JP2011099664A - 熱交換器 - Google Patents

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Takayuki Hyodo
孝之 兵頭
Takashi Yoshioka
俊 吉岡
Akihiro Fujiwara
明大 藤原
Yoshikazu Shiraishi
吉和 白石
Ryuhei Kaji
隆平 加治
Hirokazu Fujino
宏和 藤野
Tomokazu Kikuno
智教 菊野
Teruo Kido
照雄 木戸
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Abstract

【課題】本発明の課題は、低価格かつ加工が容易であり、耐圧性能の高いヘッダを有する熱交換器を提供することにある。
【解決手段】本発明の熱交換器20では、扁平管6と、伝熱フィン7と、ヘッダ4,5とを備える。扁平管6は、冷媒が流通可能であり第1方向L1に沿って延びる。伝熱フィン7は、扁平管6と共に、空気流が流通可能な空気流路9を形成する。ヘッダ4,5は、扁平管6の両端に接続され、冷媒が流通可能であり、第1方向L1と交差する第2方向L2に沿って延びる筒状の形状である。ヘッダ4,5はまた、外壁部材42,43,52,53と内壁部材44,45とから成る。外壁部材42,43,52,53は、筒状の部材である。内壁部材44,45は、外壁部材42,43,52,53の内面と隙間無く密着する筒状の部材である。
【選択図】図5

Description

冷媒と空気との熱交換を行う熱交換器に関する。
オゾン層破壊を防止する観点からオゾン破壊係数が0である、例えばCOのような冷媒を利用するニーズがある。ところで、COは、高圧圧力で作動するため、冷媒としてCOを用いた場合に、ヘッダに要求される耐圧強度は非常に大きくなる。さらに、熱交換器の材料としてアルミを使用する場合、高圧仕様に耐え得る構造として、特許文献1(特開2000−81294号公報)のようにヘッダ径を小径化あるいはヘッダ内容量を減らすことで板厚を小さくあるいはヘッダを小型化する方法が採られる。
しかしながら、上記のような方法で熱交換器の耐圧化を図ると、冷媒偏流の課題が発生し、熱交換器の性能が損なわれる恐れがある。
一方で、冷媒偏流を抑えるために広い冷媒流路を確保しつつヘッダの耐圧化を図ると、ヘッダの板厚を大きくする必要がある。このため、ヘッダの部材を成型する際のプレス加工することが困難になり、高コストな機械加工によって加工せざるを得なくなる。さらに、このような板厚の大きいヘッダにはロウ材をあらかじめ金属被覆させることが難しく、ロウ付け時にはペーストロウを使用しなければならない。このため、人や機械によるペーストロウの塗布工程が必要となり、品質のバラつきやコスト高の要因となる。
本発明の課題は、低価格かつ加工が容易であり、耐圧性能の高いヘッダを有する熱交換器を提供することにある。
第1発明に係る熱交換器では、扁平管と、伝熱フィンと、ヘッダとを備える。扁平管は、冷媒が流通可能であり第1方向に沿って延びる。伝熱フィンは、扁平管と共に、空気流が流通可能な空気流路を形成する。ヘッダは、扁平管の両端に接続され、冷媒が流通可能であり、第1方向と交差する第2方向に沿って延びる筒状の形状である。ヘッダはまた、外壁部材と内壁部材とから成る。外壁部材は、筒状の部材である。内壁部材は、その外面が外壁部材の内面と隙間無く密着する筒状の部材である。
本発明の熱交換器では、扁平管の両端に配置されるヘッダが筒状の外壁部材と、外壁部材の内面の全体に内接する内壁部材とによって構成されている。すなわち、ヘッダは、外壁部材と内壁部材との2重壁となっている。
このように、ヘッダの側面の壁を2重壁とすることで、外壁部材や内壁部材自体の板厚を大きくすることなく、ヘッダの側面の壁の板厚を厚くすることができる。このため、ヘッダを組み立てる際の加工性の容易さを保ったままに、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。したがって、製造コストをあまり増加させることなく、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。
第2発明に係る熱交換器は、第1発明に係る熱交換器であって、外壁部材は、第1外壁部材と、第2外壁部材とを有する。第1外壁部材は、扁平管と接続される。第2外壁部材は、第1外壁部材と接合し第1外壁部材と共にヘッダの外壁を形成する。
本発明の熱交換器では、外壁部材が2つの部材から構成されている。外壁部材を構成する2つの部材の内で、扁平管と接続される側の部材が第1外壁部材であり、その反対側が第2外壁部材となる。すなわち、ヘッダの外壁部材は、筒の中空部分を通り、第2方向に沿い、かつ、第1方向に交差する面により、第1外壁部材と第2外壁部材とに分割される。
したがって、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材を、第1外壁部材と第2外壁部材とで、挟み込んで組み立てることができる。このため、外壁部材の内部に内壁部材を挿入することが容易になる。また、例えば、第1外壁部材および第2外壁部材を板状の材料をプレス加工により成型することができる。このため、例えば、板状の材料にクラッド材が積層された材質を採用することにより、ヘッダを組み立てた後の接続においてロウ付けが容易になる。
第3発明に係る熱交換器は、第1発明または第2発明に係る熱交換器であって、ピン部材をさらに備える。ピン部材は、内壁部材と第1外壁部材または第2外壁部材とを貫通する。内壁部材は、ピン部材に貫通される第1受け孔を有する。外壁部材は、ピン部材に貫通される第2受け孔を有する。
したがって、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材の第1受け孔と外壁部材の第2受け孔とをピン部材により貫通させた状態で組み立てることができる。このため、内壁部材と外壁部材とを組み立てる際の位置決めを容易にでき、例えばヘッダを組み立てた後に扁平管を差し込む際に、内壁部材と外壁部材とが互いにずれてしまって扁平管を差し込む貫通孔が塞がってしまうことを防ぐことができる。
第4発明に係る熱交換器は、第2発明に係る熱交換器であって、内壁部材は凹部または孔を有する。第1外壁部材または第2外壁部材は、凹部または孔と嵌合する凸部を有する。なお、ここに言う「凹部」とは、内壁部材を貫通しないへこみのことであり、「孔」とは、内壁部材を貫通する開口のことである。
したがって、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材の凹部または孔を第1外壁部材または第2外壁部材に設けられる凸部に嵌合させて組み立てることができる。このため、内壁部材と、第1外壁部材または第2外壁部材とを組み立てる際の位置決めを容易にでき、例えばヘッダを組み立てた後に扁平管を差し込む際に、内壁部材と第1外壁部材または第2外壁部材とが互いにずれてしまって扁平管を差し込む貫通孔が塞がってしまうことを防ぐことができる。
第5発明に係る熱交換器は、第2発明に係る熱交換器であって、内壁部材は凸部を有する。第1外壁部材または第2外壁部材は、凸部と嵌合する凹部または孔を有する。なお、ここに言う「凹部」とは、外壁部材を貫通しないへこみのことであり、「孔」とは、外壁部材を貫通する開口のことである。
したがって、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材の凸部を第1外壁部材または第2外壁部材に設けられる凹部または孔に嵌合させて組み立てることができる。このため、内壁部材と、第1外壁部材または第2外壁部材とを組み立てる際の位置決めを容易にでき、ヘッダを組み立てた後に扁平管を差し込む際に、内壁部材と第1外壁部材または第2外壁部材とが互いずれてしまって扁平管を差し込む貫通孔が塞がってしまうことを防ぐことができる。
第6発明に係る熱交換器は、第2発明から第5発明のいずれかに係る熱交換器であって、第1外壁部材は、扁平管が貫通する第1貫通孔を有する。また、内壁部材は、第1外壁部材と接する側であって、第1貫通孔と一致する位置に、扁平管が貫通する第2貫通孔を有する。
したがって、熱交換器を組み立てる際に、外壁部材(第1外壁部材)と内壁部材とを貫通させて扁平管をヘッダに挿入できる。
第7発明に係る熱交換器は、第2発明から第6発明のいずれかに係る熱交換器であって、第1外壁部材および第2外壁部材は、クラッド材が積層されたアルミニウム板により成型される。
したがって、ヘッダを組み立てた後の接続においてロウ付けが容易になる。
第8発明に係る熱交換器は、第2発明から第7発明のいずれかに係る熱交換器であって、第1外壁部材は、第2方向に交差する面による断面の両端部において、長手方向が前記第2方向に沿って延びる矩形の第1密着面部材を有する。第2外壁部材は、前記第2方向に交差する面による断面の両端部において、長手方向が第2方向に沿って延びる矩形の第2密着面部材を有する。第1密着面部材と第2密着面部材とは、互いに密着する。
本発明の熱交換器では、第1外壁部材が、冷媒が流通する筒形状の部分の他に、第2外壁部材と接合するための矩形状の第1密着面部材を有している。また、第2外壁部材も第1外壁部材と同様に、冷媒が流通する筒形状の部分の他に、第1外壁部材と接合するための矩形状の第2密着面部材を有している。すなわち、第1密着面部材は、第1外壁部材の第2方向に交差する面による断面の両端部に、その矩形状の長手方向と冷媒が流通する筒形状の部分の長手方向とが一致するように配置される。また、これは、第2密着面部材についても同様のことが言える。そして、第1密着面部材と第2外密着面部材とが密着することにより、第1外壁部材と第2外壁部材とは筒状の外壁部材を形成する。
したがって、第1外壁部材と第2外壁部材とを接合させる部分(すなわち第1密着面部材および第2密着面部材)の面積を広く取ることができる。このため、接合部分の強度を確保することができ、ヘッダを構成する外壁部材が2つの部材からなるような場合であっても、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。
第9発明に係る熱交換器は、第8発明に係る熱交換器であって、第1外壁部材または第2外壁部材の少なくとも一方の密着面部材には、その密着面部材と共にもう一方の密着面部材を挟み込んで固定する爪部が設けられる。
したがって、第1外壁部材と第2外壁部材との接合強度をより大きくすることができる。
第10発明に係る熱交換器は、第1発明から第9発明のいずれかに係る熱交換器であって、内壁部材は、複数の押出管と、仕切部材とから成る。仕切部材は、複数の押出管の間に設けられヘッダの内部空間を第2方向に複数に仕切る板状の部材である。
本発明の熱交換器では、複数の押出管により仕切部材を挟み込むことにより、ヘッダの内部空間を第2方向に対して複数に仕切っている。すなわち、本発明の熱交換器では、筒状の部材に板状の仕切部材を挿入するための挿入口を設けて、挿入口から仕切部材を挿入することにより内部空間を区切るではない。このため、仕切部材の位置決めが容易でありヘッダの組立の精度を容易に高くすることができる。
第11発明に係る熱交換器は、第10発明に係る熱交換器であって、押出管は、押し出し加工により成型される。
したがって、押出管を容易に成型することができる。
第12発明に係る熱交換器は、第10発明または第11発明に係る熱交換器であって、仕切部材は、冷媒が流通可能であって、ヘッダの内径よりも直径が小さい流通孔を少なくとも1つ以上有する。
したがって、ヘッダの内径よりも直径が小さい流通孔に冷媒を通過させることができ、冷媒の偏流がある場合に、冷媒の偏流を解消できる。このため、ヘッダの構造を、ヘッダの内部に冷媒の偏流が発生しにくいものとすることができる。
第13発明に係る熱交換器は、第1発明から第12発明のいずれかに係る熱交換器であって、外壁部材と内壁部材とは、ロウ付けにより接合される。
したがって、熱交換器の組立および接合を容易に行うことができる。
第14発明に係る熱交換器は、第1発明から第13発明のいずれかに係る熱交換器であって、外壁部材と、内壁部材とは、円筒形状である。
したがって、外壁部材および内壁部材に係る圧力を均等にすることができ、耐圧性能を向上させることができる。
第1発明に係る熱交換器では、ヘッダの側面の壁を2重壁とすることで、外壁部材や内壁部材自体の板厚を大きくすることなく、ヘッダの側面の壁の板厚を厚くすることができる。このため、ヘッダを組み立てる際の加工性の容易さを保ったままに、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。したがって、製造コストをあまり増加させることなく、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。
第2発明に係る熱交換器では、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材を、第1外壁部材と第2外壁部材とで、挟み込んで組み立てることができる。このため、外壁部材の内部に内壁部材を挿入することが容易になる。また、例えば、第1外壁部材および第2外壁部材を板状の材料をプレス加工により成型することができる。このため、例えば、板状の材料にクラッド材が積層された材質を採用することにより、ヘッダを組み立てた後の接続においてロウ付けが容易になる。
第3発明に係る熱交換器では、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材の第1受け孔と外壁部材の第2受け孔とをピン部材により貫通させた状態で組み立てることができる。このため、内壁部材と外壁部材とを組み立てる際の位置決めを容易にでき、例えばヘッダを組み立てた後に扁平管を差し込む際に、内壁部材と外壁部材とが互いにずれてしまって扁平管を差し込む貫通孔が塞がってしまうことを防ぐことができる。
第4発明に係る熱交換器では、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材の凹部または孔を第1外壁部材または第2外壁部材に設けられる凸部に嵌合させて組み立てることができる。このため、内壁部材と、第1外壁部材または第2外壁部材とを組み立てる際の位置決めを容易にでき、例えばヘッダを組み立てた後に扁平管を差し込む際に、内壁部材と第1外壁部材または第2外壁部材とが互いにずれてしまって扁平管を差し込む貫通孔が塞がってしまうことを防ぐことができる。
第5発明に係る熱交換器では、ヘッダを組み立てる際に、筒状の内壁部材の凸部を第1外壁部材または第2外壁部材に設けられる凹部または孔に嵌合させて組み立てることができる。このため、内壁部材と、第1外壁部材または第2外壁部材とを組み立てる際の位置決めを容易にでき、ヘッダを組み立てた後に扁平管を差し込む際に、内壁部材と第1外壁部材または第2外壁部材とが互いずれてしまって扁平管を差し込む貫通孔が塞がってしまうことを防ぐことができる。
第6発明に係る熱交換器では、熱交換器を組み立てる際に、外壁部材(第1外壁部材)と内壁部材とを貫通させて扁平管をヘッダに挿入できる。
第7発明に係る熱交換器では、ヘッダを組み立てた後の接続においてロウ付けが容易になる。
第8発明に係る熱交換器では、第1外壁部材と第2外壁部材とを接合させる部分(すなわち第1密着面部材および第2密着面部材)の面積を広く取ることができる。このため、接合部分の強度を確保することができ、ヘッダを構成する外壁部材が2つの部材からなるような場合であっても、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。
第9発明に係る熱交換器では、第1外壁部材と第2外壁部材との接合強度をより大きくすることができる。
第10発明に係る熱交換器では、仕切部材の位置決めが容易でありヘッダの組立の精度を容易に高くすることができる。
第11発明に係る熱交換器では、押出管を容易に成型することができる。
第12発明に係る熱交換器では、ヘッダの内径よりも直径が小さい流通孔に冷媒を通過させることができ、冷媒の偏流がある場合に、冷媒の偏流を解消できる。このため、ヘッダの構造を、ヘッダの内部に冷媒の偏流が発生しにくいものとすることができる。
第13発明に係る熱交換器では、熱交換器の組立および接合を容易に行うことができる。
第14発明に係る熱交換器では、外壁部材および内壁部材に係る圧力を均等にすることができ、耐圧性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態が採用された空気調和装置の冷媒回路図。 室外熱交換器の構成を示す斜視図。 室外熱交換器の内部を流れる冷媒の流れ方向を示す概略図。 バッフル板を第2方向L2から見た図。 第1ヘッダの分解斜視図。 第1ヘッダの断面図。 変形例(4)に係るバッフル板を第2方向L2から見た図。 変形例(4)に係るバッフル板を第2方向L2から見た図。 変形例(6)に係る第1ヘッダの断面図。 変形例(12)に係る第1ヘッダの分解斜視図。 変形例(12)に係る第1ヘッダの断面図。 変形例(12)の他の形態に係る第1ヘッダの断面図。 変形例(13)の他の形態に係る第1ヘッダの断面図。 変形例(14)に係る第1ヘッダの分解斜視図。 変形例(14)に係る第1ヘッダの断面図。
以下、図面に基づいて、本発明に係る空気調和装置1の実施形態について説明する。
<空気調和装置の概略構成>
本発明の一実施形態が採用された空気調和装置1は、室内の壁面に設置される室内機3と、室外に設置される室外機2とを備えている。室内機3内および室外機2内にはそれぞれ熱交換器が収納されており、各熱交換器が冷媒配管により接続されることにより冷媒回路を構成している。空気調和装置1の冷媒回路の構成を図1に示す。なお、本実施形態の冷媒回路において作動する冷媒は、COとする。
この冷媒回路は、主として室外熱交換器20、圧縮機22、四路切換弁23、室内熱交換器30、および膨張弁24で構成される。
室内機3に設けられている室内熱交換器30は、冷媒と室内空気との間で熱交換を行う。また、室内機3には、室内空気を吸い込んで室内熱交換器30に通し熱交換が行われた後の空気を室内に排出するためのクロスフローファン31が設けられている。クロスフローファン31は、室内機3内に設けられる1つの室内ファンモータ32によって回転駆動される。
室外機2には、圧縮機22と、圧縮機22の吐出側に接続される四路切換弁23と、圧縮機22の吸入側に接続されるアキュムレータ21と、四路切換弁23に接続された室外熱交換器20と、室外熱交換器20に接続された膨張弁24とが設けられている。膨張弁24は、液閉鎖弁25を介して配管に接続されており、この配管を介して室内熱交換器30の一端と接続される。また、四路切換弁23は、ガス閉鎖弁26を介して配管に接続されており、この配管を介して室内熱交換器30の他端と接続されている。また、室外機ケーシング29内には、室外熱交換器20での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン27が設けられている。このプロペラファン27は、室外ファンモータ28によって回転駆動される。
<室外熱交換器の構成>
図2は本発明の一実施形態に係る室外熱交換器20の概略図である。室外熱交換器20は、主として、第1ヘッダ4、扁平多孔管6、コルゲートフィン7、および第2ヘッダ5から構成されている。室外熱交換器20は、扁平多孔管6をコルゲートフィン7と交互に積層させて形成される。そして、扁平多孔管6の両端に第1ヘッダ4および第2ヘッダ5を設けている。なお、図2において、扁平多孔管6の内部を流れる冷媒の方向を第1方向L1とし、第1ヘッダ4および第2ヘッダ5の内部を流れる冷媒の方向(鉛直方向)を第2方向L2とし、扁平多孔管6の幅方向(コルゲートフィン7が折り曲げられる方向)を第3方向L3とする。
図3は、室外熱交換器20の内部を流れる冷媒の流れ方向を示す概略図である。なお、図3の矢印は、冷媒の流れ方向を示している。図4は、後述するバッフル板46bを第2方向から見た図である。
第1ヘッダ4は、室外熱交換器20における冷媒入口部41および冷媒出口部48と、第1ヘッダ4の内部空間を第1空間S11、第2空間S12、第3空間S13、および第4空間S14の4つに仕切る3枚のバッフル板46a,46bとを有している(図3参照)。第1ヘッダ4のバッフル板46bには、冷媒が流通可能であって、内壁部材44の内径よりも直径の小さい複数(本実施形態では9つ)の流通孔49(図4参照)が設けられている。すなわち、第1ヘッダ4の内部空間の第2空間S12と第3空間S13との間は冷媒が流通可能な状態となっている。
第2ヘッダ5の構造と第1ヘッダ4の構造との相違点は、第2ヘッダ5には第1ヘッダ4の冷媒入口部41および冷媒出口部48の有無と、流通孔49が設けられたバッフル板46bの位置のみである。このため、図4および後述する図5,6については第1ヘッダ4のみの記載とし、第2ヘッダ5については、図4〜6の第1ヘッダ4の40番台の番号を50番台の番号に置き換えたものとする。なお、この場合に、第1ヘッダ4の冷媒入口部41および冷媒出口部48は除く。
なお、第2ヘッダ5において、流通孔59が設けられたバッフル板56bの位置は、具体的には、第1空間S21と第2空間S22との間と、第3空間S23と第4空間S24との間となる(図3参照)。すなわち、第2ヘッダ5の内部空間の第1空間S21と第2空間S22との間と、第3空間S23と第4空間S24との間とは、冷媒が流通可能な状態となっている。
扁平多孔管6は、複数の冷媒流路孔(図示せず)を有する多穴構造となっており、第1ヘッダ4を介して冷媒入口部41より流入した冷媒を各冷媒流路孔内に均等に分配して流通させる。
コルゲートフィン7は、波型形状のフィンであり、扁平多孔管6と交互に積層されている。このように、コルゲートフィン7と扁平多孔管6とを接続することで断面形状が略三角形の空気流路9が形成されている。この空気流路9には、外部空気が流通可能となっている。また、扁平多孔管6とコルゲートフィン7とを介することで広い伝熱面積で熱交換させることでき、扁平多孔管6内を通る冷媒と空気流路9を通る外部空気とを効率よく熱交換させることができる。
冷媒は、室外熱交換器20の冷媒入口部41から第1ヘッダ4の第1空間S11に流入し、第1空間S11と接続されている2本の扁平多孔管6a,6bを流通する(冷媒の流れ方向は図4の実線矢印参照)。扁平多孔管6a,6bを流通する冷媒は、第2ヘッダ5の第1空間S21へ流入して、第1空間S21からバッフル板56bの流通孔59を介して第2空間S22へ流入する。第2空間S22へ流入した冷媒は、扁平多孔管6a,6bの下流直後に配置される扁平多孔管6c,6dへ流入する。扁平多孔管6c,6dを流通する冷媒は、第1ヘッダ4の第2空間S12へ流入して、第2空間S12からバッフル板46bの流通孔49を介して第3空間S13へ流入する。第3空間S13へ流入した冷媒は、扁平多孔管6c,6dの下流直後に配置される扁平多孔管6e,6fへ流入する。扁平多孔管6e,6fを流通する冷媒は、第2ヘッダ5の第3空間S23へ流入して、第3空間S23からバッフル板56bの流通孔59を介して第4空間S24へ流入する。第4空間S24へ流入した冷媒は、扁平多孔管6e,6fの下流直後に配置される扁平多孔管6g,6hへ流入する。扁平多孔管6g,6hを流通する冷媒は、第1ヘッダ4の第4空間S14へ流入して、冷媒出口部48から放出される。
このようにして、冷媒は、流通孔の無いバッフル板46a,56aにより、第1ヘッダ4および第2ヘッダ5の内部を仕切られ、上流側の扁平多孔管6a,6bからその直後に接続される扁平多孔管6c,6dへと導かれ、室外熱交換器20の内部を蛇行するように流通する。そして、最終的に、最下流に配置される扁平多孔管6g,6hを流通し、冷媒出口部48から放出されることになる。
また、外部空気は、コルゲートフィン7と扁平多孔管6とで構成されている空気流路9を通過している。そして、この室外熱交換器20では、扁平多孔管6の複数の冷媒流路孔に流入してきた冷媒と、コルゲートフィン7と扁平多孔管6とで形成されている空気流路9を通過する外部空気とを熱交換している。
なお、室外熱交換器20を構成する第1ヘッダ4、扁平多孔管6、コルゲートフィン7、第2ヘッダ5等は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成される。特に、扁平多孔管6、および、各ヘッダ4,5の内壁部材44,54(後述参照)は押出形材で、コルゲートフィン7、および、各ヘッダ4,5の外壁部材42,43,52,53は板材から形成される。また、各部品は、組み立てた後、ロウ付け接合により接合されている。
<第1ヘッダおよび第2ヘッダの構造>
図5は、第1ヘッダ4の分解斜視図である。第1ヘッダ4は、主に、冷媒入口部41、第1外壁部材42、第2外壁部材43、内壁部材44、2つの上面部材47a、2つの下面部材47b、および冷媒出口部48とから成る。
第1外壁部材42は、扁平多孔管6と接合される側に配置され、扁平多孔管6が貫通する第1貫通孔42cを複数(本実施形態では、扁平多孔管6の数と同じ8つ)有する。第2外壁部材43は、第1外壁部材42の反対側に配置され、第1外壁部材42と共に略円筒形状の第1ヘッダ4の外壁部材を構成する。すなわち、略円筒形状の第1ヘッダ4の扁平多孔管6に接続される側の半分が第1外壁部材42であり、略円筒形状の第1ヘッダ4の扁平多孔管6とは接続されない第1外壁部材42とは反対側の半分が第2外壁部材43である。
また、第1外壁部材42は、第1ヘッダ4の軸方向(第2方向L2)に対する断面における半円の円弧の両端側に、長手方向が第2方向L2に延びる長方形の板状の密着面部材42a,42bを有する。なお、密着面部材42aと密着面部材42bとは、略円筒形状の外壁部材の半分を挟んで向かい合わせになっている。
また、第2外壁部材43にも、第1外壁部材42と同様に、第1ヘッダ4の軸方向(第2方向L2)に対する断面における半円の円弧の両端側に、長手方向が第2方向L2に延びる長方形の板状の密着面部材43a,43bを有する。さらに、第2外壁部材43は、密着面部材43a,43bの第1方向L1における両端に複数(本実施形態では一端につき8つずつ)の爪部43cを有する。爪部43cは、図6のように約180度の角度で折り曲げることにより、第1外壁部材42と第2外壁部材43とが密着した状態で、第2外壁部材43の密着面部材43a,43bと共に第1外壁部材42の密着面部材42a,42bを挟み込んで固定するための部材である。
そして、第1外壁部材42と第2外壁部材43とは、密着面部材42aおよび密着面部材43aが密着する密着面A1と、密着面部材42bおよび密着面部材43bが密着する密着面A2とを有するように接合される(図6参照)。
なお、第1外壁部材42と第2外壁部材43とは、ロウ材として機能するクラッド材が積層されたアルミニウム板をプレス加工により成型したものである。
内壁部材44は、複数(本実施形態では4つ)の内壁部材本体45と、複数(本実施形態では3つ)のバッフル板46a,46bとから構成される。内壁部材本体45は、第1外壁部材42と第2外壁部材43とが密着して形成される外壁部材の内面と内接する円筒形状の部材である。内壁部材本体45は、扁平多孔管6が貫通する第2貫通孔45aを複数(本実施形態では2つ)有する。この第2貫通孔45aは、第1外壁部材42に設けられる第1貫通孔42cと形状、および位置が一致し、扁平多孔管6が内壁部材本体45の内部に第1外壁部材42を介した状態で接続できるようになっている。バッフル板46a,46bは、上述したように流通孔49が設けられたバッフル板46bと、流通孔49が無いバッフル板46aとがある。第1ヘッダ4においては、図4のように流通孔49の無いバッフル板46aが流通孔49の有るバッフル板46bに挟まれるように配置される。また、第2ヘッダ5においては、図4のように流通孔59の有るバッフル板56bが流通孔59の無いバッフル板56bに挟まれるように配置される。そして、内壁部材44は、4つの内壁部材本体45が図5のように3つのバッフル板46a,46bと交互に配置され接続される。なお、第1貫通孔42cと第2貫通孔45aとは、プレス加工により開けられる。
第1外壁部材42と第2外壁部材43とが密着して形成される外壁部材には、その上側(すなわち、第2方向L2の矢印の先端側)の面を覆う上面部材47aと、その下側の面を覆う下面部材47bとが接合される。また、上面部材47aには冷媒を室外熱交換器20から放出するための冷媒出口部48が設けられ、下面部材47bには冷媒を室外熱交換器20に流入させるための冷媒入口部が設けられる。
第2ヘッダ5については、上述したように、第2ヘッダ5には第1ヘッダ4の冷媒入口部41および冷媒出口部48の有無と、流通孔49が設けられたバッフル板46bの位置のみである。このため、図5,6については第1ヘッダ4のみの記載とし、第2ヘッダ5の構造については、図5,6の第1ヘッダ4の40番台の番号を50番台の番号に置き換えたものとする。
<特徴>
下記における本実施形態の室外熱交換器20の特徴の説明において、第1ヘッダ4の場合についてのみ記載するが第2ヘッダ5についても同様のことが言える。
(1)
本実施形態の室外熱交換器20では、扁平多孔管6の両端に配置される第1ヘッダ4が、第1外壁部材42、および、扁平多孔管6とは反対側の第2外壁部材43、が接合されて成る外壁部材と、外壁部材の内面の全体に内接して密着する内壁部材44とによって構成されている。
このように、第1ヘッダ4は、外壁部材と内壁部材44との2重壁となっている。このため、外壁部材や内壁部材44自体の板厚を大きくすることなく、第1ヘッダ4の側面の壁の板厚を厚くすることができる。このため、第1ヘッダ4を組み立てる際の加工性の容易さを保ったままに、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。したがって、製造コストをあまり増加させることなく、ヘッダの耐圧性能を向上させることができる。
(2)
本実施形態の室外熱交換器20では、外壁部材は、第1外壁部材42と第2外壁部材43との2つの部材により構成される。第1外壁部材42は扁平多孔管6と接続される側に配置され、第2外壁部材43は扁平多孔管6とは反対側に配置される。すなわち、略円筒形状の第1ヘッダ4の扁平多孔管6に接続される側の半分が第1外壁部材42であり、略円筒形状の第1ヘッダ4の扁平多孔管6とは接続されない第1外壁部材42とは反対側の半分が第2外壁部材43である。
このため、第1ヘッダ4を組み立てる際に、略円筒形状の内壁部材44を、第1外壁部材42と第2外壁部材43とで、挟み込んで組み立てることができる。このため、外壁部材の内部に内壁部材44を挿入することが容易になる。また、第1外壁部材42および第2外壁部材43を板状の材料をプレス加工により成型することができる。このため、板状の材料をクラッド材が積層された材質にすることにより、第1ヘッダ4を組み立てた後の接続においてロウ付け作業を容易にできる。
(3)
本実施形態の室外熱交換器20では、第1外壁部材42および第2外壁部材43が、略円筒形状の冷媒が流通する部分(厳密にはその外側部分)の他に、第1外壁部材42と第2外壁部材43とが互いに接合するための密着面部材42a,42b,43a,43bを有している。密着面部材42a,42bは、長手方向が第2方向L2に延びる長方形の板状の形状であり、第1外壁部材42において第1ヘッダ4の軸方向(第2方向L2)に対する断面における半円の円弧の両端に配置される。また、密着面部材43a,43bは、長手方向が第2方向L2に延びる長方形の板状の形状であり、第2外壁部材43においても、第1外壁部材42と同様に、第1ヘッダ4の軸方向(第2方向L2)に対する断面における半円の円弧の両端に配置される。すなわち、密着面部材42a,42b,43a,43bは、冷媒が流通する略円筒形状の長手方向に沿って第1外壁部材42および第2外壁部材43の第2方向L2に交差する面による断面の両端に配置されることになる。そして、第1外壁部材42の両端部に設けられた密着面部材42a,42bと第2外壁部材43の両端部に設けられた密着面部材43a,43bとが密着することにより、第1外壁部材42と第2外壁部材43とは略円筒形状の外壁部材を形成する。
したがって、第1外壁部材42と第2外壁部材43とを接合させる部分である密着面部材42a,42b,43a,43bの面積を広く取ることができる。このため、接合部分の強度を確保することができ、第1ヘッダ4を構成する外壁部材が2つの部材からなるような場合であっても、第1ヘッダ4の耐圧性能を向上させることができる。
また、第2外壁部材43は、密着面部材43a,43bの第1方向における両端に複数(本実施形態では一端につき8つずつ)の爪部43cを有する。このため、さらに第1外壁部材42と第2外壁部材43との接合強度を向上させることができる。
(4)
本実施形態に係る室外熱交換器20では、第1外壁部材42および第2外壁部材43がプレス加工により成型され、内壁部材44が押し出し加工により成型されている。したがって、第1ヘッダ4を構成する部材を容易に成型することができる。
(5)
本実施形態に係る室外熱交換器20では、4つの略円筒形状の内壁部材本体45によりバッフル板46a,46bを挟み込むことにより、第1ヘッダ4の内部空間を第2方向L2に対して4つの空間に仕切っている。
このように、本実施形態の室外熱交換器20では、ヘッダとして機能する略円筒形状の部材に板状の仕切部材を挿入するための挿入口を設けて、挿入口から仕切部材を挿入することにより内部空間を区切る形式ではない。このため、仕切部材の位置決めが容易であり第1ヘッダ4の組立の精度を容易に高くすることができる。
(6)
本実施形態に係る室外熱交換器20では、第1ヘッダ4のバッフル板46bには、冷媒が流通可能な複数(本実施形態では9つ)の流通孔49(図4参照)が設けられており、第1ヘッダ4の内部空間の第2空間S12から第3空間S13へは冷媒が流通可能な状態となっている。また、第2ヘッダ5のバッフル板56bには、冷媒が流通可能な流通孔59(図4参照)が設けられており、第2ヘッダ5の内部空間の第1空間S21から第2空間S22へと、第3空間S23から第4空間S24へとは、冷媒が流通可能な状態となっている。
したがって、冷媒が流通孔49,59を有するバッフル板46b,56bを通過することになる。このため、冷媒の偏流がある場合に、流通孔49,59を通る際にオリフィス効果により冷媒の偏流を解消できる。このため、各ヘッダ4,5の構造を、各ヘッダ4,5の内部に冷媒の偏流が発生しにくいものとすることができる。
<変形例>
(1)
上記実施形態の室外熱交換器20では、各ヘッダ4,5の内部にバッフル板46a,46b,56a,56bが挿入される構造となっているが、バッフル板46a,46b,56a,56bは無くても良い。また、これに伴い、室外熱交換器20では、冷媒が蛇行するように扁平多孔管6の内部をその流れ方向を変えながら流れる構造となっているが、これに限るものではない。さらに、扁平多孔管6の本数、コルゲートフィン7の数、内壁部材本体45の数なども、上記実施形態に限定するものではない。
(2)
上記実施形態の室外熱交換器20では、第1ヘッダ4に冷媒入口部41および冷媒出口部48の両方が設けられているが、これに限らず、冷媒入口部41および冷媒出口部48の少なくともいずれか一方が第2ヘッダ5に設けられるようなものであっても良い。
(3)
上記実施形態の室外熱交換器20では、各ヘッダ4,5は略円筒形状となっているが、これに限定するものではなく、例えば直方体形状であっても良い。
(4)
上記実施形態の室外熱交換器20では、バッフル板46b,56bには、9つの流通孔49,59が設けられているがこれに限らずに、図7に示すように1つであっても良いし、図8に示すように9つ以外の複数であっても良い。また、複数の流通孔49,59の配置の仕方も、図4のような格子状の配置に限定するものではなく、例えば千鳥格子のように配置しても構わない(図8参照)。
(5)
上記実施形態の室外熱交換器20では、爪部43cは、第2外壁部材43に設けられているが、これに限らず、第1外壁部材42に設けられていても良いし、両方に設けられていても良いし、特になくても良い。また、第1外壁部材42および第2外壁部材43を固定するような構造であれば爪部43cに限定するものではない。
(6)
上記実施形態の室外熱交換器20では、密着面部材42a,42b,52a,52bは、第2方向L2と第3方向L3とが形成する面に平行に配置されているが、これに限らない。また、例えば図9のように第1外壁部材82に、第2外壁部材83の外側の密着面A1,A2に内接するような密着面部材83a,83bとしても良い。
(7)
上記実施形態の室外熱交換器20では、第1外壁部材42および第2外壁部材43は、プレス加工により成型されているが、押し出し加工により成型しても良い。ただし、この場合においても第1貫通孔42cはプレス加工により開けられることになる。
(8)
上記実施形態に係る室外熱交換器20では、冷媒としてCOを採用しているが、これに限らずに、他の高圧圧力条件下で作動する冷媒を利用しても良いし、HFC冷媒などのフロン系の冷媒などであっても良い。HFC冷媒などのフロン系の冷媒である場合には、より容易に耐圧性能を確保できる。
(9)
上記実施形態の室外熱交換器20では、上記実施形態の構造を室外機2に搭載される室外熱交換器に採用しているが、これに限るものではなく、冷媒と空気とを熱交換させる熱交換器であれば、室内熱交換器、補助熱交換器などに採用しても良い。
(10)
上記実施形態の室外熱交換器20では、冷媒流路が複数内部に形成された扁平多孔管6を利用しているが、冷媒流路が複数内部にあることに限るものではなく、扁平管であれば良い。
(11)
上記実施形態の室外熱交換器20では、第1ヘッダ4の外壁部材が第1外壁部材42と第2外壁部材43との2つの部材により構成されているが、これに限らず、1つの部材であっても良い。すなわち、上記実施形態の場合には、例えば、内壁部材44の外面にちょうどその内面が外接するような略円筒形状となる。そしてこの場合に、その外壁部材の内側に内壁部材を挿入して組み立てることになる。
(12)
上記実施形態の室外熱交換器20では、第1外壁部材42,52または第2外壁部材43,53と内壁部材44,54とは、扁平多孔管6を第1貫通孔42c,52cと第2貫通孔45a,55aとを貫通させる際に、位置決めされて固定されることになるが、これに限らずに、予め内壁部材44,54および第1外壁部材42,52または第2外壁部材43,53に互いに位置決めされる部位を設けても構わない。
例えば図10および図11のように、第1外壁部材42に複数の孔42dを設ける。そして、内壁部材44に複数の孔42dと嵌合する形状の凸部45bを設ける。このように第1外壁部材42と内壁部材44とに互いに嵌合する形状の部材を設けて位置決めを容易にできる構造にしても良い。なお、この場合に、第1外壁部材42を貫通する複数の孔42dである必要はなく、凸部45bと嵌合する形状の凹部であっても良い。また、複数の孔42dは、第1外壁部材42に限らずに第2外壁部材43に設けても良い。
また、図12のように、内壁部材44に複数の孔45cを設け、第1外壁部材42に複数の孔45cと嵌合する形状の凸部42eを設けることにより、内壁部材44と第1外壁部材42との位置決めを容易にできる構造にしても良い。なお、この場合に、内壁部材44を貫通する複数の孔45cである必要はなく、凸部42eと嵌合する形状の凹部であっても良い。また、複数の凸部42eは、第1外壁部材42に限らずに第2外壁部材43に設けても良い。
(13)
変形例(12)の室外熱交換器20では、外壁部材42,52,43,53、または、内壁部材44に、それぞれが嵌合する構造の凹部または孔と、凸部とをそれぞれに設けているが、これに限らない。例えば、外壁部材42,52,43,53と内壁部材44とに、図13のように、第1外壁部材42に第1受け孔42fを設け、内壁部材44に第2受け孔45dを設け、第1受け孔42fと第2受け孔45dとをピン部材60によって貫通させることにより、内壁部材44と第1外壁部材42との位置決めを容易にできる構造にしても良い。このとき第1受け孔42fと第2受け孔45dとの形状はピン部材60によって貫通されるように、開口の大きさが等しい。なお、この場合に、外壁部材は、第1外壁部材42と第2外壁部材43と分かれている必要はなく、内壁部材44の外周面と密着する内周面を有する一体化した外壁部材であっても良い。
(14)
変形例(12)および変形例(13)の室外熱交換器20では、筒状の内壁部材44はその断面形状において外周形状の円と内周形状の円とが同心円となっているがこれに限らない。例えば、図14,15のように、断面形状において外周形状の円と内周形状の円45eとが偏芯している内壁部材44aであっても良い。なお、内壁部材44aを利用する場合には、ヘッダの組立の際に、内壁部材44aが外壁部材42,52,43,53に対して円周方向に回転しやすくなるが、第1受け孔42fと第2受け孔45dとをピン部材60によって貫通させることにより、内壁部材44と第1外壁部材42との位置決めを容易にできる構造としているため、内壁部材44aが外壁部材42,52,43,53に対して円周方向に回転することを防ぐことができる。
なお、図14,15においては、変形例(13)のピン部材60を追加する構造としているが、変形例(12)のように、凹部または孔に対して凸部を嵌合させる構造であっても良い。変形例(12)の構造であって、内壁部材が偏芯である場合においても、内壁部材が外壁部材日して円周方向に回転することを防ぐことができる。
本発明に係る熱交換器は、耐圧性能を向上させることができ、高圧圧力で作動する冷媒に対応した熱交換器等として有用である。
4 第1ヘッダ(ヘッダ)
5 第2ヘッダ(ヘッダ)
6 扁平多孔管(扁平管)
7 コルゲートフィン(伝熱フィン)
9 空気流路
20 室外熱交換器(熱交換器)
42、52 第1外壁部材(外壁部材、第1外壁部材)
42d 孔(凹部または孔)
42e 凸部
42f 第1受け孔
43、53 第2外壁部材(外壁部材、第2外壁部材)
43c 爪部
44、54 内壁部材
45,55 押出管
45b 凸部
45c 孔(凹部または孔)
45d 第2受け孔
46a,46b,56a,56b 仕切部材
42c、52c 第1貫通孔
45a、55a 第2貫通孔
49,59 流通孔
42a,42b,43a,43b 第1密着面部材
52a,52b,53a,53b 第2密着面部材
60 ピン部材
L1 第1方向
L2 第2方向
特開2000−81294号公報

Claims (13)

  1. 冷媒が流通可能であり第1方向(L1)に沿って延びる扁平管(6)と、
    前記扁平管(6)と共に、空気流が流通可能な空気流路(9)を形成する伝熱フィン(7)と、
    前記扁平管(6)の両端に接続され、前記冷媒が流通可能であり、前記第1方向(L1)と交差する第2方向(L2)に沿って延びる筒状のヘッダ(4,5)と、
    を備え、
    前記ヘッダ(4,5)は、筒状の外壁部材(42,43,52,53)と、前記外壁部材(42,43,52,53)の内面とその外面が隙間無く密着する筒状の内壁部材(44,54)と、から成る、
    熱交換器(20)。
  2. 前記外壁部材(42,43,52,53)は、前記扁平管(6)と接続される第1外壁部材(42,52)と、前記第1外壁部材(42,52)と接合し前記第1外壁部材(42,52)と共に前記ヘッダ(6)の外壁を形成する第2外壁部材(43,53)と、を有する、
    請求項1に記載の熱交換器(20)。
  3. 前記内壁部材と前記外壁部材とを貫通するピン部材(60)をさらに備え、
    前記外壁部材は、前記ピン部材に貫通される第1受け孔(42f)を有し、
    前記内壁部材は、前記ピン部材に貫通される第2受け孔(45d)を有する、
    請求項1または2に記載の熱交換器(20)。
  4. 前記内壁部材は、凹部または孔(45c)を有し、
    前記第1外壁部材または前記第2外壁部材は、前記凹部または前記孔と嵌合する凸部(42e)を有する、
    請求項2に記載の熱交換器(20)。
  5. 前記内壁部材は、凸部(45b)を有し、
    前記第1外壁部材または前記第2外壁部材は、前記凸部と嵌合する凹部または孔(42d)を有する、
    請求項2に記載の熱交換器(20)。
  6. 前記第1外壁部材(42,52)は、前記扁平管(6)が貫通する第1貫通孔(42c)を有し、
    前記内壁部材(44,54)は、前記第1外壁部材(42,52)と接する側であって、前記第1貫通孔(42c,52c)と一致する位置に、前記扁平管(6)が貫通する第2貫通孔(45a,55a)を有する、
    請求項2から5のいずれかに記載の熱交換器(20)。
  7. 前記第1外壁部材(42,52)および前記第2外壁部材(43,53)は、クラッド材が積層されたアルミニウム板により成型される、
    請求項2から6のいずれかに記載の熱交換器(20)。
  8. 前記第1外壁部材(42,52)は、前記第2方向(L2)に交差する面による断面の両端部において、長手方向が前記第2方向(L2)に沿って延びる矩形の第1密着面部材(42a,42b,43a,43b)を有し、
    前記第2外壁部材(43,53)は、前記第2方向(L2)に交差する面による断面の両端部において、長手方向が前記第2方向(L2)に沿って延びる矩形の第2密着面部材(52a,52b,53a,53b)を有し、
    前記第1密着面部材(42a,42b,43a,43b)と前記第2密着面部材(52a,52b,53a,53b)とは、互いに密着する、
    請求項2から7のいずれかに記載の熱交換器(20)。
  9. 前記第1外壁部材(42,52)または前記第2外壁部材(43,53)の少なくとも一方の前記密着面部材(43a,43b,53a,53b)には、その密着面部材(43a,43b,53a,53b)と共にもう一方の前記密着面部材(42a,42b,52a,52b)を挟み込んで固定する爪部(43c,53c)が設けられる、
    請求項8に記載の熱交換器(20)。
  10. 前記内壁部材(44,54)は、複数の押出管(45,55)と、前記複数の押出管(45,55)の間に設けられ前記ヘッダ(4,5)の内部空間を前記第2方向(L2)に複数に仕切る板状の仕切部材(46a,46b,56a,56b)と、から成る、
    請求項1から9のいずれかに記載の熱交換器(20)。
  11. 前記押出管(45,55)は、押し出し加工により成型される、
    請求項10に記載の熱交換器(20)。
  12. 前記仕切部材(46b,56b)は、冷媒が流通可能であって、ヘッダの内径よりも直径が小さい流通孔(49,59)を少なくとも1つ以上有する、
    請求項10または11に記載の熱交換器(20)。
  13. 前記外壁部材(42,43,52,53)と前記内壁部材(44,54)とは、ロウ付けにより接合される、
    請求項1から12のいずれかに記載の熱交換器(20)。
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