JP2011096838A - 反射型マスクおよびその製造方法ならびにマスクパターン検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜12と、前記多層反射膜12上に前記EUV光を吸収する吸収体層15とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスク10であって、前記吸収体層10に形成された転写用パターンが、前記吸収体層10を最上層とするパターンと、前記吸収体層10上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層16を積層し、前記低反射層16を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
まず、本発明の反射型マスクについて説明する。本発明の反射型マスクは、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクであって、上記吸収体層に形成されたパターンが、吸収体層を最上層とするパターンと、吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されていることを特徴とするものである。
本発明の反射型マスク10の基板11としては、パターン位置精度を高精度に保持するために低熱膨張係数を有し、高反射率および転写精度を得るために平滑性、平坦度が高く、マスク製造工程の洗浄などに用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、石英ガラス、SiO2−TiO2 系の低熱膨張ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスなどのガラス基板、さらにはシリコンを用いることもできる。マスクブランクスの平坦度としては、例えば、パターン領域において50nm以下が求められている。
多層反射膜12は、EUV露光に用いられるEUV光を高い反射率で反射する材料が用いられ、MoとSiからなる多層膜が多用されており、例えば、2.74nm厚のMoと4.11nmのSiを各40層積層した多層膜よりなる反射膜が挙げられる。それ以外には、特定の波長域で高い反射率が得られる材料として、Ru/Si、Mo/Be、Mo化合物/Si化合物、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜およびSi/Ru/Mo/Ru周期多層膜なども用いることができる。ただし、材料によって最適な膜厚は異なる。MoとSiからなる多層膜の場合、DCマグネトロンスパッタリング法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でSi膜を成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でMo膜を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層されて、多層反射膜が得られる。
多層反射膜12の反射率を高めるには屈折率の大きいMoを最上層とするのが好ましいが、Moは大気で酸化され易くて反射率が低下するので、Moの酸化防止やマスク洗浄時におけるMo保護のための保護膜として、スパッタリング法などによりSiやRuを成膜し、キャッピング層13を設けることがある。例えば、キャッピング層13としてSiは多層反射膜12の最上層に11nmの厚さに設けられる。ルテニウム(Ru)をキャッピング層とした場合には、Ruがバッファ層としての機能も有するために、吸収体層のパターン形成時、およびパターン修正時のエッチングによる多層反射膜のダメージを防止することができ、図2に示すように、バッファ層がない構造とすることができる。Ruをキャッピング層とした場合の膜厚は、0.5nm〜5nmの範囲で選定することが好ましい。
EUV露光に用いられるEUV光を吸収する吸収体層15をドライエッチングなどの方法でパターンエッチングするときに、下層の多層反射膜12に損傷を与えるのを防止するために、通常、多層反射膜12と吸収体層15との間にバッファ層14が設けられる。バッファ層と吸収体層とはエッチング特性が異なるのが好ましい。バッファ層14の材料としてはCrNが多用されるが、吸収体層をエッチングする条件によっては、耐エッチング性の高い材料としてAl2O3 、Cr、SiO2などを用いても良い。CrNを用いる場合は、RFマグネトロンスパッタリング法によりCrターゲットを用いてArガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気下で、上記の多層反射膜上へCrN膜を5nm〜15nm程度の膜厚で成膜するのが好ましい。
マスクパターンを形成し、EUV光を吸収する吸収体層15の材料としては、Ta、TaB、TaBNなどのTaを主成分とする材料、Cr、Crを主成分としN、O、Cから選ばれる少なくとも1つの成分を含有する材料などが、膜厚30nm〜100nm程度の範囲で用いられ、スパッタリング法などにより形成される。
反射型マスクのパターン検査には、通常、波長190nm〜260nm程度の光が用いられる。例えば、波長257nmあるいは193nmの検査光によるマスクパターン検査時の検出感度を上げるために、吸収体層15上に検査光に対して低反射とした低反射層16が設けられる。低反射層16の材料としては、例えば、タンタルの窒化物(TaN)、酸化物(TaO)、酸窒化物(TaNO)、タンタルホウ素酸化物(TaBO)、タンタルホウ素窒化物(TaBN)などが挙げられ、膜厚5nm〜30nm程度の範囲で用いられ、スパッタリング法などにより形成される。上記のように、本発明においては、非クリティカルパターン部の吸収体層15上には低反射層16が設けられるが、クリティカルパターン部の吸収体層15上には低反射層16を設けていない。
導電層17は、前述したように、EUV露光用マスクの静電チャック用に設けるものであり、導電層17の材料としては、導電性を示す金属や金属窒化物などの薄膜を設けたものであり、例えば、CrやCrNなどを厚さ20nm〜150nm程度にスパッタリング法などにより成膜して用いられる。
次に、本発明の反射型マスクの製造方法について説明する。
本発明の反射型マスクの製造方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、基板上に、多層反射膜と、吸収体層と、パターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層とをこの順に積層した反射型マスクブランクスを準備する工程と、上記低反射層上に第1のレジストパターンを形成し、この第1のレジストパターンをマスクとして、低反射層、吸収体層をドライエッチングし、転写用パターンとなる吸収体層パターンを形成した後、第1のレジストパターンを剥離する工程と、上記転写用パターン上に第2のレジストパターンを形成し、この第2のレジストパターンをマスクとして、転写用パターンの回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部の低反射層をドライエッチングして除去し、吸収体層を最上層とするパターンとした後、第2のレジストパターンを剥離する工程とを含み、上記吸収体層に形成された転写用パターンが、吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、低反射層を最上層としクリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部との2種類のパターンで形成されることを特徴とするものである。
図4、およびそれに続く図5は、本発明の反射型マスクの製造方法における第1の実施形態を示す工程断面模式図である。
次に、図5に、図4に続く本発明の反射型マスクの製造方法を示す。
図6、およびそれに続く図7は、本発明の反射型マスクの製造方法における第2の実施形態を示す工程断面模式図である。本実施形態は、マスク製造途中におけるマスクの電子線検査と光学検査も可能とするものである。
次に、本発明の反射型マスクの検査方法について説明する。
本発明の反射型マスクの検査方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクのパターンの欠陥検査をするマスクパターン検査方法であって、上記吸収体層に形成されたパターンが、吸収体層を最上層とするパターンと、吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、上記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成され、吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、低反射層を最上層とするパターンが、クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であり、クリティカルパターン部を電子線検査し、非クリティカルパターン部を光学検査することを特徴とするものである。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく述べる。
光学研磨された外形6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板の一方の主面(表面)上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Arガス雰囲気下で、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層した後、最後にSi膜を11nm成膜してキャッピング層とし、MoとSiの多層膜よりなるEUV光を反射する多層反射膜を形成した。 次に、RFマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてArと窒素の混合ガス雰囲気下で、上記のキャッピング層上へCrN膜を10nmの膜厚で成膜しバッファ層とした。
実施例1と同じ構成の反射型マスクブランクスを用い、このブランクス上にEBレジストを塗布し、EB描画して第1のレジストパターンを形成した。次いで、TaBO膜低反射層、TaBN膜吸収体層の順にCF4ガスおよびCl2ガスでそれぞれドライエッチングし、第1のレジストパターンを剥離して吸収体層パターンを形成した。
次に、第2のレジストパターンを剥離し、吸収体層に形成されたパターンが、TaBN膜吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、TaBO膜低反射層を最上層としクリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターンとの2種類のパターンを有し、CrN膜バッファ層のパターニングは未加工の基板を作製した。
11 基板
12 多層反射膜
13 キャッピング層
14 バッファ層
14a バッファ層(パターニング前)
15 吸収体層
15a 吸収体層(パターニング前)
16 低反射層
16a 低反射層(パターニング前)
17 導電層
18 第1のレジストパターン
19a 第2のレジスト層
19 第2のレジストパターン
30 パターンレイアウト
31 クリティカルパターン部
32 クリティカル/ラフパターン部
33 ミディアムパターン部
34 ラフパターン部
40 反射型マスクブランクス
80 反射型マスク
81 基板
82 反射層
83 バッファ層
84 露光光吸収体層
85 低反射層
86 吸収体層
Claims (5)
- 基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクであって、
前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするパターンと、前記吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、前記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成されていることを特徴とする反射型マスク。 - 前記吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、前記低反射層を最上層とするパターンが、前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスク。
- 基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、
前記基板上に、前記多層反射膜と、前記吸収体層と、パターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層とをこの順に積層した反射型マスクブランクスを準備する工程と、
前記低反射層上に第1のレジストパターンを形成し、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記低反射層、前記吸収体層をドライエッチングし、転写用パターンとなる吸収体層パターンを形成した後、前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、
前記転写用パターン上に第2のレジストパターンを形成し、前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記転写用パターンの回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部の前記低反射層をドライエッチングして除去し、前記吸収体層を最上層とするパターンとした後、前記第2のレジストパターンを剥離する工程とを含み、
前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするクリティカルパターン部と、前記低反射層を最上層とし前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部との2種類のパターンで形成されることを特徴とする反射型マスクの製造方法。 - 基板の一方の主面上に、EUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けて形成された転写用パターンを有するEUV露光用の反射型マスクのパターンの欠陥検査をするマスクパターン検査方法であって、
前記吸収体層に形成された転写用パターンが、前記吸収体層を最上層とするパターンと、前記吸収体層上にパターンの光学検査に使用する光の波長に対する反射率が低い低反射層を積層し、前記低反射層を最上層とするパターンとの2種類のパターンにより構成され、
前記吸収体層を最上層とするパターンが、回路上要求される寸法および寸法精度の厳しいクリティカルパターン部であり、前記低反射層を最上層とするパターンが、前記クリティカルパターン部ほどの寸法および寸法精度を必要としない非クリティカルパターン部であり、
前記クリティカルパターン部を電子線検査し、前記非クリティカルパターン部を光学検査することを特徴とするマスクパターン検査方法。 - 請求項4に記載のマスクパターン検査方法において、前記反射型マスクがバッファ層を有し、前記クリティカルパターン部の電子線検査と前記非クリティカルパターン部の光学検査を、前記吸収体層に前記2種類のパターンを形成した後で前記バッファ層のエッチング前に行うことを特徴とするマスクパターン検査方法。
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