JP2011090944A - 電線振れ防止機能を有するリアカバーとそれを備えたコネクタ - Google Patents

電線振れ防止機能を有するリアカバーとそれを備えたコネクタ Download PDF

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謙一 池谷
Toshinori Sakurai
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Abstract

【課題】リアカバーがメス型コネクタハウジングに装着した場合、リアカバー内の電線の固定性を向上させて、電線振動によるメス型コネクタハウジング内の端子接点部の摩耗を防ぐことができるリアカバーを提供する。
【解決手段】コネクタハウジングに装着されてコネクタハウジングから導出される電線Wを案内するリアカバー10において、電線Wを収容する電線収容溝10Aを設け、電線収容溝10A内の両壁面10W、10Wの上部の異なった高さから電線収容溝10Aの方向に互いに延出した電線挿入口突起10Fを電線Wの収容方向に沿って形成し電線出口部10Nまで形成し、また、2列の電線挿入口突起10F、10Fの先端部同士の間隔は収容される電線Wの直径にした。
【選択図】図3

Description

本発明は、コネクタハウジングにリアカバーを取付けて電線をリアカバーに沿って案内させるコネクタに関するもので、特にその電線の振れを防止する機能を有するリアカバーとそれを備えたコネクタに関する。
コネクタハウジングの後側(相手方コネクタとの嵌合側の反対側)から導出された電線をリアカバーを形成する基壁の前側に沿わせることで、電線がリアカバーに案内されるようにしたリアカバー付きのコネクタは知られている(特許文献1参照)。
特開2003−45556号公報
〈特許文献1記載のカバー付コネクタの構成〉
特許文献1記載のカバー付コネクタは、片面に粘着剤が塗布されたテープを用いて、リアカバーの基壁とこの基壁の前側に束ねられた複数の電線とをテープの巻付けにより固定し、複数の電線をリアカバーの基壁に固定するものである。
粘着剤が塗布された面側が内側となるようにしてテープでこのように複数の電線とリアカバーの基壁とを巻くことで、複数の電線をリアカバーの基壁の前側に固定するものである。
〈特許文献1記載のカバー付コネクタの問題点〉
ところが、特許文献1記載のカバー付コネクタにおいては、リアカバーの基壁とこの基壁の前側に束ねられた複数の電線とが粘着テープに巻付けられている場合に複数の電線がすべて粘着テープにて完全に固定されることが難しいため、粘着テープに接触しない電線は振動で動き易く、振動が長期的に加わると、電線の振動がメス端子の接点部に伝わることにより接点の摩耗が発生する虞があった。
〈本発明の目的〉
本発明は上記欠点を解決するためになされたもので、リアカバー内での電線の固定性の向上を図り、コネクタに振動が加わってもリアカバー内の電線が振動することのないようにし、したがってまた、電線の振動によるコネクタ内の端子接点部の摩耗が生じないようにすることを目的としている。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本願の第1発明はリアカバーに係り、コネクタハウジングに装着されて前記コネクタハウジングから導出される電線を案内するリアカバーにおいて、前記電線を収容する電線収容溝を設け、前記電線収容溝内の両壁面の上部の異なった高さから前記電線収容溝方向に互いに延出した電線挿入口突起を前記電線の収容方向に沿って形成し電線出口部まで形成したことを特徴としている。
また、第2発明は、第1発明のリアカバーにおいて、前記2列の電線挿入口突起の先端部同士の間隔が前記収容される電線の直径であることを特徴としている。
また、第3発明は、第2発明のリアカバーにおいて、前記2列の電線挿入口突起の先端部同士の平面視間隔が前記収容される電線の直径より小さいことを特徴としている。
また、第4発明は、第3発明のリアカバーにおいて、前記電線収容溝内の前記電線挿入口突起の直近に、前記電線収容溝内に収容された電線が滑降するようになる斜面が形成されていることを特徴としている。
また、第5発明は、第3発明のリアカバーにおいて、前記電線収容溝内の前記電線挿入口突起の直近の底部に、前記電線収容溝内に収容された最初の電線が最下部に到達するようになる段差が形成されていることを特徴としている。
また、第6発明は、第3発明のリアカバーにおいて、前記電線収容溝内の前記電線挿入口突起の直近の底部に、前記電線収容溝内に収容された最初の2本の電線が両方に分かれるようになる中央突出壁が形成されていることを特徴としている。
また、第7発明は、第1〜第6発明のリアカバーにおいて、前記リアカバーの後端部を細く形成してテープを巻き易くしたことを特徴としている。
また、第8発明はコネクタに係り、内部に装着された端子金具と前記端子金具に接続されて外部に導出された電線とを備えて成るコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに装着されて前記コネクタハウジングから導出される電線を案内するリアカバーと、を有するコネクタにおいて、前記リアカバーとして第1〜第7発明のいずれかのリアカバーを用いたことを特徴としている。
第1発明によれば、電線収容溝内の両壁面の上部の異なった高さから前記電線収容溝方向に互いに延出した電線挿入口突起を前記電線の収容方向に沿って形成し電線出口部まで形成したので、リアカバー内での電線の固定性の向上を図り、コネクタに振動が加わってもリアカバー内の電線が振動することにないようにし、したがってまた、電線の振動によるコネクタ内の端子接点部の摩耗が生じないようになる。
第2発明によれば、2列の電線挿入口突起の先端部同士の間隔が収容される電線の直径であるので、電線収容溝に電線が収納できるが、電線収容溝からは離脱しにくくなる。
第3発明によれば、2列の電線挿入口突起の先端部同士の平面視間隔が収容される電線の直径より小さいので、電線収容溝に収容された電線が真上に離脱できなくなる。
第4発明によれば、電線収容溝内の電線挿入口突起の直近に、電線収容溝内に収容された電線が滑降するようになる斜面が形成されているので、電線収容溝に収容された電線は斜面を滑り降りて先端に達し、そこに収容されるようになるため、電線の収容がし易くなり作業性が向上する。
第5発明によれば、電線収容溝内の電線挿入口突起の直近の底部に、電線収容溝内に収容された最初の電線が最下部に到達するようになる段差が形成されているので、電線収容溝に収容された電線は段差を降りて先端に達し、そこに収容されるようになるため、電線の収容がし易くなり作業性が向上する。
第6発明によれば、電線収容溝内の電線挿入口突起の直近の底部に、電線収容溝内に収容された最初の2本の電線が両方に分かれるようになる中央突出壁が形成されているので、電線収容溝内に収容された最初の2本の電線は中央突出壁の両壁面側に収容されるようになるため、電線の収容がし易くなり作業性が向上する。
第7発明によれば、リアカバーの後端部を細く形成したので、テープが巻き易くなった。
第8発明によれば、コネクタを構成するリアカバーとして第1〜第7発明のいずれかのリアカバーを用いたので、電線の振動によるコネクタ内の端子接点部の摩耗が生じないようになる。
図1は、本発明の実施例1に係るリアカバーを説明するための平面図である。 図2は図1のリアカバーがメス型コネクタハウジングに装着した状態のメス型コネクタ全体の平面図である。 図3は図1のリアカバーを電線出口側から見た斜視図である。 図4は本発明の実施例1に係るリアカバーの電線収容溝を説明する断面図で、(A)は電線未収納状態、(B)は電線を収納しかつテーピング終了状態である。 図5は電線出口側で電線Wにテーピング処理を施した実施例1に係るリアカバーを電線出口側から見た斜視図である。 図6は、リアカバーがメス型コネクタハウジングに装着した状態をメス型コネクタハウジング側から見た斜視図である。 図7は本発明の実施例2に係るリアカバーの電線収容溝を説明する断面図で、(A)は電線未収納状態、(B)は電線を収納しかつテーピング終了状態である。 図8は電線出口側で電線Wにテーピング処理を施した実施例2に係るリアカバーを電線出口側から見た斜視図である。 図9は本発明の実施例3に係るリアカバーの電線収容溝を説明する断面図で、(A)は電線未収納状態、(B)は電線を収納しかつテーピング終了状態である。 図10は電線出口側で電線Wにテーピング処理を施した実施例3に係るリアカバーを電線出口側から見た斜視図である。
以下、(イ)電線の固定性の向上により、電線振動による端子接点部の磨耗を確実に防ぐことができ、
(ロ)リアカバー後端部を細く形成することでテープを巻き易くして作業性を向上でき、
(ハ)左右の電線挿入口突起の位置を互いに上下方向にずらして設置することで、電線が電線収容溝から離脱するのを防ぎ、
(ニ)スリットの横幅を電線径よりも細いスリットとすることで上下方向の離脱を防止し、
(ホ)リアカバー後端部の肉厚を薄くすることで電線の振れを確実に規制する本発明に係る実施例1〜3のリアカバーについて、以下に図面を用いて説明する。
〈リアカバー10は装着部と実施例1に係る電線把持部とから成る〉
図1は、本発明の実施例1に係るリアカバー10を説明するための平面図、図2は図1のリアカバー10がメス型コネクタハウジング20に装着した状態のメス型コネクタ全体の平面図である。
図1において、リアカバー10は、後端部から電線Wが導出されている状態のメス型コネクタハウジング20(図2)と装着するための装着部10Xと、装着されたメス型コネクタハウジング20から導出される電線Wを通過させて把持する電線把持部10Yとを備えている。
《装着部10X》
装着部10Xはリアカバー10の前端側にあってメス型コネクタハウジング20の後端(電線導出側)を装着する開口を有し、かつその開口の内部にメス型コネクタハウジング20の係止突起と係合する係止溝10K(後述。図6)とを備えている。
この装着部の装着構造自体は新規ではなく、本発明に関係しないので説明は省略する。
《電線把持部10Y》
本発明の実施例1に係るリアカバー10の特徴は電線把持部10Yにあり、特に電線把持部10Yに次のような電線収容溝10Aを形成したことにある。
〈実施例1に係る電線把持部10Y〉
本発明の実施例1に係る電線把持部10Yは、(1)電線収容溝10Aに電線挿入口突起10Fを設けたこと、(2)電線把持部10Yの電線出口側を先細(さきぼそ)に形成したことが特徴である。
この2つの特徴により、電線Wがリアカバー10の電線収容溝10Aに収容された状態では、リアカバー10の電線収容溝内面に挟持されることにより、電線Wの左右方向への振れが規制されるようになる。以下、これらについて順次述べる。
〈電線挿入口突起10Fの設けられる場所〉
図3は図1のリアカバー10を電線出口側から見た斜視図である。本発明によって設けられた電線挿入口突起10Fは、電線収容溝10A(図1)の電線入口側10M(図1)の近傍から電線出口側10N(図1)までに亘り、電線収容溝10Aの両壁10Wの上部からさらに互いに電線収容溝10Aの上を覆うように延出して形成されて成る。
電線挿入口突起10Fは実施例1〜3に応じてそれぞれ異なる断面のバリエーションが提起されているが、設けられる場所および長尺方向の長さはすべて同じである。
そこで、次ぎに、その電線挿入口突起10Fの断面について説明する。
〈実施例1の電線挿入口突起10F〉
図4は本発明の実施例1に係るリアカバーの電線収容溝を説明する断面図で、(A)は電線未収納状態、(B)は電線を収納しかつテーピング終了状態である。
図において、電線収容溝10Aの図で左右の両壁10Wの上部の互いに異なった高さから電線収容溝10Aの開口に向けてほぼ水平に電線挿入口突起10Fが次のように延びることにより、電線収容溝10Aに収容された電線Wが電線挿入口から真上に離脱することを防いでいる。実施例1の電線挿入口突起10Fは7つの特徴がある。
《第1の特徴:t1=線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の間隔t1は電線Wの直径(線径)に等しいことである。これによって、作業者は電線Wを左右の電線挿入口突起10F、10Fの隙間から電線収容溝10A内に収容することができるが、収容された電線Wはそこから離脱するのは難しい。
《第2の特徴:t2<線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の平面視の長さt2は線径よりも小さいことである。電線収容溝10A内に収容された電線Wはこれによって真上から離脱することができなくなる。
《第3の特徴:t3<線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の側面視の長さt3は線径よりも小さいことである。電線収容溝10A内に収容された電線Wはこれによって真横から離脱することができなくなる。
《第4の特徴:電線挿入口突起10Fの厚さは薄くて撓む》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの厚さは薄くしてある。これによって電線挿入口突起10Fは撓むことができ、電線Wがリアカバー10が装着された際、指で押し込むことによりリアカバー10の電線収容溝10Aに設けた電線挿入口突起10Fが撓むので、簡単にリアカバー10の電線収容溝10Aに収容され、作業性が向上する。
また、特に、リアカバー後端部10Dの肉厚を薄くすることで、テープTPを巻き付けた際、電線収容構内壁が図4(B)のように矢印方向に撓み、電線Wの振れを確実に規制する。
以上のように電線Wが収容されたリアカバーは、片面に粘着剤が塗布されたテープTPを端部10D(図1)に巻き付けることで、図5に示すように、電線Wが電線収容溝10Aの内部から離脱することを防ぐ。
《第5の特徴:リアカバー10の後端部10Dを細く形成》
図5は電線出口側で電線Wにテーピング処理を施した状態を電線出口側から見た斜視図である。実施例1の特徴5では、リアカバー10の後端部10D(図1)を上流よりも幅を次第に細く形成して先細にしている。
このように形成することで、リアカバー10の後端部10DにテープTPを巻き付け易くして作業性の向上を図ることができ、かつ強くテープTPの巻回ができるため、テープTPの電線Wからの剥離を防止することができる。
《第6の特徴:電線挿入口突起10Fの表側面は斜面》
また、左右の電線挿入口突起10Fの表側面10G(図3)を斜面に形成している。
このようにすることで、電線Wの収容が容易になり、作業性が向上する。
《第7の特徴:電線挿入口の内部直近に斜面》
電線挿入口の内部の直近には斜面10J(図3、図4)が形成されており、複数本収容される電線のうち最初の電線Wはその斜面10Jに沿って滑降して底面10Bの最先端に収容され、2番目の電線Wはその斜面10Jに沿って滑降して第1番目の電線Wの隣りに接して収容され、3番目の電線Wはその斜面に沿って第2番目の電線Wの隣りに接して収容されるといったように重力を応用して底部最先端から自動的に詰めて順次収容されるので、作業性が向上する。
〈効果1:左右方向への電線Wの振れ防止〉
電線Wがリアカバー10の電線収容溝10A(図1、図3)に収容された状態では、左右の電線挿入口突起10F(図4)の裏側の垂直面10C(図4)と斜面10J(図4)とに挟持されることにより、左右方向への電線Wの振れを防ぐことが可能である。
〈効果2:上下方向への電線Wの振れ防止〉
また、電線Wがリアカバー10の電線収容溝10Aに収容された状態では、底面10B(図4)と左右の電線挿入口突起10Fのそれぞれの裏側の水平面10E(図4)と斜面10Jに挟持されることにより、上下方向への電線Wの振れを規制することが可能である。
〈電線Wの本数〉
以上は電線W3本の電線収容溝10Aへの収容例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以上の本数の電線を収容する場合も、それ以下の本数の場合も上記で記載した内容と同様に収容することができる。
以上の構造により、電線Wはリアカバー10の電線収容溝10Aに収容・固定され、コネクタに振動が加わった際でも電線の振れを防止することができ、端子接点部の磨耗を確実に防ぐことができる。
〈リアカバー10とメス型コネクタハウジング20の係合部〉
ここで、リアカバー10とメス型コネクタハウジング20の係合部について、図6を用いて説明しておく。図6は、リアカバー10がメス型コネクタハウジング20に装着完了した状態の斜視図で、図2のリアカバー10とメス型コネクタハウジング20の図を裏返しにしてメス型コネクタハウジング20側から見た図である。また、図中の拡大図Sはリアカバー10の係止溝10Kとメス型コネクタハウジング20の係止突起20Kとの係合部を説明する図で、リアカバー10のフードの部位における係合部を通る面で切断した横断面図である。
図Sにおいて、リアカバー10の左右方向両側の所定部位に係止溝10Kが形成されている。
また、メス型コネクタハウジング20の装着時の対向箇所に係止突起20Kが形成されている。リアカバー10とメス型コネクタハウジング20とが装着した状態で、リアカバー10に形成されている係止溝10Kにメス型コネクタハウジング20の係止突起20Kが係合して、リアカバー10がメス型コネクタハウジング20から外れないようになっている。
実施例1におけるリアカバー10とメス型コネクタハウジング20の係合関係は、同様に、実施例2および3にも当てはまる。
〈実施例1の長所〉
以上のように、実施例1によれば、(イ)電線の固定性の向上により、電線振動による端子接点部の磨耗を確実に防ぐことができ、(ロ)リアカバー後端部を細く形成することでテープを巻き易くして作業性を向上でき、(ハ)左右の電線挿入口突起の位置を互いに上下方向にずらして設置することで、電線が電線収容溝から離脱するのを防ぎ、(ニ)スリットの横幅を電線径よりも細いスリットとすることで上下方向の離脱を防止し、(ホ)リアカバー後端部の肉厚を薄くすることで、電線の振れを確実に規制できるようになる。
〈実施例2の電線挿入口突起10F〉
図7は本発明の実施例2に係るリアカバー10’の電線収容溝を説明する断面図で、(A)は電線未収納状態、(B)は電線を収納しかつテーピング終了状態である。
図において、電線収容溝10Aの図で左右の両壁10Wの上部の互いに異なった高さから電線収容溝10Aの開口に向けてほぼ水平に電線挿入口突起10Fが次のように延びることにより、電線収容溝10Aに収容された電線Wが電線挿入口から真上に離脱することを防いでいる。実施例2が実施例1と異なるのは、実施例1では斜面10Jを設けていたのに対して実施例2では底面10Bに段差10B1、10B2を設けた点に特徴がある。
他の特徴は同じであり、その効果も実施例1と同じである。
《第1の特徴:t1=線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の間隔t1は電線Wの直径(線径)に等しいことである。これによって、作業者は電線Wを左右の電線挿入口突起10F、10Fの隙間から電線収容溝10A内に収容することができるが、収容された電線Wはそこから離脱するのは難しい。
《第2の特徴:t2<線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の平面視の長さt2は線径よりも小さいことである。電線収容溝10A内に収容された電線Wはこれによって真上から離脱することができなくなる。
《第3の特徴:t3<線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の側面視の長さt3は線径よりも小さいことである。電線収容溝10A内に収容された電線Wはこれによって真横から離脱することができなくなる。
《第4の特徴:電線挿入口突起10Fの厚さは薄くて撓む》
左右の電線挿入口突起10F、10F(図7)の厚さは薄くしてある。これによって電線挿入口突起10Fは撓むことができ、電線Wがリアカバー10’が装着された際、指で押し込むことによりリアカバー10’の電線収容溝10Aに設けた電線挿入口突起10Fが撓むので、簡単にリアカバー10’の電線収容溝10Aに収容され、作業性が向上する。
また、特に、リアカバー後端部10D(図8)の肉厚を薄くすることで、テープTPを巻き付けた際、電線収容構内壁が図7(B)のように矢印方向に撓み、電線Wの振れを確実に規制する。
以上のように電線Wが収容されたリアカバーは、片面に粘着剤が塗布されたテープTPを後端部10Dに巻き付けることで、電線Wが電線収容溝10Aの内部から離脱することを防ぐ。
《第5の特徴:リアカバー10’の後端部10Dを細く形成》
図8は電線出口側で電線Wにテーピング処理を施した状態を電線出口側から見た斜視図である。実施例2の特徴5では、リアカバー10’の後端部10Dを上流よりも幅を次第に細く形成して先細にしている。
このように形成することで、リアカバー10’の後端部10DにテープTPを巻き付け易くして作業性の向上を図ることができ、かつ強くテープTPの巻回ができるため、テープTPの電線Wからの剥離を防止することができる。
《第6の特徴:電線挿入口突起10Fの表側面は斜面》
また、左右の電線挿入口突起10Fの表側面10G(図7)を斜面に形成している。
このようにすることで、電線Wの収容が容易になり、作業性が向上する。
《第7の特徴:底面10Bに段差BI・B2》
第7の特徴が実施例1と異なる点である。
図7において、線挿入口の内部の直近には高段10B2との奥に低段10B1が形成されており、複数本収容される電線のうち最初の電線は奥の低段10B1に収容され、2番目の電線は高段10B2に収容される。
図7(B)のように、2本の電線Wがリアカバー10’の電線収容溝10Aに収容された状態では、電線挿入口突起10Fの4箇所のそれぞれの裏側の垂直面10Cに挟持されることにより、左右方向への電線Wの振れを防ぐことが可能である。
また、2本の電線Wがリアカバー10’の電線収容溝10Aに収容された状態では、2箇所の底面10B1、10B2と左右の電線挿入口突起10Fのそれぞれの裏側の水平面10Eに挟持されることにより、上下方向への電線Wの振れを規制することが可能である。
このように、2本の電線を収容する場合、実施例2によれば、低段10B1と高段10B2の個別に電線Wを収容することで、電線Wとリアカバー10’との接触面を増やし、確実に電線Wの振れを防止することができる。
〈実施例3の電線挿入口突起10F〉
図9は本発明の実施例3に係るリアカバー10”の電線収容溝を説明する断面図で、(A)は電線未収納状態、(B)は電線を収納しかつテーピング終了状態である。
図において、電線収容溝10Aの図で左右の両壁10Wの上部の互いに異なった高さから電線収容溝10Aの開口に向けてほぼ水平に電線挿入口突起10Fが次のように延びることにより、電線収容溝10Aに収容された電線Wが電線挿入口から真上に離脱することを防いでいる。実施例3が実施例2と異なるのは、実施例2では底面10Bに段差10B1、10B2を設けていたのに対して、実施例3では底面10Bの中央に中央突出壁10Tを設けた点に特徴がある。
他の特徴は同じであり、その効果も実施例1と同じである。
《第1の特徴:t1=線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の間隔t1は電線Wの直径(線径)に等しいことである。これによって、作業者は電線Wを左右の電線挿入口突起10F、10Fの隙間から電線収容溝10Aの内部に収容することができるが、収容された電線Wはそこから離脱するのは難しい。
《第2の特徴:t2<線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の平面視の長さt2は線径よりも小さいことである。電線収容溝10A内に収容された電線Wはこれによって真上から離脱することができなくなる。
《第3の特徴:t3<線径》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの先端同士の側面視の長さt3は線径よりも小さいことである。電線収容溝10Aの内部に収容された電線Wはこれによって真横から離脱することができなくなる。
《第4の特徴:電線挿入口突起10Fの厚さは薄くて撓む》
左右の電線挿入口突起10F、10Fの厚さは薄くしてある。これによって電線挿入口突起10Fは撓むことができ、電線Wがリアカバー10”が装着された際、指で押し込むことによりリアカバー10”の電線収容溝10Aに設けた電線挿入口突起10Fが撓むので、電線挿入口突起10F同士の間隔が線径ギリギリであっても電線Wを簡単にリアカバー10”の電線収容溝10Aに収容され、作業性が向上する。
また、特に、リアカバー後端部10D(図9)の肉厚を薄くすることで、テープTPを巻き付けた際、電線収容構内壁が図9(B)のように矢印方向に撓み、電線Wの振れを確実に規制する。
以上のように電線Wが収容されたリアカバー10”は、片面に粘着剤が塗布されたテープTPを後端部10Dに巻き付けることで、電線Wが電線収容溝内部10Aから離脱することを防ぐ。
《第5の特徴:リアカバー10”の後端部10Dを細く形成》
図10は電線出口側で電線Wにテーピング処理を施した状態を電線出口側から見た斜視図である。実施例2の特徴5では、リアカバー10”の後端部10Dを上流よりも幅を次第に細く形成して先細にしている。
このように形成することで、リアカバー10”の後端部10DにテープTPを巻き付け易くして作業性の向上を図ることができ、かつ強くテープTPの巻回ができるため、テープTPの電線Wからの剥離を防止することができる。
《第6の特徴:電線挿入口突起10Fの表側面は斜面》
また、左右の電線挿入口突起10Fの表側面10G(図9)を斜面に形成している。
このようにすることで、電線Wの収容が容易になり、作業性が向上する。
《第7の特徴:底面10Bの真ん中に中央突出壁10T》
第7の特徴が実施例1および2と異なる点である。
図9(A)において、線挿入口の内部の底面10Bの真ん中に中央突出壁10Tが形成されており、3本収容される電線のうち図9(B)のように2本の電線は中央突出壁10Tを挟む左右の底面10Bに収容し、3番目の電線は中央突出壁10Tの頂部に収容されるようにしている。
このように、3本の電線Wがリアカバー10の電線収容溝10Aに収容された状態では、電線挿入口突起10Fの4箇所のそれぞれの裏側の垂直面10Cと中央突出壁10Tの両垂直壁面10Hに挟持されることにより、左右方向への電線Wの振れを防ぐことが可能である。
また、3本の電線Wがリアカバー10の電線収容溝10Aに収容された状態では、3箇所の底面10Bと左右の電線挿入口突起10Fの3箇所のそれぞれの裏側の水平面10Eに挟持されることにより、上下方向への電線Wの振れを規制することが可能である。
10 実施例1のリアカバー
10’ 実施例2のリアカバー
10” 実施例3のリアカバー
10A 電線収容溝
10B 底面
10C 垂直面
10E 水平面
10F 電線挿入口突起
10G 表側面(斜面)
10J 斜面
10K 係止溝
10M 電線入口側
10N 電線出口側
10T 中央突出壁
10W 壁
10X 装着部
10Y 電線把持部
20 メス型コネクタハウジング
20K 係止突起
W 電線
TP テープ

Claims (8)

  1. コネクタハウジングに装着されて前記コネクタハウジングから導出される電線を案内するリアカバーにおいて、前記電線を収容する電線収容溝を設け、前記電線収容溝内の両壁面の上部の異なった高さから前記電線収容溝方向に互いに延出した電線挿入口突起を前記電線の収容方向に沿って形成し電線出口部まで形成したことを特徴とするリアカバー。
  2. 前記2列の電線挿入口突起の先端部同士の間隔は前記収容される電線の直径であることを特徴とする請求項1記載のリアカバー。
  3. 前記2列の電線挿入口突起の先端部同士の平面視間隔は前記収容される電線の直径より小さいことを特徴とする請求項2記載のリアカバー。
  4. 前記電線収容溝内の前記電線挿入口突起の直近に、前記電線収容溝内に収容された電線が滑降するようになる斜面が形成されていることを特徴とする請求項3記載のリアカバー。
  5. 前記電線収容溝内の前記電線挿入口突起の直近の底部に、前記電線収容溝内に収容された最初の電線が最下部に到達するようになる段差が形成されていることを特徴とする請求項3記載のリアカバー。
  6. 前記電線収容溝内の前記電線挿入口突起の直近の底部に、前記電線収容溝内に収容された最初の2本の電線が両方に分かれるようになる中央突出壁が形成されていることを特徴とする請求項3記載のリアカバー。
  7. 前記リアカバーの後端部を細く形成してテープを巻き易くしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のリアカバー。
  8. 内部に装着された端子金具と前記端子金具に接続されて外部に導出された電線とを備えて成るコネクタハウジングと、
    前記コネクタハウジングに装着されて前記コネクタハウジングから導出される電線を案内するリアカバーと、
    を有するコネクタにおいて、前記リアカバーとして請求項1〜7のいずれか1項記載のリアカバーを用いたことを特徴とするコネクタ。
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