JP2008277397A - 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク並びに半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板1上に順次形成された、露光光を反射する多層反射膜2及び露光光を吸収する吸収体層4を備え、前記吸収体層4が、TaとSiの他、O、乃至は酸素OとNとを含む材料からなる上層膜42と、TaとSiとを含む材料からなる下層膜41から構成される積層構造とした反射型フォトマスクブランク10において、検査波長における吸収体層表面での反射率を低く抑えることにより、精度の高い検査を可能とし、更に、吸収体層表面平滑性が高く、異方性の高い良好なドライエッチ加工性を有し、且つ、吸収体層最表面がチャージアップ防止されたEUVフォトリソグラフィーにて使用される反射型フォトマスクブランク、反射型フォトマスク、及びそれを用いた半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】前記上層膜42の検査波長における消衰係数が1より小さく、前記上層膜42のシート抵抗が50MΩ/□より小さいことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軟X線領域の極端紫外光、すなわちEUV(Extreme Ultra Violet)光を使用するフォトリソグラフィー法において、半導体素子製造などに用いられる反射型フォトマスク及び反射型フォトマスクブランク並びに半導体装置の製造方法に関するものである。
近年の半導体素子における高集積化に伴い、フォトリソグラフィー法によるSi基板上への必要なパターン転写の微細化が加速しており、従来のランプ光源(波長365nm)やエキシマレーザー光源(波長248nm、193nm)を用いたフォトリソグラフィー法における光源の短波長化は露光限界に近づいてきたことから、特に100nm以下の微細加工を可能にする新たなフォトリソグラフィー法の確立が急務となっている。
このため、現在ではより短波長域のエキシマレーザー光であるF2レーザー光(波長157nm)によるフォトリソグラフィー法の開発も進められているが、通常露光波長の半波長のサイズが実質的な解像限界であることから、この場合にも70nm程度が限界とされている。そこで、F2レーザー光より1桁以上も短い波長を有するEUV光(波長13nm)を光源とするフォトリソグラフィー法の開発が望まれている。
EUVリソグラフィー法では、反射光学系による露光が用いられるが、これはEUV光の波長領域における物質の屈折率が1よりわずかに小さい程度であり、従来の露光源で用いられるような屈折光学系が使用できないことによる。また、その際パターン転写に用いられるフォトマスクであるが、EUV光の波長域ではほとんどの物質が高い光吸収性を持つため、既存の透過型マスクではなく、反射型マスクが用いられることも従来の露光技術と顕著に異なる点である。
このEUV露光用の反射型フォトマスクは、平坦なSi基板もしくは合成石英基板上にEUV波長域における反射率の大きなミラー(反射鏡)を設け、更にその上にEUV光に対して特に吸収性の高い重金属からなる吸収体のパターンを形成したものである。EUV光に対するミラー(反射鏡)は、屈折率の大きく異なる材料の組み合わせによる多層膜から構成され、MoとSiないしはMoとBeといった組み合わせの層を40周期程度繰り返し積層することにより形成され、多層反射膜表面が吸収体パターンにより覆われた吸収領域と、吸収体のない、多層反射膜表面が露出した反射領域とのEUV露光反射率のコントラストにより吸収体のパターン転写を行う。
通常、吸収体層に形成されたパターンの検査には、波長190nm〜260nm程度のDUV(遠紫外)光をマスク表面に入射させ、その反射光のコントラストを検出することにより行われる。具体的には、吸収体パターンを形成する際の加工に対する多層反射膜の保護層として吸収体層直下に設けられるバッファー層表面と吸収体層表面との反射率のコントラストにより、吸収体層に設計通りのパターン形成が出来ているかどうかの第1段階目の検査がまず行われる。そこでは、本来エッチングされるべきところにエッチングされずに残っているバッファー層上の吸収体(黒欠陥)や、本来エッチングされずに残るべき吸収体の一部がエッチングされた箇所(白欠陥)の検出を行う。
この第1段階目の検査において検出された欠陥を修正した後、更にバッファー層の除去を行い、バッファー層直下の多層反射膜表面を露出させた後、吸収体層に形成されたパタ
ーンに対する第2段階目の最終検査が行われるが、この検査においては吸収体層表面及び多層反射膜表面における反射率のコントラストを観測することにより行われる。尚、バッファー層の除去は行わなくても良い場合もあるが、多層反射膜表面にバッファー層の被覆膜があると多層反射膜の反射率を低下させることになる場合が多い為、バッファー層は除去されるのが通常である。
以下に公知の文献を記す。
特開2001−237174号公報
先に述べた第1段階目、及び第2段階目のDUV検査光による吸収体パターンの検査においてはそれぞれ、吸収体層の除去されたバッファー層表面と除去されずに残った吸収体層表面、及びバッファー層の除去された多層反射膜表面と吸収体層表面とのDUV光反射率コントラストを観測することにより行われる。従って、第1段階目の検査においてはバッファー層表面と吸収体層表面、第2段階目の検査においては多層反射膜表面と吸収体層表面において、それぞれDUV検査波長における反射率の差が大きくとれることが、検査精度を向上させるために必要となる。
また、吸収体層表面における平滑性を確保すると同時に、この吸収体層にドライエッチを用いた異方性加工によるパターン形成を行う上では、これを形成する材料の結晶状態としてはアモルファスであることが望ましい。更に、吸収体層の最表面はEB描画によるパターニングやFIBによる欠陥修正の過程などにおけるチャージアップの影響を避ける為に一定の導電性を有した膜とする必要がある。
本発明は、上述の問題点を解決するものであり、検査波長における吸収体層表面での反射率を低く抑えることにより、吸収体パターンの検査に必要となる十分な反射率コントラストを得ることができることから精度の高い検査を可能とし、更に、吸収体層表面平滑性が高く、異方性の高い良好なドライエッチ加工性を有し、且つ、吸収体層最表面がチャージアップ防止されたEUVフォトリソグラフィーにて使用される反射型フォトマスクブランク、反射型フォトマスク、及びそれを用いた半導体装置の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1においては、基板上に順次形成された、露光光を反射する多層反射膜及び露光光を吸収する吸収体層を備え、前記吸収体層が、タンタル(Ta)とシリコン(Si)の他、酸素(O)、乃至は酸素(O)と窒素(N)とを含む材料からなる上層膜と、タンタル(Ta)とシリコン(Si)とを含む材料からなる下層膜から構成される積層構造とした反射型フォトマスクブランクにおいて、前記上層膜の検査波長における消衰係数が1より小さく、前記上層膜のシート抵抗が50MΩ/□より小さいことを特徴とする反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項2においては、前記上層膜がTaとSiとOとを含む材料から構成される場合、TaとSiとOの組成が、Taが30〜40at%(%原子数)、且つTaとOの組成比(Ta:O)が1:1〜1:2の範囲であり、前記上層膜がTaとSiとOとNを含む材料から構成される場合、Taが20〜40at%、且つTaとOの組成比(Ta:O)が3:2〜9:1、及びTaとNの組成比(Ta:N)が1:2〜3:2であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項3においては、前記上層膜がTaとSiとOとを含む材料にて構成され、Taと
SiとOの組成が、Taが40〜90at%、且つTaとOの組成比(Ta:O)が3:5〜5:1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項4においては、前記下層膜を構成するTaとSiのうち、Siの組成比が6〜15at%であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項5においては、前記上層膜が前記下層膜と同一且つ、単一のターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製されたTa比率の高い薄膜からなることを特徴とする請求項1又は3に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項6においては、前記上層膜を前記下層膜と同一且つ、単一のターゲットを用いたスパッタリング成膜によりTa比率の高い膜にて作製する場合、前記上層膜はタンタル(Ta)とシリコン(Si)の他、酸素(O)とを含む材料からなり、TaとSiとOの組成において、Ta原子数が45〜55%、Si原子数が2〜3%、O原子数が40〜50%の範囲であることを特徴とする請求項3〜5いずれか1項に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項7においては、反射型フォトマスクブランクにおける前記上層膜、及び前記下層膜が共にTaとSiの比(Ta/Si)において4.5〜5.0のTaとSiからなる化合物ターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製されたことを特徴とする請求項5または6に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項8においては、前記上層膜がSi比率の高い薄膜からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項9においては、前記上層膜をSi比率の高い膜にて作製する場合、タンタル(Ta)とシリコン(Si)の他、酸素(O)とを含む材料からなり、TaとSiとOの組成において、Ta原子数が45〜55%、Si原子数が2〜3%、O原子数が40〜50%の範囲であること、ないしは、タンタル(Ta)とシリコン(Si)の他、酸素(O)と窒素(N)を含む材料からなり、Ta、Si、O、Nの組成において、Ta原子数が32〜36%、Si原子数が38〜42%、O原子数が3〜7%、N原子数が19〜23%の範囲であることを特徴とする請求項2〜8いずれか1項に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項10においては、反射型フォトマスクブランクにおける前記上層膜をSi比率の高い膜にて作製する場合、前記下層膜が、請求項7に係る化合物ターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製される他、前記上層膜がTaとSiの比(Ta:Si)において1:3〜1:5のTaとSiからなる化合物ターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製されたことを特徴とする請求項8または9に記載の反射型フォトマスクブランクとしたものである。
請求項11においては、請求項1から10のいずれか1項に記載の反射型マスクブランクにおける吸収体層に、パターンが形成されたことを特徴とする反射型フォトマスクとしたものである。
請求項12においては、請求項11に記載の反射型フォトマスクに、極端紫外光を照射し、その反射光により半導体基板上に設けられた極端紫外光用レジスト層を露光し、パターンを転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法としたものである。
本発明の反射型フォトマスクブランク、及び反射型フォトマスクでは吸収体層の最上層が検査波長に対する最適な低反射の層にて形成され、且つ、低抵抗の層であることから、吸収体パターンの検査に必要となる十分な反射率コントラストが得られるため、精度の高い検査が可能となる他、EB描画でのチャージアップによるレジストパターニング精度の劣化を最適に防止する効果が得られる。更に、吸収体層を構成する材料の結晶状態が良好なアモルファスであることから吸収体層表面平滑性が高く、さらに吸収体層の加工において異方性の高い良好なドライエッチング特性が得られる。
また、吸収体上層膜をTa比率が比較的大きい膜にて形成した場合、上層膜と下層膜とを同一ターゲットを用いたスパッタリングにて作製することが好ましい。この場合、同一ターゲットを用いることから成膜プロセスの簡略化が図れる。また、上層膜成膜でも下層膜に必要なTa比率の比較的高いターゲットを用いることから、EUV光に対する吸収が上がる分、膜厚の薄膜化が可能となり、EUV光での露光特性向上に有効である。また、この場合のDUV検査については、257nmの波長における低反射特性を利用して行うことが出来る。一方、吸収体上層膜をSi比率が比較的大きい膜にて形成することも可能である。この場合には、先に述べた上層膜をTa比率が比較的大きい膜にて形成する場合に比べ膜厚がやや厚くなるが、257nm波長の他、199nm波長においても低反射となるような膜を形成することができ、2波長でのDUV検査が可能となる膜を形成できる。
以下に、本発明の反射型フォトマスクブランク、及び反射型フォトマスク、並びに半導体装置の製造方法に関する発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の反射型フォトマスクブランクの一実施形態の例を断面で示す説明図を、また図2は反射型フォトマスクの一実施形態の例を断面で示す説明図をそれぞれ示したものである。
図1に示す本発明の反射型フォトマスクブランク10は、基板1上に多層反射膜2、バッファー層3、及び吸収体層4を順次積層した構造をしているが、このうち吸収体層4を、バッファー層3上の下層吸収体層41とその上の低反射層42という2層膜から構成される積層構造としている。さらに、本発明の反射型フォトマスクブランク10における吸収体層4の材料としては、2層膜の吸収体層4を構成する41と42のうち、まず下層吸収体層41については、TaとSiを含む材料で構成され、そのうちSiの組成比が少なくとも6at%であるような材料を選択するのが好ましい。
TaはEUV光などの短波長域の光に対する吸収性の高い材料であり好ましい。しかしTa単体の金属膜の場合、α−Taやβ−Taといった結晶状態の膜となることが多く、平滑性の高い吸収体表面を得るため、あるいはドライエッチングによる吸収体層の異方性エッチングを行うためには望ましくない。吸収体層表面を平滑とするため、また良好な異方性エッチング形状を得るためには、膜の結晶状態としてはアモルファスの方が良い。例えば、Taの場合にはSiを適量含んだ合金とすることでアモルファス化が行える。あるいはTaにGeなどを加えた場合でも同様の効果により、アモルファス膜が得られるため好ましい。図3は、TaとSiからなる合金膜に関するX線回折の測定結果である。図中301は、Taが100at%のときのX線回折の測定結果、302は、Taが96.5at%、Siが3.5at%のときのX線回折の測定結果、及び303は、Taが94.1at%、Siが5.9at%のときのX線回折の測定結果を表す図である。また、ピークCは、β―Taの(002)面、ピークDは、Si(400)面、ピークEは、β―Taの(004)面の存在をそれぞれ表す。Siを加えることによりTa単体膜にみられた結晶性が失われ、Si含有率が5.9at%程度の合金の状態からアモルファス化がみられる。従ってまず、2層膜の吸収体層4のうち下層吸収体層41を構成する膜の材料としては、Taを主成分とし、少なくともSiを6at%程度含有した膜とするのが良い。また、微細加工性の点から下層吸収体層の膜厚を1000Åと見積もると、Si含有率の上限は15at%となる。
しかしながら、吸収体層を上記のTa及びSiによる合金のみで構成するとEUVの短波長域の光に対する吸収体層表面の反射率は低下するものの、EUV光より1桁以上波長の長いDUV(遠紫外)光に対しては、吸収体層の表面反射率が比較的高くなってしまう。EUV露光用反射型マスクの検査には、波長190〜260nm程度のDUV域の光をマスクに照射して得られる反射光のコントラストを測定することにより行われるので、バッファー層3表面や多層反射膜2表面より表面反射率の低い膜とすることが吸収体層に求められる。このため、吸収体層表面での検査波長における反射率がバッファー層表面や多層反射膜表面よりも低く、その差が大きい膜であるほど検査光に対する高いコントラストが得られ、正確な検査が可能となるため望ましい。
一般に、この検査波長コントラストが50%より大きいことが求められるが、このコントラスト値r[%]は
r={|Rm−Ra|/(Rm+Ra)}×100[%]
にて与えられる。ここで、Rmは多層反射膜表面あるいはバッファー層表面における反射率であり、Raは吸収体層表面での反射率である。吸収体層に形成されるパターンの検査は背景技術で述べたようにバッファー層表面と多層反射膜表面の各々に対する吸収体層表面の反射率コントラストをそれぞれ検出することにより行なわれる。このうち表面反射率は、多層反射膜表面よりバッファー層表面の方が小さくなるのが通常であるので、多層反射膜表面との間で反射率の差、つまりコントラストを確保することに比べると、バッファー層表面との間でコントラストを得ることの方がやや難しいことになる。一般的にバッファーの材料としてあげられているSiO2やRuなどの場合、検査波長域の反射率はその膜厚にもよるが、40〜50%程度であることが多い。従って、前述したコントラストを表す式から、50%強となるコントラストを得るために吸収体層に必要な反射率の範囲を求めると吸収体層反射率は13%より小さいことが求められる。好ましくは10%以下が良い。
そこで本発明の反射型フォトマスクブランク10、あるいは反射型フォトマスク20においては、吸収体層4の表面反射率を下げるために先に述べた41(フォトマスクブランクの場合)あるいは41a(フォトマスクの場合)の下層吸収体層上に低反射層42、あるいは42aを設けた構造としている。このとき、低反射吸収体層42、あるいは42aを構成する材料としてはTaとSiの他、酸素(O)、もしくはOとN(窒素)を含む材料とするのがよい。吸収体層最表面における膜の組成を金属の酸化物あるいは酸窒化物とすることにより、金属膜単体の場合より表面反射率は低下する。また同時に、吸収体層最表面を反応性の膜にすることによって微結晶化ないしはアモルファス化が進むので、重ねて表面平滑化の効果が得られる点でも好ましい。但し、このように吸収体層最表面を酸化物・酸窒化物といった反応性膜とする場合には、その反応性や、膜中におけるSi比率の程度によって導電性の低下に伴うチャージアップを生じることがある為、検討を要する。
そこで、吸収体層最表面における上層の低反射層42を、良好な光学特性を有し、且つ、チャージアップを生じない膜とするため、その材料の検討を行なった。吸収体上層の低反射層42においても、EUV光に対する吸収性を持ち合わせた膜とすることによって吸収体層4自体の膜厚が低減できるため、下層吸収体層である41と同じく、EUV光に対して吸収の大きいTaを含む材料にて吸収体上層の低反射層42を形成することが望ましい。
このため本発明の反射型フォトマスクブランクは、吸収体上層42にまず求められる光学特性から、十分な低反射の効果を得るためには、その消衰係数が1より小さい材料で、また、吸収体層最表面におけるチャージアップを防止する目的から、そのシート抵抗が50MΩ/□以下である反射型フォトマスクブランクとしている。低反射の効果は、吸収体上層42の表面反射における光、及びこれを透過し、下層吸収体層41の表面で反射して戻って戻ってきた光の2光束干渉を利用しているので、吸収体上層42はその光、すなわち検査波長に対して透明性を有したものでなければならない。この為、吸収体上層42の材料には検査波長における消衰係数が1より小さい事が必要であり、より望ましくは0.6程度以下であることが好ましい。また、50MΩ/□のシート抵抗値はEB描画などでチャージアップ防止に用いられる導電膜と同等である。
吸収体層の上層膜42をTa比率が比較的小さい膜、すなわちTa比率がおよそ50%以下にて形成する場合、この場合には上層膜42をTaとSiとOからなる酸化膜で形成することも可能であり、TaとSiとOとNからなる酸窒化膜で形成することも可能である。図4はTaSi系材料に関して各種ガス条件でスパッタにより形成した膜の消衰係数とシート抵抗の関係を調べたもので、図4(a)は酸化膜(TaSiO)、図4(b)は酸窒化膜(TaSiON)の特性を示したものである。スパッタは、TaとSiの2元にて各ターゲットに印加するDCパワーを調整することにより行ない、TaSiOではAr/O2、TaSiONではAr/O2/N2の雰囲気にて行った。図4にみられるように、1より小さい消衰係数と50MΩ/□より小さいシート抵抗を有する膜がTaSiOとTaSiONのいずれの組成においても得られる。
図4にみられる膜のうち、消衰係数とシート抵抗に関して所望の範囲を満足する膜の組成分析を行なった結果、TaSiOではTaが30〜40at%、且つTaとOの組成比(Ta:O)が1:1〜1:2の範囲であった。TaSiONではTaが20〜40at%、且つTaとOの組成比(Ta:O)が3:2〜9:1、及びTaとNの組成比(Ta:N)が1:2〜3:2であった。尚、好ましくは、Taは35〜40at%である。これは、Ta比率を高くする方が高吸収特性を示すため、薄膜化が可能になり、微細加工性に有利となるからである。
上層吸収膜42をTaとSiの比が1:4である化合物ターゲットを用いたスパッタリング成膜によって作製したTaSiON膜の組成を調べたところ、Ta原子数が32〜36%、Si原子数が38〜42%、O原子数が3〜7%、N原子数が19〜23%の範囲であった。尚、上記組成範囲の薄膜は、TaとSiの比(Ta:Si)において1:3〜1:5の化合物ターゲットを使用する事により得られる。
次に、吸収体層の上層膜42をTa比率が比較的高い膜、すなわち、およそTa比率が50%以上で形成する場合であるが、この場合にはTaSiOの組成で消衰係数とシート抵抗に関する所望の範囲を満足することが可能である。図5はTaSi系材料に関して各種ガス条件でスパッタにより形成した膜の消衰係数とシート抵抗の関係を調べたもので、図5(a)は酸化膜(TaSiO)、図5(b)は酸窒化膜(TaSiON)の特性を示したものである。スパッタは、TaSi4とTaの2元にて、Ta比率が高くなるように各ターゲットに印加するDCパワーを調整することで行なった。スパッタは、TaSi4とTaの2元にて各ターゲットに印加するDCパワーを調整することにより行ない、TaSiOではAr/O2、TaSiONではAr/O2/N2の雰囲気にて行った。
下層吸収体層41と同じターゲットと印加パワーにより、Ta比率が高い膜で吸収体層の上層膜42を形成する場合、図5(a)に示すようにTaSiOの場合には、消衰係数
とシート抵抗に関する所望の範囲を満たす膜が形成可能である。しかし、図5(b)に示すようにTaSiONでは消衰係数とシート抵抗の所望の範囲を満たす膜を得ることは難しい。これは窒化が主体の膜では、膜中のTa比率の増大に伴い、消衰係数の大きいTaNの影響により、酸素(O)による透明性の確保が難しいことによる。この為、図5(b)にみられるように、膜が窒化ベースの場合、雰囲気の酸素ガス流量を高めた場合でも、消衰係数の低下は小さく、シート抵抗の増大が問題となり、所望の消衰係数とシート抵抗の範囲を満たす膜を得ることは困難である。
図5(a)にみられる膜のうち、消衰係数とシート抵抗に関して所望の範囲を満足する膜の組成分析を行なった結果、Taが45〜55at%、Siが2〜3at%、Oが40〜50at%の範囲であった。このようにTa比率を高くする方が高吸収特性を示すため、薄膜化が可能になり、微細加工性に有利である。また、下層吸収体層41と同様のターゲットを用いて上層吸収体42の形成ができれば、吸収体層4のスパッタによる成膜において使用するターゲットを換えずに雰囲気の変更のみで行えることから成膜工程を簡略化できるため有効である。尚、ここではTa/Si比率が4.6のターゲットを使ったが、4.5〜5.0の比率のターゲットを使用すれば、上記組成範囲に該当する所望の薄膜が得られる。
従って、下層吸収体層41と同様のターゲットを用いたTa比率の高い膜にて上層吸収体42を形成する場合には、TaSiOの組成で形成することが可能であり、この場合、TaとSiとOの組成が、Taが40〜90at%、且つTaとOの組成比(Ta:O)が3:5〜5:1の範囲であることがわかった。下層吸収体層41と同様のターゲットを用いて上層吸収体42の形成ができれば、吸収体層4のスパッタによる成膜において使用するターゲットを換えずに雰囲気の変更のみで行えることから成膜工程を簡略化できるため有効である。
上層吸収体42をTa比率の小さい膜とするか、大きい膜とするか、あるいは、酸化膜で形成するか、酸窒化膜で形成するかということは、吸収体層4のドライエッチ加工特性から適宜選択を行なう。例えば、上層吸収体42をTa比率の小さい酸化膜とする場合には、フッ素系ガスによりまず上層吸収体42をパターニングした後、続けてこのパターンをハードマスクに塩素系ガスを用いた下層吸収体層41のエッチングを行うことできる。この場合、吸収体層4のドライエッチプロセスにおけるレジスト耐性としては上層吸収体42のフッ素系ガスによるエッチング工程のみを考慮すれば良いため有効である。更に、Ta比率の小さい酸窒化膜、Ta比率の大きい酸化膜ないし酸窒化膜の場合には、塩素系ガスによるドライエッチが可能であるため、レジストをマスクに上層吸収体42と下層吸収体層41を連続して塩素系ガスによるエッチングを行うことができる。一般にレジストのエッチング量は、塩素系ガスを用いることによって、フッ素系ガスを用いた場合に比べ小さくなるためレジスト耐性を確保する点で有効である。
本発明によるフォトマスクを用いたパターン転写方法を含む半導体装置の製造方法は、例えば、先ず被加工層を表面に形成した基板上にフォトレジスト層を設けたのち、本発明によるフォトマスクを介して反射した極端紫外線を選択的に照射する。
次いで、現像工程において不必要な部分のフォトレジスト層を除去し、基板上にエッチングレジスト層のパターンを形成させた後、このエッチングレジスト層のパターンをマスクとして被加工層をエッチング処理し、次いでエッチングレジスト層のパターンを除去することにより、フォトマスクパターンに忠実なパターンを基板上に転写する。このようにして半導体装置を製造する方法である。
また、上層吸収体層の表面粗さは、1nmRMS以下が好ましい。これは、1nmRM
S以上だと、LER(Line Edge Roughness)の転写特性に与える影響が大きくなりすぎるためである。
以下、吸収体上層膜を下層吸収膜とは別のターゲットを用いたスパッタリング成膜によって、吸収体上層膜をTa比率が比較的小さい膜にて形成した場合の実施例により本発明の反射型フォトマスクブランク10、ないし反射型フォトマスク20を詳細に説明する。
まず、図1に示すように基板1の上に多層反射膜2、バッファー層3、下層吸収体41、及び低反射層42を順次形成し、本発明の反射型フォトマスクブランク10を作製した。基板1としては、表面を研磨して平坦な面とした外形6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英を用いた。この基板1の上にDCマグネトロンスパッタによりMoとSiを交互に40周期程度積層して波長13〜14nm領域のEUV光に対して反射率が最大となるような多層反射膜2を作製した。このときのMoとSiからなる1周期の膜厚は7nmであり、そのうちMoの膜厚は2.8nm、Siは4.2nmであり、多層反射膜2の最上層がSiになるように最後にSiを7nm成膜した。次に、この多層反射膜2の上にRuからなるバッファー層3を膜40nmで成膜し、さらにその上に続けて41と42からなる吸収体層4を成膜した。
吸収体層4のうち、まず下層吸収体層41のDCマグネトロンスパッタによる成膜条件は次の通りである。すなわち、TaとSiの比が4.6:1であるTaSi合金ターゲットとTaターゲットを用い、300WのDCパワーを印加したArガス雰囲気でのスパッタにより、ガス圧0.25Paにて膜厚75nmの成膜を行った。このとき、成膜後における下層吸収体層41の表面粗さは0.14nmRmsであり、良好な表面平滑性を有していた。また、Si組成比は10at%であった。
さらに、この下層吸収体層41を形成した後、続けて行った上層吸収体層42の成膜条件は次の通りである。すなわち、TaとSiの比率が1:4であるTaSi4合金ターゲットを用い、300WのDCパワーを印加したAr/O2=34/6[sccm]の混合ガス雰囲気中のスパッタにより、ガス圧0.25Paにて膜厚27nmの成膜を行った。このとき、成膜後における上層吸収体層42の表面粗さは0.42nmRmsであり、良好な表面平滑性を有していた。また、作成したTaSi系酸化膜の組成比は、Taが33at%、O2が36at%であった。
また、このようにして下層吸収体層41の上に上層吸収体層42を積層して形成した吸収体層4の最表面における分光反射率の測定結果を図6に示す。波長193nmでは2.55%、257nmでは1.51%であり、検査用のDUV光波長域における十分な低反射率特性が得られた。
次に、上層吸収体層42の上にポジ型電子線レジスト(FEP−171;富士フィルムアーチ製)を塗布し、図7に示すように、レジスト層5を形成した。
その後、EB描画、現像というリソグラフィーの工程により図8に示すように、レジストのパターン5aを形成した。
更に、レジストパターン5aをマスクにして上層吸収体層42、下層吸収体層41の順にICP放電方式のドライエッチング装置を用いて実施することにより図9に示すような吸収体層4のパターン4aを形成した。このときのドライエッチングは、まず上層吸収体層42のエッチングをC26/O2/He=5/5/15[sccm]の混合ガスによるガス圧665mPaの雰囲気にて、バイアスパワー20W及びソースパワー100Wにて
行った。その後、下層吸収体層41のエッチングをCl2/He=40/60[sccm]の混合ガスによるガス圧665mPaの雰囲気にて、バイアスパワー40W及びソースパワー200Wにて行った。
ここで、吸収体層4が部分的に取り除かれて露出した領域のバッファー層3表面における257nmの検査波長反射率は52.40%であった。一般的な概算値より高い反射率が得られ、検査特性の向上に寄与した。一方、吸収領域の吸収体層4a表面での257nmにおける反射率は1.85%であった。その結果、バッファー層3表面反射光と吸収体層4表面反射光の間で93.2%の良好なコントラスト値が得られた。
更に引き続き、吸収体層4直下のRuバッファー層3のドライエッチングをCl2/O2混合ガス雰囲気にて行い、図10に示すように、良好な側壁異方性を有するバッファー層3及び吸収体層のパターンを得た。最後に、レジストを剥離して本発明の反射型フォトマスク20を得た。ここで、バッファー層3及び吸収体層4が取り除かれて露出した多層反射膜2表面における257nmの検査波長反射率は60%であった。一方、吸収体層4表面での257nmにおける反射率は反射型フォトマスクブランク10の状態よりむしろ若干低下して1.02%であったため結局、多層反射膜2表面反射光と吸収体層4表面反射光の間で96.7%の良好なコントラスト値が得られた。
以下、吸収体上層膜を下層吸収膜と同一のターゲットを用いたスパッタリング成膜によって、吸収体上層膜をTa比率が比較的大きい膜にて形成した場合の実施例により本発明の反射型フォトマスクブランク10、ないし反射型フォトマスク20を詳細に説明する。
まず、図1に示すように基板1の上に多層反射膜2、バッファー層3、下層吸収体41、及び低反射層42を順次形成し、本発明の反射型フォトマスクブランク10を作製した。基板1としては、表面を研磨して平坦な面とした外形6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英を用いた。この基板1の上にDCマグネトロンスパッタによりMoとSiを交互に40周期程度積層して波長13〜14nm領域のEUV光に対して反射率が最大となるような多層反射膜2を作製した。このときのMoとSiからなる1周期の膜厚は7nmであり、そのうちMoの膜厚は2.8nm、Siは4.2nmであり、多層反射膜2の最上層がSiになるように最後にSiを7nm成膜した。次に、この多層反射膜2の上にRuからなるバッファー層3を膜40nmで成膜し、さらにその上に続けて41と42からなる吸収体層4を成膜した。
吸収体層4のうち、まず下層吸収体層41のDCマグネトロンスパッタによる成膜条件は次の通りである。すなわち、TaとSiの比が4.6:1.0であるTaSi合金ターゲットを用い、300WのDCパワーを印加したArガス雰囲気下のスパッタにより、ガス圧0.25Paにて膜厚70nmの成膜を行った。このとき、成膜後における下層吸収体層41の表面粗さは0.14nmRmsであり、良好な表面平滑性を有していた。また、Si組成比は7.5at%であった。
さらに、この下層吸収体層41を形成した後、続けて行った上層吸収体層42の成膜条件は次の通りである。すなわちTaとSiの比が4.6:1.0であるTaSi合金ターゲットを用い、300WのDCパワーを印加したAr/O2=36/4[sccm]の混合ガス雰囲気中のスパッタにより、ガス圧0.25Paにて膜厚15nmの成膜を行った。
実施例1における下層吸収体層41、及び上層吸収体層42の膜厚はそれぞれ75nm、27nmであったが、本実施例においては下層吸収体層41を作製するときに使用するターゲットと同一のターゲットを用いたスパッタリングにより成膜した上層吸収体層42を採用している為、上層吸収体層42をEUV光に対してより吸収の大きいTaリッチの組成にすることができる。これにより、本実施例における下層吸収体層41、及び上層吸収体層42の膜厚はそれぞれ70nm、15nmと上下吸収体層41、42のいずれにおいてもその膜厚を低減することが出来ることから、EUV光による転写特性向上において更に効果的である。
また、このとき成膜後における上層吸収体層42の表面粗さは0.42nmRmsであり、良好な表面平滑性を有していた。また、作成したTaSi系酸化膜の組成比は、Taが46at%、Siが2.4at%、O2が44at%であった。
このようにして下層吸収体層41の上に上層吸収体層42を積層して形成した吸収体層4の最表面における分光反射率の測定結果を図11に示す。波長257nmでは5.67%であり、検査用のDUV光波長域における十分な低反射率特性が得られた。
次に、上層吸収体層42の上にポジ型電子線レジスト(FEP−171;富士フィルムアーチ製)を塗布し、図7に示すように、レジスト層5を形成した。
その後、EB描画、現像というリソグラフィーの工程により図8に示すように、レジストのパターン5aを形成した。
更に、レジストパターン5aをマスクにして上層吸収体層42、下層吸収体層41の順にICP放電方式のドライエッチング装置を用いて実施することにより図9に示すような吸収体層4のパターン4aを形成した。このときのドライエッチングは、まず上層吸収体層42のエッチングをC26/O2/He=5/5/15[sccm]の混合ガスによるガス圧665mPaの雰囲気にて、バイアスパワー20W及びソースパワー100Wにて行った。その後、下層吸収体層41のエッチングをCl2/He=40/60[sccm]の混合ガスによるガス圧665mPaの雰囲気にて、バイアスパワー40W及びソースパワー200Wにて行った。この後、レジストの剥離を行った。
ここで、吸収体層4が部分的に取り除かれて露出した領域のバッファー層3表面における257nmの検査波長反射率は52.40%であった。一般的な概算値より高い反射率が得られ、検査特性の向上に寄与した。一方、吸収領域の吸収体層4a表面での257nmにおける反射率は1.85%であった。その結果、バッファー層3表面反射光と吸収体層4表面反射光の間で93.2%の良好なコントラスト値が得られた。
更に引き続き、吸収体層4直下のRuバッファー層3のドライエッチングをCl2/O2混合ガス雰囲気にて行い、図10に示すように、良好な側壁異方性を有するバッファー層パターン3a及び吸収体層パターン4aを得た。このようにして本発明の反射型フォトマスク20を得た。ここで、バッファー層3及び吸収体層4が取り除かれて露出した多層反射膜2表面における257nmの検査波長反射率は60%であった。一方、吸収体層4表面での257nmにおける反射率は反射型フォトマスクブランク10の状態よりむしろ若干低下して1.02%であったため結局、多層反射膜2表面反射光と吸収体層4表面反射光の間で96.7%の良好なコントラスト値が得られた。
本発明の反射型フォトマスクブランクの一実施形態の例を断面で示す説明図である。 本発明の反射型フォトマスクの一実施形態の例を断面で示す説明図である。 本発明の反射型フォトマスクブランクに関わる吸収体層材料の結晶状態について調べたX線回折測定結果を示す説明図である。 吸収体上層膜を下層吸収膜とは別のターゲットを用いたスパッタリング成膜によって、吸収体上層膜をTa比率が比較的小さい膜にて形成した場合の消衰係数とシート抵抗の関係に関する説明図で、(a)はTaSi系酸化膜(TaSiO)に関する説明図、(b)はTaSi系酸窒化膜(TaSiON)に関する説明図である。 吸収体上層膜を下層吸収膜と同一のターゲットを用いたスパッタリング成膜によって、吸収体上層膜をTa比率が比較的大きい膜にて形成した場合の消衰係数とシート抵抗の関係に関する説明図で、(a)はTaSi系酸化膜(TaSiO)に関する説明図、(b)はTaSi系酸窒化膜(TaSiON)に関する説明図である。 吸収体上層膜を下層吸収膜とは別のターゲットを用いたスパッタリング成膜によって、吸収体上層膜がTa比率の比較的小さいTaSi系酸化膜からなる本発明の反射型フォトマスクブランクの実施例における吸収体層の分光反射率特性に関する説明図である。 本発明の反射型フォトマスクの製造工程の一例の部分を断面で表す概略図である。 本発明の反射型フォトマスクの製造工程の一例の部分を断面で表す概略図である。 本発明の反射型フォトマスクの製造工程の一例の部分を断面で表す概略図である。 本発明の反射型フォトマスクの製造工程の一例の部分を断面で表す概略図である。 吸収体上層膜を下層吸収膜と同一のターゲットを用いたスパッタリング成膜によって、Ta比率が比較的大きいTaSi系酸化膜にて形成した場合における本発明の反射型フォトマスクブランクの実施例における吸収体層の分光反射率特性に関する説明図である。
符号の説明
1・・・・基板
2・・・・多層反射膜
3・・・・バッファー層
4・・・・吸収体層
5・・・・レジスト
41・・・下層吸収体層
42・・・低反射層
10・・・反射型フォトマスクブランク
20・・・反射型フォトマスク
3a・・・バッファー層パターン
4a・・・・吸収体層パターン
41a・・下層吸収体層パターン
42a・・低反射層パターン
5a・・・レジストパターン

Claims (12)

  1. 基板上に順次形成された、露光光を反射する多層反射膜及び露光光を吸収する吸収体層を備え、
    前記吸収体層が、タンタル(Ta)とシリコン(Si)の他、酸素(O)、又は酸素(O)と窒素(N)とを含む材料からなる上層膜と、
    タンタル(Ta)とシリコン(Si)とを含む材料からなる下層膜から構成される積層構造とした反射型フォトマスクブランクにおいて、
    前記上層膜の検査波長における消衰係数が1より小さく、前記上層膜のシート抵抗が50MΩ/□より小さいことを特徴とする反射型フォトマスクブランク。
  2. 前記上層膜がTaとSiとOとを含む材料から構成される場合、TaとSiとOの組成が、Taが30〜40%原子数、且つTaとOの組成比(Ta:O)が1:1〜1:2の範囲であり、
    前記上層膜がTaとSiとOとNを含む材料から構成される場合、Taが20〜40%原子数、且つTaとOの組成比(Ta:O)が3:2〜9:1、及びTaとNの組成比(Ta:N)が1:2〜3:2であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
  3. 前記上層膜がTaとSiとOとを含む材料にて構成され、TaとSiとOの組成が、Taが40〜90%原子数、且つTaとOの組成比(Ta:O)が3:5〜5:1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
  4. 前記下層膜を構成するTaとSiのうち、Siの組成比が6〜15%原子数であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の反射型フォトマスクブランク。
  5. 前記上層膜が前記下層膜と同一且つ、単一のターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製されたTa比率の高い薄膜からなることを特徴とする請求項1又は3に記載の反射型フォトマスクブランク。
  6. 前記上層膜を前記下層膜と同一且つ、単一のターゲットを用いたスパッタリング成膜によりTa比率の高い膜にて作製する場合、
    前記上層膜はタンタル(Ta)とシリコン(Si)の他、酸素(O)とを含む材料からなり、TaとSiとOの組成において、Ta原子数が45〜55%、Si原子数が2〜3%、O原子数が40〜50%の範囲であることを特徴とする請求項3〜5いずれか1項に記載の反射型フォトマスクブランク。
  7. 反射型フォトマスクブランクにおける前記上層膜をTa比率の高い膜にて作製する場合、
    前記上層膜及び前記下層膜が共にTaとSiの比(Ta/Si)において4.5〜5.0のTaとSiからなる化合物ターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製されたことを特徴とする請求項5または6に記載の反射型フォトマスクブランク。
  8. 前記上層膜がSi比率の高い薄膜からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型フォトマスクブランク。
  9. 前記上層膜をSi比率の高い膜にて作製する場合、
    タンタル(Ta)とシリコン(Si)の他、酸素(O)と窒素(N)を含む材料からなり、Ta、Si、O、Nの組成において、Ta原子数が32〜36%、Si原子数が38〜42%、O原子数が3〜7%、N原子数が19〜23%の範囲であることを特徴とする請
    求項2〜8いずれか1項に記載の反射型フォトマスクブランク。
  10. 反射型フォトマスクブランクにおける前記上層膜をSi比率の高い膜にて作製する場合、
    前記下層膜が、請求項7に係る化合物ターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製される他、前記上層膜がTaとSiの比(Ta:Si)において1:3〜1:5のTaとSiからなる化合物ターゲットを用いたスパッタリング成膜にて作製されたことを特徴とする請求項8または9に記載の反射型フォトマスクブランク。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の反射型マスクブランクにおける吸収体層に、パターンが形成されたことを特徴とする反射型フォトマスク。
  12. 請求項11に記載の反射型フォトマスクに、極端紫外光を照射し、その反射光により半導体基板上に設けられた極端紫外光用レジスト層を露光し、パターンを転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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