JP2011099498A - 等速自在継手および継手アッセンブリー - Google Patents
等速自在継手および継手アッセンブリー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011099498A JP2011099498A JP2009254028A JP2009254028A JP2011099498A JP 2011099498 A JP2011099498 A JP 2011099498A JP 2009254028 A JP2009254028 A JP 2009254028A JP 2009254028 A JP2009254028 A JP 2009254028A JP 2011099498 A JP2011099498 A JP 2011099498A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- constant velocity
- velocity universal
- universal joint
- shaft
- elastic member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Abstract
【課題】従来の等速自在継手に比べて、部品点数を大幅に削減すると共に、ブーツやグリースを必要としない構造とすることで、コスト削減が可能となる等速自在継手を提供する。
【解決手段】2軸間の角度変位を許容する等速自在継手である。いずれか一方の軸31の端部に雌部33を形成する。一方の軸31の端部に対向する他方の軸32の端部に、雌部33の内面に摺接してこの雌部33に揺動可能に嵌合する雄部34を設ける。2軸が相互に接近する方向に弾発される弾性部材40を介して2軸間のトルク伝達を可能として締結されてなる。
【選択図】図1
【解決手段】2軸間の角度変位を許容する等速自在継手である。いずれか一方の軸31の端部に雌部33を形成する。一方の軸31の端部に対向する他方の軸32の端部に、雌部33の内面に摺接してこの雌部33に揺動可能に嵌合する雄部34を設ける。2軸が相互に接近する方向に弾発される弾性部材40を介して2軸間のトルク伝達を可能として締結されてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用される等速自在継手および継手アッセンブリーに関する。
等速自在継手には、2軸間の角度変位のみを許容する固定式と、角度変位及び軸方向変位を許容する摺動式とがある。
固定式の等速自在継手は、一般的には、図11に示すように、内周面1に複数のトラック溝2を軸方向に形成した外側継手部材としての外輪3と、外周面4に複数のトラック溝5を形成した内側継手部材としての内輪6と、外輪3のトラック溝2と内輪6のトラック溝5とで協働して形成されるボールトラックに配される複数のボール7と、ボール7を収容するためのポケット8aを有するケージ8とを備える。
外輪3は、前記トラック溝2が形成されたマウス部3aと、このマウス部3aの底壁から突設される軸部3bとを備える。また、内輪6はその孔部内径6aにシャフト10の端部10aを嵌入することによりスプライン嵌合してシャフト10とトルク伝達可能に結合されている。
外輪3の開口部はブーツ15にて塞がれている。ブーツ15は、大径部15aと、小径部15bと、大径部15aと小径部15bとを連結する蛇腹部15cとからなる。大径部15aが外輪3の開口部に外嵌され、この状態でブーツバンド16にて締結され、小径部15bがシャフト10のブーツ装着部10bに外嵌され、この状態でブーツバンド16にて締結されている。
また、摺動式の等速自在継手は、図12に示すように、円筒形の内周面21に軸方向に延びるボール溝(トラック溝)22を円周方向等間隔に形成した外側継手部材としての外輪23と、球面状の外周面24に軸方向に延びるボール溝(トラック溝)25を円周方向等間隔に形成した内側継手部材としての内輪26と、対をなす外輪23のトラック溝22と内輪26のトラック溝25との間に介在させたボール27と、ボール27を収容するポケットを円周方向に所定間隔で形成したケージ28とを備える。
外輪23は、前記トラック溝22が形成されたマウス部23aと、このマウス部23aの底壁から突設される軸部23bとを備える。また、内輪26はその孔部内径26aにシャフト10の端部10cを嵌入することによりスプライン嵌合してシャフト10とトルク伝達可能に結合されている。
外輪23の開口部はブーツ29にて塞がれている。ブーツ29は、大径部29aと、小径部29bと、大径部29aと小径部29bとを連結する蛇腹部29cとからなる。大径部29aが外輪23の開口部に外嵌され、この状態でブーツバンド30にて締結され、小径部29bがシャフト10のブーツ装着部10dに外嵌され、この状態でブーツバンド30にて締結されている。
このような等速自在継手は、自動車用ではドライブシャフトやプロぺラシャフトに使用される。ドライブシャフトは、アウトボード側の等速自在継手と、インボード側の等速自在継手と、この一対の等速自在継手を連結するシャフトとを備える。ここで、アウトボード側とは自動車へ組み付けた状態で幅方向外寄りとなる側をいい、インボード側とは幅方向内寄りとなる側をいう。
アウトボード側の等速自在継手には固定式の等速自在継手を用い、インボード側の等速自在継手には摺動式の等速自在継手を用いる(特許文献1)。そして、アウトボード側の等速自在継手には、トルク伝達部材としてのボールを有する図11に示すBJ型の固定式等速自在継手が用いられる。また、インボード側の等速自在継手には、トルク伝達部材としてのボールを有する図12に示すDOJ型(ダブルオフセット型)やトリポード型(TJ型)の摺動式等速自在継手が用いられる。これらは、構造が簡素なこと、及びコスト面で最適であることによる。
近年、新興国市場における自動車産業が急速に発展し、更なるコスト低減が課題となっている。しかしながらBJ型の固定式等速自在継手やDOJ型の摺動式等速自在継手は構造が簡素である為、現状以上のコスト低減に限界があった。その為、更なるコスト低減を達成するには、従来のBJ型やDOJ型に変わる全く構造の異なる等速自在継手とする必要があった。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、従来の等速自在継手に比べて、部品点数を大幅に削減すると共に、ブーツやグリースを必要としない構造とすることで、コスト削減が可能となる等速自在継手を提供しようとするものである。
本発明の等速自在継手は、2軸間の角度変位を許容する等速自在継手であって、いずれか一方の軸の端部に雌部を形成するとともに、この一方の軸の端部に対向する他方の軸の端部に、前記雌部の内面に摺接してこの雌部に揺動可能に嵌合する雄部を設け、かつ、2軸が相互に接近する方向に弾発される弾性部材を介して2軸間のトルク伝達を可能として締結されてなるものである。
一方の軸の雌部に他方の軸の雄部が揺動可能に嵌合しているので、一方の軸と他方の軸とを同一直線上に配設された状態からこれらの2軸が所定角度をなすように屈曲させることができる(すなわち、作動角とることができる)。この場合、2軸が相互に接近する方向に弾発される弾性部材を介して締結されているので、直線上に配設されている状態であっても、所定作動角をとる状態であっても、2軸間のトルクを伝達することができる。このため、従来の等速自在継手において必要としたトルク伝達部材としてのボール、ボールを保持するケージ等を省略でき、部品点数の大幅な削減を図ることができる。
前記雌部の内面底部を、所定作動角をとれる範囲で球面形状とするのが好ましい。これによって、作動角をとることができ、従来の等速自在継手と同様の機能を発揮する。また、雄部と雌部との接触部位に熱硬化処理を施したり、熱硬化処理以外の表面硬化処理を施したりするのが好ましい。
雄部を雌部に嵌合して2軸が同一直線上に配置された状態において、2軸の相対向する端面間に、前記弾性部材が介在される隙間を形成するとともに、前記弾性部材を引張りばねとして、この弾性部材の自由状態での軸方向長さを前記隙間の軸方向長さよりも短く設定するようにできる。このように設定すれば、2軸が相互に接近する方向に弾発され、雄部と雌部との嵌合状態が安定して、常時雌部の内面に雄部を摺接させることができる。
弾性部材を溶接接合にて2軸に連結しても、弾性部材を接着剤接合にて2軸に連結してもよい。また、弾性部材の両端部にフック部を設け、このフック部をその対応する軸に係止させるようにしてもよい。さらには、弾性部材の両端部にフック部を設け、各フック部をその対応する軸にそれぞれ係止させるとともに、弾性部材を溶接接合又は接着剤接合にて2軸に連結するようにしてもよい。このように、弾性部材を種々の接合手段にて2軸に連結することができる。
リアドライブシャフト用であっても、プロペラシャフト用であってもよい。また、2軸間の角度変位のみを許容する固定式であっても、2軸間の角度変位および軸方向変位を許容する摺動式であってもよい。
本発明の継手アッセンブリーは、一対の等速自在継手と、これら等速自在継手に連結されたシャフトとからなる継手アッセンブリーであって、一対の等速自在継手に、前記摺動式の等速自在継手を用いたものである。
本発明の等速自在継手では、従来の等速自在継手において必要としたトルク伝達部材としてのボールやボールを保持するケージ等を省略でき、部品点数の大幅な削減を図ることができる。このため、軽量化及びコスト低減を図ることができる。
雌部の内面底部を、所定作動角をとれる範囲で球面形状とすることによって、従来の等速自在継手と同様の機能を発揮し、等速自在継手として安定した機能を発揮することができる。また、雄部と雌部との接触部位に熱硬化処理を施したり、熱硬化処理以外の表面硬化処理を施したりすることによって、接触部位の強度向上や摩耗の低減を図ることができたり、摩擦係数を小さくできることから、長期にわたって安定したトルク伝達が可能となる。
弾性部材を引張りばねとして、この弾性部材の軸方向長さを隙間よりも短く設定することによって、常時雌部の内面に雄部を摺接させることができ、2軸の連結状態の安定化を図ることができ、高品質の製品を提供できる。
弾性部材を種々の接合手段にて2軸に連結することができ、組立性の簡略化を図ることができる。しかも、弾性部材を介して2軸を強固に連結することができる。弾性部材がフック部を有するものでは、第1の軸と第2の軸とを安定した状態での連結が可能となる。
リアドライブシャフト用であっても、プロペラシャフト用であっても、固定式であっても、摺動式であってもよく、種々のタイプの等速自在継手を構成できる。
この継手アッセンブリーでは、各等速自在継手の部品点数の減少を図ることができ、組立性の向上及び軽量化を達成でき、コスト低減を図ることができる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は第1の実施形態を示す。この等速自在継手は、2軸間の角度変位のみを許容する固定式の等速自在継手であって、第1の軸31と、第2の軸32とをトルク伝達可能に連結するものである。この固定式の等速自在継手は、例えば、この等速自在継手が連結される図示省略のハブ輪とともに車輪用軸受装置を構成することができ、この車輪用軸受装置を介して車輪に連結することができる。
この場合、一方(第1)の軸31の端部に雌部33を形成するとともに、第1の軸31の端部に対向する他方(第2)の軸32の端部に、前記雌部33の内面33aに摺接してこの雌部の揺動可能に嵌合する雄部34を設けている。
すなわち、第1の軸31の端面Eaにその内面33aが凹球面となる凹部38を設け、この凹部38をもって前記雌部33を構成する。また、第2の軸32は、円盤状の本体部32aと、この本体部32aの裏面35から突設されるステム軸32bと、本体部32aの表面、つまり第2の軸32の端面Ebから突設される突起部37とを備える。この突起部37は、第1の軸31に向かって縮径するコーン部37aと、このコーン部37aの先端部に連設される球体部37bとからなり、この球体部37bが前記雄部34を構成する。この場合、図2に示すように、雌部33の曲率半径Rを雄部34(球体部37b)の半径R1よりも大きく設定している。これによって、第1の軸31と第2の軸32とが所定角でもって屈曲することができ、この種の固定式等速自在継手に必要とする作動角をとることができる。
ステム軸32bは、雄スプライン39aが形成された本体39と、ねじ軸部39bとを備える。本体39の雄スプライン39aが、図示省略のハブ輪の孔部に嵌入され、この孔部の内径面に設けられた雌スプラインに嵌合する。また、ねじ軸部39bにはナット部材が螺合されて、この第2の軸32のハブ輪に固着される。なお、第2の軸32には、本体部32aのステム軸32b側からステム軸32bにわたって熱硬化層Sが形成されている。熱硬化層Sは後述する雌部33と雄部34との接触部位における熱硬化処理部45a,6bと同様、高周波焼入れや浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
また、第1の軸31と第2の軸32とは弾性部材40を介して連結されている。すなわち、図1に示すように、雄部34が雌部33に嵌合して、第1の軸31と第2の軸32とが同一軸線上に配置された状態で、第1の軸31の端面Eaと、第2の軸32の端面Ebとの間に隙間41が設けられる。そして、この隙間41に前記弾性部材40が介在される。
弾性部材40は、この実施形態では引張ばね42にて構成され、図2に示すように、その自由状態での軸方向長さLが、隙間41の軸方向長さL1よりも短く設定されている。このため、弾性部材40の弾性力にて、第1の軸31と第2の軸32とが相互に接近する方向に付勢される。また、引張ばね42は、一方の端面42aが第1の軸31の端面Eaに接合溶接Aされ、他方の端面42bが第2の軸32の端面Ebに接合溶接Aされる。
弾性部材40を構成する引張ばね42は、周方向に沿って所定ピッチで複数本(例えば、90°ピッチで4本)配設される。この引張ばね42としては、第1の軸31と第2の軸32とのトルク伝達を可能とする剛性を必要とする。この剛性は、1つの弾性部材40が具備する必要がなく、全ての弾性部材40でもって具備するものであればよい。
ところで、雌部33と雄部34との接触部位に熱硬化処理や硬化処理以外の表面処理を施すのが好ましい。図1や図2における接触部位におけるクロスハッチング部が熱硬化処理部45a,46a又は表面処理部45b,46bを示している。熱硬化処理としては、高周波焼入れや浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。高周波焼入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用によりジュール熱を発生させて伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。浸炭焼入れとは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う方法である。
熱硬化処理以外の表面処理には、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素樹脂などの固体潤滑剤をコーティングする方法、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)を塗布する方法、ショットピーニングを行う方法等がある。ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)は、ダイヤモンドとグラファイトの中間的な結晶構造を持つものであって、炭素を主成分としながらも若干の水素を含み,ダイヤモンド結合(SP3結合)とグラファイト結合(SP2結合)の両方の結合が混在しているアモルファス構造をとる。ショットピーニングとは、小さな鋼球(ショット)を構造材や機械部品の表面に噴射して、 表面層に残留圧縮応力を生じさせると共に軽い加工硬化をおこさせ、応力や疲れによる破壊強度を増す加工である。
ところで、固体潤滑剤をコーティングした場合、摩擦抵抗低減、耐摩耗性向上(部品保護、機構保全)、異音防止等に効果がある。また、DLCを塗布した場合、高硬度・低摩擦係数・耐摩耗性・電気絶縁性・耐薬品性・赤外線透過性などの特徴を示す。なお、図例では、雌部33の熱硬化処理部45a又は表面処理部45bは、先端側(反コーン部側)の処理層が厚くなっているが、形成される範囲において同一深さであってもよい。また、雌部33の熱硬化処理部46a又は表面処理部46bも、底中央部の処理層が厚くなっているが、形成される範囲において同一深さであってもよい。
第1の軸31の雌部33に第2の軸32の雄部34が揺動可能に嵌合しているので、第1の軸31と第2の軸32とを同一直線上に配設された状態からこれらの2軸が所定角度をなすように屈曲させることができる(すなわち、作動角とることができる)。この場合、2軸が相互に接近する方向に弾発される弾性部材40を介して締結されているので、直線上に配設されている状態であっても、作動角をとる状態であっても、2軸間のトルクを伝達することができる。このため、従来の等速自在継手において必要としたトルク伝達部材としてのボール、ボールを保持するケージ等を省略でき、部品点数の大幅な削減を図ることができることになり、軽量化及びコスト低減を図ることができる。
雌部33の内面底部を、所定作動角をとれる範囲で球面形状とすることによって、従来の等速自在継手と同様の機能を発揮し、等速自在継手として安定した機能を発揮することができる。また、雄部34と雌部33との接触部位に熱硬化処理を施したり、熱硬化処理以外の表面硬化処理を施したりすることによって、接触部位の強度向上や摩耗の低減を図ることができたり、摩擦係数を小さくできることから、長期にわたって安定したトルク伝達が可能となる。
弾性部材40を引張りばね42として、この弾性部材40の軸方向長さを隙間よりも短く設定することによって、2軸が相互に接近する方向に弾発され、雄部34と雌部33との嵌合状態が安定して、常時雌部33の内面に雄部34を摺接させることができ、2軸の連結状態の安定化を図ることができ、高品質の製品を提供できる。
次に図3は、弾性部材40の第1の変形例を示し、この場合、引張ばね42の両端部に、フック部47,48を設けている。そして、一方のフック部47が第1の軸31に係止するとともに、他方のフック部48が第2の軸32に係止する。
すなわち、フック部47、48は、軸方向に延びる第1部47a,48aと、この第1部47a,48aから内径側へ延びる第2部47b,48bとからなる。そして、第1の軸31及び第2の軸32には、外径面から内径側へ延びるスリット49、50が設けられて、このスリット49、50に第2部47b,48bが嵌合している。
この場合の引張ばね42も、その自由状態での軸方向長さLが、隙間41の軸方向長さL1よりも短く設定されている。また、雄部34が雌部33に嵌合した状態で、引張ばね42は、一方の端面42aが第1の軸31の端面Eaに当接し、他方の端面42bが第2の軸32の端面Ebに当接した状態となっている。このように、第1の軸31と第2の軸32とが連結された状態では、第1の軸31と第2の軸32とのトルク伝達を可能としている。
図4においては、前記図3に示すように、フック部47,48を有する引張ばね42を用いるとともに、溶接接合Aも用いている。この場合、図1等と同様、引張ばね42は、一方の端面42aが第1の軸31の端面Eaに接合溶接Aされ、他方の端面42bが第2の軸32の端面Ebに接合溶接Aされる。なお、このような端面同士の溶接接合に加え、フック部47,48を各軸31、32に溶接接合しても、この端面同士の溶接接合に代えて、フック部47,48の溶接接合であってもよい。
図3と図4の他の構成は、前記図1と図2に示す構成と同様であるので、同一部材については、図1と図2に示す符号を付してそれらの説明を省略する。このため、図3や図4に示す等速自在継手においても、図1と図2に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。特に、弾性部材40がフック部47,48を有するものでは、第1の軸31と第2の軸32とを安定した状態での連結が可能となる。
次に図5は第2実施形態を示す。この場合、第1の軸31の雄部34を設け、第2の軸32に雌部33を設けている。すなわち、第1の軸31に、第2の軸32に向かって縮径するコーン部37aと、このコーン部37aの先端部に連設される球体部37bとからなる突起部37が設けられる。そして、この球体部37bが雄部34を構成する。また、第2の軸32の端面Ebに、その内面33aが凹球面となる凹部38を設け、この凹部をもって雌部33を構成する。また、雌部33と雄部34との接触部位には、熱硬化処理部45a,46a又は表面処理部45b,46bが形成されている。
この場合も、第1の軸31と第2の軸32とは弾性部材40を介して連結されている。すなわち、図5に示すように、雄部34が雌部33に嵌合して、第1の軸31と第2の軸32とが同一軸線上に配置された状態で、第1の軸31の端面Eaと、第2の軸32の端面Ebとの間に隙間41が設け、この隙間に、自由状態での軸方向長さLが、隙間41の軸方向長さL1よりも短く設定された引張ばね42が介在される。
このため、このような等速自在継手であっても、前記図1と図2に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。なお、この場合であっても、引張ばね42としてフック部47,48を有するものを用いてもよい。フック部47,48を有するものを用いる場合、第1の軸31と第2の軸32にスリットを設ける必要がある。
次に、図6は第3の実施形態を示し、この場合、2軸間の角度変位および軸方向変位を許容する摺動式の等速自在継手である。例えば、この摺動型等速自在継手を介してディファレンシャルに連結される。
この場合、第2の軸52の端部に雌部53を形成するとともに、第1の軸51の端部に前記雌部53の内面53aに摺接してこの雌部53に揺動可能に嵌合する雄部54を設けている。
すなわち、第2の軸52の端面Ebにその凹部(孔部)58を設け、この孔部58をもって前記雌部53を構成する。この場合の孔部58は、軸方向の長孔であって、その底面58aと側面58bとを有し、底面58aと側面58bとコーナ部がアール部58cとされている。また、第1の軸51は、円盤状の本体部51aと、この本体部51aの裏面73から突設されるステム軸51bと、本体部51aの表面、つまり第1の軸51の端面Eaから突設される突起部57とを備える。この突起部57は、突起部本体57aと、この突起部本体57aの先端部に連設される球体部57bとからなり、この球体部57bが前記雄部54を構成する。なお、ステム軸51bは、ボス部71と、雄スプライン部72aを有する本体72とを備える。また、第1の軸51には、本体部51aのステム軸51b側からステム軸51bの雄スプライン部72に渡って熱硬化層Sが設けられている。
図7に示すように、球体部57bの外径寸法Dが孔部58の孔径D1と同一乃至孔部58の孔径D1よりも僅かに小さく設定される。このため、雄部54が雌部33内を雌部33の軸方向に沿ってスライド(往復動)することができるとともに、第1の軸51と第2の軸52とが所定角度をなすように屈曲状とすることができる。
この場合も、第1の軸51と第2の軸52とは弾性部材60を介して連結されている。すなわち、第1の軸31の端面Eaと、第2の軸32の端面Ebとの間に形成される隙間61に弾性部材60を構成するコイルばね62を介在させる。図6に示すように、雄部54が雌部53の軸方向略中間部に位置した状態において形成される隙間61の軸方向長さL1と、コイルばね62の自由状態での軸方向長さLとを同じに設定する。また、コイルばね62は、その一方の端面62aが第1の軸51の端面Eaに溶接接合され、その他方の端面62bが第2の軸52の端面Ebに溶接接合されている。なお、この場合も、コイルばね62は周方向に沿って所定ピッチ(例えば、90°ピッチ)で4本配置されている。
このため、雄部54が雌部53内を雌部53の軸方向に沿ってスライド(往復動)することができるとともに、2軸51、52が所定角度をなすように屈曲させることができる(すなわち、作動角をとることができる)摺動式の等速自在継手を構成できる。
雌部53と雄部54との接触部位には熱硬化処理部65a,66a又は表面処理部65b,66bが形成されている。なお、雌部53の熱硬化処理部65a又は表面処理部65bは、孔部58の底面58a乃至側面58bに形成される。また、雄部54の熱硬化処理部66a又は表面処理部66bは球体部57bのほぼ全周に形成されている。その際、この実施形態では、反本体部側の熱硬化処理部66a又は表面処理部66bが深い処理層とされているが、形成される範囲において同一深さであってもよい。
このため、図6に示す等速自在継手であっても、前記図1等に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏し、しかも、摺動式の等速自在継手としての機能を発揮する。
図8は、図3に示すように、両端にフック部67,68を設けコイルばね62を使用している。フック部67、68は、軸方向に延びる第1部67a,68aと、この第1部67a,68aから内径側へ延びる第2部67b,68bとからなる。そして、第1の軸31及び第2の軸32には、外径面から内径側へ延びるスリット69、70が設けられて、このスリット69、70に第2部67b,68bが嵌合している。
図9は図4に示す弾性部材60と同様、フック部67,68を有する引張ばね62を用いるとともに、溶接接合も用いている。この場合、引張ばね62の端面62a、62bと軸の端面Ea,Ebの溶接接合に加え、フック部67,68を各軸31、32に溶接接合しても、この端面同士の溶接接合に代えて、フック部67,68の溶接接合であってもよい。
次に図10は第4の実施形態を示す。この場合、第1の軸51の雌部53を設け、第2の軸52に雌部53を設けている。すなわち、第1の軸51の本体部51aの端面Ebに、軸方向の長孔である凹部(孔部)58を設け、この孔部58をもって前記雌部53を構成する。孔部58は、その底面58aと側面58bとを有し、底面58aと側面58bとのコーナ部がアール部58cとされている。
また、第2の軸52の端面Ebに、突起部本体57aと、この突起部本体57aの先端部に連設される球体部57bとからなる突起部57を設け、この球体部57bが前記雄部54を構成する。また、雌部53と雄部54との接触部位には、熱硬化処理部65a,66a又は表面処理部65b,66bが形成されている。
この場合も、第1の軸51の端面Eaと、第2の軸52の端面Ebとの間に形成される隙間61に弾性部材60を構成するコイルばね62を介在させる。
このため、このような等速自在継手であっても、前記図6に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。なお、この場合であっても、引張ばね62としてフック部67,68を有するものを用いてもよい。フック部67,68を有するものを用いる場合、第1の軸51と第2の軸52にスリットを設ける必要がある。
ところで、前記各実施形態において、引張ばね42(62)の端面42a、42b(62a、62b)と軸31、32(51、52)の端面Ea,Ebとを接合する場合、溶接接合であったが、この溶接接合に代えて、接着剤を用いる接着接合であってもよい。接着剤としては、硬化型接着剤やエポキシ系接着剤等を用いることができる。
また、前記実施形態のように構成された等速自在継手としては、リアドライブシャフト用であっても、プロペラシャフト用であってもよい。ドライブシャフトとは、エンジンの回転力をデファレンシャルギヤからタイヤに伝達する車軸である。プロペラシャフトとは、推進軸という意味で、FR車や4WD車の車体中央を前後にはしる回転軸である。エンジンの回転力をデファレンシャルギヤなどに伝達する。さらに、一対の等速自在継手と、これら等速自在継手に連結されたシャフトとからなる継手アッセンブリーを構成し、この継手アッセンブリーにおいて、一対の等速自在継手に、図6〜図10に記載の摺動式の等速自在継手を用いることができる。
このように、本発明の等速自在継手は、リアドライブシャフト用であっても、プロペラシャフト用であっても、固定式であっても、摺動式であってもよく、種々のタイプの等速自在継手を構成できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、弾性部材として、前記実施形態ではコイルスプリングを用いていたが、このようなコイルスプリングを用いることなく、他の弾性材、つまりゴムや合成樹脂等から構成されていてもよい。また、各等速自在継手に使用する弾性部材の数としては、任意に設定できるが、第1の軸と第2の軸との間でトルク伝達が可能な状態で、この2軸間の連結が可能な範囲で、種々変更可能である。
31、51 第1の軸
32、52 第2の軸
33、53 雌部
34、54 雄部
40 弾性部材
41 隙間
45a,46a 熱硬化処理部
45b,46b 表面処理部
47,48 フック部
65a、66a 熱硬化処理部
65b、66b 表面処理部
60 弾性部材
61 隙間
62a 端面
62b 端面
67,68 フック部
67a,68a 第1部
67b,68b 第2部
70 スリット
71 ボス部
72 雄スプライン部
73 裏面
D1 孔径
Ea 端面
Eb 端面
32、52 第2の軸
33、53 雌部
34、54 雄部
40 弾性部材
41 隙間
45a,46a 熱硬化処理部
45b,46b 表面処理部
47,48 フック部
65a、66a 熱硬化処理部
65b、66b 表面処理部
60 弾性部材
61 隙間
62a 端面
62b 端面
67,68 フック部
67a,68a 第1部
67b,68b 第2部
70 スリット
71 ボス部
72 雄スプライン部
73 裏面
D1 孔径
Ea 端面
Eb 端面
Claims (14)
- 2軸間の角度変位を許容する等速自在継手であって、
いずれか一方の軸の端部に雌部を形成するとともに、この一方の軸の端部に対向する他方の軸の端部に、前記雌部の内面に摺接してこの雌部に揺動可能に嵌合する雄部を設け、かつ、2軸が相互に接近する方向に弾発される弾性部材を介して2軸間のトルク伝達を可能として締結されてなることを特徴とする等速自在継手。 - 前記雌部の内面底部を、所定作動角をとれる範囲で球面形状としたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
- 雄部と雌部との接触部位に熱硬化処理を施したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手。
- 雄部と雌部との接触部位に熱硬化処理以外の表面硬化処理を施したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手。
- 雄部を雌部に嵌合して2軸が同一直線上に配置された状態において、2軸の相対向する端面間に、前記弾性部材が介在される隙間を形成するとともに、前記弾性部材を引張りばねとして、この弾性部材の自由状態での軸方向長さを前記隙間の軸方向長さよりも短く設定したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手。
- 弾性部材を溶接接合にて2軸に連結したことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
- 弾性部材を接着剤接合にて2軸に連結したことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
- 弾性部材の両端部にフック部を設け、このフック部をその対応する軸に係止させたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
- 弾性部材の両端部にフック部を設け、各フック部をその対応する軸にそれぞれ係止させるとともに、弾性部材を溶接接合又は接着剤接合にて2軸に連結したことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
- リアドライブシャフト用であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の等速自在継手。
- プロペラシャフト用であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の等速自在継手。
- 2軸間の角度変位のみを許容する固定式であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の等速自在継手。
- 2軸間の角度変位および軸方向変位を許容する摺動式であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の等速自在継手。
- 一対の等速自在継手と、これら等速自在継手に連結されたシャフトとからなる継手アッセンブリーであって、一対の等速自在継手に、前記請求項13に記載の摺動式の等速自在継手を用いたことを特徴とする継手アッセンブリー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009254028A JP2011099498A (ja) | 2009-11-05 | 2009-11-05 | 等速自在継手および継手アッセンブリー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009254028A JP2011099498A (ja) | 2009-11-05 | 2009-11-05 | 等速自在継手および継手アッセンブリー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011099498A true JP2011099498A (ja) | 2011-05-19 |
Family
ID=44190844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009254028A Pending JP2011099498A (ja) | 2009-11-05 | 2009-11-05 | 等速自在継手および継手アッセンブリー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011099498A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109973534A (zh) * | 2019-02-20 | 2019-07-05 | 荣基工业科技(江苏)有限公司 | 一种具有补偿功能的联轴器 |
-
2009
- 2009-11-05 JP JP2009254028A patent/JP2011099498A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109973534A (zh) * | 2019-02-20 | 2019-07-05 | 荣基工业科技(江苏)有限公司 | 一种具有补偿功能的联轴器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007064264A (ja) | 固定型等速自在継手 | |
JP5410163B2 (ja) | ドライブシャフトおよびドライブシャフトの組立方法 | |
JP2011099498A (ja) | 等速自在継手および継手アッセンブリー | |
KR20180123137A (ko) | 프로펠러 샤프트용 교차 홈형 등속 조인트 | |
JP2008240907A (ja) | 自在継手 | |
WO2019035395A1 (ja) | 動力伝達用シャフト | |
WO2013027765A1 (ja) | 等速自在継手 | |
KR101658643B1 (ko) | 자동차용 트라이포드 등속 조인트 | |
WO2009130982A1 (ja) | 等速自在継手の外側継手部材 | |
JP2007078081A (ja) | 摺動型等速自在継手及びその製造方法 | |
JP2018035896A (ja) | 等速自在継手および等速自在継手製造方法 | |
JP2009191901A (ja) | 等速自在継手のケージ、プロペラシャフトアッセンブリー、およびドライブシャフトアッセンブリー | |
JP2017166576A (ja) | 等速自在継手 | |
JP5372364B2 (ja) | トリポード型等速自在継手 | |
JP2006064060A (ja) | 等速自在継手 | |
JP2007170423A (ja) | 等速自在継手及びその内方部材 | |
JP2020148283A (ja) | 等速自在継手用外側継手部材 | |
JP2008232292A (ja) | 等速自在継手 | |
JP2007162874A (ja) | 等速自在継手及びその内方部材 | |
JP2007247771A (ja) | トルク伝達機構 | |
JP2010025207A (ja) | 等速自在継手 | |
JP6899663B2 (ja) | 摺動式等速自在継手及びその製造方法 | |
JP2007333155A (ja) | 等速自在継手 | |
JP2008196591A (ja) | 固定式等速自在継手及びその製造方法 | |
JP2022148443A (ja) | 等速ダブルジョイント |