JPH08151320A - 赤糠由来の皮膚及び浴用化粧料 - Google Patents

赤糠由来の皮膚及び浴用化粧料

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JPH08151320A
JPH08151320A JP7273701A JP27370195A JPH08151320A JP H08151320 A JPH08151320 A JP H08151320A JP 7273701 A JP7273701 A JP 7273701A JP 27370195 A JP27370195 A JP 27370195A JP H08151320 A JPH08151320 A JP H08151320A
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cosmetic
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skin
active ingredient
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JP7273701A
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Yasuko Sawai
保子 沢井
Katsumi Ajisaka
勝美 鯵坂
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
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Meiji Dairies Corp
Original Assignee
Meiji Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 赤糠の熱水抽出物にエタノールを加え、
生成した沈澱物を除去して得た上清を有効成分とする化
粧料。 【効果】 該上清は、すぐれたメラニン生成抑制作用、
抗炎症作用、抗酸化作用、保湿作用を有し、該上清を有
効成分とする本化粧料は、安全性の高い化粧料、特に皮
膚化粧料及び浴用化粧料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤糠の熱水抽出物
由来の成分を有効成分とする化粧料に関するものであ
る。更に、詳細には、本発明は、すぐれたメラニン生成
抑制作用のみならず、皮膚を健やかに保つための抗炎症
作用、抗酸化作用、適度な吸湿作用、保湿作用等を併せ
持つ、安定性においてもすぐれた天然物由来の皮膚化粧
料及び/又は浴用化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線照射によって引き起こされる皮膚
の炎症に見られる組織の傷害は、シミ、シワ等に深く関
わっていることが報告されている。この炎症には紫外線
照射によって皮膚で誘起される活性酸素による皮脂の酸
化の関与が示唆されている。炎症の結果、好中球から遊
離されるロイコトリエン(LTB4、LTC4)、プロス
タグランジンE2、肥満細胞から遊離されるヒスタミ
ン、セロトニン等の炎症メディエーターが色素細胞の刺
激に関与していると考えられている。また、細胞および
組織の傷害がシワに深く関与していると考えられてい
る。さらには、LTB4の産生酵素である5−リポキシ
ゲナーゼ阻害物質がアトピー性皮膚炎の患者に適用され
ているなど、すなわち皮膚の炎症を抑制することは、皮
膚を健やかに保つために重要な要因と考えられる。
【0003】色素細胞内で生成されるメラニンは、通常
皮膚に存在し、紫外線による影響から身体を保護すると
いう重要な役割を担う医学上重要な因子である。しか
し、メラニンが過剰に合成され、更に、メラニンが皮膚
上で不均一に分布した場合シミ、ソバカス等を形成する
ため、いずれも美容上の大きな問題となっている。この
シミ、ソバカス等の色素沈着は、紫外線照射によって増
悪するものである。この紫外線照射によって誘導される
色素細胞内でのメラニン生成の促進には、メラニン細胞
刺激ホルモン(α−MSH)とその受容体をはじめ、広
く皮膚の炎症に関わっている。
【0004】従来、色白の美肌を得る目的で、色素細胞
の変性、致死等の作用により皮膚の漂白を行うものが使
用されていたが、皮膚本来の生理機能を損ない、非可逆
的白斑、色素異常、カブレ等の副作用を引き起こすとい
う欠点を有している。近年、チロシナーゼを阻害する物
質の探索が主としておこなわれ、多数の植物抽出液など
が開示されている。しかし、チロシナーゼ阻害活性が高
いにも関わらず、メラニン生成細胞でのメラニン生成抑
制効果が十分でないものがあるなど、これら従来のメラ
ニン生成抑制剤にはメラニン生成抑制効果を発揮すると
は言い難いものがあり、必ずしも満足出来るものではな
かった。そこで、優れたメラニン生成抑制作用を安定し
て示し、紫外線照射による皮膚の炎症を予防する作用を
併せ持つ、結果的には、シミ、シワの防止が期待される
天然物由来の安全性の高い化粧料の開発が望まれてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
上記した当業界において開発が望まれているすぐれた生
理作用を各種併有するだけでなく安全性も高い化粧料を
開発することを、その目的として設定した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、赤糠に着目して鋭
意検討した結果、その熱水抽出物にエタノールを加え、
生成した析出物を除去した上清が、すぐれたメラニン生
成抑制作用を示し、しかも、抗炎症作用、抗酸化作用の
ほか、適度な吸湿作用、保湿作用を有することを発見
し、安全性にもすぐれていることも確認して、本発明が
完成されたのである。以下、本発明を詳述する。
【0007】本発明においては、原料として赤糠を使用
する。赤糠としては玄米の精米時に副生する赤糠であれ
ばすべてのものが使用できる。赤糠は、格別の前処理を
行うことなく、直ちに熱水抽出処理してもよいし、それ
に先立ち脱脂処理を行ってもよい。
【0008】脱脂処理は、有機溶媒と赤糠を接触させれ
ばよく、有機溶媒中に赤糠を浸漬したり、両者を攪拌し
たりして、両者を充分に接触させて行う。有機溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類、エチルエーテル等のエーテル
類、アセトン等のケトン類、その他常用されるヘキサ
ン、石油エーテル等の脱脂溶媒が広く使用される。
【0009】脱脂処理は常法によって行えばよい。例え
ば、脱脂溶媒を赤糠に対して0.5〜25倍量、好まし
くは5〜15倍量程度用い、5時間〜5日間、好ましく
は0.5日〜3日間、0〜40℃の冷所、好ましくは2
0〜25℃で処理すればよい。脱脂溶媒としては、上記
した溶媒を単用又は併用するほか、50〜98%の水性
溶媒、例えば85〜95%水性エタノール等も使用可能
である。このようにして溶媒抽出を行った後、濾過、遠
心分離、デカンテーション等固液分離を行って、固体残
渣(脱脂赤糠)を分離採取する。
【0010】固体残渣は、必要あれば乾燥した後、熱水
抽出する。熱水抽出としては、熱水(75〜100℃、
好ましくは90〜100℃)を用いて抽出する方法がす
べて使用可能であって、熱水を加えて所定温度を維持し
ながら必要あれば攪拌を行って抽出する方法、加熱還流
する方法等が適宜使用される。抽出に使用する水として
は、水道水や井戸水等も使用可能であるが、蒸留水や脱
イオン水を使用するのが好適である。抽出時間は、有効
成分が抽出されるに必要な時間であれば良く、格別の限
定はないが、通常は30分以上とし、100℃に加熱還
流する場合は、2〜5時間程度で充分である。過度に長
時間かけて抽出しても抽出効果は一定のレベルで停滞し
てしまうので経済的ではない。抽出水の使用量は、6〜
10倍量又はそれ以上とするのが好ましい。
【0011】熱水抽出後、1時間〜1夜程度冷所に放置
する等、30〜40℃程度に冷却した後、これにアルコ
ール(メタノール、エタノール及び/又はプロパノー
ル)を終濃度30〜80%、好ましくは50〜60%加
える。その後、20〜40℃で0.5時間〜1夜程度、
好ましくは1時間放置する。
【0012】次いでこれを、遠心分離、濾過(通常の濾
過、加圧濾過、吸引濾過等)、デカンテーション等固液
分離処理し、上清ないし濾液を得る。この上清(濾
液)、つまり液状部が本発明の化粧料の有効成分であ
る。上清(この液状部を以下において上清ということも
ある)は、上清それ自体を有効成分として使用できるこ
とはもちろんのこと、上清の処理物(上清の濃縮物、ペ
ースト状物、スプレードライ、凍結乾燥、熱風乾燥、風
乾その他の乾燥物、場合によっては希釈物等)も使用可
能である。このようにして、例えば凍結乾燥して得た乾
燥物を最終品(MFWということもある)として得るこ
とができる。
【0013】以上赤糠を脱脂した場合(脱脂法)につい
て述べたが、本発明は脱脂を行うことなく実施すること
(非脱脂法)も可能である。その場合は、赤糠を脱脂す
ることなく、先ず熱水抽出する。脱脂処理、濾過残渣回
収処理及び乾燥処理は、いずれも行う必要がなく、赤糠
を直接熱水で抽出すればよい。
【0014】熱水抽出は、先に述べた方法(脱脂法)に
したがって行えばよい。
【0015】次に冷却処理を行う。冷却処理も先に述べ
た脱脂法の場合と同様に行えばよいが、冷却は20〜4
0℃までで速やかに行うのが好適である。次いで脱脂法
の場合と同様にアルコール沈澱処理を行うが、アルコー
ル終濃度は、40〜50%とするのが好適である。アル
コールを添加して、20〜40℃、10分〜10時間、
好ましくは30分〜3時間程度静置する。例えば20℃
で1時間静置すると、高い活性回収率が得られる。
【0016】しかる後に、脱脂法の場合と同様に固液分
離、上清(濾液)の乾燥処理を行って有効成分を得る。
このようにして、例えばスプレードライ処理した乾燥物
を最終製品(MFW)として得ることができる。なお、
非脱脂法で上清(濾液)をスプレードライにかける場
合、粉末化を確実にするために、予じめヘキサン等の脱
脂溶媒で分配し、脱脂を行うことが好ましい。
【0017】本発明においては、このようにして製造し
た上清、及びその処理物、乾燥物(例えばMFW)が有
効成分として使用できるほか、それらのアルコール分画
物も有効成分として使用できる。
【0018】すなわち、脱脂法又は非脱脂法で得たアル
コール上清を減圧濃縮して2〜20倍濃縮液(懸濁液)
を調製し、これを1,000〜20,000rpm、5
〜60分間、好ましくは1,000〜5,000rp
m、10〜30分間遠心分離して濃縮液上清と沈澱に分
離する。この沈澱を有効成分として使用できる。
【0019】次いで沈澱に1〜90%水性アルコール、
好ましくは40〜60%水性アルコール(メタノール、
エタノール及び/又はプロパノール)を加えて溶解した
後、1,000〜20,000rpm、5〜60分間、
好ましくは5,000〜15,000rpm、10〜3
0分間遠心分離し、沈澱(水性アルコール沈澱−2)と
上清(水性アルコール上清−2)とに分離する。このよ
うにして得た沈澱及び上清は、いずれも本発明の有効成
分として使用することができる。また、この上清は高活
性画分であって、MFW−Hと命名した。
【0020】また、脱脂法又は非脱脂法で得た乾燥粉末
(MFW)について、これに蒸留水を加えて上述したア
ルコール上清濃縮液(懸濁液)と同じ濃度とした後、
1,000〜20,000rpm、5〜60分間、好ま
しくは3,000〜10,000rpm、10〜30分
間遠心分離し、上清と沈澱に分離する。この沈澱も有効
成分として使用できる。
【0021】次いで沈澱を上記と同様に1〜90%水性
アルコール、好ましくは40〜60%水性アルコールを
加えて溶解した後、遠心分離し(但し3,000〜1
0,000rpmとするのが好ましい)、沈澱(水性ア
ルコール沈澱−2)と高活性画分を含む上清(水性アル
コール上清−2:MFW−H)とに分離する。これらの
画分は、いずれも本発明に係る化粧料の有効成分として
使用することができる。
【0022】本発明に係る化粧料は、上記した各成分な
いし画分を有効成分として0.1〜1重量%、好ましく
は0.5〜1重量%(乾燥重量として)配合し、これに
常用される化粧用基剤を加えて常法にしたがい、固体、
半固体又は液体の形態に製剤化して、一般化粧料、皮膚
化粧料、浴用化粧料とすればよい。
【0023】本発明に係る化粧料には、通常の化粧料、
皮膚外用剤、入浴剤、医薬部外品、医薬品等に用いられ
る各種任意成分、例えば、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐
剤、乳化剤、顔料、pH調整剤、薬効成分、紫外線吸収
剤、香料等を適宜配合することができ、常法にしたがっ
て、本発明に係る化粧料を製造することができる。
【0024】また本発明に係る化粧料は、一般化粧料、
皮膚化粧料、皮膚外用剤、浴用化粧料に限定されるもの
ではなく、医薬部外品、外用医薬品等を包含するもので
あり、その剤型もクリーム、乳液、ファンデーション、
パック、ローション状、ゲル状、溶液状、スティック状
等、その目的に応じて任意に選択することができ、美
白、抗炎症、抗酸化、適度の吸湿、保湿を目的とする化
粧料として、必要量を適宜回数、適用すればよい。
【0025】以下に本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
【実施例1:有効成分の製造(1)】100gの赤糠
に、エタノールを1.1L加えた。これを攪拌して2日
間抽出した後、Whatman No.2 filte
rで濾過した。濾過残渣を室温にて乾燥させて溶媒は飛
ばして乾固物を得た。これに800mlの蒸留水を加え
て100℃で4時間加熱抽出し、1昼夜冷所に放置し
た。これにエタノールを終濃度50〜60%になるよう
に加え、1晩冷所に保存した。このものをWhatma
n No.2 filterで濾過した。得られた濾液
を減圧濃縮した後凍結乾燥して、本発明有効成分組成物
(MFW)を得た。本組成物は、淡黄色粉末であって、
水に難溶であり、50%エタノールには可溶な物質であ
る。
【0027】
【実施例2:有効成分の製造(2)】100gの赤糠
に、エタノールを500ml加えた。これを攪拌して2
0時間抽出した後、Whatman No.2 fil
terで濾過した。濾過残渣を室温で乾燥させて乾固物
を得た。これに800mlの蒸留水を加えて100℃で
2時間加熱抽出し、1時間の冷所放置で20〜30℃程
度にまで冷却した。これにエタノールを終濃度50〜6
0%になるように攪拌しつつ加え、その後1時間放置し
た。このものをWhatman No.2 filte
rで濾過した。その後実施例1と同様の処理を行い、乾
燥粉末(MFW)を得た。
【0028】
【実施例3:有効成分の製造(3)】100gの赤糠に
800mlの蒸留水を加えて100℃で2時間熱水抽出
し、30℃に急速冷却した。これにエタノールを原料に
対して8倍量加え、攪拌した後20℃に1時間静置し
た。このものをWhatman No.2 filte
rで濾過し、濾液(上清)を回収した。そして、この濾
液(上清)を減圧濃縮後、凍結乾燥して乾燥粉末(MF
W)を得た。
【0029】
【実施例4:有効成分の製造(4)】100gの赤糠に
800mlの蒸留水を加えて100℃で2時間加熱抽出
し、30℃に急速冷却した。これにエタノールを原料に
対して8倍量加え、攪拌後、20℃に1時間静置した。
このものをWhatman No.2 filterで
濾過し、濾液(上清)を回収した。そして、この濾液
(上清)を減圧濃縮して乾固物を得た。この乾固物5g
当たり25mlの50%エタノールに溶解した。これを
等量のn−ヘキサンで2回分配し、n−ヘキサン層を除
去し、50%エタノール層を回収した。この50%エタ
ノール層を減圧濃縮しスプレードライして乾燥粉末(M
FW)を得た。
【0030】
【実施例5:有効成分の製造(5)】実施例2で得た乾
燥粉末(MFW)を蒸留水で溶解/懸濁(67mg/m
l)した後、5,000rpmで20分間遠心分離して
上清と沈澱に分離した。沈澱に50%エタノールを加え
て溶解し、5,000rpmで20分間遠心分離して沈
澱(50%EtOH沈澱−2)と上清(50%EtOH
上清−2:MFW−H)を得た。また、実施例2に記し
た小規模処理を100倍にスケールアップして処理し
(これをSDという)、同様に50%EtOH沈澱−2
及び高比活性画分MFW−Hをそれぞれ得た。
【0031】
【実施例6:有効成分の製造(6)】実施例2で得た濾
液(上清)を減圧濃縮して、エタノール上清の10倍濃
縮液(懸濁液)を調製し、これを3,000rpmで2
0分間遠心分離して上清(×10濃縮液上清)と沈澱に
分離した。沈澱を回収し、これに50%エタノールを加
えて溶解し、10,000rpmで20分間遠心分離し
て沈澱(50%EtOH沈澱−2)と上清(50%Et
OH上清−2:MFW−H)を得た。
【0032】
【実施例7:メラニン生成抑制試験及び可逆性試験】
【0033】(1)メラニン生成抑制試験(1) 実施例1で得た組成物を試料として、該試料のメラニン
生成抑制活性をB16マウスメラノーマ細胞を用いて測
定した。
【0034】B16マウスメラノーマ細胞を、10%F
CSを含むDMEM培地を入れた96穴プレートに、1
ウエルあたり800個播種し、37℃で4時間培養し、
細胞をウエルに付着させた。その後、培地を除去し、上
記培地にα−MSHを終濃度0.2μMになるように添
加した培地(以下α−MSH含有培地という)に各濃度
の試料を加え調製した培地に交換し37℃4−5日間培
養した。尚細胞培養は37℃のCO2インキュベーター
中で、5%CO2−95%空気の条件で行った。生細胞
数はMTT法(CHEMICON INTERNATIONAL INC.資料Colo
rimetric(MTT)Assay for cell Survival and Prolifera
tion)に従って、オートリーダーで630nmをバック
に570nmでの吸光度を測定し、生細胞数を表す相対
値とした。メラニン生成量は細胞を0.2N NaOH
に溶解し490nmでの吸光度をオートリーダーで測定
し、その値をメラニン生成量を表す相対値とした。
【0035】生細胞数の1個当りのメラニン生成量は、
下記式に示される。 生細胞当りのメラニン生成量=〔(490nmにおける
吸光度)/(570nmにおける吸光度−630nmに
おける吸光度)〕×100
【0036】図1に、試料(本発明組成物)の濃度に対
する生細胞当たりのメラニン生成量を示した。この結果
から明らかなように、試料濃度の増加にしたがいメラニ
ン生成量が著しく減少していること、しかも生細胞の生
育には何らの悪影響も及ぼさないことがわかる。すなわ
ち、赤糠のエタノール上清画分は、美白作用を有してい
ることが判明した。
【0037】(2)メラニン生成抑制試験(2) B16マウスメラノーマ細胞を6ウエルプレートの各ウ
エルに2.0×104個(約2.2×103個/cm2
播種し、培地(10%FCSを含むDMEM培地)中
で、37℃、5%CO2−95%空気中で4時間培養
し、細胞をウエルに付着させた。
【0038】その後、培地を除去し、各濃度の試料を含
むα−MSH含有培地及び試料を含まないα−MSH培
地中で、5日間培養(細胞密度が80〜90%飽和程
度)を行った。培養は、1試料1濃度につき3ウエルを
使用して行った。培養5日目に細胞をPBSで洗浄し、
0.125%トリプシン液で細胞を剥離し、その一部に
ついてトリパンブルー染色後の生細胞数を測定し、試料
不含培地及び試料含有培地(最も試料濃度の高い系)中
での培養細胞の一部をウエル毎に細胞継代用に確保し
た。残りの細胞を遠心分離によりガラス管に回収し凍結
保存した。
【0039】(3)メラニン生成抑制作用の可逆性試験 (2)で細胞継代用に確保した細胞をウエル毎に培地中
に前記細胞密度で播種し、4時間後に各α−MSH含有
培地に交換した。すなわち、(2)の試料不含α−MS
H含有培地での培養細胞(3ウエル)をさらに同様の培
地で、また(2)での試料含量α−MSH含有培地で培
養した細胞(6ウエル)を試料不含α−MSH含有培地
(3ウエル)及び(2)と同濃度の試料含有α−MSH
含有培地(3ウエル)に交換し、5日間の培養の後前記
方法に従い細胞数を測定し、残りの細胞をガラス管に回
収し、必要に応じて凍結保存した。
【0040】(4)試料のメラニン生成抑制活性の評価 凍結保存した細胞を解凍し、細胞の色調を肉眼的に観察
し、細胞の白色化度を次の5段階で評価した。+は白色
度を示す。4+:白色、3+:白色〜灰色、2+:灰
色、1+:灰色〜黒色、−:黒色。その後、細胞を0.
2N NaOH(細胞数によって0.5〜1.0ml使
用)に溶解し、475nmでの吸光度を測定した。別に
メラニン溶液で作成した検量線に基づき細胞に含まれる
総メラニン量を求め、さらに細胞当りのメラニン量を算
出した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記したメラニン生成抑制活性の6穴プレ
ートでの評価結果より明らかなように、細胞増殖を抑制
しない試料添加濃度において細胞当りのメラニン量の低
下及び細胞の白色化が認められた。また、試料添加によ
っていったん白色化した細胞を試料を添加することなく
継代した場合には細胞当りのメラニン量の増加と細胞の
黒色化がみられた。以上の結果は、該画分がα−MSH
によって促進したメラニン生成をも抑制することを示し
ており、さらに、この作用は、メラニン生成細胞のメラ
ニン生成装置を破壊するものではなく、その作用が可逆
的であることを示している。
【0043】
【実施例8:メラニン生成抑制試験(2)】実施例3
(非脱脂法)によって製造した乾燥粉末(MFW)につ
いて、実施例7に記載した方法を用いてメラニン生成抑
制試験を行った。
【0044】図2に、試料(MFW)の濃度に対する生
細胞当たりのメラニン生成量を示した。この結果から明
らかなように、試料濃度の増加にしたがいメラニン生成
量が著しく減少していること、しかも生細胞の生育には
何らの悪影響も及ぼさないことがわかる。すなわち、赤
糠の本画分は、美白作用を有していることが判明した。
【0045】
【実施例9:メラニン生成抑制試験(3)】実施例5に
おいて製造した各画分(懸濁液、50%EtOH沈澱−
2、50%EtOH上清−2(MFW−H))につい
て、実施例7に記載した方法を用いてメラニン生成抑制
活性を測定し、得られた結果を下記表2及び図3、図4
に示す。なお検討1−1は、実施例2において小規模で
の製造を表わし、SD−1は大規模にスケールアップし
た場合を示し、sup.は上清を意味する。
【0046】
【表2】
【0047】
【実施例10:メラニン生成抑制試験(4)】実施例6
において製造した各画分(10倍濃縮液(懸濁液)、1
0倍濃縮液上清、50%EtOH沈澱−2、50%Et
OH上清−2(MFW−H))について、メラニン生成
抑制活性を測定した。得られた結果を下記表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】実施例9、10の結果から明らかなよう
に、50%EtOH沈澱−2及び50%EtOH上清−
2の両画分は、その比活性が200〜500u/mgと
いずれも高く、10倍濃縮液(懸濁液)に比して約4〜
10倍高い比活性を示した。溶解性の難易を考慮した場
合、50%EtOH上清−2画分を高比活性MFW(M
FW−H)とすることができるが、両画分を特に分離す
ることなく50%エタノール溶液自体又はその処理物を
本発明の有効成分として利用することも充分可能であ
る。
【0050】
【実施例11:吸湿性及び保湿性試験】実施例1及び実
施例3で製造した赤糠由来の組成物、保湿成分として化
粧品において多用されているヒアルロン酸、及び吸湿性
の高い化合物として既知のグリセリンを試料とし、これ
らの各試料について、吸湿性及び保湿性試験を行った。
【0051】(1)吸湿性試験 試料(本組成物、ヒアルロン酸、グリセリン)、約20
0mgを秤量瓶にはかり取り、五酸化リンのはいった乾
燥器中で減圧下(室温)で18時間放置し、乾燥させた
ものを試料として試験に供した。これらの乾燥試料を相
対湿度34%および74%(温度20℃)の恒温恒湿槽
に放置した。吸湿能の指標として、次式で求めた重量増
加率(%)を用いた。 重量増加率(%)=〔(Wt−Wo)/Wo〕×100 Wo:放置前の乾燥試料重量 Wt:t時間放置後の試料重量
【0052】(2)保湿性試験 高湿度下(相対湿度74%、温度20℃)で吸湿した試
料(本組成物、ヒアルロン酸、グリセリン)を、相対湿
度40%、温度20℃の恒温恒湿槽、次いでデシケータ
ー(室温)内に放置した。保湿性の指標として、次式で
求めた水分残存率(%)を用いた。 水分残存率(%)=〔(Wt−Wo)/(Wo′−W
o)〕×100 Wo′:放置前の含水試料重量
【0053】(3)結果及び考察 試料(本組成物、ヒアルロン酸、グリセリン)につい
て、その各々の、相対湿度34%および74%(温度2
0℃)における吸湿性を、吸湿重量増加率の時間変動で
表した(図5、6、7)。また、各試料の保湿性を、高
湿度下で吸湿させた各試料を用いて、その低湿度下にお
ける水分残存率の時間変動で表した。(図8、9)。
【0054】図5〜図9の結果から明らかなように、各
試料中、本組成物は、ヒアルロン酸に比してその吸湿性
はやや低いものの、保湿性に関しては、デシケーター内
での放置後でも、試料重量の8%程度の水分を保持して
いた。吸湿性、保湿性とともに高い物質では、高湿度時
に皮膚にべとつきを与える可能性があるので、吸湿性が
あまり高くなく、保湿性の優れたものが、理想的な保湿
剤と考えられる。また、ヒトの角質層において望ましい
水分量は、10%以上とされている。したがって、低湿
度下(デシケーター内)においても8%程度の水分を保
持することが確認されたこれらの各画分は、冬季などの
低湿度の環境下においても、角質層中の水分保持力を向
上させ、さらに水分の放出も抑制するという望ましい保
湿作用を有していることが分かった。この作用は、現在
優れた保湿性物質として知られているヒアルロン酸に匹
敵するといえる。
【0055】
【実施例12:5−リポキシゲナーゼ阻害作用】5−リ
ポキシゲナーゼの粗酵素液としては、ラットの好塩基性
白血病細胞(RBL−1細胞)から抽出したものを使用
して、実施例1で製造した本組成物を試料として、その
5−リポキシゲナーゼ阻害活性を次により測定した。
【0056】0.0845Mトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)、1mM アデノシントリホスフェイト、1m
M 塩化カルシウム、0.1mM アラキドン酸、試
料、粗酵素液で全量2.0mlとする。37℃で10分
反応させた後、1N HCl 50μlを加え反応を停
止する。反応液中で生成されたLTB4を酢酸エチルで
抽出し、高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
試料無添加におけるLTB 4の生成量をもとに、試料の
5−リポキシゲナーゼ阻害活性をLTB4の生成阻害率
で表した。
【0057】その結果、試料(本組成物)は、0.2〜
0.5mg/mlの低濃度で阻害率約50%というきわ
めて高い阻害率を示した。したがって、赤糠のエタノー
ル上清画分に由来する本組成物は、5−リポキシゲナー
ゼに対して高い阻害活性を示すことから、すぐれた抗炎
症作用を有することが確認された。なお、実施例2及び
実施例3で得られたMFWについても、同様の活性が確
認された。
【0058】
【実施例13:抗酸化作用】試料(実施例1で製造した
組成物)に45mM Na−リン酸緩衝液(pH6.
9)、エタノール、リノール酸メチルを加えて全量2.
2mlとし、室温で、窓際にて振とうしつつ放置した。
経時的にリノール酸メチルの過酸化物を塩化アルミニウ
ムを用いる微量比色法(過酸化脂質実験法、金田尚志、
植田伸夫編集p60、塩化アルミニウムを用いる微量比
色法)にて測定した。すなわち、上記反応液0.2ml
に2%ヨウ化カリウム(エタノール溶液)、塩化アルミ
ニウム溶液(2gの無水塩化アルミニウムと0.02g
のオルトフェナンスロリンを100mlのエタノールに
溶解)のそれぞれ0.5mlとヘキサン1.0mlを加
え37℃で5分間反応する。その後0.01N塩酸溶液
15.0mlとデンプン溶液(1gの可溶性デンプンと
20gの塩化ナトリウムを100mlの蒸留水に溶解)
0.5mlを加え、激しく振とうした後、3000rp
mで3分間遠心した。下層を分画し、その560nmで
の吸光度を測定した。予めヨウ素酸カリウム標準溶液で
求めた検量線から反応液中の活性酸素量を求め得るが、
本実験では、560nmでの吸光度値の差にて活性を表
した。
【0059】その結果、赤糠由来の本組成物は、0.2
23〜0.445%濃度で約90%の阻害率を示し、リ
ノール酸メチルの酸化を抑制する活性にすぐれているこ
とが確認された。紫外線による皮膚の炎症の原因のひと
つとして皮脂の酸化が考えられており、本発明に係る化
粧料は、本組成物の適用によって、皮膚の炎症の防止効
果を有するものである。なお、実施例2及び実施例3で
得られたMFWについても、同様の活性が確認された。
【0060】
【実施例14:皮膚一次刺激性試験】実施例1で得た赤
糠由来の組成物を用い、Draize法に準じてウサギ
日本白色種(雄、2〜2.5kg)での皮膚一次刺激性
試験を下記の試験条件下に行った。
【0061】(条件) 投与量:1.5×2.0cmのリント布に0.25ml
の被験物質(乾燥重量で10重量%濃度に調製したも
の)を使用。 暴露時間:閉鎖塗布、24時間。 暴露中の動物固定:首かせで24時間固定する。 塗布後洗浄:蒸留水で軽く拭き取る。 使用動物数:1試料につき3羽使用。 擦過及び正常皮膚:それぞれの動物の背部の片面を正
常、他方を擦過皮膚とした。 剃毛:電気バリカンを使用。 評価:塗布除去直後、24、48及び72時間後の皮膚
変化を観察・記録・評価する。 判定:Draize法により行う。 すなわち、24時間と72時間目の紅斑評点と浮腫評点
を加えて平均値を算出し、一次刺激指数(P. I. I., Pr
imary Irritation Index)として下記基準により分類し
た。 (分類基準) P.I.I<2:弱い刺激性あり。 2≦P.I.I<6:中程度の刺激性あり。 6≦P.I.I<8:強度の刺激あり。
【0062】得られた結果を下記表4に示す。この結果
から明らかなように、本組成物は、皮膚刺激性が極めて
低いことがわかる。したがって、本組成物は、正常及び
損傷皮膚のいずれに対しても、安全性が極めて高いもの
と評価できた。
【0063】
【表4】
【0064】
【実施例15:チロシナーゼ活性阻害作用】実施例1で
得た赤糠由来の組成物(もとの培養上清相当の約25倍
濃縮液)を試料として、そのチロシナーゼ阻害活性を下
記(2)、(3)の方法で測定した。
【0065】(1)B16マウスメラノーマ細胞からチ
ロシナーゼ粗酵素液の調製 培地中で培養増殖したB16マウスメラノーマ細胞、約
4×107個をラバーポリスマンを用いてシャーレーか
ら直接こそぎとり、10mlの10mM Na−燐酸緩
衝液(pH7.4)中でホモジナイザーで磨砕した。1
×104Gで20分間遠心分離し、その上清部を上記緩
衝液に対して十分に透析したものをチロシナーゼ粗酵素
液とした。測定には該酵素液を適宜上記緩衝液で希釈し
たものを用いた。
【0066】(2)メラニン生成阻害活性測定 本活性の測定は、Hearingの方法(V. J. Hearin
g and T. M. Ekel ; Biochem. J., 157, 549 (1976))
に基づいて行った。チロシナーゼ粗酵素液、0.1M
Na−燐酸緩衝液(pH7.4)、0.1mg牛アルブ
ミン、50μM〔U−14C〕チロシン(sp.act.
25mCi/mmol、0.125μCi/ml)、5
μM DOPA及び実施例1の試料により全量50μl
とし、混合後37℃で60分間反応させた。反応後全量
を2.4cmのワットマン3MM濾紙に吸着させ、0.
1N HCl−0.1%チロシン液で数回洗浄し、その
後エタノール、アセトンで洗浄乾燥し、酸不溶性画分に
取り込まれたアイソトープ量を液体シンチレーションス
ペクトロメータを用いて測定した。試料のメラニン生成
阻害活性は、試料不含反応系での取り込み量との差とし
て求めることができる。
【0067】図10に、本組成物を用いた細胞試験での
有効濃度とチロシナーゼ(メラニン生成)阻害活性との
関係を示す。これより、該組成物の存在によるチロシナ
ーゼ阻害活性は比較的小さいことがわかる。
【0068】
【実施例16:抗炎症作用】実施例2で製造したMFW
を用い、そのアラキドン酸誘発に対する抗炎症作用を検
討した。
【0069】(1)試験材料 MFWは、50%エタノール(和光純薬工業)で溶解し
た。群構成は、無処置群、対照群(a)(溶媒群)(5
0%エタノール群)、MFW 0.2mg/ear×3
回塗布群(1%群)、MFW 1mg/ear×3回塗
布群(5%群)、陽性対照群としてAA−861(和光
純薬工業)1mg/ear×3回塗布群の計5群とし、
マウスの右耳の裏表面に塗布した。起炎剤のアラキドン
酸(ナカライテスク)はアセトン(和光純薬工業)に溶
解した。
【0070】使用動物としては、5週齢の雄性ddY系
マウス(日本エスエルシー)を用いた。入荷時に各動物
の健康状態を肉眼的に観察し、異常のない動物を各動物
室に収容した。動物は温度21〜25℃、湿度45〜6
5%、照明時間12時間/日(7時〜19時)の条件下
の室内で飼育し、固型飼料F−2(船橋農場)と水道水
質基準に適合した水道水を自由摂取させた。入荷時より
3日間以上予備飼育した後、一般状態の健康な動物を実
験に使用した。なお、非絶食下の動物を実験に用いた。
【0071】投与前値に対する浮腫率について、Dun
nettの多重比較検定を用いて統計学的処理を行っ
た。
【0072】(2)試験方法 雄性マウスを1群6匹(体重、28.5〜33.5g)
として使用した。50%エタノールで溶解した被験薬M
FWをマウスの右耳の裏表面に10μlづつ、計20μ
l塗布した。被験薬を約25分間隔で3回処置し、その
30分後に起炎剤としてアセトン(和光純薬工業)で溶
解したアラキドン酸100mg/mlを、右耳の裏表面
に計20μl(2mg/ear)塗布した。アラキドン
酸塗布30、60、120及び180分後に、dial thi
ckness gauge(尾崎製作所)を用い耳の厚さを0.01
mmの単位まで測定し、耳浮腫に対する抗炎症効果を検
討した。
【0073】(3)結果 被験薬MFWにおける、アラキドン酸誘発による耳浮腫
率の経時変化を下記表5に示した。
【0074】
【表5】
【0075】上記結果から明らかなように、対照群
(a)(50%エタノール、20μl/ear)では、
アラキドン酸塗布1時間後に投与前値に対し約64%、
2時間後に47%の耳浮腫が認められ、3時間後には軽
減した。この経時変化はInoueら(Prostaglandin
s, 36 : 731-739(1988))の結果とよく一致した。
【0076】被験薬MFWにおいても、アラキドン酸塗
布1時間後に最大浮腫率が得られ、0.2mg/ear
×3回で42%、1mg/ear×3回で34%であっ
た。対照群(a)の耳浮腫率に比較して、このMFW
1mg/ear×3回の1時間後のみに有意な抗炎症作
用(P<0.05)が認められた。
【0077】対照薬のAA−861 1mg/ear×
3回では顕著な抗炎症作用が確認され、アラキドン酸塗
布0.5時間後から3時間後まで対照群(a)に比較し
て、有意な作用(P<0.01)が確認された。
【0078】以上のように、被験薬MFWでは、1mg
/ear×3回の塗布によりアラキドン酸塗布1時間後
に有意な抗炎症作用が認められた。
【0079】
【実施例17:バニシングクリームの調製(1)】実施
例1で得た組成物を有効成分として用い、以下に組成を
示すバニシングクリーム(O/W型)を下記製造方法に
より調製した。
【0080】 (組成) (重量%) A液 ステアリン酸 10.0 ステアリンアルコール 4.0 ステアリン酸ブチル 8.0 モノステアリン酸グリセリン 2.0 メチルパラベン 0.048 ジブチルハイドロキシトルエン 0.01 B液 プロピレングリコール 10.0 グリセリン 4.0 水酸化カリウム 0.4 精製水 残量 赤糠由来の組成物(実施例1) 1.0 メチルパラベン 0.152
【0081】(製造方法) 1)A液を70℃の水浴中にて加熱溶解する。 2)70℃の水浴中で加温・攪拌しながら先ず精製水に
水酸化カリウム、メチルパラベンの順に加えて十分に溶
解し、そこにプロピレングリコール及びグリセリン、最
後に実施例1で得られた組成物を加える。 3)B液を70℃の水浴中で攪拌しつつ、そこに加熱溶
解したA液を徐々に加える。 4)A及びB液が乳化した後、攪拌した状態で水温を3
0℃程度までゆっくりと下げる。 5)冷却により安定したクリーム状バニシングクリーム
を得る。
【0082】
【実施例18:バニシングクリームの調製(2)】赤糠
由来の組成物(実施例1)の配合量を10重量%とする
以外は実施例17と同様にしてバニシングクリームを得
た。
【0083】
【実施例19:入浴剤の調製(2)】実施例3で製造し
た赤糠由来の乾燥粉末(MFW)を有効成分として5g
用い、これに硫酸ナトリウム43g、炭酸水素ナトリウ
ム50g、ホウ砂2g、法定色素(ウラニン:黄色20
2号)及び香料を適量加えて混合し、パウダータイプの
入浴剤を調製した。
【0084】
【発明の効果】本発明に係る化粧料の有効成分である赤
糠由来の組成物は、すぐれたメラニン生成抑制作用、抗
炎症作用、抗酸化作用、保湿作用を有するだけでなく、
皮膚刺激性もほとんどなくきわめて安全性の高いもので
ある。
【0085】しかも本組成物のメラニン生成抑制作用は
生成組織を損傷させることのない可逆的なものであるこ
とから、本組成物を有効成分とする本発明に係る化粧料
は、皮膚化粧料、特に美白、老化防止、保湿性化粧料と
してきわめて有用であり、そして天然物由来であるため
に安全性もきわめて高いという著効も奏される。また、
入浴剤、石けん、シャンプーその他浴用化粧料の有効成
分としても赤糠由来の各画分は有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の試料濃度に対する生細胞当りのメラ
ニン量を示す。
【図2】実施例3の試料濃度に対する生細胞当りのメラ
ニン量を示す。
【図3】実施例5(小規模製造の場合)の試料濃度に対
する生細胞当りのメラニン量を示す。
【図4】実施例5(大規模製造の場合)の試料濃度に対
する生細胞当りのメラニン量を示す。
【図5】実施例1の試料、ヒアルロン酸、グリセリンに
ついての相対湿度34%(温度20℃)における吸湿性
を示す。
【図6】同相対湿度74%(温度20℃)における吸湿
性を示す。
【図7】実施例3の試料の相対湿度74%(温度20
℃)における吸湿性を示す。
【図8】実施例1の試料、ヒアルロン酸、グリセリンの
保湿性を示す。
【図9】実施例3の試料の保湿性を示す。
【図10】実施例1の試料のチロシナーゼ阻害活性を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 35/78 ADS U 8217−4C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤糠を脱脂しもしくは脱脂することな
    く、熱水で抽出し、次いでアルコールを加え、生成した
    沈澱物を除去して得られる上清を有効成分とすることを
    特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 アルコールとして、メタノール、エタノ
    ール及び/又はプロパノールを使用することを特徴とす
    る請求項1に記載の化粧料。
  3. 【請求項3】 アルコールを終濃度40〜70%になる
    ように添加することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の化粧料。
  4. 【請求項4】 該上清として、上清自体、その濃縮物、
    ペースト状物、希釈物、及び/又は乾燥物を使用するこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載の化粧料。
  5. 【請求項5】 上清自体の場合はこれを濃縮し、その処
    理物の場合は濃縮上清と同様に水分調節を行った後、固
    液分離を行い、上清部を除去した後、沈澱部にエタノー
    ルを加えて得られた溶液を有効成分とすることを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の化粧
    料。
  6. 【請求項6】 該溶液を上清部と沈澱部とに分離し、こ
    れら各部をそれぞれ有効成分とすることを特徴とする請
    求項5に記載の化粧料。
  7. 【請求項7】 化粧料が皮膚化粧料又は浴用化粧料であ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項
    に記載の化粧料。
  8. 【請求項8】 化粧料が、メラニン生成抑制作用、抗炎
    症作用、抗酸化作用、吸湿作用、及び/又は保湿作用を
    有する皮膚化粧料及び/又は浴用化粧料であることを特
    徴とする請求項7に記載の化粧料。
  9. 【請求項9】 化粧料が、美白化粧料、老化防止化粧
    料、及び/又は保湿化粧料であることを特徴とする請求
    項7又は請求項8に記載の化粧料。
  10. 【請求項10】 浴用化粧料が入浴剤であることを特徴
    とする請求項7又は請求項8に記載の化粧料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011093880A (ja) * 2009-10-02 2011-05-12 Geo Co Ltd 抗炎症組成物ならびにそれを含有する皮膚外用剤、化粧料および健康食品
FR2958848A1 (fr) * 2010-04-19 2011-10-21 Isp Investments Inc Utilisation d'un extrait de son de riz non germe et non fermente en tant qu'agent actif anti-age
KR101217704B1 (ko) * 2010-08-18 2013-01-02 영남대학교 산학협력단 적색미 추출물을 함유하는 피부 미백용 화장료 조성물

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