JP2011093969A - 感圧式接着剤、感圧式接着剤用樹脂の製造方法及び感圧式接着フィルム - Google Patents

感圧式接着剤、感圧式接着剤用樹脂の製造方法及び感圧式接着フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、帯電防止機能を有し、リワーク性、透明性、耐湿熱性が良好な感圧式
接着剤、感圧式接着剤用樹脂の製造方法および感圧式接着フィルムの提供を目的とする。
【解決手段】末端に活性水素基を有する側鎖(I)を持つ共重合体(B)と、反応性化合
物(C)とを含む感圧式接着剤であって、前記側鎖(I)が、共重合体(A)の活性水素
基と、環状アミド化合物(D)との開環反応により形成してなることを特徴とする感圧式
接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止機能を有する感圧式接着剤、および感圧式接着フィルムに関する。
近年のエレクトロニクスの飛躍的な進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズ
マディスプレイ(PDP)、リアプロジェクションディスプレイ(RPJ)、ELディス
プレイ、発光ダイオ−ドディスプレイなどの様々なフラットパネルディスプレイ(FPD
)が、様々な分野で表示装置として使用されるようになってきた。例えば、これらFPD
は、パーソナルコンピューターのディスプレイや液晶テレビをはじめ屋内で使用されるば
かりでなく、カーナビゲーション用ディスプレイ等のように車両に搭載して使用される。
このような表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや
、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途
に応じて様々なフィルムが使用されており、例えば、LCDを構成する液晶セル用部材に
おいては、偏光フィルムや位相差フィルムが積層されている。
また、FPDは、表示装置として利用するだけではなく、その表面にタッチパネルの機
能を設けて、入力装置として利用されることもある。タッチパネルにも、保護フィルム、
反射防止フィルムやITO蒸着樹脂フィルムなどが使用されている。
このようなフィルムは、感圧式接着剤を介して被着体に貼着して表示装置に使用されて
いる。表示装置に用いられる感圧式接着剤は、まず透明性に優れることが要求されるので
、アクリル系樹脂を主剤とする感圧式接着剤が一般に使用されている。
ところで、前記した種々のフィルムのうち、偏光フィルムは、ポリエテノール系偏光子
の両面をトリアセチルセルロース系やシクロオレフィン系の保護フィルムで挟んだ3層構
造が一般的である。このため、偏光フィルムでは、各層を構成する材料の寸法変化特性が
異なるため、温度や湿度の変化に伴う寸法変化によるソリが生じやすい。
一方、例えばLCD製造工程での、液晶セル用のガラス面に偏光フィルムを貼り付けた
積層体の検品工程においては、積層時のエアーや粉塵の巻き込み等があるものについて、
偏光フィルム等を剥がして新しい偏光フィルム等が貼り直される。この貼り直しを「リワ
ーク」ともいう。
しかし、貼着後の積層体は、一般に、接着性向上のために高温下で一定時間保管した後
に検査されるので、その間に剥離強度が高くなって偏光フィルムを剥ぎ取り難くなるばか
りでなく、偏光フィルムの再剥離性が低下して剥がした後、ガラス面に糊残りや曇り等の
汚染が生じる場合があった。
また、高温下または高温高湿条件下では、偏光フィルム中のポリエテニルアルコールフ
ィルムは寸法変化が大きいため、例えば偏光フィルム/接着層/ガラスからなる積層体が
、高温下または高温高湿条件下に置かれ、偏光フィルムの寸法が変化すると、接着層とガ
ラスとの界面に気泡が生じたり(発泡現象)、偏光フィルムがガラスから浮き上がり、剥
がれたりする場合がある(浮き・剥がれ現象)。
そこで感圧式接着剤の分子量や感圧式接着剤の架橋度を調整し、接着力を高くすること
によって、偏光フィルムの寸法変化に抗して、過酷な環境下でも発泡、浮き、剥がれが生
じないようにする試みがなされた。
しかし、単に接着力を高くすることによって、偏光フィルムの寸法変化に抗しようとす
ると、高温下または高温高湿条件下で生じる偏光フィルムの寸法変化に起因する応力分布
が不均一となり、応力が偏光フィルムの四隅や周端部に集中してしまう。その結果、偏光
フィルムが用いられる表示装置において、表示装置の周端部から光が漏れる、いわゆる白
抜けが発生するという問題が生じた。
また、一般的に、感圧式接着フィルムは、接着層の保護を目的として、剥離ライナーが
接着層に貼り合わされており、使用に際しては、剥離ライナーを剥離して被着体に貼り付
けられる。しかし、剥離ライナーを剥離する際の静電気によりに感圧式接着剤シートが帯
電し、ほこりやゴミが付着し外観不良が発生する等が問題となっていた。さらに、例えば
LCD製造工程では、上記のようにリワークも行われる。
しかし、リワークする際に生じる静電気により液晶や電子回路にトラブルを起こす場合
がある。また、上記のように剥離ライナーを剥離する際に生じる静電気により、偏光フィ
ルムが帯電し液晶セル用のガラス面に貼り付ける場合にも、同様なトラブルが発生するこ
とが指摘されている。さらには、静電気の存在は、埃やクズを吸引してしまい、異物によ
る欠点を引き起こす問題も有しており、早期の解決が望まれていた。
これに対して様々な感圧式接着剤が提案されてきた。
例えば、積層される部材に対して帯電防止性能を付与するためには、樹脂には帯電防止
剤による処理が行われていることが多い。帯電防止剤の利用され方によって、表面処理と
内部処理に大きく大別される。
表面処理とは、樹脂成形品の表面に対して、塗布・浸漬・吹きつけなどの手法を用いて
帯電防止剤を処理するものである。水溶性界面活性剤等がその代表であるが、時間がたつ
とともにその帯電防止能が低下するといった欠点を持つ。
内部処理とは、樹脂成形時に高分子中に帯電防止剤を添加する手法である。この手法に
おける代表的な帯電防止剤としては、導電性微粒子や界面活性剤があげられる。
導電性微粒子としては、金属粉、ITOやATOといった金属酸化物微粒子さらにはカ
ーボン等が例示されている(特許文献1〜3)が、これらの材料を用いて帯電防止能を付
与するには、かなりの量を添加する必要があり、更にはそれらを均一に分散させる高度な
技術が必要になる。また、その添加量の多さゆえ、本来の物性に大きな影響を与え、透明
性も失われてしまう。
界面活性剤としては、アニオン系・カチオン系・ノニオン系などのものがあり、安価な
ため様々な用途で利用されている(特許文献4)。しかし、それらが接着層表面からブリ
ードを起こし、他を汚染するといった問題も抱えている。加えて、アニオン系では、樹脂
に対しての相溶性に欠け、均一分散が困難であり耐熱性も低い、カチオン系では、帯電防
止性は問題ないが、熱的安定性が低い、ノニオン系では、高分子への相溶性が低いなど問
題があった。
このように、これら界面活性剤を含有した感圧式接着剤は、湿度の影響を大きく受けや
すく、高湿度以下においては、水分の影響で凝集力が低下し、被着体に接着層が残りやす
い(いわゆる「糊残り」し易い)。さらに、これら界面活性剤や導電性微粒子を有する感
圧式接着剤は、相溶性が良好ではないため、塗膜の透明性を損なったり、着色が見られた
。また界面活性剤や導電性微粒子が被着体界面への移行(いわゆる「ブリード」ともいう
)が起こり接着力等の感圧式接着剤本来の性能を低下させる問題もあった。
また、その他にも、それぞれエレクトロニクス用テープ用途、保護フィルム用途、偏光
板固定用途において使用される、プロペン酸系樹脂に帯電防止剤としてアルカリ金属塩を
含有する帯電防止性感圧式接着剤が開示されている(特許文献5、6)。しかし、電気製
品や電子部品に使用される材料に、金属イオン含有する帯電防止性感圧式接着剤を用いる
ことは、金属イオンのブリードに伴う汚染の懸念があり、さらには接着剤フィルムとして
の耐湿熱性が低下する。
また、プロペン酸系樹脂と架橋剤とを含有するプロペン酸系感圧式接着剤にポリエーテ
ルポリオール(特許文献7)やポリカプロラクトンポリオール(特許文献8)を配合して
なる感圧式接着剤が知られている。
しかし、特許文献7、8に記載される感圧式接着剤を用いた感圧式接着フィルムは、被
着体に貼着後、高温下または高温高湿条件下に長期間曝されると、含有しているポリオー
ルが高水酸基価のために吸湿しやすく、光学フィルムの周辺端部に極めて小さい気泡がス
ジ状に連なった状態で発生してしまう。スジ状に連なった極めて小さい気泡が一種のヒビ
のように見えることから、この現象は「クラック」と呼ばれる。
また、電子顕微鏡でなければ確認できない10μm以下の気泡が、中央部に1m2あた
り10個程度発生してしまう。
さらに、20インチ以上の表示装置では、見やすさの観点から光源の輝度を高く設定し
なければならない。特許文献7に記載される感圧式接着剤を用いてなる感圧式接着光学フ
ィルムは、20インチ未満の表示装置では白抜けは問題視されなかった。しかし、20イ
ンチ以上で使用される高輝度の光源を用いた表示装置では白抜けが目立ってしまうという
問題も生じた。
一方、帯電防止性能の向上のため、アルケンオキサイドの付加したプロペン酸系単量体
を共重合した感圧式接着剤が知られている(特許文献9、10)。
しかし、特許文献9、10に記載される感圧式接着剤を製造する際に、使用される開始
剤から発生するラジカルにより、エーテル結合が分解するなど、重合が安定に行われない
ため、安定した共重合体を作成するためには、極めて少ない導入量でのみ可能である。従
って、一般的な感圧式接着剤を提供する際には帯電防止機能の補助効果を示すものの、特
許文献9、10に記載される感圧式接着剤を用いた感圧式接着光学フィルムは、被着体に
貼着後、高温下または高温高湿条件下、低温から高温までのヒートサイクル等に長期間曝
されると、やはり、また重合中、分解で生じたオキシ酸系オリゴマーが、ポリエーテルポ
リオール(特許文献7)を配合した場合と同様、光学フィルムの周辺端部に極めて小さい
気泡がスジ状に連なった状態で発生してしまう。
更に、アルケンオキサイドの付加したプロペン酸系単量体を共重合しただけでは、帯電
防止効果を得ることは出来ない。
このような状況に鑑み、永久帯電防止効果の存在による感圧式接着剤物性及び光学特性
等の低下が抑制され、フィルムラベル用途から電気、光学用途に至るまで使用可能な、汎
用性の高い帯電防止感圧式接着剤が望まれていた。
さらには、帯電防止能のみならず、透明性や樹脂、溶剤への溶解性(相溶性)、並びに
耐湿熱性を併せ持つ感圧式接着剤が望まれていた。
特開平01−221481号公報 特開平05−070760号公報 特開2005−330409号公報 特開平04−007350号公報 特表平10−511726号公報 特開2006−199873号公報 特開平06−128539号公報 特開2002−053835号公報 特開平11−185524号公報 特開平12−008013号公報
本発明は、帯電防止機能を有し、さらに良好なリワーク性、透明性、耐湿熱性を有する
感圧式接着フィルムに用いる感圧式接着剤の提供を目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に達した。
即ち、第1の発明は、末端に活性水素基を有する側鎖(I)を持つ共重合体(B)と、
反応性化合物(C)とを含む感圧式接着剤であって、
前記側鎖(I)が、共重合体(A)の活性水素基と、環状アミド化合物(D)との開環反
応により形成してなることを特徴とする感圧式接着剤に関する。
また、第2の発明は、共重合体(A)が、活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−
1)を含む単量体の共重合体であることを特徴とする上記発明の感圧式接着剤に関する。
また、第3の発明は、環状アミド化合物(D)が、炭素数3〜18の複素環を有する化
合物であることを特徴とする上記いずれかの発明の感圧式接着剤に関する。
また、第4の発明は、環状アミド化合物(D)が、ラクタム(d)であることを特徴と
する上記いずれかの発明の感圧式接着剤に関する。
また、第5の発明は、活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1)の活性水素基が
、少なくともカルボキシル基またはアミノ基あることを特徴とする上記第2〜4の発明の
感圧式接着剤に関する。
また、第6の発明は、共重合体(B)が、アミン価0.1〜50mgKOH/gを有す
ることを特徴とする上記いずれかの発明の感圧式接着剤に関する。
また、第7の発明は、共重合体(B)が、酸価0.1〜50mgKOH/gを有するこ
とを特徴とする上記第1〜6の発明の感圧式接着剤に関する。
また、第8の発明は、共重合体(B)が、側鎖(I)末端の活性水素基と封止化合物(
E)を反応させてなる側鎖(II)を有することを特徴とする上記第6の発明の感圧式接着
剤に関する
また、第9の発明は、共重合体(B)が、側鎖(I)末端の活性水素基と封止化合物
(E)を反応させてなる側鎖(II)を有することを特徴とする上記第7の発明の感圧式接
着剤に関する。
また、第10の発明は、封止化合物(E)が、酸無水物基含有化合物(e−1)、グリ
シジル基含有化合物(e−2)、イソシアネート基含有化合物(e−3)及びアミノ基含
有化合物(e−4)からなる群より選択される1種以上の化合物であることを特徴とする
上記第8の発明の感圧式接着剤に関する。
また、第11の発明は、封止化合物(E)が、酸無水物基含有化合物(e−1)、グリ
シジル基含有化合物(e−2)、イソシアネート基含有化合物(e−3)及びアミノ基含
有化合物(e−4)あることを特徴とする上記第9の発明の感圧式接着剤に関する。
また、第12の発明は、活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1)と、α,β−
不飽和単量体(a−2)とを共重合して、共重合体(A)を得る工程、および、
前記共重合体(A)中の活性水素基と環状アミド化合物(D)とを反応させ、側鎖(I)
を生成して、共重合体(B)を得る工程を含むことを特徴とする、感圧式接着剤用樹脂の
製造方法に関する。
また、第13の発明は、側鎖(I)の末端と、封止化合物(E)とを反応させ、側鎖(I
I)を生成して、共重合体(B−2)を得る工程を含むことを特徴とする、上記第12の
発明の感圧式接着剤用樹脂の製造方法に関する。
また、第14の発明は、上記第12または13の発明により得られる感圧式接着剤用樹
脂と、反応性化合物(C)とを含むことを特徴とする感圧式接着剤に関する。
また、第15の発明は、基材(F)上に、上記第1〜11または14いずれかの発明の
感圧式接着剤からなる接着層を形成してなる感圧式接着フィルムに関する。
また、第16の発明は、光学部材上に、上記第1〜11または14いずれかの発明の感
圧式接着剤からなる接着層を形成してなる積層体に関する。
また、第17の発明は、光学部材と、上記第1〜11または14いずれかの発明の感圧
式接着剤からなる接着層とガラスとが順次積層してなる積層体に関する。
本発明の感圧式接着剤は、帯電防止機能に優れ、さらにリワーク性、透明性、耐湿熱性
が良好である。そのため上記特性を備えた感圧式接着剤、および感圧式接着フィルムの提
供ができるようになった。
本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に以下に述べる。
本発明の感圧式接着剤は、帯電防止剤を使用せずに永久帯電防止性能を発揮する。その
ため、従来よりも過酷な条件下における耐熱性及び耐湿熱性をも向上することができ、例
えば光学部材用として好ましく使用することができる。
本発明の感圧式接着剤は、末端に活性水素基を有する側鎖(I)を持つ共重合体(B)
と、反応性化合物(C)とを含み、前記側鎖(I)が、共重合体(A)の活性水素基と、
環状アミド化合物(D)との開環反応により形成してなるものである。
上記構造を持つ感圧式接着剤は、共重合体(B)の側鎖(I)に多数のアミド結合が存
在するため、
アミド結合に由来する多数のローンペアが共重合体にペンダントされたような状態を呈し
ている。従って、例えばLCDの製造工程において該感圧式接着剤を偏光板の貼り合せに
用いた場合、液晶セルのガラス界面近傍に側鎖(I)のローンペアが配向するため、ロー
ンペア間の距離が短くなり、導電パスが形成される。この導電パス上で、空気中の水分や
共重合体(B)合成時に使用した触媒によりイオン解離が起こり、解離したイオンが導電
パスを移動することでイオン伝導が発現しやすくなり、その結果、該感圧式粘着剤に帯電
防止機能を付与できると推測している。
本発明に用いられる共重合体(A)は、活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1
)[以下、単に単量体(a−1)ともいう]と、単量体(a−1)以外のα,β−不飽和単
量体(a−2)[以下、単に単量体(a−2)ともいう]との共重合体である。そして共重
合体(A)の活性水素基と環状アミド化合物(D)がと反応し、共重合体(B)が得られ
る。
活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1)の活性水素基は、水酸基、カルボキシ
ル基、スルホニル基、ホスホニル基、アミノ基、アミド基、マレイミド基などが好ましく
、その中でもアミノ基とカルボキシル基の少なくともいずれか一方を含有することが好ま
しい。単量体(a−1)として、プロペン酸、2−メチルプロペン酸、プロペン酸誘導体
、2−メチルプロペン酸誘導体、及び他のアルケニル基含有化合物等のうち、活性水素基
を有する化合物を挙げることができる。
共重合体(A)の共重合に用いる単量体100重量%中、活性水素基含有α,β−不飽
和単量体(a−1)を0.01〜20重量%含むことが好ましい。上記数値範囲外でも使
用できるが帯電防止性、透明性、耐湿熱性といった本発明の課題の解決が困難になる恐れ
がある。
共重合体(A)は、バランスの良い接着特性(特に、タックと凝集力の両立)が得られ
るように、そのガラス転移点(Tg)は−80〜10℃であることが好ましく、−60〜
0℃がより好ましい。ガラス転移点が−80℃より低い場合、感圧式接着テープとして用
いたときに接着層の凝集力が低下し、浮き剥がれが生じやすくなる。一方、ガラス転移点
が10℃を超えると、十分なタックを有する接着層を得ること難しい。なお共重合体(A
)の構成成分である各単量体から形成され得るホモポリマーのTgが既知であれば、各ホ
モポリマーのTgと各単量体の構成比とに基づいて、共重合体(A)のTgを理論的に求
めることができる。
また共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、50,000〜2,000,000
であることが好ましく、200,000〜1,500,000がより好ましい。Mwが2
,000,000を越えると共重合体(A)の流動性が低下し、感圧式接着剤の塗工性が
悪化する恐れがある。一方、Mwが50,000未満の場合は、接着層の凝集力が不足す
る恐れがある。
単量体(a−1)または単量体(a−2)のうち、プロペン酸誘導体あるいは2-メチ
ルプロペン酸誘導体としては、
例えば、(2−メチル)プロペン酸メチル〔プロペン酸メチルと2−メチルプロペン酸
メチルとを併せて「(2−メチル)プロペン酸メチル」と表記する。以下同様。〕、(2
−メチル)プロペン酸エチル、(2−メチル)プロペン酸1−プロピル、(2−メチル)
プロペン酸2−プロピル、(2−メチル)プロペン酸n−ブチル、(2−メチル)プロペ
ン酸sec−ブチル、(2−メチル)プロペン酸iso−ブチル、(2−メチル)プロペ
ン酸tert−ブチル、(2−メチル)プロペン酸n−アミル、(2−メチル)プロペン
酸iso−アミル、(2−メチル)プロペン酸n−ヘキシル、(2−メチル)プロペン酸
2−エチルヘキシル、(2−メチル)プロペン酸n−オクチル、(2−メチル)プロペン
酸iso−オクチル、(2−メチル)プロペン酸n−ノニル、(2−メチル)プロペン酸
iso−ノニル、(2−メチル)プロペン酸デシル、(2−メチル)プロペン酸ドデシル
、(2−メチル)プロペン酸オクタデシル、(2−メチル)プロペン酸ラウリル、(2−
メチル)プロペン酸ステアリルなどの(2−メチル)プロペン酸アルキルエステル類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸シクロヘキシル、(2−メチル)プロペン酸ベンジ
ル、(2−メチル)プロペン酸iso−ボニル、(2−メチル)プロペン酸フェニル、(
2−メチル)プロペン酸2−フェノキシエチル、(2−メチル)プロペン酸2-オキソ-1
,2-フェニルエチル、(2−メチル)プロペン酸2-オキソ-1,2-ジフェニルエチルな
どの(2−メチル)プロペン酸環状エステル類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸アリル、(2−メチル)プロペン酸1−メチルアリ
ル、(2−メチル)プロペン酸2−メチルアリル、(2−メチル)プロペン酸1−ブテニ
ル、(2−メチル)プロペン酸2−ブテニル、(2−メチル)プロペン酸3−ブテニル、
(2−メチル)プロペン酸1,3−メチル−3−ブテニル、(2−メチル)プロペン酸2
−クロルアリル、(2−メチル)プロペン酸3−クロルアリル、(2−メチル)プロペン
酸−o−アリルフェニル、(2−メチル)プロペン酸2−(アリルオキシ)エチル、(2
−メチル)プロペン酸アリルラクチル、(2−メチル)プロペン酸シトロネリル、(2−
メチル)プロペン酸ゲラニル、(2−メチル)プロペン酸ロジニル、(2−メチル)プロ
ペン酸シンナミル、(2−メチル)プロペン酸エテニル等のさらに不飽和基を含有する(
2−メチル)プロペン酸エステル類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸パーフルオロメチル、(2−メチル)プロペン酸パ
ーフルオロエチル、(2−メチル)プロペン酸パーフルオロプロピル、(2−メチル)プ
ロペン酸パーフルオロブチル、(2−メチル)プロペン酸パーフルオロオクチル、(2−
メチル)プロペン酸トリフルオロメチルメチル、(2−メチル)プロペン酸2−トリフル
オロメチルエチル、(2−メチル)プロペン酸ジパーフルオロメチルメチル、(2−メチ
ル)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(2−メチル)プロペン酸2−パーフル
オロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(2−メチル)プロペン酸トリパーフルオ
ロメチルメチル、(2−メチル)プロペン酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロ
ブチルエチル、(2−メチル)プロペン酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(2−メチ
ル)プロペン酸2−パーフルオロデシルエチル、(2−メチル)プロペン酸2−パーフル
オロヘキサデシルエチル、(2−メチル)プロペン酸−2,6−ジブロモ−4−ブチルフ
ェニル、(2−メチル)プロペン酸−2,4,6−トリブロモフェノキシエチル、(2−
メチル)プロペン酸−2,4,6−トリブロモフェノールエテンオキサイド付加物(エテ
ンオキサイド付加モル数:4〜12)等のハロゲン含有(2−メチル)プロペン酸アルキ
ルエステル類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸2−ヒドロキシエチル、(2−メチル)プロペン酸
1−ヒドロキシプロピル、(2−メチル)プロペン酸2−ヒドロキシプロピル、(2−メ
チル)プロペン酸2−メトキシエチル、(2−メチル)プロペン酸2−エトキシエチル、
(2−メチル)プロペン酸2−ヒドロキシブチル、(2−メチル)プロペン酸4−ヒドロ
キシブチル等の水酸基もしくは(2−メチル)プロペン酸エステル類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸グリシジル、(2−メチル)プロペン酸(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メチル、(2−メチル)プロペン酸(3−メチル−3−オキセ
タニル)メチル、(2−メチル)プロペン酸テトラヒドロフルフリル等の酸素原子含有複
素環含有(2−メチル)プロペン酸エステル類;
例えば、3−(2−メチルプロパン−2−エノイルオキシプロピル)トリメトキシシラ
ン、3−(2−メチルプロパン−2−エノイルオキシプロピル)トリエトキシシラン、3
−(2−メチルプロパン−2−エノイルオキシプロピル)トリイソプロポキシシラン、3
−(2−メチルプロパン−2−エノイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−
(2−メチルプロパン−2−エノイルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−(
プロパン−2−エノイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含
有(2−メチル)プロペン酸エステル類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸N−メチルアミノエチル、(2−メチル)プロペン
酸N−トリブチルアミノエチル、(2−メチル)プロペン酸N,N−ジメチルアミノエチ
ル、(2−メチル)プロペン酸N,N−ジエチルアミノエチル、(2−メチル)プロペン
酸イミド、(2−メチル)プロペン酸モルホリノエチル、(2−メチル)プロペン酸ペン
タメチルピペリジニル、(2−メチル)プロペン酸テトラメチルピペリジニルなどのアミ
ノ基等の窒素原子含有(2−メチル)プロペン酸エステル類;
例えば、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシ
エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(2−メチ
ル)プロパン−2−エノイルオキシエチルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシプ
ロピルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(2−メチ
ル)プロパン−2−エノイルオキシプロピルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリ
アゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(2−メチル)プロパ
ン−2−エノイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、(2−メチル)
プロペン酸−3−(2H−1,23−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
フェネチル、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(2−メチル)プ
ロパン−2−エノイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール
等のベンゾトリアゾール系の(2−メチル)プロペン酸誘導体類;
例えば、2−ヒドロキシ−4−[2−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシ]エ
トキシジフェニルメタノン、2−ヒドロキシ−4−[2−((2−メチル)プロパン−2
−エノイルオキシ)ブトキシジフェニルメタノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−[2−(
2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシ]エトキシジフェニルメタノン、2−ヒドロ
キシ−4−[2−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシ]エトキシ−4'−(2−
ヒドロキシエトキシ)ジフェニルメタノン等のジフェニルメタノン系の(2−メチル)プ
ロペン酸誘導体類;
例えば、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(2−メチル)プロパ
ン−2−エノイルオキシエトキシ)]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニ
ル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−プ(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキ
シエトキシ)]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒ
ドロキシ−4−(2−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシエトキシ)]−S−
トリアジン、2,4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(
2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシエトキシ)]−S−トリアジン、2,4−ビス
(2−エトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(2−メチル)プロパン
−2−エノイルオキシエトキシ)]−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメトキシ
フェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(2−メチル)プロパン−2−エノイル
オキシエトキシ)]−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[
2−ヒドロキシ−4−(2−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシエトキシ)]
−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジエトキシルフェニル)−6−[2−ヒドロキ
シ−4−(2−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシエトキシ)]−S−トリア
ジン、2,4−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(
2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシエトキシ)]−S−トリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン等のトリアジン系の(2−メ
チル)プロペン酸誘導体類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸のオキシラン付加物などのアルケンオキサイド含有
(2−メチル)プロペン酸誘導体類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸アシッドホスホオキシエチル、(2−メチル)プロ
ペン酸アシッドホスホオキシプロピル、(2−メチル)プロペン酸アシッドホスホオキシ
ブチル、(2−メチル)プロペン酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル、2
−メチル)プロペン酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、2−メチル)
プロペン酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシブチル、(2−メチル)プロペン酸
アシッドホスホオキシエテンオキサイド(エテンオキサイド付加モル数:4〜10)、(
2−メチル)プロペン酸アシッドホスホオキシプロペンオキサイド(プロペンオキサイド
付加モル数:4〜10)等のホスホニル基含有の(2−メチル)プロペン酸エステル類;
例えば、(2−メチル)プロペン酸スルホメチル、(2−メチル)プロペン酸2−スル
ホエチル、(2−メチル)プロペン酸2−スルホプロピル、(2−メチル)プロペン酸3
−スルホプロピル、(2−メチル)プロペン酸2−スルホブチル、(2−メチル)プロペ
ン酸4−スルホブチル、(2−メチル)プロペン酸2−スルホブチル、(2−メチル)プ
ロペン酸6−スルホヘキシル、(2−メチル)プロペン酸スルホオクチル、(2−メチル
)プロペン酸スルホデシル、(2−メチル)プロペン酸スルホラウリル、(2−メチル)
プロペン酸スルホステアリル等のスルホニル基含有の(2−メチル)プロペン酸アルキル
エステル類、(2−メチル)プロペン酸スルホフェノキシエチル、(2−メチル)プロペ
ン酸スルホシクロヘキシル等のスルホニル基含有の(2−メチル)プロペン酸環状エステ
ル類;
また、前記スルホニル基含有の(2−メチル)プロペン酸アルキルエステル類の金属塩
やアンモニウム塩、や(2−メチル)プロペノイルオキシジメチルエチルアンモニウムエ
チルサルフェート、(2−メチル)プロペノイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム
サルフェート、(2−メチル)プロペノイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムサル
フェート等のスルホニル基含有の(2−メチル)プロペン酸アルキルエステル類の金属塩
やアンモニウム塩、スルホニル基含有の(2−メチル)プロペン酸環状エステル類の金属
塩やアンモニウム塩、や(2−メチル)プロペン酸スルホベンジル、(2−メチル)プロ
ペノイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(2
−メチル)プロペノイルオキシエチルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネー
ト、(2−メチル)プロペノイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム−p−トルエン
スルホネート等のスルホニル基含有の(2−メチル)プロペン酸環状エステル類の金属塩
やアンモニウム塩;
例えば、2官能の単量体として、ジ(2−メチル)プロペン酸エテンオキサイド、ジ(
2−メチル)プロペン酸トリエテンオキサイド、ジ(2−メチル)プロペン酸テトラエテ
ンオキサイド、ジ(2−メチル)プロペン酸ポリエテンオキサイド、ジ(2−メチル)プ
ロペン酸プロペンオキサイド、ジ(2−メチル)プロペン酸ジプロペンオキサイド、ジ(
2−メチル)プロペン酸トリプロペンオキサイド、ジ(2−メチル)プロペン酸ポリプロ
ペンオキサイド、ジ(2−メチル)プロペン酸ブテンオキサイド、ジ(2−メチル)プロ
ペン酸ペンテンオキサイド、ジ(2−メチル)プロペン酸2,2−ジメチルプロピル、ジ
(2−メチル)プロペン酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート(通称マンダ)、ジ
(2−メチル)プロペン酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネー
ト、ジ(2−メチル)プロペン酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(2−メチル)プロペン
酸1,2−ヘキサンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,5−ヘキサンジオールジ
、ジ(2−メチル)プロペン酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸
1,7−ヘプタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,8−オクタンジオール、ジ
(2−メチル)プロペン酸1,2−オクタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,
9−ノナンジオールジ、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2−デカンジオール、ジ(2−
メチル)プロペン酸1,10−デカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2−デ
カンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,12−ドデカンジオール、ジ(2−メチ
ル)プロペン酸1,2−ドデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,14−テト
ラデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(2
−メチル)プロペン酸1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1
,2−ヘキサデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2−メチル−2,4−ペンタ
ンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(
2−メチル)プロペン酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(2
−メチル)プロペン酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(2−メチル)
プロペン酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ-ル、ジ(2−メチル)プロペン酸
2,2,4−トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸ジメチ
ロールオクタン、ジ(2−メチル)プロペン酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
ジ(2−メチル)プロペン酸2,5−ジメチル-2,5−ヘキサンジオール、ジ(2−メ
チル)プロペン酸2-メチル−1,8−オクタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸
2−ブチル−2−エチル−1,3-プロパンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2,
4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2−ヘキサ
ンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,5−ヘキサンジオール、ジ(2−メチル)
プロペン酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,7−ヘプタンジ
オール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,8−オクタンジオール、ジ(2−メチル)プロ
ペン酸1,2-オクタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,9−ノナンジオール
、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2−デカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1
,10−デカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2−デカンジオール、ジ(2
−メチル)プロペン酸1,12−ドデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2
−ドデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,14−テトラデカンジオール、ジ
(2−メチル)プロペン酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸
1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,2-−ヘキサデカン
ジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2−メチル−2,4−ペンタン、ジ(2−メチル
)プロペン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2−
メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2,4
−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2,2−ジエチル
−1,3−プロパンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2,2,4−トリメチル−1
,3−ペンタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸ジメチロールオクタン、ジ(2−
メチル)プロペン酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(2−メチル)プロペン
酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2−ブチ
ル−2-エチル−1,3−プロパンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸2,4−ジエ
チル−1,5−ペンタンジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸1,1,1−トリスヒド
ロキシメチルエタン、ジ(2−メチル)プロペン酸トリシクロデカンジメチロール、ジ(
2−メチル)プロペン酸トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネート、ジ(2−
メチル)−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエテンオキサイド付加体
、ジ(2−メチル)プロペン酸2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエテン
オキサイド付加体、ジ(2−メチル)プロペン酸−4,4‘−スルフォニルジフェノール
のテトラエテンオキサイド付加体、ジ(2−メチル)プロペン酸−水添加2,2−ビス(
ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエテンオキサイド付加体、ジ(2−メチル)プロ
ペン酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエテンオキサイド付加
体、ジ(2−メチル)プロペン酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、
ジ(2−メチル)プロペン酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジ(2
−メチル)プロペン酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオ
キサイド付加体−ジカプロラクトネート、ジ(2−メチル)プロペン酸−2,2−ビス(
ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエテンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート等
(2−メチル)プロペン酸系2官能誘導体類;
3官能の単量体としてトリ(2−メチル)プロペン酸グリセリン、トリ(2−メチル)
プロペン酸トリメチロールプロパン、トリ(2−メチル)プロペン酸トリメチロールプロ
パントリカプロラクトネート、トリ(2−メチル)プロペン酸トリメチロールエタン、ト
リ(2−メチル)プロペン酸トリメチロールヘキサン、トリ(2−メチル)プロペン酸ト
リメチロールオクタン、トリ(2−メチル)プロペン酸ペンタエリスリトール、トリ(2
−メチル)プロペン酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリ(2−メチル)
プロペン酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン等の3官能(2−メチル)プロ
ペン酸エステル類;
4官能以上の単量体として、テトラ(2−メチル)プロペン酸ペンタエリスリトール、
テトラ(2−メチル)プロペン酸ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネート、テト
ラ(2−メチル)プロペン酸ジグリセリン、テトラ(2−メチル)プロペン酸ジトリメチ
ロールプロパン、テトラ(2−メチル)プロペン酸ジトリメチロールプロパンテトラカプ
ロラクトネート、テトラ(2−メチル)プロペン酸ジトリメチロールエタン、テトラ(2
−メチル)プロペン酸ジトリメチロールブタン、テトラ(2−メチル)プロペン酸ジトリ
メチロールヘキサン、テトラ(2−メチル)プロペン酸ジトリメチロールオクタン、テト
ラ(2−メチル)プロペン酸ジペンタエリスリトール、ヘキサ(2−メチル)プロペン酸
ジペンタエリスリトール、ヘキサ(2−メチル)プロペン酸トリペンタエリスリトール、
ヘプタ(2−メチル)プロペン酸トリペンタエリスリトール、オクタ(2−メチル)プロ
ペン酸トリペンタエリスリトール、ヘプタ(2−メチル)プロペン酸ジペンタエリスリト
ールポリアルケンオキサイド等の多官能(2−メチル)プロペン酸エステル類;
例えば、ジ(2−メチル)プロペン酸エタン1,2−ジオール、ジ(2−メチル)プロ
ペン酸、2,2´−オキシエタン−1−オール、ジ(2−メチル)プロペン酸3,6−ジ
オキサオクタン−1,8−ジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸3,6,9−トリオキ
サウンデカン−1,11−ジオール、ジ(2−メチル)プロペン酸3,6,9,12−テ
トラオキサテトラデカン−1,14−ジオール、トリ(2−メチル)プロペン酸2−エチ
ル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、トリ(2−メチル)プロペ
ン酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、ジ(2−メチル)
プロペン酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリ(2−メチル)プロペン酸
1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリ(2−メチル)プロペン酸1,1,1
−トリスヒドロキシメチルプロパン等の多官能(2−メチル)プロペン酸エステル類など
が挙げられる。
アルケニル基含有化合物としては、例えば、エテニルベンゼン、α−イソプロペニルベ
ンゼン、β−イソプロペニルベンゼン、1−メチルエテニルベンゼン、2−メチルエテニ
ルベンゼン、3−メチルエテニルベンゼン、1−ブチルエテニルベンゼン、1−クロロ−
4−イソプロペニルベンゼンなどの芳香族エテニル系単量体;
例えば、エテニルフェニルペンチルエーテル、エテニルフェニルヘキシルエーテル、エ
テニルフェニルヘプチルエーテル、エテニルフェニルオクチルエーテル、エテニルフェニ
ルノニルエーテル、エテニルフェニルデシルエーテル、エテニルフェニルウンデシルエー
テル、エテニルフェニルドデシルエーテル、エテニルフェニルトリデシルエーテル、エテ
ニルフェニルテトラデシルエーテル、エテニルフェニルペンタデシルエーテル、エテニル
フェニルヘキサデシルエーテル、エテニルフェニルヘプタデシルエーテル、エテニルフェ
ニルオクタデシルエーテル、エテニルフェニルノナデシルエーテル、エテニルフェニルエ
イコシルエーテル、エテニルフェニルヘンエイコシルエーテル、エテニルフェニルドコシ
ルエーテル、エテニルフェニルメチルブチルエーテル、エテニルフェニルメチルペンチル
エーテル、エテニルフェニルメチルヘキシルエーテル、エテニルフェニルメチルヘプチル
エーテル、エテニルフェニルメチルオクチルエーテル、エテニルフェニルメチルノニルエ
ーテル、エテニルフェニルメチルデシルエーテル、エテニルフェニルメチルウンデシルエ
ーテル、エテニルフェニルメチルドデシルエーテル、エテニルフェニルメチルトリデシル
エーテル、エテニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、エテニルフェニルメチルペン
タデシルエーテル、エテニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、エテニルフェニルメ
チルヘプタデシルエーテル、エテニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、エテニルフ
ェニルメチルノナデシルエーテル、エテニルフェニルメチルエイコシルエーテル、エテニ
ルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、エテニルフェニルメチルドコシルエーテルな
どの長鎖アルキル基を有する芳香族エテニルエーテル系単量体;
例えば、イソプロペニルフェニルメチルブチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチ
ルペンチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキシルエーテル、イソプロペニル
フェニルメチルヘプチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチル オクチルエーテル、
イソプロペニルフェニルメチルノニルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルデシルエ
ーテル、イソプロペニルフェニルメチルウンデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメ
チルドデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルトリデシルエーテル、イソプロペ
ニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンタデシル
エーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、イソプロペニルフェニ
ルメチルヘプタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、
イソプロペニルフェニルメチルノナデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルエイ
コシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、イソプロペニ
ルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有するイソプロペニルフェニ
ル系単量体;
4−エテニルベンゼンカルボン酸ヘキシル、4−エテニルベンゼンカルボン酸オクチル
、4−エテニルベンゼンカルボン酸ノニル、4−エテニルベンゼンカルボン酸デシル、4
−エテニルベンゼンカルボン酸ドデシル、4−エテニルベンゼンカルボン酸テトラデシル
、4−エテニルベンゼンカルボン酸ヘキサデシル、4−エテニルベンゼンカルボン酸オク
タデシル、4−エテニルベンゼンカルボン酸エイコシル、4−エテニルベンゼンカルボン
酸ドコシル、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸ヘキシル、4−イソプロペニルベン
ゼンカルボン酸オクチル、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸ノニル、4−イソプロ
ペニルベンゼンカルボン酸デシル、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸ドデシル、4
−イソプロペニルベンゼンカルボン酸テトラデシル、4−イソプロペニルベンゼンカルボ
ン酸ヘキサデシル、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸オクタデシル、4−イソプロ
ペニルベンゼンカルボン酸エイコシル、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸ドコシル
などの長鎖アルキル基を有するエテニルベンゼンカルボン酸エステル系またはイソプロペ
ニルベンゼンカルボン酸エステル系単量体;
例えば、テトラ(エテンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、メチルテトラ(エテ
ンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、エチルテトラ(エテンオキサイド)エテニル
フェニルエーテル、プロピルテトラ(エテンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、n
−ブチルテトラ(エテンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、n−ペンチルテトラ(
エテンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、テトラ(プロペンオキサイド)エテニル
フェニルエーテル、メチルテトラ(プロペンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、エ
チルテトラ(プロペンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、プロポキシテトラ(プロ
ペンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(プロペンオキサイド)
エテニルフェニルエーテル、n−ペンタキシテトラ(プロペンオキサイド)エテニルフェ
ニルエーテル、ポリ(エテンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、メチルポリ(エテ
ンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、エチルポリ(エテンオキサイド)エテニルフ
ェニルエーテル、ポリ(プロペンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、メチルポリ(
プロペンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロペンオキサイド)エ
テニルフェニルエーテル、ポリ(エテンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、メチル
ポリ(エテンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、エチルポリ(エテンオキサイド)
エテニルベンジルエーテル、ポリ(プロペンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、メ
チルポリ(プロペンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、エチルポリ(プロペンオキ
サイド)エテニルベンジルエーテル、ポリ(エテンオキサイド)エテニルフェニルエチル
エーテル、メチルポリ(エテンオキサイド)エテニルフェニルエチルエーテル、エチルポ
リ(エテンオキサイド)エテニルフェニルエチルエーテル、ポリ(オキシプロピレン)
ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(プロペンオキサイド)エテニルフェニルエ
チルエーテル、エチルポリ(プロペンオキサイド)エテニルフェニルエチルエーテルなど
の長鎖ポリアルケンンオキサイド部位有するエテニルベンゼン系単量体;
例えば、ポリ(エテンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(エ
テンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(エテンオキサイド)イ
ソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(プロペンオキサイド)イソプロペニルフェニルエ
ーテル、メチルポリ(プロペンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポ
リ(プロペンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(エテンオキサイド)
イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(エテンオキサイド)イソプロペニルベン
ジルエーテル、エチルポリ(エテンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、ポリ
(プロペンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(プロペンオキサ
イド)イソプロペニルベンジルエーテルなどのポリアルケンオキサイド部位を有するイソ
プロペニル系単量体;
例えば、ブタン二酸エテニルフェニルノニル、ヘキサヒドロベンゼン−1,2−ジカル
ボン酸エテニルフェニルメチルデシル、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸エテニルフェニ
ルエチルドデシルなどのジカルボン酸のモノ長鎖アルキルエステル系単量体;
例えば、ブタン二酸エテニルフェニルポリ(エテンオキサイド)、ヘキサヒドロベンゼ
ン−1,2−ジカルボン酸エテニルフェニルメチルポリ(エテンオキサイド)、ベンゼン
−1,4−ジカルボン酸エテニルフェニルエチルポリ(エテンオキサイド)などのジカル
ボン酸のモノポリアルケンオキサイドエステル、4−エテニルベンゼンカルボン酸メチル
ポリ(エテンオキサイド)、4−エテニルベンゼンカルボン酸エチルポリ(エテンオキサ
イド)、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸メチルポリ(プロペンオキサイド)、4
−イソプロペニルベンゼンカルボン酸エチルポリ(プロペンオキサイド)などのポリアル
ケンオキサイド部位を有するエテニルベンゼンカルボン酸エステル系またはイソプロペニ
ルベンゼンカルボン酸エステル系単量体;
例えば、パーフルオロエテン、パーフルオロプロペン、パーフルオロ(プロピルエテニ
ルエーテル)、フッ化エテニリデンなどのフッ素含有エテニル系単量体;
例えば、エテニルトリメトキシシラン、エテニルトリエトキシシランなどのトリアルキ
ルオキシシリル基含有エテニル系単量体類;
例えば、エタン酸エテニル、プロパン酸エテニル、ピバリン酸エテニル、ベンゼンカル
ボン酸エテニル、3−フェニル−2−プロペン酸エテニル、cis−ブテン二酸ジアリル
、2−メチリデンコハク酸ジアリル、(E)−ブタ−2−エン酸エテニル、(Z)−オク
タデカ−9−エン酸エテニル、(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15
−トリエン酸エテニル等のエテニルエステル系単量体類;
例えば、2−プロペンニトリル、2−メチル−2−プロペンニトリル、(2−メチル)
プロペン酸2−シアノエチルなどのニトリル基含有エテニル系単量体類;
例えば、エテニルベンゼンスルホン酸、エテニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アリ
ルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸
、ビニル硫酸等のアルケニル基含有スルホン酸化合物類、エテニルベンゼンスルホン酸ア
ンモニウム、エテニルベンゼンスルホン酸モノメチルアンモニウム、エテニルベンゼンス
ルホン酸ジメチルアンモニウム、エテニルベンゼンスルホン酸トリメチルアンモニウム、
エテニルベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニム、エテニルベンゼンスルホン酸エチ
ルアンモニウム、エテニルベンゼンスルホン酸ジエチルアンモニウム、エテニルベンゼン
スルホン酸トリエチルアンモニウム、エテニルベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニ
ウム、エテニルベンゼンスルホン酸プロピルアンモニウム、エテニルベンゼンスルホン酸
ジプロピルアンモニウム、エテニルベンゼンスルホン酸トリプロピルアンモニウム、エテ
ニルベンゼンスルホン酸ブチルアンモニウム、エテニルベンゼンスルホン酸ペンチルアン
モニウムまたはエテニルベンゼンスルホン酸ヘキシルアンモニウム等のアルケニル基含有
エテニルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩類、エテニルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、エテニルベンゼンスルホン酸カリウム、エテニルベンゼンスルホン酸リチウム、エテ
ニルベンゼンスルホン酸マグネシウム、エテニルベンゼンスルホン酸亜鉛、エテニルベン
ゼンスルホン酸鉄等のアルケニル基含有エテニルベンゼンスルホン酸の金属塩類、エテニ
ルスルホン酸アンモニウム、エテニルスルホン酸ナトリウム、エテニルスルホン酸カリウ
ム等のアルケニル基含有エテニルスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類、エテニルスル
ホン酸アンモニウム、エテニルスルホン酸ナトリウム、エテニルルホン酸カリウムアルケ
ニル基含有アリルスルホン酸、ナトリウムエテニルアルキルスルホサクシネート等の金属
塩やアンモニウム塩類、エテニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、エテニルオキ
シベンゼンスルホン酸ナトリウム、エテニルオキシベンゼンスルホン酸カリウムアルケニ
ル基含有エテニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類、メタリルスル
ホン酸アンモニウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸カリウム等の
アルケニル基含有メタリルスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類、メタリルオキシベン
ゼンスルホン酸アンモニウム、メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、メタリル
オキシベンゼンスルホン酸カリウムアルケニル基含有メタリルオキシベンゼンスルホン酸
の金属塩やアンモニウム塩類、(2−メチル)2−プロペンアミドスルホン酸〔2−プロ
ペンアミドスルホン酸と2−メチル−2−プロペンアミドスルホン酸とを併せて「(2−
メチル)2−プロペンアミドスルホン酸」と表記する。以下同様。〕、tert−ブチル
−(2−メチル)2−プロペンアミドスルホン酸、(2−メチル)2−プロペンアミド−
2−メチル−1−プロパンスルホン酸等のアルケニル基含有アミド系スルホン酸類
例えば、プロペン酸2−カルボキシエチル、2−メチリデンコハク酸、cis−ブテン
二酸、trans−ブテン二酸、ペンタ−2−エン二酸、2−メチルフマル酸等の不飽和
カルボン酸類;
例えば、2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、3−メチリデンテトラヒドロフラ
ン−2,5−ジオン、3−メチル−2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン等の不飽和
カルボン酸無水物類;
例えば、上記不飽和カルボン酸類のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル類
例えば、グリシジルシンナマート、アリルグリシジルエーテル、エテニルシクロヘキセ
ンモノオキシラン、1,3−ブタジエンモノオキシラン等のグリシジル基含有エテニルエ
ステル類;
例えば、2−プロペンアミド、2−メチルプロパ−2−エノイルアミド、N,N−ジメ
チル−2−プロペンアミド、N,N−ジエチル−2−プロペンアミド、N−メトキシメチ
ル−2−プロペンアミド、N−エトキシメチル(2−メチル)プロペンアミド、N−(n
−,iso−)ブトキシメチル(2−メチル)プロペンアミド、N−メトキシエチル(2
−メチル)プロペンアミド、N−エトキシエチル(2−メチル)プロペンアミド、N−(
n−、iso−)ブトキシエチル(2−メチル)プロペンアミド、N−[3−(N’,N
’−ジメチルアミノ)プロピル]−2−プロペンアミド、N−イソプロピル−2−プロペ
ンアミド、N−エテニルメタンアミド、N−エテニルアセトアミド、N−エテニル−α−
メチルチオアセトアミド、N−エテニルホルムアミドなどの脂肪族系アミド基含有エテニ
ル系単量体類;
例えば、4−プロペノイルモルホリン、N−エテニル−2−ピロリドン、N−エテニル
−2−アゼハン−2−オンなどの環状アミド基含有エテニル系単量体類;
例えば、2−エテニルピリジン、4−エテニルピリジン、2−エテニルピペラジン、2
−エテニルピリミジン、N−エテニルイミダゾール、4−エテニルピペラジン、エテニル
オキサゾール、N−エテニルカルバゾール、N−エテニルインドール、N−エテニルピロ
リデン、メチルエテニルイミダゾリウムクロリド、2,4−ジアミノ−6−エテニル−s
−トリアジン、2−エテニルピロール、1−ベンジル−2−エテニル−1H−ピロール
、2−(1−ピロリル)エチルビニルエーテル、1−(4−ビニルフェニル)−1H―ピ
ロール−2,5−ジオン、2−エテニルチオフェン、2−(2−ニトロエテニル)チオフ
ェン 、5−ホルミル−2−エテニルチオフェン、3−ブロモ−4−(1−ヨード−2−
パーフルオロブチル−エテニル)チオフェン、3−ブロモ−4−(1−ブロモ−2−ペン
タフルオロスルファニル−エテニル)−チオフェン、5−[4−[2−[4−ジフェニルア
ミノフェニル−フェニル]−エテニル]−フェニル]−チオフェン−2−カルボアルデヒド
、ビス(2−ジフェニルエテニル)チオフェン、4−[2−(4−ジフェニルアミノ−フ
ェニル)−エテニル]−ベンズアルデヒド、ジエテニルエチルウレアなどの窒素原子含有
複素環エテニル系単量体;
例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブ
チルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フ
ェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド誘導体類;
例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコン
イミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルへキシルイタコンイミド、N−シ
クロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、N−プロパ−2−エノイル
オキシメチレンスクシンイミド、N−プロパ−2−エノイル−6−オキシヘキサメチレン
スクシンイミド、N−プロパ−2−エノイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド
、N−2−メチルプロパ−2−エノイルオキシメチレンスクシンイミド、N−2−メチル
プロパ−2−エノイル −6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−2−メチルプ
ロパ−2−エノイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のマレイミド誘導体以
外のイミド誘導体類;
例えば、エテン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチルプロペン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン
、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコ
セン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトア
コンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラコンテン
等ならびにその混合物やなどのアルケン類;
例えば、アレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブ
タジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどのジエン類;
例えば、クロロエテン、1,1−ジクロロエテン、アリルクロライド、アリルアルコー
ルなどが挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
また、例えば、上述のグリシジル基含有エテニルエステル類と脂肪酸とを反応させて得
られた共重合可能なα,β−不飽和二重結合を有したα,β−不飽和化合物、上述のハロ
ゲン化アルキルエテニルベンゼン類と長鎖アルコール、ポリ(エテンオキサイド)、およ
び/あるいはポリ(エテンオキサイド)モノアルキルエーテルより選ばれる少なくとも一
種のアルコール性水酸基含有化合物を反応させて得られた共重合可能なα,β−不飽和二
重結合を有したα,β−不飽和化合物等も単量体(a−1)または単量体(a−2)に含
まれる。
また、例えば、上記、単量体(a−1)や単量体(a−2)の共重合体であって、共重
合体末端にα,β−不飽和二重結合を有する高分子量タイプの重合可能な共重合体、いわ
ゆるマクロモノマーも含まれる。
これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよく、特に限定
されるものではない。
環状アミド化合物(D)は、アミノカルボン酸のアミノ基とカルボキシル基とが分子内
又は分子間で脱水縮合して炭素数3〜18の複素環構造を形成したアミノカルボン酸縮合
物であることが好ましい。このアミノカルボン酸縮合物は、アミノカルボン酸の脱水反応
により環形成可能であれば良く、その二量体又は三量体以上の多量体であってもよい。そ
して前記アミノカルボン酸は脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環式の化合物を用いること
ができる。但し、炭素数3未満、あるいは19以上の複素環構造を形成したアミノカルボ
ン酸縮合物は開環反応性が低下するため好ましくない。
アミノカルボン酸としては、例えば、アミノエタン酸、2−アミノプロパン酸、3−ア
ミノプロパン酸、2−アミノブタン酸、4−アミノブタン酸、2−アミノペンタン酸、5
−アミノペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノデカ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、(2R,3S)−2−アミ
ノ−3−メチルペンタン酸、(2R,3S)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタン酸、2
−アミノ−5−グアニジノペンタン酸、2−アミノ−3−カルバモイルプロパン酸、2−
アミノブタン二酸、2−アミノ−3−スルファニルプロパン酸、2,2′−ジアミノ−3
,3′−ジスルファンジイルジプロパン酸、2−アミノペンタン二酸、2−アミノ−4−
カルバモイルブタン酸、2−アミノ−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸
、2−アミノ−4−スルファニルブタン酸、2−アミノ−4−ヒドロキシブタン酸、(2
R,3R)−2−アミノ−3−メチルペンタン酸、2−アミノ−4−メチルペンタン酸、
2,6−ジアミノヘキサン酸、2−アミノ−4−(メチルスルファニル)ブタン酸、2,
5−ジアミノペンタン酸、2−アミノ−3−フェニルプロパン酸、ピロリジン−2−カル
ボン酸、2−アミノ−3−ヒドロキシプロパン酸、(2R,3S)−2−アミノ−3−ヒ
ドロキシブタン酸、2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン酸、2−
アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、2−アミノ−3−メチルブタン酸
、2−アミノ−2−メチルブタン酸、2−メチルアラニン、(R)−2−アミノ−2−メ
チルオクタン酸、2−フェニルグリシン、β−アミノベンゼンプロパン酸、パラアミノメ
チルベンゼンカルボン酸、4−クロロ−β−エチル−L−フェニルアラニン、α−(1−
ナフチル)フェニルアラニン、o−メチル−L−セリン、3−スルホ−L−アラニン、L
−メチオニンS,S−ジオキシド、3−アミノ−4−オキソブタン酸、2−アミノベンゼ
ンカルボン酸、3−アミノベンゼンカルボン酸、3,5−ジ−tert−ブチル−2−ア
ミノベンゼンカルボン酸、3−アミノベンゼンカルボン酸、3,4−ジアミノシベンゼン
カルボン酸、4−アミノ−3−フェニルベンゼンカルボン酸、4−アミノ−3−メトキシ
ベンゼンカルボン酸、4−アミノ−3,5−ジメトキシベンゼンカルボン酸、4′−アミ
ノ−4−カルボキシビフェニル、6−アミノ−2−ナフタレンカルボン酸、3−アミノ−
2−ナフタレンカルボン酸、5−アミノ−1−ナフタレンカルボン酸、ω−アミノウンデ
カン酸、アミノドデカン酸、、オキサミド酸、3−カルバモイルプロパン酸、3−ブロモ
−2−カルバモイル安息香酸、D−グルカル−1−アミド酸、2′−メトキシスクシンア
ニリド酸等が挙げられる。
これらのアミノカルボン酸は、1分子内にカルボキシル基とアミノ基とを有する有機化
合物であればよく、上記の例示に限定されるものではない。
上記のアミノカルボン酸縮合物の中でも、ラクタム(d)が好ましい。具体的には、例
えば、β-プロピオラクタム、β−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム、γ−ブチロ
ラクタム、δ−ペンタンラクタム、γ−バレロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプ
ロラクタム、γ−カプロラクタム、δ−カプロラクタム、γ−ヘプタノラクタム、γ−オ
クタノラクタム、δ−オクタノラクトンタム、ε−オクタノラクタム、δ−ノナラクタム
、ドデカン−12−ラクタム、ベンゾイルカプロラクタム、オクタノイルカプロラクタム
、3,5,5−トリメチルヘキサノイルカプロラクタム、ノナノイルカプロラクタム、デ
カノイルカプロラクタム、ウンデセノイルカプロラクタム、ベンゾイルバレロラクタム、
オクタノイルバレロラクタム、デカノイルバレロラクタム、ウンデセノイルバレロラクタ
ム、3,5,5−トリメチルヘキサノイルバレロラクタム、1‐メチルオクタヒドロ‐2
H‐アゾニン‐2‐オン、3−オクチル−N−(2−エチルヘキシル)バレロラクタム、
4−オクチル−N−(2−エチルヘキシル)バレロラクタム、3−オクチル−N−(2−
エチルヘキシル)カプロラクタム、5−オクチル−N−(2−エチルヘキシル)カプロラ
クタム、4−メチル−2−アゼチジノン、1,4−ジフェニル−2−アゼチジノン、3,
3−ジメチル−1−エチル−4−フェニル−2−アゼチノン、3−アザビシクロ[3,2
,2]ノナノン−2、2−アザビシクロ[3,2,2]ノナノン−3、α−ブロモ−α−フ
ルオロ−β−ラクタム、α−ヒドロキシ−α−トリフルオロメチル−γ−ラクタム、1−
ベンジル−3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−6,7−ジヒドロキシ−2,4(
3H,5H)−ジオン、3−ヒドロキシ−1−フェニル−3−トリフルオロメチル−6,
7−ジヒドロキシ−2,4(3H,5H)−ジオン、3−ヒドロキシ−1−フェネチル−
3−トリフルオロメチル−6,7−ジヒドロキシ−2,4(3H,5H)−ジオン、1−
ベンジヒドリル−3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−6,7−ジヒドロキシ−2
,4(3H,5H)−ジオン、1−ベンジル−3−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−3−
トリフルオロメチル−6,7−ジヒドロキシ−2,4(3H,5H)−ジオン等が挙げら
れる。
上記ラクトン類のなかでも、開環反応により形成される側鎖(I)長さや、活性水素基
との反応性の面から、アミド環を構成する炭素数が3〜18の範囲であるものが好ましく
、具体的にはブチロラクタム、バレロラクタム、カプロラクタムが特に好ましい。
本発明において、共重合体(B)の活性水素基は、反応性化合物(C)との反応性を考
慮すると、少なくともカルボキシル基、またはアミノ基であることが好ましい。共重合体
(B)含有の上記、カルボキシル基、アミノ基は、共重合体(A)の活性水素基含有α,
β不飽和単量体(a−1)の活性水素基と、共重合体(A)含有の活性水素基に環状アミ
ド(D)の開環付加反応後に生成する活性水素基により由来する。
本発明において、共重合体(B)のアミン価は、0.1〜50mgKOH/gが好まし
く、0.5〜30mgKOH/gがより好ましい。
一方、共重合体(B)の酸価は0.1〜50mgKOH/gが好ましく、0.5〜40
mgKOH/gがより好ましい。
アミン価や酸価が0.1mgKOH/gよりも低いと、アミノ基又はカルボキシル基に
対する反応性化合物(C)の反応性が劣り、感圧式接着剤の架橋密度が低下して凝集力が
不足する恐れがある。また、アミン価又は酸価が50mgKOH/gよりも高くなると、
反応性化合物(C)を配合した感圧式接着剤のポットライフが短くなる恐れがある。
そして共重合体(B)がカルボキシル基とアミノ基の双方を有する場合であって、カル
ボキシル基と反応しうる反応性化合物(C)を用いた場合は0.1〜10mgKOH/g
が好ましく、0.1〜8mgKOH/gがより好ましい。
そしてアミノ基と反応しうる反応性化合物(C)を用いた場合には0.5〜10mgK
OH/gが好ましい。
本発明における共重合体(B)と反応性化合物(C)との架橋反応において、架橋密度
の調整のために、共重合体(B)の側鎖(I)の末端の一部に封止化合物(E)を反応さ
せ、側鎖(II)を生成させて、架橋密度を調整することも好ましい。なお、側鎖(II
)を有する共重合体(B)を共重合体(B−2)という。
本発明における使用される封止化合物(E)としては、側鎖(I)の末端活性水素基と
反応しうる官能基を有することが必要である。具体的には、酸無水物基含有化合物(e−
1)、グリシジル基含有化合物(e−2)、イソシアネート基含有化合物(e−3)およ
びアミノ基含有化合物(e−4)等を挙げることができる。また封止化合物(E)は、単
独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明で用いる酸無水物含有化合物(e−1)としては、例えば、分子量90〜500
程度の公知のジカルボン酸化合物の無水物及び誘導体、3官能以上のポリカルボン酸類の
酸無水物環を有するものが含まれ、脂肪族化合物、芳香族化合物及び脂環式化合物の何れ
であっても良い。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ヘキ
サン二酸、デカン二酸、ノナン二酸、オクタン二酸、(Z)−ブタ−2−エン二酸、クロ
ロ(Z)−ブタ−2−エン二酸、(E)−ブタ−2−エン二酸、ドデカン二酸、ヘプタン
二酸、2−メチル−(Z)−ブタ−2−エン二酸、ペンタン二酸、2−メチリデンブタン
二酸、テトラヒドロフラン−2,5−ジオン、2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン
等が挙げられ、これらの脂肪族ジカルボン酸の無水物が利用できる。又、テトラヒドロフ
ラン−2,5−ジオンの誘導体(メチルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、2,2−
ジメチルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、ブチルテトラヒドロフラン−2,5−ジ
オン、イソブチルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、ヘキシル無水コハク酸、オクチ
ル無水コハク酸、ドデセニルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、フェニルテトラヒド
ロフラン−2,5−ジオン等)、テトラヒドロピラン−2,6−ジオンの誘導体(テトラ
ヒドロピラン−2,6−ジオン、3−アリルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン、2,
4−ジメチルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン、2,4−ジエチルテトラヒドロピラ
ン−2,6−ジオン、ブチルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン、ヘキシルテトラヒド
ロピラン−2,6−ジオン等)、2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオンの誘導体(2
−メチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、2,3−ジメチル2,5−ジヒドロ
フラン−2,5−ジオン、ブチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、ペンチル2
,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、ヘキシル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジ
オン、オクチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、デシル2,5−ジヒドロフラ
ン−2,5−ジオン、ドデシル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、2,3−ジク
ロロ2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、フェニル2,5−ジヒドロフラン−2,
5−ジオン、2,3−ジフェニル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン等)などの無
水物誘導体も利用できる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸、ベンゼン−
1,3−ジカルボン酸、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸、2,5−ジメチルベンゼン−
1,4−ジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エンジカル
ボン酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸、フェニル−2,3−ジヒドロ−1
H−インデンジカルボン酸等が挙げられ、これらの芳香族ジカルボン酸の無水物が利用で
きる。又、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、4−メチル−1,3−
ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン等が挙げられ、又、ヘキサヒドロ−1,3−
ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオンの誘導体((3−メチル−ヘキサヒドロ−1
,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、4−メチル−ヘキサヒドロ−1,3
−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン)、テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソ
ベンゾフラン−1,3−ジオンの誘導体(1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒ
ドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ−
1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、4−メチル−1,2,3,6−テ
トラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、メチルブテニル−1
,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン等)
などの1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン誘導体も利用できる。
脂環族ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸、1,4−シクロヘキシルジカルボ
ン酸、1,3−シクロヘキシルジカルボン酸、1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、c
is−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等が挙げられ、これらの脂環族ジカル
ボン酸の無水物等が利用できる。
さらに、4,5,6,7,8,8−ヘキサクロロ−3a,4,7,7a−テトラヒドロ
−4,7−メタノイソベンゾフラン−1,3−ジオン、1,4,5,6,7,7−ヘキサ
クロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビフェニルジカルボン酸無水
物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エンドメチレン−1,2,3,6
−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、メチル−3,6
−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン
−1,3−ジオン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−
1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、1,8−ナフ
タレンジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−1,3−ジオキソ−4,5−イソベンゾフラ
ンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
3官能以上のポリカルボン酸類の無水物環を有するものとしては、例えば、1,3−ジ
ヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸が挙げられる。また、無水
物環を二つ以上有する3官能以上のポリカルボン酸類としては、例えば、1,2,3,4
−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキ
シシクロペンチルエタン酸二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシシクロヘキサン
二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシノルボルナン二無水物、3,5,6−トリ
カルボキシノルボルナン−2−エタン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフラン
テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル
−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オク
ト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、 無水ピロメリット酸、1
,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、エテンオキサイドジ−1,3−ジヒ
ドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸エステル、プロペンオキサイ
ドジ−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸エステル
、ブテンオキサイドジ−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカ
ルボン酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2
,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルスルホン
テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2
,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,8:4,5−テ
トラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデン)ジフタル酸無水物
、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テト
ラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸
二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二
無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水
物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、
3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4
,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオ
キサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェ
ニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルベンゼンジカルボ
ン酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルベンゼンジカルボ
ン酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)フェニル]フルオレン無水物、エテンオキサイドビス(アンヒドロトリ
メリテート)、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレン
ブタン二酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチ
ル−1−ナフタレンブタン二酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル
)フルオレン二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸無水物、メチル無水ナジック酸、アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2
,3−ジカルボン酸無水物、メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボン酸無水物、アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボン酸無水物、メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,
3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
これらの酸無水物は、各々、単独又は2種以上を組み合わせて酸無水物含有化合物(e
−1)として使用できる。無水物環を一つ保有している環状無水物含有化合物を用いると
、接着性、耐熱性、耐湿熱性及び透明性に優れた感圧接着剤を得ることができるので好ま
しい。
本発明で用いられるグリシジル基含有化合物(e−2)としては、公知の単官能のグリ
シジル基を含有する化合物が使用できる。例えば、メチルグリシジルエーテル、ブチルグ
リシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエー
テル、オクチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエ
ーテル、ステアリルグリシジルエーテル、メトキシエテンオキサイドグリシジルエーテル
(エテンオキサイド付加モル数:2〜10)、エトキシエテンオキサイドグリシジルエー
テル(エテンオキサイド付加モル数:2〜10)、ブトキシエテンオキサイドグリシジル
エーテル(エテンオキサイド付加モル数:2〜10)、ドデカオキシエテンオキサイドグ
リシジルエーテル(エテンオキサイド付加モル数:2〜10)、メトキシプロペンオキサ
イドグリシジルエーテル(プロペンオキサイド付加モル数:2〜10)、エトキシプロペ
ンオキサイドグリシジルエーテル(プロペンオキサイド付加モル数:2〜10)、ブトキ
シプロペンオキサイドグリシジルエーテル(プロペンオキサイド付加モル数:2〜10)
、ドデカオキシプロペンオキサイドグリシジルエーテル(プロペンオキサイド付加モル数
:2〜10)、フェノキシエテンオキサイドグリシジルエーテル(エテンオキサイド付加
モル数:2〜10)、フェノキシプロペンオキサイドグリシジルエーテル(プロペンオキ
サイド付加モル数:2〜10)クレジルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、(S)−2−グリシジルトリフェニルエーテル、se
c−リブチルフェノールモノグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシ
ジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、3−ニトロベンゼンスルホン酸(
S)グリシジルエーテル、メタパラクレジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル等のグリジルエーテル類;
例えば、ブタン酸グリシジルエステル、ブタン酸2−メチルグリシジルエステル、ヘキ
サン酸グリシジルエステル、2−エチル−ヘキサン酸グリシジルエステル、オクタン酸グ
リシジルエステル、デカン酸グリシジルエステル、ドデカン酸グリシジルエステル、ヘキ
サデカン酸グリシジルエステル、オクタデカン酸グリシジルエステル、(2−メチル)プ
ロペン酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリ
シジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル等のグリジルエステル類

例えば、シクロヘキセンオキサイド、エテニルシクロヘキセンオキサイド等の脂環式グ
リジルエステル類;
その他、エテニルベンゼンオキサイド、エピクロルヒドリン等のグリジルエステル類が
挙げられる。
本発明で用いられるイソシアネート基含有化合物(e−3)としては、公知の単官能の
イソシアネート基を含有する化合物が使用できる。例えば、メチルイソシアネート、エチ
ルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクチルイソシア
ネート、デシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ステアリルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート
、p−クロロフェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、2−クロロ
エチルイソシアネート、2,4−ジクロロフェニルイソシアネート、3−クロロ−4−メ
チルフェニルイソシアネート、トリクロロアセチルイソシアネート、クロロスルホニルイ
ソシアネート、(R)−(+)−α−メチルベンジルイソシアネート、(S)−(−)−
α−メチルベンジルイソシアネート、(R)−(−)−1−(1−ナフチル)エチルイソ
シアネート、(R)−(+)−1−フェニルエチルイソシアネート、(S)−(−)−1
−フェニルエチルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート等が挙げられ
る。
本発明に用いられる、イソシアネート基含有化合物(e−3)は、それぞれ単独で又は
2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明で用いられるアミノ基含有化合物(e−4)としては、公知の1級アミノ基を含
有する化合物が使用できる。例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イ
ソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチ
ルヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミ
ン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、
エイコシルアミン、ドコシルアミン、アミルアミン,2−メチル−3−ペンチルアミン、
3−イソブトキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピ
ルアミン,3−ブトキシプロピルアミン,3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルア
ミン、3−デシルオキシプロピルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルア
ミン、ココナットアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、3−ラウリルオキシプロ
ピルアミン、3−ミリスチルオキシプロピルアミン、牛脂アミン、ポリオキシプロペンア
ミン、ポリオキシエテンアミン、2−アミノエタノール、6−アミノカプロニトリル、ロ
ジンアミン等の脂肪族アミン類;
例えば、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、p−
メトキシフェネチルアミン、1−フェニルエチルアミン、1−(4−メチルフェニル)エ
チルアミン、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン、2−(フェニルメトキシ)シ
クロペンタンアミン、1−(1−ナフチル)エチルアミン、1−(2−ナフチル)エチル
アミン、5−アミノインダン、1−アミノテトラリン、1−メチル−3−フェニルプロピ
ルアミン、1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール、o−トルイジン、2−エチ
ルアニリン、2−フルオロアニリン、o−アニシジン、m−トルイジン、m−アニシジン
、m−フェネチジン、p−トルイジン、2,3−ジメチルアニリン、1−アミノピペリジ
ン、N−アミノ−4−ピペコリン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−2
−ピペコリン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルピペリジン、N
−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノ
ブチルピペリジン、4−アミノメチル−1−ブチルピペリジン、N−アミノヘキシルピペ
リジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノブチ
ルモルホリン、N−アミノヘキシルモルホリン、3−アミノ−1−ベンジルピロリジン、
1−ベンジル−2−メチル−3−アミノピロリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン
、フルフリルアミン、アミノピラジン、2−アミノメチルピラジン、2−アミノエチルピ
ラジン、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−アミノ−3,5−ジブロモピ
ラジン、ピコリンアミド、イソニコチンアミド、2−アミノニコチン酸、2−アミノピリ
ジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2
−アミノメチルピリジン、3−アミノメチルピリジン、4−アミノメチルピリジン、2−
アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、2−アミノ−4−エチ
ルピリジン、2−アミノ−4−プロピルピリジン、2−アミノ−3−ニトロピリジン、2
−アミノ−5−ニトロピリジン、3−アミノ−2−クロロピリジン、4−アミノ−2−ク
ロロピリジン、2−アミノ−5−クロロピリジン、2−アミノ−3,5−ジクロロピリジ
ン、3−アミノ−2,6−ジクロロピリジン、3−アミノ−2−クロロ−4−ピコリン、
2−アミノ−3,5−ジクロロ−6−メチルピリジン、2−アミノ−5−クロロ−3−メ
チルピリジン、3−アミノ−3,5−ジクロロ−4−メチルピリジン、4−アミノ−3,
5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン、3−アミノエチル−6−クロロピリジン等の
脂環、芳香環あるいはヘテロ環の環状構造を保有するアミン類が挙げられる。
本発明では、側鎖(II)の形成は、側鎖(I)の末端活性水素基がアミノ基の場合、封
止化合物(E)は、酸無水物基含有化合物(e−1)、グリシジル基含有化合物(e−2
)、またはイソシアネート基含有化合物(e−3)であって、単官能のものを用いること
が好ましい。また側鎖(I)の末端活性水素基がカルボキシル基の場合、封止化合物(E
)は、酸無水物基含有化合物(e−1)、グリシジル基含有化合物(e−2)、イソシア
ネート基含有化合物(e−3)、またはアミノ基含有化合物(e−4)を用いることが好
ましい。
本発明では、用いる封止化合物(E)の種類により共重合体(B−2)の側鎖(II)の
構造を変えることで、感圧式接着剤に用いた場合に様々な機能を付与することができる。
例えば、グリシジル基含有化合物を用いた場合には、形成する2級水酸基により、ガラス
への接着力が向上するなど密着性を改善できる。また、イソシアネート基含有化合物を用
いた場合には、形成するウレタン結合により耐熱や耐湿熱性が向上する。さらに酸無水物
基含有化合物、あるいはアミノ基含有化合物を用いた場合には、形成するアミド結合や酸
塩基結合により、帯電防止機能を向上させることができる。
次に感圧式接着剤用樹脂の製造方法について説明する。
本発明において、感圧式接着剤用樹脂の製造方法は、以下の2段階の工程、好ましくは
3段階の工程にて製造することができる。
単量体(a−1)と、単量体(a−2)とを共重合して、共重合体(A)を得る工程1
、および、
前記共重合体(A)中の活性水素基と環状アミド化合物(D)とを反応させ、側鎖(I)
を生成して、共重合体(B)を得る工程2、の2段階の工程の製造工程が挙げられる。
また、必要に応じて前記共重合体(B)中の側鎖(I)の活性水素基と封止化合物(E
)とを反応させ、側鎖(II)を生成して共重合体(B−2)を得る工程3を引き続き行う
こともできる。
まず、予め、単量体(a−1)と、単量体(a−2)とを共重合して、共重合体(A)
を得る工程1について、説明する。
本発明における共重合体(A)は、上記したような種々の単量体(a−1)および単量
体(a−2)の合計100重量部に対して、0.001〜5重量部の重合開始剤を用いて
塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの方法により合成される。好ましくは溶液
重合で合成される。
重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニト
リル)や2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2’−アゾビス(2
−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2’
−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2
−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などのアゾ系化合物が挙げられる。
また、過酸化ベンゾイルやtert−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキ
シドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボ
ネートやジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエートやte
rt−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキ
シドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物が挙げ
られる。
また合成時には、ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン
類、α−メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用しても良い。
次いで、共重合体(A)中の活性水素基と環状アミド化合物(D)とを反応させ、側鎖
(I)を生成して、共重合体(B)を得る工程2について説明する。
工程2においては、工程1で得られた共重合体(A)中の活性水素基と環状アミド(D
)とを反応させ、開環付加することで側鎖(I)を生成して共重合体(B)を得ることが
重要である。
共重合体(B)は、側鎖(I)を有することで、感圧式接着剤として用いたときに被着
体との密着性が向上することに加え、側鎖(I)の末端に生成する活性水素基と架橋剤と
の反応が効率よく進行し、凝集力が向上するため、強靭な架橋構造ができるという利点を
有する。
そして、環状アミド(D)の開環付加は、1分子のみの単独付加でも良いし、側鎖(I
)の末端に生成する活性水素基へ、環状アミド(D)がさらに開環付加するなど、多重に
開環付加してもよい。このように開環付加が多重化すると側鎖(I)をよりに長鎖にする
ことができる。これにより側鎖(I)は、より柔軟な動きが可能になるため、その末端に
有する活性水素基は架橋剤とより効率良い反応が可能となる。また、側鎖(I)がアミド
結合を複数有することになるため、被着体との親和性がより高くなる
という利点がある。
環状アミド(D)は、共重合体(A)中の活性水素基1モルに対し、0.2〜100モ
ル反応させることが好ましく、0.5〜80モル反応させることがより好ましく、0.8
〜60モル反応させることがさらに好ましく、1.5〜40モル反応させることが特に好
ましい。上記範囲を逸脱すると、感圧式接着剤に用いた場合にタック及び凝集力を共に満
足できない恐れがある。
また、共重合体(A)中の活性水素基に環状アミド(D)の開環付加反応は、50〜2
00℃の範囲で行うことが好ましい。より好ましくは、70〜150℃の範囲である。5
0℃未満であると反応は起こりにくく、200℃よりも高い温度であると、共重合体(A
)中の活性水素基に開環付加反応が起こりにくく、単独重合が起こりやすいため好ましく
ない。
このように得られた共重合体(B)は、酸価またはアミン価が0.1〜30mgKOH
/gの範囲であることが好ましく、0.5〜30mgKOH/gの範囲がより好ましい。
次いで、共重合体(B)中の側鎖(I)の活性水素基と封止化合物(E)とを反応させ
、側鎖(II)を生成して、共重合体(B−2)を得る工程3について説明する。
工程3は、共重合体(B)の側鎖(I)の末端と、封止化合物(E)とを反応させるこ
とで、側鎖(II)が生成する。この際の生じる側鎖の構造変化により特異的な様々な機能
を付与することができる。
また、側鎖(II)を生成することにより、共重合体(B−2)が有する側鎖全体から活
性水素基を有する側鎖(I)の比率を減らすことも出来る。なぜなら側鎖(I)の末端にあ
る活性水素基は、架橋剤との反応に必要であるが、過剰になると感圧式接着剤として用い
た場合に、耐湿熱性が低下する恐れがあるからである。具体的には、側鎖(I)の末端に
アミノ基やカルボキシル基が必要以上に存在するとき上記物性低下の恐れがある。
また封止化合物(E)を用いることで、共重合体(B)の側鎖(I)の末端以外に存在
するアミノ基、カルボキシル基も同時に封止することができる。そのため側鎖(II)の末
端は活性水素基を有しないことが好ましい。しかし、求める物性によっては側鎖(II)の
末端は、アミノ基とカルボキシル基以外の官能基を有しても良い。
上述のような封止反応によって、共重合体(B−2)が有する側鎖には、活性水素基を
有する架橋反応可能な側鎖と、活性水素基を有しない(封止された)側鎖とが存在する。
つまり、本発明の共重合体(B−2)は、架橋可能な官能基を有する側鎖(側鎖I)と、
アミノ基やカルボキシル基などの活性水素基を有しない(封止された)側鎖(側鎖II)と
を含む複数の側鎖が共重合体の主鎖から分岐しており、封止化合物(E)の種類によって
、側鎖末端の構造が異なるため、感圧式接着剤に用いた場合は密着性や耐久性等の様々な
特性を付与できる。
本発明で、側鎖(I)を形成する反応と側鎖(II)を形成する反応において、触媒を適
宜使用することが好ましい。触媒としては、アンモニア、アミン類、4級アンモニウム塩
類、4級ホスホニウム塩類、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ土類金属水酸化物類、ル
イス酸類、錫,鉛,チタン,鉄,亜鉛,ジルコニウム,コバルト等を含有した有機金属化
合物類、金属ハロゲン化物類等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、フェニルアミン、モルホリ
ン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘ
キシルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルオキサゾリン、イミダゾール、N−メチルイ
ミダゾール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、
N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等を挙げるこ
とができる。
4級アンモニウム塩類としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テト
ラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムフルオライドトリヒドレー
ト、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウム
ヒドロゲンフタレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドペンタヒドレート、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テト
ラメチルアンモニウムニトレート、テトラメチルアンモニウムパークロレート、テトラメ
チルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムトリブロマイド、
フェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テ
トラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムフルオライドトリヒドレ
ート、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイ
ド、テトラエチルアンモニウムパークロレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオ
ロボレート、テトラエチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、テトラプロピルア
ンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモ
ニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアン
モニウムパークロレート、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、
テトラ−n−プロピルアンモニウムパールテネート(VII)、テトラブチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラブチルアンモニウムトリブロマイド、テトラブチルアンモニウムク
ロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキ
サイド、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニ
ウムヒドロゲンサルフェート、テトラブチルアンモニウムニトレート、テトラブチルアン
モニウムテトラヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テ
トラブチルアンモニウムシアノトリヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムジフルオ
ロトリフェニルスタンネート、テトラブチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、
テトラブチルアンモニウムテトラチオフェネート(IV)、テトラブチルアンモニウムフ
ルオライドヒドレイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムジヒドロゲントリフルオライド
、テトラ−n−ブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルアンモ
ニウムビス(2,3−ジメルカプト−2−ブテンジニトリレート−S,S’)ニコレート
、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムク
ロライド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアン
モニウムベンゾエート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘ
キシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアイオダイド、テト
ラ−n−ヘキシルアンモニウムパークロレート、テトラオクチルアンモニウムブロマイド
、テトラオクタデシルアンモニウムブロマイド等を挙げることができる。
4級ホスホニウム塩類としては、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライ
ド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイ
ド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムクロライ
ド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボ
レート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニ
ウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラ
ブチルホスホニウムビス(1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テト
ラブチルホスホニウムビス(4−メチル−1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(
III)、テトラブチルホスホニウムビス(4,5−メルカプト−1,3−ジチオール−
2−チオネート−S4、S5)ニコレート(III)等を挙げることができる。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム
、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の
アルカリ土類金属水酸化物類;を挙げることができる。
有機錫化合物類としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、
ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTD
L)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、
トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブ
チル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫
トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
有機ジルコニウム化合物類としては、例えば、エタン酸ジルコニウム、ベンゼンカルボ
ン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等を挙げることができる。
有機チタン化合物類としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチ
ルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピ
ルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等を挙げることができる。
有機鉛化合物類としては、例えば、エタン酸鉛、(Z)−オクタデカ−9−エン酸鉛、
2−エチルヘキサン酸鉛、ベンゼンカルボン酸鉛、ナフテン酸鉛などを挙げることができ
る。
有機鉄化合物類としては、例えば、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート
などを挙げることができる。
有機コバルト化合物類としては、例えば、エタン酸コバルト、ベンゼンカルボン酸コバ
ルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等を挙げることができる。
有機亜鉛化合物類としては、例えば、エタン酸亜鉛、エタン二酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛
、2−エチルヘキサン酸亜鉛等を挙げることができる。
金属ハロゲン化物類としては、例えば、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を挙
げることができる。
さらには、三フッ化ホウ素、エタン酸マンガン、酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン
、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化チタン等のルイス酸類が挙げられる。これらの触
媒は一種のみを用いても、又は二種以上を併用しても良い。触媒の使用量としては、共重
合体(B)と封止化合物(E)の合計100重量部に対して0.0001〜10重量部用
いることが好ましく、0.0001〜1重量部の範囲がより好ましい。10重量部を超え
る量を用いると、生成物が着色したり、失活していない触媒が接着物性に悪影響を与える
などの恐れがある。
本発明の感圧式接着剤は、上述の製造方法により得られた感圧式接着剤用樹脂と、上述
した反応性化合物(C)とを含むことが好ましい。
本発明に用いられる反応性化合物(C)は、感圧式接着剤用樹脂が有する、水酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基、アミド基、マレイミド基などと反応しうる官能基を有する化合
物である。このような化合物としてはポリイソシアネート化合物、オキシラン化合物、ア
ミン化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、メラミン
化合物及び金属キレート化合物などが挙げられる。これらの化合物は官能基を分子内に2
個以上有することが必要である。
感圧式接着剤用樹脂が有する活性水素基がカルボキシル基の場合、反応性化合物(C)
としては、ポリイソシアネート化合物、オキシラン化合物、アミノ化合物、アジリジン化
合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、金属キレート化合物が挙げられる。活性水
素基がアミノ基の場合は、反応性化合物(C)としては、ポリイソシアネート化合物が挙
げられる。これらの中で特にポリイソシアネート化合物は、架橋反応後の樹脂組成物の接
着性や被覆層への密着性に優れていることから好ましく用いられる。
例えば、ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリ
イソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げら
れる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4
’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリ
イソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリ
フェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチ
レンジイソシアネート、1,2−プロペンジイソシアネート、2,3−ブテンジイソシア
ネート、1,3−ブテンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,
3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,
ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることが
できる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5
−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイ
ソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイ
ソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シ
クロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また上記ポリイソシアネートの2−メチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,
3−ジオール、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。ポリフェ
ニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれら
のポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、
カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソ
シアヌレート基のいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用でき
る。ポリオールとジイソシアネートの反応物もポリイソシアネートとして使用することが
できる。
これらポリイソシアネート化合物の内、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジ
イソシネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添
MDI)等の無黄変型または難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いると耐候性、耐
熱性あるいは耐湿熱性の点から、特に好ましい。
反応性化合物(C)としてポリイソシアネート化合物を使用する場合、反応促進のため
、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。例えば三級アミン系化合物、有機金
属系化合物等が挙げられ、単独でもあるいは複数を使用することもできる。
3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエテンジアミン、N,N−ジメ
チルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等が
挙げられ、場合によっては単独、もしくは併用することもできる。
有機金属系化合物としては、錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジ
ブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫
オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキ
サイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロア
セテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネ
ート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、(Z)−オクタデカ−9−エ
ン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ベンゼンカルボン酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2
−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、ベンゼンカルボン酸コバル
ト、2−エチルヘキ酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン
酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等
が反応性や衛生性の点で好ましい。
反応性化合物(C)のうち、オキシラン化合物の例としては、2,2−ビス(ヒドロキ
シフェニル)プロパン・2−クロロメチルオキシラン型のオキシラン系樹脂や2,2−ビ
ス(ヒドロキシフェニル)メタン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン型
、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン型、4,4’−スルフォニルジフェノ
ール型、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エテン型、1,3
−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン型、2,2−ビス(
4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)メタン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン型、2,2−ビス
(2−ヒドロキシ−5−−ビフェニルイル)プロパン型及びこれらの共重合型のオキシラ
ン系樹脂、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、パラターシャリー
ブチルフェノールノボラック型、パラオクチルフェノールノボラック型、ノニルフェノー
ルノボラック型及びこれらの共縮合型のオキシラン樹脂、エテンオキサイドジグリシジル
エーテル、ポリエテンオキサイドジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、2−メチルペンタン-2,4-ジオールトリグリシジルエーテル、ジグリシジルフェニ
ルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−
ビス(N、N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
反応性化合物(C)のうち、アミン化合物の例としては、好ましくは1級アミノ基を2
個以上有するポリアミンであり、硬化速度が優れる点から、芳香環に直接結合していない
1級アミノ基を2個以上有するポリアミンである脂肪族系ポリアミン(その骨格に芳香環
を含んでも良い)が好ましい。
脂肪族系ポリアミンとしては、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、
メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子
両末端のプロピレン分岐炭素にアミノ基が結合したポリプロペンオキサイド(プロペンオ
キサイド骨格のジアミン、、プロペン骨格のトリアミン等)、エテンジアミン、プロペン
ジアミン、ブテンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエテンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノ
ビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、エテンオキサイド骨格のジアミ
ン等のアミン窒素にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミ
ノ−2−メチルペンタン、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ポリアミドアミン、イ
ソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミ
ノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル
アミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン等を挙げることができる。
これらの中でも、特に硬化速度が高いことから、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキ
サン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン、H2N(CH2
2O)2(CH22NH2(エテンオキサイド骨格のジアミン)、プロペンオキサイド骨
格のジアミン、プロペンオキサイド骨格のトリアミン、ポリアミドアミンが有用に使用さ
れる。
またこれらのポリアミンとケトンとの反応物であるケチミンもアミノ系化合物に含まれ
、安定性、反応性の調整および重ね塗り性の観点から、1−フェニルエタノンまたは1−
フェニルエタン−1−オンと1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとから得られるも
の;1−フェニルエタノンまたは1−フェニルエタン−1−オンとノルボルナン骨格のジ
メチレンアミン(NBDA)とから得られるもの;1−フェニルエタノンまたは1−フェ
ニルエタン−1−オンとメタキシリレンジアミンとから得られるもの;1−フェニルエタ
ノンまたは1−フェニルエタン−1−オンと、エテンオキサイド骨格またはプロペンオキ
サイド骨格のジアミンであるジェファーミンEDR148、ジェファーミンD230、ジ
ェファーミンD400等またはプロペンオキサイド骨格のトリアミンであるジェファーミ
ンT403等とから得られるもの等も使用することができる。
反応性化合物(C)のうち、アジリジン化合物の例としては、N,N’−ジフェニルメ
タン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4
−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジ
リジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−
1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、2−メチルペンタン−2,4−ジオー
ル−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジ
リジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−ト
リアジン、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−アジリジニル)プ
ロピオネート]、2−メチルペンタン−2,4-ジオールトリス[3−(1−アジリジニ
ル)ブチレート]、2−メチルペンタン−2,4-ジオールトリス[3−(1−(2−メ
チル)アジリジニル)プロピオネート]、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス
[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]、2,2’−ビスヒドロキシ
メチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ペンタエリスリ
トールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−4,4
−ビス−N,N’−エチレンウレア、1,6−ヘキサメチレンビス−N,N’−エチレン
ウレア、2,4,6−(トリエチレンイミノ)−Syn−トリアジン、ビス[1−(2−
エチル)アジリジニル]ベンゼン−1,3−カルボン酸アミド等が挙げられる。
反応性化合物(C)のうち、カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基(−N
=C=N−)を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられ、公知のポリカルボジ
イミドを用いることができる。
また、カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネ
ートを脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用で
きる。このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させたもの
が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’
−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4
,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシア
ネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニ
ル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、ま
たは、これらの混合物を使用することができる。
カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−
メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1
−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホ
レン異性体等のホスホレンオキシドを利用することができる。このような高分子量ポリカ
ルボジイミドとしては日清紡績株式会社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。
反応性化合物(C)のうち、オキサゾリン化合物としては、分子内にオキサゾリン基を
2個以上有する化合物が好ましく用いられ、具体的には、2′−メチレンビス(2−オキ
サゾリン)、2,2’−エテンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エテンビス(4−
メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−プロペンビス(2−オキサゾリン)、2,2′
−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキ
サゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェ
ニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル
−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン
)、2,2′−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−m
−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−
2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサ
ゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、
2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(
4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビ
ス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン
)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。また
は、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル
−2−オキサゾリンなどのエテニル系単量体と、これらのエテニル系単量体と共重合しう
る他の単量体との共重合体でもよい。
反応性化合物(C)のうち、メラミン化合物としては、トリアジン環を分子内に有する
化合物であり、メラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、メチル
グアナミン、エテニルグアナミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチ
ルベンゾグアナミン等が挙げられる。また、これらの低縮合化物やアルキルエーテル化ホ
ルムアルデヒド樹脂やアミノプラスト樹脂を使用しても良い。
反応性化合物(C)のうち、金属キレート化合物の例としては、アルミニウム、鉄、銅
、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、ク
ロム、ジルコニウムなどの多価金属がアセチルアセトンやアセトエタン酸エチルに配位し
た化合物が挙げられる。
これらの反応性化合物(C)は、単独あるいは複数を使用することもできる。
また、反応性化合物(C)は、感圧式接着剤用樹脂100重量部に対して、0.001
〜50重量部用いることが好ましく、0.01〜30重量部用いることがより好ましい。
反応性化合物(C)の使用量が、50重量部を越えると感圧式接着フィルムの接着性が低
下する恐れがある。一方、0.001重量部未満では、充分な架橋構造が得られないため
、接着層の凝集力が低下し、耐熱性、耐湿熱性が低下する恐れがある。
本発明の感圧式接着剤は、有機溶剤を含むことが好ましい。また本発明の効果を損なわ
ない範囲で有れば、各種樹脂、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、タッキファイヤ、シラ
ンカップリング剤、可塑剤、充填剤、耐電防止剤および老化防止剤等を配合しても良い。
本発明の感圧式接着フィルムは、基材(F)上に上述の感圧式接着剤からなる接着層が
形成されたものである。感圧式接着フィルムの製造方法として、例えば剥離ライナーの剥
離処理面に感圧式接着剤を塗工、乾燥し、基材(F)を貼り合わせて作製する方法、また
は基材(F)に感圧式接着剤を塗工、乾燥し、接着層の表面に剥離ライナーの剥離処理面
を貼り合わせて作製する方法が挙げられる。
基材(F)とはセロハン、各種プラスチックシート、紙等のシート状基材が挙げられる
。また、基材は単独でも用いることもできるし、複数の基材を積層してなる多層状態にあ
るものも用いることができる。さらに表面を剥離処理したシート状基材も用いることもで
きる。
各種プラスチックシートとしては、各種プラスチックフィルムともいい、ポリエテノー
ルフィルム(PEAフィルムとも称する)やトリアセチルセルロースフィルム(TACフ
ィルムとも称する)、ポリプロペン(PPフィルムとも称する)、ポリエテン(PEフィ
ルムとも称する)、ポリシクロオレフィン(COPフィルムとも称する)、エテン−エタ
ン酸エテニル共重合体(EVAフィルムとも称する)などのポリオレフィン系樹脂のフィ
ルム、ポリエテンテレフタレート(PETフィルムとも称する)やポリブテンテレフタレ
ート(PBTフィルムとも称する)などのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネ
ート系樹脂のフィルム(PCフィルムとも称する)、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム
、ポリアリレート系樹脂のフィルム、プロペン酸系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂のフィルム(PPSフィルムとも称する)、ポリエテニルベンゼン樹脂のフ
ィルム(PSTフィルムとも称する)、エテニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂の
フィルム(PAフィルムとも称する)、ポリイミド系樹脂のフィルム(PIフィルムとも
称する)、オキシラン系樹脂のフィルムなどが挙げられる。これら基材の中でも、特にP
EAフィルム、TACフィルム、ポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエステル系樹脂
のフィルム、PCフィルムといったシート状基材を光学フィルムとして用いることが好ま
しい。
また本発明では、基材(F)に光学フィルムを用い、前記光学フィルム上へ感圧式接着
剤からなる接着層が形成された光学接着フィルムとするとも好ましい。前記光学接着フィ
ルムは、液晶セル等へ積層する等ディスプレイ用途に用いることもできる。
本発明において用いられる光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、楕
円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、ポリエテノール系偏光子の両面を2枚のトリアセ
チルセルロース系保護フィルムや2枚のシクロオレフィン系フィルムで挟んだ多層構造フ
ィルムである。
常法にしたがって適当な方法で剥離ライナーや光学フィルムに感圧式接着剤を塗工した
後、感圧式接着剤が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、加熱等の方法により
液状媒体を除去したり、感圧式接着剤が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状
態にある樹脂層を冷却して固化したりして、剥離ライナーや光学フィルムの上に接着層を
形成することができる。
接着層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、0.1μm〜100
μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な接着力が得られないことがあ
り、200μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の感圧式接着剤を塗工する方法としては、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛
、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコー
ター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等を用いることが好ましい。
本発明の積層体は、基材として光学フィルムを用い、本発明の感圧式接着剤から形成し
た接着層とガラスが順次積層したものである。ここで光学フィルムは偏光フィルムが好ま
しい。またガラスは液晶セルのガラス面であっても良い。
以下に、この発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、この発明は、下記実
施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞ
れ「重量部」および「重量%」を表す。
(合成例1)
<共重合体(A)の製造(工程1)>
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた重合反応装置の
重合槽及び滴下装置に、下記単量体(活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1)、
及びα,β−不飽和単量体(a−2))、重合開始剤、及び溶剤をそれぞれ下記の比率で
仕込んだ。
[重合槽]
プロペン酸n−ブチル(a−2) 29.5部
プロペン酸メチル(a−2) 15部
プロペン酸(a−1) 5部
2−メチルプロペン酸2−ヒドロキシエチル(a−1) 0.5部
エタン酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸n−ブチル(a−2) 45部
プロペン酸(a−1) 5部
エタン酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、還流温度下で
反応を開始した。重合転化率が約70%まで達したところで、滴下装置から上記混合物の
滴下を開始した。滴下終了後、さらに攪拌しながら8時間熟成した後、エタン酸メチル:
167部を加えて室温まで冷却し、共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た
。この溶液は、無色透明で、不揮発分30.1重量%、粘度9,000mPa・sであり
、前記共重合体(A)は、酸価77.8mgKOH/g、ガラス転移温度−35℃、重量平
均分子量1,425,000であった。
<共重合体(B)の製造(工程2)>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を重合槽に取り付けた重合反応
装置を用意し、重合槽及び滴下装置に、工程(1)で得た共重合体(A)溶液,環状アミ
ド化合物(D)、触媒及び有機溶剤を各々下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
共重合体(A)溶液 200部
[滴下装置]
ε−カプロラクタム(D) 60部
テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート(触媒) 0.5部
エタン酸エチル 30部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、樹脂溶液を攪拌し、溶剤を系外に脱離しなが
ら1時間で120℃に昇温した。この時、脱離した溶剤量は30部であった。
次いで、これに滴下装置より環状アミド化合物(D)混合物を1時間かけて等速で滴下
した。さらに、攪拌しながら12時間反応・熟成した後、エタン酸エチルを140部加え
て室温まで冷却して反応を終了し、側鎖(I)を有する共重合体(B)を含む感圧式接着
剤用樹脂溶液を得た。この溶液は、無色透明で、不揮発分30.2重量%、粘度8,80
0mPa・sであり、感圧式接着剤用樹脂は、酸価38.9mgKOH/g、ガラス転移
温度−36℃、重量平均分子量1,350,000の樹脂であった。
<共重合体(B−2)の製造(工程3)>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を重合槽に取り付けた重合反応
装置を用意し、重合槽及び滴下装置に、工程(2)で得た共重合体(B−2)を含む感圧
式接着剤用樹脂溶液、アミノ基含有化合物(e−4)、触媒及び有機溶剤をそれぞれ下記
の比率で仕込んだ。
[重合槽]
共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液 200部
[滴下装置]
トリエチルアミン(e−4) 2部
テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート(触媒) 0.5部
エタン酸エチル 10部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、溶液を攪拌しながら90℃に昇温した。次い
で、攪拌中の溶液に滴下装置より上記アミノ基含有化合物(e−4)混合物を1時間かけ
て等速で滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら6時間熟成した後、エタン酸エチル
を36部加えて室温まで冷却し、共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得
た。この溶液は、無色透明で、不揮発分25.5重量%、粘度5,000mPa・sであ
り、この感圧式接着剤用樹脂は、酸価5.4mgKOH/g、アミン価0.2mgKOH
/g、ガラス転移温度−36℃、重量平均分子量1,300,000であった。また感圧
式接着剤用樹脂はC13核磁気共鳴スペクトル(C13−NMR)より、アミン化合物(
e4)の約96%が側鎖(I)と反応して側鎖(II)を形成したことが確認できた。
(合成例2)
合成例1の工程(1)において用いた単量体の組成を変更して、重合槽及び滴下装置に
それぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
プロペン酸n−ブチル(a−2) 34.6部
プロペン酸メチル(a−2) 15部
プロペン酸(a−1) 0.3部
2−メチルプロペン酸2−ヒドロキシエチル(A) 0.1部
エタン酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸n−ブチル(a−2) 49.8部
プロペン酸(a−1) 0.2部
エタン酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、混合物を攪拌しながら90℃に昇温し、8時
間反応させ、合成例1の工程(1)と同様にして共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹
脂溶液を得た。この溶液は、無色透明で不揮発分30.3重量%、粘度7,600mPa
・sであり、感圧式接着剤用樹脂は、酸価3.9mgKOH/g、ガラス転移温度−39℃
、重量平均分子量1,100,000であった。
(合成例3)
合成例1の工程(2)において用いた環状アミド化合物(D)をδ−バレロラクタム6
0部に変更し、得られた共重合体(B)溶液200部を工程(3)において使用したこと
以外は合成例1と同様にして調製を行って、エタン酸エチルで不揮発分を約30重量%に
調整し、無色透明で、不揮発分25.2%、粘度4,000mPa・sの共重合体(B−
2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂は、酸価5.5mgKO
H/g、アミン価0.3mgKOH/g、ガラス転移温度−37℃、重量平均分子量12
7,000であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は
約95%の含有割合だった。
(合成例4)
合成例1の工程(2)において用いた環状アミド化合物(D)をγ−ブチロラクタム6
0部に変更し、得られた共重合体(B)溶液200部を工程(3)において使用したこと
以外は合成例1と同様にして調製を行って、エタン酸エチルで不揮発分を約30重量%に
調整し、無色透明で、不揮発分30.3%、粘度3,800mPa・sの共重合体(B−
2)を含む感圧式接着剤用樹脂の溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂は、酸価5.2mgK
OH/g、アミン価0.2mgKOH/g、ガラス転移温度−38℃、重量平均分子量1
,130,000であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−
2)は約97%の含有割合だった。
(合成例5)
合成例1の工程(3)で使用したアミノ基含有化合物(e−4)であるトリエチルアミ
ンをイソシアネート基含有化合物(e−3)のフェニルイソシアネート4部に変更した以
外は合成例1の工程(3)と同様にして調製を行って、エタン酸エチルで不揮発分を約2
5重量%に調整し、無色透明で、不揮発分25.2%、粘度4,500mPa・sの共重
合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂は、酸価5.
5mgKOH/g、ガラス転移温度−35℃、重量平均分子量1,320,000であっ
た。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は約95%の含有割
合だった。
(合成例6)
合成例1の工程(3)で使用したアミノ基含有化合物(e−4)であるトリエチルアミ
ンをグリシジル基含有化合物(e−2)のフェニルグリシジルエーテル6部に変更した以
外は合成例1の工程(3)と同様にして調製を行って、無色透明で、不揮発分25.1%
、粘度4,700mPa・sの共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た
。感圧式接着剤用樹脂は、酸価4.6mgKOH/g、ガラス転移温度−33℃、重量平
均分子量1,330,000であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重
合体(B−2)は約95%の含有割合だった。
(合成例7)
合成例1の工程(1)において用いた単量体の組成を変更して、重合槽及び滴下装置に
それぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
プロペン酸2−エチルヘキシル(a−2) 35部
プロペン酸n−ブチル(a−2) 5部
プロペン酸メチル(a−2) 5部
プロペン酸テトラメチルピペリジン(a−1) 5部
エタン酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸2−エチルヘキシル(a−2) 45部
プロペン酸テトラメチルピペリジン(a−1) 5部
エタン酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、混合物を攪拌しながら90℃に昇温し、8時
間反応させ、合成例1の工程(1)と同様にして共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹
脂の溶液を得た。この溶液は、淡黄色透明、で不揮発分30.2重量%、粘度5,000
mPa・sであり、感圧式接着剤用樹脂は、アミン価24.9mgKOH/g、ガラス転
移温度−40℃、重量平均分子量610,000であった。
上記工程(1)で得た共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液,環状アミド(D
)、触媒及び有機溶剤を各々下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして反応
し、エタン酸エチルで不揮発分を約30重量%に調整して、共重合体(B)含む感圧式接
着剤用樹脂の透明な溶液を得た。
[重合槽]
共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液 200部
[滴下装置]
ε−カプロラクタム(D) 120部
テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート(触媒) 0.5部
エタン酸エチル 60部
この溶液は、無色透明で、不揮発分30.1重量%、粘度3,800mPa・sであり
、感圧式接着剤用樹脂は、アミン価8.1mgKOH/g、ガラス転移温度−42℃、重
量平均分子量650,000の樹脂であった
次に、合成例1の工程(3)で使用したアミノ基含有化合物(e−4)であるトリエチ
ルアミンをイソシアネート基含有化合物(e−3)のフェニルイソシアネート0.8部に
変更した以外は合成例1の工程(3)と同様にして調製を行って、エタン酸エチルで不揮
発分を約30重量%に調整し、無色透明で、不揮発分30.3%、粘度3,200mPa
・sの共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂は
、アミン価2,0mgKOH/g、ガラス転移温度−41℃、重量平均分子量580,0
00であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は約94
%の含有割合だった。
(合成例8)
合成例7の工程(1)において用いた単量体の組成を変更して、重合槽及び滴下装置に
それぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例5と同様にして重合し、共重合体(A)
含む感圧式接着剤用樹脂の透明な溶液を得た。
[重合槽]
プロペン酸2−エチルヘキシル(a−2) 39.6部
プロペン酸n−ブチル(a−2) 5部
プロペン酸メチル(a−2) 5部
プロペン酸テトラメチルピペリジン(a−1) 0.3部
エタン酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸2−エチルヘキシル(a−2) 49.9部
プロペン酸テトラメチルピペリジン(a−1) 0.2部
エタン酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
この溶液は、無色透明で、不揮発分30.4%、粘度6,000mPa・sであった。
感圧式接着剤用樹脂は、アミン価1.2mgKOH/g、ガラス転移温度−43℃、重量
平均分子量710,000であった。
(合成例9)
合成例7の工程(2)において用いた環状アミド化合物(D)をδ−バレロラクタム1
20部に変更し、得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液200部を工程
(3)において使用したこと以外は合成例7と同様にして調製を行って、エタン酸エチル
で不揮発分を約30重量%に調整し、無色透明で、不揮発分30.3%、粘度3,100
mPa・sの共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用
樹脂は、アミン価1.9mgKOH/g、ガラス転移温度−42℃、重量平均分子量55
0,000であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は
約98%の含有割合だった。
(合成例10)
合成例7の工程(2)において用いた環状アミド化合物(D)をγ−ブチロラクタム1
20部に変更し、得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液200部を工程
(3)において使用したこと以外は合成例7と同様にして調製を行って、エタン酸エチル
で不揮発分を約30重量%に調整し、無色透明で、不揮発分30.0%、粘度3,300
mPa・sの共重合体(3)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂
は、アミン価2.0mgKOH/g、ガラス転移温度−43℃、重量平均分子量520,
000であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は約9
7%の含有割合だった。
(合成例11)
合成例7の工程(3)においてフェニルイソシアネートの部数を0.6部に変更したこ
と以外は合成例7と同様にして調製を行って、エタン酸エチルで不揮発分を約30重量%
に調整し、無色透明で、不揮発分30.5%、粘度3,200mPa・sの共重合体(B
−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂は、アミン価3.5m
gKOH/g、ガラス転移温度−41℃、重量平均分子量570,000であった。尚、
上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は約98%の含有割合だった
(合成例12)
合成例7の工程(3)において用いたアミノ基含有化合物(e−4)を酸無水物基含有
化合物(e−1)としてイソベンゾフラン−1,3−ジオン1.5部に変更したこと以外
は合成例7と同様にして調製を行って、エタン酸エチルで不揮発分を約30重量%に調整
し、無色透明で、不揮発分30.2%、粘度5,000mPa・sの共重合体(B−2)
を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂は、酸価8.6mgKOH/g
、アミン価0.1mgKOH/g、ガラス転移温度−35℃、重量平均分子量680,0
00であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は約98
%の含有割合だった。
(合成例13)
合成例1において用いた単量体の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記
の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、共重合体(A)を含む感圧式
接着剤用樹脂の透明な溶液を得た。
[重合槽]
2−メチルプロペン酸ラウリル(a−2) 18部
プロペン酸エチル(a−2) 20部
エタニルピロリドン(a−2) 5部
2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−1,3,5−トリアジン
(a−1) 7部
エタン酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
2−メチルプロペン酸ラウリル(a−2) 5部
プロペン酸エチル(a−2) 40部
2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−1,3,5−トリアジン
(a−1) 5部
エタン酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、混合物を攪拌しながら90℃に昇温し、8時
間反応させ、合成例1の工程(1)と同様にして共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹
脂溶液を得た。この溶液は、無色透明で、不揮発分30.1%、粘度8,500mPa・
sであった。感圧式接着剤用樹脂は、アミン価61.0mgKOH/g、ガラス転移温度
−28℃、重量平均分子量1,650,000であった。
上記工程(1)で得た共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液,環状アミド化合
物(D)、触媒及び有機溶剤を各々下記の比率で仕込み、それ以外は合成例13と同様に
して反応し、エタン酸エチルで不揮発分を約30重量%に調整して、共重合体(B)含む
感圧式接着剤用樹脂の透明な溶液を得た。
[重合槽]
共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液 200部
[滴下装置]
γ−ノナラクタム(D) 160部
テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(触媒) 0.5部
エタン酸エチル 60部
この溶液は、無色透明で、不揮発分30.3重量%、粘度7,800mPa・sであり
、感圧式接着剤用樹脂は、アミン価8.2mgKOH/g、ガラス転移温度−32℃、重
量平均分子量1,580,000の樹脂であった
次に、合成例1の工程(3)で使用したアミノ基含有化合物(e−4)であるトリエチ
ルアミンをイソシアネート基含有化合物(e−3)のフェニルイソシアネート1部に変更
した以外は合成例1の工程(3)と同様にして調製を行って、エタン酸エチルで不揮発分
を約30重量%に調整し、無色透明で、不揮発分30.4%、粘度7,200mPa・s
の共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を得た。感圧式接着剤用樹脂は、ア
ミン価0.9mgKOH/g、ガラス転移温度−30℃、重量平均分子量1,500,0
00であった。尚、上記樹脂中において、側鎖(II)由来の共重合体(B−2)は約98
%の含有割合だった。
(合成例14)
合成例13において用いた単量体の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下
記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、共重合体(A)を含む感圧
式接着剤用樹脂の透明な溶液を得た。
[重合槽]
2−メチルプロペン酸ラウリル(a−2) 24.9部
プロペン酸エチル(a−2) 20部
エタニルピロリドン(a−2) 5部
プロペン酸(a−1) 0.1部
エタン酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
2−メチルプロペン酸ラウリル(a−2) 9.9部
プロペン酸エチル(a−2) 40部
プロペン酸(a−1) 0.1部
エタン酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、混合物を攪拌しながら90℃に昇温し、8時
間反応させ、合成例1の工程(1)と同様にして共重合体(A)含む感圧式接着剤用樹脂
溶液を得た。この溶液は、無色透明で、不揮発分30.2%、粘度8,500mPa・s
であった。感圧式接着剤用樹脂は、酸価1.6mgKOH/g、ガラス転移温度−30℃
、重量平均分子量1,350,000であった。
合成例1〜14で得た感圧式接着剤用樹脂溶液は、溶液外観、不揮発分(NV)、粘度
(Vis)、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、酸価(AV)、アミン
価(AmV)及び側鎖(II)の生成率を以下のように評価した。結果を表1に示す。
Figure 2011093969
表1中の記号は以下の通りである。
PAEH:プロペン酸2−エチルヘキシル、PAB:プロペン酸n−ブチル、PAM:
プロペン酸メチル、PAE:プロペン酸エチル、PA:プロペン酸、MPAHE:2−メ
チルプロペン酸2−ヒドロキシエチル、MPAL:2−メチルプロペン酸ラウリル、PA
TMP:プロペン酸テトラメチルピペリジン、PATAZ:2,4−ジアミノ−6−メタ
クリロイルオキシエチル−1,3,5−トリアジン、EP:エタニルピロリドン、EAc
:エタン酸エチル、MeAc:エタン酸メチル、εCL:ε−カプロラクタム、γBL:
γ−ブチロラクタム、δVL:δ−バレロラクタム、γNL:γ−ノナラクタム、TEA
:トリエチルアミン、PhEp:フェニルグリシジルエーテル、PhAnh:イソベンゾ
フラン−1,3−ジオン、PhNCO:フェニルイソシアネート、TBAB:テトラブチ
ルアンモニウムテトラヒドロボレート、TBPHFP:テトラブチルホスホニウムヘキサ
フルオロホスフェート。
<溶液外観>
感圧式接着剤用樹脂溶液の外観を目視にて評価した。
<不揮発分濃度(NV)の測定>
感圧式接着剤用樹脂溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃のオーブンで20分間
乾燥して、残分を秤量して残率を計算することによって、不揮発分濃度(%)とした。
<溶液の粘度(Vis)の測定>
感圧式接着剤用樹脂溶液の温度を25℃に維持し、B型粘度計(東京計器社製)を用い
て、12rpm、1分間回転の条件で粘度(mPa・s)を測定した。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
感圧式接着剤用樹脂を、テトラヒドロフランに溶解し、東ソー株式会社製GPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフ)「HPC−8020」を用い、液体クロマトグラフィ
ーによって分子サイズの差による分離定量を行って、共重合体の重量平均分子量(Mw)
をポリエテニルベンゼン換算で求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)
に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続し
て、測定に使用した。
感圧式接着剤用樹脂溶液を、剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工・乾燥し、乾
燥した共重合体を約10mgかきとり、試料としてアルミニウムパンに入れ、秤量して示
差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスと
して、100℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理し
た。その後10℃/分で昇温し、昇温中に得られたDSCチャートからガラス転移温度(
Tg)(℃)を決定した。
<酸価(AV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料約1.5gをそれぞれ精密に量り採り、トルエン/エタノー
ル(容積比で2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイ
ン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nア
ルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/10
0)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<アミン価(AmV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料約1.5gをそれぞれ精密に量り採り、トルエン/エタノー
ル(容積比で2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更に二硫化炭素を正確に2m
l加えて攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持
続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で
滴定する。
アミン価は次式により、1級及び2級の総和のアミン価として求めた。アミン価は樹脂
の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
アミン価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×5.611}/S]/(不揮発分
濃度/100)−D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<側鎖(II)の生成率>
側鎖(II)の生成率は、C13核磁気共鳴スペクトル(C13−NMR)を用いて求め
た。
感圧式接着剤用樹脂溶液を、剥離ライナーに塗工・乾燥し、乾燥した感圧式接着剤用樹
脂を約10gかきとり、10φの測定管(高さ約5cm)に入れ、重クロロベンゼン約0.
2ml及びクロロベンゼン約5mlを加えた後、蓋をして120℃×1時間オーブンで溶
解させて、測定サンプルとした。この測定サンプルを核磁気共鳴吸収装置(日本電子社製
:JMN−LA400)を用いて、測定温度120℃、スピン強度17rpmの条件下で
測定した。
核磁気共鳴吸収法は、化学構造に起因して様々なパターンを示す。同じC−H結合やC
−O結合でも周辺構造により異なる化学シフトでシグナルが現れるため、共重合体の構造
で特徴的な結合にあらかじめ着目し、その化学シフトのシグナルの強度を用いて、共重合
体の定量にも用いることができる。感圧式接着剤用樹脂中の側鎖(II)を有する共重合体
(B−2)の生成割合は、環状エステル化合物の開環反応により、発現した活性水素基に
直結する炭素原子の化学シフトの同定により、生成率を求めた。
(実施例1)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液100部に対し
て、エタン酸エチルを加え、更に反応性化合物(C)として、TDI/MHPD(トリレ
ンジイソシネートの2−メチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオールア
ダクト体)10部を加えて、不揮発分約20%にし、よく撹拌して、感圧式接着剤を得た

これを剥離ライナー上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分
間乾燥させ、接着層を形成した。
乾燥後、接着層に、ポリエテノール(PEA)系偏光子の両面をトリアセチルセルロー
ス系保護フィルムで挟んだ多層構造の偏光フィルム(偏光板ともいう。)の片面を貼り合
せ、「剥離ライナー/接着層/TACフィルム/PEA/TACフィルム」なる積層構成
にして、さらに温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成し、感圧式接着フィルムを
得た。
(比較例1)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例1の工程(1)で得られた共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いた以
外は実施例1と同様にして感圧式接着フィルムを作成しようとしたが、感圧式接着剤の粘
度が急激に上昇し、塗工できなかった。
(比較例2)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例2で得られた共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いた以外は、実施例
1と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(実施例2〜5)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例3〜6で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いた以外は
、実施例1と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(実施例6〜9)
合成例1で使用した共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液に、反応性化合
物(C)としてTDI/MHPD10部に代えて、実施例6ではHBAP(2,2’−ビ
スヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート])0
.1部、実施例7ではTGMXDA(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシ
リレンジアミン)1部、実施例8ではV−05(カルボジイミド化合物である「カルボジ
ライトV−05」:日清紡績株式会社製)1部、実施例9ではAlキレート(アルミニウ
ムトリス(アセチルアセトネート))1部を、それぞれ添加したこと以外は、実施例1と
同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。尚、実施例7では溶剤をエタン酸エチル(
EAc)からイソプロピルアルコール(IPA)に変更して使用した以外は、実施例1と
同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(比較例3)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例13の工程(1)で得られた共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いた
以外は実施例1と同様にして感圧式接着フィルムを作成しようとしたが、感圧式接着剤の
粘度上昇が急激に進行し、塗工することができなかった。
(比較例4)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例14の工程(1)で得られた共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いた
以外は実施例1と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(実施例10)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例13の工程(2)で得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いて
、反応性化合物(C)として使用したTDI/MHPDの部数を1部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(実施例11)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例13で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いて、反応性
化合物(C)として使用したTDI/MHPDの部数を1部に変更した以外は、実施例1
と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(実施例12、13)
合成例13で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液に、反応性化
合物(C)として、TDI/MHPDに代えて、実施例12ではXDI/EHPD(キシ
リレンジイソシネートの2−メチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオー
ルアダクト体)を、実施例13ではHMDI/ビュレット(ヘキサメチレンジイソシアネ
ートのビュレットアダクト体)を、それぞれ1部添加したこと以外は、実施例1と同様に
して、感圧式接着フィルムを作製した。
(実施例14)
合成例7の工程(2)で得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液100
部に対して、エタン酸エチルを加え、更に反応性化合物(C)として、TDI/MHPD
(トルレンジイソシネートの2−メチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジ
オールアダクト体)1部を加えて、不揮発分約20%に調整して、よく撹拌して、感圧式
接着剤を得た。
これを剥離ライナー上に乾燥後の厚みが20μmになるように塗工し、100℃で2分
間乾燥させ、接着層を形成した。
乾燥後、接着層に厚さ38μmのPETフィルムを貼り合せ、「剥離ライナー/接着層
/PETフィルム」なる積層構成にして、さらに温度23℃相対湿度50%の条件で1週
間熟成させて、感圧式接着フィルムを得た。
(実施例15)
合成例7の工程(2)で得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わ
りに、合成例7で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いた以
外は、実施例14と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(実施例16、17)
合成例7で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液に、反応性化合
物(C)として、TDI/MHPDに代えて、実施例16ではXDI/MHPD(キシリ
レンジイソシネートの2−メチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール
アダクト体)を、実施例17ではHMDI/ビュレット(ヘキサメチレンジイソシアネー
トのビュレットアダクト体)を、それぞれ1部添加したこと以外は、実施例14と同様に
して、感圧式接着フィルムを作製した。
(比較例5)
合成例7の工程(2)で得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わ
りに、合成例7の工程(1)で得られた共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を
用いた以外は実施例14と同様にして感圧式接着フィルムを作製した。
(比較例6)
合成例7の工程(2)で得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わ
りに、合成例8で得られた共重合体(B)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用いた以外は
、実施例14と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
(比較例7)
合成例1で得られた共重合体(B−2)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液の代わりに、合
成例14の工程(1)で得られた共重合体(A)を含む感圧式接着剤用樹脂溶液を用い、
帯電防止剤として1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート
を0.5部を添加した以外は実施例1と同様にして、感圧式接着フィルムを作製した。
得られた感圧式接着剤のポットライフ、塗加工性について以下の方法で評価した。結果
を表2に示す。また、得られた感圧式接着フィルムについて、以下の項目について評価し
た。評価結果を表3に示す。
Figure 2011093969
Figure 2011093969
<ポットライフの評価方法>
得られた感圧式接着剤について、25℃における粘度を1時間おきに10時間後まで、
B型粘度計(東京計器社製)を用い、12rpm、1分間回転の条件で測定し、可使時間
(ポットライフ)を3段階で評価した。
○:「粘度変化がない。8時間までの粘度上昇率が2倍未満。非常に良好である。」
△:「若干粘度上昇が認められ、5時間までの粘度上昇率が2倍未満。良好である。」
×:「急激な粘度上昇が認められ、5時間未満でゲル化。実用上問題あり。」
<塗工性の評価方法>
得られた感圧式接着剤を、剥離ライナーにコンマコーターにて速度2m/minで塗工
し、100℃オーブンにて乾燥し、厚みが25μmの接着層を形成し、接着層の表面に厚
さ50μmのポリエステルフィルムを貼り合わせ、感圧式接着フィルムを作製した。そし
て剥離ライナーを剥がした後の接着層表面(塗工面)の状態について目視にて観察し、3
段階で評価した。
○:「平滑な塗工面が得られた。非常に良好である。」
△:「塗工面の端部に若干のハジキや発泡が認められるが、良好である。」
×:「塗工面にハジキ、発泡やスジ引きが認められ、実用上問題あり。」
<帯電防止性の評価方法(表面抵抗値)>
感圧式接着フィルムの剥離ライナーを剥がし、露出した接着層表面の表面抵抗値を、2
3℃−35、45、55%RHの各条件下で、表面抵抗値測定装置(三菱化学株式会社製
:MCT−HT450)を用いて測定し(単位:Ω/□)、帯電防止性能評価とした。
<光学特性の評価方法>
実施例および比較例で得られた感圧式接着剤を、剥離ライナーに上記と同様にして塗工
・乾燥し、厚みが25μmの接着層を形成し、その表面に剥離ライナーを貼り合わせ感圧
式接着フィルムを得た。これを温度23℃、相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後
、両方の剥離ライナーを取り除き、接着層の外観を目視判定するとともに、HAZEを「
NDH−300A」[日本電色工業(株)社製]で測定した。
○:「良好な外観。HAZE:1未満。全く問題なし。」
△:「曇り等は認められない、かつHAZE:1以上3未満。実用上使用可。」
×:「若干曇りが認められる、またはHAZE:3以上。実用上問題がある。使用不可
。」
<再剥離性(リワーク性)の評価方法>
得られた感圧式接着フィルムを25mm×150mmの大きさに裁断し、剥離ライナー
を剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板にラミネーターを用いて貼り付け、50℃
で5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、感圧式接着フィルムとガラス板
との積層物を得た。この積層物を23℃、相対湿度50%で1週間放置した後に、180
度方向に300mm/分の速度で引き剥がし、剥離後のガラス表面の曇りを目視で観察し
、3段階で評価した。
○:「曇りがなく、良好な外観。全く問題なし。」
△:「若干曇りが認められるが、実用上問題ない。」
×:「全面的に接着層の転着が認められ、実用不可である」。
<耐熱性および耐湿熱性の評価方法>
得られた感圧式接着フィルムを150mm×80mmの大きさに裁断し、剥離ライナー
を剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面に、それぞれの偏光板の吸収軸が直
交するようにラミネーターを用いて貼着した。続いて、この偏光板が貼り付けられたガラ
ス板を50℃で5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、感圧式接着剤シー
トとガラス板との積層物を得た。
上記積層物をそれぞれ80℃で1000時間、及び100℃で1000時間放置した後
の浮きハガレ、ズレ、及び、積層物に光を透過させたときの光漏れ(白抜け)を目視で観
察し、耐熱性を評価した。
また、上記積層物をそれぞれ60℃、相対湿度90%で1000時間、及び80℃、相
対湿度90%で1000時間放置した後の浮きハガレ、ズレ、及び、積層物に光を透過さ
せたときの光漏れ(白抜け)を目視で観察し、耐湿熱性を評価した。
ここで「ズレ」とは偏光板の収縮によって、ガラスに貼着した偏光板の周囲に観察され
る貼着位置の変位である。
耐熱性および耐湿熱性について、下記の4段階の基準に基づいて評価をおこなった。な
お実施例14〜17および比較例5、6は基材がPETフィルムであるため「浮きハガレ
」のみを評価した。
◎:「浮きハガレ、白ぬけ、ズレが全く認められず、良好であった。」
○:「浮きハガレ・白ぬけが全く認められず、ズレが0.2mm未満で、実用上全く問
題なし。」
△:「若干浮きハガレ・白ぬけが認められるが、ズレが0.2〜0.5mm未満で、実
用上問題がない。」
×:「全面的に浮きハガレ・白ぬけがあり、実用不可である。」
表3の結果より、比較例1および3は酸価やアミン価が50mgKOH/g以上である
ため塗工することができなかった。また、比較例2、4〜6は環状アミド化合物(D)を
有さないため十分な帯電防止性能を得られないことがわかる。また、比較例7は帯電防止
剤がブリードすることにより再剥離性が維持できず、更には過酷な高温下にもしくは高温
高湿度下に長期間放置されると、発泡や浮き剥がれ等が発生し、耐久性に劣ることがわか
る。
これに対して、本発明の感圧式接着剤用樹脂の製造方法により得られた感圧式接着剤用
樹脂を用いた感圧式接着剤や感圧式接着フィルムは、塗加工性、耐熱性、耐湿熱性、光学
特性、帯電防止性及び光学フィルムのリワーク性に優れていることが分かる。
また、本発明の感圧式接着剤は、光学部材用途として好適であるほか、一般ラベル・シ
ールのほか、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、タッキファイヤ、接着剤、積層構造体
用接着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録
媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイク
ロカプセル、グラスファイバーサイジング用等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー
、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコー
ト剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミ
ネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、
弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等
としても非常に有用に使用できる。


Claims (17)

  1. 末端に活性水素基を有する側鎖(I)を持つ共重合体(B)と、反応性化合物(C)とを
    含む感圧式接着剤であって、
    前記側鎖(I)が、共重合体(A)の活性水素基と、環状アミド化合物(D)との開環反
    応により形成してなることを特徴とする感圧式接着剤。
  2. 共重合体(A)が、活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1)を含む単量体の共重
    合体であることを特徴とする請求項1記載の感圧式接着剤。
  3. 環状アミド化合物(D)が、炭素数3〜18の複素環を有する化合物であることを特徴と
    する請求項1または2記載の感圧式接着剤。
  4. 環状アミド化合物(D)が、ラクタム(d)であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か記載の感圧式接着剤。
  5. 活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1)の活性水素基が、少なくともカルボキシ
    ル基またはアミノ基あることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の感圧式接着剤。
  6. 共重合体(B)が、アミン価0.1〜50mgKOH/gを有することを特徴とする請求
    項1〜5いずれか記載の感圧式接着剤。
  7. 共重合体(B)が、酸価0.1〜50mgKOH/gを有することを特徴とする請求項1
    〜5いずれか記載の感圧式接着剤。
  8. 共重合体(B)が、側鎖(I)末端の活性水素基と封止化合物(E)を反応させてなる側
    鎖(II)を有することを特徴とする請求項6記載の感圧式接着剤。
  9. 共重合体(B)が、側鎖(I)末端の活性水素基と封止化合物(E)を反応させてなる側
    鎖(II)を有することを特徴とする請求項7記載の感圧式接着剤。
  10. 封止化合物(E)が、酸無水物基含有化合物(e−1)、グリシジル基含有化合物(e−
    2)、イソシアネート基含有化合物(e−3)及びアミノ基含有化合物(e−4)からな
    る群より選択される1種以上の化合物であることを特徴とする請求項8記載の感圧式接着
    剤。
  11. 封止化合物(E)が、酸無水物基含有化合物(e−1)、グリシジル基含有化合物(e−
    2)、イソシアネート基含有化合物(e−3)及びアミノ基含有化合物(e−4)あるこ
    とを特徴とする請求項9記載の感圧式接着剤。
  12. 活性水素基含有α,β−不飽和単量体(a−1)と、α,β−不飽和単量体(a−2)と
    を共重合して、共重合体(A)を得る工程、および、
    前記共重合体(A)中の活性水素基と環状アミド化合物(D)とを反応させ、側鎖(I)
    を生成して、共重合体(B)を得る工程を含むことを特徴とする、感圧式接着剤用樹脂の
    製造方法。
  13. 側鎖(I)の末端と、封止化合物(E)とを反応させ、側鎖(II)を生成して、共重合
    体(B−2)を得る工程を含むことを特徴とする、請求項12記載の感圧式接着剤用樹脂
    の製造方法。
  14. 請求項12または13の製造方法により得られる感圧式接着剤用樹脂と、反応性化合物(
    C)とを含むことを特徴とする感圧式接着剤。
  15. 基材(F)上に、請求項1〜11または14いずれか記載の感圧式接着剤からなる接着層
    を形成してなる感圧式接着フィルム。
  16. 光学部材上に、請求項1〜11または14いずれか記載の感圧式接着剤からなる接着層を
    形成してなる積層体。
  17. 光学部材と、請求項1〜11または14いずれか記載の感圧式接着剤からなる接着層とガ
    ラスとが順次積層してなる積層体。
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