JP2011096838A - 反射型マスクおよびその製造方法ならびにマスクパターン検査方法 - Google Patents

反射型マスクおよびその製造方法ならびにマスクパターン検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分解能を持った電子線による検査と高スループットを持った光学検査との両方の検査に適合する反射型マスクおよびその製造方法、およびマスクパターン検査方法を提供する。
【解決手段】基板11の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜12と、前記多層反射膜12上に前記EUV光を吸収する吸収体層15とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスク10であって、前記吸収体層10に形成された転写用パターンが、前記吸収体層10を最上層とするパターンと、前記吸収体層10上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層16を積層し、前記低反射層16を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイスなどの製造におけるリソグラフィ用マスクおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、極端紫外光(Extreme Ultra Violet:以後、EUVと記す。)を用いてマスクパターンをウェハ上に転写するためのEUV露光用の反射型マスクおよびその製造方法ならびにマスクパターン検査方法に関する。
半導体デバイスの微細化に伴い、現在、ArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクを用いてウェハ上にパターン転写する露光方法が行なわれている。これらの光学式の投影露光装置による露光方法では、いずれ解像限界に達するため、電子線描画装置による直描やインプリントリソグラフィやEUVリソグラフィのような新しいパターン形成方法が提案されている。
これらの新しいリソグラフィ技術の中で、EUV露光は、エキシマレーザよりもさらに短波長の波長13.5nm程度のEUV光を用い、通常1/4程度に縮小して露光する技術で、紫外線露光の短波長化の極限と見なされており、半導体デバイス用のリソグラフィ技術として注目されている。EUV露光においては、短波長のために屈折光学系が使用できないので、反射光学系が用いられ、マスクとしては反射型マスクが用いられる。EUV露光用反射型マスクは、EUV光を反射する多層反射膜と、この多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けてパターンを形成したマスクである。
EUV露光用の反射型マスクは、従来、吸収体層にマスクパターンを形成した後、この吸収体層のパターンが欠陥無く設計通りに形成されているかどうかを検査している。上記のパターンの欠陥検査は、通常、257nmあるいは193nmの光をマスク表面に照射し、パターン形成した吸収体層表面とパターニングにより露出したEUV光を反射する膜表面との反射率の差により得られる反射像のパターンを検査している。上記の光学検査における反射率の差を大きくするために、通常、吸収体層上には低反射層が設けられており、さらに反射像のコントラストを大きくする提案がされている(例えば、特許文献1参照。)。
図8は、特許文献1に記載されている従来のEUV露光用反射型マスクの一例を示す断面図である。図8に示すEUV露光用反射型マスク80は、基板81上に多層膜構造でEUV光を反射する反射層82を有し、次いでマスクパターン形成時の反射層82へのエッチングダメージを防止するためのバッファ層83が設けられ、さらにその上にEUV光を吸収する吸収体層86を有し、吸収体層86はEUV光を吸収する露光光吸収体層84を下層とし、マスクパターンの検査に使用する検査光の吸収体からなる低反射層85を上層とした二層構造からなっている。図8に示す特許文献1に記載された反射型マスク80は、正確かつ迅速なマスクパターンの欠陥検査を可能とするために、上層の低反射層85を、クロム、マンガンなど、およびこれらの元素を含む合金から選ばれる少なくとも一種の物質の酸化物などで構成することを開示している。
特開2008−118143号公報
半導体素子パターンの微細化に伴って、反射型マスクのパターンの欠陥検査にも光学検査とともに電子線による検査が行われるようになっている。しかしながら、特許文献1に記載された検査光に対して反射率が低い低反射層をパターン表面に設けた従来の反射型マスクの構造は、光学検査には適しているが、電子線による検査には適しておらず、電子線によるパターンイメージング時において、低反射層表面の不均一な帯電が、電子線イメージのコントラストの変動やイメージのゆがみを引き起こし、検査感度の劣化や不安定化の一因となっていた。一方で、電子線による検査はスループットが非常に遅いことが課題に上げられており、マスク全面を検査するには膨大な時間が必要になり現実的でなくなるという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、高分解能を持った電子線による検査と高スループットを持った光学検査との両方の検査に適合する反射型マスクおよびその製造方法、およびマスクパターン検査方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る反射型マスクは、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクであって、前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするパターンと、前記吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、前記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る反射型マスクは、請求項1に記載の反射型マスクにおいて、前記吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、前記低反射層を最上層とするパターンが、前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であることを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る反射型マスクの製造方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、前記基板上に、前記多層反射膜と、前記吸収体層と、パターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層とをこの順に積層した反射型マスクブランクスを準備する工程と、前記低反射層上に第1のレジストパターンを形成し、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記低反射層、前記吸収体層をドライエッチングし、転写用パターンとなる吸収体層パターンを形成した後、前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、前記転写用パターン上に第2のレジストパターンを形成し、前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記転写用パターンの回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部の前記低反射層をドライエッチングして除去し、前記吸収体層を最上層とするパターンとした後、前記第2のレジストパターンを剥離する工程とを含み、前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、前記低反射層を最上層とし前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部との2種類のパターンで形成されることを特徴とするものである。
請求項4の発明に係るマスクパターン検査方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクのパターンの欠陥検査をするマスクパターン検査方法であって、前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするパターンと、前記吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、前記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成され、前記吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、前記低反射層を最上層とするパターンが、前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であり、前記クリティカルパターン部を電子線検査し、前記非クリティカルパターン部を光学検査することを特徴とするものである。
請求項5の発明に係るマスクパターン検査方法は、請求項4に記載のマスクパターン検査方法において、前記反射型マスクがバッファ層を有し、前記クリティカルパターン部の電子線検査と前記非クリティカルパターン部の光学検査を、前記吸収体層に前記2種類のパターンを形成した後で前記バッファ層のエッチング前に行うことを特徴とするものである。
本発明の反射型マスクによれば、マスクパターンを寸法および寸法精度の要求程度に応じてクリティカルパターン部と非クリティカルパターン部とに2分し、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部を電子線で検査し、寸法および寸法精度をクリティカルパターン部ほどに必要としない非クリティカルパターン部を光学検査することにより、高いスループットを維持しながら高い分解能でEUV露光用の反射型マスクのパターン欠陥を検査することが可能となる。本発明の反射型マスクは、EUV露光で転写されるパターン自体には何の支障も生じることは無く、マスクパターンの検査精度と検査速度の向上を図ったマスクである。
本発明の反射型マスクの製造方法によれば、反射型マスクパターンのクリティカルパターン部の低反射層をエッチングして除去することにより、クリティカルパターン部は電子線で検査し、その他の非クリティカルパターン部は光学検査で検査することが可能となり、高い検査感度を維持したまま高スループットでの反射型マスク検査が可能になり、簡単な製造工程で、光学検査と電子線検査に適合した反射型マスクの製造が可能となる。
本発明のマスクパターン検査方法によれば、本発明の反射型マスクを用い、吸収体層を最上層とするパターンは電子線で検査し、低反射層を最上層とするパターンは光学検査することにより、高いスループットを維持しながら高い分解能でEUV露光用反射型マスクのパターン欠陥を検査することが可能となる。
本発明の反射型マスクにおける実施形態の一例を示す断面模式図である。 本発明の反射型マスクにおける実施形態の他の例を示す断面模式図である。 本発明の反射型マスクにおけるパターンレイアウトの一例を示す概略平面図である。 本発明の反射型マスクの製造方法における第1の実施形態を示す工程断面模式図である。 図4に続く本発明の反射型マスクの製造方法における第1の実施形態を示す工程断面模式図である。 本発明の反射型マスクの製造方法における第2の実施形態を示す工程断面模式図である。 図6に続く本発明の反射型マスクの製造方法における第2の実施形態を示す工程断面模式図である。 従来の反射型マスクを示す断面模式図である。
以下、本発明のEUV露光用の反射型マスクとその製造方法および反射型マスクのパターン検査方法について、図面を参照しながら実施形態を説明する。
<反射型マスク>
まず、本発明の反射型マスクについて説明する。本発明の反射型マスクは、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクであって、上記吸収体層に形成されたパターンが、吸収体層を最上層とするパターンと、吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されていることを特徴とするものである。
図1は、本発明の反射型マスクにおける実施形態の一例を示す断面模式図である。図1に示すように、反射型マスク10は、基板11の一方の主面上にEUV光を反射する多層反射膜12と、その多層反射膜12上にEUV光を吸収する吸収体層15とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するマスクであって、多層反射膜12上に反射膜を保護するキャッピング層13、次いでマスクパターン形成時の多層反射膜12へのエッチングダメージを防止するためのバッファ層14が順に設けられ、さらにその上にEUV光を吸収する吸収体層15が形成され、吸収体層15に形成されたパターンは、吸収体層15を最上層とするパターンと、吸収体層15上にさらにパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層16を積層し、低反射層16を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されている。基板11の他方の主面上には反射型マスクを露光装置などに装着するための静電チャック用に導電層17が設けられている。
図2は、本発明の反射型マスクにおける実施形態の他の例を示す断面模式図である。図2に示すように、反射型マスク20はバッファ層14がない構造をしており、その他の構成要素は図1の反射型マスク10と同じであり、同じ符号を用いている。
反射型マスクにおいては、通常、低反射層16はタンタルなどの窒化物(TaN)や酸化物(TaO)などが用いられ、導電性が低いために、電子線顕微鏡による電子線により不均一に帯電し易く、電子線イメージのコントラストの変動やイメージのゆがみを引き起こし、電子線検査における検査感度の劣化や不安定化の一因となる。そのため、電子線検査には、最上層に低反射層16を設けていないマスクパターン構造が適していると考えられる。ここで、通常用いられる電子線マスク検査装置においては、上記の引用文献1に記載されるような照射電子線による吸収体層の損傷は起こらないことを本発明者は確認している。
マスクパターンの欠陥には、本来必要なパターン部分が欠落してしまう通称白欠陥と呼ばれる欠陥と、本来不要な部分が残ってしまう通称黒欠陥と呼ばれる欠陥がある。本発明において、上記のパターンの欠陥検査には、パターン寸法が仕様値に入らない寸法欠陥やパターンの白欠陥や黒欠陥および異物などの付着による欠陥の検査が含まれるものである。
本発明においては、上記の反射型マスク10を用いることにより、吸収体層15を最上層とするパターンは電子線で検査し、低反射層16を最上層とするパターンは光学検査することにより、高いスループットを維持しながら高い分解能でEUV露光用の反射型マスクのパターンの欠陥検査をすることが可能となる。本発明の反射型マスクは、EUV露光で転写されるパターン自体には何の支障も生じることは無く、マスクパターンの検査精度と検査速度の向上を図ったマスクである。
また、本発明の反射型マスク10は、上記の吸収体層15を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、低反射層を最上層とするパターンが、クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であることを特徴とするものである。本発明においては、上記の寸法および寸法精度には、パターンのCD(Critical Dimension)自体とその精度とともに、パターンのピッチ自体とその精度も含まれるものである。
本発明におけるクリティカルパターン部について説明する。LSIを製造するためには、通常、30〜40枚のマスクパターンが用いられる。これらのマスクはパターンの回路上要求される寸法および寸法精度の厳しさ、パターン密度、デバイス性能への影響度などにより、寸法および寸法精度の厳しいクリティカルな層を有するマスク、あるいは寸法および寸法精度のさほど厳しくない非クリティカルな層を有するマスクなどに分類される。
さらに、1枚のマスク内においても、例えクリティカルな層を有するマスクであっても、全ての領域がクリティカルなパターンで占められているわけではなく、クリティカルなパターンと非クリティカルなパターンが存在する。LSIのマスクパターンの中で、特に製造精度が高く回路上要求される寸法および寸法精度が厳しい部分はクリティカルパターン部と呼ばれており、寸法および寸法精度がそれほど要求されないクリティカルパターン部以外の部分を非クリティカルパターン部と称する。クリティカルパターン部としては、例えば、FETのゲートパターン部、コンタクトパターン部、配線パターン部、隣接するパターン間の距離が近いパターン部などが挙げられる。非クリティカルパターン部としては、例えば、ダミーパターン部、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)パターン部などが挙げられる。クリティカルパターン部はデータ量の大きいOPC(Optical Proximity Correction;近接効果補正)が必要であり、非クリティカルパターン部は、簡易化したOPCか単なる図形演算、あるいはデータそのもので十分である。
図3は、本発明の反射型マスクにおけるパターンレイアウトの一例を示す概略平面図である。反射型マスク30に設けられた転写用パターンは、回路上要求される寸法および寸法精度が最も厳しいクリティカルパターン部31と、クリティカルパターンとラフパターンの混在するパターン部32と、クリティカルパターンほどの寸法および寸法精度を要求されないミディアムパターン部33と、寸法および寸法精度が厳しくないラフパターン部34との4種類のパターン部に分けることができる。本発明においては、さらに、クリティカルパターン部31とクリティカルパターン混在部32とをクリティカルパターン部として一つにし、ミディアムパターン部33とラフパターン部34とを非クリティカルパターン部として一つにし、上記のパターン部を2種類のパターン部として区分するものである。そして、クリティカルパターン部を電子線で検査し、非クリティカルパターン部を光学検査するものである。パターンがクリティカルか非クリティカルかは、OPC処理前のレイアウトパターンデータを解析することで判別することができる。
上記のように、本発明の反射型マスクは、吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、低反射層を最上層とするパターンが、クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であるマスクであり、クリティカルパターン部を電子線検査し、非クリティカルパターン部を光学検査して、反射型マスクのパターンの欠陥を検査するものである。
本発明の反射型マスクを用い、マスクパターンを寸法および寸法精度の要求程度に応じてクリティカルパターン部と非クリティカルパターン部とに2分し、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部を電子線で検査し、寸法および寸法精度をクリティカルパターン部ほどに必要としない非クリティカルパターン部を光学検査することにより、高いスループットを維持しながら高い分解能でEUV露光用の反射型マスクを検査することが可能となる。
本実施形態の反射型マスクは、従来の反射型マスクの構成材料をそのまま適用することが可能であるが、以下に説明する。
(基板)
本発明の反射型マスク10の基板11としては、パターン位置精度を高精度に保持するために低熱膨張係数を有し、高反射率および転写精度を得るために平滑性、平坦度が高く、マスク製造工程の洗浄などに用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、石英ガラス、SiO2−TiO2 系の低熱膨張ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスなどのガラス基板、さらにはシリコンを用いることもできる。マスクブランクスの平坦度としては、例えば、パターン領域において50nm以下が求められている。
(多層反射膜)
多層反射膜12は、EUV露光に用いられるEUV光を高い反射率で反射する材料が用いられ、MoとSiからなる多層膜が多用されており、例えば、2.74nm厚のMoと4.11nmのSiを各40層積層した多層膜よりなる反射膜が挙げられる。それ以外には、特定の波長域で高い反射率が得られる材料として、Ru/Si、Mo/Be、Mo化合物/Si化合物、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜およびSi/Ru/Mo/Ru周期多層膜なども用いることができる。ただし、材料によって最適な膜厚は異なる。MoとSiからなる多層膜の場合、DCマグネトロンスパッタリング法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でSi膜を成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でMo膜を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層されて、多層反射膜が得られる。
(キャッピング層)
多層反射膜12の反射率を高めるには屈折率の大きいMoを最上層とするのが好ましいが、Moは大気で酸化され易くて反射率が低下するので、Moの酸化防止やマスク洗浄時におけるMo保護のための保護膜として、スパッタリング法などによりSiやRuを成膜し、キャッピング層13を設けることがある。例えば、キャッピング層13としてSiは多層反射膜12の最上層に11nmの厚さに設けられる。ルテニウム(Ru)をキャッピング層とした場合には、Ruがバッファ層としての機能も有するために、吸収体層のパターン形成時、およびパターン修正時のエッチングによる多層反射膜のダメージを防止することができ、図2に示すように、バッファ層がない構造とすることができる。Ruをキャッピング層とした場合の膜厚は、0.5nm〜5nmの範囲で選定することが好ましい。
(バッファ層)
EUV露光に用いられるEUV光を吸収する吸収体層15をドライエッチングなどの方法でパターンエッチングするときに、下層の多層反射膜12に損傷を与えるのを防止するために、通常、多層反射膜12と吸収体層15との間にバッファ層14が設けられる。バッファ層と吸収体層とはエッチング特性が異なるのが好ましい。バッファ層14の材料としてはCrNが多用されるが、吸収体層をエッチングする条件によっては、耐エッチング性の高い材料としてAl23 、Cr、SiO2などを用いても良い。CrNを用いる場合は、RFマグネトロンスパッタリング法によりCrターゲットを用いてArガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気下で、上記の多層反射膜上へCrN膜を5nm〜15nm程度の膜厚で成膜するのが好ましい。
(吸収体層)
マスクパターンを形成し、EUV光を吸収する吸収体層15の材料としては、Ta、TaB、TaBNなどのTaを主成分とする材料、Cr、Crを主成分としN、O、Cから選ばれる少なくとも1つの成分を含有する材料などが、膜厚30nm〜100nm程度の範囲で用いられ、スパッタリング法などにより形成される。
(低反射層)
反射型マスクのパターン検査には、通常、波長190nm〜260nm程度の光が用いられる。例えば、波長257nmあるいは193nmの検査光によるマスクパターン検査時の検出感度を上げるために、吸収体層15上に検査光に対して低反射とした低反射層16が設けられる。低反射層16の材料としては、例えば、タンタルの窒化物(TaN)、酸化物(TaO)、酸窒化物(TaNO)、タンタルホウ素酸化物(TaBO)、タンタルホウ素窒化物(TaBN)などが挙げられ、膜厚5nm〜30nm程度の範囲で用いられ、スパッタリング法などにより形成される。上記のように、本発明においては、非クリティカルパターン部の吸収体層15上には低反射層16が設けられるが、クリティカルパターン部の吸収体層15上には低反射層16を設けていない。
(導電層)
導電層17は、前述したように、EUV露光用マスクの静電チャック用に設けるものであり、導電層17の材料としては、導電性を示す金属や金属窒化物などの薄膜を設けたものであり、例えば、CrやCrNなどを厚さ20nm〜150nm程度にスパッタリング法などにより成膜して用いられる。
次に、本発明の反射型マスクの製造方法について説明する。
<反射型マスクの製造方法>
本発明の反射型マスクの製造方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、基板上に、多層反射膜と、吸収体層と、パターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層とをこの順に積層した反射型マスクブランクスを準備する工程と、上記低反射層上に第1のレジストパターンを形成し、この第1のレジストパターンをマスクとして、低反射層、吸収体層をドライエッチングし、転写用パターンとなる吸収体層パターンを形成した後、第1のレジストパターンを剥離する工程と、上記転写用パターン上に第2のレジストパターンを形成し、この第2のレジストパターンをマスクとして、転写用パターンの回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部の低反射層をドライエッチングして除去し、吸収体層を最上層とするパターンとした後、第2のレジストパターンを剥離する工程とを含み、上記吸収体層に形成された転写用パターンが、吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、低反射層を最上層としクリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部との2種類のパターンで形成されることを特徴とするものである。
本発明の反射型マスクの製造方法によれば、クリティカルパターンの混在部を含むクリティカルパターン部の低反射層を上記の工程でエッチングして除去することにより、クリティカルパターン部は電子線で検査し、その他の非クリティカルパターン部は光学検査で検査することにより、高い検査感度を維持したまま高スループットでの検査が可能になり、簡単なマスク製造工程で、光学検査と電子線検査の両方に適合した反射型マスクの製造が可能となる。
以下、本発明のEUV露光用反射型マスクの製造方法における実施形態について図面を用いて説明する。また、以下の図面において、図1と同じ部位と材料を示す場合には、同じ符号を用いている。なお、本発明の製造方法における反射型マスクの各構成材料は、上記の反射型マスクに記載した内容と同様であるので、説明は省略する。
(第1の実施形態)
図4、およびそれに続く図5は、本発明の反射型マスクの製造方法における第1の実施形態を示す工程断面模式図である。
先ず、EUV露光用反射型マスクブランクス40を準備する(図4(a))。反射型マスクブランクス40は、基板11の一方の主面上にEUV光を反射する多層反射膜12と、その多層反射膜12上にEUV光を吸収する吸収体層15aとを少なくとも設けてパターン形成層としている。図4に示す反射型マスクブランクス40は、さらに、多層反射膜12上にキャッピング層13、バッファ層14aが順に設けられ、吸収体層15a上には、低反射層16aが設けられている。上記の反射型マスクで述べたように、ブランクスを構成する各層はスパッタ法などにより形成される。
次に、吸収体層15aをパターニングするために、第1のレジストパターン18を形成し(図4(b))、低反射層16a、吸収体層15aの順にドライエッチングしてパターニングし、転写用パターンとなる吸収体層パターン(低反射層16および吸収体層15より構成される)を形成し、第1のレジストパターン18を剥離する(図4(c))。マスク製造工程中の欠陥検査および検査に伴う欠陥修正は、この段階で行うのが好ましい。ただし、吸収体層15上には低反射層16が設けられたままなので、低反射層16の導電性が低い場合には、本実施形態では上記の〔発明が解決しようとする課題〕で述べたように、マスク製造工程中の電子線検査は不適であり、光学検査の適用が好ましい。
次に、バッファ層14aをドライエッチングして、図4(d)に示すように、反射型マスク50を作製する。上記の工程で、第1のレジストパターン18の剥離は、バッファ層14形成後であってもよい。
反射型マスク50は、基板11の一方の主面上にEUV光を反射する多層反射膜12と、その多層反射膜12上にEUV光を吸収する吸収体層15とを少なくとも設けてパターン形成層としている。図4(d)に示す反射型マスク50は、さらに、多層反射膜12上にキャッピング層13、バッファ層14が順に設けられ、吸収体層15上には、低反射層16が設けられた構成をしている。
上記の図4(d)に示す反射型マスク50およびその製造方法は公知であるので、図4の製造方法の詳細は省略する。図4(d)に示す反射型マスク50も欠陥検査および検査に伴う欠陥修正を行うことが可能であるが、低反射層16の導電性が低い場合には、電子線検査は不適であり、光学検査の適用が好ましい。
次に、図5に、図4に続く本発明の反射型マスクの製造方法を示す。
図5(a)に示すように、図4で説明した反射型マスク50を用い、基板11の転写用パターン形成側に第2のレジスト層19aを塗布形成する。次に、図5(b)に示すように、非クリティカルパターン部上の第2のレジストパターン19のみを残すようにパターン露光し、現像して、クリティカルパターン部を露出する。
次いで、図5(c)に示すように、第2のレジストパターン19をマスクとして、露出しているクリティカルパターン部の低反射層16をドライエッチングして除去し、吸収体層15を最上層として露出させる。次に、第2のレジストパターン19を剥離し、吸収体層15に形成されたパターンが、吸収体層15を最上層とするクリティカルパターン部と、低反射層16を最上層としクリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターンとの2種類のパターンを有する反射型マスク10を形成する(図5(d))。図5(d)に示す反射型マスク10は、吸収体層15を最上層とするクリティカルパターン部は高分解能を持った電子線で検査し、低反射層16を最上層とする非クリティカルパターン部は高スループットを持った光で検査することが可能である。さらに必要に応じて欠陥を修正することができる。
欠陥の修正には種々の方法が提案されている。例えば黒欠陥は、マスクを用いたウェハ露光時に、その欠陥像をウェハ上に転写形成してしまうので、欠陥部を除去する方法が行われる。本発明においては、従来フォトマスク上の黒欠陥の修正に用いられてきた各種の方法を適用することができる。例えば、集束イオンビーム(FIB)マスク修正装置のイオンビームを用いたガスアシスト・エッチング方法、あるいは電子線マスク修正装置の電子線を用いたガスアシスト・エッチング方法、あるいは原子間力顕微鏡(AFM)の探針を用いて欠陥を物理的に研削する方法などが用いられる。
上記のように、本実施形態の反射型マスクの製造方法によれば、簡単な製造工程で、光学検査と電子線検査に適合した反射型マスクの製造が可能となる。製造された反射型マスクのクリティカルパターン部は電子線で検査し、非クリティカルパターン部は光学検査で検査することにより、高い検査感度を維持したまま高スループットでの検査が可能になる。
(第2の実施形態)
図6、およびそれに続く図7は、本発明の反射型マスクの製造方法における第2の実施形態を示す工程断面模式図である。本実施形態は、マスク製造途中におけるマスクの電子線検査と光学検査も可能とするものである。
第1の実施形態と同様に、EUV露光用反射型マスクブランクス40を準備する(図6(a))。反射型マスクブランクス40は、基板11の一方の主面上にEUV光を反射する多層反射膜12と、その多層反射膜12上にEUV光を吸収する吸収体層15aとを少なくとも設けてパターン形成層としている。図6に示す反射型マスクブランクス40は、さらに、多層反射膜12上にキャッピング層13、バッファ層14aが順に設けられ、吸収体層15a上には、低反射層16aが設けられている。
次に、吸収体層15aをパターニングするために、第1のレジストパターン18を形成し(図6(b))、低反射層16a、吸収体層15aの順にドライエッチングしてパターニングし、転写用パターンとなる低反射層16および吸収体層15より構成される吸収体層パターンを形成し、第1のレジストパターン18を剥離する(図6(c))。
次いで図7に、図6に続く本発明の反射型マスクの製造方法を示す。図7(a)に示すように、基板11の転写用パターン形成側に第2のレジスト層19aを塗布形成する。次に、図7(b)に示すように、非クリティカルパターン部上の第2のレジストパターン19のみを残すようにパターン露光し、現像して、クリティカルパターン部を露出する。
次いで、図7(c)に示すように、第2のレジストパターン19をマスクとして、露出しているクリティカルパターン部の低反射層16をドライエッチングして除去し、吸収体層15を最上層として露出させる。
次に、第2のレジストパターン19を剥離し、吸収体層15に形成されたパターンが、吸収体層15を最上層とするクリティカルパターン部と、低反射層16を最上層としクリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターンとの2種類のパターンを有する基板を作製する。この段階で、バッファ層14aは未加工である(図7(d))。
第1の実施形態で述べたように、本発明においては、従来フォトマスク上の黒欠陥の修正に用いられてきた各種の方法を適用することができる。反射型マスクでは、バッファ層が欠陥修正時に下層の多層反射膜がダメージを受けるのを防ぐための機能も果たしている。したがって、マスク製造工程中の欠陥検査およびその検査結果に基づく欠陥修正は、図7(d)に示す段階で行うのが好ましい。本実施形態においては、吸収体層15を最上層とするクリティカルパターン部は高分解能を持った電子線で検査し、低反射層16を最上層とする非クリティカルパターン部は高スループットを持った光で検査することが可能である。
次に、バッファ層14aをドライエッチングして、図7(e)に示すように、反射型マスク10を作製する。図7(e)に示す反射型マスク10は、吸収体層15を最上層とするクリティカルパターン部は高分解能を持った電子線で検査し、低反射層16を最上層とする非クリティカルパターン部は高スループットを持った光で検査することが可能である。さらに製造されたマスクのパターン欠陥検査により欠陥が検出された場合には、上記の欠陥修正方法を用いて欠陥を修正することができる。
上記のように、本実施形態の反射型マスクの製造方法によれば、簡単な製造工程で、光学検査と電子線検査に適合した反射型マスクの製造が可能となる。本実施形態によれば、製造された反射型マスクのみならず、マスク製造途中においても、クリティカルパターン部は電子線で検査し、非クリティカルパターン部は光学検査で検査することができ、高い検査感度を維持したまま高スループットでの検査が可能になる。
次に、本発明の反射型マスクの検査方法について説明する。
<反射型マスクの検査方法>
本発明の反射型マスクの検査方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクのパターンの欠陥検査をするマスクパターン検査方法であって、上記吸収体層に形成されたパターンが、吸収体層を最上層とするパターンと、吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、上記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成され、吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、低反射層を最上層とするパターンが、クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であり、クリティカルパターン部を電子線検査し、非クリティカルパターン部を光学検査することを特徴とするものである。
また、本発明のマスクパターン検査方法は、上記の検査方法をマスク製造の途中工程においても行うことができ、上記の反射型マスクがバッファ層を有し、吸収体層を最上層とするパターンと低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンを形成した後でバッファ層のエッチング前に、クリティカルパターン部の電子線検査と非クリティカルパターン部の光学検査を行うことを特徴とするものである。
本発明のマスクパターン検査方法によれば、本発明の反射型マスクを用い、吸収体層を最上層とするパターンは電子線で検査し、低反射層を最上層とするパターンは光学検査することにより、高いスループットを維持しながら高い分解能でEUV露光用の反射型マスクのパターン欠陥を検査することが可能となる。上記のように、本発明において、パターンの欠陥検査には、寸法欠陥やパターン欠陥および異物などの欠陥の検査が含まれるものである。本発明の反射型マスクの検査方法は、EUV露光で転写されるパターン自体には何の支障も生じることは無く、マスクパターンの検査精度と検査速度の向上が得られる検査方法である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく述べる。
(実施例1)
光学研磨された外形6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板の一方の主面(表面)上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Arガス雰囲気下で、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層した後、最後にSi膜を11nm成膜してキャッピング層とし、MoとSiの多層膜よりなるEUV光を反射する多層反射膜を形成した。 次に、RFマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてArと窒素の混合ガス雰囲気下で、上記のキャッピング層上へCrN膜を10nmの膜厚で成膜しバッファ層とした。
続いて、上記のCrN膜上に、DCマグネトロンスパッタ法によりTaおよびBを含むターゲットを用い、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、TaBN膜を80nmの厚さで成膜し、EUV光を吸収する吸収体層とした。次いで、Arと酸素の混合ガス雰囲気下で、DCマグネトロンスパッタ法によりTaBN膜上にTaBO膜を10nmの厚さに成膜し、低反射層とした。次いで、合成石英基板の他方の主面(裏面)上に、RFスパッタリング法によりCrを0.1μmの厚さに成膜して導電層とし、EUV露光用の反射型マスクブランクスを得た。
次に、このEUV露光用マスクブランクスを用い、TaBO膜低反射層上にEBレジストを塗布し、EB描画して第1のレジストパターンを形成した。次いで、TaBO膜低反射層、TaBN膜吸収体層の順にCF4ガスおよびCl2ガスでそれぞれドライエッチングし、第1のレジストパターンを剥離して吸収体層パターンを形成した。続いてCrN膜バッファ層をCl2とO2の混合ガスでドライエッチングして、パターンの最上層が全てTaBO膜低反射層である反射型マスクを作製した。
次に、上記の反射型マスクを用い、基板の転写用パターン形成側に第2のレジスト層を塗布形成し、非クリティカルパターン部上の第2のレジストパターンのみを残すようにパターン露光し、現像して、クリティカルパターン部を露出した。クリティカルパターン部と非クリティカルパターン部との判別はレイアウトパターンデータから行った。
次いで、第2のレジストパターンをマスクとして、露出しているクリティカルパターン部のTaBO膜低反射層をドライエッチングして除去し、TaBN膜吸収体層を最上層として露出させた。次に、第2のレジストパターンを剥離し、吸収体層に形成されたパターンが、TaBN膜吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、TaBO膜低反射層を最上層としクリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターンとの2種類のパターンを有する反射型マスクを作製した。
上記の反射型マスクは、TaBN膜吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部は高分解能を持った電子線検査装置でパターン欠陥の検査を行い、TaBO膜低反射層を最上層とする非クリティカルパターン部は高スループットを持ったDUV検査装置でパターン欠陥の検査することが可能であり、マスクパターンの検査精度と検査速度の向上が得られた。
(実施例2)
実施例1と同じ構成の反射型マスクブランクスを用い、このブランクス上にEBレジストを塗布し、EB描画して第1のレジストパターンを形成した。次いで、TaBO膜低反射層、TaBN膜吸収体層の順にCF4ガスおよびCl2ガスでそれぞれドライエッチングし、第1のレジストパターンを剥離して吸収体層パターンを形成した。
次いで基板の転写用パターン形成側に第2のレジスト層を塗布形成し、非クリティカルパターン部上の第2のレジストパターンのみを残すようにパターン露光し、現像して、クリティカルパターン部を露出した。
次いで、第2のレジストパターンをマスクとして、露出しているクリティカルパターン部のTaBO膜低反射層をCF4ガスでドライエッチングして除去し、TaBN膜吸収体層を最上層として露出させた。
次に、第2のレジストパターンを剥離し、吸収体層に形成されたパターンが、TaBN膜吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、TaBO膜低反射層を最上層としクリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターンとの2種類のパターンを有し、CrN膜バッファ層のパターニングは未加工の基板を作製した。
次に、上記の基板に形成された吸収体層パターンの欠陥検査を行った。TaBN膜吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部は高分解能を持った電子線で検査し、TaBO膜低反射層を最上層とする非クリティカルパターン部は高スループットを持った光で検査した。検査装置は実施例1と同じ装置を用いた。検査により吸収体層の残渣と推定される黒欠陥が検出されたので、電子線マスク修正装置(MeRiT 65;カールツアイス社製)を用い、Cl2をアシストガスとして黒欠陥をガスアシスト・エッチングして除去し修正した。黒欠陥の下層には未加工のCrN膜バッファ層が設けられているので、欠陥修正時に多層反射膜がダメージを受けるのは防止された。
次に、バッファ層をCl2とO2の混合ガスでドライエッチングしてパターンニングし、反射型マスクを作製した。作製した反射型マスクは、TaBN膜吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部は電子線で検査し、TaBO膜低反射層を最上層とする非クリティカルパターン部は光で検査することが可能であり、マスクパターンの検査精度と検査速度の向上が図られた。
10、20 反射型マスク
11 基板
12 多層反射膜
13 キャッピング層
14 バッファ層
14a バッファ層(パターニング前)
15 吸収体層
15a 吸収体層(パターニング前)
16 低反射層
16a 低反射層(パターニング前)
17 導電層
18 第1のレジストパターン
19a 第2のレジスト層
19 第2のレジストパターン
30 パターンレイアウト
31 クリティカルパターン部
32 クリティカル/ラフパターン部
33 ミディアムパターン部
34 ラフパターン部
40 反射型マスクブランクス
80 反射型マスク
81 基板
82 反射層
83 バッファ層
84 露光光吸収体層
85 低反射層
86 吸収体層

Claims (5)

  1. 基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクであって、
    前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするパターンと、前記吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、前記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されていることを特徴とする反射型マスク。
  2. 前記吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、前記低反射層を最上層とするパターンが、前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスク。
  3. 基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、
    前記基板上に、前記多層反射膜と、前記吸収体層と、パターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層とをこの順に積層した反射型マスクブランクスを準備する工程と、
    前記低反射層上に第1のレジストパターンを形成し、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記低反射層、前記吸収体層をドライエッチングし、転写用パターンとなる吸収体層パターンを形成した後、前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、
    前記転写用パターン上に第2のレジストパターンを形成し、前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記転写用パターンの回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部の前記低反射層をドライエッチングして除去し、前記吸収体層を最上層とするパターンとした後、前記第2のレジストパターンを剥離する工程とを含み、
    前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、前記低反射層を最上層とし前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部との2種類のパターンで形成されることを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  4. 基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクのパターンの欠陥検査をするマスクパターン検査方法であって、
    前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするパターンと、前記吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、前記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成され、
    前記吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、前記低反射層を最上層とするパターンが、前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であり、
    前記クリティカルパターン部を電子線検査し、前記非クリティカルパターン部を光学検査することを特徴とするマスクパターン検査方法。
  5. 請求項4に記載のマスクパターン検査方法において、前記反射型マスクがバッファ層を有し、前記クリティカルパターン部の電子線検査と前記非クリティカルパターン部の光学検査を、前記吸収体層に前記2種類のパターンを形成した後で前記バッファ層のエッチング前に行うことを特徴とするマスクパターン検査方法。
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