JP2011091281A - MnZnフェライトコアおよび巻線型電子部品 - Google Patents

MnZnフェライトコアおよび巻線型電子部品 Download PDF

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健二 河野
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Abstract

【課題】MnZnフェライト焼結体の表面に絶縁体層を形成することによって、電気抵抗率の高いMnZnフェライトコアと該MnZnフェライトコアを使用した巻線型電子部品を提供。
【解決手段】MnZnフェライト焼結体19と、MnZnフェライト焼結体の表面にエアロゾルデポジット法によって形成され、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミックのうち少なくとも1つからなる絶縁体層5と、からなるMnZnフェライトコア9であろ。MnZnフェライトコア上には一対の外部電極1が形成されるとともに、MnZnフェライトコアの巻芯部3に絶縁被覆銅線4が巻き回されコイルを形成するとともに両端部8が外部電極と導電接続されて、巻線型電子部品の一例の巻線インダクタ10が構成される。これにより、電気抵抗率が高いMnZnフェライトコアと、信頼性が高い巻線型電子部品を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明はスイッチング電源用トランス、チョークコイル、インダクタに使用されるMnZnフェライトコアと該MnZnフェライトコアを用いた巻線型電子部品に関するものである。
巻線型電子部品の一例としての巻線インダクタは、たとえば図5および図6に示すように、ドラム形のフェライトコア29と、フェライトコアの鍔部22の外面上に形成された一対の外部電極11と、フェライトコアの巻芯部23に巻き回されてコイルを形成するとともに両端部がそれぞれ外部電極と導電接続された絶縁被覆銅線14と、とを備える。
巻線型電子部品に用いられるフェライトコアとして、MnZnフェライト焼結体、NiZnフェライト焼結体等がある。MnZnフェライト焼結体は、NiZnフェライト焼結体に比べて透磁率が高く、飽和磁束密度も高いうえ電力損失が小さいという特性に優れ、高い磁気特性が必要とされる場面で、例えば電源用トランスやチョークコイルなどのコアとして使用されている。しかし、MnZnフェライト焼結体は材料の電気抵抗率が1〜10Ω・mと低いため、導体と接する可能性のある箇所には絶縁対策が必要となる。対策方法としては、例えば特許文献1で開示されているように、磁心挿入孔と接続端子を備え絶縁性の樹脂などからなるボビンに巻線を巻き回し、このボビンにMnZnフェライト焼結体からなる一対のE形コアをその磁脚の先端同士を付き合わせて嵌装させることが行なわれている。前記図5に示す巻線インダクタ210においては、たとえば図3に示すように、ドラム型のフェライト焼結体19の表面のうち導体と接する箇所や導体と接する可能性のある箇所に絶縁対策として絶縁性の樹脂からなるボビン16等の被覆が施されている。しかしながらこのような対策はコストアップの要因となるとともに、巻線型電子部品の小型化の阻害要因となっている。さらに高温環境下の使用条件において樹脂が溶融して絶縁信頼性を確保できないという問題があった。
このため絶縁性の樹脂からなるボビンや樹脂からなる被覆等を使用せずにMnZnフェライト焼結体からなるコアの表面に直接絶縁被覆銅線等を巻き回すことができるようにMnZnフェライト焼結体の表面の電気抵抗率を高くするための対策が試みられてきた。たとえば特許文献2には、MnZnフェライト焼結体を大気中で酸化熱処理して表面に数μmの絶縁体層を生成させたMnZnフェライトコアが記載されている。特許文献3にはMnZnフェライト焼結体の表面層に Liなどの化合物を熱処理によって厚さ方向に拡散させて表面に絶縁体層を形成したMnZnフェライトコアが記載されている。また特許文献4には、MnZnフェライト焼結体の表面に真空蒸着法によってシリカの絶縁体層を形成することで表面の電気抵抗率を高くしたMnZnフェライトコアが記載されている。さらに特許文献5には、MnZnフェライト焼結体の表面に真空蒸着法によって成膜される金属酸化物からなる厚さ0.1〜30μm程度の絶縁体層を形成すること、および金属酸化物の成膜時に300〜600℃に加熱することで緻密な絶縁体層を形成することが記載されている。
特開2003−297644号公報 特開H05−124883号公報 特開H06−325922号公報 特開H03−242907号公報 特開2004−235428号公報
特許文献2に記載の絶縁体層の形成方法によると、フェライトコアの電気抵抗率が10Ωm程度まで上がるが、酸化処理により形成される絶縁体層にはピンホールが生じやすい。
特許文献3に記載の絶縁体層の形成方法では、フェライト焼結体の表面に加熱拡散によって絶縁体層が形成されるため熱処理条件によるばらつきが大きく、フェライトコア個体間のばらつきや個体内位置によるばらつきが発生しやすい。さらに、形成される絶縁体層の厚さは例えば0.05mm〜3mm程度になるため、小型のフェライトコアではフェライト焼結体表面に形成された絶縁体層の影響を受けてフェライトコアとしての磁気特性を低下させてしまうことがあった。
また特許文献4に記載の絶縁体層の形成方法では、MnZnフェライト焼結体の表面への絶縁体層の形成時には約300℃の高温状態となるため、MnZnフェライト焼結体の熱膨張係数:1.2×10−5/℃と絶縁体層であるシリカの熱膨張係数:5.0×10−7/℃の差異によって熱歪や残留応力が生じて、使用環境下の熱サイクルでMnZnフェライト焼結体の表面から絶縁体層が剥れてしまうことがあった。
特許文献5に記載の絶縁体層の形成方法は、500℃以上に加熱して絶縁体層を形成するが、冷却速度を遅くすることで残留応力の低減を図ろうとするものである。この形成方法によれば、MnZnフェライト焼結体の熱膨張係数:1.2×10−5/℃と絶縁体層のアルミナの熱膨張係数:7.0×10−6/℃、またはシリカの熱膨張係数:5.0×10−7/℃の差異によって発生した残留応力は冷却速度を遅くすることによって低減できるとされる。しかしこの形成方法ではMnZnフェライトコアの一部に集中するような熱歪や残留応力をMnZnフェライトコア全体に分散させることはできるがMnZnフェライト焼結体と絶縁体層の物性の差に起因する残留応力そのものを無くすことはできない。
本発明の目的は、巻線型電子部品に使用されるフェライトコアとして、MnZnフェライト焼結体の表面に絶縁体層を成膜することによって、電気抵抗率が高く、熱歪や残留応力を低減したMnZnフェライトコアと、該MnZnフェライトコアを使用した巻線インダクタを提供することである。
本発明は、MnZnフェライト焼結体と、該MnZnフェライト焼結体の表面にエアロゾルデポジット法によって形成された酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック、のうち少なくとも1つからなる絶縁体層と、からなるMnZnフェライトコアである。
また、本発明は、該MnZnフェライトコアと、該MnZnフェライトコア上に形成された少なくとも一対の外部電極と、該MnZnフェライトコアに巻き回されてコイルを形成するとともに両端部が前記の外部電極とそれぞれ接続された導線と、を備える巻線型電子部品である。
本発明のMnZnフェライトコアは、MnZnフェライト焼結体の表面にエアロゾルデポジット法により絶縁体層を形成したものであり、該エアロゾルデポジット法は、常温で、セラミック粒子を対象物に衝突させて高密度に付着、形成する方法である。従来の真空蒸着法による方法と比べて、大掛かりな装置を必要とせず、ノズルスプレーで成膜するため対象物の表面に部分的に形成することが可能であり、コスト的にも優れている。
エアロゾルデポジット法による絶縁体層形成装置の一例を図7に示す。チャンバー310はエアロゾル状態のセラミック粒子を噴射するためのノズル36と、絶縁体層が形成される対象物としてのMnZnフェライト焼結体19を取り付けてXYZ方向に移動することができるXYZステージ35と、噴射されるエアロゾル状態のセラミック粒子の濃度を測定するための粒子ビーム測定器34と、圧力計312とを備える。該圧力計によってチャンバーの内圧が測定され、チャンバーに取り付けられたメカニカルブースター38とロータリーポンプ39によって、チャンバー内は低圧に維持されている。また前記ノズルにはセラミック粒子の大きさを調整するための解砕分級器37が接続され、さらに該解砕分級器にはセラミック粒子をエアロゾル化するエアロゾル発生器33が接続されている。前記粒子ビーム測定器34で測定されたチャンバー内のセラミック粒子濃度はマスフロー制御器32にフィードバックされ、高圧ガスボンベ31からのガス流量が制御される。絶縁体層の原料となるセラミック粒子311はセラミック焼結体の粉末として準備され、エアロゾル発生器33に入れられている。このセラミック粒子は高圧ガスと混合されエアロゾル状態となって減圧されたチャンバー310内に導かれ、ノズル36から絶縁体層が形成される対象物としてもMnZnフェライト焼結体19に向かって噴射される。セラミック粒子は粒径が0.08〜5μm程度だが、必要に応じて解砕分級器で適当な大きさに機械的に砕かれさらに分級される。絶縁体層が形成される対象物は移動可能なステージ35に取り付けられており、ノズルと対象物との相対位置をかえることで対象物の表面のうちの任意の領域に限定して絶縁体層を形成することができる。
MnZnフェライト焼結体の表面に酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック、のうち少なくとも1つからなる絶縁体層をエアロゾルデポジット法によって形成することでMnZnフェライトコアを得ることができる。絶縁体層を形成する前のMnZnフェライト焼結体の電気抵抗率は低いため、該MnZnフェライト焼結体の表面に外部電極を直接形成することはできず、また該MnZnフェライト焼結体の巻芯部に被覆銅線を直接巻き回すことはできない。しかし絶縁体層を形成した後のMnZnフェライトコアの電気抵抗率は、MnZnフェライト焼結体の電気抵抗率に比べて大きく上昇するので、信頼性の問題なく該MnZnフェライトコアの表面に外部電極を直接形成することができ、該MnZnフェライトコアの巻芯部に被覆銅線を直接巻き回すことが可能となる。さらに絶縁体層の形成は常温でおこなわれるため、絶縁体層を厚く形成しても熱歪や残留応力の影響はほとんどない。
また、MnZnフェライト焼結体の表面に、絶縁体層として、上記酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック、のうち少なくとも1つからなる非磁性体セラミックと組み合わせて、磁性体であるNiZnフェライトセラミックを、エアロゾルデポジット法によって、厚さや位置を変えて成膜することによって、MnZnフェライトコアの透磁率、磁気抵抗、周波数磁気特性をコントロールすることが可能となる。
上記のように本発明のMnZnフェライトコアは、その表面に外部電極を直接形成することができ、さらに絶縁被覆銅線を直接巻き回して信頼性の高いコイルを形成することができる。該絶縁被覆銅線の両端部を外部電極に導電接続することによって図1に示すような巻線型電子部品を得ることができる。
MnZnフェライト焼結体の表面にエアロゾルデポジット法によって絶縁体層を形成することによって従来品と比べて電気抵抗率が高く、熱歪や残留応力を低減した、MnZnフェライトコアを得ることができた。該MnZnフェライトコアを用いることによって信頼性の高い低コストの巻線型電子部品を得ることが可能となった。
本発明のMnZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの斜視図である。 上記巻線インダクタの図1のL1−L1’線における断面図である。 従来のMnZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの斜視図である。 上記従来の巻線インダクタの図3のL2−L2’線における断面図である。 NiZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの斜視図である。 上記NiZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの図5のL3−L3’線における断面図である。 エアロゾルデポジット法による絶縁体層形成装置の一例を示す説明図である。
本発明のMnZnフェライトコア及び該MnZnフェライトコアを用いた巻線型電子部品の一例としての巻線インダクタの製造工程について図1、図2および図7を参照して説明する。
まず所定の組成のMnZnフェライト原材料を秤量しボールミルで混合した後、仮焼し、粉砕して得られたMnZnフェライト材料粉体を所定のコアの形状に成形し、1300℃で焼成してMnZnフェライト焼結体19を得る。一方、図7に示すエアロゾルデポジット法による絶縁体層形成装置30においては、形成される絶縁体層の原料となるセラミック焼結体の粉末をボールミルで粒径調整した後、エアロゾル発生器33に入れる。該エアロゾル発生器33でエアロゾル状態となったセラミック粒子は解砕分級器37を経由してチャンバー310内のノズル36から、XYZステージ35にセットされ絶縁体層が形成される対象物としてのMnZnフェライト焼結体19の表面に向けて4リットル/minで噴射される。このときチャンバー310内の圧力は7Paに調整されており、ノズル36とMnZnフェライト焼結体19との相対位置を移動させながら常温で絶縁体層5の形成がおこなわれる。こうしてMnZnフェライト焼結体19のすべての表面に絶縁体層5が形成されて、図1に示すMnZnフェライトコア9が得られる。
次に該MnZnフェライトコア9の外面に銀ペーストを印刷して焼付け、めっき処理をおこなって外部電極1を形成する。さらに絶縁被覆銅線4を図2に示す巻芯部3に巻き回してコイルを形成するとともに、前記絶縁被覆銅線4の両端部8を外部電極1とそれぞれ半田付けにより導電接続して本発明の巻線型電子部品の一例の巻線インダクタ10を得る。
(実施例)
本発明の実施例のMnZnフェライトコア9を下記のように製造した。
まず配合組成がFe
53mol%、MnO 22mol%、ZnO 25mol%となるようにMnZnフェライトの原材料を秤量しボールミルで混合した後、仮焼し、粉砕して得られたMnZnフェライト材料粉体を所定のドラム形状に成形し、1300℃で焼成してMnZnフェライト焼結体19を得た。一方、図7に示すエアロゾルデポジット法による絶縁体層形成装置30においては、形成される絶縁体層の原料となるセラミック焼結体の粉末をボールミルで粒径調整した後、エアロゾル発生器33に入れた。該エアロゾル発生器33でエアロゾル状態となったセラミック粒子を解砕分級器37を経由してチャンバー310内のノズル36からステージ35にセットしたMnZnフェライト焼結体19の表面に4リットル/minで噴射した。このときチャンバー310内の圧力は7Paに調整されており、絶縁体層の形成はノズル36とフェライト焼結体19との相対位置を移動させながら常温でおこなった。こうしてMnZnフェライト焼結体19のすべての表面に絶縁体層5を形成して、図1に示すMnZnフェライトコア9を得た。該MnZnフェライトコア9の外形寸法は縦10mm×横10mm×厚さ(図2の上下方向)5mmで、巻芯部3の寸法は直径6.5mm×高さ3mm、2箇所の鍔部2の寸法はそれぞれ縦10mm×横10mm×厚さ1mmであった。
次に該MnZnフェライトコア9を用いて本発明の実施例の巻線型電子部品の一例の巻線インダクタ10を下記のように製造した。
まず、上記で得られたMnZnフェライトコア9の外側の表面に銀ペーストを印刷して焼付け、めっき処理をおこなって一対の外部電極1を形成した。外部電極1の寸法はそれぞれ幅1.5mm×長さ6.5mm×厚さ0.2mmであった。さらに直径0.5mm絶縁被覆銅線4を図2に示すMnZnフェライトコア9の巻芯部3に18周回巻き回してコイルを形成するとともに、前記絶縁被覆銅線4の両端部8を外部電極1とそれぞれ半田付けにより導電接続して本発明の実施例1〜4の巻線インダクタ10を得た。
以下に記載の実施例1〜4の巻線インダクタ10は、それぞれ絶縁体層の種類を変更して、上記の方法にしたがって製造をおこなったものである。
(実施例1)
エアロゾルデポジット法によりAl絶縁体層を形成したMnZnフェライトコア9及び該MnZnフェライトコア9を用いた巻線インダクタ10の実施例である。
絶縁体層5の材質をAl
とし、MnZnフェライト焼結体19の表面にエアロゾルデポジット法によって、絶縁体層の厚さをそれぞれ0.1、 0.2、 0.3、 0.4、 0.5、 1.0、 5.0、
10、 100、 500μmとして絶縁体層5を形成しMnZnフェライトコア19を得た。得られたMnZnフェライトコア19を用いてそれぞれ巻線インダクタ10を製造した。
(実施例2)
エアロゾルデポジット法によりAlN絶縁体層を形成したMnZnフェライトコア9及び該MnZnフェライトコア9を用いた巻線インダクタ10の実施例である。
絶縁体層5の材質をAlN とし、MnZnフェライト焼結体19の表面にエアロゾルデポジット法によって、絶縁体層5の厚さをそれぞれ0.1、
0.2、 0.3、 0.4、 0.5、 1.0、 5.0、 10、 100μmとして絶縁体層5を形成してMnZnフェライトコア9を得た。得られたMnZnフェライトコア9を用いてそれぞれ巻線インダクタ10を製造した。
(実施例3)
エアロゾルデポジット法によりSiC絶縁体層を形成したMnZnフェライトコア9及び該MnZnフェライトコア9を用いた巻線インダクタ10の実施例である。
絶縁体層5の材質をSiCとし、MnZnフェライト焼結体19の表面にエアロゾルデポジット法によって、絶縁体層5の厚さをそれぞれ0.1、
0.2、 0.3、 0.4、 0.5、 1.0、 5.0、 10、 100μmとして絶縁体層5を形成してMnZnフェライトコア9を得た。得られたMnZnフェライトコア9を用いてそれぞれ巻線インダクタ10を製造した。
(実施例4)
エアロゾルデポジット法によりNiZnフェライトセラミック絶縁体層を形成したMnZnフェライトコア9及び該MnZnフェライトコア9を用いた巻線インダクタ10の実施例である。
絶縁体層5の材質をNiZnフェライトセラミックとし、MnZnフェライト焼結体19の表面にエアロゾルデポジット法によって、絶縁体層5の厚さをそれぞれ0.1、
0.2、 0.3、 0.4、 0.5、 1.0、 5.0、 10、 100μmとして絶縁体層5を形成してMnZnフェライトコア9を得た。得られたMnZnフェライトコア9を用いてそれぞれ巻線インダクタ10を製造した。
(従来例1)
プラズマCVD法によりAl絶縁体層を形成したMnZnフェライトコア及び該MnZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの比較例である。
まず配合組成がFe
53mol%、MnO 22mol%、ZnO 25mol%となるようにMnZnフェライトの原材料を秤量しボールミルで混合した後、仮焼し、粉砕して得られたMnZnフェライト材料粉体を所定のドラム形状に成形し、1300℃で焼成してMnZnフェライト焼結体を得た。こうして上記の実施例と同一のMnZnフェライト焼結体を準備した。つぎに絶縁体層の材質をAl
とし、MnZnフェライト焼結体の全ての表面にプラズマCVD法によって、絶縁体層の厚さをそれぞれ、0.1、 0.2、 0.3、0.4、 0.5、 1.0、 5.0、
10、 100μmとして絶縁体層を形成して従来例1のMnZnフェライトコアを得た。得られたMnZnフェライトコアの外形寸法は縦10mm×横10mm×厚さ5mmで、巻芯部の寸法は直径6.5mm×高さ3mm、2箇所の鍔部の寸法はそれぞれ縦10mm×横10mm×厚さ1mmであった。
次に該MnZnフェライトコアの外側の表面に銀ペーストを印刷して焼付け、めっき処理をおこなって一対の外部電極を形成した。外部電極の寸法はそれぞれ幅1.5mm×長さ6.5mm×厚さ0.2mmであった。さらに直径0.5mmの絶縁被覆銅線を巻芯部に18周回巻き回してコイルを形成し、前記絶縁被覆銅線の両端部を外部電極にそれぞれ半田付けにより導電接続して従来例1の巻線インダクタを得た。
(従来例2)
樹脂ボビンからなる絶縁体層を形成したMnZnフェライトコア及び該MnZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの比較例である。
まず配合組成がFe
53mol%、MnO 22mol%、ZnO 25mol%となるようにMnZnフェライトの原材料を秤量しボールミルで混合した後、仮焼し、粉砕して得られたMnZnフェライトの材料粉体を所定のドラム形状に成形し、1300℃で焼成して上記の実施例と同様のMnZnフェライト焼結体を得た。該MnZnフェライト焼結体の外形寸法は縦10mm×横10mm×厚さ5mmで、巻芯部の寸法は直径6.5mm×高さ3mm、2箇所の鍔部の寸法はそれぞれ縦10mm×横10mm×厚さ1mmであった。つぎに図3、図4に示すようにMnZnフェライト焼結体19の巻芯部13および鍔部12の外面上に絶縁性の樹脂からなるボビン16を嵌め合わせてセットし従来例2のMnZnフェライトコア111を得た。尚、該絶縁性の樹脂からなるボビン16には、前記MnZnフェライト焼結体19と接触しない位置に予め導電性樹脂ペーストを印刷し硬化させ、めっき処理をおこなって一対の外部電極11が形成されており、外部電極の寸法はそれぞれ幅1.5mm×長さ6.5mm×厚さ0.2mmであった。
また上記で得られた従来例2のMnZnフェライトコア111の巻芯部17に前記MnZnフェライト焼結体19と接触することなく直径0.5mmの絶縁被覆銅線14を18周回巻き回してコイルを形成するとともに該絶縁性被覆銅線14の両端部18を外部電極11とそれぞれはんだ付けにより導電接続し、従来例2の巻線インダクタ110を得た。
上記の各条件で製造した本発明の実施例および従来例の巻線インダクタについて、特性を評価した結果を表1〜表5に示す。測定試料数はn=3とし、インダクタンス値、電気抵抗率はメジアン値を採用した。インダクタンス値は1MHzの条件でアジレント社製、型式4285Aによって測定した。電気抵抗率はアジレント社製、型式4339Bを用い、巻線インダクタのMnZnフェライトコアの両鍔の外側略中央部の表面にそれぞれ測定端子を接触させ両鍔間に1000Vを印加して測定した。
熱サイクル評価は−40℃、25℃、125℃を各30分ずつ行いこれを1サイクルと
して300サイクル繰り返す環境下に巻線インダクタを晒したのち、15倍の実態顕微鏡で巻線インダクタのMnZnフェライトコアの表面を観察し、測定試料数n=3のうちひとつでも表面に剥離やひび割れが確認されたものを×、剥離やひび割れが確認されなかったものを○として評価した。
実施例1〜4、従来例1〜2の巻き線インダクタについて得られた評価結果を表1〜6に示した。
Figure 2011091281
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Figure 2011091281
Figure 2011091281
Figure 2011091281
上記の評価結果の表1〜4から、MnZnフェライト焼結体の表面にエアロゾルデポジット法によって絶縁体層を形成してなるMnZnフェライトコアを用いた巻線インダクタにおいては、絶縁体層の厚さに関係なくインダクタンス値が安定していることがわかる。
エアロゾルデポジット法によって絶縁体層を形成してなるMnZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの絶縁体層の厚さと電気抵抗率の関係は、絶縁体層の厚さが0.1μm以上から電気抵抗率が10Ωm以上となり、さらに0.3μm以上からは、電気抵抗率が1012Ωm以上の安定した数値となっている。一方、表5からわかるようにプラズマCVDによって絶縁体層を形成してなるMnZnフェライトコアを用いた巻線インダクタの絶縁体層の厚さと電気抵抗率の関係は、絶縁体層の厚さが0.1μm以上から電気抵抗率が10Ωm以上となり、さらに0.3μm以上からは、電気抵抗率が1011Ωm以上となっている。
また熱サイクル試験では実施例1において、より大きな負荷となる500μmの絶縁体層を形成した試料で300回の熱サイクル後でn=3の試料の表面に剥離やひび割れは確認されず、問題ないことが確認できた。一方、従来法のプラズマCVDによって絶縁体層を形成した従来例1では100μmの絶縁体層を形成したもので300回の熱サイクル後、n=3のうち1つの試料の表面に剥れが発生した。さらに従来例1の100μmの絶縁体層を形成した製品は0.1〜10μmの絶縁体層を形成した製品と比べて約20%のインダクタンス値の低下が認められた。従来法のプラズマCVDは300℃で絶縁体層を形成したため絶縁体層の厚さが増すことによって残留応力や熱歪の絶対値が大きくなり、熱サイクル評価やインダクタンス値が低下したものである。
以上のようにMnZnフェライト焼結体の表面にエアロゾルデポジット法によって絶縁体層を形成することによって従来品と比べて電気抵抗率が高く、熱歪や残留応力を低減したMnZnフェライトコアを得ることができた。該MnZnフェライトコアによって信頼性の高い低コストの巻線インダクタを作成することが可能となった。
1、11 外部電極
2 MnZnフェライトコアの鍔部
12 MnZnフェライト焼結体の鍔部
22 NiZnフェライトコアの鍔部
3 MnZnフェライトコアの巻芯部
13 MnZnフェライト焼結体の巻芯部
23 NiZnフェライトコアの巻芯部
4、14 絶縁被覆銅線
5 エアロゾルデポジット法により形成された絶縁体層
16 ボビン
17 従来のMnZnフェライトコアの巻芯部
8、18 絶縁被覆銅線の端部
9 MnZnフェライトコア
19 MnZnフェライト焼結体
29 NiZnフェライトコア

10 MnZnフェライトコアを使った巻線インダクタ
110 MnZnフェライト焼結体を使った巻線インダクタ
111 従来のMnZnフェライトコア
210 NiZnフェライトコアを使った巻線インダクタ

30 エアロゾルデポジット法による絶縁体層形成装置
31 高圧ガスボンベ
32 マスフロー制御器
33 エアロゾル発生器
34 粒子ビーム濃度測定器
35 XYZステージ
36 ノズル
37 解砕分級器
38 メカニカルブースター
39 ロータリーポンプ
310 チャンバー
311 セラミック粒子
312 圧力計

Claims (2)

  1. MnZnフェライト焼結体と、該MnZnフェライト焼結体の表面にエアロゾルデポジット法によって形成され、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミックのうち少なくとも1つからなる絶縁体層と、からなるMnZnフェライトコア。
  2. 請求項1に記載のMnZnフェライトコアと、該MnZnフェライトコア上に形成され
    た少なくとも一対の外部電極と、該MnZnフェライトコアに巻き回されてコイルを形成するとともに両端部が前記の外部電極とそれぞれ接続された導線と、を備える巻線型電子部品。
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