JP2011100572A - 誘導加熱調理器および誘導加熱調理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明は、簡便な構成により、被加熱体の表面状態をも加味して被加熱体の表面温度を精度よく推定して、より効率的な加熱制御を実現する誘導加熱調理器および誘導加熱調理方法を提供する。
【解決手段】本願発明に係る誘導加熱調理器は、高周波電流の供給開始後の所定の時間変化率算出期間において、赤外線センサで検出した赤外線量の時間変化率を算出する時間変化率算出手段と、被加熱体で消費された電力を算出する消費電力算出手段と、赤外線量の時間変化率および被加熱体の消費電力に基づいて、該被加熱体の放射率(ε)を推定する放射率推定手段と、時間変化率算出期間が経過した後において、放射率推定手段で推定された放射率(ε)および赤外線センサで検出した赤外線量に基づいて、被加熱体の温度を推定する温度推定手段とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】本願発明に係る誘導加熱調理器は、高周波電流の供給開始後の所定の時間変化率算出期間において、赤外線センサで検出した赤外線量の時間変化率を算出する時間変化率算出手段と、被加熱体で消費された電力を算出する消費電力算出手段と、赤外線量の時間変化率および被加熱体の消費電力に基づいて、該被加熱体の放射率(ε)を推定する放射率推定手段と、時間変化率算出期間が経過した後において、放射率推定手段で推定された放射率(ε)および赤外線センサで検出した赤外線量に基づいて、被加熱体の温度を推定する温度推定手段とを備える。
【選択図】図3
Description
本願発明は、誘導加熱調理器および誘導加熱調理方法に関し、とりわけ鍋などの被加熱体の温度を、赤外線センサを含む簡便な構成で精度よく測定可能な誘導加熱調理器および誘導加熱調理方法に関する。
一般に、黒体から放射される赤外線量(W)は、その表面温度(T)の4乗に比例するが[シュテファン−ボルツマンの法則(W=σ×T4、σ:シュテファン−ボルツマン係数)]、金属などの実際の物体の表面から生じる赤外線量(W)は、たとえば金属の光沢や表面凹凸が大きいほど、物体表面の放射率(ε,0<ε<1)に依存して小さくなる(W=ε×σ×T4)ことが知られている。
したがって、IHクッキングヒータなどの誘導加熱調理器において、赤外線センサで検出された赤外線量(W)により被加熱体の表面温度(T)を測定する際には、被加熱体の放射率(ε)を測定または検出して、赤外線量(W)から得られる表面温度(T)を放射率(ε)で補正または矯正する必要がある。
したがって、IHクッキングヒータなどの誘導加熱調理器において、赤外線センサで検出された赤外線量(W)により被加熱体の表面温度(T)を測定する際には、被加熱体の放射率(ε)を測定または検出して、赤外線量(W)から得られる表面温度(T)を放射率(ε)で補正または矯正する必要がある。
たとえば特許文献1に記載の加熱調理器は、負荷検知手段より被加熱体の材質を推定した上で、被加熱体の放射率がその材質に依存することから被加熱体の材質の固有の放射率を求めた後、この放射率を用いて、赤外線センサで検出された赤外線量を補正して被加熱体の表面温度を推定しようとするものである。
また特許文献2に記載の加熱調理器は、赤外線センサとは別体の赤外線発光手段を有し、発光手段からの赤外光が被加熱体で反射したものを赤外線センサが受光することにより被加熱体の反射率を算出し、キルヒホッフの法則(=1−(放射率))より得られた放射率をにより赤外線量を補正して被加熱体の表面温度を算出しようとするものである。
しかしながら、特許文献1において、実際の金属表面などから生じる赤外線量(W)は、上述のように、金属の材質のみならず、金属の光沢や表面凹凸にも依存し、被加熱体の材質だけで得られた放射率により赤外線量を補正して得られた被加熱体の表面温度は、実測された表面温度とは大きく異なる場合がある。たとえば、被加熱体の表面凹凸が想定されたものより大きく、設定された放射率が実際のものより大きいとき、被加熱体の表面温度の推定値は実際の表面温度より小さくなる。このとき、表面温度の推定値に基づいて加熱調理器の加熱コイルにより多くの電力を投入するように制御すると、被加熱体が予定した温度より高温となって(過熱され)、とりわけ油を用いた揚げ物料理などの際に、安全性を損なう場合がある。
また特許文献2において、発光手段からの赤外光を用いて被加熱体の反射率を精度よく測定できるものの、こうした発光手段を別途設ける必要があり、部品点数が増大し、組み立て作業が煩雑となるので、製造コストの増大をもたらす。
そこで本願発明は、放射率を検出するための発光手段を別途設けることなく、すなわち簡便な構成により、被加熱体の表面状態(光沢や表面凹凸)を加味して被加熱体の表面温度を精度よく推定し、その推定温度を用いて、より効率的な加熱制御を実現する誘導加熱調理器および誘導加熱調理方法を提供することを目的とする。
本願発明に係る誘導加熱調理器は、トッププレートと、前記トッププレート上に載置された被加熱体を誘導加熱するための加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するための高周波電源と、前記トッププレートを介して前記被加熱体から放射される赤外線量を検出する赤外線センサと、高周波電流の供給開始後の所定の時間変化率算出期間において、前記赤外線センサで検出した赤外線量の時間変化率を算出する時間変化率算出手段と、前記被加熱体で消費された電力を算出する消費電力算出手段と、赤外線量の時間変化率および前記被加熱体の消費電力に基づいて、該被加熱体の放射率(ε)を推定する放射率推定手段と、時間変化率算出期間が経過した後において、前記放射率推定手段で推定された放射率(ε)および前記赤外線センサで検出した赤外線量に基づいて、前記被加熱体の温度を推定する温度推定手段とを備えたことを特徴とするものである。
本願発明に係る誘導加熱調理器および誘導加熱調理方法によれば、放射率を検出するための専用部品を別途設けることなく簡便な構成により、被加熱体の表面状態(光沢や表面凹凸)をも加味して被加熱体の表面温度を精度よく推定して、より効率的な加熱制御を実現することができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態を説明する。各実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「上」または「下」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。また以下の添付図面において、同様の構成部品については同様の符号を用いて参照する。
実施の形態1.
図1〜図6を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態1について以下詳細に説明する。図1は誘導加熱調理器1の部分的な断面図であり、図2は図1の部分的拡大図である。図1および図2に示す誘導加熱調理器1は、トッププレート5と、その上方に載置された鍋などの被加熱体Pを誘導加熱するための渦巻状に捲回された誘導加熱コイル(以下、単に「加熱コイル」という。)10と、トッププレート5の下方に配設され、被加熱体Pからの赤外線を検出して電気信号に変換する赤外線センサ20とを有する。
図1〜図6を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態1について以下詳細に説明する。図1は誘導加熱調理器1の部分的な断面図であり、図2は図1の部分的拡大図である。図1および図2に示す誘導加熱調理器1は、トッププレート5と、その上方に載置された鍋などの被加熱体Pを誘導加熱するための渦巻状に捲回された誘導加熱コイル(以下、単に「加熱コイル」という。)10と、トッププレート5の下方に配設され、被加熱体Pからの赤外線を検出して電気信号に変換する赤外線センサ20とを有する。
図2に示す被加熱体Pは、加熱コイル10により実質的に誘導加熱される被加熱層7と、最外層である赤外線放射層8とを有し、被加熱層7は磁性金属からなり、赤外線放射層8は被加熱層7と同一の磁性金属または被加熱層7上に塗布または形成された塗料や釉薬などで構成されている。また被加熱体Pは、加熱調理すべき食品9等を内部に収容している。
図3は実施の形態1による誘導加熱調理器1の概略的な電気的構成を示す回路ブロック図である。誘導加熱調理器1は、概略、二相または三相の商用電源12からの交流電流を直流電流に整流する整流回路13と、加熱コイル10に所定の駆動周波数を有する高周波電流を供給する駆動回路14と、加熱コイル10およびこれに直列に接続された共振コンデンサ15からなるLCR誘導加熱部16と、LCR誘導加熱部16の両端に印加される駆動電圧Vを検出する駆動電圧検出手段17と、LCR誘導加熱部16に流れる駆動電流Iを検出する駆動電流検出手段18と、駆動電圧検出手段17および駆動電流検出手段18に電気的に接続された電力算出回路19とを有する。
具体的には、整流回路13は、全波整流または半波整流するものであってもよく、直流成分を得るためのインダクタンスやコンデンサを含むフィルタ回路(ともに図示せず)を有するものであってもよい。また駆動回路14は、IGBTなどのスイッチング素子(図示せず)を含むインバータ回路であり、インバータ駆動する回路であれば任意のものを用いることができ、たとえばハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路で構成することができる。
LCR誘導加熱部16は、上述のように、加熱コイル10およびこれに直列に接続された共振コンデンサ15からなり、加熱コイル10は、図3において、インダクタンスLと負荷抵抗Rの等価回路として図示されている。図中、インダクタンスLの上方に図示したものは、鍋などの被加熱体Pである。加熱コイル10に高周波電流が供給されると、図1および図2の破線11に示すように、その周囲に交流磁場を形成し(交流磁場が導電体からなる被加熱体Pに鎖交し)、被加熱体Pに渦電流を形成して、被加熱体Pを加熱する。
一般に、LCR誘導加熱部16の負荷抵抗Rは、被加熱体Pの有無または載置状態(被加熱体Pに鎖交する交流磁場)に依存して変動する。すなわち負荷抵抗Rは、鍋Pが載置されていないときの加熱コイル10自体の線抵抗RCに、鍋Pを載置したことによる鍋Pの見かけ上の負荷抵抗RLを加えたものに相当する(R=RC+RL)。
ここで駆動電圧検出手段17は、LCR誘導加熱部16の両端に印加される駆動電圧(出力電圧)Vを検出するものであれば当業者により容易に想到される任意の回路構成を有するものであってもよい。同様に、駆動電流検出手段18は、LCR誘導加熱部16に流れる駆動電流(出力電流)Iを測定するものであれば任意の回路構成を有するものであってもよく、たとえばカレントトランスを採用してもよい。
したがって、電力算出回路19は、鍋Pを載置したときの負荷抵抗Rで消費された電力から、鍋Pを載置しないときの加熱コイル10自体の線抵抗RCで消費される既知の電力を差し引くことにより、鍋Pなどの被加熱体の見かけ上の負荷抵抗RLで消費された電力(以下、本願では便宜上「被加熱体Pの消費電力」という。)を算出することができる。
また本願発明に係る誘導加熱調理器1は、概略、赤外線センサ20で検出された赤外線量の時間変化率を算出する回路(以下、単に「時間変化率算出回路」という。)30と、時間変化率算出回路30で算出された赤外線量の時間変化率および被加熱体Pの消費電力に基づいて被加熱体Pの放射率を推定する回路(以下、単に「放射率推定回路」という。)40と、放射率推定回路40で得られた放射率および赤外線センサ20で検出された赤外線量に基づいて被加熱体Pの温度を推定する回路(以下、単に「温度推定回路」という。)50とを有する。
さらに本願発明に係る誘導加熱調理器1は、温度推定回路50で推定された被加熱体Pの温度および被加熱体Pの消費電力に基づいて、適正な駆動電流Iおよび駆動電圧VでLCR誘導加熱部16に給電するように駆動回路14を制御するための制御回路60を有する。
より具体的には、時間変化率算出回路30は、加熱コイル10への高周波電流の供給開始後、赤外線センサ20から連続的に出力される赤外線量(W)を時分割して記憶する赤外線量メモリ32を有し、所定の短い期間(たとえば数十ミリ秒〜数十秒のオーダ)において赤外線量が時間とともに増大する変化率を算出するものである。本願発明によれば、加熱コイル10への給電開始後の所定の短い期間(以下、本願発明では「時間変化率算出期間(t0)」という。)においては、被加熱体Pの消費電力は被加熱体Pのみを加熱し、被加熱体Pに収容される食品等を加熱しないものと仮定する。
図4は、時間変化率算出期間(t0)を含む期間において、被加熱体Pの温度(実線34)および被加熱体P内の食品9の温度(破線35)をプロットしたグラフであり、食品9の温度は時間変化率算出期間(t0)において実質的に変化がなく、時間変化率算出期間(t0)を経過した後に上昇し始めるものとする。
本願発明によれば、時間変化率算出期間(t0)における被加熱体Pの消費電力は、上述のように被加熱体Pの温度上昇にのみ寄与するので、被加熱体Pが黒体である(放射率が1)としたとき、被加熱体Pの上昇温度または温度変化率(すなわち赤外線量の時間変化率)と被加熱体Pの消費電力とを関連付けることが可能である。したがって、被加熱体Pが黒体でない(放射率が1でなく、可変である)とした場合には、時間変化率算出回路30で実際に検出された赤外線量の時間変化率、および電力算出回路19で算出された被加熱体Pの消費電力を2変数パラメータの関数として、被加熱体Pの放射率を事前に設定することができる。
具体的には、本願発明に係る放射率推定回路40は、複数(m)の赤外線量時間変化率および複数(n)の被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε1)を事前に設定した第1の放射率テーブル(表1)を記憶する放射率メモリ(第1のメモリ)42を有し(m,nは自然数)、時間変化率算出回路30で検出された赤外線量の時間変化率および電力算出回路19で算出された被加熱体Pの消費電力に基づき、放射率メモリ42を参照することにより被加熱体Pの放射率(ε1)を推定することができる。
なお被加熱体Pの消費電力はワットの単位で表されるが、赤外線量時間変化率は、通常、単位時間あたりの赤外線量(光強度)の単位を有し、赤外線センサ20を用いて赤外線量を測定する場合には、単位時間あたりの電圧として検出される。
こうして、本願発明に係る放射率推定回路40は、被加熱体Pの赤外線放射層8における表面状態(酸化状態や凹凸状態)を参酌して補正された被加熱体Pの放射率(ε1)を得ることができる。
なお被加熱体Pの消費電力はワットの単位で表されるが、赤外線量時間変化率は、通常、単位時間あたりの赤外線量(光強度)の単位を有し、赤外線センサ20を用いて赤外線量を測定する場合には、単位時間あたりの電圧として検出される。
こうして、本願発明に係る放射率推定回路40は、被加熱体Pの赤外線放射層8における表面状態(酸化状態や凹凸状態)を参酌して補正された被加熱体Pの放射率(ε1)を得ることができる。
一般に、物体から放射される赤外線量(W)は、上述のように、その放射率(ε,0<ε<1)、および表面温度(T)の4乗に比例する(W=ε×σ×T4)。図5は、表面温度(T)と赤外線量(W)の関係を概略的にプロットするグラフである。こうして、本願発明に係る温度推定回路50は、補正された被加熱体Pの放射率(ε1)および物体から放射される赤外線量(W)からより正確な表面温度(T)を推定することができる。
以上のように、本願発明によれば、被加熱体Pの赤外線放射層8における表面状態を参酌して補正された被加熱体Pの放射率(ε1)を用いて、赤外線放射層8の表面温度(T)を推定するので、実際の鍋Pの光沢および傷の有無などの表面状態に呼応して、より精緻で、実測値により近い鍋Pの温度を検出することができる。
なお、こうして検出された鍋Pの推定温度の情報は制御回路60に送信され、制御回路60は、より実測値に近い推定温度および被加熱体Pの消費電力に基づいて、最適化された駆動電流Iおよび駆動電圧VでLCR誘導加熱部16に給電するように駆動回路14を制御することができる。その結果、本願発明に係る誘導加熱調理器1は、被加熱体Pの温度を正確に検出できるので、被加熱体Pを必要以上に加熱することなく、より安全かつ効率的な加熱制御を実現することができる。また本願発明に係る誘導加熱調理器1は、前掲の特許文献2のように、発光手段を別途設ける必要がなく、簡便で安価な構成で被加熱体Pの温度を正確に推定することができる。
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理方法について説明する。
ステップST01において、誘導加熱調理器1のトッププレート5上に被加熱体Pを載置した後、図示しないユーザ操作の電源スイッチをトリガとして、制御回路60は、所定の投入電力でLCR誘導加熱部16への給電を開始する。
ステップST01において、誘導加熱調理器1のトッププレート5上に被加熱体Pを載置した後、図示しないユーザ操作の電源スイッチをトリガとして、制御回路60は、所定の投入電力でLCR誘導加熱部16への給電を開始する。
ステップST02において、赤外線センサ20は、LCR誘導加熱部16への給電開始と同時に赤外線量を検出する。
ステップST03において、時間変化率算出回路30は、給電開始後の時間変化率算出期間(t0)において、赤外線センサ20から連続的に出力される赤外線量(W)を時分割して赤外線量メモリ32に格納するとともに、赤外線量(W)の時間変化率を算出する。このとき時間変化率算出期間(t0)は、被加熱体Pの消費電力は被加熱体Pのみを加熱し、被加熱体Pに収容される食品9等を加熱しない程度に短いものとする。
ステップST04において、電力算出回路19は、LCR誘導加熱部16の駆動電圧Vおよび駆動電流Iから被加熱体Pの消費電力を算出する。
ステップST05において、放射率推定回路40は、時間変化率算出回路30で検出された赤外線量の時間変化率および電力算出回路19で算出された被加熱体Pの消費電力に基づき、表1に示す放射率テーブルを格納する放射率メモリ42を参照することにより被加熱体Pの放射率(ε1)を推定する。このとき被加熱体Pの放射率(ε1)は、赤外線センサ20で検出された赤外線量に基づいて検出されたものであるから、被加熱体Pの赤外線放射層8の表面状態を如実に反映するものである。
ステップST06において、温度推定回路50は、補正された被加熱体Pの放射率(ε1)および赤外線センサ20で検出された赤外線量(W)から赤外線放射層8の表面温度(T)を実測値により近似した値として推定する。
ステップST07において、制御回路60は、実測値により近い推定温度および被加熱体Pの消費電力に基づいて、最適化された駆動電流および駆動電圧でLCR誘導加熱部16に給電するように駆動回路14を制御する。
以上のように、本願発明に係る誘導加熱調理方法は、被加熱体Pの温度を正確に検出できるので、被加熱体Pを必要以上に加熱することなく、より安全で効率的な加熱制御を実現することができる。
以上のように、本願発明に係る誘導加熱調理方法は、被加熱体Pの温度を正確に検出できるので、被加熱体Pを必要以上に加熱することなく、より安全で効率的な加熱制御を実現することができる。
実施の形態2.
図7を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態2について以下に説明する。実施の形態2による誘導加熱調理器1は、放射率推定回路40が被加熱体Pの放射率(ε1)を推定するために、表1の放射率メモリ42の代わりに、下記の表2および表3に示す第2および第3の放射率メモリ44,45を用いる点を除き、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図7を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態2について以下に説明する。実施の形態2による誘導加熱調理器1は、放射率推定回路40が被加熱体Pの放射率(ε1)を推定するために、表1の放射率メモリ42の代わりに、下記の表2および表3に示す第2および第3の放射率メモリ44,45を用いる点を除き、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図7は、実施の形態2による誘導加熱調理器の概略的な電気的構成を示す回路ブロック図である。
実施の形態2の放射率推定回路40は、単一の赤外線量時間変化率および複数(n)の被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε2)を事前に設定した下記の第2の放射率テーブル(表2)を記憶する放射率メモリ(第2のメモリ)44と、第2の放射率テーブルの放射率(ε2)から下記の第3の放射率テーブル(表3)を算出するテーブル算出回路45とを有する。また好適には、放射率推定回路40は、算出された第3の放射率テーブルを記憶する放射率メモリ(第3のメモリ)45を有する。
実施の形態2の放射率推定回路40は、単一の赤外線量時間変化率および複数(n)の被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε2)を事前に設定した下記の第2の放射率テーブル(表2)を記憶する放射率メモリ(第2のメモリ)44と、第2の放射率テーブルの放射率(ε2)から下記の第3の放射率テーブル(表3)を算出するテーブル算出回路45とを有する。また好適には、放射率推定回路40は、算出された第3の放射率テーブルを記憶する放射率メモリ(第3のメモリ)45を有する。
すなわち実施の形態2の第2の放射率テーブルは、第1の放射率テーブルと同様、ある1つの(たとえばσ=0.1のときの)時間変化率における複数(n)の被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε2)を事前に設定したものである。そして実施の形態2のテーブル算出回路46は、任意の赤外線量の時間変化率(σi)における複数(n)の被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε3)を、第2の放射率テーブルの放射率(ε2)と被加熱体Pの消費電力を2変数とする以下の関数式を用いて算出するものである。
(数1)
ε3=F(σi,ε2) (i=2,3,4,・・・,m)
(数1)
ε3=F(σi,ε2) (i=2,3,4,・・・,m)
第2の放射率テーブルに含まれる放射率(ε2)は、第1の放射率テーブルに含まれる放射率(ε1)と同様、被加熱体Pの赤外線放射層8における表面状態を参酌して補正されたものであるので、第2の放射率テーブルの放射率(ε2)を基に算出された第3の放射率テーブルの放射率(ε3)も同様に、被加熱体Pの赤外線放射層8における表面状態を反映するものである。
こうして実施の形態2に係る放射率推定回路40は、上記のように事前設定された第2の放射率テーブルと、これより所定の関数式で算出された第3の放射率テーブルとを参照することにより被加熱体Pの放射率(ε2,3)を推定する。
なお、実施の形態2に係る放射率推定回路40は、第3の放射率テーブルの各要素εijを事前に算出するものであってもよいが、これに限定されるものではなく、上記関数式(数1)を用いて、第3の放射率テーブルの必要な要素εijのみを算出するようにしてもよい。この場合、第2の放射率テーブルを記憶する放射率メモリ(第2のメモリ)44のみを必要とし、第3の放射率テーブルの各要素εijを記憶する放射率メモリ(第3のメモリ)45を省略することができるので、部品点数を削減することができ、あるいは全体的に必要なメモリ容量を低減することができる。
さらに実施の形態2によれば、任意の赤外線量の時間変化率(σi)における被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε3)を算出するので、連続的に推移する赤外線量の時間変化率(σi)により即した被加熱体Pの放射率(ε3)を算出することができる。
なお、実施の形態2に係る放射率推定回路40は、第3の放射率テーブルの各要素εijを事前に算出するものであってもよいが、これに限定されるものではなく、上記関数式(数1)を用いて、第3の放射率テーブルの必要な要素εijのみを算出するようにしてもよい。この場合、第2の放射率テーブルを記憶する放射率メモリ(第2のメモリ)44のみを必要とし、第3の放射率テーブルの各要素εijを記憶する放射率メモリ(第3のメモリ)45を省略することができるので、部品点数を削減することができ、あるいは全体的に必要なメモリ容量を低減することができる。
さらに実施の形態2によれば、任意の赤外線量の時間変化率(σi)における被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε3)を算出するので、連続的に推移する赤外線量の時間変化率(σi)により即した被加熱体Pの放射率(ε3)を算出することができる。
実施の形態3.
図8を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態3について以下に説明する。実施の形態3の誘導加熱調理器1によれば、概略、駆動回路14が時間変化率算出期間(t0)においてLCR誘導加熱部16(加熱コイル10)に断続的に複数回にわたって電力(高周波電流)を供給する点を除き、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図8を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態3について以下に説明する。実施の形態3の誘導加熱調理器1によれば、概略、駆動回路14が時間変化率算出期間(t0)においてLCR誘導加熱部16(加熱コイル10)に断続的に複数回にわたって電力(高周波電流)を供給する点を除き、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図8は、駆動回路14が時間変化率算出期間(t0)において加熱コイル10に断続的に(パルス状に)複数回にわたって電力を供給するタイミングを示し(図8(a))、これにより加熱された被加熱体Pの被加熱層7の温度の推移を示すタイミングチャートである(図8(b))。すなわち駆動回路14は、時間変化率算出期間(t0)において、所定の電力を時間(t1)において供給(ON)した後、時間(t2)において電力供給を停止する(OFF)。このような断続的な電源供給を1周期として複数回(図8(a)では4回)繰り返す。このとき、被加熱体Pの被加熱層7は、図8(b)の実線で示すように、上記の断続的反復的な電力供給により、時間(t1)において加熱され、時間(t2)においてほぼ当初の温度まで冷却される。一方、被加熱体Pに収容される食品9等は、図8(b)の破線で示すように、実施の形態1と同様、時間変化率算出期間(t0)においては実質的に加熱されないものとする。
実施の形態3に係る時間変化率算出回路30は、加熱コイル10への給電開始後、赤外線センサ20から連続的に出力される赤外線量(W)を記憶し、時間(t1)における赤外線量の変化率を複数回にわたって算出する。好適には、時間変化率算出回路30は、複数回にわたって算出された赤外線量の変化率の平均値を算出する。このように時間変化率算出回路30は、時間変化率算出期間(t0)において赤外線量の変化率を複数回にわたって算出するので、赤外線量の変化率の検出精度を向上させることができ、ひいては被加熱体Pの温度を正確に検出できるので、被加熱体Pをオーバヒートさせることなく、より安全かつ効率的な加熱制御を実現することができる。
実施の形態4.
図9を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態4について以下に説明する。実施の形態4の誘導加熱調理器1は、概略、材質判定回路70を用いて、被加熱体Pの被加熱層7を構成する材質を特定する点を除き、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図9を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態4について以下に説明する。実施の形態4の誘導加熱調理器1は、概略、材質判定回路70を用いて、被加熱体Pの被加熱層7を構成する材質を特定する点を除き、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図9は、実施の形態4の誘導加熱調理器1の概略的な電気的構成を示す回路ブロック図である。実施の形態4の材質判定回路70は、駆動電圧検出手段17および駆動電流検出手段18に電気的に接続され、LCR誘導加熱部16の駆動電圧Vおよび駆動電流Iに基づいて被加熱体Pの被加熱層7を構成する材質(たとえば、鉄、ステンレス、アルミニウムなど)を特定するものである。材質判定回路70の具体的な構成は、当業者により広く知られた任意のものを採用することができ、本願発明の技術的範囲を減縮するものではない。
上述のように、被加熱体Pからの赤外線量は、被加熱層7を構成する材質のみならず、被加熱層P(とりわけ赤外線放射層8)の表面状態にも大きく影響を受ける。これは赤外線放射層8の表面状態により、その放射率が左右されるためである。たとえば、赤外線放射層8の表面が多くの凹凸を有するほど放射率は増大し、より光沢のあるものほど放射率は小さい。したがって、被加熱層7を構成する材質にのみ依拠し、実質的に光沢があることを無視して被加熱体Pの放射率を判断すると、前掲特許文献1と同様、加熱調理器の駆動に際して、被加熱体Pが予想以上に高温となって危険を伴う場合がある。
しかしながら、上記実施の形態で説明したように、赤外線量の時間変化率から推定された放射率に不測の誤差が含まれていた場合、被加熱層7を構成する材質から推定される被加熱体Pの放射率を補助的に参照または置換することは有用である。
そこで実施の形態4の誘導加熱調理器1は、たとえば実施の形態1で説明した赤外線量の時間変化率から推定した被加熱体Pの放射率(ε1)と、材質判定回路70を用いて被加熱層7を構成する材質から推定される被加熱体Pの放射率(ε4)の両方を参照して、最適な放射率(ε1またはε4)を選択して被加熱体Pの温度を推定しようとするものである。
具体的には、材質判定回路70で推定された被加熱体Pの材質を示す情報が放射率推定回路40に入力される。実施の形態4の放射率推定回路40は、赤外線量時間変化率および被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε1)を事前に設定した第1の放射率テーブル(表1)を記憶する放射率メモリ(第1のメモリ)42の他に、被加熱体Pの材質および被加熱体Pの消費電力に対応する放射率(ε4)を事前に設定した第4の放射率テーブル(表4)を記憶する放射率メモリ(第4のメモリ)48を有する。
なお、上記表4は被加熱体が鉄であるときの放射率(ε4)を示すが、実施の形態4の放射率メモリ(第4のメモリ)48は、被加熱体Pがその他の材質(ステンレス、アルミニウムなど)である場合も同様の放射率(ε4)を事前に設定した第4の放射率テーブルを記憶する。
放射率推定回路40は、赤外線量時間変化率から推定される放射率(ε1)、および被加熱体Pの材質から推定される放射率(ε4)を比較し、
a)ε1とε4の差が所定の閾値(εth)より大きい場合、ε1とε4のうち一方に含まれる誤差があまりにも大きいと判断し、小さい方の放射率を選択して被加熱体Pの温度を推定する。
(数2)
ε4−ε1>εthのとき、ε1を選択
ε1−ε4>εthのとき、ε4を選択
これは、ε1とε4のうち大きい方の放射率を選択して被加熱体Pの温度を推定した場合、推定温度が実際の温度より相当に低くなり、制御回路60がこの推定温度に基づいて駆動回路14を制御したとき、過大な電力が加熱コイル10に供給されて、加熱コイル10が過熱するリスクを回避するためである。
a)ε1とε4の差が所定の閾値(εth)より大きい場合、ε1とε4のうち一方に含まれる誤差があまりにも大きいと判断し、小さい方の放射率を選択して被加熱体Pの温度を推定する。
(数2)
ε4−ε1>εthのとき、ε1を選択
ε1−ε4>εthのとき、ε4を選択
これは、ε1とε4のうち大きい方の放射率を選択して被加熱体Pの温度を推定した場合、推定温度が実際の温度より相当に低くなり、制御回路60がこの推定温度に基づいて駆動回路14を制御したとき、過大な電力が加熱コイル10に供給されて、加熱コイル10が過熱するリスクを回避するためである。
一方、放射率推定回路40が赤外線量時間変化率から推定される放射率(ε1)、および被加熱体Pの材質から推定される放射率(ε4)を比較して、
b)ε1とε4の差が所定の閾値(εth)より小さい場合、赤外線放射層8の表面状態を反映する赤外線量時間変化率から推定される放射率(ε1)は、誤差を含まないと判断し、これを選択して被加熱体Pの温度を推定する。
こうして実施の形態4の放射率推定回路40は、フェールセーフの見地からより安全な制御を実現するように構成されている。
b)ε1とε4の差が所定の閾値(εth)より小さい場合、赤外線放射層8の表面状態を反映する赤外線量時間変化率から推定される放射率(ε1)は、誤差を含まないと判断し、これを選択して被加熱体Pの温度を推定する。
こうして実施の形態4の放射率推定回路40は、フェールセーフの見地からより安全な制御を実現するように構成されている。
なお、上記の実施の形態4では、放射率推定回路40は、実施の形態1の放射率(ε1)および被加熱体Pの材質から推定される放射率(ε4)を比較したが、これに限定されるものではなく、実施の形態2の放射率(ε2,3)および被加熱体Pの材質から推定される放射率(ε4)を比較して、最適な放射率を選択して被加熱体Pの温度を推定してもよい。
1:誘導加熱調理器、5:トッププレート、7:被加熱層、8:赤外線放射層、9:食品、10:加熱コイル、12:商用電源、13:整流回路、14:駆動回路、15:共振コンデンサ、16:LCR誘導加熱部、17:駆動電圧検出手段、18:駆動電流検出手段、19:電力算出回路、20:赤外線センサ、30:時間変化率算出回路、32:赤外線量メモリ、40:放射率推定回路、42:第1の放射率メモリ、44:第2の放射率メモリ、45:第3の放射率メモリ、46:テーブル算出回路、48:第4の放射率メモリ、50:温度推定回路、60:制御回路、70:材質判定回路、P:被加熱体。
Claims (12)
- トッププレートと、
前記トッププレート上に載置された被加熱体を誘導加熱するための加熱コイルと、
前記加熱コイルに高周波電流を供給するための高周波電源と、
前記トッププレートを介して前記被加熱体から放射される赤外線量を検出する赤外線センサと、
高周波電流の供給開始後の所定の時間変化率算出期間において、前記赤外線センサで検出した赤外線量の時間変化率を算出する時間変化率算出手段と、
前記被加熱体で消費された電力を算出する消費電力算出手段と、
赤外線量の時間変化率および前記被加熱体の消費電力に基づいて、該被加熱体の放射率(ε)を推定する放射率推定手段と、
時間変化率算出期間が経過した後において、前記放射率推定手段で推定された放射率(ε)および前記赤外線センサで検出した赤外線量に基づいて、前記被加熱体の温度を推定する温度推定手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 請求項1に記載の誘導加熱調理器であって、
放射率推定手段は、赤外線量の一連(m個)の時間変化率および被加熱体の一連(n個)の消費電力に基づいて設定される複数(m×n個)の放射率(ε1)の第1のテーブルを記憶する第1のメモリを有することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 請求項1に記載の誘導加熱調理器であって、
放射率推定手段は、
赤外線量の単一の時間変化率および被加熱体の一連(n個)の消費電力に基づいて設定される複数(1×n個)の放射率(ε2)の第2のテーブルを記憶する第2のメモリと、
前記第2のテーブルの放射率(ε2)と、算出された赤外線量の時間変化率ならびに被加熱体の消費電力とに基づいて、異なる赤外線量の時間変化率および被加熱体の一連(n個)の消費電力に対する複数((m−1)×n個)の放射率(ε3)の第3のテーブルを算出するテーブル算出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。 - 請求項1に記載の誘導加熱調理器であって、
高周波電源は、時間変化率算出期間において、断続的に複数回にわたって高周波電流を加熱コイルに供給し、
時間変化率算出手段は、赤外線センサで検出した赤外線量の時間変化率を複数回にわたって算出し、
温度推定手段は、算出された放射率(ε)および複数回にわたって算出された時間変化率に基づいて、被加熱体の温度を推定することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 請求項2に記載の誘導加熱調理器であって、
被加熱体の材質を推定する材質推定手段と、
推定された被加熱体の材質に基づいて設定された放射率(ε4)の第4のテーブルを記憶する第4のメモリとをさらに備え、
温度推定手段は、
i)第1のテーブルの放射率(ε1)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より大きいとき、第1のテーブルに記憶された放射率(ε1)および第4のテーブルの放射率(ε4)のうち、より小さい放射率を用いて被加熱体の温度を推定し(ε1−ε4>εThのときε4、ε4−ε1>εThのときε1)、
ii)第1のテーブルの放射率(ε1)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より小さいとき、第1のテーブルの放射率(ε1)を用いて被加熱体の温度を推定する(|ε1−ε4|<εThのときε1)ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 請求項3に記載の誘導加熱調理器であって、
被加熱体の材質を推定する材質推定手段と、
推定された被加熱体の材質に基づいて設定された放射率(ε4)を記憶する第4のテーブルを記憶する第4のメモリとをさらに備え、
温度推定手段は、
i)第2または第3のテーブルの放射率(ε2,3)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より大きいとき、第2または第3のテーブルの放射率(ε2,3)および第4のテーブルの放射率(ε4)のうち、より小さい放射率を用いて被加熱体の温度を推定し(ε2,3−ε4>εThのときε4、ε4−ε2,3>εThのときε2,3)、
ii)第2および第3のテーブルの放射率(ε2,3)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より小さいとき、第2および第3のテーブルの放射率(ε2,3)を用いて被加熱体の温度を推定する(|ε1−ε2,3|<εThのときε1)ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - トッププレート上に載置された被加熱体を誘導加熱するステップと、
トッププレートを介して被加熱体から放射される赤外線量を検出するステップと、
高周波電流の供給開始後の所定の時間変化率算出期間において、赤外線センサで検出した赤外線量の時間変化率を算出するステップと、
被加熱体で消費された電力を算出するステップと、
赤外線量の時間変化率および被加熱体の消費電力に基づいて、被加熱体の放射率(ε)を算出するステップと、
時間変化率算出期間が経過した後において、放射率推定手段で推定された放射率(ε)および赤外線センサで検出した赤外線量に基づいて、被加熱体の温度を推定するステップとを有することを特徴とする誘導加熱調理方法。 - 請求項7に記載の誘導加熱調理方法であって、
前記放射率算出ステップは、赤外線量の一連(m個)の時間変化率および被加熱体の一連(n個)の消費電力に基づいて設定される複数(m×n個)の放射率(ε1)の第1のテーブルを用いて行うことを特徴とする誘導加熱調理方法。 - 請求項7に記載の誘導加熱調理方法であって、
前記放射率算出ステップは、
赤外線量の単一の時間変化率および被加熱体の一連(n個)の消費電力に基づいて設定される複数(1×n個)の放射率(ε2)の第2のテーブルと、
第2のメモリに記憶された放射率(ε2)、および算出された赤外線量の時間変化率ならびに被加熱体の消費電力に基づいて、異なる赤外線量の時間変化率および被加熱体の一連(n個)の消費電力に対する複数((m−1)×n個)の放射率(ε3)の第3のテーブルとを用いて行うことを特徴とする誘導加熱調理方法。 - 請求項7に記載の誘導加熱調理方法であって、
前記誘導加熱ステップは、時間変化率算出期間において、断続的に複数回にわたって高周波電流を加熱コイルに供給し、
前記放射率算出ステップは、赤外線センサで検出した赤外線量の時間変化率を複数回にわたって算出し、
前記温度推定ステップは、算出された放射率(ε)および複数回にわたって算出された時間変化率に基づいて、被加熱体の温度を推定することを特徴とする誘導加熱調理方法。 - 請求項8に記載の誘導加熱調理方法であって、
被加熱体の材質を推定するステップと、
推定された被加熱体の材質に基づいて設定された放射率(ε4)の第4のテーブルを記憶するステップとをさらに有し、
前記温度推定ステップは、
i)第1のテーブルの放射率(ε1)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より大きいとき、第1のテーブルに記憶された放射率(ε1)および第4のテーブルの放射率(ε4)のうち、より小さい放射率を用いて被加熱体の温度を推定し(ε1−ε4>εThのときε4、ε4−ε1>εThのときε1)、
ii)第1のテーブルの放射率(ε1)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より小さいとき、第1のテーブルの放射率(ε1)を用いて被加熱体の温度を推定する(|ε1−ε4|<εThのときε1)ことを特徴とする誘導加熱調理方法。 - 請求項9に記載の誘導加熱調理方法であって、
被加熱体の材質を推定するステップと、
推定された被加熱体の材質に基づいて設定された放射率(ε4)の第4のテーブルを記憶するステップとをさらに有し、
前記温度推定ステップは、
i)第2または第3のテーブルの放射率(ε2,3)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より大きいとき、第2または第3のテーブルの放射率(ε2,3)および第4のテーブルの放射率(ε4)のうち、より小さい放射率を用いて被加熱体の温度を推定し(ε2,3−ε4>εThのときε4、ε4−ε2,3>εThのときε2,3)、
ii)第2および第3のテーブルの放射率(ε2,3)と第4のテーブルの放射率(ε4)との差異が所定の閾値(εTh)より小さいとき、第2および第3のテーブルの放射率(ε2,3)を用いて被加熱体の温度を推定する(|ε1−ε2,3|<εThのときε1)ことを特徴とする誘導加熱調理方法。
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---|---|---|---|
JP2009253169A JP2011100572A (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | 誘導加熱調理器および誘導加熱調理方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016505849A (ja) * | 2012-12-27 | 2016-02-25 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 食品のコア温度を決定する装置及び方法 |
CN113825266A (zh) * | 2020-06-19 | 2021-12-21 | 广东美的白色家电技术创新中心有限公司 | 电磁加热装置 |
-
2009
- 2009-11-04 JP JP2009253169A patent/JP2011100572A/ja active Pending
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