JP5874407B2 - 位相欠陥の影響を低減するeuv露光用反射型マスクの製造方法 - Google Patents

位相欠陥の影響を低減するeuv露光用反射型マスクの製造方法 Download PDF

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本発明は、LSI、超LSIなどの高密度集積回路の製造に用いられる極端紫外光(Extreme Ultra Violet:以後、EUVと記す。)を用いてマスクパターンをウェハ上に転写するためのEUV露光用反射型マスク(以後、単に反射型マスクとも言う)の製造方法に関し、さらに詳しくは位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法に関する。
半導体デバイスの微細化に伴い、現在、ArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクを用いてウェハ上にパターン転写する露光方法が行なわれている。これらの光学式の投影露光装置による露光方法では、いずれ解像限界に達するため、電子線描画装置による直描やインプリントリソグラフィやEUVリソグラフィのような新しいパターン形成方法が提案されている。
これらの新しいリソグラフィ技術の中で、EUV露光は、エキシマレーザよりもさらに短波長の波長13.5nm程度のEUV光を用い、通常1/4程度に縮小して露光する技術で、紫外線露光の短波長化の極限と見なされており、半導体デバイス用のリソグラフィ技術として注目されている。EUV露光においては、短波長のために屈折光学系が使用できないので、反射光学系が用いられ、マスクとしては反射型マスクが提案されている。
EUV露光用反射型マスクは、基板と、基板上に設けられた多層膜構造でEUV光を反射する反射層と、反射層上に設けられたEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも有する構造となっており、吸収体層によるパターンを形成したマスクである。反射型マスクに入射したEUV光は、反射層では反射され、吸収体層では吸収され、反射されたEUV光によりウェハ上に縮小転写パターンが形成される。
EUV露光用反射型マスクには解決しなくてはならない技術的課題の一つとして、転写パターンに大きな影響を及ぼすマスク欠陥の問題がある。反射型マスクの欠陥としては、本来必要なマスク上のパターンが欠損あるいは欠落している場合(白欠陥と称する)と、不要な余剰パターンが存在している場合(黒欠陥と称する)のパターン欠陥以外に、短波長の露光光を用いるEUV露光用反射型マスクに特有の欠陥として、反射型マスクの多層反射層の位相欠陥が知られている。本発明は、この位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法に関わるものである。
次に、反射型マスクの多層反射層の位相欠陥について、図面を参照しながら説明する。
図11は、マスクパターンとなる吸収体パターン93を設けた、位相欠陥部を含むEUV露光用反射型マスクの部分断面図であり、図11(a)に示すように、マスクパターンの近傍にマスクの基板91表面に微小な凸部95aが存在したり、あるいは図11(b)に示すように、マスク基板91表面に微小な凹部95bが存在したりすると、図11の円形内に模式的に示されるように、基板91上に形成される多層の反射層92の周期構造が乱され、反射光にはその凹凸に起因した位相の変化が起こる。この位相を変化させる基板91上に存在する微小な凸部あるいは凹部に起因する多層反射層92の周期構造の乱れは位相欠陥と呼ばれている。位相欠陥は、EUV反射光に位相差を生じ、パターン転写されるウェハ上の光プロファイルを劣化させてパターンを解像しにくくし、あるいはパターン寸法を変えて悪化させる原因となる。
EUV光のような短波長の光を露光光として用いる場合は、上記のような基板表面の凹凸に対して多層反射層を通してEUV反射光の位相の変化が非常に敏感になるため、転写像への影響が大きくなり、特にパターン近傍の反射面に凹凸が存在すると、小さな凹凸に由来する位相の変化が無視できない影響を及ぼす。例えば、13.5nm程度のEUV光を露光光として用いる場合、高さが2nm〜3nm程度の微小な凸部でさえ位相欠陥となって、転写された微細なLSIパターンの寸法誤差を許容できないものにしてしまう。
図8は、位相欠陥を含む反射型マスクのパターンの平面模式図であり、吸収体パターン82間(パターン抜き部)の反射層81に位相欠陥83があると、位相差効果により光量が低下し、転写に影響が生じる。位相欠陥はEUV露光用反射型マスクの重要な課題となっている。
そこで、反射型マスクの位相欠陥の修正方法として、各種の方法が提案されている。位相欠陥の代表的な修正方法として、第1の方法として、図9に示すように、位相欠陥83の上に吸収体パターン82が被さるようにパターンを距離Lだけシフトさせる方法(パターンシフト法と称する。例えば、特許文献1参照。)、第2の方法として、図10に示すように、位相欠陥により光量が低下する分を、マスクの位相欠陥83に隣接した吸収体パターン82を削ってマスクを光学的に補正する方法(欠陥部パターン補正法と称する。例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
反射型マスクの位相欠陥は数nmの凸あるいは凹形状となっており、現在、反射型マスクの位相欠陥の検査には、一般に、光学系が安定している波長193nmの遠紫外(Deep UV;以後、DUVと記す)光を用いたDUV検査機による検査が行われている。DUV光による検査では、マスクのごく表面の反射層の凹凸形状を捕捉して欠陥を検出しているが、検出できるのは反射膜最表面の1〜2層の欠陥である。
ところが、最近の研究では、反射型マスクブランクの位相欠陥は多層の反射膜底部の種となる欠陥(以後、種欠陥と称する)から斜めに成長し、位相欠陥は反射膜底部から上方に垂直に形成されるわけではないことが実証され、DUV検査機で検出されるマスクの表面欠陥の位置と、実際の位相欠陥の位置とにはずれが生じていることが明らかになった(非特許文献1参照)。
特開2010−219445号公報 特表2002−532738号公報
T.Amano et al.,"Phase defect detection and analysis using actinic blank inspection tool and TEM", 2011 EUV International symposium on EUVL(Oct.,2011)
図3は、反射層における位相欠陥の斜め成長を説明する図であり、図3(a)は、反射型マスクブランク20の多層の反射膜内における位相欠陥の斜め成長を説明する断面模式図、図3(b)は、位相欠陥の範囲を示す平面模式図である。基板(図示してない)上に多層の反射膜11が積層されており、反射膜11底部の基板上に表面欠陥の基となる種欠陥13が存在している場合、反射膜11の積層に伴い位相欠陥は上方に向かって斜めに成長していき、反射膜11最表面に凸部の表面欠陥を形成する。DUV検査機での検査では、表面形状での欠陥範囲14を計測することになる。しかし、EUV露光においては、多層の反射膜11は、表面層のみならず下層までがEUV光の反射に寄与している。図3に示すように、反射膜11内における位相欠陥の斜め成長により、EUV露光時における実際の位相欠陥の範囲15は、DUV検査機による表面欠陥範囲14との間で、ずれを生じることになる。
本発明において、実際の位相欠陥とは、EUV露光時において位相欠陥となる欠陥を意味し、実際の位相欠陥範囲とは、EUV露光時において位相欠陥となる範囲を意味するものである。
図4は、従来のEUV露光用反射型マスクの製造方法を説明する断面模式図(図4(a))及び位相欠陥の範囲を示す平面模式図(図4(b))である。従来、位相欠陥は種欠陥が垂直に上方に成長されて形成されたものと見なされていたが、上記のように、実際の位相欠陥範囲35がDUV検査機による表面欠陥範囲34とずれを生じている状態において、DUV検査機の欠陥位置情報に基づいて吸収体パターン32を配置し、位相欠陥を吸収体パターン32の下に隠そうとすると、図4に示すように、実際の位相欠陥35が吸収体パターン32からはみ出てしまい、実際の位相欠陥32の影響範囲を十分に覆えないという問題が生じてきた。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決することを鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、位相欠陥の影響を低減するEUV露光用反射型マスクの製造方法において、種欠陥から斜め成長する位相欠陥の位置を正確に把握し、実際の位相欠陥範囲に吸収体パターンが被さるように配置し、良好なマスクパターン転写が得られるEUV露光用反射型マスクの製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明に係る位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法は、基板と、前記基板上にEUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクを用い、位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法であって、(1)前記反射型マスクブランクの遠紫外光による検査で検出される表面欠陥の位置と、実際の位相欠陥の位置との位置ずれ量をあらかじめ把握しておく工程と、(2)前記遠紫外光により前記反射型マスクブランクの表面欠陥の検査を行い、表面欠陥の検出と位置情報を得る工程と、(3)前記位置ずれ量と前記反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲を算出する工程と、(4)前記算出した実際の位相欠陥の位置と範囲を基に前記吸収体層のパターンを配置する工程と、を含み、前記工程(1)において、前記位置ずれ量をあらかじめ把握するのに際し、前記反射型マスクブランクと同一ロットのマスクブランクを用いて、透過型電子顕微鏡により前記位置ずれ量を測定することを特徴とするものである。
本発明の請求項2に記載の発明に係る位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法は、基板と、前記基板上にEUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクを用い、位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法であって、(1)前記反射型マスクブランクの遠紫外光による検査で検出される表面欠陥の位置と、実際の位相欠陥の位置との位置ずれ量をあらかじめ把握しておく工程と、(2)前記遠紫外光により前記反射型マスクブランクの表面欠陥の検査を行い、表面欠陥の検出と位置情報を得る工程と、(3)前記位置ずれ量と前記反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲を算出する工程と、(4)前記算出した実際の位相欠陥の位置と範囲を基に前記吸収体層のパターンを配置する工程と、を含み、前記工程(1)において、前記位置ずれ量をあらかじめ把握するのに際し、前記基板上にあらかじめプログラムした位相欠陥とアライメントマークを設け、前記位相欠陥を覆って少なくとも前記反射層を成膜した基板を作製し、該反射層を成膜した基板を用いて前記プログラムした位相欠陥の位置と表面欠陥の位置との位置ずれ量を、該アライメントマークを基にして測定することを特徴とするものである。
本発明の請求項3に記載の発明に係る位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法は、基板と、前記基板上にEUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクを用い、位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法であって、
(1)前記反射型マスクブランクの遠紫外光による検査で検出される表面欠陥の位置と、実際の位相欠陥の位置との位置ずれ量をあらかじめ把握しておく工程と、(2)前記遠紫外光により前記反射型マスクブランクの表面欠陥の検査を行い、表面欠陥の検出と位置情報を得る工程と、(3)前記位置ずれ量と前記反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲を算出する工程と、(4)前記算出した実際の位相欠陥の位置と範囲を基に前記吸収体層のパターンを配置する工程と、を含み、前記位置ずれ量が、前記反射型マスクブランクの表面欠陥のマスクブランクの中心からの距離と、前記実際の位相欠陥の成長する角度の関数で表されることを特徴とするものである。
本発明の位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法によれば、DUV検査機による反射型マスクブランク欠陥検査の情報を基に、正確に位相欠陥位置に吸収体パターンを配置し、ウェハ転写に対する位相欠陥の影響を少なくすることが可能となり、高品質な反射型マスクを作製することができる。
本発明の位相欠陥の影響を低減するEUV露光用反射型マスクの製造方法の工程フロー図である。 本発明の位相欠陥の影響を低減するEUV露光用反射型マスクの製造方法を説明する断面模式図及び平面模式図である。 反射層における位相欠陥の斜め成長を説明する断面模式図及び平面模式図である。 従来のEUV露光用反射型マスクの製造方法を説明する断面模式図及び平面模式図である。 本発明において、基板をエッチングして凹部のアライメントマークを設ける方法を示す工程断面模式図である。 本発明において、基板上に凸部のアライメントマークを設ける方法を示す工程断面模式図である。 位相欠陥のマスクブランク中心からの距離と欠陥の成長角度との関係を示すグラフである。 位相欠陥を有する反射型マスクの部分平面模式図である。 反射型マスクの位相欠陥の従来の修正方法(パターンシフト法)を説明する平面模式図である。 反射型マスクの位相欠陥の従来の他の修正方法(欠陥部パターン補正法)を説明する平面模式図である。 位相欠陥を含む反射型マスクの部分断面模式図である。
(反射型マスクの製造方法)
以下、図面に基づいて、本発明の反射型マスクの製造方法の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法の工程フロー図である。図1に基づいて説明する。
先ず、基板と、基板上にEUV光を反射する多層の反射層と、反射層上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けた、EUV露光用の反射型マスクブランクを準備する(S1)。
本発明の反射型マスクの製造方法を行う反射型マスクブランクを構成する薄膜層には、上記の反射層、吸収体層に加えて、吸収体層をエッチングする際に使用する吸収体層上に設けたハードマスク層、酸化防止やマスク洗浄時における保護膜として反射層上に設けたキャッピング層、反射層へのエッチング損傷を防止するためのバッファ層、マスクパターンの光学検査時の感度を上げるために吸収体層の上に設けた低反射層、マスクを露光装置に設置するときの静電チャック用に基板裏面に設けた導電層などの薄膜層が設けられていてもよい。
以下の製造工程の説明においては、多層の反射層と吸収体層を設けている反射型マスクブランクの場合を例にして説明する。
次に、反射型マスクブランクのDUV検査機(波長193nm)による検査で検出される表面欠陥の位置と、この表面欠陥の基となる多層の反射層の底部に存在する種欠陥による位相欠陥(実際の位相欠陥)の位置との位置ずれ量をあらかじめ把握する(S2)。
次に、DUV検査機により実際に反射型マスクの製造に用いる反射型マスクブランクの表面欠陥を検出し、表面欠陥の位置を計測して位置情報を得る(S3)。
次に、上記のあらかじめ把握しておいた位置ずれ量と表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲の算出を行う(S4)。
上記の算出した位相欠陥範囲に基づいて、位相欠陥の影響を低減するために、位相欠陥を吸収体パターンで覆うように吸収体パターンの配置を決定する(S5)。
次に、吸収体層上に、被転写体に対する転写パターンとなる吸収体パターンを形成するための電子線レジストを塗布し、上記の吸収体パターンの配置に基づいて電子線でパターン描画し、現像してレジストパターンを形成する(S6)。
次に、レジストパターンに基づいて吸収体層をドライエッチングし、レジストパターンを剥離して吸収体パターンを形成し(S7)、実際の位相欠陥を吸収体パターンで覆って、位相欠陥の影響を低減した反射型マスクを作製する(S8)。
図2は、本発明の位相欠陥の影響を低減するEUV露光用反射型マスクの製造方法を説明する断面模式図(図2(a))及び位相欠陥範囲を示す平面模式図(図2(b))である。反射型マスクブランク10の基板(図示してない)上に多層の反射膜11が積層されており、反射膜11底部の基板上に種欠陥13が存在している場合、反射膜11の積層に伴い位相欠陥は上方に向かって斜めに成長していき、反射膜11最表面に凸部を形成する。DUV検査機での検査では、表面形状での欠陥範囲14を計測することになる。しかし、反射膜11内における位相欠陥の斜め成長により、EUV露光時における実際の位相欠陥範囲15は、DUV検査機による表面欠陥範囲14との間で、ずれを生じている。
上記のように、位置ずれ量と前記反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲15を算出し、この算出した実際の位相欠陥の位置と範囲を基に吸収体パターン12を配置することにより、位相欠陥の影響を低減したEUV露光用反射型マスクの製造が可能となる。
上記の本発明の反射型マスクの製造方法の工程(S2)において、位置ずれ量をあらかじめ把握するのに際し、反射型マスクの製造に使用する反射型マスクブランクと同一ロットのマスクブランクを用いて、透過型電子顕微鏡により位置ずれ量を測定する方法を用いることができる。透過型電子顕微鏡を用いることにより、表面欠陥と多層反射層の底部に存在する種欠陥とを同時に視野内に捕捉し、位相欠陥の範囲を明確に把握することが可能だからである。複数の反射型マスクブランクが同一の製造装置により同一条件で製造されている場合には、各マスクブランクの位相欠陥の位置ずれ量は同じ値として扱うことができる。
また、上記の工程(S2)において、位置ずれ量をあらかじめ把握するのに際し、別な方法を用いることもできる。あらかじめプログラムした位相欠陥を設けた基板を作製し、このプログラムした位相欠陥の位置と表面欠陥の位置との位置ずれ量を測定し、位置ずれ量をあらかじめ把握する方法である。本方法の場合には、位相欠陥の斜め成長が反射層に由来することに鑑み、少なくとも反射層を形成した基板を用いるものである。もとより、反射層上に、吸収体層が設けられていてもよい。プログラムした位相欠陥(種欠陥)は、種欠陥の位置が判っているので、測定に用いるマスクブランクの破壊検査となる透過型電子顕微鏡を用いなくても、表面欠陥測定だけで位置ずれ量をあらかじめ把握しておくことが可能となるという利点がある。
上記のプログラムした位相欠陥(種欠陥)を設けた基板を用いる方法は、プログラムした種欠陥が微細であり、使用する装置の倍率等の精度のために、単純に電子線描画位置と反射層の成膜後の欠陥位置のずれを比べるのは容易ではない。そこで、あらかじめ基板上にアライメント用のマークを作製しておき、このマークを基にして、電子線によるパターン描画、検査を行うのが好ましい。反射層の成膜において、アライメントマークも斜めに成長してしまうことから、反射層成膜後の検査は、アライメントマーク部分の反射層を除去して行う必要がある。
図5及び図6は、本発明の位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法において、基板上にアライメントマークを形成する二つの方法を示す工程断面模式図であり、図5は、基板をエッチングして凹部のアライメントマークを設ける方法を示す工程断面模式図であり、図6は基板上に凸部のアライメントマークを設ける方法を示す工程断面模式図である。以下、アライメントマークを設ける方法を、図面に基づいてさらに詳しく説明する。
(基板上にアライメントマークを形成する第1の方法)
第1の方法は、基板をエッチングして凹部のアライメントマークを設ける方法である。
まず、石英ガラス基板等の基板上に電子線リソグラフィ技術によりレジストパターンを形成し、基板をエッチングして、図5(a)に示すように、基板51上に凹部のアライメントマーク52を設ける。
次に、基板51上にあらかじめプログラムした位相欠陥を形成するために、金属あるいは金属化合物の薄膜層を成膜し、アライメントマーク52を基準にして電子線リソグラフィ技術によりレジストパターンを形成し、上記の薄膜層をエッチングして、図5(b)に示すように、基板51上に位相欠陥(種欠陥)53を設ける。本発明において、プログラムした位相欠陥とは、基板上の所定の位置に、所定の大きさ、高さを有する意図的に設けた種欠陥を意味するものである。プログラムした位相欠陥の個数や大きさ・高さは任意に設定することができる。図5(b)では、種欠陥53を同一の形状・高さにして示してあるが、もとより同一でなくてもよい。
次に、図5(c)に示すように、位相欠陥(種欠陥)53を覆って、基板51上に反射層54を所定の厚さに成膜する。例えば、2.74nm厚のMoと4.11nm厚のSiを各40層積層した多層膜よりなる反射層が挙げられる。反射層54の表面には、種欠陥53に基づく凸状の表面欠陥55が生じており、種欠陥53の位置から斜めに成長している。また、図5(c)では、アライメントマーク52上の反射層54も斜めに成長していることを示している。
次に、斜め成長しているアライメントマーク52部分の反射層54を除去し、図5(d)に示すように、反射層除去領域56の基板51上に凹部のアライメントマーク52を露出させる。
次に、凹部のアライメントマーク52を基にして、プログラムした位相欠陥(種欠陥)53の位置とDUV検査機で検出される表面欠陥55の位置との位置ずれ量を測定し、位置ずれ量をあらかじめ把握する。
(基板上にアライメントマークを形成する第2の方法)
第2の方法は、基板上に凸部のアライメントマークを設ける方法である。
まず、石英ガラス基板等の基板上にあらかじめプログラムした位相欠陥とアライメントマークを形成するために、金属あるいは金属化合物の薄膜層を成膜し、電子線リソグラフィ技術によりレジストパターンを形成し、上記の薄膜層をエッチングして、図6(a)に示すように、基板61上にアライメントマーク62と位相欠陥(種欠陥)63を形成する。
次に、図6(b)に示すように、アライメントマーク62及び位相欠陥(種欠陥)63を覆って、基板61上に反射層64を所定の厚さに成膜する。例えば、2.74nm厚のMoと4.11nm厚のSiを各40層積層した多層膜よりなる反射層64を設ける。反射層64の表面には、種欠陥63に基づく凸状の表面欠陥65が生じており、種欠陥63の位置から斜めに成長している。また、アライメントマーク62上の反射層64も斜めに成長していることを示している。
次に、斜め成長しているアライメントマーク62部分の反射層64を除去し、図6(c)に示すように、反射層除去領域66の基板61上に凸部のアライメントマーク62を露出させる。
次に、凸部のアライメントマーク62を基にして、プログラムした位相欠陥(種欠陥)63の位置とDUV検査機で検出される表面欠陥65の位置との位置ずれ量を測定し、位置ずれ量をあらかじめ把握する。
本発明においては、上記の第1の方法及び第2の方法とも、異なる装置間の誤差を低減するために、プログラムした位相欠陥(種欠陥)を作製した後に、位相欠陥(種欠陥)の検査を行い、欠陥位置等の検出を行い、この結果と成膜後の検査を比較するのが好ましい。
上記のプログラムした位相欠陥(種欠陥)を設ける方法において、種欠陥とする金属あるいは金属化合物の薄膜層の材料としては、特に限定されることはないが、例えば、クロム及びクロム化合物等が挙げられる。
本発明の実施形態の一例として、本発明者は、反射型マスクブランクの実際の位相欠陥の位置と、DUV検査機(波長193nm)で検出される位相欠陥(表面欠陥)の位置ずれ量を調べた結果、その分布はほぼ同心円状の分布を持ち、反射型マスクブランクの中心から外部に向かい、斜め上外側に向かって位相欠陥が成長していることを把握した。図7に、反射型マスクブランクの中心からの距離(mm)と実際の位相欠陥の成長角度(度)との関係を示す。種欠陥及び実際の位相欠陥の位置と、DUV検査機で検出される表面欠陥の位置のずれ量は、透過型電子顕微鏡を用いて計測した。
図7に示すように、DUV検査による欠陥位置と実際の位相欠陥位置とのずれ量と方向は、反射型マスクブランクの中心からの距離と、実際の位相欠陥の成長する角度の関数で表すことができる。例えば、図7に示す場合には、その関数は、反射型マスクブランクの中心を頂点とする放物線に近い曲線を示し、ずれ量の分布はほぼ同心円状となっている。
次に、本発明の反射型マスクの製造方法に用いる反射型マスクブランクについて説明する。
(反射型マスクブランク)
本発明の反射型マスクの製造方法に用いる反射型マスクブランクは、基板と、基板上にEUV光を反射する反射層と、反射層上にEUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けたマスクブランクであるが、マスクの機能上、他の薄膜層が設けられていてもよい。本発明の反射型マスクの製造方法に用いる反射型マスクブランクを構成する各材料の望ましい形態について、以下に説明する。
(基板)
反射型マスクブランクに用いる基板としては、パターン位置精度を高精度に保持するために低熱膨張係数を有し、高反射率および転写精度を得るために平滑性、平坦度が高く、マスク製造工程の洗浄などに用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、合成石英ガラス、SiO2−TiO2系の低熱膨張ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスなどのガラス基板などを用いることができる。
(反射層)
多層の反射層は、EUV露光に用いられるEUV光(通常、波長13.5nm程度)を高い反射率で反射する材料が用いられ、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)からなる多層膜が多用されており、例えば、2.74nm厚のMoと4.11nm厚のSiを各40層積層した多層膜よりなる反射層が挙げられる。MoとSiからなる多層膜の場合、イオンビームスパッタ法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でSi膜を成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でMo膜を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層して、多層反射層が得られる。
(キャッピング層)
多層の反射層の反射率を高めるには屈折率の大きいMoを最上層とするのが好ましいが、Moは大気で酸化され易くて反射率が低下するので、酸化防止やマスク洗浄時における保護のための保護膜として、スパッタリング法などによりSiやルテニウム(Ru)を成膜し、キャッピング層を設けることが好ましい。例えば、キャッピング層としてSiは、反射層の最上層に11nmの厚さに設けられる。Ruをキャッピング層とする場合には、Ruが後述するバッファ層としての機能も果たすので、バッファ層を省くことも可能である。
(バッファ層)
EUV光を吸収する吸収体層をドライエッチングしてパターン形成するときに、下層の反射層やキャッピング層にドライエッチングによる損傷を与えるのを防止するために、通常、反射層と吸収体層との間にバッファ層が設けられる。バッファ層の材料としては、SiO2、Al23、Cr、CrNなどの薄膜が用いられるが、窒化クロム(CrN)がより好ましい。CrN膜は、例えば吸収体層に窒化タンタル(TaN)膜を用いて塩素ガスでドライエッチングする時に耐エッチング性が高く、またバッファ層の材料と後述するハードマスク層の材料とを同じ材料とすることにより、同時にエッチングすることも可能となり、マスク製造工程が短縮されるからである。例えば、CrN膜を形成する場合は、DCマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてアルゴン(Ar)と窒素との混合ガス雰囲気下で、5nm〜20nm程度の範囲の膜厚で成膜するのが好ましい。
(吸収体層)
マスクパターンを形成し、EUV光を吸収する吸収体層23aの材料としては、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、硼化タンタル(TaB)、窒化硼化タンタル(TaBN)などのTaを主成分とする材料が、膜厚35nm〜60nm程度の範囲、より好ましくは40nm〜55nmの範囲で用いられる。ただし、上記の厚みはバッファ層にCrNを10nmの厚みを用いた場合の例であり、バッファ層の材質や厚みを変化させた場合は、バッファ層に合わせて吸収体層の厚みを調整する必要がある。例えば、バッファ層をCrN20nm厚とした場合には、吸収体層の厚みを約10nm程度薄くする必要がある。
(低反射層)
吸収体層の上には、マスクパターンを光学検査するとき、検査光(199nmあるいは257nm)に対して低反射とした低反射層を設ける場合が多い。低反射層の材料としては、例えば、タンタルの酸化物(TaO)、酸窒化物(TaNO)、ホウ素酸化物(TaBO)、ホウ素酸窒化物(TaBNO)などの酸素を含むタンタル化合物、酸化シリコン(SiOx)、窒化クロム(CrN)などが挙げられ、膜厚5nm〜30nm程度の範囲で、より好ましくは膜厚10nm〜20nm程度の範囲で用いられる。次に説明するハードマスク層が低反射層を兼ねることも可能である。
(ハードマスク層)
反射型マスクブランクの吸収体層上に吸収体層をエッチングする際に使用するハードマスク層を設けてもよい。ハードマスク層は、吸収層とエッチングの選択比が十分に取れる耐エッチング性を有する必要があるとともに、エッチング完了後には容易に取り除くことができ、また、マスクパターンの光学検査時の検出感度を上げるために検査用低反射層を兼ねるのが、成膜とエッチング工程が短縮されて、より好ましい。ハードマスク層の材料としては、例えば、酸化タンタル(TaO)、酸窒化タンタル(TaNO)、酸化硼化タンタル(TaBO)、酸窒化硼化タンタル(TaBNO)などの酸素を含むタンタル化合物、あるいはクロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、窒化クロム(CrN)、酸窒化クロム(CrNO)などのCrおよびCr系化合物、あるいは酸窒化シリコン(SiON)が、膜厚10nm程度の範囲で用いられる。クロム系材料は、酸素含有タンタル化合物のドライエッチングに用いるフッ素系ガスあるいは塩素ガスのプラズマに対して強い耐性をもち、またウェットエッチングが容易であり、好ましい材料である。
(導電層)
EUV露光用の反射型マスクブランクのパターン側と反対側の基板面に、マスクを露光装置に設置するときの静電チャック用に導電層が設けられることが多い。導電層の材料としては、導電性を示す金属や金属窒化物などの薄膜を設けたものであり、例えば、クロム(Cr)や窒化クロム(CrN)などを厚さ20nm〜150nm程度に成膜して用いられる。ハードマスク層がクロム系材料で構成されるときには、導電層はクロム系材料のウェットエッチング時にエッチングされない材料、例えば、窒化タンタル(TaN)などにする必要がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
以下の手順で、同一条件で同一装置により複数の反射型マスクブランクを作製した。
光学研磨された大きさ6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板の一主面上に、イオンビームスパッタ法により、Arガス雰囲気下でSiターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層して多層反射層とし、その上にルテニウム(Ru)膜を2.5nm成膜してキャッピング層とした。Ru膜はバッファ層を兼ねるものである。
続いて、上記のRu膜上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Taターゲットを用いて、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、TaN膜を40nmの厚さで成膜し、次にArと酸素混合ガス雰囲気下でTaO膜を10nmの厚さで成膜し、EUV光を吸収する吸収体層とした。TaO膜は光学検査時の低反射層を兼ねるものである。一方、基板の他方の主面上にTaN膜を30nm厚に成膜し、導電層とし、EUV露光用の反射型マスクブランクを得た。
次に、反射型マスクの製造に使用する反射型マスクブランクと同一ロットのマスクブランクを用いて、反射型マスクブランクのDUV検査機(波長193nm)による検査で検出される表面欠陥の位置と、この表面欠陥の基となる多層の反射層の底部に存在する位相欠陥(種欠陥)の位置及び実際の位相欠陥の範囲との位置ずれ量をあらかじめ把握した。
DUV検査による欠陥位置と実際の位相欠陥位置とのずれ量と方向は、反射型マスクブランクの中心からの位置の関数とすることができ、図7に示したように、位置の関数は、反射型マスクブランクの中心を頂点とする放物線に近い曲線を示し、ずれ量の分布はほぼ同心円状となっていた。種欠陥及び実際の位相欠陥の位置と、DUV検査機で検出される表面欠陥の位置のずれ量は、透過型電子顕微鏡を用いて計測した。
次いで反射型マスクブランクのTaO膜表面を、波長193nmのDUVによる表面欠陥検査装置を用いて表面欠陥を調べ、表面欠陥の位置情報として記録した。表面欠陥の大きさは最大幅140nm、高さ3nmであつた。
次に、上記の位置ずれ量と反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置座標及び位相欠陥の影響範囲の算出を行った。
上記の算出結果に基づいて、位相欠陥の影響を低減するために、位相欠陥を吸収体パターンで覆うように吸収体パターンの配置を決定した。
次に、この反射型マスクブランクを用い、TaO膜上に電子線レジストを膜厚100nmで塗布し、電子線描画装置で吸収体パターンのパターン描画し、現像して、ウェハ上に転写するパターンに対応したパターンを有するレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをマスクにして、TaO膜をフッ素ガスでドライエッチングし、次いで吸収体層TaN膜を塩素ガスでドライエッチングし、吸収体パターンを形成し、EUV露光用の反射型マスクを作製した。
上記の反射型マスクを用い、ウェハ上のレジストにパターン露光をしたところ、位相欠陥による影響のない良好なレジストパターンが得られた。
(実施例2)
合成石英基板上にアライメントマークを形成するために、クロムを5nm厚にスパッタリング成膜してクロム薄膜層を形成した。次に、電子線レジストを塗布し、電子線描画によりアライメントマークのレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとして塩素と酸素の混合ガスを用いてクロムをエッチングし、次いで、レジストパターンを酸素プラズマで剥離後、クロムパターンをマスクにしてCF4ガスを用いて石英基板をエッチングし、石英基板上に深さ100nmの凹部のアライメントマークを設けた。
次に、アライメントマークを設けた基板上に、プログラムした位相欠陥用に窒化クロム膜を5nm厚に成膜し、アライメントマークを基準にして電子線描画により位相欠陥用のレジストパターンを形成し、窒化クロム膜をエッチングして、基板上にプログラムした複数の位相欠陥(種欠陥)を設けた。プログラムした位相欠陥(種欠陥)を作製した段階で、位相欠陥(種欠陥)の検査を行い、あらためて位相欠陥の位置の検出と確認を行った。
次に、位相欠陥(種欠陥)を覆って、実施例1と同様に、イオンビームスパッタ法により、Si膜を4.2nm成膜し、続いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層して多層反射層とした。次に、反射層上に電子線レジストを塗布し、電子線描画し現像してアライメントマーク部分の反射層を露出させ、このアライメントマーク周辺領域の反射層をエッチング除去し、基板上に凹部のアライメントマークを露出させた。
次に、凹部のアライメントマークを基準にして、プログラムした位相欠陥(種欠陥)の位置とDUV検査機で検出される表面欠陥の位置との位置ずれ量を測定し、位置ずれ量をあらかじめ把握した。
次に、実施例1と同様の反射型マスクブランクを用い、その膜表面を波長193nmのDUV検査機を用いて表面欠陥を調べ、表面欠陥の位置情報として記録した。
次に、上記の位置ずれ量と反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、反射型マスクブランクの実際の位相欠陥の位置座標及び位相欠陥の影響範囲の算出を行った。
上記の算出結果に基づいて、位相欠陥の影響を低減するために、位相欠陥を吸収体パターンで覆うように吸収体パターンの配置を決定した。
次に、この反射型マスクブランクを用い、電子線レジストを塗布し、電子線描画装置で吸収体パターンのパターンを描画し、現像して、ウェハ上に転写するパターンに対応したパターンを有するレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをマスクにして、吸収体層のTaN膜を塩素ガスでドライエッチングし、吸収体パターンを形成し、EUV露光用の反射型マスクを作製した。
上記の反射型マスクを用い、ウェハ上のレジストにパターン露光をしたところ、位相欠陥による影響のない良好なレジストパターンが得られた。
10 反射型マスク
11 反射層
12 吸収体パターン
13 種欠陥
14 表面形状での欠陥範囲
15 実際の位相欠陥範囲
16 種欠陥範囲
20 反射型マスクブランク
30 反射型マスク
31 反射層
32 吸収体パターン
33 種欠陥
34 表面形状での欠陥範囲
35 実際の位相欠陥範囲
36 種欠陥範囲
51、61 基板
52、62 アライメントマーク
53、63 プログラム位相欠陥(種欠陥)
54、64 反射層
55、65 位相欠陥(表面欠陥)
56、66 反射層除去領域
81 反射層
82 吸収体パターン
83 位相欠陥
91 基板
92 反射層
93 吸収体パターン
95a 凸部
95b 凹部
96a 位相欠陥
96b 位相欠陥

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板上にEUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクを用い、位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法であって、
    (1)前記反射型マスクブランクの遠紫外光による検査で検出される表面欠陥の位置と、実際の位相欠陥の位置との位置ずれ量をあらかじめ把握しておく工程と、
    (2)前記遠紫外光により前記反射型マスクブランクの表面欠陥の検査を行い、表面欠陥の検出と位置情報を得る工程と、
    (3)前記位置ずれ量と前記反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲を算出する工程と、
    (4)前記算出した実際の位相欠陥の位置と範囲を基に前記吸収体層のパターンを配置する工程と、を含み、
    前記工程(1)において、前記位置ずれ量をあらかじめ把握するのに際し、前記反射型マスクブランクと同一ロットのマスクブランクを用いて、透過型電子顕微鏡により前記位置ずれ量を測定することを特徴とする位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法。
  2. 基板と、前記基板上にEUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクを用い、位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法であって、
    (1)前記反射型マスクブランクの遠紫外光による検査で検出される表面欠陥の位置と、実際の位相欠陥の位置との位置ずれ量をあらかじめ把握しておく工程と、
    (2)前記遠紫外光により前記反射型マスクブランクの表面欠陥の検査を行い、表面欠陥の検出と位置情報を得る工程と、
    (3)前記位置ずれ量と前記反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲を算出する工程と、
    (4)前記算出した実際の位相欠陥の位置と範囲を基に前記吸収体層のパターンを配置する工程と、を含み、
    前記工程(1)において、前記位置ずれ量をあらかじめ把握するのに際し、前記基板上にあらかじめプログラムした位相欠陥とアライメントマークを設け、前記位相欠陥を覆って少なくとも前記反射層を成膜した基板を作製し、該反射層を成膜した基板を用いて前記プログラムした位相欠陥の位置と表面欠陥の位置との位置ずれ量を、該アライメントマークを基にして測定することを特徴とする位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法。
  3. 基板と、前記基板上にEUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収体層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクを用い、位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法であって、
    (1)前記反射型マスクブランクの遠紫外光による検査で検出される表面欠陥の位置と、実際の位相欠陥の位置との位置ずれ量をあらかじめ把握しておく工程と、
    (2)前記遠紫外光により前記反射型マスクブランクの表面欠陥の検査を行い、表面欠陥の検出と位置情報を得る工程と、
    (3)前記位置ずれ量と前記反射型マスクブランクの表面欠陥の位置情報から、実際の位相欠陥の位置と範囲を算出する工程と、
    (4)前記算出した実際の位相欠陥の位置と範囲を基に前記吸収体層のパターンを配置する工程と、を含み、
    前記位置ずれ量が、前記反射型マスクブランクの表面欠陥のマスクブランクの中心からの距離と、前記実際の位相欠陥の成長する角度の関数で表されることを特徴とする位相欠陥の影響を低減する反射型マスクの製造方法。
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