JP2011093880A - 抗炎症組成物ならびにそれを含有する皮膚外用剤、化粧料および健康食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキスおよびマコモ水溶液からなる群より選択される1種類以上を含有することを特徴とする抗炎症組成物、または、米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキス、およびマコモ水溶液からなる群より選択される1種類以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤、皮膚化粧料、日焼防止・処置化粧料および健康食品、ならびに皮膚外用剤添加剤、皮膚化粧料添加剤および日焼防止・処置化粧料添加剤。
【選択図】なし
Description
従来、日焼は、日光中に含まれる紫外線を生体到着前に紫外線防御や吸収によって防止されてきたが、生体での反応を防御する方法は、紫外線によって亢進されるCOX-2(非特許文献2)を阻害する非ステロイド性抗炎症薬、インドメタシン等を外用剤として皮膚に塗布することであった(非特許文献3)。また、COX-2阻害薬と癌予防(非特許文献4)、無処理雑穀摂取と癌発生率の低下(非特許文献5)との関連性の知見から、COX-2阻害物質を含む健康食品の開発は、疾病予防のため急務の課題であった。しかし、COX-2阻害薬は合成医薬品であり、安易な使用は当然慎まなければならない状況であった。したがって、安全で廉価な天然物、とりわけ、食料品およびその廃棄物からその活性を見出し、皮膚外用剤、化粧料、健康食品に供することは、近年の環境問題や薬品の安全性の観点から、急務であった。
[1]米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキスおよびマコモ水溶液からなる群より選択される1種類以上を含有することを特徴とする抗炎症組成物;
[2]米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキスおよびマコモ水溶液からなる群から選択される1種以上の成分を0.01〜30重量%含有する前記[1]の抗炎症組成物;
[3]米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキスおよびガジュツエキスが、各々、米ぬか、ヒエ、アワ、セージ、花椒、槐花およびガジュツに対して2〜4倍重量の80〜99.5%(w/w)エタノール水溶液または80〜100%(w/w)イソプロパノール水溶液または液を用いて抽出されたものである前記[1]または[2]記載の抗炎症組成物;
[4]米ぬか、ヒエおよびアワに対して4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液を用いて抽出した米ぬかエキス、ヒエエキスおよびアワエキスからなる群から選択される1種以上からエタノールを留去した残渣を含有することを特徴とする抗炎症組成物;
[5]1〜2.5mg/用量の残渣を含有する前記[4]記載の抗炎症組成物;
[6]皮膚外用剤である前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載の抗炎症組成物;
[7]皮膚化粧料である前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載の抗炎症組成物;
[8]皮膚外用剤添加剤である前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載の抗炎症組成物;
[9]皮膚化粧料添加剤である前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載の抗炎症組成物;
[10]日焼防止・処置化粧料である前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載の抗炎症組成物;
[11]日焼防止・処置化粧料添加剤である前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載の抗炎症組成物;
[12]米ぬか、ヒエおよびアワに対して4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液を用いて抽出した米ぬかエキス、ヒエエキスおよびアワエキスからなる群から選択される1種以上からエタノールを留去した残渣を含有することを特徴とする健康食品;
[13]1〜2.5mg/用量の残渣を含有する前記[12]記載の健康食品
を提供する。
本発明の抗炎症組成物に用いる米ぬかエキスは、イネ科イネ属サティバ種(Oryza sativa L)ジャポニカ種のイネの精米時に生ずる米ぬかから抽出したエキスであり、自体公知の方法で製造したものを用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノールなどのアルコール類、またはこれらの混合溶媒のような抽出溶媒を用いて、常温抽出または加熱抽出することにより製造でき、必要により、減圧または加圧して抽出することによっても製造できる。
好ましくは米ぬかに約1.5〜5倍重量の約50〜99.5%(w/w)エタノール水溶液および/または約0〜100%(w/w)イソプロパノール水溶液または液を添加して混合し、約1〜5日間室温にて静置した後、濾紙(Qualitative Filter Paper、 100 Circles 24cm、Whatman)を通して濾過した濾液から米ぬかエキスを得る。最も好ましくは、米ぬかに2〜4倍重量の80〜99.5%(w/w)エタノール水溶液を添加し、24時間以上室温にて静置した後、濾紙を通して濾過した濾液をそのまま米ぬかエキスとする。
また、健康食品の作成に当たっては、抽出は溶媒を4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液とする以外は上記と同じように調製し、濾液のエタノール留去後の残渣に99倍重量の乳糖を添加し、健康食品とする。
健康食品の調製に当たっては、4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液を抽出溶媒として用いる以外は上記と同じとし、濾液のエタノール留去後の残渣に99倍重量の乳糖を添加し、健康食品とする。
健康食品作成に当たっては、抽出は溶媒を4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液とする以外は上記と同じとし、濾液のエタノール留去後の残渣に99倍重量の乳糖を添加し、健康食品とする。
好ましくは花椒の果実の果皮を主原料とした花椒乾燥粉末に約1.5〜5倍重量の約50〜99.5%(w/w)エタノール水溶液および/または50〜100%(w/w)イソプロパノール水溶液または液を添加して混合し、約1〜5日間室温にて静置した後、濾紙(Qualitative Filter Paper、 100 Circles 24cm、Whatman)を通して濾過した濾液から花椒エキスを得る。最も好ましくは、花椒の果実の果皮乾燥粉末に2〜4倍重量の80〜99.5%(w/w)エタノール水溶液を添加し、24時間以上時間室温にて静置した後、濾紙を通して濾過した濾液をそのまま花椒エキスとする。
好ましくは、エンジュ(Styphnolobium japonicum)の蕾を主原料とした槐花乾燥粉末に約1.5〜5倍重量の約50〜99.5%(w/w)エタノール水溶液および/または50〜100%(w/w)イソプロパノール水溶液または液を添加して混合し、約1〜5日間室温にて静置した後、濾紙(Qualitative Filter Paper、 100 Circles 24cm、Whatman)を通して濾過した濾液から槐花エキスを得る。最も好ましくは、槐花乾燥粉末に2〜4倍重量の80〜99.5%(w/w)エタノール水溶液を添加し、24時間以上時間室温にて静置した後、濾紙を通して濾過した濾液をそのまま槐花エキスとする。
セチルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などの高級脂肪酸;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸オクチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリルなどのエステル油;流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、パラフィンなどの炭化水素;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレン・ポリプロピレンコポリマーなどのワックス;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ダイズ油、落花生油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油などの植物油脂;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油などの動物油脂;鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコールなどのラノリン;レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、スフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチンなどのリン脂質;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)などの脂肪酸アルカノールアミド;ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、アミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーンなどのシリコーン;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテルなどのフッ素系油
グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、シクロデキストリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、チューベロース多糖体、尿素、コラーゲン、魚由来コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、カモミラエキス、カンゾウエキス、シルクエキス、ユーカリエキス、セラミド
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤;ラウレス(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、ポリオキシエチレン付加数のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ステアリン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ソルビタンモノステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)などの非イオン性界面活性剤;ステアルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリドなどの陽イオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤
カラギーナン、カラヤガム、トラガントガム、キサンタンガム、ザンサンガム、プルラン、ジェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム等の塩、メチルヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、ポリビニルピドリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、マレイン酸共重合体、アクリル酸・メタアクリル酸エステル共重合体
エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、ブタノール、イソブチルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、炭酸プロピレン、炭酸ジアルキル、アセトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、トルエン、フルオロカーボン、LPG、ジメチルエーテル、炭酸ガス
トコフェロール、酢酸トコフェロール、BHT、BHA、アスコルビン酸またはその誘導体、チオグリコール酸、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム、過炭酸
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、トリクロサン、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸、クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヒノキチオール、クレゾール、チモール、パラクロロフェノール、銀イオン、エチレンジアミン四酢酸塩、シュウ酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸;クエン酸ナトリウム、クエン酸、アラニン、ジヒドロキシエチルグリシン、グルコン酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸
クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、酢酸、酢酸ナトリウム、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硫酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、
マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、モンモリロナイト、カオリナイト、雲母、酸化チタン、雲母チタン、
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート、オクチルシンナメート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3−(4'−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、オクチルトリアゾン、アントラニル酸メチル、オリザノール
塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンファー、サリチル酸、レゾルシン、ピリドキシン、メントール、サリチル酸メチル等、クエン酸、酒石酸、乳酸、タンニン酸、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、塩化リゾチーム、リパーゼ、パパイン、パンクレアチン、プロテアーゼ
米ぬかエキスは、イネ科イネ属サティバ種(Oryza sativa L)ジャポニカ種のイネの精米時に生ずる米ぬかに4倍重量の80%(w/w)エタノール水溶液を添加して混合し3日間室温にて静置した後、濾紙(Qualitative Filter Paper、 100 Circles 24cm、Whatman)を通して濾過した濾液を調製し、適宜、水にて溶解して所定の濃度に調整した。健康食品は、99.5%(w/w)エタノール水溶液を用いて抽出する以外は上記と同じ条件で調製し、エタノールを留去後、残渣を乳糖にて賦形した。
最初に、これに先立つ検討で抗酸化能が示された米ぬかを被抽出対象として、「医薬部外品原料規格2006」“コメヌカエキス”の項(非特許文献7)に記載のある抽出溶媒1,3−ブチレングリコール(以後ブチレングリコール)の50%、80%(w/w)水溶液、および100%(w/w)液にての抽出、COX-2阻害を指標とした検討を行った。
このことより、「医薬部外品原料規格2006」にある「コメヌカエキス」の項(非特許文献7)に記載のある抽出溶媒1,3−ブチレングリコールでのエキス調製は少なくとも8倍重量以下の100%(w/w)ブチレングリコール抽出物のみがCOX-2阻害に有効であることが示唆された。同時に、ブチレングリコール・米ぬか混液の粘度は非常に高く、エキス調製のための濾過は通常圧の濾過では難しいことも示された。
次に、これに先立つ検討で抗酸化能が示された米ぬかを被抽出対象として、ブチレングリコール以外の抽出溶媒とその適正濃度について、COX-2阻害を指標とした検討を行った。
実施例1および2の結果から、米ぬかエキスの抽出溶媒としては80〜99.5%(w/w)エタノール水溶液が適していることが判明した。
次に、抽出溶媒として80%(w/w)エタノール水溶液を用い、抽出溶媒量についてCOX-2を指標として検討した。
本実施例での米ぬかエキスは、イネ科イネ属サティバ種(Oryza sativa L)ジャポニカ種の精米時に生ずる米ぬかに対して2、3、4、8または12倍重量の80%(w/w)エタノール水溶液を添加して混合し、3日間室温にて静置した後、濾紙(Qualitative Filter Paper、 100 Circles 24cm、Whatman)を通して濾過した濾液をエキスとして調製し、これらエキスと陽性コントロールとしたインドメタシンとのCOX-2阻害能について測定した。それらの結果を表3に示す。なお、測定には、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman、USA)を製造業者の指示書に従って使用した。
次に、抽出溶媒量を4倍重量とした場合の最適な抽出時間について検討した。
本実施例での米ぬかエキスは、イネ科イネ属サティバ種(Oryza sativa L)ジャポニカ種の精米時に生ずる米ぬかに4倍重量の80%(w/w)エタノール水溶液を添加して混合し、3、6、24、48、72または120時間室温にて静置した後、濾紙(Qualitative Filter Paper、 100 Circles 24cm、Whatman)を通して濾過した濾液をエキスとして調製し、これらエキスと陽性コントロールとしたインドメタシンとのCOX-2阻害能について測定した。それらの結果を表4に示す。なお、測定には、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman、USA)を製造業者の指示書に従って使用した。
この結果から、以下の実施例で用いられたエキスは4倍重量の80%(w/w)エタノールで、万全を期して72時間抽出後、濾過して調製したエキスが好ましいことが示された。
調製例で示した米ぬかエキスの各濃度および陽性コントロールとしたインドメタシンのおけるCOX-2阻害能について測定した。それらの結果を表5に示す。なお、測定には、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman、USA)を製造業者の指示書に従って使用した。
次に、抗酸化能を有するセージ、花椒、槐花、ガジュツおよび米と同じイネ科のヒエ、アワを加えて、調製例で示したヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキスの各濃度および陽性コントロールとしたインドメタシンのCOX-2阻害能について測定した。それらの結果を表6に示す。なお、測定には、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman、USA)を製造業者の指示書に従って使用した。
さらに、米と同じくイネ科に属し、その凍結乾燥品が水に易溶なマコモの水溶液は、イネ科マコモ属マコモ(Zizania latifolia)の新芽を凍結乾燥後粉砕して作成し、水1gに粉砕マコモ1gを溶解した液を100%として適宜希釈した各濃度の水溶液および陽性コントロールとしたインドメタシンのCOX-2阻害能について測定した。それらの結果を表7に示す。なお、測定には、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman、USA)を製造業者の指示書に従って使用した。
HOS:8週齢HR-1マウス各3匹の背面にマクロゴール軟膏単独、10重量%米ぬかエキス配合マクロゴール軟膏をUVB 180mJ照射直前、照射2時間後に綿棒にて塗布、72時間後に照射部位を肉眼観察と同時に写真撮影した。その結果を表8ならびに図1Aおよび図1Bに示す。
健康男子36名(30−58歳)を9群にわけ、各4名の腕にマクロゴール軟膏単独、10重量%米ぬかエキス配合マクロゴール軟膏、10重量%ヒエエキス配合マクロゴール軟膏、10%重量アワエキス配合マクロゴール軟膏、10%重量セージエキス配合マクロゴール軟膏、10重量%花椒エキス配合マクロゴール軟膏、10重量%槐花エキス配合マクロゴール軟膏、10重量%がジュツエキス配合マクロゴール軟膏、または10重量%マコモ水溶液配合マクロゴール軟膏を塗布し、夏の日光に2時間暴露した。その後、暴露終了2時間後に同じ軟膏を塗布し、翌日の皮膚の発赤状態を観察した。その結果を表9に示す。
以上の結果より、米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキス、マコモ水溶液は優れた日焼防止・処置用の皮膚外用剤または皮膚化粧料に利用できることが明らかとなった。
実施例1のように、4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液抽出米ぬかエキス0.05%は0.3μMインドメタシンに匹敵するCOX-2阻害能を示したことから、COX-2阻害換算でエキス5mgはインドメタシン約1mgに相当することになる。エキス残渣は約2g/99.5%(w/w)エタノール100gであることから、残渣0.1mgはインドメタシン約1mg相当になるので、以下の検討では医家向けインドメタシン1カプセル25mg相当量の残渣2.5mgを一回量とした。米ぬかエキス残渣に99倍重量の乳糖を加え賦形し、その250mgを3人の健康男子(32−59歳)が1日2回[朝夕食後]1週間服用した後、1週間の間隔を空けて、乳糖単独250mgを1日2回[朝夕食後]1週間服用し、前後の体調変化を検討した結果を表10に示す。
Claims (13)
- 米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキスおよびマコモ水溶液からなる群より選択される1種類以上を含有することを特徴とする抗炎症組成物。
- 米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキス、ガジュツエキスおよびマコモ水溶液からなる群から選択される1種以上の成分を0.01〜30重量%含有する請求項1の抗炎症組成物。
- 米ぬかエキス、ヒエエキス、アワエキス、セージエキス、花椒エキス、槐花エキスおよびガジュツエキスが、各々、米ぬか、ヒエ、アワ、セージ、花椒、槐花およびガジュツに対して2〜4倍重量の80〜99.5%(w/w)エタノール水溶液または80〜100%(w/w)イソプロパノール水溶液または液を用いて抽出されたものである請求項1または2記載の抗炎症組成物。
- 米ぬか、ヒエおよびアワに対して4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液を用いて抽出した米ぬかエキス、ヒエエキスおよびアワエキスからなる群から選択される1種以上からエタノールを留去した残渣を含有することを特徴とする抗炎症組成物。
- 1〜2.5mg/用量の残渣を含有する請求項4記載の抗炎症組成物。
- 皮膚外用剤である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抗炎症組成物。
- 皮膚化粧料である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抗炎症組成物。
- 皮膚外用剤添加剤である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抗炎症組成物。
- 皮膚化粧料添加剤である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抗炎症組成物。
- 日焼防止・処置化粧料である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抗炎症組成物。
- 日焼防止・処置化粧料添加剤である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抗炎症組成物。
- 米ぬか、ヒエおよびアワに対して4倍重量の99.5%(w/w)エタノール水溶液を用いて抽出した米ぬかエキス、ヒエエキスおよびアワエキスからなる群から選択される1種以上からエタノールを留去した残渣を含有することを特徴とする健康食品。
- 1〜2.5mg/用量の残渣を含有する請求項12記載の健康食品。
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