JP2011228417A - 反射型マスクブランクの再生方法および反射型マスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高価なEUV露光用のマスクブランクの再利用が容易な反射型マスクブランクの再生方法および該反射型マスクブランクを用いた高品質パターンを有する反射型マスクの製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に、EUV光を反射する反射層と、反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、吸収層上にハードマスク層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクの再生方法であって、ハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成する工程と、ハードマスクパターンのパターン寸法計測および外観欠陥検査を行う工程と、パターン寸法計測および/または外観欠陥検査の値が所定の仕様値の範囲外であり、寸法補正および/または欠陥修正が困難とされるとき、ハードマスクパターンをエッチングして除去する工程と、吸収層上に再度ハードマスク層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、LSI、超LSIなどの高密度集積回路の製造に用いられる極端紫外光(Extreme Ultra Violet:以後、EUVと記す。)を用いてマスクパターンをウェハ上に転写するためのEUV露光用の反射型マスクブランクの再生方法および該再生されたマスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法に関する。
半導体デバイスの微細化に伴い、現在、ArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクを用いてウェハ上にパターン転写する露光方法が行なわれている。これらの光学式の投影露光装置による露光方法では、いずれ解像限界に達するため、電子線描画装置による直描やインプリントリソグラフィやEUVリソグラフィのような新しいパターン形成方法が提案されている。
これらの新しいリソグラフィ技術の中で、EUV露光は、エキシマレーザよりもさらに短波長の波長13.5nm程度のEUV光を用い、通常1/4程度に縮小して露光する技術で、紫外線露光の短波長化の極限と見なされており、半導体デバイス用のリソグラフィ技術として注目されている。EUV露光においては、短波長のために屈折光学系が使用できないので、反射光学系が用いられ、マスクとしては反射型マスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。EUV露光用反射型マスクは、EUV光を反射する多層の反射膜と、この多層の反射膜上にEUV光を吸収する吸収層とを少なくとも設け、吸収層によるパターンを形成したマスクである。
EUV露光用反射型マスクは、基板と、基板上に設けられた多層膜構造でEUV光を反射する反射層と、反射層上に設けられたEUV光を吸収する吸収層とを少なくとも有する構造となっている。反射型マスクに入射したEUV光は、反射層では反射され、吸収層では吸収され、反射されたEUV光によりウェハ上に縮小転写パターンが形成される。
しかしながら、EUV露光用反射型マスクの製造には解決しなくてはならない技術的課題がある。微細パターンを有する半導体デバイスを形成するための反射型マスクは、原版としてパターン線幅の微細化と共に高精度化が求められ、ゲートパターン線幅などの重要なパターン寸法はCD(Critical Dimension)として厳密に管理されており、そのため予めパターンの目標許容値が設定されている。反射型マスクを不良とする大きな原因は、吸収層パターンのCD不良とパターン外観欠陥である。例えば、反射型マスクの重要な課題として、吸収層パターンのエッチングにおけるCDバイアス制御、CDのマスク面内均一性、CD直線性、パターン断面のプロファイル、エッチング選択性、パターンの外観欠陥低減などが挙げられる。反射型マスクに要求される仕様の厳しさやCD公差の引き下げにより、CD制御がより重要になってきている。
しかし、反射型マスクにおけるCDは、マスクパターン作成に用いる電子線描画装置などの描画装置の精度、電子線レジストなどのレジストの特性、吸収層などの被エッチング加工物の特性、エッチング加工精度などの様々な要因により、設計寸法通りにはならずにCD誤差を生じさせている。
CDを制御するために、通常、吸収層パターンを形成する際のレジストパターンを形成した段階において、パターン寸法計測(以後、CD計測とも呼ぶ)が行われている。レジストパターン段階でCD計測および外観欠陥検査を行い、もしもCDや外観欠陥の品質に問題があれば、その後の工程である吸収層のエッチング工程にフィードバックして修正する方法、あるいはレジストパターンを剥離し、反射型マスクブランクを洗浄し、再度レジストを塗布してレジストパターンを再形成する方法が行われている。
例えば、露光用マスクの製造に際し、レジスト膜を形成した日付情報を含むレジスト膜形成情報に基づき、レジスト膜の感度変化が許容範囲を超えたマスクブランクを特定し、レジスト膜を剥離し、再度レジスト膜を形成するマスクブランクの再生方法およびマスクブランクの製造方法が提案されている(特許文献2参照。)。
しかし、上記に述べたように、レジスト膜の感度変化はCDや外観欠陥の問題の一因にしか過ぎず、レジストパターン段階でのCD計測は外観欠陥の原因となり易いとともに、反射型マスクにおけるレジストパターン状態での外観欠陥検査は、波長199nmや257nmの短波長の検査光を用いるために、有機物であるレジストパターンにダメージを発生させてパターンを損傷させたり、そのダメージが原因で検査装置を汚染するという問題があった。
一方、吸収層パターンを形成した後に、吸収層パターンのCD計測や外観欠陥検査を行う方法も行われている。ところが、もしもCDや外観欠陥の品質に問題があって、CDの補正や欠陥の修正が困難であり、吸収層パターンを除去してマスクブランクを再生しようとする場合、製造途中の反射型マスク基板の反射層へダメージを与えずに、吸収層パターンを除去することが容易ではなく、基板の再利用が困難になってしまうという問題が生じていた。
EUV露光用の反射型マスクブランクは、遮光層が1層から数層で構成されている従来のフォトマスクブランクと異なり、例えば、反射層だけでも40層の薄膜から構成され、吸収層やその他の層を加えると薄膜層は45層前後になり、高品質の基板と合わせて非常に高価なマスクブランクとなる。このため、EUV露光用の反射型マスクに占める反射型マスクブランク費用の割合も大きくなり、マスクコスト低減、資源の有効利用の点から、マスクプロセスで修正できない問題や補正不能な問題が発生した場合に対して、反射型マスクブランクを再生することが強く望まれている。
特公平7−27198号公報 特開2006−154807号公報
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、高価なEUV露光用のマスクブランクの再利用が容易な反射型マスクブランクの再生方法および該反射型マスクブランクを用いた高品質パターンを有する反射型マスクの製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明に係る反射型マスクブランクの再生方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収層と、前記吸収層上にハードマスク層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクの再生方法であって、前記ハードマスク層上にレジスト層を設け、該レジスト層をパターン化してレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクにして前記ハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成する工程と、 前記レジストパターンを剥離し、前記ハードマスクパターンのパターン寸法計測および外観欠陥検査を行う工程と、前記パターン寸法計測および/または前記外観欠陥検査の値が所定の仕様値の範囲外であり、寸法補正および/または欠陥修正が困難とされるとき、前記ハードマスクパターンをエッチングして除去する工程と、前記吸収層上に再度ハードマスク層を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の請求項2に記載の発明に係る反射型マスクブランクの再生方法は、請求項1に記載の反射型マスクブランクの再生方法において、前記ハードマスクパターンをエッチングして除去する工程が、ウェットエッチングであることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に記載の発明に係る反射型マスクブランクの再生方法は、請求項1または請求項2に記載の反射型マスクブランクの再生方法において、前記ハードマスクパターンが、クロム系材料または酸窒化シリコンで構成されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に記載の発明に係る反射型マスクの製造方法は、請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスクブランクの再生方法により再生された反射型マスクブランクを用い、前記ハードマスク層と前記吸収層とをエッチングしてパターンを形成したことを特徴とするものである。
本発明の反射型マスクブランクの再生方法によれば、マスクの吸収層パターンニングに際して、CD不良や外観欠陥不良となった反射型マスクブランクを簡単な方法で再生することが可能になり、マスクの製造コストを下げることができる。本発明の反射型マスクブランクの再生方法は、ハードマスク層をパターン化した直後にCD計測と欠陥検査を行うので、レジストパターンを検査する方法に比べ、CD計測値がレジストパターン段階で計測するよりも正確となり、ハードマスクパターンとマスクパターンとなる吸収層のエッチングバイアスが安定する効果を生じる。また、レジストパターンを検査する方法で問題となる、検査光でレジストダメージを生じたり、検査装置を汚染することがない。
本発明の反射型マスクブランクの再生方法は、CD計測時やハードマスクパターンのエッチング時に外観欠陥が発生しても、後工程の吸収層エッチング工程で修正を行うことにより、欠陥部分を除去することが可能である。さらに、ハードマスク層にクロム系材料を使用すれば、ハードマスクパターン形成時に回避不可能な問題が発生した場合に、ハードマスクパターンをウェットエッチングで簡単に除去し、再生することができる。
本発明の反射型マスクの製造方法によれば、マスクの吸収層パターンニング時に不良となった反射型マスクブランクを簡単な方法で再生し、再利用することが可能となるので、マスク価格を低減させ、マスク資源を有効活用することが可能となる。
本発明の反射型マスクブランクの再生方法における一実施形態を示す工程断面模式図である。 反射型マスクブランクの再生工程を含む本発明の反射型マスクの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の反射型マスクの製造方法により製造された反射型マスクの一例の断面模式図である。
本発明のEUV露光用の反射型マスクブランクの再生方法は、基板の一方の主面上に、EUV光を反射する反射層と、該反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、該吸収層上にハードマスク層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクの再生方法であって、上記ハードマスク層上にレジスト層を設け、該レジスト層をパターン化してレジストパターンを形成する工程と、上記レジストパターンをマスクにして上記ハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成する工程と、上記レジストパターンを剥離し、上記ハードマスクパターンのパターン寸法計測および外観欠陥検査を行う工程と、上記パターン寸法計測および/または上記外観欠陥検査の値が所定の仕様値の範囲外であり、寸法補正および/または欠陥修正が困難とされるとき、上記ハードマスクパターンをエッチングして除去する工程と、上記吸収層上に再度ハードマスク層を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(反射型マスクの再生方法)
図1は、本発明の反射型マスクブランクの再生方法における一実施形態を示す工程断面模式図である。
先ず、図1(a)に示すように、ハードマスク層17aを備えた反射型マスクブランク10aを準備する。一例としての反射型マスクブランク10aの構成は、基板11の一方の主面上に、多層膜構造でEUV光を反射する反射層12と、この反射層12を保護するキャッピング層13が順に設けられており、次いでマスクパターン形成時の反射層12、キャッピング層13へのエッチングダメージを防止するためにバッファ層14が設けられている。さらにその上にEUV光を吸収する吸収層15が設けられ、吸収層15上にマスクを光学検査する時の検出感度を上げるために検査光に対して低反射層16が形成されており、その上にハードマスク層17aが形成されている。基板11の他方の主面(裏面)上には、マスクを露光装置に設置するときの静電チャック用に導電層18が形成されている。
ハードマスク層17aは、吸収層のドライエッチングに際し、電子線レジストによるレジストマスクのみではレジストマスクがダメージを受けて十分なエッチング選択比がとれない場合、金属または金属化合物を構成材料とするハードマスクを用い、下層の吸収層をエッチングするものである。ハードマスクは吸収層のエッチング条件に対して耐エッチング性を有する薄膜層であり、この薄膜層をパターンエッチングしてマスクとして用いる。ハードマスクを用いることにより電子線レジストの膜厚を薄くすることもでき、より微細なパターン形成が可能となる。
本発明においては、ハードマスク層17aを反射型マスクブランクの再生方法に必須のブランク構成要素として設けるものである。
次に、反射型マスクブランク10aのハードマスク層17a上に電子線レジストを塗布し、電子線描画装置でパターン描画後、現像し、図1(b)に示すように、レジストパターン19を形成する。
次に、レジストパターン19をマスクにして、ハードマスク層17aをドライエッチングし、図1(c)に示すように、ハードマスクパターン17を形成する。ハードマスク層17aが、例えば、酸化タンタル(TaO)からなるときには、エッチングガスとしてフッ素系ガスが用いられる。
次に、レジストパターン19を酸素プラズマなどの方法でマスク基板から剥離除去した後、マスク基板を洗浄し、図1(d)に示すように、ハードマスクパターン17のパターン寸法計測(CD計測)および外観欠陥の検査を行う。マスク基板の洗浄方法としては、従来、マスク洗浄に用いている硫酸過水(硫酸と過酸化水素水の混合液)、あるいはアンモニア過水(アンモニア水と過酸化水素水の混合液)、あるいは有機溶媒などの溶液を使用し、パーティクルなどを除去することができる。CD計測は、通常、測長専用のCD測長SEMを用いて行われる。外観欠陥検査には、波長199nmあるいは257nmの短波長の検査光が用いられるが、欠陥検査は上記の検査光に限定されるわけではない。
CD計測をレジストパターンで行う場合、レジストの特性やレジスト現像条件などにより、通常、レジストパターンのエッジは傾きを生じており、CD計測に際して読み取り誤差を生じ易い。これに対し、本発明においては、CD計測をパターンエッジが鮮明なハードマスクパターンで行うので、CD計測をレジストパターンで行うよりも容易で正確となり、ハードマスクパターンと吸収層のエッチングバイアスが安定する効果が得られる。また、レジストパターンを短波長の検査光で検査する際に問題となっていた、検査光でレジストパターンにダメージを生じたり、検査装置を汚染してしまうということがない。
図1(d)に示すCD計測および欠陥検査において、計測されたCD値が目標とする仕様値の範囲外である場合、および/または欠陥検査の値が所定の仕様値の範囲外である場合であって、寸法補正および/または欠陥修正が困難と判断されるときには、図1(e)に示すように、ハードマスクパターン17をエッチングして除去する。エッチングには、パターン形成に用いたエッチングガスと同じガスでドライエッチングして除去する方法と、エッチング液でウェットエッチングして除去する方法とが用いられる。ハードマスクパターン17が、ウェットエッチングが容易な材料で構成されていれば、ウェットエッチングして除去する方法の方が、エッチング設備が簡単でプロセス条件の制御も容易であり、より好ましい。
例えば、ハードマスク層17aが、窒化クロム(CrN)などのクロム系材料で構成されていれば、CD計測および/または欠陥検査において、ハードマスクパターン17に寸法および/または欠陥の回避困難な問題が発生した場合には、ハードマスクパターン17をウェットエッチングで簡単に除去し、再度窒化クロムを成膜して反射型マスクブランクを再生できる。ただし、裏面導電膜18を設ける場合には、裏面導電膜18はクロム系材料のウェットエッチングでエッチングされない材料、例えば窒化タンタル(TaN)などにする必要がある。
上記の方法によって、マスクプロセスで不良となったEUV露光用マスクブランクを容易に再生でき、マスクのコストを下げることができる。
次に、ハードマスクパターン17をエッチングして除去した後、図1(f)に示すように、低反射層16上にハードマスク層17bを再度成膜して形成し、反射型マスクブランク10bを再生する。ハードマスク層17bは、最初のハードマスク層17aの成膜と同じ製造方法で作製し、同じ膜質、膜厚とすることにより、反射型マスクブランク10bが再生される。
本発明の反射型マスクブランクの再生方法は、ハードマスク層をパターン化した直後にCD計測と欠陥検査を行うので、レジストパターンを検査する従来の方法に比べ、CD計測値が正確となり、吸収層のエッチングバイアスが安定する。また、レジストパターンを検査する方法で問題となる、検査光でレジストダメージを生じたり、検査装置を汚染することがない。
本発明の反射型マスクブランクの再生方法は、CD計測時やハードマスクパターンのエッチング時に外観欠陥が発生しても、後工程の吸収層エッチング工程で修正を行うことにより、欠陥部分を除去することが可能である。さらに、ハードマスク層にクロム系材料を使用すれば、ハードマスクパターン形成時に回避不可能な問題が発生した場合に、ハードマスクパターンをウェットエッチングで簡単に除去し、再生することができる。
(反射型マスクの製造方法)
図2は、反射型マスクブランクの再生工程を含む本発明の反射型マスクの製造方法を示すフローチャートである。図2に示す図2(a)〜図2(f)までの各ステップは、図1に示す工程断面図の図1(a)〜図1(f)の各工程に対応しており、本発明の反射型マスクブランクの再生方法を示すフローである。図2(a)〜図2(f)のステップについては、図1(a)〜図1(f)と同じなので説明を省略する。
本発明の反射型マスクの製造方法は、上記の反射型マスクブランクの再生方法により再生した反射型マスクブランクを用い、ハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成した後、図2(d)に示すCD計測および外観欠陥検査において、計測されたCD値および外観検査結果の値が仕様値内に入り、次工程に進めてよいと判断されたときに、次に、図2(g)に示すように、ハードマスクパターンをマスクにして吸収層をエッチングして吸収層パターンを形成し、図2(h)に示すように、反射型マスクを得るものである。
吸収層の下層にバッファ層がなく、キャッピング層がルテニウム(Ru)で構成されエッチング保護膜を兼ねている場合には、吸収層パターンを形成した段階で、反射型マスクが得られる。吸収層の下層にバッファ層がある場合には、吸収層エッチングに続いて、エッチングガスを換えてバッファ層をエッチングしてパターン化し、吸収層パターンを主体とするマスクパターンを形成し、図2(h)に示すように、反射型マスクを得る。バッファ層がハードマスクパターンと同じ材料で構成されているときには、バッファ層のエッチング時に、ハードマスクパターンも同時にエッチング除去される。図3は、本発明の反射型マスクの製造方法により製造された反射型マスク10cの一例の断面模式図であり、基板11上に多層の反射層12とキャッピング層13が設けられ、バッファ層パターン14b、吸収層パターン15b、低反射層パターン16bが積層して形成されたマスクである。
本発明の反射型マスクの製造方法においては、ハードマスクパターンを用いてパターン寸法計測および外観欠陥検査を行うので、ハードマスク層が低反射層を兼ねていることが好ましい。低反射層の成膜工程とパターンエッチング工程が不要となり、工程が短縮されるからである。ハードマスク層が低反射層を兼ねている場合は、ハードマスクパターンはマスク上に設けたままでよい。
本発明の反射型マスクの製造方法では、上記の図2(d)に示すCD計測および外観欠陥検査のステップにおいて、ハードマスクパターンに黒欠陥部が検出されても、修正可能と判断される場合には、反射層やキャッピング層へダメージを与えずに黒欠陥部の修正を行うことができる。この工程での修正は、反射層に損傷が生じない程度の厚さに黒欠陥部下層の吸収層の厚さを残して修正するので、修正方法としては、収束イオンビーム(FIB)による修正方法、ガスアシストによる電子ビーム(EB)による修正方法、あるいは原子間力顕微鏡(AFM)の原理を用いながら、AFMのプローブ探針で欠陥を物理的に削り取る修正方法のいずれの方法も適用することができる。
上記の反射型マスクの製造方法は、ハードマスクパターン形成後に、レジスト剥離、洗浄を行い、ハードマスクパターンを用いて欠陥検査および欠陥修正を行うが、ハードマスクパターンは厚さ10nm〜20nm程度と薄いことから、AFM型修正装置を用いた修正でプローブ探針の形状が問題になることはなく、また、ハードマスクパターンの黒欠陥部の下はエッチングして除くべき吸収層であるため、修正過多やイオンの打ち込みによる反射層やキャッピング層へのダメージは無視することができる。
本発明の反射型マスクの製造方法によれば、ハードマスク層をパターンニングした直後にCD計測および欠陥検査を行い、補正や修正困難な状態が発生した場合には、ハードマスクパターンを除去し、再度ハードマスク層を形成するという簡単な方法により、吸収層や反射層に影響を与えずに反射型マスクブランクを再利用することが可能となるので、マスク価格を低減させ、マスク資源を有効活用することが可能となる。
(反射型マスクブランク)
本発明の反射型マスクの再生方法を適用する反射型マスクブランクを構成する各材料の望ましい形態について、図1(a)に示す反射型マスクブランク10aの断面図を基に、以下に説明する。
(基板)
反射型マスクブランク10aの再生方法に用いる基板11としては、パターン位置精度を高精度に保持するために低熱膨張係数を有し、高反射率および転写精度を得るために平滑性、平坦度が高く、マスク製造工程の洗浄などに用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、合成石英ガラス、SiO2−TiO2系の低熱膨張ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスなどのガラス基板などを用いることができる。
(反射層)
多層の反射層12は、EUV露光に用いられるEUV光(通常、波長13.5nm程度)を高い反射率で反射する材料が用いられ、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)からなる多層膜が多用されており、例えば、2.74nm厚のMoと4.11nm厚のSiを各40層積層した多層膜よりなる反射層が挙げられる。MoとSiからなる多層膜の場合、DCマグネトロンスパッタ法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でSi膜を成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でMo膜を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層して、多層反射層が得られる。
(キャッピング層)
多層の反射層12の反射率を高めるには屈折率の大きいMoを最上層とするのが好ましいが、Moは大気で酸化され易くて反射率が低下するので、酸化防止やマスク洗浄時における保護のための保護膜として、スパッタリング法などによりSiやルテニウム(Ru)を成膜し、キャッピング層13を設けることが好ましい。例えば、キャッピング層としてSiは、反射層の最上層に11nmの厚さに設けられる。Ruをキャッピング層とする場合には、Ruが後述するバッファ層としての機能も果たすので、バッファ層を省くことも可能である。
(バッファ層)
EUV光を吸収する吸収層15をドライエッチングしてパターン形成するときに、下層の反射層12やキャッピング層13にドライエッチングによる損傷を与えるのを防止するために、通常、反射層12と吸収層15との間にバッファ層14が設けられる。
バッファ層14の材料としては、SiO2、Al23、Cr、CrNなどの薄膜が用いられるが、本発明の反射型マスクの再生方法においては、窒化クロム(CrN)がより好ましい。CrN膜は、例えば吸収層に窒化タンタル(TaN)膜を用いて塩素ガスでドライエッチングする時に耐エッチング性が高く、またバッファ層の材料とハードマスク層の材料とを同じ材料とすることにより、同時にエッチングすることも可能となり、マスク製造工程が短縮されるからである。例えば、CrN膜を形成する場合は、DCマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてアルゴン(Ar)と窒素との混合ガス雰囲気下で、5nm〜20nm程度の範囲の膜厚で成膜するのが好ましい。
(吸収層)
マスクパターンを形成し、EUV光を吸収する吸収層15の材料としては、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、硼化タンタル(TaB)、窒化硼化タンタル(TaBN)、タンタル・ハフニウム化合物(TaHf)などのTaを主成分とする材料が、膜厚35nm〜60nm程度の範囲、より好ましくは40nm〜55nmの範囲で用いられる。ただし、上記の厚みはバッファ層14にCrNを10nmの厚みを用いた場合の例であり、バッファ層の材質や厚みを変化させた場合は、バッファ層に合わせて吸収層15の厚みを調整する必要がある。例えば、バッファ層をCrN20nm厚とした場合には、吸収層15の厚みを約10nm程度薄くする必要がある。
(低反射層)
吸収層15の上には、マスクパターンを光学検査するとき、検査光(199nmあるいは257nm)に対して低反射とした低反射層16を設ける場合が多い。低反射層16の材料としては、例えば、タンタルの酸化物(TaO)、酸窒化物(TaNO)、ホウ素酸化物(TaBO)、ホウ素酸窒化物(TaBNO)などの酸素を含むタンタル化合物、酸化シリコン(SiOx)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化クロム(CrN)などが挙げられ、膜厚5nm〜30nm程度の範囲で、より好ましくは膜厚10nm〜20nm程度の範囲で用いられる。低反射層16は、次のハードマスク層で兼ねることも可能である。
(ハードマスク層)
ハードマスク層17aは、吸収層とエッチングの選択比が十分に取れる耐エッチング性を有する必要があるとともに、エッチング完了後には必要に応じて容易に取り除くことができ、また、マスクパターンの光学検査時の検出感度を上げるために検査用低反射層を兼ねるのが、低反射層の成膜とエッチング工程が短縮されて、より好ましい。ハードマスク層17aの材料としては、例えば、酸化タンタル(TaO)、酸窒化タンタル(TaNO)、酸化硼化タンタル(TaBO)、酸窒化硼化タンタル(TaBNO)などの酸素を含むタンタル化合物、あるいはクロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、窒化クロム(CrN)、酸窒化クロム(CrNO)などのクロム系材料、あるいは酸窒化シリコン(SiON)が、膜厚10nm〜20nm程度の範囲で用いられる。
上記のハードマスク層材料の中で、クロム系材料およびSiONは、外観欠陥検査に用いる短波長の検査光、例えば、波長199nmあるいは257nmの光に対して低反射性を有し、吸収体に用いられる酸素含有タンタル化合物のドライエッチングに用いる塩素ガスのプラズマに対して十分な耐性をもち、またウェットエッチングが容易であり、ハードマスク層と低反射層を兼ねることができるので好ましい材料である。
クロム系材料よりなるハードマスク層は、塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングすることができ、一方、硝酸第二セリウムアンモニウム水溶液でウェットエッチングすることも可能である。SiONよりなるハードマスク層は、フッ素系ガスでドライエッチングすることができ、一方、フッ酸でウェットエッチングすることも可能である。
(導電層)
EUV露光用の反射型マスクブランクのパターン側と反対側の面(裏面)に、マスクを露光装置に設置するときの静電チャック用に導電層18が設けられることが多い。導電層の材料としては、導電性を示す金属や金属窒化物などの薄膜を設けたものであり、例えば、クロム(Cr)や窒化クロム(CrN)などを厚さ20nm〜150nm程度に成膜して用いられる。ハードマスク層17aがクロム系材料で構成されるときには、導電層18はクロム系材料のウェットエッチング時にエッチングされない材料、例えば、窒化タンタル(TaN)などにする必要がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
以下の手順で反射型マスクブランクを作製した。
光学研磨された大きさ6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板の一主面上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Arガス雰囲気下で、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層して反射層とした後、最後にSi膜を11nm成膜してキャッピング層とし、MoとSiの多層膜よりなるEUV光を反射する反射層を形成した。
次に、DCマグネトロンスパッタ法により、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、上記の多層反射膜上にCrターゲットを用いてCrN膜を10nmの厚さに成膜し、バッファ層とした。
続いて、上記のCrN膜のバッファ層上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Taターゲットを用いて、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、TaN膜を50nmの厚さで成膜し、EUV光を吸収する吸収層とした。このTaN膜の吸収層上に、上記のバッファ層と同様に、DCマグネトロンスパッタ法によりCrN膜を15nmの厚さに成膜してハードマスク層とした。ハードマスク層のCrN膜は光学検査時の低反射層を兼ねるものである。
一方、基板の他方の主面上にTaN膜を30nm厚に成膜して導電層とし、EUV露光用の反射型マスクブランクを得た。
次に、この反射型マスクブランクを用い、ハードマスク層であるCrN膜上に電子線レジストを膜厚200nmで塗布し、電子線描画装置でパターン描画し、現像して、ウェハ上に転写するパターンに対応したパターンを有するレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをマスクにして、ICP型ドライエッチング装置を用い塩素と酸素の混合ガスによりハードマスク層CrN膜をエッチングし、CrN膜ハードマスクパターンを形成した。次に、レジストパターンを酸素プラズマで剥離除去した後、上記の工程まで進めた製造途中のマスク基板を洗浄し、ドライエッチングで生じたパーティクルなどを洗浄により除去した。洗浄には、硫酸過水(硫酸と過酸化水素水の混合液)を用いた。
次に、CD測長SEMを用いてハードマスクパターンのCD寸法を計測し、また波長257nmの検査光を用いてハードマスクパターンの外観欠陥検査を行った。
外観欠陥は黒欠陥が認められたが、修正可能と判断された。しかし、CD計測は計測されたCD値が目標とする仕様値の範囲よりも小さい値であったので、寸法補正は困難と判断し、本反射型マスクブランクを再生することに決めた。
本反射型マスクブランクを再生するために、先ず、上記のCrN膜ハードマスクパターンをエッチング液でウェットエッチングして除去した後、水洗、乾燥した。上記のエッチング液としては、硝酸第二セリウムアンモニウム水溶液を用いた。
次に、TaN膜の吸収層上に、最初のハードマスク層の成膜と同じ製造装置、方法で、ハードマスク層CrN膜を15nmの厚さに再度成膜し、反射型マスクブランクを再生した。
本実施例の反射型マスクブランクの再生方法によれば、ハードマスク層をパターン化した直後にCD計測と欠陥検査を行い、ハードマスクパターンは不良となったが、ハードマスクパターンをエッチング除去し再成膜することで、反射型マスクブランクを容易に再生して再利用することが可能になり、マスクのコストを下げることができた。また、レジストパターンは除去されているので、欠陥検査において検査装置を汚染することはなかった。
次に、上記の再生した反射型マスクブランクを用い、ハードマスク層CrN膜上にレジストパターンを形成し、CrN膜を塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングして再度ハードマスクパターンを形成した後、CD計測および外観欠陥検査を行った。計測されたCD値および外観検査結果の値が仕様値内に入り、次工程に進めてよいと判断されたので、CrN膜ハードマスクパターンをマスクにして吸収層TaN膜を塩素ガスでドライエッチングして吸収層パターンを形成し、続いて、バッファ層CrN膜を塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングした。バッファ層CrN膜のエッチング時に、CrN膜ハードマスクパターンも同時にエッチング除去され、反射型マスクが形成された。
(実施例2)
実施例1と同様に再生した反射型マスクブランクを用い、ハードマスク層CrN膜上にレジストパターンを形成し、CrN膜を塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングし、ハードマスクパターンを形成した後、CD計測および外観欠陥検査を行った。計測されたCD値は仕様値内に入っていたが、外観検査結果では仕様値外の黒欠陥部が認められたが、修正可能と判断された。検出された黒欠陥部は、FIBにより欠陥修正を行った。FIBによる修正は、黒欠陥部のハードマスク層CrN膜を除去するだけの修正とした。黒欠陥部のFIBによる修正により生じたダメージは、修正箇所の吸収層TaN膜の段階で留まり、下層の反射層やキャッピング層までは影響を及ぼしていない。
続いて、エッチングガスとして塩素ガスを用いて吸収層TaN膜をエッチングしてパターン化した。このとき、上記のFIBで修正した黒欠陥部修正箇所のTaN膜も同時にエッチング除去された。
次いで、バッファ層CrN膜を塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングした。バッファ層CrN膜のエッチング時に、CrN膜よりなるハードマスクパターンも同時にエッチング除去され、反射型マスクが形成された。
本実施例の反射型マスクの製造方法では、上記のCD計測および外観欠陥検査のステップにおいて、ハードマスクパターンに黒欠陥部が検出されたが修正可能と判断され、黒欠陥部の修正を行った。この工程での修正は、反射層やキャッピング層に損傷が生じない程度の厚さに、黒欠陥部下層の吸収層の厚さを残して修正することにより、修正方法としてFIB、ガスアシストEBによる修正、AFMによる修正のいずれの方法も適用することができ、残した黒欠陥部の下層の吸収層は、その後の吸収層エッチングで除去することができるという効果が得られる。
本実施例において、ハードマスクパターンの黒欠陥部の下はエッチングして除くべき吸収層であるため、修正過多やイオンの打ち込みによる黒欠陥部の下層の反射層やキャッピング層へのダメージは無視することができ、吸収層や反射層に影響を与えずに反射型マスクブランクを再利用することが可能となるので、マスク価格を低減させ、マスク資源を有効活用することができる。
(実施例3)
まず以下のように反射型マスクブランクを作製した。
光学研磨された大きさ6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板の一主面上に、DCマグネトロンスパッタ法により、Arガス雰囲気下で、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層して反射層とした後、最後にSi膜を11nm成膜してキャッピング層とし、MoとSiの多層膜よりなるEUV光を反射する反射層を形成した。
次に、DCマグネトロンスパッタ法により、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、上記の多層反射膜上にCrターゲットを用いてCrN膜を10nmの厚さに成膜し、バッファ層とした。
続いて、上記のCrN膜のバッファ層上に、DCマグネトロンスパッタ法により、TaHf化合物ターゲットを用いて、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、TaHf膜を50nmの厚さで成膜し、EUV光を吸収する吸収層とした。このTaHf膜の吸収層上に、DCマグネトロンスパッタ法によりSiON膜を15nmの厚さに成膜してハードマスク層とした。ハードマスク層のSiON膜は光学検査時の低反射層を兼ねるものである。
一方、基板の他方の主面上にCrN膜を30nm厚に成膜して導電層とし、EUV露光用の反射型マスクブランクを得た。
次に、この反射型マスクブランクを用い、ハードマスク層であるSiON膜上に電子線レジストを膜厚200nmで塗布し、電子線描画装置でパターン描画し、現像して、ウェハ上に転写するパターンに対応したパターンを有するレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをマスクにして、フッ素ガスによりハードマスク層SiON膜をドライエッチングし、SiON膜ハードマスクパターンを形成した。次に、レジストパターンを酸素プラズマで剥離除去した後、上記の工程まで進めた製造途中のマスク基板を洗浄し、ドライエッチングで生じたパーティクルなどを洗浄により除去した。洗浄には、硫酸過水(硫酸と過酸化水素水の混合液)を用いた。
次に、CD測長SEMを用いてハードマスクパターンのCD寸法を計測し、また波長199nmの検査光を用いてハードマスクパターンの外観欠陥検査を行った。
CD計測により、計測されたCD値が仕様値の範囲よりも小さい値となっており、寸法補正は困難と判断され、本反射型マスクブランクを再生することに決めた。
本反射型マスクブランクを再生するために、先ず、上記のSiON膜ハードマスクパターンをフッ酸水溶液でウェットエッチングして除去した後、水洗、乾燥した。
次に、TaHf膜吸収層上に、最初のハードマスク層の成膜と同じ製造装置、方法で、ハードマスク層SiON膜を15nmの厚さに再度成膜し、反射型マスクブランクを再生した。
次に、上記の再生した反射型マスクブランクを用い、ハードマスク層SiON膜上にレジストパターンを形成し、SiON膜をフッ素ガスでドライエッチングして再度ハードマスクパターンを形成した後、CD計測および外観欠陥検査を行った。計測されたCD値および外観検査結果の値が仕様値内に入り、次工程に進めてよいと判断されたので、SiON膜ハードマスクパターンをマスクにして吸収層TaN膜を塩素ガスでドライエッチングして吸収層パターンを形成し、続いて、バッファ層CrN膜を塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングした。
次に、フッ酸水溶液でSiON膜ハードマスクパターンをウェットエッチングして除去し、水洗、乾燥して反射型マスクを形成した。
次に、この反射型マスクの最終的な外観欠陥検査を波長199nmの検査光を用いて行った。本実施例においては、TaHf膜の吸収体パターンの膜厚が検査波長の1/4となる50nmであるので、位相差によるパターンのエッジ遮光効果が生じ、低反射層を兼ねたハードマスクパターンを除去した後でも検査精度の向上が図られ、欠陥検査が可能であるという効果が得られた。検査の結果、不良となる欠陥は検出されなかった。
10a、10b 反射型マスクブランク
10c 反射型マスク
11 基板
12 反射層
13 キャッピング層
14 バッファ層
14b バッファ層パターン
15 吸収層
15b 吸収層パターン
16 低反射層
16b 低反射層パターン
17a、17b ハードマスク層
17 ハードマスクパターン
18 導電層
19 レジストパターン

Claims (4)

  1. 基板の一方の主面上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上に前記EUV光を吸収する吸収層と、前記吸収層上にハードマスク層とを少なくとも設けたEUV露光用の反射型マスクブランクの再生方法であって、
    前記ハードマスク層上にレジスト層を設け、該レジスト層をパターン化してレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクにして前記ハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを剥離し、前記ハードマスクパターンのパターン寸法計測および外観欠陥検査を行う工程と、
    前記パターン寸法計測および/または前記外観欠陥検査の値が所定の仕様値の範囲外であり、寸法補正および/または欠陥修正が困難とされるとき、前記ハードマスクパターンをエッチングして除去する工程と、
    前記吸収層上に再度ハードマスク層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする反射型マスクブランクの再生方法。
  2. 前記ハードマスクパターンをエッチングして除去する工程が、ウェットエッチングであることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランクの再生方法。
  3. 前記ハードマスクパターンが、クロム系材料または酸窒化シリコンで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型マスクブランクの再生方法。
  4. 請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載の反射型マスクブランクの再生方法により再生された反射型マスクブランクを用い、前記ハードマスク層と前記吸収層とをエッチングしてパターンを形成したことを特徴とする反射型マスクの製造方法。
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