JP3140798U - クリーンユニットおよび連結クリーンユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】巨大なクリーンルームを用いることなく、例えばISOクラス−1以上の超高清浄度のクリーンエアー環境を実現することができ、しかも小型に構成することができるクリーンユニットを提供する。
【解決手段】密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室1と、作業室1に設けられた送風動力を伴う塵埃フィルターと、作業室1と塵埃フィルターの入口との間を気密性を持って接続する気体流路とを有し、作業室1から流出する気体の全てがその気体流路を通って塵埃フィルターの入口に入るように構成されたクリーンユニットにおいて、作業室1の内部に作業室1の上部の壁面11cに対向して少なくとも一層の塵埃フィルター17を設ける。気体流路の一部を、作業室1の一つの壁面に設けられた二重壁11a、11bの間の空間であって作業室1の内部より体積が小さいものにより構成する。
【選択図】図6

Description

この考案は、クリーンユニットおよび連結クリーンユニットに関し、特に、粉塵や菌などのダスト微粒子の数を極めて小さい一定値以下に維持することができ、あるいはこれらのダスト微粒子の混入のない超クリーンエアー(空気)環境をクリーンルームを用いることなく実現するのに適用して好適なものである。
電子工業・精密機械工業・精密印刷などの用途の精密製品の高品質化と歩留まり向上とを図るために塵埃を除去するクリーンルームが必要とされている。国際半導体技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductor, ITRS)によれば、局所クリーン化の進展により2018年には通常の大気レベルの環境までクリーンルームの要求清浄度は緩和されるとしているが、現時点ではまだそれからはほど遠い。
クリーンルームを用いることなくクリーンな作業空間を提供する技術については従来より提案されている。例えば、クリーンな環境での作業を可能とする作業台として、作業空間の開口部から外気を取り入れ、この空気をフィルターでろ過して作業空間の上部から作業空間内に吹き出す作業台であって、作業空間の側面または背面に作業空間と外部とを連通する連通路を設け、この連通路に物体収納空間を形成し、物体空間の両側に外部と作業空間とを仕切る開閉手段を設けたものが提案されている(特許文献1参照。)。
また、単位室体を順次連結して、全体として一定容積の清浄空間を構成する連結式クリーン空間装置において、各単位室体毎に、その内部において清浄な空気を循環させる空気循環手段および粉塵除去手段を備え、清浄空間と遮断して空調手段設置空間を設けた連結式クリーン空間装置が提案されている(特許文献2参照。)。
また、空気循環手段と粉塵除去手段および空調手段とをそれぞれ備えて単位室体を順次連結して、全体として一定容積の清浄空間を構成する連結式クリーン空間装置において、前記単位室体の内部空間を連結する開口部に、前記開口部を横切る方向に空気が吹き出るように空気吹き出し口を設け、あるいは、前記単位室体の内部空間を連結する開口部に開閉自在な扉を設けることが提案されている(特許文献3参照。)。
また、上方に外気を取り入れ下面の空気吹き出し口から作業域内に清浄空気を吹き出す空気浄化部を備え、下方にこの空気浄化部を支える脚を有する移動可能な清浄作業室において、作業室同士の脚を互いに結合する脚部結合手段と、作業室同士の空気浄化部を互いに結合する空気浄化部結合手段とを備え、上記空気浄化部結合手段は空気浄化部の側面に設けられ、該側面の幅方向全長にわたり上下方向に結合する1対の結合部材からなり、上記結合部材の少なくとも一方はその上下方向の結合部を圧縮可能な密封材で構成され、作業室同士の結合、分離が自在である清浄作業室が提案されている(特許文献4参照。)。
また、フィルターを通して清浄な空気を吹き出すブロウユニットと、ブロウユニットから供給される空気をフィルターを通して吸い込むドレンユニットとを間隔をおいて対向配置することでクリーンベンチを構成することが提案されている(特許文献5参照。)。
また、完全循環型で密閉された構造を持つクリーンユニットおよび連結クリーンユニットが提案されている(特許文献6〜8参照)。これによれば、クリーンな環境に維持することができる作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部を設けたクリーンユニットの作業室の上部に送風動力を有する塵埃フィルター(HEPA(high efficiency particulate air)フィルター)を一つ設けるとともに、作業室の側面などに気密性を有する管を直結し、かつ上記の塵埃フィルターの入口に繋げることにより気体が循環するように構成する。このクリーンユニットの清浄度の平均値および最高値はクラス10並の値が得られている。また、このクリーンユニットは、その連結部を利用して、実行しようとするプロセスに応じて、折れ線状配置、ループ状配置などで複数連結することにより所望のクリーンユニットシステムを容易に構成することができる。上記のようにクリーンユニットを循環型に構成することにより高い清浄度が達成されるメカニズムについては、すでに報告されている(非特許文献1、2参照。)。
図42にこの種の従来のクリーンユニットを示す。図42に示すように、このクリーンユニットにおいては、作業室301の上面に送風ファンを有する塵埃フィルター302が取り付けられ、作業室301の側壁下部に設けられた通風孔と塵埃フィルター302の入口とを気密性を持って接続するように循環ダクト303が取り付けられており、図42中矢印で示すように空気を循環させることにより作業室301の内部を高清浄環境に維持することができるようになっている。
しかしながら、上記の特許文献6〜8で提案された従来のクリーンユニットでは、ISOクラス−1以上の超高清浄度環境を実現することは困難であった。
そこで、このような超高清浄度環境を実現することを目的として、本考案者により、密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、上記作業室に設けられた送風動力を有する塵埃フィルターと、上記作業室と上記塵埃フィルターの入口との間を気密性を持って接続する気体流路とを有し、上記作業室から流出する気体の全てが上記気体流路を通って上記塵埃フィルターの入口に入るように構成されたクリーンユニットであって、上記気体流路の一部が、上記作業室の一つの壁面に設けられた二重壁の間の空間であって上記作業室の内部より体積が小さいものにより構成されたものが提案され(特許文献9参照。)、既に実用化されている。
特開平2−15984号公報 特開平5−106888号公報 特開平5−223300号公報 特開昭63−123937号公報 特開2003−90576号公報 国際公開第04/114378号パンフレット 特開2006−183929号公報 特開2007−85721号公報 実用新案登録第3134982号明細書 A.Ishibashi, H.Kaiju, Y.Yamagata and N.Kawaguchi : Electron. Lett.41,735(2005) H.Kaiju, N.Kawaguchi and A.Ishibashi : Rev. Sci. Instrum.76, 085111(2005)
しかしながら、上記の特許文献9で提案された従来のクリーンユニットは、作業室の上部に塵埃フィルター、ファンユニット、ダクトホース、連結管などが取り付けられているため、クリーンユニット全体の大きさが大きくなってしまうという問題があった。
そこで、この考案が解決しようとする課題は、大掛かりで小回りが効かず、巨大な設備投資や固定資産負担が必要な巨大なクリーンルームを用いることなく、例えばISOクラス−1以上の超高清浄度のクリーンエアー環境を実現することができ、しかも小型に構成することができるクリーンユニットおよびこのクリーンユニットを用いた連結クリーンユニットを提供することである。
上記課題を解決するために、第1の考案は
密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、
上記作業室に設けられた送風動力を伴う塵埃フィルターと、
上記作業室と上記塵埃フィルターの入口との間を気密性を持って接続する気体流路とを有し、
上記作業室から流出する気体の全てが上記気体流路を通って上記塵埃フィルターの入口に入るように構成されたクリーンユニットであって、
上記作業室の内部に上記作業室の上部の壁面に対向して少なくとも一層の塵埃フィルターが設けられている
ことを特徴とするものである。
第2の考案は、
クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
少なくとも一つのクリーンユニットが、
密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、
上記作業室に設けられた送風動力を伴う塵埃フィルターと、
上記作業室と上記塵埃フィルターの入口との間を気密性を持って接続する気体流路とを有し、
上記作業室から流出する気体の全てが上記気体流路を通って上記塵埃フィルターの入口に入るように構成されたクリーンユニットであって、
上記作業室の内部に上記作業室の上部の壁面に対向して少なくとも一層の塵埃フィルターが設けられているものである
ことを特徴とするものである。
第1および第2の考案において、作業室内のダスト微粒子密度をn(t)(tは運転開始後の時間)、作業室の内部の空間の体積をV、その空間の内面積をS、単位面積・単位時間当たりのダスト微粒子の脱離レートをσ、クリーンユニットの設置環境(外気)のダスト微粒子密度をN0 、塵埃フィルターのダスト捕集効率をγ、塵埃フィルターの風量をFとすると、作業室内のダスト微粒子密度n(t)は、非特許文献1において本考案者らにより理論的に示されている通り、
Figure 0003140798
なる微分方程式を満たす。
密閉循環系では、従来の半開放系であるクリーンルームのダスト微粒子密度と大きく異なり、n(t)は、
Figure 0003140798
によって与えられる。時間が経てば(1)式の第2項が
Figure 0003140798
に従って、つまり、γはほぼ1であるのでV/F時間当たり、1/eに減衰し、急速にゼロに近づくため、外気のダスト微粒子密度を含まない(1)式の右辺第1項のみが残る。すなわち、密閉循環系では、クリーンユニットの設置環境によらず、
Figure 0003140798
なる究極の清浄度が得られる。
例えば、作業室の内部の空間の幅、高さ、奥行きが各1mのクリーンユニットにおいて風量F=1m3 /分で密閉循環させる場合を考えると、V/F=1m3 /(1m3 /分)=1分となるので、1分毎に、作業室内のダスト微粒子数は1/e、すなわち約2.8分の一に減っていくことが分かる。また、作業室の内部の空間の幅、高さ、奥行きが各2mのクリーンユニットの場合、風量8m3 /分のファンユニットを一台用いる(あるいは風量2m3 /分のファンユニットを4台用いるなど)ことにより、同じタイムスケールで、作業室の内部の清浄度を高くすることができる。
特に、従来のクリーンルームの定常状態のダスト微粒子密度は設置環境のダスト微粒子密度N0 に依存し、かつこのためできるだけダスト微粒子の捕集効率γが1に近い高品質の塵埃フィルターが必要であったのに対し、第1および第2の考案では、定常状態のダスト微粒子密度n(t)はN0 に依存せず(従って設置環境を選ばず)、かつγがnの表式の分母に入っているので、γが1に近いことも重要ではなく、安価な塵埃フィルターでも極めて高い清浄度を達成することができる。
好適には、作業室から流出する気体の風量に対する作業室の内部の体積の比を2.5分以下とする。
従来の考察(特許文献8などを参照)では、
Figure 0003140798
におけるSσは作業室の内壁の表面のものが考えられていたが、ISOクラス−1以上の超高清浄度を得るには、作業室の内壁の表面の凹凸を十分に小さくすることに加え、気体流路の一部を、作業室に比べて小さい体積しか有しない背面側、側面側または底面側の壁面に設けられた二重壁により構成し、この二重壁の間の空間を通じて気体の還流を行うことにより、Sσは、塵埃フィルターそのもののそれを考えなければならないことが判明した。
二重壁の間の空間の厚さは、好適には、作業室の内部の空間の奥行き、幅または高さの寸法の1/5以下であり、具体的には、例えば1cmのオーダー、典型的には1〜4cmである。このようにすることで、ISOクラス−1またはそれ以上の超高清浄度を得やすくなる。同時にまた、このクリーンユニットを設置する部屋に対するこのクリーンユニットの占有体積に比べてこのクリーンユニットの作業室における作業空間の体積を増加させることができるので、この作業室内への各種のプロセス装置や機器などの格納効率、作業の対象物の数、作業量などの向上を図ることができ、それによってプロセス効率の向上を図ることができ、作業室内での相対作業効率の向上を図ることができる。また、クリーンユニットの運転中は二重壁の間の空間は外部空間に対して陰圧となるため、この二重壁を押し潰す圧力が加わることから、これを防止するために、好適には、二重壁の間にこの二重壁の補強材が設けられる。この補強材としては、例えば、波状の断面形状および複数の通気孔を有する板や、少なくとも一つ、一般的には複数のリブまたは支柱を用いることができる。こうすることで、二重壁の潰れを防止して、作業室の高清浄度を極めて再現性良く得ることが可能となる。気体流路となる、二重壁の開口部の断面形状は、例えば、ほぼ正方形、言い換えると断面形状の縦横比(アスペクト比)がほぼ1対1になるようにしてもよいし、ほぼ円形にしてもよい。好適には、作業室および還流用の気体流路の一部を構成する二重壁の少なくとも一部、より好適には、作業室のほぼ全部および二重壁の全部が表面凹凸の少ない材料、例えばステンレス鋼や透明樹脂などにより形成され、最も好適には、内面が鏡面(例えば、JIS規格#400〜#800相当)のステンレス鋼により形成される。必要に応じて、作業室の内壁からの発塵を抑えるために、例えば、この内壁の全部または一部に、ポリテトラフルオロエチレンのコーティングあるいは導電性薄膜によるコーティングを施すようにしてもよい。
必要に応じて、二重壁の代わりに、気体流路の一部を作業室の側面、望ましくは背面側の隅に設けられたパイプ状流路、例えば断面の最大寸法が10cm以下のパイプ状流路を設けてもよい。この最大寸法は、作業室の相対作業効率を低下させないよう配慮して決められる。このパイプ状流路の断面形状は円形のほか、正方形、長方形などの多角形であってよい。このパイプ状流路には必要に応じて弁が設けられ、例えば、この弁の開閉によりパイプ状流路の開閉が可能に構成される。また、この弁の開閉により、気体流路の遮断や流路の変更を容易に行うことが可能となり、気体流路を変更した場合に生じるデッドスペースを小さくすることができ、超高清浄度を高い安定性で実現することができる。クリーンユニットを複数連結する場合、好適には、作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられる。このような連結クリーンユニットは、一つまたは複数、好適には全てのクリーンユニットおいて超高清浄度のクリーンエアー環境を得ることができることから、随時拡張可能な、トータルのプロセスを一貫して行うことができるプラットフォームとして用いることができる。
典型的な一つの例では、塵埃フィルターと作業室の上部の壁面との間の空間においてこの壁面に送風ファンが設けられる。この場合、好適には、塵埃フィルターと作業室の上部の壁面との間の空間の厚さが作業室の内部の空間の縦方向の寸法の1/5以下であり、具体的には例えば0.5〜20cm、典型的には3〜15cmであるが、これに限定されるものではない。すなわち、塵埃フィルターと作業室の上部の壁面との間の空間の厚さは、このクリーンユニットを設置する部屋でのこのクリーンユニットの占有体積に対するこのクリーンユニットの作業室における作業空間の体積の比を増加させ、この作業室内への各種のプロセス装置や機器などの格納効率、作業の対象物の数、作業量などの向上を図り、それによってプロセス効率の向上を図り、作業室内での相対作業効率の向上を図ることができるように配慮して決められる。送風ファンは、作業室の下部の底面を二重壁により構成し、この二重壁の間の空間内において上壁あるいは側壁に設けてもよい。また、二重壁の一部または全部をパイプなどの中空構造体で置き換えることも可能である。
塵埃フィルターは、作業室の内部にこの作業室の上部の壁面に対向して二層以上設けてもよい。この塵埃フィルターとしては、好適には、少なくとも粒径0.3μm以上のダスト微粒子の捕集効率が0.9以上であるものが用いられ、具体的には、例えば、HEPAフィルターや、ポリテトラフルオロエチレンをろ材に用いたULPA(ultra low penetration air)フィルター、あるいはこれらの双方が用いられる。
塵埃フィルターのろ材は平面構造のシート状であってもよいし、ジグザグ形状の断面構造を有してもよい。後者の場合、塵埃フィルターの占有面積に対する有効面積を大きくすることができる。具体的には、ジグザグ形状の断面構造を有するろ材の周期をw、高さをhとすると、上述のように、作業室内の空間における相対作業効率の向上を図り、塵埃フィルターの有効面積に対する占有体積を小さくする観点から、好適には、0<h/w≦10とする。
クリーンユニットの形状は、種々の形状であってよく、必要に応じて選ばれるが、具体例を挙げると、直方体状または立方体状、直方体または立方体を変形した形状などであってよい。また、作業室の内部の大きさは、基本的には使用目的などに応じて設計により適宜決定するものであるが、例えば、オペレーターがグローブなどを用いて作業室の内部で各種の作業(各種のプロセスの実行、クリーニングなどのメンテナンスの実施など)を行うことができるようにするためには、作業室内に外部から手を入れて作業空間のほぼ全体に届く大きさであることが望ましく、一般的には通常の室内に格納することができる大きさ、例えば幅、高さ、奥行きとも1m以内に選ばれるが、これに限定されるものではない。一方、作業室の内部に人が入って作業を行う場合には、人が入ることができる大きさ、例えば幅、高さ、奥行きとも1.5m以上、典型的には2m以上に選ばれるが、これに限定されるものではない。作業室内に人が入って作業を行う必要がない場合、例えば作業を自動化する場合、あるいは、クリーンユニットを試料などを入れたまま携帯する場合などには、作業室の大きさをより小さくすることが可能である。
作業室内では、例えば材料処理を行うことができる。この材料処理には、無機材料、有機材料、生体材料などの各種の材料の処理が含まれる。複数のクリーンユニットを連結する場合、例えば、トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、上記の複数のクリーンユニットに、ループ状配置でクリーンユニットが連結された部分を設けることにより、同一のクリーンユニットにおいて実行可能となる。
複数のクリーンユニットを連結する場合、この連結クリーンユニットには、例えば、ナノテクノロジープロセスユニットおよび/またはバイオテクノロジープロセスユニットを含ませることができる。
クリーンユニットの連結を行う場合、作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられるが、作業室の連結部を後部、上部、下部および二つの側部のどこに設けるかは、クリーンユニットを二次元的(平面的)または三次元的(立体的)にどのように配置するかに応じて適宜決められる。例えば、連結クリーンユニットを水平面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、連結クリーンユニットのフレキシビリティーを高めるためには、好適には、連結部は、作業室の後部および両側部にそれぞれ設けられる。この場合、一つのクリーンユニットに対し、後部および両側部に合計三つのクリーンユニットを連結することが可能である。また、クリーンユニットを鉛直面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、連結クリーンユニットのフレキシビリティーを高めるためには、好適には、連結部は、作業室の上部または下部および両側部にそれぞれ設けられる。この場合、一つのクリーンユニットに対し、上部または下部および両側部に合計三つのクリーンユニットを連結することが可能である。連結部は、例えば、作業室の壁に設けられた開口部とこの開口部を開閉可能に設けられた遮断板とを有する。この遮断板は、開閉可能である限り、基本的にはどのようなものであってもよいが、典型的には、引き戸や扉などである。この遮断板の開閉は、手動で行ってもよいし、光センサーなどのセンサーを作業室内部に取り付けるとともに、遮断板の開閉機構を設け、オペレーターの手や試料が遮断板に近づいた時に自動的に開閉するようにしてもよい。また、作業室にベルトコンベアーなどの搬送機構を設け、入り口と出口との間でこの搬送機構により試料を搬送する場合には、試料が搬送機構により出口付近まで搬送された時、これをセンサーにより検知して遮断板を開閉機構により開閉するようにしてもよい。遮断板または作業室の壁面にパッキンなどのシール部材を設けて遮断時の気密性を高めるようにしてもよい。
クリーンユニットの内部(作業室の内部)には、使用目的に応じて、コンパクトな装置を収めることができる。この装置は、具体的には、例えば、各種のプロセス装置、ラッピング装置、解析装置(例えば、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)などの走査プローブ顕微鏡(SPM)など)、反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、メディカルデバイス、内視鏡部品、コンタクトレンズ作製機器、透析機器、医用ディスポーザル製造装置、香辛料/化粧品の調合・作製装置、製薬装置などである。人工光源は、例えば、細胞系の育成、植物体の育成、遺伝子実験などを行う場合に用いられる。細胞系の育成や植物体の育成を行う場合、人工光源としては、好適には、スペクトル半値幅が30nm以下の発光ダイオードや半導体レーザ、特にパルス駆動半導体レーザが用いられる。
また、クリーンユニットの作業室の内部環境は様々な方式で制御することができる。この内部環境の制御手段は、例えば、温度制御装置、湿度制御装置、気体成分制御装置、吸着装置、除害装置、特定波長照明器、密閉/開球環境選択機構などである。内部環境は、例えばコンピュータにより制御することができる。
上記の連結クリーンユニットによれば、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、植物工場技術などの分野にわたってトータルな一連のプロセスフローに対応して各種の材料の処理プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる材料処理方法、トータルな一連のプロセスフローに対応して無機材料または有機材料を用いた各種の素子(LSI、発光ダイオード、半導体レーザなど)の製造プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる素子製造方法、トータルな一連のプロセスフローに対応して植物体育成プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる植物体育成方法などの実現が可能となる。
この考案によれば、作業室の内部にこの作業室の上部の壁面に対向して少なくとも一層の塵埃フィルターが設けられていることにより、作業室の上部に塵埃フィルター、ファンユニット、ダクトホース、連結管などか取り付けられた特許文献9に提案されたクリーンユニットと異なり、クリーンユニットの上面をフラットに構成することができ、クリーンユニット全体の大きさを小さくすることができる。また、作業室と塵埃フィルターの入口との間を気密性を持って接続する気体流路の一部を、作業室の一つの壁面に設けられた二重壁の間の空間により構成することにより、気体流路の幅を十分に広くすることができ、それによって作業室内の気流の制御性を高めることができ、ひいては例えばISOクラス−1以上の超高清浄度のクリーンエアー環境を実現することができるとともに、この超高清浄度のクリーンエアー環境を長期間維持することができる。そして、連結クリーンユニットでは、このような超高清浄度のクリーンエアー環境でトータルな一連のプロセスを実行することができる。
以下、この考案の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1〜図7はこの考案の第1の実施形態によるクリーンユニットを示し、図1は正面図、図2は背面図、図3は上面図、図4は左側面図、図5は右側面図、図6は図3のX−X線に沿っての断面図、図7は図4のY−Y線に沿っての断面図である。また、図8はこのクリーンユニットの作業室から前カバーを取り外した状態を示す正面図、図9は前カバーを本体に取り付けられる側から見た図である。
図1〜図9に示すように、このクリーンユニットは全体として六面体形状の箱状の作業室1を有する。この作業室1の両側面は互いに平行、上面および底面も互いに平行、両側面と上面、底面および背面とは互いに直角であり、前面は背面に対して非平行でその上部が背面に近づく向きに所定の角度、例えば70〜85°だけ傾斜しているが、これに限定されるものではない。作業室1は、前部が開放された直方体形状の本体11とこの本体11の前面に取り外し可能に設けられた前カバー12とにより構成されている。前カバー12は図示省略した固定具により本体11に固定されている。前カバー12を取り外した状態で本体11の中にプロセス装置や観察装置などの必要な装置や試料などを入れることができるようになっている。
本体11は、内壁からのダスト微粒子の放出を抑えたり、静電気の発生などによるダスト微粒子の付着を防止するために、好適には、金属、取り分けステンレス鋼(例えば、SUS304)により形成され、より好適には、その内面が、除去しようとするダスト微粒子の径と同程度またはそれ以上の大きさの凹凸を有しない平滑表面であるもの、例えば鏡面(例えば、JIS規格#400〜#800相当)のステンレス鋼により形成される。前カバー12も同様にステンレス鋼などの金属により形成してもよいが、前カバー12を透明とする場合には透明アクリル樹脂や透明パレックス樹脂などの透明樹脂を用いてもよい。前カバー12を金属などの不透明な材料により形成する場合に作業室1の内部を外部から観察可能とするためには、前カバー12にガラス窓などを設ければよい。図8に示すように、本体11の前面の外周には額縁部が形成されている。図9に示すように、前カバー12の、本体11に取り付けられる側の面の外周にも同じ形状の額縁部が形成されている。本体11に対する前カバー12の取り付けは、本体11の額縁部に対して前カバー12の額縁部を間にOリングなどのシール材を挟んで押し付け、図示省略した固定具により本体11と前カバー12とを相互に固定することにより行う。このシール材としては、好適には、十分な圧力が加わった状態で気密性が得られるものが用いられる。
作業室1の内部の大きさはその中にプロセス装置などの必要な装置を収容することができ、かつ、オペレーターが作業室1の内部に入らない場合には例えば後述の手作業用グローブに両手を入れて作業室1内で必要な作業を行うことができる大きさに選ばれ、オペレーターが作業室1の内部に入る場合にはオペレーターが内部に入って作業を行うことができる大きさに選ばれる。前者の場合の作業室1の内部の空間の寸法は、一般的には奥行き、幅、高さとも1m以内であり、具体的には例えば奥行き40〜70cm、幅70〜90cm、高さ50〜100cmであるが、これに限定されるものではない。
本体11の背面は、後述のトランスファーボックスの接続部を除いて、所定の間隔をおいて互いに平行に設けられた外壁11aと内壁11bとからなる二重壁により構成されている(図6参照)。この二重壁の間の空間は気体流路の一部を構成する。内壁11bの下端と本体11の底面との間には所定の高さの隙間13がスリット状に設けられている。内壁11bの下端には、この内壁11bと垂直で本体11の底面に平行な底板14が一体に設けられている。図10にこの底板14を示す。図10に示すように、底板14には、例えば円形の通気孔14aが蜂の巣状に多数設けられている。内壁11bの上端には、本体11の上面11cに平行な天井板15が一体に設けられている。この天井板15の、内壁11bの上端以外の辺は、本体11の前面の外周の額縁部および本体11の両側面の内壁と密着して固定されている。この天井板15のほぼ中央部に円形の開口が設けられ、この開口に送風ファン16が取り付けられている。この送風ファン16の回転軸は天井板15に垂直になっている。この送風ファン16のモーターには図示省略した配線により電力が供給されるようになっている。天井板15と本体11の上面11cとからなる二重壁の間の空間は気体流路の一部を構成する。天井板15の直ぐ下方には、この天井板15に平行に、この天井板15とほぼ同じ大きさのシート状のろ材からなる塵埃フィルター17が設けられている。この塵埃フィルター17としては、例えば、ガラス繊維をろ材に用いたHEPAフィルターや、自己発塵の少ない材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレンをろ材に用いたULPAフィルターを用いる。この塵埃フィルター17は、本体11に固定された、自己発塵の少ない材料、例えば金属などからなる例えば格子状の網(図示せず)の上に載せられて支持されている。この網は必要に応じて枠体に取り付けられ、この枠体が本体11に固定される。
本体11の両側面および背面の下部にはそれぞれ、クリーンユニット間のコネクターおよび搬送路を兼用するトランスファーボックス18〜20が着脱自在に設けられている。図1〜図7には図示されていないが、これらのトランスファーボックス18〜20が取り付けられている部分の本体11の壁には開口部が設けられている。これらのトランスファーボックス18〜20を用いて両側面および背面の三方向から他のクリーンユニットを連結することができるようになっているとともに、これらのトランスファーボックス18〜20を通して試料などの搬送を行うことができるようになっている。トランスファーボックス18〜20は、典型的には、本体11の壁に設けられた開口部とこの開口部を開閉可能に設けられた遮断板とを有する。この遮断板は、開閉可能である限り、基本的にはどのようなものであってもよいが、典型的には引き戸や扉などである。トランスファーボックス18〜20の断面の寸法は例えば(15〜20cm)×(15〜20cm)であるが、これに限定されるものではない。
本体11の背面のトランスファーボックス20の接続部の付近の長方形の領域11dにおいては、外壁11aが形成されておらず、従って二重壁が形成されていない。そして、トランスファーボックス20はこの領域11dの内壁11bに接続されている。この領域11dの下端は本体11の背面の下端と一致している。外壁11aは、この領域11dの左端、右端および上端において垂直に折れ曲がって内壁11bと隙間なく接合している。上述のように二重壁は本体11の背面の領域11dの部分を除いた部分に形成されているが、この二重壁の形状は、左右が非対称であることを無視すると、凱旋門と同様な形状となっている。これを反映して、底板14と本体11の底面との間の空間を通って隙間13から二重壁の間の空間に入るエアーは、この領域11dの両側を通って上方に流れるが、このときのエアーの流れの形状も凱旋門と同様な形状となる(図2参照。)。このように二重壁を凱旋門と同様な形状に形成していることにより、本体11の背面に対するトランスファーボックス20の接続が可能となるとともに、二重壁の面積を最大化することができ、この二重壁の間の空間内のエアーの滞留を防ぐことができ、作業室1の下部からのエアーの還流を効率的に行うことができ、ひいては作業室1内の超高清浄度を短時間で達成することが可能となる。
前カバー12の前面の壁には二つの円形の開口部21が設けられており、これらの開口部21に一対の手作業用グローブ22が装着されている。そして、これらの手作業用グローブ22にオペレーターが両手を入れて、作業室1内で必要な作業を行うことができるようになっている。
次に、このクリーンユニットの運転方法の一例について説明する。ここでは、最初、作業室1の内部が通常の室内環境のような低清浄度であるとする。
送風ファン16を作動させると、図6中矢印で示すように、作業室1内のエアーは底板14の通気孔14aを通り、底板14と本体11の底面との間の空間を通って隙間13から本体11の背面の二重壁の間の空間に入り、さらに本体11の上面11cと天井板15とからなる二重壁の間の空間に入り、送風ファン16の側面に送られ、この送風ファン16から下方に排気される。こうして送風ファン16から排気されるエアーは天井板15と塵埃フィルター17との間の空間内で水平方向に広がるとともに、塵埃フィルター17を通ってダスト微粒子が除去された後、本体11の内部に送られる。この場合、塵埃フィルター17の空隙は極めて小さく、この塵埃フィルター17を通るエアーの流れに対して抵抗となるため、この塵埃フィルター17により非ゼロの圧力損失が生じる。その結果、塵埃フィルター17通過後のエアーの流れの、この塵埃フィルター17の場所依存性は小さくなる。こうして塵埃フィルター17から下方に流れるエアーは底板14の通気孔14aを通って底板14と本体11の底面との間の空間に流れ、再び上述の気体流路を通ってエアーが流れる。このようにして、作業室1から流出するエアーの全てが上述の気体流路を通って塵埃フィルター17の入口に入るエアーの還流が継続して起こることによりエアーの清浄化が行われる。
このクリーンユニットの作業室1内のダスト微粒子のカウント数の時間依存性の測定を行った。図11にその結果を示す。図11において、縦軸は粒径0.3μm以上のダスト微粒子数(個/cf)を対数で表示している。クリーンユニットは通常環境の部屋に設置した。クリーンユニットは密閉されており、作業室1内にダストカウンターを設置した。ただし、本体11の内部の空間の大きさは奥行き約41cm、幅約80cm、高さ約80cm、前カバー12の下端の奥行きは約14cm、上端の奥行きは約4cmである。この場合、クリーンユニットの作業室1の内部の空間の体積は約0.4m3 である。二重壁を構成する外壁11aと内壁11bとの間の空間の厚さは約3.2cmである。二重壁が形成されていない領域11cの寸法は幅約30cm、高さ約25cmである。送風ファン16としては、寸法が18cm×18cm×9cmの軸流ファンを用い、風量は0.4〜0.9m3 /分である。本体11は鏡面仕上げ(JIS規格#400相当)のステンレス鋼により形成し、前カバー12は透明パレックス樹脂により形成した。塵埃フィルター17としては、寸法が20cm×20cm×5.5cm、粒径0.3μmのダスト微粒子の捕集効率が99.99%以上のHEPAフィルターを用いた。
図11から分かるように、送風ファン16の作動後、わずか5分で粒径0.3μm以上のダスト微粒子数は1(個/cf)に減少し、その後は平均で0.275(個/cf)になった。すなわち、塵埃フィルター17としてのHEPAフィルターが本体11の天井、すなわち上面11cに平行に配置されたこのクリーンユニットの構造では、このクリーンユニットの最上部が、占有体積を小さく抑えたコンパクトな気流浄化機構を有し、このクリーンユニットの占有体積に対する作業室1の内部の作業空間の相対的な比率を大きくすることができるので、クリーンユニットの上部をフルフラットな構造とすることを達成した上で、ISOクラス1程度の極めて良好な清浄度を達成することができた。なお、ダストカウンターとしては、東京ニュークリアサービス(株)のLasair110および310を使用した。
以上のように、この第1の実施形態によれば、作業室1の本体11の内部において上面11cに平行に天井板15が設けられ、この天井板15に送風ファン16が取り付けられ、この天井板15の直ぐ下方に塵埃フィルター17が設けられていることにより、特許文献9に提案された従来のクリーンユニットと異なり、作業室1の上面をフラットに構成することができ、ひいてはクリーンユニットの全体の大きさを小さくすることができる。また、作業室1の上面がフラットな面であるので、塵埃フィルター17のろ材の使用量を最小にすることができる。あるいは、塵埃フィルター17のろ材を折り込まれたジグザグ形状の断面構造とする場合でも、ジグザグ形状の断面構造を有するろ材の周期をw、高さをhとしたとき、0<h/w≦10とすることにより、従来の一般的なクリーンユニットに比べてクリーンユニットをコンパクトに構成することができるとともに、塵埃フィルター17のろ材の使用量を少なく抑えることができる。従来これができなかったのは以下の理由による。
すなわち、塵埃フィルターが平面構造である場合や、ジグザグ形状の断面構造を有する場合であっても高さ(振幅)hが小さいものを用いる場合は、
1)塵埃フィルターにおける圧力損失が大きくなり、このため風量が落ち、ダスト微粒子の捕集効率γが低下してしまう。
2)密閉完全循環構成を有していない従来の一般的なクリーンユニットでは、塵埃フィルターの作業室と反対側の片側は、ダスト微粒子密度の高い気体と接しており、塵埃フィルターの目詰まりが激しい。この目詰まりの問題を解決するためには、目の細かさの度合いが異なる塵埃フィルターの数層にも亘る積層構造を採用せざるを得なかった。
という問題があるため、実際上、平面構造やジグザグ形状の断面構造を有する塵埃フィルターを用いることは困難であった。すなわち、従来は、折り込みにより塵埃フィルターの面積を大きくして圧力損失を低くするとともに、塵埃フィルターの目詰まりを単位面積当たりで緩和することで、いわばだましだまし使っていた。
これに対し、この第1の実施形態によれば、密閉完全循環構成を有していない従来の一般的なクリーンユニットでは、到達清浄度は(1−γ)n (nは塵埃フィルターの多重度で通常n=2)の依存性を有するので、γの劣化で数桁の清浄度の劣化が生じるのとは大きく異なり、到達清浄度は1/γの依存性を有するため、γの多少の劣化は完全に無視することができる。すなわち、γが1−ε(ε>0)に劣化したとしても、到達清浄度は、γ=1の理想的な場合に比べて、1/(1−ε)〜1+εにしたがって、高々2倍以下、実際上数%と極めてわずかしか劣化しない。また、密閉完全循環構成を有するため、図11に示す実験結果に示すように、ダスト微粒子密度が高い気体に接するのは数分のオーダーに過ぎず、塵埃フィルターの目詰まりの問題も従来に比べると無視することができる位にわずかである。ちなみに、従来の一般的なクリーンユニットの使用条件では、フィルター寿命は数年であるが、このクリーンユニットにおいて塵埃フィルターがダスト微粒子が高い気体に接する時間のスケールは上記のように数分のオーダーであるから、フィルターの目詰まりは無視することができることが分かる。したがって、従来のクリーンユニットでは必要であった塵埃フィルターの積層構造は採用する必要がない。最も簡単な場合は、最も目の細かい塵埃フィルター(例えば、ULPAフィルターの単一平面構造、あるいはHEPAフィルターとULPAフィルターとの平面2面のみのタンデム構造)でも実用に耐えうる。さらに、上述のような単一平面構造の塵埃フィルターのみでも、高清浄度を達成することができるため、上述のように塵埃フィルターのろ材の使用量が従来に比べてはるかに少なくて済む。したがって、清浄空間あるいは作業室の天井面全体あるいは天井面の多くの比率を占める部分を、この単一平面構造の塵埃フィルターで覆うことが、コスト増加を伴うことなく可能となる。さらにこの場合、圧力損失が天井面全体で生じるので、均一なダウンフローが、セルフアライン的に、自動的に形成される。
また、密閉可能なクリーンユニットの作業室1の本体11の背面を一部を除いて二重壁とし、この二重壁の間の空間を、作業室1の内部から塵埃フィルター17の入口に戻る気体流路の一部としているので、作業室1から塵埃フィルター17の入口にエアーを途中で淀むことなく効率良く還流させることができる。このため、このクリーンユニットをオフィスなどの通常の環境下にクリーンユニットを置いた場合でも、塵埃フィルター17の運転開始後極めて短時間(例えば、20分程度)で例えばISOクラス−1程度の超高清浄度を達成することができ、しかも長期間にわたってこの超高清浄度を維持することができる。このため、このように超高清浄度の作業室1内で素子の製造や細胞の育成などを汚染を最小限に抑えつつ、最適な環境で行うことができ、歩留まりの大幅な向上を図ることができる。また、このクリーンユニットは、清浄度が低い通常のオフィス環境に設置しても内部の高清浄度環境を維持することができることから、従来のように巨大なクリーンルーム内に設置する必要がなく、設備コストの大幅な低減を図ることができる。このクリーンユニットは、このようにISOクラス−1程度の超高清浄度エアー環境を実現することができるため、完全に塵・菌がゼロの状態のクリーンエアー環境を実現することができる。例えば、次世代高度技術、特に、バイオとナノの融合や細胞培養の発展に資することができる。特に、高い費用がかかるGMPなどを廉価にシステムアップすることもできる。
以上を総合すると、全ての点において理想的なクリーンユニットを実現することができる。
次に、この考案の第2の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。
図12〜図18はこの第2の実施形態によるクリーンユニットを示し、図12は正面図、図13は背面図、図14は上面図、図15は左側面図、図16は右側面図、図17は図14のX−X線に沿っての断面図である。また、図18はこのクリーンユニットの作業室から前カバーを取り外した状態を示す正面図である。前カバーを本体に取り付けられる側から見た図は図9と同様である。
図12〜図18に示すように、このクリーンユニットにおいては、本体11の底面は、所定の間隔をおいて互いに平行に設けられた外壁11eと内壁11fとからなる二重壁により構成されている(図17参照)。この二重壁の間の空間は気体流路の一部を構成する。この場合、送風ファン16は、第1の実施形態と異なり、内壁11fのほぼ中央部に設けられた円形の開口に取り付けられている。この送風ファン16の回転軸は内壁11fに垂直になっている。また、第1の実施形態と異なり、天井板15は設けられていない。
このクリーンユニットの上記以外の構成は第1の実施形態によるクリーンユニットと同様である。
次に、このクリーンユニットの運転方法の一例について説明する。ここでは、最初、作業室1の内部が通常の室内環境のような低清浄度であるとする。
送風ファン16を作動させると、図17中矢印で示すように、作業室1内のエアーは底板14の通気孔14aを通り、底板14と本体11の底面の内壁11fとの間の空間を通って送風ファン16に入り、この送風ファン16から排気されて本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間を通って本体11の背面の二重壁の間の空間に入り、さらに本体11の上面11cと塵埃フィルター17との間の空間に送られ、この空間内で水平方向に広がるとともに、塵埃フィルター17を通ってダスト微粒子が除去された後、本体11の内部に送られる。こうして塵埃フィルター17から下方に流れるエアーは底板14の通気孔14aを通って本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間に流れ、再び上述の気体流路を通ってエアーが流れる。このようにして、作業室1から流出するエアーの全てが上述の気体流路を通って塵埃フィルター17の入口に入るエアーの還流が継続して起こることによりエアーの清浄化が行われる。
この第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この考案の第3の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。
図19〜図25はこの第3の実施形態によるクリーンユニットを示し、図19は正面図、図20は背面図、図21は上面図、図22は左側面図、図23は右側面図、図24は図21のX−X線に沿っての断面図、図25は図22のY−Y線に沿っての断面図である。また、図26はこのクリーンユニットの作業室から前カバーを取り外した状態を示す正面図である。前カバーを本体に取り付けられる側から見た図は図9と同様である。
図19〜図26に示すように、このクリーンユニットにおいては、本体11の背面は、外壁11aと内壁11bとからなる二重壁ではなく、外壁11aのみにより構成されている(図24参照)。この場合、本体11の背面側の両隅に、本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間と、本体11の上面11cと塵埃フィルター17との間の空間とを連結するように垂直方向に還流パイプ23、24が設けられている。これらの還流パイプ23、24の内部の空間は気体流路の一部を構成する。
このクリーンユニットの上記以外の構成は第2の実施形態によるクリーンユニットと同様である。
次に、このクリーンユニットの運転方法の一例について説明する。ここでは、最初、作業室1の内部が通常の室内環境のような低清浄度であるとする。
送風ファン16を作動させると、図24中矢印で示すように、作業室1内のエアーは底板14の通気孔14aを通り、底板14と本体11の底面の内壁11fとの間の空間を通って送風ファン16に入り、この送風ファン16から排気されて本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間を通って還流パイプ23、24を通り、本体11の上面11cと塵埃フィルター17との間の空間に入り、この空間内で水平方向に広がるとともに、塵埃フィルター17を通ってダスト微粒子が除去された後、本体11の内部に送られる。こうして塵埃フィルター17から下方に流れるエアーは底板14の通気孔14aを通って本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間に流れ、再び上述の気体流路を通ってエアーが流れる。このようにして、作業室1から流出するエアーの全てが上述の気体流路を通って塵埃フィルター17の入口に入るエアーの還流が継続して起こることによりエアーの清浄化が行われる。
この第3の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この考案の第4の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。
図27〜図32はこの第4の実施形態によるクリーンユニットを示し、図27は正面図、図28は背面図、図29は上面図、図30は図29のW−W線に沿っての断面図、図31は図29のZ−Z線に沿っての断面図である。このクリーンユニットの、図22のY−Y線に沿っての断面図は図25と同様である。図32はこのクリーンユニットの作業室から前カバーを取り外した状態を示す正面図である。前カバーを本体に取り付けられる側から見た図は図9と同様である。
図27〜図32に示すように、このクリーンユニットにおいては、本体11の背面は、外壁11aと内壁11bとからなる二重壁ではなく、外壁11aのみにより構成されている(図30および図31参照)。この場合、本体11の上面11cに平行に一層目の塵埃フィルター17が設けられ、この塵埃フィルター17の直ぐ下方にこの塵埃フィルター17に平行にセパレータ25が設けられ、このセパレータ25の直ぐ下方にこのセパレータ25に平行に二層目の塵埃フィルター26が設けられている。塵埃フィルター17とセパレータ25との間の空間と、塵埃フィルター26とセパレータ25との間の空間とはこのセパレータ25により互いに分離されている。この場合、本体11の背面側の一方の隅に、本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間と、本体11の上面11cと塵埃フィルター17との間の空間とを連結するように垂直方向に還流パイプ23が設けられている。また、本体11の背面側の他方の隅に、本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間と、塵埃フィルター26とセパレータ25との間の空間とを連結するように垂直方向に還流パイプ24が設けられている。これらの還流パイプ23、24の内部の空間は気体流路の一部を構成する。
上述の塵埃フィルター17、セパレータ25および塵埃フィルター26の詳細について説明する。図33は塵埃フィルター17、セパレータ25および塵埃フィルター26の部分を示す。また、図34はクリーンユニットの本体11の左上部における塵埃フィルター17、セパレータ25および塵埃フィルター26を示す。図33および図34に示すように、平面構造を有するシート状のろ材からなる塵埃フィルター17は、長方形の枠体27に張られた格子状の網28の上に載せられている。同様に、平面構造を有するシート状のろ材からなる塵埃フィルター26は長方形の枠体29に張られた格子状の網30の上に載せられている。枠体27、セパレータ25および枠体29はそれらの四隅で連結棒31により互いに連結されている。図33においては、枠体29の全体を図示するために、枠体29を連結棒31から外した状態が示されている。還流パイプ23は枠体29の図33中左奥の隅に連結されている。また、還流パイプ24は枠体29およびセパレータ25を貫通して枠体27の図33中右奥の隅に連結されている。本体11の内壁と枠体27、セパレータ25および枠体29の側面との間は従来公知のコーキング材(シール材)により封止されている。セパレータ25と枠体29との間には連結パイプ32が取り付けられており、この連結パイプ32により、塵埃フィルター17とセパレータ25との間の空間と、塵埃フィルター26の下方の空間とが互いに連結されている(図29参照)。図33においては、枠体29を連結パイプ32から外した状態が示されている。符号33は連結パイプ32を枠体29に取り付けるための開口を示す。連結パイプ32と枠体29との間はOリングなどにより封止されている。
塵埃フィルター17、26は、除去可能なダスト微粒子の最小径が互いに異なり、塵埃フィルター17に比べて塵埃フィルター26の方が除去可能なダスト微粒子の最小径が小さい。塵埃フィルター17としては、例えば、ガラス繊維をろ材に用いたHEPAフィルターを用いる。塵埃フィルター26としては、自己発塵の少ないもの、例えば、ポリテトラフルオロエチレンをろ材に用いたULPAフィルターを用いる。
図示は省略するが、還流パイプ23、24の下部には弁が取り付けられており、これらの弁を開閉することにより還流パイプ23、24を通るエアーの流れを制御することができるようになっている。
このクリーンユニットの上記以外の構成は第2の実施形態によるクリーンユニットと同様である。
次に、このクリーンユニットの運転方法の一例について説明する。ここでは、最初、作業室1の内部が通常の室内環境のような低清浄度であるとする。
まず、還流パイプ23に取り付けられた弁を閉め、還流パイプ24に取り付けられた弁を開けた状態で送風ファン16を作動させると、図31中矢印で示すように、作業室1内のエアーは底板14の通気孔14aを通り、底板14と本体11の底面の内壁11fとの間の空間を通って送風ファン16に入り、この送風ファン16から排気されて本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間を通って還流パイプ24を通り、本体11の上面11cと塵埃フィルター17との間の空間に入り、この空間内で水平方向に広がるとともに、塵埃フィルター17を通って粒径が大きいダスト微粒子が除去され、図30に示すように連結パイプ32を通って塵埃フィルター26の下方の空間に排気される。こうして塵埃フィルター17により粒径が大きいダスト微粒子を十分に除去した後、還流パイプ24に取り付けられた弁を閉め、還流パイプ23に取り付けられた弁を開ける。こうすることで、図30中矢印で示すように、大きいダスト微粒子が除去された作業室1内のエアーは底板14の通気孔14aを通り、底板14と本体11の底面の内壁11fとの間の空間を通って送風ファン16に入り、この送風ファン16から排気されて本体11の底面の内壁11fと外壁11eとの間の空間を通って還流パイプ23を通り、セパレータ25と塵埃フィルター26との間の空間に入り、この空間内で水平方向に広がるとともに、塵埃フィルター26を通ってより粒径が小さいダスト微粒子が除去される。こうしてエアーの清浄化が行われる。
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点に加えて次のような利点を得ることができる。すなわち、塵埃フィルター17により粒径が大きいダスト微粒子を除去してある清浄度まで清浄化を行ってから、より粒径が小さいダスト微粒子の除去が可能な塵埃フィルター26を使用して清浄化を行うため、最初から塵埃フィルター26を使用して清浄化を行う場合に比べて、塵埃フィルター26の目詰まりなどを起こすことなく、作業室1を塵埃フィルター26により到達可能な清浄度に清浄化することができる。また、塵埃フィルター26の寿命の向上を図ることができる。このため、このクリーンユニットをオフィスなどの通常の環境下にクリーンユニットを置いた場合でも、塵埃フィルター17、26の運転開始後極めて短時間(例えば、20分程度)で例えばISOクラス−1〜−3という世界最高の超高清浄度を達成することができ、しかも長期間にわたってこの超高清浄度を維持することができる。このため、このように超高清浄度の作業室1内で素子の製造や細胞の育成などを汚染を最小限に抑えつつ、最適な環境で行うことができ、歩留まりの大幅な向上を図ることができる。また、このクリーンユニットは、清浄度が低い通常のオフィス環境に設置しても内部の高清浄度環境を維持することができることから、従来のように巨大なクリーンルーム内に設置する必要がなく、設備コストの大幅な低減を図ることができる。このクリーンユニットは、このようにISOクラス−2〜−3程度の超高清浄度エアー環境を実現することができるため、完全に塵・菌がゼロの状態のクリーンエアー環境を実現することができる。例えば、次世代高度技術、特に、バイオとナノとの融合や細胞培養の発展に資することができる。特に、高い費用がかかるGMPなどを廉価にシステムアップすることもできる。
次に、この考案の第5の実施形態によるポータブル(ハンドキャリータイプ)クリーンユニットについて説明する。
図35〜図39はこの第5の実施形態によるポータブルクリーンユニットを示し、図35は斜視図、図36は正面図、図37は図35のX−X線に沿っての断面図、図38は上面図、図39は分解斜視図である。
図35〜図39に示すように、このポータブルクリーンユニットは、全体として直方体形状の箱状の本体11を有する。図39の分解斜視図には、便宜上、この本体11の六面を構成する上板、前面板、背面板、左側板、右側板および底板をそれぞれ符号41〜46で示すが、これは別々に作られた六枚の板によりこの本体11を構成しなければならないことを意味するものではない。本体11の内部は外部から密閉することができるようになっている。前面板42は本体11の前面に取り外し可能に設けられており、図示省略した固定具により固定することができるようになっている。前面板42には、外部から内部を観察可能とするために、ガラス窓42aが設けられている。このポータブルクリーンユニットを直接手に持って搬送する場合には、上板41に把手が取り付けられる。
本体11の内部においては、底板46から離れた位置に仕切り板47がこの底板46に平行に設けられている。また、この仕切り板47と上板41とを垂直に連結するように、右側板45から離れた位置に仕切り板48がこの右側板45に平行に設けられている。この仕切り板48により、上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間と、上板41、前面板42、背面板43、右側板45、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間とが互いに分離されている。前面板42を取り外した状態で、上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間の中にプロセス装置や観察装置などの必要な装置や試料などを入れることができるようになっている。仕切り板48の下部の一端には切欠き部48aが設けられている。この切欠き部48aを介して、上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間と、上板41、前面板42、背面板43、右側板45、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間とが互いに連通している。上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間の上部には、上板41の直ぐ下方に、この上板41に平行に、塵埃フィルター17、セパレータ25および塵埃フィルター26が設けられている。図示は省略するが、塵埃フィルター17とセパレータ25との間の空間と、塵埃フィルター26の下方の空間とは連結パイプにより互いに連結されている。上板41、前面板42、背面板43、右側板45、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間においては、エアーを送るブロワ49が仕切り板48に取り付けられている。図示は省略するが、このブロワ49にはエアーの吸い込み口が設けられている。このブロワ49のモーターには、前面板42、背面板43、左側板44、右側板45、仕切り板47および底板46により囲まれた空間に収容された電池パック50から、図示省略された配線により電力が供給されるようになっている。
仕切り板48の上部には、上板41と塵埃フィルター17との間の空間に繋がった開口48bおよびセパレータ25と塵埃フィルター26との間の空間に繋がった開口48cが設けられている。図示は省略するが、これらの開口48bおよび開口48cには微小な弁が設けられている。
本体11を構成する上板41、前面板42、背面板43、左側板44、右側板45、底板46、仕切り板47および仕切り板48は、内壁からのダスト微粒子の放出を抑えたり、静電気の発生などによるダスト微粒子の付着を防止するために、好適には、金属、取り分けステンレス鋼(例えば、SUS304)により形成され、より好適には、その内面が、除去しようとするダスト微粒子の径と同程度またはそれ以上の大きさの凹凸を有しない平滑表面であるもの、例えば鏡面(例えば、JIS規格#400〜#800相当)のステンレス鋼により形成されるが、他の材料、例えばアクリル樹脂などの樹脂を用いてもよい。
本体11の寸法は、一般的には奥行き、幅、高さとも60cm以内であり、上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間49の寸法は、一般的には奥行きは60cm以内、幅、高さは55cm以内であるが、これに限定されるものではない。
次に、このポータブルクリーンユニットの運転方法の一例について説明する。ここでは、最初、本体11の上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間の内部が通常の室内環境のような低清浄度であるとする。
まず、仕切り板48の開口48cに設けられた弁を閉め、仕切り板48の開口48bに設けられた弁を開けた状態でブロワ49を作動させると、本体11の、上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間内のエアーが仕切り板48の下部の切欠き部48aの空隙を通って、上板41、前面板42、背面板43、右側板45、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間内に引き込まれ、ブロワ49に吸い込まれて排気口から排気される。こうしてブロワ49から排気されたエアーは、仕切り板48の開口48bを通って、上板41と塵埃フィルター17との間の空間に入り、この空間内で水平方向に広がるとともに、塵埃フィルター17を通って粒径が大きいダスト微粒子が除去され、連結パイプを通って塵埃フィルター26の下方の空間に排気される。こうして塵埃フィルター17により粒径が大きいダスト微粒子を十分に除去した後、仕切り板48の開口48bに設けられた弁を閉め、仕切り板48の開口48cに設けられた弁を開ける。大きいダスト微粒子が除去された、上板41、前面板42、背面板43、左側板44、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間内のエアーは、仕切り板48の下部の切欠き部48aの空隙を通って、上板41、前面板42、背面板43、右側板45、仕切り板47および仕切り板48により囲まれた空間内に引き込まれ、ブロワ49に吸い込まれて排気口から排気される。そして、こうしてブロワ49から排気されたエアーは、仕切り板48の開口48cを通って、セパレータ25と塵埃フィルター26との間の空間に入り、この空間内で水平方向に広がるとともに、塵埃フィルター26を通ってより粒径が小さいダスト微粒子が除去される。こうしてエアーの清浄化が行われる。
この第5の実施形態によれば、第4の実施形態と同様な利点を得ることができることに加えて、いつでも、どこへでも持ち運びができ、ポータブルクリーンユニットを実現することができるという利点を得ることができる。このポータブルクリーンユニットは、密閉構造であるため、設置環境に依存せず、清浄度が低いオフィス環境などの通常の環境に設置しても内部の高清浄度環境を維持することができ、試料を高清浄度環境に置いたまま、持ち運ぶことができる。
次に、この考案の第6の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。
このクリーンユニットにおいては、第1〜第4の実施形態によるクリーンユニットまたは第5の実施形態によるポータブルクリーンユニットにおける塵埃フィルター17、26として、図40Aに示すように、断面が周期(ピッチ)w、高さ(振幅)hのジグザグ形状を有し、全体としてシート状のろ材からなるものを用いる。一般的には0<h/w≦10である。具体的には、wは例えば数mm程度、hは例えば数cm程度であるが、これに限定されるものではない。比較のために、塵埃フィルター17、26が図40Aに示すものと占有面積が同じ平坦なシート状のろ材からなるものを図40Bに示す。例えばwが3mm、hが5cmとすると、図40Aに示すものは、占有面積が同じ図40Bに示すろ材に比べて、有効面積は約33倍にもなる。
この第6の実施形態によれば、塵埃フィルター17、26として、ジグザグ形状の断面構造を有し、全体としてシート状のろ材からなるものを用いることにより、占有面積が同じ平坦なシート状ろ材を用いた場合に比べて、フィルターの有効面積を極めて大きく、例えば約33倍も大きくすることができる。このため、塵埃フィルター17、26により効率的にダスト微粒子を除去することができる。また、有効面積を十分に大きく維持しつつ、塵埃フィルター17、26の占有面積を小さくすることができるので、クリーンユニットの小型化にも十分に対応することができる。
次に、この考案の第7の実施形態による連結クリーンユニットについて説明する。
図41に示すように、この連結クリーンユニットにおいては、第1〜第5の実施形態によるクリーンユニットと同様な三方向接続可能なクリーンユニット121〜128がトランスファーボックス129を介して連結されている。この場合、クリーンユニット122〜127はループ状配置で連結されている。
各クリーンユニット121〜128で行われる作業は例えば次の通りである。まず、クリーンユニット121は保管ユニットで、試料保管庫(例えば、基板を収納したウエハーカセット)が設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス129は試料投入口、同じく連結に使用されていない背面のトランスファーボックス129は非常時試料取出口である。クリーンユニット122は化学ユニットで、例えば化学前処理システムが設置され、化学前処理が行われる。クリーンユニット123はレジストプロセスユニットで、例えばスピンコータおよび現像装置が設置され、レジストのコーティングや現像が行われる。クリーンユニット124はリソグラフィーユニットで、露光装置が設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス129は非常時試料取出口である。クリーンユニット125は成長/メタライゼーションユニットで、例えば電気化学装置およびマイクロリアクターシステムが設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス129は非常時試料取出口である。クリーンユニット126はエッチングユニットで、エッチング装置が設置されている。このクリーンユニット126の背面のトランスファーボックス129は、中継ボックス130を介して、クリーンユニット123の背面のトランスファーボックス129と連結されている。クリーンユニット127はアセンブリユニットで、例えば顕微鏡およびプローバーが設置されている。クリーンユニット128は走査プローブ顕微鏡(SPM)観察ユニットで、例えば卓上STMおよび卓上AFMが設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス129は試料取出口、同じく連結に使用されていない背面のトランスファーボックス129は非常時試料取出口である。クリーンユニット123のスピンコータ、クリーンユニット124の露光装置、クリーンユニット125の電気化学装置およびマイクロリアクターシステム、クリーンユニット126のエッチング装置、クリーンユニット127のプローバーなどは電源に接続されていて電源が供給されるようになっている。また、クリーンユニット125の電気化学装置は信号ケーブルにより電気化学装置制御器と接続されており、この電気化学装置制御器により制御されるようになっている。さらに、クリーンユニット127の顕微鏡、クリーンユニット128の卓上STMおよび卓上AFMによる観察画像は、液晶モニターに映し出すことができるようになっている。
この連結クリーンユニットにおいて、例えば、第1〜第5の実施形態によるクリーンユニットを小型化してポータブルとしたポータブルクリーンユニットの作業室内に試料(例えば、半導体ウェハー)を保管したまま、このポータブルクリーンユニットのトランスファーボックスをクリーンユニット128の試料取り出し口に取り付けて連結する。この状態でトランスファーボックス129を経由して、遠く離れた2つの地点に存在する、クリーンユニット連結プラットフォームシステムの間で試料の移動を行うこともできる。また、このポータブルクリーンユニットからクリーンユニット128に試料を搬送し、卓上STMまたは卓上AFMにより観察を行うこともできる。
この第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点に加えて、次のような多くの利点を得ることができる。すなわち、化学前処理、レジスト塗布、露光、現像、成長/メタライゼーション、エッチング、プロービング、表面観察など、通常巨大なクリーンルームの中に設えられた装置群を駆使して行われるほぼあらゆる工程を、超高清浄度のクリーンエアー環境が得られるクリーンユニットを連結した連結クリーンユニットにおいてループ状配置などを取ることによって、大規模なクリーンルームを用いることなく通常の実験室規模の部屋の中において簡便かつコンパクトに実現することができる。
以上、この考案の実施形態について具体的に説明したが、この考案は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この考案の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、構造、構成、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、形状、材料などを用いてもよい。
この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの正面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの背面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの上面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの左側面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの右側面図である。 図3のX−X線に沿っての断面図である。 図4のY−Y線に沿っての断面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの本体の正面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの前カバーの背面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットの底板の平面図である。 この考案の第1の実施形態によるクリーンユニットのダスト微粒子数の経時変化を示す略線図である。 この考案の第2の実施形態によるクリーンユニットの正面図である。 この考案の第2の実施形態によるクリーンユニットの背面図である。 この考案の第2の実施形態によるクリーンユニットの上面図である。 この考案の第2の実施形態によるクリーンユニットの左側面図である。 この考案の第2の実施形態によるクリーンユニットの右側面図である。 図14のX−X線に沿っての断面図である。 この考案の第2の実施形態によるクリーンユニットの本体の正面図である。 この考案の第3の実施形態によるクリーンユニットの正面図である。 この考案の第3の実施形態によるクリーンユニットの背面図である。 この考案の第3の実施形態によるクリーンユニットの上面図である。 この考案の第3の実施形態によるクリーンユニットの左側面図である。 この考案の第3の実施形態によるクリーンユニットの右側面図である。 図21のX−X線に沿っての断面図である。 図22のY−Y線に沿っての断面図である。 この考案の第3の実施形態によるクリーンユニットの本体の正面図である。 この考案の第4の実施形態によるクリーンユニットの正面図である。 この考案の第4の実施形態によるクリーンユニットの背面図である。 この考案の第4の実施形態によるクリーンユニットの上面図である。 図29のW−W線に沿っての断面図である。 図29のZ−Z線に沿っての断面図である。 この考案の第4の実施形態によるクリーンユニットの本体の正面図である。 この考案の第4の実施形態によるクリーンユニットにおける二層の塵埃フィルターおよびセパレータの構造の詳細を示す分解斜視図である。 この考案の第4の実施形態によるクリーンユニットにおける二層の塵埃フィルターおよびセパレータの構造の詳細を示す断面図である。 この考案の第5の実施形態によるポータブルクリーンユニットの斜視図である。 この考案の第5の実施形態によるポータブルクリーンユニットの正面図である。 この考案の第5の実施形態によるポータブルクリーンユニットの断面図である。 この考案の第5の実施形態によるポータブルクリーンユニットの上面図である。 この考案の第5の実施形態によるポータブルクリーンユニットの分解斜視図である。 この考案の第6の実施形態によるクリーンユニットにおいて用いられる塵埃フィルターの構成例を示す略線図である。 この考案の第7の実施形態による連結クリーンユニットを示す平面図である。 従来のクリーンユニットを示す断面図である。
符号の説明
1…作業室、11…本体、11a…外壁、11b…内壁、11c…上面、11e…外壁、11f…内壁、12…前カバー、13…隙間、14…底板、15…天井板、16…送風ファン、17、26…塵埃フィルター、18〜21…トランスファーボックス、22…手作業用グローブ、23、24…還流パイプ、25…セパレータ、27、29…枠体、28、30…網、31…連結棒、32…連結管

Claims (16)

  1. 密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、
    上記作業室に設けられた送風動力を伴う塵埃フィルターと、
    上記作業室と上記塵埃フィルターの入口との間を気密性を持って接続する気体流路とを有し、
    上記作業室から流出する気体の全てが上記気体流路を通って上記塵埃フィルターの入口に入るように構成されたクリーンユニットであって、
    上記作業室の内部に上記作業室の上部の壁面に対向して少なくとも一層の塵埃フィルターが設けられている
    ことを特徴とするクリーンユニット。
  2. 上記塵埃フィルターと上記壁面との間の空間内において上記壁面に送風ファンが設けられていることを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  3. 上記塵埃フィルターと上記壁面との間の空間の厚さが上記作業室の内部の空間の縦方向の寸法の1/5以下であることを特徴とする請求項2記載のクリーンユニット。
  4. 上記塵埃フィルターと上記壁面との間の空間の厚さが0.5〜20cmであることを特徴とする請求項3記載のクリーンユニット。
  5. 上記作業室の下部の壁面が二重壁により構成され、この二重壁の間の空間内において上壁に送風ファンが設けられていることを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  6. 上記塵埃フィルターは少なくとも粒径0.3μm以上のダスト微粒子の捕集効率が0.9以上であることを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  7. 上記作業室の内部に上記作業室の上部の壁面に対向して二層以上の塵埃フィルターが設けられていることを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  8. 上記塵埃フィルターは上流側のHEPAフィルターと下流側のULPAフィルターとからなることを特徴とする請求項7記載のクリーンユニット。
  9. 上記塵埃フィルターを構成するろ材がジグザグ形状の断面構造を有することを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  10. 上記ジグザグ形状の断面構造を有するろ材の周期がw、高さがhであるとき、0<h/w≦10であることを特徴とする請求項9記載のクリーンユニット。
  11. 上記気体流路の一部が、上記作業室の背面側、側面側または底面側の壁面に設けられた二重壁の間の空間であって上記二重壁の間の空間の厚さが上記作業室の内部の空間の奥行き、幅または高さの寸法の1/5以下のものであることを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  12. 上記気体流路の一部が、上記作業室の側面側に設けられたパイプ状流路からなることを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  13. 上記パイプ状流路の断面の最大寸法が10cm以下であることを特徴とする請求項12記載のクリーンユニット。
  14. 上記パイプ状流路に弁が設けられ、この弁の開閉により上記パイプ状流路の開閉が可能であることを特徴とする請求項12記載のクリーンユニット。
  15. 上記作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
  16. クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
    少なくとも一つのクリーンユニットが、
    密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、
    上記作業室に設けられた送風動力を伴う塵埃フィルターと、
    上記作業室と上記塵埃フィルターの入口との間を気密性を持って接続する気体流路とを有し、
    上記作業室から流出する気体の全てが上記気体流路を通って上記塵埃フィルターの入口に入るように構成されたクリーンユニットであって、
    上記作業室の内部に上記作業室の上部の壁面に対向して少なくとも一層の塵埃フィルターが設けられているものである
    ことを特徴とする連結クリーンユニット。
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