JP2011089651A - 高清浄環境装置 - Google Patents

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    • F24F3/00Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems
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Abstract

【課題】巨大なクリーンルームを用いることなく、極めて簡単な構成でクラス1またはそれ以上の極めて高い清浄度の清浄空間を得ることができ、かつその清浄空間を設置環境と同一の酸素濃度に維持することができ、人の治療、診察、静養などへの適用を簡易かつ低コストで実現することができる高清浄環境装置を提供する。
【解決手段】包囲体11の上面に塵埃フィルターとファンとからなるファン・フィルターユニット12を設け、包囲体11の側壁の下部に設けられた通風孔13とファン・フィルターユニット12の入口とを接続するようにフィードバック気体流路14を設ける。包囲体11の壁の一部をダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁15により構成する。隔壁15としてはULPAフィルターなどを用いる。包囲体11の壁に気密ファスナー16を設け、この気密ファスナー16の開閉により人が包囲体11に出入りすることができるようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は高清浄環境装置に関し、特に、粉塵や菌などのダスト微粒子の数を一定値以下に維持したり、あるいはこれらの混入のないクリーンエア(空気)環境であり、かつ酸素が十分に供給され、酸素濃度が適正に保持される環境の実現に適用して好適なものである。
電子工業・精密機械工業・精密印刷などの用途の精密製品の高品質化と歩留まり向上とを図るために塵埃を除去するクリーンルームが必要とされている。また、清浄環境は、医療環境、特に、インフルエンザなどの空気感染性の疾病の予防、花粉症の抑制、傷んだ呼吸器官の回復などの上からも重要となってきている。国際半導体技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductor, ITRS)によれば、局所クリーン化の進展により2018年には通常の大気レベルの環境までクリーンルームの要求清浄度は緩和されるとしているが、現時点ではまだそれからはほど遠い。
クリーンルームを用いることなくクリーンな作業空間を提供する技術については従来より提案されている。例えば、クリーンな環境での作業を可能とする作業台として、作業空間の開口部から外気を取り入れ、この空気をフィルターでろ過して作業空間の上部から作業空間内に吹き出す作業台であって、作業空間の側面または背面に作業空間と外部とを連通する連通路を設け、この連通路に物体収納空間を形成し、物体空間の両側に外部と作業空間とを仕切る開閉手段を設けたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、単位室体を順次連結して、全体として一定容積の清浄空間を構成する連結式クリーン空間装置において、各単位室体毎に、その内部において清浄な空気を循環させる空気循環手段および粉塵除去手段を備え、清浄空間と遮断して空調手段設置空間を設けた連結式クリーン空間装置が提案されている(特許文献2参照)。
また、空気循環手段と粉塵除去手段および空調手段とをそれぞれ備えて単位室体を順次連結して、全体として一定容積の清浄空間を構成する連結式クリーン空間装置において、前記単位室体の内部空間を連結する開口部に、前記開口部を横切る方向に空気が吹き出るように空気吹き出し口を設け、あるいは、前記単位室体の内部空間を連結する開口部に開閉自在な扉を設けることが提案されている(特許文献3参照)。
また、上方に外気を取り入れ下面の空気吹き出し口から作業域内に清浄空気を吹き出す空気浄化部を備え、下方にこの空気浄化部を支える脚を有する移動可能な清浄作業室において、作業室同士の脚を互いに結合する脚部結合手段と、作業室同士の空気浄化部を互いに結合する空気浄化部結合手段とを備え、上記空気浄化部結合手段は空気浄化部の側面に設けられ、該側面の幅方向全長にわたり上下方向に結合する1対の結合部材からなり、上記結合部材の少なくとも一方はその上下方向の結合部を圧縮可能な密封材で構成され、作業室同士の結合、分離が自在である清浄作業室が提案されている(特許文献4参照)。
また、フィルターを通して清浄な空気を吹き出すブロウユニットと、ブロウユニットから供給される空気をフィルターを通して吸い込むドレンユニットとを間隔をおいて対向配置することでクリーンベンチを構成することが提案されている(特許文献5参照)。
また、完全循環型で密閉された構造を持つクリーンユニットおよび連結クリーンユニットが提案されている(特許文献6参照)。これによれば、クリーンな環境に維持することができる作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部を設けたクリーンユニットの作業室の上部に送風動力を有する塵埃フィルター(HEPA(high efficiency particulate air)フィルター)を一つ設けるとともに、作業室の側面などに気密性を有する管を直結し、かつ上記の塵埃フィルターの入り口に繋げることにより気体が循環するように構成する。このクリーンユニットの清浄度の平均値および最高値はクラス10並の値が得られている。また、このクリーンユニットは、その連結部を利用して、実行しようとするプロセスに応じて、折れ線状配置、ループ状配置などで複数連結することにより所望のクリーンユニットシステムを容易に構成することができる。上記のようにクリーンユニットを循環型に構成することにより高い清浄度が達成されるメカニズムについては報告されている(非特許文献1、2参照)。
このクリーンユニットを図17に示す。図17に示すように、このクリーンユニットにおいては、作業室201の上面に送風動力を有する塵埃フィルター202が取り付けられ、この塵埃フィルター202の入口と作業室201とを連結するように循環ダクト203が取り付けられており、作業室201の内部を例えばクラス0.00001〜0.1程度の高清浄環境に維持することができるようになっている。
しかしながら、上記の図17に示す従来のクリーンユニットは、完全に密閉された構造となっているため外気の供給がなされず、作業室201内に生物や細胞などを入れて酸素が消費されると、作業室201内の酸素濃度が減少してしまうという問題点があった。即ち、密閉循環系では、その密閉性故に、内部のガス成分の消費がなされたり、新たなガス成分の発生があった場合、内部環境のガス成分が設置環境のガス成分からかけ離れていく問題があった。このため、このクリーンユニットを通常のクリーンブース規模に拡張して、作業室201内に人が入って長時間安全に作業をするといったことは不可能であった。
また逆に、人が入れるような従来型のクリーンルーム、クリーンブースでは、その清浄度を高くすることが非常に難しいか、あるいは極めて高いコストがかかっていた。特に、密閉循環型のクリーンユニットに比べ、著しく低い清浄度しか得られなかった。
この問題を解消するために、本発明者は、密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、この作業室に設けられた送風動力を有する塵埃フィルターと、この作業室に設けられた通風孔と塵埃フィルターの入口とを気密性を持って接続する気体流路とを有し、この作業室の通風孔から流出する気体の全てが気体流路を通って塵埃フィルターの入口に入るように構成され、作業室の少なくとも一つの壁の一部に、ダスト微粒子を通さず、気体分子は通す隔壁が取り付けられているクリーンユニットを提案した(特許文献7参照)。
特開平2−15984号公報 特開平5−106888号公報 特開平5−223300号公報 特開昭63−123937号公報 特開2003−90576号公報 国際公開第04/114378号パンフレット 国際公開第08/136215号パンフレット
A.Ishibashi, H.Kaiju, Y.Yamagata and N.Kawaguchi : Electron. Lett.41,735(2005) H.Kaiju, N.Kawaguchi and A.Ishibashi : Rev. Sci. Instrum. 76, 085111(2005)
しかしながら、特許文献7で提案されたクリーンユニットでは、人の治療、診察、静養などの手段としての使用に関して具体的な提案はなされていない。一方、NOx やSOx などの排気ガス起源の粉塵に晒されたり、喫煙者の近傍での生活における副流煙に晒されたりする人は、肺や気管を休める必要があるところ、簡易にかつ低コストでこの目的を達成することはできなかった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、巨大なクリーンルームを用いることなく、極めて簡単な構成でクラス1またはそれ以上の極めて高い清浄度の清浄空間を得ることができ、かつその清浄空間を設置環境と同一の酸素濃度に維持することができ、人の治療、診察、静養などへの適用を簡易かつ低コストで実現することができる高清浄環境装置を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は、
密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
上記包囲体に設けられた送風動力を有する塵埃フィルターとを有し、
上記塵埃フィルターから流出する気体の全てが気密性の気体流路を通って上記塵埃フィルターの入口に入るように構成され、
上記包囲体の壁の少なくとも一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁からなり、
上記塵埃フィルターは上記包囲体の外部空間と接触せず、
上記隔壁は上記包囲体の内部に発生する気体の流れが通過しないように設けられ、
上記包囲体の壁に少なくとも一つの開閉機構が設けられていることを特徴とする高清浄環境装置である。
ここで、塵埃フィルターのダスト微粒子の阻止率(透過率)は、好適には、少なくとも90%以上(10%以下)、より好適には99%以上(1%以下)であるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて選ばれる。
送風動力を有する塵埃フィルターとは、塵埃フィルターが、ろ材を用いたフィルター自体を意味するところ、特にこの塵埃フィルターが送風動力を伴っていることを規定するものであり、具体的には、塵埃フィルターの外部に、この塵埃フィルターと一体的に、あるいは、この塵埃フィルターが置かれた気体流路の途中にこの塵埃フィルターから離れてファンが設けられ、このファンによる送風動力を有することを意味するものである。
以下、必要に応じて、塵埃フィルターから流出する気体を塵埃フィルターの入口に入れるための気密性の気体流路をフィードバック気体流路と称する。このフィードバック気体流路内を流れる気体は、基本的に、ダスト微粒子を100%は通さない隔壁を貫くようなマクロなマスフローを生じないため、包囲体の外部から包囲体の内部へのダスト微粒子の侵入が防止され、包囲体の内部の清浄度は悪化することがない。
この発明において、ダスト微粒子密度をn(t)、クリーン空間、即ち包囲体の内部の空間の体積をV、その空間の内面積をS、単位面積・単位時間当たりのダスト微粒子の脱離レートをσ、高清浄環境装置の設置環境(即ち外気) のダスト密度をN0 、γを塵埃フィルターのダスト捕集効率とすると、ダスト微粒子密度n(t)は、非特許文献1により本発明者により理論的に示されている通り、
Figure 2011089651
なる微分方程式を満たす。
密閉循環系では、従来の半開放(オープン)系であるクリーンルームのダスト微粒子密度と大きく異なり、ダスト微粒子密度n(t)は、
Figure 2011089651
によって与えられる。時間が経てば(1)式の第2項が
Figure 2011089651
に従って、つまり、γはほぼ1であるのでV/F時間当り、1/eに減衰し、急速にゼロに近づくため、外気のダスト微粒子密度を含まない(1)式の第一項のみが残る。即ち、密閉循環系では、その設置環境によらず、
Figure 2011089651
なる究極の清浄度が得られる。
例えば、内部の空間の縦、横、奥行きが各1mの包囲体(V=1m3 )を有する高清浄環境装置を風量F=1m3 /分で密閉循環させる場合を考えると、V/F=1m3 /(1m3 /分)=1分となるので、1分毎に、粒子数は約2.8分の一に減っていくことがわかる。また、内部の空間の縦、横、奥行きが各2mの包囲体を有する高清浄環境装置の場合、風量8m3 /分のファンユニットを一台用いる(あるいは、風量2m3 /分のファンユニットを4台用いる)ことにより、同じタイムスケールで、包囲体の内部の清浄度を上げていくことができる。
特に、従来のクリーンルームの定常状態のダスト微粒子密度は環境のダスト微粒子密度N0 に依存し、かつこのためできるだけダスト捕集効率γが1に近い高品質のフィルターが必要であったのに対し、この発明では、定常状態のダスト微粒子密度n(t)はN0 に依存せず(従って設置環境を選ばず)かつγが分母に入っているので(γが1に近いことも重要ではなく)安価な塵埃フィルターでも非常に高い清浄度を実現できる。しかも、この発明では、包囲体の内部のガス成分と設置環境のガス成分との交換が効率的に行われるため、ダスト微粒子に関しては完全密閉環境を、ガス成分に対しては拡散による交換可能な環境を実現することができる。
いま、包囲体の内部で酸素消費レートBで人などが活動する場合を考える。このとき、包囲体の内部の酸素の体積VO2(t)(tは時間)は、アボガドロ数をN0 、気体定数をR、隔壁の面積をS´、隔壁を通して包囲体の内部に入ってくる酸素の流れ(フロー)をjとすると
O2(t+δt)=VO2(t)−Bδt+R/N0 ・S´jδt
が成り立つ。従って、
dVO2(t)/dt=−B/V+R/VN0 ・S´j (2)
である。
ここで、jは
j=S´D∇φ (3)
で与えられる。ただし、φは包囲体の内部の単位体積当たりの酸素分子数、Dは、隔壁の面に垂直で包囲体の内部に向かう方向の座標軸をx軸としたとき、このx軸方向の酸素の拡散定数である。
(3)式を(2)式に代入して解くと、包囲体の内部の気体中の酸素の相対比率が法規で定められている許容値(18%)を常に上回るためには、
Figure 2011089651
を満たせばよい。
ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁は、典型的には、包囲体の側壁に設けられ、好適には側壁のほぼ全部がこの隔壁により構成される。塵埃フィルターの設置位置は必要に応じて選ばれるが、第1の典型的な例では、塵埃フィルターは包囲体の上部の壁に取り付けられ、この場合、気体流路は包囲体の側壁の下部に設けられた通風孔と塵埃フィルターの入口とを接続するように包囲体の外部に設けられる。第2の典型的な例では、塵埃フィルターは包囲体の内部の下部に取り付けられ、この場合、気体流路は塵埃フィルターの出口と包囲体の上部の壁に設けられた通風孔とを接続するように包囲体の内部および外部に設けられる。第3の典型的な例では、塵埃フィルターは包囲体の内部の下部に取り付けられ、この場合、気体流路は塵埃フィルターの出口と包囲体の内部の空間の上部とを接続するように包囲体の内部に設けられる。第4の典型的な例では、包囲体の底部の壁の上に気密性の第1の気体流路、塵埃フィルターおよび気密性の第2の気体流路が順次設置され、第1の気体流路の側壁の下部に吸気口が設けられ、第2の気体流路の側壁の上部に吹出口が設けられる。隔壁は、例えば、塵埃フィルター、ガス透過性フィルム、塵埃フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などからなる。塵埃フィルターは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をろ材に用いたULPA(ultra low penetration
air)フィルターやガラス繊維をろ材に用いたHEPAフィルターなどである。
包囲体の壁に設けられる開閉機構としては種々のものを用いることができ、必要に応じて選ばれるが、例えば、ファスナー(ジッパー)、着脱自在の布製テープ(マジックテープ(登録商標))、両面テープ留め機構、アコーディオン−カーテンの開閉機構などを用いることができる。包囲体の大きさは、高清浄環境装置の用途などに応じて適宜選ばれるが、一つの典型的な例では、内部に人が入ることができる大きさを有する。例えば、包囲体の内部に人が入り、椅子に座ったり、車椅子に乗ったり、ベッドの上で横になったりする場合には、包囲体はこれらの椅子、車椅子、ベッドを設置することができる大きさを有する。他の物品を包囲体の内部に収容する場合には、包囲体はその物品が入る大きさとする。包囲体の側壁の全部または一部をカーテン状に構成してもよい。必要に応じて、包囲体の壁、特に側壁の全部または一部を凹凸、例えばひだ状に構成してもよい。
包囲体の内部に人に加えて椅子、車椅子、ベッドなどの物品を設置する場合、塵埃フィルターは、好適には、包囲体の内部の下部に取り付けられる。この場合、椅子、車椅子、ベッドなどの物品は、塵埃フィルターの上側に設置される。言い換えれば、これらの物品の下側に塵埃フィルターが設置される。
包囲体の形状は、種々の形状であってよく、必要に応じて選ばれるが、具体例を挙げると、円筒状、直方体状(立方体状を含む)、直方体を変形した形状、競技場のトラックの形状(直線と半円とを組み合わせた形状)の断面形状を有する柱状などであってよい。包囲体の内壁からの発塵を抑えるために、例えば、この内壁の全部または一部にポリテトラフルオロエチレンのコーティングを施すようにしてもよい。包囲体は、この包囲体を構成する材料の強度などに応じて、自立式に構成しても吊り下げ式に構成してもよい。
包囲体は、底部の壁を非通気性のフィルムで形成して外部との遮断を行ってもよいし、包囲体の側壁の底辺(包囲体が置かれる床と接する部分)にパッキンなどのシール部材を設けて外部との遮断性を高めるようにしてもよい。この場合は、包囲体の底部の壁として高清浄環境装置が設置される部屋の床そのものを使うことができる。
気体流路は、一般的には管状に構成され、その管を構成する材料も必要な強度を得ることができ、しかも発塵が少ないものが選ばれる。この気体流路は、好適には、金属製の管またはアルミニウム製の蛇腹からなる。この場合、この金属製の管またはアルミニウム製の蛇腹を介して熱交換を行うことにより包囲体の内部の温度を調整することができる。特に、この金属製の管またはアルミニウム製の蛇腹に対してファンにより強制的に風を送って冷却することにより、包囲体の内部の気体と十分に熱交換を行って適度に冷却することができ、包囲体の内部に人が入った場合、快適に過ごすことができる。
この高清浄環境装置は、必要に応じて、複数、互いに連結することができる。連結は典型的には高清浄環境装置の側壁同士を結合することにより行うことができる。この連結された複数の高清浄環境装置の間の側壁には、これらの高清浄環境装置の用途などに応じて、開口部やグローブなどが設けられる。例えば、医師が感染症の診断や治療などを行う場合、一つの高清浄環境装置の包囲体の内部に医師が入り、この高清浄環境装置に連結された高清浄環境装置の包囲体の内部に診断や治療を受ける患者が入ることにより、外部から隔離された環境でしかも医師も患者から隔離された環境で患者の診断や治療などを行うことができる。
高清浄環境装置の包囲体の内部で各種の作業(プロセスの実行、クリーニングなどのメンテナンスの実施など)を行う場合は、包囲体の内部に外部から手を入れて作業空間のほぼ全体に届く大きさであることが望ましく、一般的には通常の室内に格納されうるサイズ以内に選ばれる。一方、包囲体の大きさがあまりに小さすぎると、内部に人が入ったり、生命体を配したり、あるいは内部で作業を行うに際し、支障を来すおそれがあるため、一般的には1m程度以上に選ばれるが、これに限定されるものではない。包囲体の内部に人が入って作業を行う必要がない場合、例えば作業を自動化する場合、あるいは、高清浄環境装置を試料などを入れたまま携帯する場合などには、包囲体の大きさをより小さくすることが可能である。この高清浄環境装置は、例えば、材料処理、養鶏、養蚕、微生物培養などに用いることができる。この材料処理には、無機材料、有機材料、生体材料などの各種の材料の処理が含まれる。複数の高清浄環境装置を連結する場合、例えば、上記の複数の高清浄環境装置にループ状配置で高清浄環境装置が連結された部分を設けることにより、トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、同一の高清浄環境装置において実行可能となる。
高清浄環境装置を物品などの製造に用いる場合、その包囲体の内部には、使用目的に応じて、各種のプロセス装置、ラッピング装置、解析装置(例えば、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)などの走査プローブ顕微鏡(SPM)など)、反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、メディカルデバイス、内視鏡部品、コンタクトレンズ作製機器、透析機器、医用ディスポーザル製造装置、製薬装置などを収容することができる。人工光源は、例えば、細胞系の育成、植物体の育成、遺伝子実験などを行う場合に用いられる。細胞系の育成や植物体の育成を行う場合、人工光源としては、好適には、スペクトル半値幅が30nm以下の発光ダイオードや半導体レーザ、特にパルス駆動半導体レーザが用いられる。
また、高清浄環境装置の包囲体の内部環境は様々な方式で制御することができる。この内部環境の制御手段は、例えば、温度制御装置、湿度制御装置、気体成分制御装置、吸着装置、除害装置、特定波長照明器、密閉/開球環境選択機構などである。内部環境は、例えばコンピュータにより制御することができる。また、この包囲体の内部のガス濃度を制御して医療に利用することもできる。この高清浄環境装置は、治療用プラットフォーム、無菌室、無菌動物飼育環境などとしても利用することができる。さらに、包囲体を小型化して手で持つことができる(ハンドキャリーできる)ボックス状に構成することにより、例えば無菌動物輸送環境を実現することができる。
高清浄環境装置を連結する場合、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、植物工場技術などの分野に亘ってトータルな一連のプロセスフローに対応して各種の材料の処理プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる材料処理方法、トータルな一連のプロセスフローに対応して無機材料または有機材料を用いた各種の素子(LSI、発光ダイオード、半導体レーザなど)の製造プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる素子製造方法、トータルな一連のプロセスフローに対応して植物体育成プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる植物体育成方法などの実現が可能となる。また、空気感染性の病原菌を排除した養鶏や養豚などが可能となり、人獣共通感染症による人類社会への脅威を低減することができる。また、近隣でSARS(サーズ)などが発生した場合でも、養鶏中の鶏の処分などを行う必要がなくなる。また、この高清浄環境装置はインフルエンザ対策にも用いることができる。特に、この高清浄環境装置を病院の緊急外来の待合室に利用することで、無用の院内感染を極力抑えることができる。さらに、この高清浄環境装置を航空機内に用いることで、キャビン内での相互感染を有効に抑制することができる。
この発明によれば、塵埃フィルターから流出する気体の全てが気密性の気体流路を通って塵埃フィルターの入口に入るように構成されていることにより、包囲体の内部のダスト微粒子の数を極限的に減少させることができ、包囲体の内部を高清浄環境に維持することができる。また、包囲体の壁の隔壁を通して酸素を外部から取り込むことができるので、包囲体の内部の酸素の濃度を非密閉環境におけるそれらの濃度と同じに維持することができる。さらに、包囲体の壁に設けられた開閉機構を用いて、人や物品を出入りさせることができる。
以上により、巨大なクリーンルームを用いることなく、極めて簡単な構成でクラス1またはそれ以上の極めて高い清浄度の清浄空間を得ることができ、かつその清浄空間を設置環境と同一の酸素濃度に維持することができ、人の治療、診察、静養などへの適用を簡易かつ低コストで実現することができる高清浄環境装置を得ることができる。
この発明の第1の実施の形態による高清浄環境装置を示す斜視図である。 この発明の第1の実施の形態による高清浄環境装置の包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第1の実施の形態による高清浄環境装置の包囲体の内部でガスを燃焼させた時のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第1の実施の形態による高清浄環境装置の包囲体の内部でガスを燃焼させた時の酸素濃度の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態による高清浄環境装置を示す斜視図である。 この発明の第2の実施の形態による高清浄環境装置の包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態による高清浄環境装置の包囲体の内部でガスを燃焼させた時の酸素濃度の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態による高清浄環境装置の包囲体の内部の酸素濃度の酸素消費レート依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第3の実施の形態による高清浄環境装置を示す斜視図である。 この発明の第4の実施の形態による高清浄環境装置を示す斜視図である。 この発明の第5の実施の形態による高清浄環境装置を示す斜視図である。 この発明の第6の実施の形態による高清浄環境装置を示す斜視図である。 この発明の第7の実施の形態による連結高清浄環境装置を示す斜視図である。 この発明の第8の実施の形態による高清浄環境装置を示す断面図である。 この発明の第9の実施の形態による高清浄環境装置を示す断面図である。 この発明の第10の実施の形態による高清浄環境装置を示す斜視図である。 従来のクリーンユニットの正面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について図面を参照しながら説明する。
図1は第1の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置を示す。
図1に示すように、この高清浄環境装置は、人が入ることができる大きさの円筒状の包囲体11を有し、この包囲体11の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体11の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境装置が設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体11の大きさの一例を挙げると、直径約70cm、高さ1.5mである。包囲体11の上面の壁の中心に、塵埃フィルターとその上に設けられた送風用のファンとからなるファン・フィルターユニット12が取り付けられている。このファン・フィルターユニット12の塵埃フィルターは包囲体11の外部環境と接触していない。包囲体11の側壁の下部には通風孔13が設けられている。この通風孔13とファン・フィルターユニット12の入口、従って塵埃フィルターの入口とを気密性を持って接続するように気密性のフィードバック気体流路14が包囲体11の外部に設けられている。フィードバック気体流路14は、包囲体11の底面と平行に底面の直径方向に延びる直線状の部分14aと、これから包囲体11の側壁に沿って包囲体11の中心軸に平行な方向に包囲体11の上面より高い位置まで延びる部分14bと、これから包囲体21の上面に平行に上面の直径方向に上面の中心まで延びる直線状の部分14cと、これから包囲体11の中心軸方向に下方に向かって少し延びた直線状の部分14dとからなり、この部分14dの先端が開放されて通風孔13となっている。この場合、ファン・フィルターユニット12の運転時には、図1において点線の矢印で示すように、ファン・フィルターユニット12の塵埃フィルターから流出する気体の全てがフィードバック気体流路14を通ってファン・フィルターユニット12の入口、従って塵埃フィルターの入口に入るようになっている。
包囲体11の側壁の全部または一部は、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁15により構成されている。この隔壁15としては、例えば、防塵フィルター、ガス透過性フィルム、防塵フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などを用いることができる。隔壁15には、包囲体11の中心軸に平行に気密ファスナー16が取り付けられている。この気密ファスナー16としては、例えば、両面テープ式ファスナーを用いることができる。この気密ファスナー16は、包囲体11の側壁の下端から包囲体11の上面近くまで取り付けられている。このように気密ファスナー16が設けられていることにより、例えば、気密ファスナー16を開けて包囲体11の内部に人が入った後に気密ファスナー16を閉めて包囲体11を外部環境から隔離することができる。
次に、この高清浄環境装置の運転方法の一例について説明する。
ファン・フィルターユニット12のファンの運転を開始すると、包囲体11内のエアは通風孔13からフィードバック気体流路14を通ってファン・フィルターユニット12の塵埃フィルターの入口に入り、ダスト微粒子が除去されて清浄化が行われ、ファン・フィルターユニット12の下方にダウンフロー状に流れ、通風孔13に入る。また、外気の酸素が拡散により隔壁15を通って包囲体11の内部に入ることにより、包囲体11内の酸素濃度を外気と同じ濃度に維持することができる。また、包囲体11の内部で増加した二酸化炭素がある場合には、拡散により隔壁15を透過して外部に排出されることにより、包囲体11内の二酸化炭素濃度を外気と同じ濃度に維持することができる。
この高清浄環境装置の包囲体11の内部にダストカウンター(図示せず)を設置してこの包囲体11の内部のダスト微粒子のカウント数の時間依存性の測定を行った。この高清浄環境装置は通常環境の部屋に設置した。包囲体11の内部の空間の大きさは、直径約70cm、高さ1.5mで体積Vは約0.6m3 で、ファン・フィルターユニット12の風量Fは約0.7m3 /分である。包囲体11の側壁の全部を隔壁15により構成した。隔壁15としてPTFEからなるULPAフィルターを用いた。包囲体11の上面の壁はポリスチレンにより構成した。包囲体11の底面の壁はこの高清浄環境装置を設置した部屋の床そのものを用いた。ダストカウンターとしては、Particle Measuring Systems Inc.
社製のLASAIR310およびLASAIR110を使用した。図2に包囲体11の内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を示す。図2の縦軸は1cf(立方フィート)当たりの粒径0.5μm以上の大きさのダスト微粒子の数の総和、横軸は高清浄環境装置の運転開始時からの経過時間である。図2に示すように、高清浄環境装置の運転開始から約6分で約3桁清浄度が向上し、到達清浄度はUS209Dクラス1(ISOクラス3)に達することが分かる。この到達清浄度は、スーパークリーンルーム相当の極めて高い清浄度であることは特筆に値する。この結果より、隔壁15を貫くような気体のマクロなマスフローがないため、ダスト微粒子の包囲体11の内部への侵入が防止され、包囲体11の内部の清浄度が悪化しないことが実証された。
次に、この包囲体11の内部でブタン(C4 10)ガスを1.2g/分のレートで燃焼させた時のダスト粒子数の時間依存性を測定した結果を図3に、酸素濃度の時間依存性を測定した結果を図4に示す。図3に示すように、高清浄環境装置の運転開始から約6〜7分で約3桁清浄度が向上し、到達清浄度はUS209Dクラス1(ISOクラス3)に達することが分かる。この結果は、包囲体11の内部でガスを燃焼させた時にも、燃料ガスに含まれる不純物などの燃焼によるダスト微粒子が発生するにもかかわらず、図2の条件の時と同等のダスト微粒子数の減少能力を有することを示す。また、この時の酸素消費レートは、ヒトの呼吸時の酸素消費レートから換算すると、物理的には実現不可能であるものの、包囲体11の内部に約12人が滞在している状況に対応している。図4から明らかなように、燃焼開始後約3分後に、酸素濃度が19.7%まで減少するものの、同6分後には、外部環境の酸素濃度である20.9%となる。この結果は、この高清浄環境装置では、包囲体11の内外のガス交換が効率的に行われ、包囲体11の内部と外部とをガス成分的に平衡状態に維持する能力があることを示している。
以上のように、この第1の実施の形態による高清浄環境装置によれば、極めて簡単な構成でクラス1またはそれ以上の極めて高い清浄度の清浄空間を得ることができ、かつその清浄空間を設置環境と同一の酸素濃度に維持することができる。この高清浄環境装置によれば、例えば人の治療、診察、静養などへの高清浄環境の適用を簡易かつ低コストで実現することができる。
図5は第2の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置を示す。
図5に示すように、この高清浄環境装置は、人が入ることができる大きさの円筒状の包囲体21を有し、この包囲体21の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体21の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境装置が設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体21の大きさの一例を挙げると、直径約80cm、高さ1.8mである。包囲体21の上面の壁の中心に通風孔22が設けられている。包囲体21の内部の下部の底面から所定の高さに、塵埃フィルターとその上に設けられた送風用のファンとからなるファン・フィルターユニット23が取り付けられている。通風孔22とファン・フィルターユニット23の出口、従って塵埃フィルターの出口とを気密性を持って接続するように気密性のフィードバック気体流路24が包囲体21の外部および内部に設けられている。フィードバック気体流路24は包囲体21の側壁を貫通して設けられている。フィードバック気体流路24は、包囲体21の中心軸上にあってファン・フィルターユニット23の塵埃フィルターの出口と繋がった直線状の部分24aと、これから包囲体21の内部の下部の底面に沿って底面の直径方向に延びる直線状の部分24bと、これから包囲体21の側壁に沿って包囲体21の中心軸に平行な方向に包囲体21の上面より高い位置まで延びる部分24cと、これから包囲体21の上面に平行に上面の直径方向に上面の中心まで延びる直線状の部分24dと、これから包囲体21の中心軸方向に下方に向かって少し延びた直線状の部分24eとからなり、この部分24eの先端が開放されて通風孔22となっている。この場合、ファン・フィルターユニット23の運転時には、図5において点線の矢印で示すように、ファン・フィルターユニット23の塵埃フィルターから流出する気体の全てがフィードバック気体流路24を通って通風孔22から包囲体21の内部に還流され、最終的に全ての気体がファン・フィルターユニット23の入口、従って塵埃フィルターの入口に入るようになっている。
包囲体21の側壁の全部または一部は、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁25により構成されている。この隔壁25としては、例えば、防塵フィルター、ガス透過性フィルム、防塵フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などを用いることができる。隔壁25には、包囲体21の中心軸に平行に気密ファスナー26が取り付けられている。この気密ファスナー26としては、例えば、両面テープ式ファスナーを用いることができる。この気密ファスナー26は、包囲体21の側壁の下端から包囲体21の上面近くまで取り付けられている。このように気密ファスナー26が設けられていることにより、例えば、気密ファスナー26を開けて包囲体21の内部に人が入った後に気密ファスナー26を閉めて包囲体21を外部環境から隔離することができる。
この高清浄環境装置の包囲体21の内部にダストカウンター(図示せず)を設置してこの包囲体21の内部のダスト微粒子のカウント数の時間依存性の測定を行った。この高清浄環境装置は通常環境の部屋に設置した。包囲体21の内部の空間の大きさは、直径約80cm、高さ1.8mで体積Vは約0.9m3 で、ファン・フィルターユニット23の風量Fは約0.7m3 /分である。包囲体21の側壁のほぼ全部を隔壁25により構成した。隔壁25としては、短冊状のPTFEからなるULPAフィルターと短冊状のビニール透明膜とを面積比約10:1で縞状に貼り合わせたフレキシブルなシートを用いた。包囲体21の上面の壁はポリスチレンにより構成した。包囲体21の底面の壁はこの高清浄環境装置を設置した部屋の床そのものを用いた。ダストカウンターとしては、Particle Measuring Systems Inc. 社製のLASAIR310およびLASAIR110を使用した。図6に包囲体21の内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を示す。図6の縦軸は1cf当たりの粒径0.5μm以上の大きさのダスト微粒子の数の総和、横軸は高清浄環境装置の運転開始時からの経過時間である。図6に示すように、高清浄環境装置の運転開始から約20分で約4桁清浄度が向上し、30分以内にUS209Dクラス1(ISOクラス3)の清浄度に達することが分かる。この到達清浄度は、スーパークリーンルーム相当の極めて高い清浄度であることは特筆に値する。この結果より、隔壁25を貫くような気体のマクロなマスフローがないため、ダスト微粒子の包囲体21の内部への侵入が防止され、包囲体21の内部の清浄度が悪化しないことが実証された。
次に、この包囲体21の内部でブタンガスを0.5g/分のレートで燃焼させた時の酸素濃度の時間依存性を測定した結果を図7に示す。この時の酸素消費レートは、ヒトの呼吸時の酸素消費レートから換算すると、物理的には実現不可能であるものの、包囲体11の内部に約5人が滞在している状況に対応している。図7から明らかなように、この燃焼条件下の包囲体21の内部の酸素濃度は20.9%の一定値を保っている。この結果は、この高清浄環境装置では、包囲体21の内外のガス交換が効率的に行われ、包囲体21の内部と外部とをガス成分的に平衡状態に維持する能力があることを示している。
図8に、包囲体21の内部の酸素濃度の減少の相対酸素消費レート依存性を示す。ただし、相対酸素消費レート=酸素消費レート/包囲体21の内部の空間の体積である。図8より、包囲体21の内部での酸素消費量の関数として、内部酸素濃度減少量を制御することができることが分かる。法規により、居室の許容酸素濃度は18%と指定されているため、この高清浄環境装置を用いることにより、この許容酸素濃度を満たすように相対酸素消費レートを設定することが可能である。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
図9は第3の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置を示す。
図9に示すように、この高清浄環境装置は、人が入ることができる大きさの円筒状の包囲体31を有し、この包囲体31の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体31の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境装置が設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体31の大きさの一例を挙げると、直径約80cm、高さ1.8mである。包囲体31の内部の下部の底面から所定の高さに、塵埃フィルターとその上に設けられた送風用のファンとからなるファン・フィルターユニット32が取り付けられている。包囲体31の内部の上部とファン・フィルターユニット32の出口、従って塵埃フィルターの出口とを気密性を持って接続するように気密性のフィードバック気体流路33が設けられている。フィードバック気体流路33は、包囲体31の中心軸上にあってファン・フィルターユニット32の塵埃フィルターの出口と繋がった直線状の部分33aと、これから包囲体31の内部の下部の底面に沿って底面の直径方向に延びる直線状の部分33bと、これから包囲体31の内部の側壁に沿って包囲体31の中心軸に平行な方向に包囲体31の内部の上面付近まで延びる部分33cと、これから包囲体31の内部の上面に沿って上面の直径方向に上面の中心まで延びる直線状の部分33dと、これから包囲体31の中心軸方向に下方に向かって少し延びた直線状の部分33eとからなり、この部分33eの先端が開放されて通風孔34となっている。この場合、ファン・フィルターユニット32の運転時には、図9において点線の矢印で示すように、ファン・フィルターユニット32の塵埃フィルターから流出する気体の全てがフィードバック気体流路33を通って通風孔34から包囲体31の内部に還流され、最終的に全ての気体がファン・フィルターユニット32の入口、従って塵埃フィルターの入口に入るようになっている。
包囲体31の側壁の全部または一部は、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁35により構成されている。この隔壁35としては、例えば、防塵フィルター、ガス透過性フィルム、防塵フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などを用いることができる。隔壁35には、包囲体31の中心軸に平行に気密ファスナー36が取り付けられている。この気密ファスナー36としては、例えば、両面テープ式ファスナーを用いることができる。この気密ファスナー36は、包囲体31の側壁の下端から包囲体31の上面近くまで取り付けられている。このように気密ファスナー36が設けられていることにより、例えば、気密ファスナー36を開けて包囲体31の内部に人が入った後に気密ファスナー36を閉めて包囲体31を外部環境から隔離することができる。
この第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様な利点を得ることができるほか、フィードバック気体流路33が包囲体31の内部に設けられているので、高清浄環境装置の小型化が可能であるという利点を得ることもできる。
図10は第4の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置を示す。
図10に示すように、この高清浄環境装置は、人が入ることができる大きさの縦長の直方体状の包囲体41を有し、この包囲体41の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体41の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境装置が設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体41の大きさの一例を挙げると、幅約80cm、奥行き約80cm、高さ1.8mである。包囲体41の上面の壁の中心に通風孔42が設けられている。包囲体41の内部の下部の底面から所定の高さに、塵埃フィルターとその上に設けられた送風用のファンとからなるファン・フィルターユニット43が取り付けられている。通風孔42とファン・フィルターユニット43の出口、従って塵埃フィルターの出口とを気密性を持って接続するように気密性のフィードバック気体流路44が包囲体41の外部に設けられている。フィードバック気体流路44は包囲体41の側壁を貫通して設けられている。フィードバック気体流路44は、包囲体41の中心軸上にあってファン・フィルターユニット43の塵埃フィルターの出口と繋がった直線状の部分44aと、これから包囲体41の内部の下部の底面に沿って底面の一辺に平行な方向に延びる直線状の部分44bと、これから包囲体41の側壁に沿って包囲体41の中心軸に平行な方向に包囲体41の上面より高い位置まで延びる部分44cと、これから包囲体41の上面に平行に上面の直径方向に上面の中心まで延びる直線状の部分44dと、これから包囲体41の中心軸方向に下方に向かって少し延びた直線状の部分44eとからなり、この部分44eの先端が開放されて通風孔42となっている。この場合、ファン・フィルターユニット43の運転時には、図10において点線の矢印で示すように、ファン・フィルターユニット43の塵埃フィルターから流出する気体の全てがフィードバック気体流路44を通って通風孔42から包囲体41の内部に還流され、最終的に全ての気体がファン・フィルターユニット43の入口、従って塵埃フィルターの入口に入るようになっている。
包囲体41の側壁の全部または一部は、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁45により構成されている。この隔壁45としては、例えば、防塵フィルター、ガス透過性フィルム、防塵フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などを用いることができる。隔壁45には、包囲体41の中心軸に平行に気密ファスナー46が取り付けられている。この気密ファスナー46としては、例えば、両面テープ式ファスナーを用いることができる。この気密ファスナー46は、包囲体41の側壁の下端から包囲体41の上面近くまで取り付けられている。このように気密ファスナー46が設けられていることにより、例えば、気密ファスナー46を開けて包囲体41の内部に人が入った後に気密ファスナー46を閉めて包囲体41を外部環境から隔離することができる。
この第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
次に、第5の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置について説明する。
図11に示すように、この第5の実施の形態においては、第2の実施の形態による高清浄環境装置と同様な高清浄環境装置の包囲体21の内部の底面に椅子51が設置されている。この椅子51は、四本の足51a、51b、51c、51dがファン・フィルターユニット23の外側に来るように、かつ座面51eがファン・フィルターユニット23の真上に来るように設置されている。この場合、椅子51の座面51eの下面とファン・フィルターユニット23の上面との間には十分なスペースが設けられており、フィードバック気体流路24の通風孔22から包囲体21の内部に流れる気体が椅子51の座面51eの周囲から座面51eの下側に回り込んでファン・フィルターユニット23の入口にスムーズに入るようになっている。
この第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができるほか、次のような利点を得ることができる。即ち、例えば、この高清浄環境装置を病院の緊急外来の待合室に複数台設置することにより、緊急外来を訪れた患者がこの高清浄環境装置の包囲体21内に入り、椅子51に座って待機し、診察の順番が回って来た時にこの包囲体21から出て診察を受けることができる。このようにすることにより、緊急外来を訪れた種々の疾病を有する患者同士が相互に感染するのを有効に防止することができる。
次に、第6の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置について説明する。
図12に示すように、この第6の実施の形態においては、第4の実施の形態による高清浄環境装置と同様な高清浄環境装置の包囲体41が、内部にベッドを収容することができ、かつ人が入ることができる大きさの直方体状に構成されている。そして、この包囲体41の内部の底面にベッド61が設置されている。このベッド61は、四本の足61a、61b、61c、61dがファン・フィルターユニット43の外側に来るように、かつ本体61eがファン・フィルターユニット43の真上に来るように設置されている。この場合、ベッド61の本体61eの下面とファン・フィルターユニット43の上面との間には十分なスペースが設けられており、フィードバック気体流路44の通風孔42から包囲体41の内部に流れる気体がベッド61の本体61eの周囲から本体61eの下側に回り込んでファン・フィルターユニット43の入口にスムーズに入るようになっている。
この第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができるほか、次のような利点を得ることができる。即ち、例えば、この高清浄環境装置を病院の緊急外来の待合室に複数台設置することにより、緊急外来を訪れた患者がこの高清浄環境装置の包囲体41内に入り、ベッド61で横になって休養しながら待機し、診察の順番が回って来た時にこの包囲体41から出て診察を受けることができる。このようにすることにより、緊急外来を訪れた種々の疾病を有する患者同士が相互に感染するのを有効に防止することができるだけでなく、待ち時間の間に患者の体力が必要以上に失われるのを未然に防止することができる。
図13は第7の実施の形態によるクリーンブース状の連結高清浄環境装置を示す。
図13に示すように、この連結高清浄環境装置においては、第4の実施の形態による高清浄環境装置と同様な高清浄環境装置が二つ、一つの側面を共有して互いに連結されている。一方の高清浄環境装置71は医師用、他方の高清浄環境装置72は患者用である。これらの高清浄環境装置71、72のそれぞれの包囲体41の内部の底面には第5の実施の形態と同様に椅子(図示せず)が設置される。これらの高清浄環境装置71、72の間の壁には開口部73が設けられており、この開口部73を通して、高清浄環境装置71の包囲体41の内部の医師が、高清浄環境装置72の包囲体41の内部の患者を診察したり、治療したりすることができる。開口部73の形状は必要に応じて選ばれるが、例えば長方形である。
この第7の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができるほか、次のような利点を得ることができる。即ち、例えば、医師および患者がそれぞれ別の高清浄環境装置71、72に入った状態で医師が患者の診察や治療などを行うことができるので、医師と患者が相互に感染するのを有効に防止することができる。
図14は第8の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置を示す。
図14に示すように、この高清浄環境装置は、人が入ることができる大きさの縦長の円柱状または直方体状の包囲体81を有し、この包囲体81の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体81の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境装置が設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体81の大きさの一例を挙げると、包囲体81が円筒状の場合は直径約80cm、高さ1.8m、直方体状の場合は幅約80cm、奥行き約80cm、高さ1.8mである。包囲体81の下部の底面の上の、包囲体81の側壁側に寄った位置に、底面に垂直に延びるフィードバック気体流路82、送風用のファンとその上に設けられた塵埃フィルターとからなるファン・フィルターユニット83およびフィードバック気体流路84が順次設置されている。フィードバック気体流路82の上端はファン・フィルターユニット83の入口と接続され、フィードバック気体流路84の下端はファン・フィルターユニット83の出口と接続されている。フィードバック気体流路82の側面の下部には吸気口85が設けられている。また、フィードバック気体流路84の側面の上部には吐出口86が設けられている。この場合、フィードバック気体流路82の吸気口85とフィードバック気体流路84の吐出口86とは互いに反対側を向いており、吸気口85は包囲体81の内壁側に向き、吐出口86は包囲体81の中心軸側に向いている。
包囲体81の側壁の全部または一部は、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁87により構成されている。この隔壁87としては、例えば、防塵フィルター、ガス透過性フィルム、防塵フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などを用いることができる。隔壁87には、包囲体81の中心軸に平行に気密ファスナー(図示せず)が取り付けられている。この気密ファスナーとしては、例えば、両面テープ式ファスナーを用いることができる。この気密ファスナーは、包囲体81の側壁の下端から包囲体81の上面近くまで取り付けられている。このように気密ファスナーが設けられていることにより、例えば、気密ファスナーを開けて包囲体81の内部に人が入った後に気密ファスナーを閉めて包囲体81を外部環境から隔離することができる。
次に、この高清浄環境装置の運転方法の一例について説明する。
ファン・フィルターユニット83のファンの運転を開始すると、包囲体81内のエアは吸気口85からフィードバック気体流路82を通ってファン・フィルターユニット83の塵埃フィルターの入口に入り、ダスト微粒子が除去されて清浄化が行われた後、フィードバック気体流路84の吐出口86から包囲体81内に出てゆき、包囲体81内を循環してから再び吸気口85から吸い込まれる。また、外気の酸素が拡散により隔壁87を通って包囲体81の内部に入り、包囲体81内の酸素濃度を外気と同じ濃度に維持することができる。また、包囲体81の内部で増加した二酸化炭素がある場合には、拡散により隔壁87を透過して外部に排出され、包囲体81内の二酸化炭素濃度を外気と同じ濃度に維持することができる。
この第8の実施の形態によれば、第1または第4の実施の形態による高清浄環境装置より簡易な構成で高清浄環境を得ることができる高清浄環境装置を実現することができる。
図15は第9の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置を示す。
図15に示すように、この高清浄環境装置は、人が入ることができる大きさの縦長の円柱状または直方体状の包囲体91を有し、この包囲体91の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体91の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境装置が設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体91の大きさの一例を挙げると、包囲体91が円筒状の場合は直径約80cm、高さ1.8m、直方体状の場合は幅約80cm、奥行き約80cm、高さ1.8mである。包囲体91の下部の底面の上の、包囲体91の側壁側に寄った位置に、底面に垂直に延びるフィードバック気体流路92、送風用のファンとその上に設けられた塵埃フィルターとからなるファン・フィルターユニット93およびフィードバック気体流路94が順次設置されている。フィードバック気体流路92の上端はファン・フィルターユニット93の入口と接続され、フィードバック気体流路94の下端はファン・フィルターユニット93の出口と接続されている。フィードバック気体流路92の側面の下部には吸気口95が設けられている。また、フィードバック気体流路94の側面の上部には吐出口96が設けられている。この場合、フィードバック気体流路92の吸気口95とフィードバック気体流路94の吐出口96とは互いに同じ側を向いており、いずれも例えば包囲体91の中心軸側に向いている。
包囲体91の側壁の全部または一部は、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁97により構成されている。この隔壁97としては、例えば、防塵フィルター、ガス透過性フィルム、防塵フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などを用いることができる。隔壁97には、包囲体91の中心軸に平行に気密ファスナー(図示せず)が取り付けられている。この気密ファスナーとしては、例えば、両面テープ式ファスナーを用いることができる。この気密ファスナーは、包囲体91の側壁の下端から包囲体91の上面近くまで取り付けられている。このように気密ファスナーが設けられていることにより、例えば、気密ファスナーを開けて包囲体91の内部に人が入った後に気密ファスナーを閉めて包囲体91を外部環境から隔離することができる。
次に、この高清浄環境装置の運転方法の一例について説明する。
ファン・フィルターユニット93のファンの運転を開始すると、包囲体91内のエアは吸気口95からフィードバック気体流路92を通ってファン・フィルターユニット93の塵埃フィルターの入口に入り、ダスト微粒子が除去されて清浄化が行われた後、フィードバック気体流路94の吐出口96から包囲体91内に出てゆき、包囲体91内を循環してから再び吸気口95から吸い込まれる。また、外気の酸素が拡散により隔壁97を通って包囲体91の内部に入り、包囲体91内の酸素濃度を外気と同じ濃度に維持することができる。また、包囲体91の内部で増加した二酸化炭素がある場合には、拡散により隔壁97を透過して外部に排出され、包囲体91内の二酸化炭素濃度を外気と同じ濃度に維持することができる。
この第9の実施の形態によれば、第1または第4の実施の形態による高清浄環境装置より簡易な構成で高清浄環境を得ることができる高清浄環境装置を実現することができる。
次に、第10の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境装置について説明する。
図16に示すように、この第10の実施の形態においては、第5の実施の形態による高清浄環境装置と同様な高清浄環境装置の外部に空冷ファン101が設置されている。そして、この空冷ファン101を運転して高清浄環境装置の外部のフィードバック気体流路24に風を吹きつけることができるようになっている。また、フィードバック気体流路24は例えばAl製の蛇腹により構成されている。
この第10の実施の形態によれば、第1および第4の実施の形態と同様な利点を得ることができるほか、次のような利点を得ることができる。即ち、空冷ファン101を運転してフィードバック気体流路44に風を吹きつけて冷却することができることにより、このフィードバック気体流路44とこのフィードバック気体流路44内を通る気体との間で熱交換を効率的に行うことができる。このため、最終的に包囲体41の内部の空間の温度をこの高清浄環境装置の設置環境の温度まで引き下げることができる。この高清浄環境装置は、特に発熱を伴う患者の待機場所として用いて好適なものであり、これによって待ち時間の間、患者が快適に過ごすことができる。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、材料、形状、配置などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、形状、配置などを用いてもよい。
11、21、31、41、81、91…包囲体、12、23、32、43、83、93…ファン・フィルターユニット、13、22、34、42…通風孔、14、24、33、44、82、84、92、94…フィードバック気体流路、15、25、35、45…隔壁、16、26、36、46…気密ファスナー、51…椅子、61…ベッド、101…空冷ファン

Claims (17)

  1. 密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
    上記包囲体に設けられた送風動力を有する塵埃フィルターとを有し、
    上記塵埃フィルターから流出する気体の全てが気密性の気体流路を通って上記塵埃フィルターの入口に入るように構成され、
    上記包囲体の壁の少なくとも一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁からなり、
    上記塵埃フィルターは上記包囲体の外部空間と接触せず、
    上記隔壁は上記包囲体の内部に発生する気体の流れが通過しないように設けられ、
    上記包囲体の壁に少なくとも一つの開閉機構が設けられていることを特徴とする高清浄環境装置。
  2. 上記包囲体の内部の空間の体積をV、上記包囲体の内部の単位体積当たりの酸素分子数をφ、アボガドロ数をN0 、気体定数をR、上記包囲体の内部での酸素消費レートをB、上記隔壁の面積をS´、上記隔壁の面に垂直で上記包囲体の内部に向かう方向の座標軸をx軸、このx軸方向の酸素の拡散定数をDとしたとき、上記隔壁の面積S´が
    Figure 2011089651
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の高清浄環境装置。
  3. 上記隔壁は上記包囲体の側壁に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の高清浄環境装置。
  4. 上記塵埃フィルターは上記包囲体の上部の壁に取り付けられ、上記気体流路は上記包囲体の側壁の下部に設けられた通風孔と上記塵埃フィルターの入口とを接続するように上記包囲体の外部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  5. 上記塵埃フィルターは上記包囲体の内部の下部に取り付けられ、上記気体流路は上記塵埃フィルターの出口と上記包囲体の上部の壁に設けられた通風孔とを接続するように上記包囲体の内部および外部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  6. 上記塵埃フィルターは上記包囲体の内部の下部に取り付けられ、上記気体流路は上記塵埃フィルターの出口と上記包囲体の内部の空間の上部とを接続するように上記包囲体の内部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  7. 上記包囲体の底部の壁の上に気密性の第1の気体流路、上記塵埃フィルターおよび気密性の第2の気体流路が順次設置され、上記第1の気体流路の側壁の下部に吸気口が設けられ、上記第2の気体流路の側壁の上部に吹出口が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  8. 上記隔壁は塵埃フィルター、ガス透過性フィルムまたは塵埃フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  9. 上記塵埃フィルターはULPAフィルターまたはHEPAフィルターからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  10. 上記開閉機構がファスナー、着脱自在の布製テープまたは両面テープ留め機構であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  11. 上記包囲体は内部に人が入ることができる大きさを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  12. 上記包囲体は内部に椅子、車椅子またはベッドを設置することができる大きさを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  13. 上記塵埃フィルターは上記包囲体の内部の下部に取り付けられ、上記椅子、上記車椅子または上記ベッドは上記塵埃フィルターの上側に設置されることを特徴とする請求項12記載の高清浄環境装置。
  14. 上記包囲体は円筒状または直方体状の形状を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  15. 上記包囲体は自立式または吊り下げ式であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  16. 上記気体流路は金属製の管またはアルミニウム製の蛇腹からなり、上記金属製の管または上記アルミニウム製の蛇腹を介して熱交換を行うことにより上記包囲体の内部の温度を調整することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
  17. 上記高清浄環境装置が少なくとも二つ、互いに連結されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項記載の高清浄環境装置。
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