと中間転写ベルト21とが当接するY用の1次転写ニップでベルト上にテストパターン像群を1次転写した後、それをM,C,K用の1次転写ニップに通してから2次転写ニップに進入させる必要がある。この間、中間転写ベルト21を約3/4周させる必要があり、ベルト上のテストパターン像群を2次転写ニップに進入させるまでにある程度の時間を要する。これに対し、K用の1次転写ニップは、4色のうちの最下流側に位置する。このため、K用の1次転写ニップでK用の感光体1Kから中間転写ベルト21にテストパターン像群を1次転写するようにした場合、それを他の1次転写ニップに通すことなく、2次転写ニップに進入させる。その間、中間転写ベルト21の移動量は約1/3周であり、4色のうちで最も移動量が短くなる。これは、4色のうち、テストパターン像群を最も迅速に記録シートPに形成し得ることを意味している。このように、テストパターン像群を迅速に形成することで、機間位置合わせ処理の実施時間を4色のうちで最も短くすることができるのである。
第1画像形成機100は、テストシートにK色のテストパターン像群を形成すると、そのテストシートを定着装置30に送って定着処理を行った後、テストシートをオプション送込路35経由で第2画像形成機200に供給する。第2画像形成機200は、上述した特殊トナーを用いるプロセスユニット202により、テストシートに対して被検用の特殊画像部を形成する。
図5は、第1画像形成機100によるテストパターン像群と、第2画像形成機200による白色の特殊画像部とを示す模式図である。図示のように、第2画像形成機200は、第1画像形成機100によって形成された3つの背景用横ベタトナー像502の上にそれぞれ、特殊画像部としての白色横ライン部505を特殊トナーによって形成する。また、第1画像形成機100によって形成された3つの背景用斜めベタトナー像504の上にそれぞれ、白色斜めライン部506を特殊トナーによって形成する。
白色横ライン部505は、シート幅方向に延在するライン状の画像である。また、白色斜めライン図506は、シート幅方向に対して45[°]傾いた姿勢で延在する斜めライン状の画像である。白色横ライン幅W1’は、横ライン像501の横ライン幅W1と同じ1.0[mm]である。その他、白色横ライン長A’、白色斜めライン幅W2’、ピッチd’、ピッチD’、ピッチC’も、横ライン像501の横ライン長A、斜めライン幅W2、ピッチd、ピッチDとそれぞれ同じである。
図1に示した第2画像形成機200内において、プロセスユニット202と、定着装置231との間に配設された画像検知手段としての画像検知センサー240は、反射型フォトセンサーからなる。そして、発光素子から発した光をテストシートのおもて面に向けて照射しながら、シートおもて面上で得られた拡散反射光を受光素子で受光する。第2画像形成機200の制御部290は、画像検知センサー240の受光素子による受光量の変化に基づいて、テストシート上におけるテストパターン像群や、特殊トナーによる特殊画像部の位置を検知する。
実施形態に係る画像形成システムに搭載した画像検知センサー240では、K色のテストパターン像500の表面で反射した反射光を受光しているときの出力電圧が0.5[V]となる。これに対し、白色横ライン像505や白色斜めライン像506の表面で反射した反射光を受光しているときの出力電圧が3.5[V]となる。そこで、K色の背景用横ベタトナー像502と白色横ライン像505との境界や、K色の背景用斜めベタトナー像504と白色斜めライン像506との境界を検出するための電圧閾値を、2.0[V]に設定した。そして、背景用横ベタトナー像502や背景用斜めベタトナー像504の先端検知によって出力電圧が0.5[V]まで低下した後、2.0[V]以上になった時点を、白色横ライン像505の先端や白色斜めライン像506の先端を検知したタイミングとして取り扱うように、第2画像形成機200の制御部290を構成した。更に、画像検知センサー240からの出力に基づいて算出したW1、W2、A、C、D、dと、W1’、W2’、A’、C’、D’、d’との差に基づいて、第1画像形成機100によるテストパターン像と、第2画像形成機200による特殊画像部との位置ずれ量やスキュー量を算出するように第2画像形成機200の制御部290を構成した。
第2画像形成機200の制御部290は、その位置ずれ量やスキュー量に基づいて、第2画像形成機200のプリントジョブ時における光書込開始タイミングや、光書込系のミラー面倒れ補正などを行って、特殊画像部の形成位置を補正する補正手段として機能している。この補正により、第2画像形成機200による特殊画像部を、第1画像形成機100によるトナー像に対して位置合わせする。よって、第2画像形成機200は、補正手段として機能している。なお、第2画像形成機200による特殊画像部の形成位置を補正する代わりに、第1画像形成機100によるトナー像の形成位置を、特殊画像部に対して位置合わせしてもよい。但し、この場合、Y,M,C,Kの4色全ての形成位置を補正しなければならない。これに対し、特殊画像部であれば、1つのプロセスユニットによる形成位置だけを補正すればよいので、補正のための演算処理をより簡易にすることができる。
機間位置合わせ処理に用いたテストシートは、ユーザーにとっては不要なものであり、これが一般的なプリントアウト紙と混ざってしまうと、ユーザーに対して仕分け作業を強いてしまうことになる。しかし、実施形態の画像形成システムでは、既に説明したように、第2画像形成機200内に切替爪233を設けている。そして、仕分け手段としての切替爪233によってテストシートと通常のプリントアウト紙とで搬送路を切り替えることで、テストシートをプリントアウト紙から仕分けしている。更に、仕分けしたテストシートについては、第2画像形成機200内にテストシート収容カセット239に収容するようにしている。このような構成により、ユーザーの仕分け作業を不要にして、作業性を向上させることができている。また、テストシート収容カセット239に上述した満杯エラーセンサーを設けることで、満杯による故障の発生を回避したり、カセット内のテストシートの再利用を開始するタイミングを把握したりすることができている。
実施形態に係る画像形成システムでは、テストシートによる無駄なシート廃棄量をできる限り抑える目的から、テストシートを再利用することを可能にしている。具体的には、テストシートとしては、例えばA4サイズのものを用い、これの短手方向(210mm)をシート搬送方向に沿わせる横長の姿勢でテストシートを搬送するようになっている。テストシートに形成される上述のテストパターン像群は、シート搬送方向の全長が30[mm]程度である。パターン前後の余白を考慮してシート搬送方向に40[mm]の領域が必要だとしても、その占有面積は全体の約19[%]程度しかない(40/210=約0.19)。
そこで、第1画像形成機100の制御部90や、第2画像形成機200の制御部290は、再利用回数に応じてテストパターン像群や白色の特殊画像部の形成位置をシート搬送方向に順次ずらしていく。これにより、再利用時にテストパターン像群を重ねてしまうことなく、テストシートの再利用を可能にしている。詳しくは、図6に示すように、初回の機間位置合わせ処理においては、紙先端のマージンの直後に、3つのテストパターン像500からなるテストパターン像群を形成する。その後、1回目の再利用時には、新たなテストパターン像群や白色の特殊画像部を、それぞれ初回の機間位置合わせ処理の位置よりも40[mm]だけシート搬送方向の後方にずらした位置に形成する。また、2、3、4回目の再利用時にも、それぞれテストパターン像群や白色の特殊画像部を、40[mm]ずつ後方に順次ずらして形成していく。
また、第2画像形成機200は、画像検知センサー240をシート幅方向に移動させる図示しないセンサー移動手段を備えている。そして、このセンサー移動手段により、図7に示すように、テストパターン像群内の3つのテストパターン像をそれぞれ個別に検知する第1検知部240a、第2検知部240b、第3検知部240cの被検対象とするシート面領域をシート搬送方向にずらす。これにより、第1検知部240a、第2検知部240b、第3検知部240cの被検対象とするシート面領域を、それぞれ第1位置と第2位置とで切り替えることができる。
第2画像形成機200の制御部290は、初回の機間位置合わせ処理や、再利用1回目〜4回目においては、第1検知部240a、第2検知部240b、及び第3検知部240cからなる画像検知センサー240を、次のような第1位置に位置させている。即ち、図7に示すように、シート右端部に形成されたテストパターン像500を第1検知部240aに検知させる位置である。この状態で、上述したように、1回目〜4回目のテストシート再利用を行う。そして、テストシート収容カセット239内に収容している全てのテストシートについて、4回のテストシート再利用を終えると、画像検知センサー240を、次のような第2位置に移動させる。即ち、シート右端部よりも20[mm]だけ左側にずれた領域を第1検知部240aの被検領域とする位置である。そして、5回目〜9回目のテストシート再利用時には、それぞれ、テストパターン像群や白色の特殊画像部を、1回目〜4回目のテストシート再利用時よりも20[mm]だけ左側にずれた領域に形成する。なお、5回目のテストシート再利用時におけるテストパターン像群の副走査方向の形成位置は、初回の機間位置合わせ処理のときと同じである。6〜9回目のテストシート再利用時には、それぞれ40[mm]ずつ、形成位置をシート搬送方向の後方にずらしていく。このような処理により、図7に示したように、テストシートを9回再利用することを可能にしている。
次に、実施形態に係る画像形成システムの各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係る画像形成システムの構成は、実施形態と同様である。
[第1変形例]
第1変形例に係る画像形成システムでは、テストシートとして、黒色シートがユーザーによってセットされることを前提にした機間位置合わせ処理を実施する。この機間位置合わせ処理において、第1画像形成機100は、黒色のテストシートに対し、C用のプロセスユニット2Cを用いて、テストパターン像群を形成する。このテストパターン像群は、図4に示したテストパターン像群から、背景用横ベタトナー像502と、背景用斜めベタトナー像504とを省いたものである。つまり、第1変形例に係る画像形成システムによって形成されるテストパターン像群は、Cトナーによって形成される点と、背景用のベタトナー像を含まない点とが、実施形態のものと異なっている。その他の点は、実施形態のものと同様である。
[第1変形例]
第1変形例に係る画像形成システムでは、テストシートとして、黒色シートがユーザーによってセットされることを前提にした機間位置合わせ処理を実施する。この機間位置合わせ処理において、第1画像形成機100は、黒色のテストシートに対し、C用のプロセスユニット2Cを用いて、テストパターン像群を形成する。このテストパターン像群は、図4に示したテストパターン像群から、背景用横ベタトナー像502と、背景用斜めベタトナー像504とを省いたものである。つまり、第1変形例に係る画像形成システムによって形成されるテストパターン像群は、Cトナーによって形成される点と、背景用のベタトナー像を含まない点とが、実施形態のものと異なっている。その他の点は、実施形態のものと同様である。
テストパターン像群をKトナーで形成しない理由は、テストシートとして黒色のシートを用いているからである。Cトナーによってテストパターン像群を形成することで、黒色のテストシート上でも、テストパターン像群とシートとのコントラストの違いを明確にすることができる。また、Kを除いたY,M,Cの3色のうち、C色を採用したのは、CはKに次いで1次転写工程が下流側になるからである。C色を採用することで、Y色やM色を採用する場合に比べて、機間位置合わせ処理の実施時間を短縮することができるのである。
黒色のテストシートの初回給紙については、給紙カセット11から行ってもよいし、手差しトレイ13から行ってもよい。第1画像形成機100によってテストパターン像群が形成されたテストシートは、第2画像形成機200に送られる。そして、そのテストシートには、実施形態と同様の白色横ライン像505と白色斜めライン像506とが形成される。テストシートが黒色であるので、背景用のベタトナー像を形成しなくても、白色横ライン像505や白色斜めライン像506をシート上で画像検知センサー240に認識させることができる(シート表面での拡散反射光量と白色のライン像上での拡散反射光量とを大きく異ならせることができる)。第1変形例で用いた画像検知センサーでは、黒色のテストシート表面を被検対象にしているときの出力電圧が0.5[V]であるのに対し、白色横ライン像505や白色斜めライン像506を被検対象にしているときの出力電圧が3.5[V]であった。また、C色のテストパターン像を被検対象にしているときの出力電圧が3.2[V]であった。そこで、黒色のテストシートと、C色や白色のトナー像との境界を検出するための電圧閾値を、2.0[V]に設定した。そして、黒色のテストシートの検知によって出力電圧が0.5[V]まで低下した後、2.0[V]以上になった時点を、C色や白色のトナー像の先端を検知したタイミングとして取り扱うように、第2画像形成機200の制御部290を構成した。このようにすることで、白色横ライン像505や白色斜めライン像506を精度良く検知することができた。
なお、機間位置合わせ処理を実施するにあたり、使用するテストシートについて黒色のシートであるか否かを検査するための検査手段を設けることが望ましい。かかるセンサーとしては、反射型フォトセンサーによるシート表面上での反射光量の検知結果に基づいて、黒色のシートであるか否かを検査するものを例示することができる。
[第2変形例]
第2変形例に係る画像形成システムでは、テストシートとして、透明のOHPシートがユーザーによってセットされることを前提にした機間位置合わせ処理を実施する。この機間位置合わせ処理において、第1画像形成機100は、透明のOHPシートに対し、K用のプロセスユニット2Kを用いて、テストパターン像群を形成する。このテストパターン像群は、図4に示したテストパターン像群から、背景用横ベタトナー像502と、背景用斜めベタトナー像504とを省いたものである。つまり、第1変形例に係る画像形成システムによって形成されるテストパターン像群は、背景用のベタトナー像を含まない点が、実施形態のものと異なっている。その他の点は、実施形態のものと同様である。K用の代わりに、Y,M,Cの何れかのプロセスユニットを用いてテストパターン像群を形成してもよいが、機間位置合わせ処理の実施時間の短縮化を図る上で、K用のプロセスユニット2Kを用いる態様が最も優れている。
第2変形例に係る画像形成システムでは、テストシートとして、透明のOHPシートがユーザーによってセットされることを前提にした機間位置合わせ処理を実施する。この機間位置合わせ処理において、第1画像形成機100は、透明のOHPシートに対し、K用のプロセスユニット2Kを用いて、テストパターン像群を形成する。このテストパターン像群は、図4に示したテストパターン像群から、背景用横ベタトナー像502と、背景用斜めベタトナー像504とを省いたものである。つまり、第1変形例に係る画像形成システムによって形成されるテストパターン像群は、背景用のベタトナー像を含まない点が、実施形態のものと異なっている。その他の点は、実施形態のものと同様である。K用の代わりに、Y,M,Cの何れかのプロセスユニットを用いてテストパターン像群を形成してもよいが、機間位置合わせ処理の実施時間の短縮化を図る上で、K用のプロセスユニット2Kを用いる態様が最も優れている。
画像検知センサー240としては、反射型フォトセンサーからなるものの代わりに、透過型フォトセンサーからなるものを用いている。発光素子から発した後、透明のOHPシートを厚み方向に透過した透過光を、受光素子によって受光する方式のものである。透過光の受光量の変化に基づいて、透明のOHPシートに形成されたトナー像を検知することができる。
透明のOHPシートの初回給紙については、給紙カセット11から行ってもよいし、手差しトレイ13から行ってもよい。第1画像形成機100によってテストパターン像群が形成されたOHPシートは、第2画像形成機200に送られる。そして、そのOHPシートには、実施形態と同様の白色横ライン像505と白色斜めライン像506とが形成される。光透過率の高い透明のOHPシートをテストシートとして用いることで、K色のテストパターン像や白色のライン像(505、506)を、透過光量の変化に基づいて検知することができる。第2変形例で用いた画像検知センサーでは、OHPシートの無垢の領域を被検対象にしているときの出力電圧が3.8[V]であるのに対し、白色横ライン像505や白色斜めライン像506を被検対象にしているときの出力電圧が1.2[V]であった。また、K色のテストパターン像を被検対象にしているときの出力電圧が0.5[V]であった。そこで、黒色や白色のトナー像と、透明のOHPシートとの境界を検出するための電圧閾値を、2.5[V]に設定した。そして、透明のOHPシートの検知によって出力電圧が3.8[V]まで上昇した後、2.5[V]以下になった時点を、K色や白色のトナー像の先端を検知したタイミングとして取り扱うように、第2画像形成機200の制御部290を構成した。このようにすることで、白色横ライン像505や白色斜めライン像506を精度良く検知することができた。
なお、機間位置合わせ処理を実施するにあたり、使用するテストシートについて透明のOHPシートであるか否かを検査するための検査手段を設けることが望ましい。かかるセンサーとしては、透過型フォトセンサーによるシートに対する透過光量の検知結果に基づいて、透明のOHPシートであるか否かを検査するものを例示することができる。
以上、実施形態に係る画像形成システムにおいては、第2画像形成機200内における特殊画像部形成手段たるプロセスユニット202による像形成位置を通過した後、特殊トナーによって記録シートに形成された特殊画像部の定着処理を施す定着装置231に進入する前の記録シートを被検対象とする位置に、画像検知手段たる画像検知センサー240を配設している。かかる構成では、定着処理によって特殊トナーを変性させてしまう前の特殊画像部を、画像検知センサー240に検知させることができる。これにより、実施形態のように、定着処理によって透明に変化する特殊トナーを用いる場合には、透明に変化する前の特殊画像部を被検対象にすることができる。なお、特殊トナーとして、発泡トナーを用いる場合には、発泡によって立体化する前の特殊画像部を被検対象にすることで、その位置をより正確に検知することが可能になる。
また、実施形態に係る画像形成システムにおいては、第2画像形成機200のプロセスユニット202として、特殊トナーである白色トナーを用いて特殊画像部を形成するものを設けている。かかる構成では、白色トナーからなる特殊画像部を形成することができる。
また、実施形態に係る画像形成システムにおいては、画像検知センサー240として、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいてシート上の被検用画像部たるテストパターン像500や被検用特殊画像部(505、506)を検知するものを用いている。また、テストシートに対してテストパターン像500を形成することに加えて、被検用特殊画像部の背景となる背景用ベタトナー像(502、504)を形成する処理を実施するように、第1画像形成機100の制御部90を構成している。更に、背景用ベタトナー像の上に、それよりも小さな被検用特殊画像部(502、504)を白色トナーによって重ねて形成する処理を実施するように、第2画像形成機200の制御部290を構成している。かかる構成では、既に説明したように、白色のテストシートに形成した白色の被検用特殊画像部を、画像検知センサー240に検知させることができる。
また、第2変形例に係る画像形成システムにおいては、画像検知センサー240として、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいてテストパターン像500や被検用特殊画像部を検知するものを用いている。また、白色ではない色である黒色を帯びた記録シートに対して、その記録シートとは異なる色であるCトナーによってテストパターン像500を形成する処理を実施するように、第1画像形成機200の制御部290を構成している。かかる構成では、既に説明したように、背景用ベタトナー像を形成しなくても、白色の被検用特殊画像部を画像検知センサー240に検知させることができる。
また、第3変形例に係る画像形成システムにおいては、画像検知センサー240として、記録シートに向けて照射した光のシート厚み方向の透過量に基づいてテストパターン像500や被検用特殊画像部を検知するものを用いている。また、透明の記録シートであるOHPシートに対して被検用画像部を形成する処理を実施するように、第1画像形成機100の制御部90を構成している。かかる構成では、既に説明したように、背景用ベタトナー像を形成しなくても、白色の被検用特殊画像部を画像検知センサー240に検知させることができる。
また、実施形態や各変形例に係る画像形成システムにおいては、特殊トナーとして、第2画像形成機200の定着装置230による定着処理で白色から透明に変化するものを用いている。また、特殊画像部として定着処理によって透明に変化した透明トナー層による光沢画像部を形成するように、第2画像形成機200のプロセスユニット202を構成している。かかる構成では、透明トナー層による光沢画像部であっても、それを透明に変化させる前の白色の状態で、画像検知センサー240に検知させることができる。
また、実施形態や各変形例に係る画像形成システムにおいては、テストパターン像500及び被検用特殊画像部が形成されたテストシートと、外部から送られてきた画像情報に基づく画像が形成された記録シートである一般的なプリントアウト紙とを仕分けする仕分け手段たる切替爪233と、テストシートとプリントアウト紙とのうち、テストシートだけを収容するシート収容手段たるテストシート収容カセット239とを、第2画像形成機200に設けている。かかる構成では、出力されたシートの中からテストシートを仕分けするという手間のかかる作業を無くすことができる。
また、実施形態や各変形例に係る画像形成システムにおいては、テストパターン像500や被検用特殊画像部を形成するために第1画像形成機100にセットされるテストシートについて、過去に何回使用したかを示す使用履歴回数の情報を取得する上方取得手段として、第1画像形成機100の制御部90を機能させている。具体的には、テストシート収容カセット239の満杯エラーが検知されるまでのカセット内のシート収容枚数をカウントし、満杯エラーが発せされた後、カセット内のテストシートの再利用を開始すると、その使用履歴回数を順次カウントするように、制御部90や制御部290を構成している。そして、その使用履歴回数に応じて、テストシートの搬送方向におけるテストパターン像500、特殊トナーによる被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更する処理を実施するように、第1画像形成機100、第2画像形成機200の制御部290をそれぞれ構成している。かかる構成では、テストシートの再利用時に、使用履歴回数に応じてテストパターン像500や被検用特殊画像部の形成位置をシート搬送方向にずらすことで、再利用時のテストパターン像500や被検用特殊画像部を過去のトナー像の上に重ねることなく形成することができる。
また、画像検知センサー240を記録シートの面方向に沿ってシート搬送方向と直交する方向に移動させる移動手段を設けている。そして、テストシートの使用履歴回数に応じて、テストシート表面の搬送方向と直交する方向におけるテストパターン像500、被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更したり、画像検知センサー240の位置を移動手段によって変更したりする処理を実施するように、第1画像形成機100、第2画像形成機200の制御部290をそれぞれ構成している。かかる構成では、シート搬送方向のみならず、それと直交する方向においても、テストパターン像500や被検用特殊画像部の形成位置を変化させて、テストシートの再利用回数を更に増やすことができる。
また、実施形態や各変形例に係る画像形成システムにおいては、テストシート収容カセット239内におけるシート収容量の満杯エラーを検知する満杯エラー検知センサーを設けているので、カセットからのシートの溢れを事前に回避することができる。
また、実施形態に係る画像形成システムにおいては、第1画像形成機100における複数のプロセスユニットのうち、中間転写体たる中間転写ベルト21に対するトナー像の重ね合わせ転写工程が最後になるK用のプロセスユニット2Kによってテストパターン像500を形成する処理を実施するように、第1画像形成機100の制御部90を構成している。かかる構成では、既に説明したように、他色のプロセスユニットによってテストパターン像500を形成する場合に比べて、機間位置合わせ処理の実施時間を短くすることができる。
P:記録シート
2Y,M,C,K:プロセスユニット(トナー像形成手段の一部)
20:転写ユニット(トナー像形成手段の一部)
90:制御部(第1画像形成機の制御手段)
100:第1画像形成機
200:第2画像形成機
202:プロセスユニット(特殊画像部形成手段の一部)
225:転写ローラ(特殊画像部形成手段の一部)
233:切替爪(仕分け手段)
239:テストシート収容カセット(シート収容手段)
240:画像検知センサー(画像検知手段)
290:制御部(第2画像形成機の制御手段)
2Y,M,C,K:プロセスユニット(トナー像形成手段の一部)
20:転写ユニット(トナー像形成手段の一部)
90:制御部(第1画像形成機の制御手段)
100:第1画像形成機
200:第2画像形成機
202:プロセスユニット(特殊画像部形成手段の一部)
225:転写ローラ(特殊画像部形成手段の一部)
233:切替爪(仕分け手段)
239:テストシート収容カセット(シート収容手段)
240:画像検知センサー(画像検知手段)
290:制御部(第2画像形成機の制御手段)
Claims (12)
- 記録シートに対してトナーによってトナー像を形成するトナー像形成手段、及び、このトナー像形成手段の駆動を制御する制御手段を用いて画像を形成する第1画像形成機と、
この第1画像形成機から送り出された記録シートに対し、特殊トナーによる特殊な質感の画像部である特殊画像部を形成する特殊画像部形成手段、及び、この特殊画像部形成手段の駆動を制御する制御手段、を有し、前記第1画像形成機に対してオプション搭載される第2画像形成機と
を備える画像形成システムにおいて、
記録シートに対して画像位置検知用の画像部である被検用画像部を前記トナー像形成手段によって形成する処理を所定のタイミングで実施するように、前記第1画像形成機の制御手段を構成し、
前記被検用画像部が形成された記録シートに対し、画像位置検知用の特殊画像部である被検用特殊画像部を前記特殊画像部形成手段によって形成する処理を実施するように、前記第2画像形成機の制御手段を構成し、
且つ、記録シートに形成された前記被検用画像部及び被検用特殊画像部をそれぞれ検知する画像検知手段と、
前記画像検知手段によるそれら画像部の検知タイミングに基づいて、前記被検用画像部と前記被検用特殊画像部との位置ずれ量を算出する算出手段と、
この算出手段による算出結果に基づいて、前記第1画像形成機による画像部の形成位置、あるいは、前記第2画像形成機による特殊画像部の形成位置を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項1の画像形成システムにおいて、
前記第2画像形成機内における前記特殊画像部形成手段を通過した後、前記特殊画像部の定着処理を施す定着手段に進入する前の記録シートを被検対象とする位置に、前記画像検知手段を配設したことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項2の画像形成システムにおいて、
前記特殊画像部形成手段として、特殊トナーである白色トナーを用いて前記特殊画像部を形成するものを設けたことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項3の画像形成システムであって、
前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、
前記第1画像形成機の制御手段が、記録シートに対して前記被検用画像部を形成することに加えて、前記被検用特殊画像部の背景となる背景用ベタトナー像を形成する処理を実施するものであり、
且つ、前記第2画像形成機の制御手段が、前記背景用ベタトナー像の上に、それよりも小さな前記被検用特殊画像部を白色トナーによって重ねて形成する処理を実施するものであることを特徴とする画像形成システム。 - 請求項3の画像形成システムであって、
前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光の反射量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、
且つ、前記第1画像形成機の制御手段が、白色ではない色を帯びた記録シートに対して、その記録シートとは異なる色のトナーによって前記被検用画像部を形成する処理を実施するものであることを特徴とする画像形成システム。 - 請求項3の画像形成システムにおいて、
前記画像検知手段が、記録シートに向けて照射した光のシート厚み方向の透過量に基づいて前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を検知するものであり、
且つ、
前記第1画像形成機の制御手段が、透明の記録シートに対して前記被検用画像部を形成する処理を実施するものであることを特徴とする画像形成システム。 - 請求項3乃至6の何れかの画像形成システムであって、
前記白色トナーが、前記第2画像形成機の定着装置による定着処理で白色から透明に変化するものであり、
且つ、前記特殊画像部形成手段が、前記特殊画像部として前記定着処理によって透明に変化した透明トナー層による光沢画像部を形成するものであることを特徴とする画像形成システム。 - 請求項1乃至7の何れかの画像形成システムにおいて、
前記被検用画像部及び被検用特殊画像部が形成された記録シートと、外部から送られてきた画像情報、あるいは読取手段による原稿画像の読み取りで得られた画像情報に基づく画像が形成された記録シートとを仕分けする仕分け手段と、
前者の記録シートと後者の記録シートとのうち、前者の記録シートだけを収容するシート収容手段とを、前記第2画像形成機に設けたことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項1乃至8の何れかの画像形成システムにおいて、
前記被検用画像部や前記被検用特殊画像部を形成するために前記第1画像形成機にセットされる記録シートについて、過去に何回使用したかを示す使用履歴回数の情報を取得する情報取得手段を設けるとともに、
前記情報取得手段による取得結果に応じて、記録シートの搬送方向における前記被検用画像部、前記被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更する処理を実施するように、前記第1画像形成機、前記第2画像形成機の制御手段をそれぞれ構成したことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項1乃至9の何れかの画像形成システムにおいて、
前記被検用画像部及び前記被検用特殊画像部を形成するために前記第1画像形成機にセットされる記録シートについて、過去に何回使用したかを示す使用履歴回数の情報を取得する情報取得手段と、
前記画像検知手段を記録シートの面方向に沿ってシート搬送方向と直交する方向に移動させる移動手段とを設けるとともに、
前記情報取得手段による取得結果に応じて、記録シート表面の搬送方向と直交する方向における前記被検用画像部、前記被検用特殊画像部の形成位置をそれぞれ変更したり、前記画像検知手段の位置を前記移動手段によって変更したりする処理を実施するように、前記第1画像形成機、前記第2画像形成機の制御手段をそれぞれ構成したことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項8の画像形成システムにおいて、
前記シート収容手段内におけるシート収容量の満杯エラーを検知する満杯エラー検知手段を設けたことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項1乃至11の何れかの画像形成システムにおいて、
潜像担持体と、潜像担持体の表面の潜像を現像してトナー像を得る現像手段とを具備する複数のユニットと、それらユニットの潜像担持体上のトナー像を中間転写体に重ね合わせて転写した後、記録シートに転写する転写手段とを用いて記録シートにトナー像を形成するように前記トナー像形成手段を構成し、
且つ、複数の前記ユニットのうち、前記中間転写体に対するトナー像の重ね合わせ転写工程が最後になるユニットによって前記被検用画像部を形成する処理を実施するように、前記第1画像形成機の制御手段を構成したことを特徴とする画像形成システム。
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